特許第6847860号(P6847860)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6847860
(24)【登録日】2021年3月5日
(45)【発行日】2021年3月24日
(54)【発明の名称】データ送受信方法及びデータ送受信装置
(51)【国際特許分類】
   H04J 13/00 20110101AFI20210315BHJP
   H04L 1/08 20060101ALI20210315BHJP
【FI】
   H04J13/00
   H04L1/08
【請求項の数】14
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-559549(P2017-559549)
(86)(22)【出願日】2016年5月13日
(65)【公表番号】特表2018-524847(P2018-524847A)
(43)【公表日】2018年8月30日
(86)【国際出願番号】CN2016082096
(87)【国際公開番号】WO2016180369
(87)【国際公開日】20161117
【審査請求日】2019年5月10日
(31)【優先権主張番号】201510246653.2
(32)【優先日】2015年5月14日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100137903
【弁理士】
【氏名又は名称】菅野 亨
(72)【発明者】
【氏名】マ ルイフェン
(72)【発明者】
【氏名】リュー リュー
(72)【発明者】
【氏名】ムー チン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ホイリン
【審査官】 高野 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−535094(JP,A)
【文献】 特開2007−336093(JP,A)
【文献】 特表2009−505504(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01705808(EP,A1)
【文献】 特表2013−510475(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 13/00
H04L 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の変調方式でデータを変調して第一のシンボルストリームを生成するように配置される変調装置と、
前記第一のシンボルストリームを、それぞれ第一の変調方式より低い変調階数を有する変調方式で変調され、各第二のシンボルストリームの変調方式の変調階数の和が、第一の変調方式の変調階数と等しい、所定数の第二のシンボルストリームに分解するように配置される分解装置と、
前記所定数の第二のシンボルストリームに対して処理を行って符号分割多重されたデータストリームを生成するように配置される処理装置と、
符号分割多重されたデータストリームに対して処理を行って、処理後のデータストリームを送信するように配置される通信装置と
を備える、データ送信装置。
【請求項2】
前記処理装置は、前記所定数の第二のシンボルストリーム対して符号分割多重を行って前記符号分割多重されたデータストリームを生成するように配置される、請求項1に記載のデータ送信装置。
【請求項3】
前記処理装置は、前記所定数の第二のシンボルストリームをそれぞれ所定ユニット単位で所定回数分繰返して所定数の繰返しシンボルストリームを生成し、かつ前記所定数の繰返しシンボルストリームに対して符号分割多重を行って前記符号分割多重されたデータストリームを生成するように配置される、請求項1に記載のデータ送信装置。
【請求項4】
前記所定ユニットはシンボル又はサブフレームである、請求項3に記載のデータ送信装置。
【請求項5】
前記通信装置は、さらに無線リソース制御シグナリングにより前記所定回数を指示する情報を受信するように配置される、請求項3または4に記載のデータ送信装置。
【請求項6】
前記通信装置は、符号分割多重を行うことを指示する情報を下りリンク制御チャネルにより受信し、かつ無線リソース制御シグナリングにより前記所定数を指示する情報を受信するように配置される、請求項1ないし5のいずれか一項に記載のデータ送信装置。
【請求項7】
データを受信し、受信された前記データに対して処理を行って、符号分割多重されたデータストリームを取得するように配置される通信装置と、
前記符号分割多重されたデータストリームに対して処理を行って所定数の第一のシンボルストリームを生成するように配置される処理装置と、
前記所定数の第一のシンボルストリームを組合せて、各第一のシンボルストリームの変調方式より高い変調階数を有する変調方式で変調され、各第一のシンボルストリームの変調方式の変調階数の和が、第二のシンボルストリームの変調方式の変調階数と等しい、第二のシンボルストリームになるように配置される組合せ装置と、
前記第二のシンボルストリームを復調して、復調されたデータストリームを生成するように配置される復調装置と
を備える、データ受信装置。
【請求項8】
前記処理装置は、前記符号分割多重されたデータストリームに対して逆多重化を行って、前記所定数の第一のシンボルストリームとして、所定数の逆多重化データストリームを生成するように配置される、請求項7に記載のデータ受信装置。
【請求項9】
前記処理装置は、前記符号分割多重されたデータストリームに対して逆多重化を行って所定数の逆多重化データストリームを生成し、それぞれ前記所定数の逆多重化データストリームから、前記所定数の第一のシンボルストリームとして、所定ユニットとして所定回数分繰返しされたシンボルストリームを抽出するように配置される、請求項7に記載のデータ受信装置。
【請求項10】
前記所定ユニットはシンボル又はサブフレームである、請求項9に記載のデータ受信装置。
【請求項11】
前記通信装置は、さらに無線リソース制御シグナリングにより前記所定回数を指示する情報を受信するように配置される、請求項9又は10に記載のデータ受信装置。
【請求項12】
前記通信装置は、物理下りリンク制御チャネルにより符号分割多重を行ったことを指示する情報を受信し、無線リソース制御シグナリングにより前記所定数を指示する情報を受信するように配置される、請求項7ないし11のいずれか一項に記載のデータ受信装置。
【請求項13】
第一の変調方式でデータを変調して第一のシンボルストリームを生成することと、
前記第一のシンボルストリームを、それぞれ第一の変調方式より低い変調階数を有する変調方式で変調され、各第二のシンボルストリームの変調方式の変調階数の和が、第一の変調方式の変調階数と等しい、所定数の第二のシンボルストリームに分解することと、
前記所定数の第二のシンボルストリームに対して処理を行って符号分割多重されたデータストリームを生成することと、
符号分割多重されたデータストリームに対して処理を行って、処理後のデータストリームを送信すること
を含む、データ送信方法。
【請求項14】
データを受信し、受信された前記データに対して処理を行って、符号分割多重されたデータストリームを取得することと、
