特許第6847862号(P6847862)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6847862
(24)【登録日】2021年3月5日
(45)【発行日】2021年3月24日
(54)【発明の名称】光応答性である薄いガラス積層体
(51)【国際特許分類】
   C03C 27/12 20060101AFI20210315BHJP
   B32B 17/10 20060101ALI20210315BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20210315BHJP
【FI】
   C03C27/12 Z
   C03C27/12 R
   B32B17/10
   B32B27/00 J
【請求項の数】5
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-562618(P2017-562618)
(86)(22)【出願日】2016年6月1日
(65)【公表番号】特表2018-526302(P2018-526302A)
(43)【公表日】2018年9月13日
(86)【国際出願番号】US2016035130
(87)【国際公開番号】WO2016196531
(87)【国際公開日】20161208
【審査請求日】2019年6月3日
(31)【優先権主張番号】62/169,755
(32)【優先日】2015年6月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ガハガン,ケヴィン トーマス
【審査官】 永田 史泰
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第8576370(US,B1)
【文献】 国際公開第2015/041106(WO,A1)
【文献】 特表2009−534245(JP,A)
【文献】 特表2010−530351(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/031594(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C27/00−29/00
B32B17/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層体において、
第1の基板、
前記第1の基板上に配置された中間層、および
前記中間層上に配置された第2の基板、
を備え、
前記積層体が、複雑に湾曲しており、光応答性材料およびディスプレイユニットを互いに独立した部材として含み、
前記中間層が高分子から作られ、前記第1の基板および前記第2の基板のいずれか一方または両方が強化されており
前記光応答性材料が、エレクトロクロミック材料、フォトクロミック材料、懸濁粒子材料、マイクロブラインド材料および液晶材料のいずれか1つ以上を含む、積層体。
【請求項2】
前記ディスプレイユニットが、
前記第1の基板および前記第2の基板の間に配置されている、
前記第1の基板および前記第2の基板の一方または両方と一体である、または
ユーザに対して前記積層体の背後に配置されている、
請求項1記載の積層体。
【請求項3】
積層体を形成する方法において、
第1の基板および第2の基板を提供する工程;
前記第1と第2の基板の一方または両方を強化する工程;
前記第1と第2の基板を少なくとも1つの中間層および少なくとも1つの光応答性材料に積層して、該中間層と該光応答性材料が該第1と第2の基板の間に配置されるような積層体を形成する工程;および
前記積層体を複雑な湾曲形状に形成する工程;
を有してなり、
前記積層体が、光応答性材料およびディスプレイユニットを互いに独立した部材として含み、
前記第1と第2の基板の一方または両方を強化する工程が、該第1と第2の基板の両方を化学的に強化するまたは熱的に強化する工程を含
前記光応答性材料が、エレクトロクロミック材料、フォトクロミック材料、懸濁粒子材料、マイクロブラインド材料および液晶材料のいずれか1つ以上を含む、方法。
【請求項4】
前記ディスプレイユニットが、前記第1と第2の基板の間に配置されている、請求項3記載の方法。
【請求項5】
積層体を冷間成形する方法であって、
湾曲した第1の基板、実質的に平面の第2の基板、該第1と第2の基板の間の少なくとも1つの高分子中間層および少なくとも1つの光応答性材料を提供する工程;および
前記第1と第2の基板の軟化温度より低い温度で該第1の基板、該第2の基板、前記高分子中間層および前記光応答性材料を一緒に積層して、複雑に湾曲した積層体を提供する工程、
を有してなり、
前記積層体が、光応答性材料およびディスプレイユニットを互いに独立した部材として含
前記光応答性材料が、エレクトロクロミック材料、フォトクロミック材料、懸濁粒子材料、マイクロブラインド材料および液晶材料のいずれか1つ以上を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は、その内容が依拠され、ここに全て引用される、2015年6月2日に出願された米国仮特許出願第62/169755号の米国法典第35編第119条の下での優先権の恩恵を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本開示は、光応答機能性を示す薄い積層体に関し、より詳しくは、光応答性を示し、かつディスプレイユニットを備えた薄い積層体に関する。
【背景技術】
【0003】
積層体は、建築用途、並びに自動車、全車両、機関車および航空機を含む、車両または輸送用途における窓および板ガラスとしてしばしば利用される。そのような積層体は、手すりや階段におけるガラスパネルとして、また壁、支柱、エレベータのかご、家庭用と工業用の電化製品および他の用途のための装飾パネルまたはカバーとしても使用できる。その積層体は、窓、パネル、壁、筐体、看板または他の構造の透明、半透明(semi-transparent、translucent)、または不透明な部品であり得る。よくあるタイプの積層体は、建築および/または車両用途に用いられ、透明な着色積層ガラス構造を含む。