前記符号分割多重されたデータストリームに対して処理を行って所定数の第一のシンボルストリームを生成することと、
前記所定数の第一のシンボルストリームを組合せて、各第一のシンボルストリームの変調方式より高い変調階数を有する変調方式で変調され、各第一のシンボルストリームの変調方式の変調階数の和が、第二のシンボルストリームの変調階数の変調次数と等しい、第二のシンボルストリームになることと、
前記第二のシンボルストリームを復調して、復調されたデータストリームを生成すること
を含む、データ受信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信分野に関し、具体的には、無線通信システム(特にマシンタイプ通信(MTC)システム)において使用されるデータ送信方法及びデータ受信方法、並びにデータ送信装置及びデータ受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マシンタイプ通信(MTC)は、無線ネットワークを介してデータ伝送を行うマシンツーマシン(M2M)通信技術であり、スマートグリッド、知的交通(intelligent traffic)などの分野に適用できる。3GPP(Third Generation Partnership Project)では、MTCについて検討・規格化されている。
【0003】
MTCについて、カバレッジエンハンスメント(coverage enhancement、CE)は検討の一つの焦点である。MTCのカバレッジを拡大することにより、それをより多くの場面で適用できる。MTCカバレッジを拡大する技術は既に提案されており、該技術では、送信しようとするデータをある時間帯内で複数回繰返し送信することで、データ送信の信頼性を向上させ、さらにMTCカバレッジを拡大する。しかしながら、データを複数回繰返し送信することにより、不可避な余分な電力消費が起こされ、スペクトル効率も低減されてしまう。データの繰返し送信回数が増加することに伴い、この問題はより深刻になる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明による一つの実施例によれば、データ送信方法を提供する。当該データ送信方法は、第一の変調方式でデータを変調して第一のシンボルストリームを生成する工程と、前記第一のシンボルストリームを、それぞれ第一の変調方式より低い変調次数を有する変調方式で変調される所定数の第二のシンボルストリームに分解する工程と、前記所定数の第二のシンボルストリームに対して処理を行って符号分割多重されたデータストリームを生成する工程と、符号分割多重されたデータストリームに対して処理を行って処理後のデータストリームを送信する工程を含む。
【0005】
本発明による他の一つの実施例によれば、データ受信方法を提供する。当該データ受信方法は、データを受信し、受信された前記データに対して処理を行って符号分割多重されたデータストリームを取得する工程と、前記符号分割多重されたデータストリームに対して処理を行って所定数の第一のシンボルストリームを生成する工程と、前記所定数の第一のシンボルストリームを組合せて、各第一のシンボルストリームの変調方式より高い変調次数を有する変調方式で変調される第二のシンボルストリームになる工程と、前記第二のシンボルストリームを復調して復調されたデータストリームを生成する工程を含む。
【0006】
本発明による別の一つの実施例によれば、データ送信装置を提供する。当該データ送信装置は、第一の変調方式でデータを変調して第一のシンボルストリームを生成するように配置される変調装置と、前記第一のシンボルストリームを、それぞれ第一の変調方式より低い変調次数を有する変調方式で変調される所定数の第二のシンボルストリームに分解するように配置される分解装置と、前記所定数の第二のシンボルストリームに対して処理を行って符号分割多重されたデータストリームを生成するように配置される処理装置と、符号分割多重されたデータストリームに対して処理を行って、処理後のデータストリームを送信するように配置される通信装置を備える。
【0007】
本発明による別の一つの実施例によれば、データ受信装置を提供する。当該データ受信装置は、データを受信し、受信された前記データに対して処理を行って符号分割多重されたデータストリームを取得するように配置される通信装置と、前記符号分割多重されたデータストリームに対して処理を行って所定数の第一のシンボルストリームを生成するように配置される処理装置と、前記所定数の第一のシンボルストリームを組合せて、各第一のシンボルストリームの変調方式より高い変調次数を有する変調方式で変調される第二のシンボルストリームになるように配置される組合せ装置と、前記第二のシンボルストリームを復調して、復調されたデータストリームを生成するように配置される復調装置を備える。
【0008】
本発明による上記実施例の方法及び装置を利用すれば、高次変調方式で変調されるシンボルストリームを低次変調方式で変調される複数のシンボルストリームに分解することができ、その後符号分割多重方式を使用して前記複数のシンボルストリームを送信することによって、データ送信の信頼性を向上させ、さらに繰返し送信回数を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
添付図面を参照しながら本発明の実施例について詳細に説明することによって、この発明の上記及びその他目的、特徴、および利点はより明白となろう。ここで、
図1A】本発明の実施例を適用できるマシンタイプ通信(MTC)システムの例を示す。
図1B】本発明の実施例を適用できるマシンタイプ通信(MTC)システムの例を示す。
図2】本発明の実施例によるデータ送信方法のフローチャートを示す。
図3】第二のシンボルストリームから繰返しシンボルストリームを生成する模式図を示す。
図4】繰返しユニットがシンボルであるときに取得した複数の符号分割多重レイヤーのデータストリームの例を示す。
図5】繰返しユニットがサブフレームであるときに取得した複数の符号分割多重レイヤーのデータストリームの例を示す。
図6A】PDCCHによって符号分割多重を行うかを指示するための指示ビットを送信する方法の模式図を示す。
図6B】PDCCHによって符号分割多重を行うかを指示するための指示ビットを送信する方法の模式図を示す。
図7】本発明の実施例によるデータ受信方法のフローチャートを示す。
図8】本発明の実施例によるデータ送信装置のブロック図を示す。
図9】本発明の実施例によるデータ受信装置のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。図面において、同じ参照符号はいつも同じ部品を示す。ここで説明する実施例は記述的なものに過ぎず、本発明の範囲を制限すると解釈すべきでないことは、理解すべきであろう。
【0011】
まず、図1A図1Bを参照し、本発明の実施例を適用できるMTCシステムの例を説明する。
【0012】
図1Aに示すMTCシステムの例は、MTCサーバー(又は基地局)と、MTCユーザー装置(UE)とを備え、MTCサーバーは、通信オペレーターが制御するドメイン内に位置するとともに、オペレーターにより提供される無線ネットワーク又はその他ネットワークを介してUEと通信する。図1Bに示すMTCシステムの例はMTCサーバーとUEを備え、MTCサーバーは、通信オペレーターが制御するドメイン外に位置するとともに、オペレーターにより提供される無線ネットワーク又はその他ネットワークを介してUEと通信する。具体的には、UEは、前記ネットワークを介してMTCサーバーへ物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)を送信することができ、並びにMTCサーバーから物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)を受信することができる。理解すべきは、図1A図1Bに示すMTCサーバーとUEの数は模式的なものであり、必要に応じてより多くのMTCサーバー並びにより多く又はより少なくのUEを備えてもよい。
【0013】
以下、図2を参照し、本発明の実施例によるデータ送信方法を説明する。当該方法はUEにより実行されてもよいし、MTCサーバーにより実行されてもよい。以下、当該方法がUEにより実行されることを例として本発明の実施例を説明するが、この説明を適切に調整すればMTCサーバーにも適用できる。
【0014】
図2を参照し、ステップS201において、第一の変調方式で前記データを変調して第一のシンボルストリームを生成することできる。ここで、前記データは、送信しようとするMTCサービングデータをスクランブルすることで得られたデータであってもよいし、その他のデータであってもよい。
【0015】
前記第一の変調方式は高次変調方式、例えば変調次数が2より大きい変調方式であってもよく、かつ、例えばQPSK、16QAM又は64QAMなどであってもよい。MTCサーバーとUEとの間のチャネル品質に応じて前記第一の変調方式を選択することができる。例えば、チャネル品質の良い場合、比較的に高次の変調方式、例えば16QAM又は64QAMを選択することができる一方、チャネル品質の悪い場合、比較的に低次の変調方式、例えばQPSKを選択することができる。前記第一の変調方式として、実際の必要又はその他の要因に応じて適切な変調方式を選択してもよい。第一の変調方式の選択は、UEによって実行してからMTCサーバーに通知してもよいし、MTCサーバーによって実行してからUEに通知してもよい。代わりに、MTCサーバーとUEにおいて第一の変調方式を予め設定してもよい。
【0016】
ステップS202において、第一のシンボルストリームを所定数の第二のシンボルストリームに分解できる。各第二のシンボルストリームは、第一の変調方式より低い変調次数を有する変調方式で変調されたものである。言い換えると、高次変調の一つのシンボルストリーム(第一のシンボルストリーム)を低次変調の複数のシンボルストリーム(第二のシンボルストリーム)に分解することができる。以下、説明の便宜上、N(N>1)で前記所定数を表現する。
【0017】
第一の変調方式の変調次数及び/又は設計要件に応じて前記所定数Nを決定することができる。Nは第一の変調方式の変調次数以下である。例えば、第一の変調方式が16QAMの場合、その変調次数が4であるため、Nは2又は4であってもよい。第一の変調方式が64QAMの場合、その変調次数が6であるため、Nは3又は2であってもよい。MTCサーバーによってNを決定し、無線リソース制御(RRC)シグナリングのような準静的シグナリング又はその他のシグナリングによってNを指示する情報をUEに送信することで、UEがRRCシグナリングによって当該Nを指示する情報を受信するようにしてもよい。代わりに、UEによってNを決定するとともに、それを適切なシグナリングによってMTCサーバーに通知してもよい。
【0018】
また、第一の変調方式の変調次数とN及び/又はその他の要因に応じて各第二のシンボルストリームの変調方式を決定することができる。簡単に言うと、各第二のシンボルストリームの変調方式の変調次数の和は、第一の変調方式の変調次数と等しい。各第二のシンボルストリームの変調方式は同じでもよい。例えば、第一の変調方式が16QAMで、Nが2の場合、各第二のシンボルストリームの変調方式をQPSKと決定することで、第一のシンボルストリームである16QAMシンボルストリームを第二のシンボルストリームである2つのQPSKシンボルストリームに分解してもよく、各第二のシンボルストリームの変調方式をBPSKと決定することで、第一のシンボルストリームである16QAMシンボルストリームを第二のシンボルストリームである4つのBPSKシンボルストリームに分解してもよい。第一の変調方式は64QAMで、Nが3の場合、各第二のシンボルストリームの変調方式をQPSKと決定することで、第一のシンボルストリームである64QAMシンボルストリームを第二のシンボルストリームである3つのQPSKシンボルストリームに分解してもよい。代わりに、各第二のシンボルストリームの変調方式は異なってもよい。例えば、第一の変調方式は64QAMで、Nが2の場合、一つの第二のシンボルストリームの変調方式をQPSKと決定し、他の一つの第二のシンボルストリームの変調方式を16QAMと決定することで、第一のシンボルストリームである64QAMシンボルストリームを第二のシンボルストリームである一つのQPSKシンボルストリーム及び一つの16QAMシンボルストリームに分解してもよい。MTCサーバーによって各第二のシンボルストリームの変調方式を決定し、かつ、RRCシグナリングのような様々なシグナリングによってそれをUEに通知することができる。UEによって各第二のシンボルストリームの変調方式を決定し、かつ、シグナリングによってそれをMTCサーバーに通知することもできる。
【0019】
UEは、前記所定数Nと各第二のシンボルストリームの変調方式に応じて第一のシンボルストリームの分解を行うことができる。例えば、第一のシンボルストリームとしての16QAMシンボルストリームを第二のシンボルストリームとしての2つのQPSKシンボルストリームに分解する場合、16QAMシンボルストリームの各シンボルは4ビットに対応し、かつQPSKシンボルストリームの各シンボルは2ビットに対応するため、16QAMシンボルストリームの全てのビットを抽出するまで、16QAMシンボルストリームの4ビットごとの前の2ビットを一番目のQPSKシンボルストリームの2ビットとして抽出し、また、当該4ビットにおける後ろの2ビットを二番目のQPSKシンボルストリームの2ビットとして抽出してもよい。第一のシンボルストリームとしての64QAMシンボルストリームを一つのQPSKシンボルストリーム及び一つの16QAMシンボルストリームに分解する場合、64QAMシンボルストリームの各シンボルは6ビットに対応し、一方、QPSKシンボルストリームの各シンボルは2ビットに対応し、16QAMシンボルストリームの各シンボルは4ビットに対応するため、64QAMシンボルストリームの全てのビットを抽出するまで、64QAMシンボルストリームの6ビットごとの前の2ビットをQPSKシンボルストリームの2ビットとして抽出し、また、当該6ビットにおける後ろの4ビットを16QAMシンボルストリームの4ビットとして抽出してもよい。勿論、この場合、64QAMシンボルストリームの全てのビットを抽出するまで、64QAMシンボルストリームの6ビットごとの前の4ビットを16QPSKシンボルストリームの4ビットとして抽出し、また、当該6ビットにおける後ろの2ビットをQPSKシンボルストリームの2ビットとして抽出してもよい。