【0004】
自動車用途に通常使用される従来の積層構造物は、ポリビニルブチラール(PVB)中間層と共に2mm厚のソーダ石灰ガラスを2層備える。そのような積層体は、限られた耐衝撃性およびより重い質量を示す。さらに、これらの積層体は、道路沿いの岩屑、破壊者および他の衝撃物が当たったときの高い破損確率、並びにそれぞれの車両のより低い燃料効率を含む不十分な性能特徴を示す。公知の積層体は、光学的性質がしばしば劣り、光応答機能性またはディスプレイ技術を備えていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、薄く、軽量であり、光応答性も示し、ディスプレイユニットを備え、複雑に湾曲した形状に形成できる積層体が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様は、第1の基板、中間層およびこの第1の基板上に配置された光応答性材料、並びにこの中間層および光応答性材料上に配置された第2の基板を備える積層体に関する。いくつかの実施の形態において、その積層体は複雑に湾曲している。1つ以上の実施の形態の積層体は、湾曲した第1の基板、実質的に平面の第2の基板、その第1と第2の基板の中間にある少なくとも1つの中間層および少なくとも1つの光応答性材料(別の層として設けられても、中間層中に組み込まれてもよい)を備えることがあり、この第2の基板は、第1の基板の曲率に合わせて冷間成形される。いくつかの実施の形態において、その光応答性材料は、第1と第2の基板の一方または両方と一体である。
【0007】
ある場合には、この光応答性材料は、エレクトロクロミック材料、フォトクロミック材料、懸濁粒子材料、マイクロブラインド(micro-blind)材料および液晶材料またはそれらの組合せを含む。ある場合には、その積層体は、第1と第2の基板の間に配置されたディスプレイユニット、第1と第2の基板の一方または両方の内部に一体成形されたディスプレイユニット、もしくは視聴者またはユーザに対して積層体の背後に配置されたディスプレイユニットを備える。そのディスプレイユニットは、マイクロLEDアレイ、OLEDアレイ、LCDアレイ、プラズマセルアレイ、およびエレクトロルミネセント(EL)セルアレイのいずれか1つ以上を含み得る画像パネルを備える。
【0008】
1つ以上の実施の形態において、前記中間層は高分子を含むことがある。ある場合には、その中間層は、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリカーボネート、遮音PVB、エチレン酢酸ビニル(EVA)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、イオノマー、熱可塑性材料、およびそれらの組合せからなる群より選択される材料から作られる。その中間層の厚さは、約1mm未満であることがある。
【0009】
第1の基板、第2の基板、または第1と第2の基板の両方は、強化されていてもよい。ある場合には、第1の基板は第一面と第二面を有し、その第二面が前記中間層に隣接しており、第2の基板は第三面と第四面を有し、その第三面がその中間層に隣接し、第四面は第三面の反対にある。この積層体の第一面は、約200MPa超の表面圧縮応力および約30μm超の圧縮応力の層の深さを有することがある。
【0010】
いくつかの実施の形態において、第1と第2の基板のいずれか一方または両方の厚さは、約1.5mm以下である。基板が強化されている場合、そのような基板の厚さは約1.0mm以下である。
【0011】
1つ以上の実施の形態の積層体は、乗り物、建築建具、建築構造、電化製品、家庭用電子機器、家具、案内所、および売店などの物品に組み込まれることがある。
【0012】
本開示の第2の態様は、積層体を形成する方法を含む。1つ以上の実施の形態の方法は、第1の基板および第2の基板を提供する工程;その第1と第2の基板を少なくとも1つの中間層および少なくとも1つの光応答性材料に積層して、その中間層と光応答性材料が第1と第2の基板の間に配置されるような積層体を形成する工程;およびその積層体を複雑な湾曲形状に形成する工程を有してなる。いくつかの実施の形態において、その方法は、一方または両方が少なくとも1つの光応答性材料を含む、第1の基板および第2の基板を提供する工程;その第1と第2の基板を少なくとも1つの中間層に積層して、その中間層と光応答性材料が第1と第2の基板の間に配置されるような積層体を形成する工程;およびその積層体を複雑な湾曲形状に形成する工程を有してなる。いくつかの実施の形態において、その方法は、積層前に一方または両方の基板を強化する工程を含む。ある場合には、第1と第2の基板の一方または両方を強化する工程は、化学的強化、熱的強化、または化学的および熱的強化を含む。いくつかの実施の形態において、その方法は、第1と第2の基板の間にディスプレイユニットを配置する工程、第1と第2の基板の一方または両方内にディスプレイユニットを一体成形する工程、またはディスプレイユニットを視聴者に対して積層体の背後に配置する工程を含む。
【0013】
本開示の第3の態様は、積層体を冷間成形する方法であって、湾曲した第1の基板、実質的に平面の第2の基板、その第1と第2の基板の間の少なくとも1つの高分子中間層および少なくとも1つの光応答性材料を提供する工程;および第1と第2の基板の軟化温度より低い温度で第1の基板、第2の基板、高分子中間層および光応答性材料を一緒に積層して、複雑に湾曲した積層体を提供する工程を有してなる方法に関する。いくつかの実施の形態において、積層体を冷間成形する方法は、湾曲した第1の基板、実質的に平面の第2の基板を提供する工程;第1と第2の基板の軟化温度より低い温度で第2の基板を、湾曲した第1の基板に合わせて形成して、2つの複雑に湾曲した基板を提供する工程;および第1と第2の基板を高分子中間層および光応答性材料に積層する工程を有してなる。ある場合には、積層体を冷間成形する方法は、一方または両方が光応答性材料を含む、湾曲した第1の基板および実質的に平面の第2の基板を提供する工程;および第1と第2の基板の軟化温度より低い温度で第1の基板および第2の基板を高分子中間層に積層して、複雑に湾曲した積層体を提供する工程を有してなる