【0020】
各第二のシンボルストリームの総送信電力と第一のシンボルストリームの送信電力が同じとなるように、各第二のシンボルストリームに送信電力を割当ることができ、各第二のシンボルストリームの送信電力は同じでもよく、異なってもよい。例えば、16QAMシンボルストリームを2つのQPSKシンボルストリームに分解する場合、各QPSKシンボルストリームの送信電力は同じで、それぞれ16QAMシンボルストリームの送信電力の半分となってよい。64QAMシンボルストリームを一つのQPSKシンボルストリーム及び一つの16QAMシンボルストリームに分解する場合、QPSKシンボルストリームの送信電力は、16QAMシンボルストリームの送信電力と同じであるとともに、64QAMシンボルストリームの送信電力の半分となってもよいし、或いは、16QAMシンボルストリームの送信電力の半分であるとともに、両方の和が64QAMシンボルストリームの送信電力と等しくてもよい。場合によっては、各第二のシンボルストリームの総送信電力は第一のシンボルストリームの送信電力と等しくなくてもよい。
【0021】
図2を参照し、ステップS203では、N個の第二のシンボルストリームに対して処理を行って符号分割多重のデータストリームを生成することができる。各第二のシンボルストリームは、符号分割多重の一つのレイヤーに対応する。
【0022】
本実施例では、前記処理は繰返し及び符号分割多重を含むことができる。簡単に言うと、N個の第二のシンボルストリームをそれぞれ所定ユニット単位で所定回数分だけ繰返すことで、N個の繰返しシンボルストリームを生成することができる。その後、このようなN個の繰返しシンボルストリームに対して符号分割多重を行って前記符号分割多重されたデータストリームを生成することができる。
【0023】
具体的には、まず、各第二のシンボルストリームをそれぞれ所定ユニット単位で所定回数分だけ繰返すことで、対応する一つの繰返しシンボルストリームを生成することができる。以下、前記所定ユニットは所定の繰返しユニットと呼んでもよいし、前記所定回数は所定の繰返し回数と呼んでもよい。前記所定の繰返し回数をNと仮定すると、各繰返しシンボルストリームにおいて、N個の所定の繰返しユニットにより一つの繰返しグループを形成する。前記所定の繰返しユニットはシンボルであってもよい。すなわち、各第二のシンボルストリームについて、シンボル単位で繰返しを行う。前記所定の繰返しユニットはサブフレームであってもよい。すなわち、各第二のシンボルストリームについて、サブフレーム単位で繰返しを行う。例として、前記所定の繰返しユニットがシンボルであり、かつNが3の場合、各第二のシンボルストリームについて、それの各シンボルを3回分繰返しすることで、対応する一つの繰返しシンボルストリームを形成することができる。ここで、当該繰返しシンボルストリームの各繰返しグループには3つのシンボルが含まれる。図3は当該例を示す。図3に示すように、第二のシンボルストリームA,A,・・・Aについて、対応する繰返しシンボルストリームはA,A,A,A,A,A,・・・A,A,Aであり、すなわち、各シンボルが3回ずつ繰返されて一つの繰返しグループを形成する。他の例として、前記所定の繰返しユニットはサブフレームであり、かつNが5の場合、各第二のシンボルストリームについて、各サブフレームに対応するシンボルを5回分繰返しすることで、対応する繰返しシンボルストリームを形成することができる。ここで、当該繰返しシンボルストリームの一つの繰返しグループには5つのサブフレームが含まれる。サブフレーム単位で繰返しを行うことに対し、シンボル単位で行う場合には比較的に少ないシンボルを記憶すれば済むので、比較的に小さいバッファ長が必要となる。本実施例では、MTCサーバーによって前記所定の繰返しユニット及び/又は前記所定の繰返し回数を決定してUEに通知することができる。例えば、実際の必要又はその他の要因に応じて前記所定の繰返しユニットを決定するとともに、実際の必要又はその他の要因(例えば実現したい信頼性又はカバレッジ)に応じて前記所定の繰返し回数を決定することができる。その後、MTCサーバーは、RRCシグナリングのような準静的シグナリング又はその他のシグナリングによって前記所定の繰返しユニットを指示する情報及び/又は前記所定の繰返し回数を指示する情報をUEに通知することができる。代わりに、UEによって前記所定の繰返しユニット及び/又は前記所定の繰返し回数を決定し、シグナリングによってMTCサーバーに通知することもできる。あるいは、MTCサーバーとUEにおいて前記所定の繰返しユニット及び/又は前記所定の繰返し回数を予め設定してもよい。
【0024】
N個の繰返しシンボルストリームを取得した後、このN個の繰返しシンボルストリームに対して符号分割多重を行って前記符号分割多重されたデータストリームを生成することができる。
【0025】
具体的には、各繰返しシンボルストリームにおける繰返しグループ内の各繰返しユニットに対応する拡散系列を乗算して、対応する符号分割多重レイヤーのデータストリームを生成することができる。例えば、下記式(1)に従って、各繰返しシンボルストリームにおける繰返しグループ内の各繰返しユニットに対応する拡散系列を決定することができる。
【数1】
当該N個の繰返しシンボルストリームについて、上記式(1)を利用して以下の拡散系列行列を決定することができる。
【数2】
【0026】
すると、例えば、一番目の繰返しシンボルストリームの各繰返しグループ内における各繰返しユニットに、それぞれ上記行列における第一行の対応する拡散系列を乗算することで、第一符号分割多重レイヤーのデータストリームを生成することができ、二番目の繰返しシンボルストリームの各繰返しグループ内における各繰返しユニットに、それぞれ上記行列における第二行の対応する拡散系列を乗算することで、第二符号分割多重レイヤーのデータストリームを生成することができる。三番目以降も同様である。図4は繰返しユニットがシンボルであり、かつNが6の場合に取得した複数の符号分割多重レイヤーのデータストリームの例を示す。図5は繰返しユニットがサブフレームであり、かつNが3の場合に取得した複数の符号分割多重レイヤーのデータストリームの例を示し、当該例にはホッピングが適用された。
【0027】
その後、このように取得したN個の符号分割多重レイヤーのデータストリームを加算して、前記符号分割多重されたデータストリームを生成することができる。
【0028】
引き続き図2を参照すると、ステップS204において、符号分割多重されたデータストリームに対して処理を行って、処理後のデータストリームを送信する。実際の必要に応じてしようとする処理を選択することができる。例えば、前記処理には、符号分割多重されたデータストリームをリソースユニットにマッピングするリソースユニットマッピング処理及び/又は送信のためのシングルキャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)信号を生成する処理を含むことができる。必要な場合、前記処理にはその他種類の処理を含むこともできる。勿論、符号分割多重されたデータストリームに対して上記処理をすることなく、当該符号分割多重されたデータストリームを直接送信してもよい。
【0029】
上記方法によって、高次変調方式で変調されるシンボルストリームを低次変調方式で変調される複数のシンボルストリームに変換し、そして符号分割多重の方式を使用して前記複数のシンボルストリームを送信することができる。低次変調されるシンボルストリームは高次変調されるシンボルストリームより信頼性が高く、かつ符号分割多重の際に直交拡散系列によって直交性が導入されるため、データ送信の信頼性を向上させ、それに繰返し送信回数を低減してカバレッジを拡大することができる。
【0030】
本実施例では、UEはMTCサーバーからの通知に応じて第一のシンボルストリームに対して上記ステップS202〜S204の操作を実行するかを決定することができる。前記通知は、明示的なものでもよいし、暗黙的なものでもよい。明示的に通知する場合、MTCサーバーはUEへ符号分割多重を行うかを指示する情報を送信することができる。UEは、符号分割多重を行うことを指示する情報を受信したときに上記操作を実行し、符号分割多重を行わないことを指示する情報を受信したときに上記操作を実行しないようにすることができる。例えば、符号分割多重を行うかを指示する情報を物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)に含むことができる。具体的には、前記情報をPDCCHの下りリンク制御情報(DCI)(例えばDCIフォーマット0、ULグラント)に含むことができる。この場合、図6Aに示すように、レガシーDCIに符号分割多重を行うかを指示するための指示ビット(例えば1ビット)を追加してもよいし、図6Bに示すように、DCIにおける無駄なビット(例えば送信電力制御ビット)を前記指示ビットに置き換えてもよい。暗黙的に通知する場合、MTCサーバーは前記符号分割多重を行うかを指示する情報を送信せず、MTCサーバーからUEへ送信する変調及び符号化方式(MCS)インデックスを利用して符号分割多重を行うかを通知する。具体的には、MCSインデックスと変調次数とが対応付けられているため、UEは、当該インデックスに応じて採用すべき変調次数を決定し、さらに当該変調次数に応じて上記ステップS202〜S204の操作を実行するかを決定することができる。例えば、UEは、当該MCSインデックスに対応する変調次数がある数値(例えば2)より大きい場合上記ステップS202〜S204の操作を行うが、逆の場合上記ステップS202〜S204の操作を行わないと決定することができる。上記操作を行わない場合、第一のシンボルストリームに対してリソースユニットマッピング処理及び/又はSC−FDMA信号の生成などのような処理を実行し、これによって生成したデータストリームを送信することができる。
【0031】
以上、UEにより前記データ送信方法を実行することを背景として本発明の実施例を説明した。しかしながら、前記通り、前記方法はMTCサーバーにより実行されてもよい。UEへ送信しようとするデータが存在する場合、MTCサーバーは図2を参照して説明した方式と同じ説明に従って送信しようとするデータに対して処理を行うことで、符号分割多重されたデータストリームを生成し、また、当該符号分割多重されたデータストリームに対して処理を行ってから処理後のデータストリームを送信することができる。この場合、UEは対応するデータ受信方法を実行して、受信したデータからMTCサーバーが送信したデータを復元する。
【0032】
以下、図7を参照し、本発明の実施例によるデータ受信方法を説明する。ここで、当該受信方法がUEにより実行されることを例として説明する。しかしながら、同様に、当該方法はMTCサーバーによって実行されてもよい。この場合、適切に調整した後、UEについての説明はMTCサーバーにも適用できる。
【0033】
図7に示すように、ステップS701において、前記データを受信するとともに、受信したデータに対して処理を行って、符号分割多重されたデータストリームを取得することができる。前記処理は、ステップS204で実行する処理に対応する逆処理であってもよく、例えばOFDM復調又はリソースユニットデマッピングなどを含むことができる。ステップS204において処理を実行することなく、符号分割多重されたデータストリームを直接送信すると、ステップS701において、処理せずに受信したデータをそのまま符号分割多重されたデータストリームとしてもよい。
【0034】
ここで、UEは、MTCサーバーからの通知に応じて受信したデータが符号分割多重されたビットストリームに由来するものかを決定することで、後述の各ステップを実行すべきかを決定することができる。前記通知は明示的なものでもよいし、暗黙的なものでもよい。明示的に通知する場合、MTCサーバーからUEへ符号分割多重を行ったかを指示する情報を送信して、UEが、符号分割多重を行ったことを指示する情報を受信した場合には、受信したデータが符号分割多重されたビットストリームに由来するものと決定し、さらに後述のステップを実行すると決定するようにし、一方、符号分割多重を行ってないことを指示する情報を受信した場合には、後述の各ステップを実行しないようにすることができる。前記通り、符号分割多重を行ったかを指示する情報をPDCCHに含むことができる。例えば、符号分割多重を行ったかを指示する情報をPDCCHのDCI(例えばDCIフォーマット1A、DLグラント)に含むことができる。暗黙的に通知する場合、UEは、MTCサーバーから通知したMCSインデックスに応じて、受信したデータが符号分割多重されたビットストリームに由来するものかを決定することができる。例えば、当該MCSインデックスに対応する変調次数がある数値(例えば2)より大きい場合、UEは、受信したデータが符号分割多重されたビットストリームに由来するものと決定することができる。受信したデータが符号分割多重されたビットストリームに由来するものではない場合、UEは、レガシー方式に従って当該データに対して処理を行うことができる。
【0035】
ステップS702において、前記符号分割多重されたデータストリームに対して処理を行って、所定数のシンボルストリーム(説明の便宜上、以下、第三のシンボルストリームと呼ぶ)を生成することができる。ここで、前記所定数をやはりNと表現する。簡単に言うと、前記符号分割多重されたデータストリームに対して逆多重化を行って、N個の逆多重化データストリームを生成することができる。その後、前記N個の逆多重化データストリームのそれぞれから、所定ユニット(所定の繰返しユニット)として所定回数(所定の繰返し回数,N)分繰返されたシンボルストリームをN個の第三のシンボルストリームとして抽出することができる。前記通り、UEはRRCシグナリングによって基地局からNを指示する情報及びNを指示する情報を受信することができる。また、前述の方式に従って前記所定ユニットを取得することができる。前記通り、前記所定ユニットはシンボル又はサブフレームであってもよい。
【0036】