【0014】
追加の特徴および利点が、以下の詳細な説明に述べられており、一部は、その説明から当業者に容易に明白となるか、または以下の詳細な説明、特許請求の範囲、並びに添付図面を含む、ここに記載されたように実施の形態を実施することにより認識されるであろう。
【0015】
先の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方とも、例示に過ぎず、請求項の性質および特徴を理解するための概要または骨子を提供する目的であることが理解されよう。添付図面は、さらなる理解を与えるために含まれ、本明細書に包含され、その一部を構成する。図面は、1つ以上の実施の形態を示しており、説明と共に、様々な実施の形態の原理および動作を説明する働きをする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】1つ以上の実施の形態による積層体の側面図
図2図1に示された積層体の斜視図
図3】1つ以上の実施の形態による、形成前の冷間成形積層体の側面図
図4図3に示された冷間成形積層体の側面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
ここで、その例が添付図面に示されている、様々な実施の形態を詳しく参照する。
【0018】
本開示の第1の態様は、第1と第2の基板およびそれらの基板の間に配置された少なくとも1つの中間層および光応答性材料を備える積層体に関する。図1および2に示されるように、積層体10は、第1の基板12および第2の基板16を備え、またその第1の基板および第2の基板の間に配置された中間層14および光応答性材料11を備える。その第1の基板は、第一面13および第二面15を有する。その第2の基板は、第三面17および第四面19を有する。図示された実施の形態において、その光応答性材料は、中間層14とは別の層である;しかしながら、その光応答性材料は、その中間層に組み込まれても、一方または両方の基板と一体成形されてもよい。
【0019】
ここに用いたように、「一体」または「一体成形された」は、交換可能に使用してよく、材料に関して使用される場合、別の層を排除し、その材料を基板または層に埋め込むこと、またはそうではなく、基板または層を形成する前に、その基板または層にその材料を配合することを含む。「一体」または「一体成形された」は、ディスプレイユニットに関して使用された場合、そのディスプレイユニットは、別のユニットではなく、代わりに、積層体の基体または層に埋め込まれている。
【0020】
ここに用いたように、「層」は、実質的に均一な厚さを有する領域を含む材料部分を称する。層は、下にあるまたは上に重なる構造の全体に亘って延在しても、下にあるまたは上に重なる構造の全体に及ばなくてもよい。さらに、層は、均質または不均質隣接構造の領域であって、その隣接構造の厚さ未満の厚さを有する領域であってもよい。例えば、層は、その隣接構造の上面と底面の間の水平面の任意の対の間、またはそれらの面に、位置していてもよい。層は、水平に、垂直に、および/または漸減面に沿って、延在してもよい。基板は、層であってもよく、その中に1つ以上の層を含んでもよく、またはその上、その上方、および/またはその下に1つ以上の層を有してもよい。
【0021】
1つ以上の実施の形態において、前記光応答性材料は、エレクトロクロミック材料、フォトクロミック材料、懸濁粒子材料、マイクロブラインド材料、液晶材料またはそれらの組合せを含む。その光応答性材料は、前記積層体の透過率を、不透明または半透明状態と、透明状態との間で変える。いくつかの実施の形態において、その外観状態は、マジックミラーと似た、積層体の一面(例えば、図1の参照番号13)での不透明状態、および別の面(例えば、図1の参照番号19)での半透明または透明状態を含む。そのような実施の形態において、エレクトロクロミック光応答性材料は、積層体の一面(例えば、図1の参照番号13)で反射面を提供することができる一方で、反対の面(例えば、図1の参照番号19)は、半透明または透明のままであり、それゆえ、外観状態は、透明と不透明または鏡状の間で変化する。
【0022】
その透明状態は、可視スペクトルに亘り60%以上の平均透過率を有することがある。その半透明状態は、可視スペクトル(すなわち、約400nmから約720nmまで)に亘り約10%から約60%までの範囲の平均透過率を有することがある。その不透明状態は、可視スペクトルに亘り10%未満の平均透過率を有することがある。いくつかの実施の形態において、透明状態は、可視スペクトルに亘り約60%以上の透過率を有することがあり、不透明状態は可視スペクトルに亘り約1%の透過率を有することがある。
【0023】
1つ以上の実施の形態において、前記光応答性材料は、暗色化材料と記載されることがある。その光応答性材料は、前記積層体を透過している光の量を調節するために使用されることがある。ディスプレイユニットが積層体と一体化されているか、他に利用されている場合、その光応答性材料は、積層体の表面に表示された画像のコントラストを向上させるために、積層体を通ってユーザまたは視聴者に透過している光を調節することができる。
【0024】
外観状態間の調節は、自動的に(例えば、紫外線などの特定の波長の光への表示面の暴露に応答して、またはフォトアイ(photoeye)などの光検出器が発生した信号に応答して)または手動で(例えば、視聴者により)制御することができる。ある場合には、不透明または半透明と透明との間の外観状態の変化は、ディスプレイユニット(ここに記載されるような)がオンにされることによって作動されてもよく、これは、検出された周囲光の量および/またはユーザまたは視聴者の好みに応じた追加の制御と組み合わされてもよい。1つ以上の実施の形態において、不透明または半透明と透明との間の外観状態の変化は、積層体のサイズに応じて、約10分未満(例えば、約5分未満、約2分未満、または約1分未満)で完了するであろう。
【0025】
1つ以上の実施の形態において、例示のエレクトロクロミック材料は、電圧に応答して光線透過率特性を変える材料を含む。そのような材料は、真空蒸着法を含む公知の蒸着法によって薄膜として配置してよい。その材料はWO3を含んでよく、これは、WO3の格子間位置に水素(H+)またはアルカリ金属原子(例えば、L+、K+またはNa+)が挿入されるまで無色であり、挿入された時点で、その材料は光を吸収し、青色を帯びるであろう。そのような材料は、ユーザに、材料およびそれゆえの積層体を通る透過率についてのある程度の制御を与える。1つ以上の実施の形態において、そのエレクトロクロミック材料は、半透明状態から透明状態に、またその反対に変わることがある。いくつかの実施の形態において、その半透明状態は、視聴者に色を示しても、もしくは白色または黒色であってもよい。そのような材料において、ユーザは、材料に電気を流して、半透明状態と透明状態の間の変化を開始する。一旦変化が生じたら、その外観状態を維持するために、電気はもはや必要ない。
【0026】
1つ以上の実施の形態において、例示のフォトクロミック材料は、多色光または単色光(例えば、紫外線)の影響下で色を変える高分子材料を含む。その例に、6、7位で環化した環状基を有するナフトピランがある。そのフォトクロミック材料は、前記積層体の一方または両方の基板と一体であってもよい。例えば、一方または両方の基板は、ガラスであることがあり、Ag、Br、ClおよびCuOのいずれか1つ以上を含む組成を有することがある。例えば、そのガラスは、ここに全てが引用される、「Fast fading, high refractive index photochromic glass」と題する米国特許第5023209号明細書に開示された組成を有してもよい。他の実施の形態において、そのガラスは微結晶ハロゲン化銀を含む。フォトクロミックガラスは、下記に記載されるように、フュージョン法により製造されてもよい、および/または化学強化されてもよい。いくつかの実施の形態において、そのフォトクロミック材料は、プラスチックまたは有機材料中に有機分子(例えば、オキサジンおよび/またはナフトピラン)を含む。不透明または半透明と透明との間の変化は、約5分未満で、約2分未満で、または約1分未満で達成されるであろう。その透明状態は、可視スペクトルに亘り、約90%の平均透過率を有することがあり、不透明または半透明状態は、約15〜20%の平均透過率を有することがある。フォトクロミック材料は、活性化のために周囲環境に依存するが、二重活性化(すなわち、ユーザによる、または周囲環境による)を与えるために、他の光応答性材料と組み合わせて使用しても差し支えない。
【0027】
例示の懸濁粒子デバイス(SPD)材料は、液体中に懸濁されたロッド状ナノスケール粒子(非対称であってよい)の薄膜を含む。ある場合には、その粒子は、光吸収性であり、高分子マトリクス中に埋め込まれた液胞内に配置される。その懸濁粒子は、不活性状態(例えば、電圧が印加されていないとき)において、無作為に配向している。その粒子は、不活性状態にあるときに、光を遮断し、吸収する。活性化状態(例えば、電圧が印加されているとき)において、懸濁粒子は、整列し、光を材料およびそれゆえ積層体に通過させる。電圧の程度により配向の程度が変わる。このようにして、不透明または半透明と透明との間の変化を変えることができる。懸濁粒子デバイス材料を活性化させるために、様々なセンサ(光検出器および運動センサを含む)、ユーザ・アプリケーションなどを利用してよい。懸濁粒子材料は、より速い変化時間(例えば、1分未満、30秒未満、または約1秒未満)を有すると考えられ、それゆえ、周囲光環境が迅速かつ劇的に変化し得る場合の自動車用途においてより有用であろう。
【0028】
例示のマイクロブラインド材料は、印加電圧に応答して通過する光の量を制御する。いくつかの実施の形態において、そのマイクロブラインド材料は、不活性状態にあるときに、積層体が透明であるが、活性化状態において、積層体が不透明または半透明の外観を有する寸法を有する切替可能な微小電気機械(MEMS)ミラーを含むことがある。このマイクロブラインド材料は、リソグラフィーおよび選択エッチングを使用して、開閉するルーバーと似た、ミラーを提供することによって、形成してもよい。より詳しくは、このマイクロブラインド材料は、公知の手段(例えば、マグネトロン・スパッタリング)によって堆積された金属層を含むことがある。その金属層は、レーザまたはリソグラフィープロセスによるパターニングによって選択的にエッチングすることができる。いくつかの実施の形態において、透明導電性酸化物(TCO)の薄層を、電気的絶縁のために金属層とTCO層の間に堆積された薄い絶縁体と共に使用してもよい。電圧を印加しない状態では、そのマイクロブラインドは、光を積層体に通過させるように構成される。金属層と透明導電性層との間に電位差がある場合、マイクロブラインドは、光が積層体を通過するのにを断するまたは少なくともある程度遮断するように構成される。
【0029】
そのマイクロブラインド材料は、ミラーのたわみを最小にしつつ、移動できるように、空隙を含むことがある。懸濁粒子デバイス材料に関するように、マイクロブラインド材料を活性化させるために、様々なセンサ(光検出器および運動センサを含む)、ユーザ・アプリケーションなどを利用してよい。
【0030】
例示の液晶材料は、高分子分散液晶(PDLC)材料を含むことがある。1つ以上の実施の形態において、その液晶は、液体高分子中に溶けているまたは分散している。次に、その高分子を固化させ、この過程中に、液晶は、固体高分子と混合できなくなり、固体高分子の全体に亘り液滴を形成する。この高分子および液晶は、透明導電性材料の薄層と共に、液体状態にある間に第1と第2の基板の間に適用してよい。次いで、その高分子は固化する。活性化のために、電源からの電極を透明電極に取り付ける。液晶は、電圧が印加されていないときに、液滴中に無作為に配向しており、これにより、光が積層体を透過するときに光散乱を生じる(すなわち、不透明または半透明状態を与える)。電極に電圧が印加されると、ガラス上の2つの透明電極間に形成された電場により液晶が整列し、散乱が非常にわずかしかない状態で光が液滴を通過し、透明状態が形成される。いくつかの実施の形態において、液晶による散乱のために、積層体は、不活性状態において(電圧が印加されていないときに)白色に見える。いくつかの実施の形態において、不活性状態にあるときに、積層体の外観を変えるために、染料ドープ高分子を使用してもよい。その染料ドープ高分子は光の吸収およびより暗い色または外観を与え、一方で、液晶が散乱を与える。透明度は、印加電圧によって制御できる。その透明状態は、可視スペクトルに亘り約75%以上の平均透過率を有することがある。不透明または半透明と透明との間の変化は、迅速に(例えば、1分未満、30秒未満、または1秒未満)生じることができる。