具体的には、まず、前記符号分割多重されたデータストリームに対して逆多重化を行って、N個の逆多重化データストリームを生成することができる。例えば、前記符号分割多重されたビットストリームのそれぞれに前述の方式に従って生成した拡散系列(すなわち前記行列における各拡散系列)を乗算することで、N個の逆多重化ビットストリームを生成することができる。
【0037】
その後、各逆多重化データストリームから、所定の繰返しユニットとしてN回分繰返されたシンボルストリームを、それぞれ対応する一つの第三のシンボルストリームとして抽出することができる。具体的には、各逆多重化データストリームがあるシンボルストリームを前記繰返しユニット単位でN回分繰返して得られるものであることは既知であるため、繰返されるデータを除去ように、当該繰返しの逆処理を実行して前記シンボルストリームを抽出することができる。例えば、当該逆多重化データストリームにおけるN個ごとの繰返しユニット(一つの繰返しグループに対応する)のデータを抽出することができる。その後、当該繰返しグループのデータがNに対して平均を取ることで、当該繰返しグループの基本ユニットとなるデータを決定し、その後、各繰返しグループの基本ユニットのデータを組合せることで、一つのシンボルストリーム、すなわち当該逆多重化データストリームに対応する第三のシンボルストリームを取得することができる。
【0038】
引き続き図7を参照すると、ステップS703において、N個の第三のシンボルストリームを組合せて第四のシンボルストリームとなる。前記第四のシンボルストリームは、各第三のシンボルストリームの変調方式より高い変調次数を有する変調方式で変調されたものである。言い換えると、N個の低次変調のシンボルストリームを組合せて一つの高次変調のシンボルストリームとなる。
【0039】
具体的には、各第三のシンボルストリームの変調方式及び第四のシンボルストリームの変調方式に応じて上記組合せの操作を行うことができる。UEは、図2について説明した前記方式に従って、各第三のシンボルストリームの変調方式及び第四のシンボルストリームの変調方式を取得することができるため、ここではその説明を省略する。例として、2つの第三のシンボルストリームが存在し、それらの変調方式がQPSK、かつ第四のシンボルストリームの変調方式が16QAMの場合、一番目のQPSKシンボルストリームから前の2ビットを抽出し、そして二番目のQPSKシンボルストリームから前の2ビットを抽出し、これらの4ビットを組合せて第四のシンボルストリームの一番目のシンボルのビットとすることができる。その後、一番目のQPSKシンボルストリームから第3-4のビットを抽出し、そして二番目のQPSKシンボルストリームから第3-4のビットを抽出し、それらの4ビットを組合せて第四のシンボルストリームの二番目のシンボルのビットとし、その結果、一番目のQPSKシンボルストリームと二番目のQPSKシンボルストリームの全てのビットを抽出するまで、このような操作を繰り返す。
【0040】
その後、ステップS704では、前記第四のシンボルストリームを復調して、復調されたデータストリームを生成することができる。前記復調されたデータについて、必要であれば、デスクランブリング等の処理を行うことで、MTCサーバーから送信したデータを復元することもできる。
【0041】
[変形例1]
上記の通り、MTCシステムを背景として本発明の実施例によるデータ送信方法及びデータ受信方法を説明した。理解すべきは、これは一例に過ぎず、当該データ送信方法及びデータ受信方法は非MTCシステム(この場合、MTCサーバーは基地局に置き換えられる)にも適用できる。当該変形例1において、ステップS202とステップS703の操作は若干違うが、他のステップはそのままでよい。具体的には、この場合、上記データに対して繰返し操作(送信)を行う操作及び繰返しデータを除去(受信)する操作を実行しなくてよい。以下、前記の相違点について説明し、同じ内容の説明を省略する。
【0042】
具体的には、データを送信するとき、非MTCシステムについて、ステップS203においてN個の第二のシンボルストリームに対して処理を行って符号分割多重のデータストリームを生成する場合、前記処理に、符号分割多重を含み、データに対して繰返しを行う操作を含まなくてよい。この場合、N個の第二のシンボルストリームに対して符号分割多重を行って、前記符号分割多重されたデータストリームを生成することができる。例えば、N個の第二のシンボルストリームのそれぞれに互いに直交する拡散系列を乗算してN個の符号系列を生成し、その後前記N個の符号系列を組合せて前記符号分割多重されたデータストリームを生成することができる。
【0043】
データを受信するとき、非MTCシステムについて、ステップS702において前記符号分割多重されたデータストリームに対して処理を行ってN個のシンボルストリームを生成する場合、前記処理に逆多重化操作を含み、上記繰返しデータの除去操作を含まなくてよい。すなわち、前記符号分割多重されたデータストリームに対して逆多重化を行うことで、N個のシンボルストリームを直接取得することができる。同様に、前記符号分割多重されたデータに前記拡散系列を乗算することで、N個のシンボルストリームを生成することができる。
【0044】
以下、図8を参照して本発明の実施例によるデータ送信装置を説明する。当該データ送信装置は前記のデータ送信方法を実行できる。また、当該データ送信装置はUEの中にあってもよいし、MTCサーバー或いは基地局の中にあってもよい。以下、当該データ送信装置がUEの中にあることとして説明する。また、当該データ送信装置が実行する操作は前記のデータ送信方法とほぼ同じであるため、重複しないようここで同じ内容の説明を省略する。これらの同じ内容については、上記説明を参照すればよい。
【0045】
図8に示すように、データ送信装置800は、変調装置801、分解装置802、処理装置803と通信装置804を備え、通信装置804はMTCサーバーと通信することで、後述の様々な情報及び/又はデータストリームを受信/送信することができる。
【0046】
変調装置801は、第一の変調方式で前記データを変調して第一のシンボルストリームを生成することができる。ここで、前記データは、送信しようとするMTCサービングデータに対してスクランブルを行って得られるデータであってもよい。この場合、データ送信装置800においてスクランブル装置(図示せず)を設置することができる。勿論、前記データは、その他の種類のデータであってもよい。また、前記第一の変調方式は高次変調方式、例えば変調次数が2より大きい変調方式であってもよく、かつ、例えばQPSK、16QAMあるいは64QAMなどであってもよい。第一の変調方式の選択は、データ送信装置800(具体的には、変調装置801)によって実行されてから通信装置804を介してMTCサーバーに通知されてもよいし、MTCサーバーによって実行されてからデータ送信装置800に通知されてもよい。代わりに、MTCサーバーとUEにおいて第一の変調方式を予め設定してもよい。
【0047】
分解装置802は、第一のシンボルストリームを所定数(N)の第二のシンボルストリームに分解することができる。各第二のシンボルストリームは、第一の変調方式より低い変調次数を有する変調方式で変調されたものである。
【0048】