【0031】
いくつかの実施の形態において、電圧により活性化される光応答性材料(すなわち、エレクトロクロミック材料、PDLC材料、SPD材料およびマイクロブラインド材料)では、積層体の部分を選択して、その選択された部分で光応答性材料を活性化させるために、ユーザが電圧を印加できるタッチ式ユーザ・インターフェースが利用される。その光応答性材料は、各部分がユーザによる選択的活性化に応答してしか活性化させないように(ユーザがタッチ式ユーザ・インターフェースのどの部分に触れたときにも外観状態を変える積層体全体とは対照的に)セグメント化しても差し支えない。
【0032】
いくつかの実施の形態において、前記光応答性材料は、吸収を与えることによって暗色化するが、高度の散乱は与えない。いくつかの実施の形態において、映写面として機能できる表面を提供するために、その積層体に散乱層を加えてもよい。その散乱層は、基板の間、視聴者に対してその積層体の前面、または視聴者に対してその積層体の背面に配置してよい。
【0033】
1つ以上の実施の形態において、前記積層体は、第1と第2の基板の間に配置されたディスプレイユニットを備えることがある。ある場合には、そのディスプレイユニットは、中間層と第2の基板の間、または第1の基板と中間層の間に配置されることがある。他の実施の形態において、そのディスプレイユニットは、基板の一方または両方と一体成形されている。さらに他の実施の形態において、そのディスプレイユニットは、視聴者に対して、積層体の背面、または積層体の前面に配置されている。そのディスプレイユニットは、マイクロLEDアレイ、OLEDアレイ、LCDアレイ、プラズマセルアレイ、およびエレクトロルミネセント(EL)セルアレイのいずれか1つ以上を備えた画像パネルを備えることがある。いくつかの実施の形態において、そのディスプレイユニットは、ここに記載されるような、光応答性材料または他の層によって形成された散乱表面を利用する投影源であることがある。
【0034】
1つ以上の実施の形態において、前記中間層は高分子を含む。例示の高分子中間層としては、以下に限られないが、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリカーボネート、遮音PVB、エチレン酢酸ビニル(EVA)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、イオノマー、熱可塑性材料、およびそれらの組合せなどの材料が挙げられる。その中間層は、約2mm以下(例えば、1.5mm以下、または約1mm以下)の厚さを有することがあり、様々な組成の副層を多数含むことがある。
【0035】
様々な例示の非限定的実施の形態において、第1と第2の基板の1つ以上が、ガラス材料(例えば、ソーダ石灰ガラス、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス、アルカリ含有ホウケイ酸ガラス、および/またはアルカリアルミノホウケイ酸塩ガラス)、ガラスセラミック材料、高分子材料、および/またはポリセラミック材料から作られることがある。その基板は、様々な実施の形態において、1枚のシートまたは積層体または積重構造の一部として設けられることがある。その基板に積層体または積重構造が用いられる例示の実施の形態において、その基板の各層は同じまたは異なる材料から選択されてよく、その基板の各層は、互いに直接物理的に接触しても、または介在層(接着層など)または間隙(例えば、空隙)により互いから隔てられてもよい。
【0036】
前記積層体の実施の形態に使用されるガラス材料は、様々な異なるプロセスを使用して提供することができる。例えば、そのガラス材料は、フロートガラス法、並びにフュージョンドロー法やスロットドロー法などのダウンドロー法を含む公知の形成方法を使用して形成してよい。いくつかの実施の形態において、そのガラス材料は、熱処理などの相分離処理が行われた際に2つ以上の異なる相への相分離を経て、異なる組成を有する異なるガラス相を含む「相分離」ガラスを生成するであろう「相分離可能な」ガラス組成物から形成されることがある。
【0037】
フロートガラス法により調製されるガラス材料は滑らかな表面により特徴付けられることがあり、溶融金属、典型的にスズの床上に溶融ガラスを浮遊させることによって、均一な厚さが作られる。例示のプロセスにおいて、溶融スズ床の表面上に供給される溶融ガラスが浮遊ガラスリボンを形成する。そのガラスリボンがスズ浴に沿って流れるときに、ガラスリボンが、スズ浴からローラに持ち上げられる固体ガラス材料に固化するまで、その温度は徐々に低下する。そのガラス材料は、一旦スズ浴から離れたら、さらに冷却し、徐冷して、内部応力を低下させることができる。
【0038】
ダウンドロー法により、比較的無垢な表面を持つ均一な厚さを有するガラス材料が生成される。ガラス材料の平均曲げ強度は表面傷の量とサイズにより制御されるので、接触が最小である無垢な表面は、より高い初期強度を有する。次に、この高強度ガラス材料をさらに強化(例えば、化学的または熱的に)する場合、生じた強度は、ラップ仕上げされ研磨された表面を持つガラス材料の強度よりも高くなり得る。ダウンドロー法により形成されるガラス材料は、約2mm未満の厚さまで延伸することができる。その上、ダウンドロー法により形成されたガラス材料は、追加の研削および研磨工程を行わずに、最終用途に使用できる非常に平らで滑らかな表面を有する。
【0039】
前記ガラス材料は、例えば、溶融ガラス原材料を受け取るための通路を有する延伸槽を使用するフュージョンドロー法を使用して形成されることがある。その通路は、通路の両側に通路の長手方向に沿って上部で開いた堰を有する。その通路が溶融材料で満たされると、溶融ガラスが堰を越えて溢れる。溶融ガラスは、重力のために、2つの流れるガラス膜として延伸槽の外面を流下する。延伸槽のこれらの外面は、それらが延伸槽の下のエッジで接合するように下方かつ内側に延在する。その2つの流れるガラス膜はこのエッジで接合して融合し、1つの流動ガラス材料を形成する。このフュージョンドロー法は、通路を越えて流れる2つのガラス膜が互いに融合するので、得られるガラス材料の外面のいずれも、その装置のどの部分とも接触しないという利点を与える。それゆえ、フュージョンドロー法により形成されたガラス材料の表面特性は、そのような接触の影響を受けない。
【0040】
スロットドロー法はフュージョンドロー法とは異なる。スロットドロー法において、溶融原材料ガラスが延伸槽に提供される。この延伸槽の底部には、開いたスロットがあり、このスロットは、その長さに亘り延在するノズルを有する。溶融ガラスは、スロット/ノズルを通って流動し、連続材料として徐冷領域へと下方に延伸される。
【0041】
いくつかの実施の形態において、ガラスに使用される組成物には、約0モル%から約2モル%の、Na2SO4、NaCl、NaF、NaBr、K2SO4、KCl、KF、KBr、およびSnO2を含む群から選択される少なくとも1種類の清澄剤がバッチ配合されることがある。
【0042】
前記ガラス基板は、一旦形成されたら、強化して、強化ガラス材料を形成してもよい。ここに記載されたガラスセラミックも、ガラス材料と同じ様式で強化してもよいことに留意のこと。ここに用いたように、「強化材料」という用語は、例えば、ガラスまたはガラスセラミック材料の表面にあるより小さいイオンをより大きいイオンでイオン交換することにより、化学強化されたガラス材料またはガラスセラミック材料を称することがある。しかしながら、熱強化(thermal tempering)などの当該技術分野で公知の他の強化方法を用いて、強化ガラス材料および/またはガラスセラミック材料を形成してもよい。いくつかの実施の形態において、その材料は、化学強化法および熱強化法の組合せを使用して強化してよい。
【0043】
ここに記載された強化材料は、イオン交換法によって化学強化されることがある。イオン交換法において、典型的に、ガラスまたはガラスセラミック材料を所定の期間に亘り溶融塩浴中に浸漬することによって、そのガラスまたはガラスセラミック材料の表面またはその近くにあるイオンが、その塩浴からのより大きい金属イオンと交換される。1つの実施の形態において、溶融塩浴の温度は約400℃から約430℃の範囲にあり、所定の期間は約4から約24時間である;しかしながら、材料の組成および所望の強度属性にしたがって、浸漬の温度と期間は変わってよい。より大きいイオンがガラスまたはガラスセラミック材料中に含まれると、その材料の表面に近い領域またはその表面にある領域と隣接した領域に圧縮応力が生じることによって、その材料が強化される。その圧縮応力と釣り合うために、その材料の中央領域または表面からある距離にある領域内に、対応する引張応力が誘発される。この強化法を使用したガラスまたはガラスセラミック材料は、化学強化またはイオン交換ガラスまたはガラスセラミック材料としてより詳しく記載されることがある。
【0044】
一例において、強化ガラスまたはガラスセラミック材料中のナトリウムイオンは、硝酸カリウム塩浴などの溶融浴からのカリウムイオンと置換されるが、ルビジウムまたはセシウムなどの原子半径がより大きい他のアルカリ金属イオンが、ガラス中のより小さいアルカリ金属イオンを置換しても差し支えない。特定の実施の形態によれば、ガラスまたはガラスセラミック中のより小さいアルカリ金属イオンをAg+イオンで置換しても差し支えない。同様に、以下に限られないが、硫酸塩、リン酸塩、ハロゲン化物などの他のアルカリ金属塩をイオン交換法に使用してもよい。
【0045】
ガラスの網目構造が緩和できる温度より低い温度で、より大きいイオンでより小さいイオンを置換すると、その強化材料の表面に亘りイオンの分布が生じ、これが応力プロファイルをもたらす。入ってくるイオンのより大きい体積により、強化材料の表面に圧縮応力(CS)が、その中央に張力(中央張力、またはCT)が生じる。その圧縮応力は、以下の関係式:
【0046】
【数1】
【0047】
により中央張力に関係付けられ、式中、tは強化ガラスまたはガラスセラミック材料の全厚であり、圧縮層の深さ(DOL)は交換の深さである。交換の深さは、強化ガラスまたはガラスセラミック材料内の深さ(すなわち、ガラスまたはガラスセラミック材料の表面から、ガラスまたはガラスセラミック材料の中央領域までの距離)と記載してもよく、そこで、イオン交換法により促進されるイオン交換が行われる。
【0048】
1つの実施の形態において、強化ガラスまたはガラスセラミック材料の表面圧縮応力は、約300MPa以上、例えば、400MPa以上、450MPa以上、500MPa以上、550MPa以上、600MPa以上、650MPa以上、700MPa以上、750MPa以上、または800MPa以上であり得る。その強化ガラスまたはガラスセラミック材料は、約15μm以上、20μm以上(例えば、25μm、30μm、35μm、40μm、45μm、50μm以上)の圧縮層の深さおよび/または約10MPa以上、20MPa以上、30MPa以上、40MPa以上(例えば、42MPa、45MPa、または50MPa以上)であるが、100MPa未満(例えば、95、90、85、80、75、70、65、60、55MPa以下)の中央張力を有することがある。1つ以上の特別な実施の形態において、その強化ガラスまたはガラスセラミック材料は、以下の1つ以上を有する:約200MPa超の表面圧縮応力、約15μm超の圧縮層の深さ、および約18MPa超の中央張力。1つ以上の実施の形態において、第1の基板および第2の基板の一方または両方は、ここに記載されたように強化されている。ある場合には、第1の基板および第2の基板の両方が強化されている。第1の基板は化学強化されていてもよく、一方で第2の基板は熱強化されている。ある場合には、第1の基板および第2の基板の一方のみが化学的および/または熱的に強化されているのに対し、他方は強化されていない。
【0049】