前記した方式に従ってNを決定することができる。また、MTCサーバーによってNを決定し、そしてRRCシグナリングのような準静的シグナリング又はその他のシグナリングによってNを指示する情報をデータ送信装置800に送信することで、データ送信装置800(具体的には、通信装置804)にRRCシグナリングによって当該Nを指示する情報を受信させることができる。代わりに、データ送信装置800によってNを決定し、そしてそれを適切なシグナリングによってMTCサーバーに通知することができる。また、前記した方式に従って各第二のシンボルストリームの変調方式を決定することができる。ここで、各第二のシンボルストリームの変調方式は同じでもよいし、異なってもよい。MTCサーバーによって各第二のシンボルストリームの変調方式を決定し、RRCシグナリングのような様々なシグナリングによってデータ送信装置800に通知することができる。データ送信装置800(具体的には、分解装置802)によって各第二のシンボルストリームの変調方式を決定し、シグナリングによってMTCサーバーに通知することもできる。
【0049】
分解装置802は、前記所定数N及び各第二のシンボルストリームの変調方式に応じて第一のシンボルストリームの分解を行うことができる。例えば、分解装置802は、上記図2を参照して説明した方式で該分解を行うことができる。ここで、説明の便宜上、その詳細な説明を省略する。
【0050】
処理装置803は、N個の第二のシンボルストリームに対して処理を行って、符号分割多重されたデータストリームを生成することができる。各第二のシンボルストリームは符号分割多重の一レイヤーに対応する。本実施例では、前記処理には繰返し及び符号分割多重を含むことができる。簡単に言うと、処理装置803は、N個の第二のシンボルストリームに対してそれぞれ所定ユニット単位で所定回数分繰返して、N個の繰返しシンボルストリームを生成することができる。その後、これらのN個の繰返しシンボルストリームに対して符号分割多重を行って、前記符号分割多重されたデータストリームを生成することができる。
【0051】
具体的には、処理装置803は、各第二のシンボルストリームについて、それぞれ所定ユニット(すなわち、所定の繰返しユニット)単位で所定回数(すなわち、所定の繰返し回数N)分繰返して、対応する一つの繰返しシンボルストリームを生成することができる。前記所定の繰返しユニットは、シンボルであってもよいし、サブフレームであってもよい。各繰返しシンボルストリームにおいて、N個の繰返しユニットにより一つの繰返しグループを形成する。前記通り、MTCサーバーによって前記所定の繰返しユニット及び/又は前記所定の繰返し回数Nを決定し、さらにRRCシグナリングのような準静的シグナリングあるいは他のシグナリングによって前記所定の繰返しユニットを指示する情報及び/又は前記所定の繰返し回数を指示する情報をデータ送信装置800に通知し、よってデータ送信装置800(具体的には、通信装置804)が前記シグナリングによって前記所定の繰返しユニットを指示する情報及び/又は前記所定の繰返し回数を指示する情報を受信することができる。代わりに、データ送信装置800(具体的には、処理装置803)によって前記所定の繰返しユニット及び/又は前記所定の繰返し回数を決定し、さらにシグナリングによってMTCサーバーに通知することができる。あるいは、MTCサーバーとデータ送信装置800において前記所定の繰返しユニット及び/又は前記所定の繰返し回数を予め設定してもよい。
【0052】
N個の繰返しシンボルストリームを取得した後、処理装置803は、これらのN個の繰返しシンボルストリームに対して符号分割多重を行って、前記符号分割多重されたデータストリームを生成することができる。具体的には、処理装置803は、各繰返しシンボルストリームにおける繰返しグループ内の各繰返しユニットに、対応する拡散系列を乗算することで、対応する符号分割多重レイヤーのデータストリームを生成し、その後各符号分割多重レイヤーのデータストリームを組合せることで、前記符号分割多重されたデータストリームを生成することができる。前記した方式に従って各繰返しシンボルストリームにおける繰返しグループ内の各繰返しユニットに対応する拡散系列を決定することができ、重複しないようここでその詳細な説明を省略する。
【0053】
通信装置804はMTCサーバーと通信して情報/データを送信/受信することができる。例えば、通信装置804は、前記第一の変調方式を指示する情報及び各第二のシンボルストリームの変調方式を指示する情報を受信することができる。通信装置804は、RRCシグナリングあるいはその他のシグナリングによって前記所定数Nを指示する情報及び/又は前記繰返し回数Nを指示する情報を受信することもできる。
【0054】
また、通信装置804は、符号分割多重されたデータストリームに対して処理を行って、処理後のデータストリームを送信することもできる。実際の必要に応じて、しようとする処理、例えばリソースユニットマッピング処理及び/又はSC−FDMA信号の生成処理などを選択することができる。この場合、通信装置804において対応する部(図示せず)を設置してこれらの処理を実行することができる。
【0055】
また、前記通り、データ送信装置800(具体的には、その中の各装置)は、MTCサーバーからの通知に応じて第一のシンボルストリームに対して上記操作を実行するかを決定することができる。前記通知は明示的なものでもよいし、暗黙的なものでもよい。明示的に通知する場合、MTCサーバーは、データ送信装置800へ符号分割多重を行うかを指示する情報を送信することができる。この場合、通信装置804は、前記符号分割多重を行うかを指示する情報を受信することができる。データ送信装置800は、符号分割多重を行うことを指示する情報を受信した場合、上記操作を実行し、一方、符号分割多重を行わないことを指示する情報を受信した場合、上記操作を実行しないことができる。前記通り、符号分割多重を行うかを指示する情報をPDCCHに含むことができる。具体的には、前記情報をPDCCHのDCI(例えばDCIフォーマット0、ULグラント)に含むことができる。暗黙的に通知する場合、データ送信装置800は、前記通り、MTCサーバーからUEへ送信されるMCSインデックスを利用して、符号分割多重を行うかを通知することができる。
【0056】
上記送信装置では、高次変調方式で変調されるシンボルストリームを低次変調方式で変調される複数のシンボルストリームに変換し、その後符号分割多重方式を使用して前記複数のシンボルストリームを送信することができる。低次変調のシンボルストリームは高次変調のシンボルストリームより信頼性が高く、かつ符号分割多重の際に直交拡散系列によって直交性が導入されるため、データ送信の信頼性を向上させ、繰返し送信回数を低減することができる。
【0057】
前記通り、MTCサーバーは、図2を参照して説明したデータ送信方法を実行して、送信しようとするデータを処理し、符号分割多重されたデータストリームを生成し、さらに当該符号分割多重されたデータストリームに対して処理を行ってから処理後のデータストリームを送信することができる。この場合、UEの中にデータ受信装置を設置して、受信したデータからMTCサーバーにより送信されたデータを復元することができる。
【0058】