前記ガラス材料に使用してよい例示のガラスとしては、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物またはアルカリアルミノホウケイ酸塩ガラス組成物が挙げられるであろうが、他のガラス組成物も考えられる。そのようなガラス組成物は、イオン交換可能であると特徴付けられるであろう。ここに用いたように、「イオン交換可能」は、その組成を有する材料が、その材料の表面またはその近くに位置する陽イオンを、サイズがより大きいかまたはより小さいかのいずれかである同じ価数の陽イオンにより交換できることを意味する。一例のガラス組成物は、SiO2、B23、およびNa2Oを含み、ここで、(SiO2+B23)≧66モル%、およびNa2O≧9モル%である。ある実施の形態において、そのガラス組成物は、少なくとも6質量%の酸化アルミニウムを含む。さらなる実施の形態において、その材料は、アルカリ土類酸化物の含有量が少なくとも5質量%であるように、1種類以上のアルカリ土類酸化物を有するガラス組成物を含む。適切なガラス組成物は、いくつかの実施の形態において、K2O、MgO、およびCaOの内の少なくとも1つをさらに含む。特別な実施の形態において、前記材料に使用されるガラス組成物は、61〜75モル%のSiO2、7〜15モル%のAl23、0〜12モル%のB23、9〜21モル%のNa2O、0〜4モル%のK2O、0〜7モル%のMgO、および0〜3モル%のCaOを含み得る。
【0050】
料に適したさらなる例示のガラス組成物は、60〜70モル%のSiO2、6〜14モル%のAl23、0〜15モル%のB23、0〜15モル%のLi2O、0〜20モル%のNa2O、0〜10モル%のK2O、0〜8モル%のMgO、0〜10モル%のCaO、0〜5モル%のZrO2、0〜1モル%のSnO2、0〜1モル%のCeO2、50ppm未満のAs23、および50ppm未満のSb23を含み、12モル%≦(Li2O+Na2O+K2O)≦20モル%、および0モル%≦(MgO+CaO)≦10モル%。
【0051】
前記ガラス材料に適したさらに別の例示のガラス組成物は、63.5〜66.5モル%のSiO2、8〜12モル%のAl23、0〜3モル%のB23、0〜5モル%のLi2O、8〜18モル%のNa2O、0〜5モル%のK2O、1〜7モル%のMgO、0〜2.5モル%のCaO、0〜3モル%のZrO2、0.05〜0.25モル%のSnO2、0.05〜0.5モル%のCeO2、50ppm未満のAs23、および50ppm未満のSb23を含み、14モル%≦(Li2O+Na2O+K2O)≦18モル%、および2モル%≦(MgO+CaO)≦7モル%。
【0052】
特別な実施の形態において、前記ガラス材料に適したアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物は、アルミナ、少なくとも1種類のアルカリ金属、およびいくつかの実施の形態において、50モル%超のSiO2、他の実施の形態において、少なくとも58モル%のSiO2、さらに他の実施の形態において、少なくとも60モル%のSiO2を含み、比((Al23+B23)/Σ改質剤)>1、ここで、この比において、成分はモル%で表され、改質剤はアルカリ金属酸化物である。このガラス組成物は、特別な実施の形態において、58〜72モル%のSiO2、9〜17モル%のAl23、2〜12モル%のB23、8〜16モル%のNa2O、および0〜4モル%のK2Oを含み、比((Al23+B23)/Σ改質剤)>1。
【0053】
さらに別の実施の形態において、前記ガラス材料は、64〜68モル%のSiO2、12〜16モル%のNa2O、8〜12モル%のAl23、0〜3モル%のB23、2〜5モル%のK2O、4〜6モル%のMgO、および0〜5モル%のCaOを含み、66モル%≦SiO2+B23+CaO≦69モル%、Na2O+K2O+B23+MgO+CaO+SrO>10モル%、5モル%≦MgO+CaO+SrO≦8モル%、(Na2O+B23)−Al23≦2モル%、2モル%≦Na2O−Al23≦6モル%、および4モル%≦(Na2O+K2O)−Al23≦10モル%である、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物を含むことがある。
【0054】
代わりの実施の形態において、前記ガラス材料は、2モル%以上のAl23および/またはZrO2、または4モル%以上のAl23および/またはZrO2を含むアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物を含むことがある。
【0055】
いくつかの実施の形態において、材料は、フュージョン法により形成しても、圧延法、薄片圧延法(thin-rolling)、スロットドロー法またはフロート法などの他の公知の方法によって形成してもよいガラスセラミック材料を含むことがある。
【0056】
料の様々な実施の形態に使用してよい例示のガラスセラミックは、それらを形成できるプロセスによって特徴付けられるであろう。そのようなガラスセラミックは、フロート法、フュージョン法、スロットドロー法、薄片圧延法、またはそれらの組合せによって形成されることがある。あるガラスセラミックは、フロート法、スロットドロー法、またはフュージョンドロー法などの高処理量形成法の使用を不可能にする液相粘度を有する傾向にある。例えば、いくつかの公知のガラスセラミックは、約10kPの液相粘度を有する前駆体ガラスから形成され、この粘度は、一般に約100kP超または約200kP超の液相粘度が必要とされるフュージョンドロー法に適していない。低処理量形成法(例えば、薄片圧延法)により形成されるガラスセラミックは、向上した不透明性、様々な程度の半透明性、および/または表面の艶を示すであろう。高処理量法(例えば、フロート法、スロットドロー法、またはフュージョンドロー法)により形成されるガラスセラミックは、非常に薄い層を達成できる。フュージョンドロー法により形成されるガラスセラミックは、無垢な表面および薄さ(例えば、約2mm以下)を達成するであろう。適切なガラスセラミックの例としては、Li2O・Al23・SiO2系(すなわち、LAS系)ガラスセラミック、MgO・Al23・SiO2系(すなわち、MAS系)ガラスセラミック、ムライト、スピネル、α−石英、β−石英固溶体、葉長石、二ケイ酸リチウム、β−スポジュメン、霞石、およびアルミナのいずれか1つ以上の結晶相を含むガラスセラミック、並びにそれらの組合せが挙げられるであろう。