以下、図9を参照して本発明の実施例によるデータ受信装置を説明する。ここで、当該受信装置がUEにあることを例として説明する。しかしながら、当該データ受信装置を適切に調整した後、MTCサーバーにも適用できる。
【0059】
図9に示すように、データ受信装置900は通信装置901、処理装置902、組合せ装置903と復調装置904を備える。
【0060】
通信装置901は、前記データを受信し、受信したデータに対して処理を行うことで、符号分割多重されたデータストリームを取得することができる。前記処理にはOFDM復調又はリソースユニットデマッピングなどを含むことができる。この場合、通信装置901において対応する部(図示せず)を設置してこれらの処理を実行することができる。
【0061】
また、前記通り、データ受信装置900は、MTCサーバーからの通知に応じて受信したデータが符号分割多重されたビットストリームに由来するものかを決定することで、後述の各操作を実行すべきかを決定することができる。前記通知は明示的なものでもよいし、暗黙的なものでもよい。明示的に通知する場合、MTCサーバーは、UE(具体的には、データ受信装置900)へ符号分割多重を行ったかを指示する情報を送信することができる。通信装置901は、当該情報を受信できる。データ受信装置900は、符号分割多重を行ったことを指示する情報を受信した場合、受信したデータが符号分割多重されたビットストリームに由来したものと決定することで、後述する操作を実行すると決定し、一方、符号分割多重を行っていないことを指示する情報を受信した場合、後述する操作を実行しないことができる。前記通り、符号分割多重を行ったかを指示する情報をPDCCHに含むことができる。例えば、符号分割多重を行ったかを指示する情報をPDCCHのDCI(例えばDCIフォーマット1A、DLグラント)に含むことができる。暗黙的に通知する場合、データ受信装置900は、前記した方式に従って、MTCサーバーから通知されたMCSインデックスに応じて、受信したデータが符号分割多重されたビットストリームに由来するものかを決定することができる。
【0062】
処理装置902は、前記符号分割多重されたデータストリームに対して処理を行って、所定数(N)の第三のシンボルストリームを生成することができる。簡単に言うと、処理装置902は、前記符号分割多重されたデータストリームに対して逆多重化を行ってN個の逆多重化データストリームを生成し、その後前記N個の逆多重化データストリームのそれぞれから、所定ユニット(所定の繰返しユニット)毎に所定回数(所定の繰返し回数、N)分繰返されたシンボルストリームをN個の第三のシンボルストリームとして抽出することができる。前記通り、データ受信装置900(具体的には、通信装置901)は、RRCシグナリングによって基地局からNを指示する情報及びNを指示する情報を受信することができる。また、データ受信装置900は、前記した方式で前記所定ユニットを分かることができる。前記通り、前記所定ユニットは、シンボル又はサブフレームであってもよい。
【0063】
具体的には、処理装置902は前記符号分割多重されたデータストリームに対して逆多重化を行って、N個の逆多重化データストリームを生成することができる。例えば、前記符号分割多重されたビットストリームのそれぞれに前記方式に従って生成した拡散系列(すなわち、前記行列における各拡散系列)を乗算することで、N個の逆多重化ビットストリームを生成することができる。その後、処理装置902は、上記の図7を参照して説明した方式に従って、各逆多重化データストリームのそれぞれから、所定の繰返しユニットとしてN回分繰返されたシンボルストリームを対応する一つの第三のシンボルストリームとして抽出することができる。例えば、処理装置902は、当該逆多重化データストリームにおけるN個ごとの繰返しユニット(一つの繰返しグループに対応する)のデータを抽出し、当該繰返しグループのデータをNに対して平均を取って当該繰返しグループの基本ユニットとしてのデータを決定し、その後各繰返しグループの基本ユニットのデータを組合せることで、一つのシンボルストリーム、すなわち当該逆多重化データストリームに対応する第三のシンボルストリームを取得することができる。
【0064】
組合せ装置903は、N個の第三のシンボルストリームを組合せて第四のシンボルストリームとすることができる。ここで、前記第四のシンボルストリームは、各第三のシンボルストリームの変調方式より高い変調次数を有する変調方式で変調されたものである。言い換えると、N個の低次変調のシンボルストリームを組合せて一つの高次変調のシンボルストリームになる。具体的には、組合せ装置903は、前記した方式に従って、各第三のシンボルストリームの変調方式及び第四のシンボルストリームの変調方式に応じて上記組合せ操作を行うことができる。
【0065】
復調装置904は、前記第四のシンボルストリームを復調して、復調されたデータストリームを生成することができる。必要であれば、前記復調されたデータについて、デスクランブリングなどの処理を行うことでMTCサーバーから送信されたデータを復元することができる。この場合、復調装置904の中に対応する部(図示せず)を設置して前記処理を実行することができる。
【0066】
[変形例2]
同様に、MTCシステムを背景として説明した上記データ送信装置及びデータ受信装置は非MTCシステムにも適用できる。この変形例2において、上記データ送信装置の処理装置803とデータ受信装置の処理装置902が実行する操作が若干違うが、その他の装置はそのままでよい。以下、相違点のみについて説明し、同じ内容の説明を省略する。
【0067】
データ送信装置について、処理装置803がN個の第二のシンボルストリームに対して処理を行って符号分割多重されたデータストリームを生成する場合、前記処理に符号分割多重を含み、データに対して繰返しする操作を含まなくてよい。この場合、処理装置803はN個の第二のシンボルストリームに対して符号分割多重を行って前記符号分割多重されたデータストリームを生成することができる。
【0068】
データ受信装置について、処理装置902は前記符号分割多重されたデータストリームに対して処理を行ってN個のシンボルストリームを生成する場合、前記処理に逆多重化操作を含み、上記繰返しデータの除去操作を含まなくてよい。すなわち、処理装置902は、前記符号分割多重されたデータストリームに対して逆多重化を行って、N個のシンボルストリームを直接取得することができる。
【0069】
上記で本発明の実施例を説明したが、理解すべきは、これらの説明は一例に過ぎず、制限するものではない。例えば、上記で「第一」、「第二」、「第三」及び「第四」などの番号を採用したが、理解すべきは、これらの番号は対応する対象を区別するためのものに過ぎず、これらの対象自身又はその順番を制限するものではない。必要に応じて、その他の方式に従って各対象に番号を付けてもよい。
【0070】
本発明の実施例を示して説明したが、当業者であれば、請求の範囲及びその同等物により限定される本発明の範囲と趣旨を逸脱しない限り、これらの実施例に対して形式と詳細における様々な変更が可能であることは、理解すべきであろう。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9