【0057】
1つ以上の実施の形態において、第1と第2の基板の一方または両方の厚さは、約3mm以下である。ある場合には、第1と第2の基板の一方の厚さは、約1mmから約3mm(例えば、約1mmから約2.8mm、約1mmから約2.6mm、約1mmから約2.5mm、約1mmから約2.4mm、約1mmから約2.1mm、約1mmから約2mm、約1mmから約1.8mm、約1mmから約1.6mm、約1mmから約1.4mm、約1.2mmから約3mm、約1.4mmから約3mm、約1.6mmから約3mm、または約1.8mmから約3mm)であり、第1と第2の基板の他方の厚さは1mm未満(例えば、約0.9mm以下、約0.8mm以下、約0.7mm以下、約0.5mm以下、約0.55mm以下、約0.4mm以下、約0.3mm以下、または約0.2mm以下)である。第1の基板および第2の基板の厚さの組合せとしては、以下に限られないが、2.1mm/0.7mm、2.1mm/0.5mm、1.8mm/0.7mm、1.8mm/0.5mm、1.6mm/0.5mm、1mm/0.7mm、および1mm/0.5mmが挙げられるであろう。
【0058】
1つ以上の実施の形態において、前記積層体は、複雑に湾曲した形状を有することがある。ここに用いたように、「複雑な曲線」、「複雑に湾曲した」、「複雑な湾曲基板」、および「複雑に湾曲した基板」は、非可展形状とも称される、複合曲線を有する非平面形状を意味し、それには、以下に限られないが、球面、非球面、および2つの直交軸(水平軸と垂直軸)の曲率が異なる(例えば、トロイダル形状、偏球、扁平楕円体、長球、長楕円体であることがある)、または2つの直交面に沿った面の主曲率が反対である(例えば、馬や猿の鞍などの鞍形状または面)、トロイダル面が挙げられる。複雑な曲線の他の例としては、以下に限られないが、楕円双曲面、双曲放物面、および複雑な曲線が一定または変動する曲率半径を有することがある、球面円柱表面が挙げられる。前記複雑な曲線は、そのような表面のセグメントまたは部分を含んでも、そのような曲線および表面の組合せから構成されてもよい。1つ以上の実施の形態において、積層体は、主半径(major radius)および交差曲率(cross curvature)を含む複合曲線を有することがある。その積層体の曲率は、有意な最小半径が有意な交差曲率、および/または曲げ深さと組み合わされた場合、さらにより複雑になり得る。いくつかの積層体は、平らなガラス基板の縦軸に対して垂直ではない曲げの軸に沿った曲げを必要とすることもある。
【0059】
1つ以上の実施の形態において、前記積層体は、2つの直交軸に沿った曲率半径を有することがある。様々な実施の形態において、その積層体は非対称であることがある。いくつかの積層体は、成形前に(すなわち、平らな表面または平らな基板)基板の縦軸に対して垂直ではない軸に沿った曲げを含むこともある。
【0060】
1つ以上の実施の形態において、前記曲率半径は、1000mm未満、または750mm未満、または500mm未満、または300mm未満であることがある。様々な実施の形態において、その積層体は、積層体のエッジでのものを含む、しわまたは光学的歪みを実質的に含まない。
【0061】
1つ以上の実施の形態において、前記積層体は、冷間成形積層体として特徴付けられることがある。そのような実施の形態において、その積層体は、第1の湾曲基板および実質的に平面の第2の基板を備え、その第2の基板は、第1の基板の曲率に合わせて冷間成形される。
【0062】
ここに用いたように、冷間成形は、基板および/または積層体が、複雑に湾曲した積層体を提供するために、第1と第2の基板の軟化温度より低い温度で形成される成形過程を含む。
【0063】
冷間成形積層体の実施の形態は、第1と第2の基板の間に配置された、両方ともここに記載されたような、少なくとも1つの中間層および少なくとも1つの光応答性材料を含むことがある。いくつかの実施の形態において、その光応答性材料は、一方または両方の基板と一体であることがある。ある場合には、冷間成形積層体は、ここに記載されたようなディスプレイユニットを備えることがある。1つ以上の実施の形態において、前記第2の基板は、第1の基板の曲率に合わせて成形することによって強化されている。その冷間成形積層体は、ここに記載されたように、複雑に湾曲していることがある。
【0064】
図3および4を参照すると、例示の冷間成形方法において、平らな基板230を、複雑に湾曲していることがある、湾曲基板210に積層することができる。1つ以上の実施の形態において、複雑に湾曲した基板210は、凸面214および凹面212を有する。中間層220は、凹面212に施されたときに結合層220として機能して、露出した凹面222を平らな基板230と結合させることがある。他の実施の形態において、平らな基板230は、中間層220がない状態で、湾曲した基板210に合わせて形成され、次に、別の工程で、同じ曲率を有する2つの別個の基板を中間層220に結合させる。様々な実施の形態において、平らな基板230を、結合層220の露出された凹面222に対して押し付けてよく、その平らな基板230は、湾曲した基板210の形状をとるように変形する。得られた積層体は複雑に湾曲している。
【0065】
ここに記載された積層体は、自動車、ボート、および航空機などの乗り物(例えば、風防、窓または側部窓(sidelite)、鏡、支柱、ドアのサイドパネル、ヘッドレスト、ダッシュボード、コンソール、または乗り物の椅子、もしくはそのいずれかの部分)、建築建具または構造(例えば、建物の内壁または外壁、およびフロアリング)、電化製品(例えば、冷蔵庫、オーブン、ストーブ、洗濯機、乾燥機、または別の電化製品)、家庭用電子機器(例えば、テレビ、ラップトップコンピュータ、コンピュータのモニタ、並びに携帯電話、タブレット、および音楽プレーヤーなどの携帯型電子機器)、家具、案内所、売店などに使用することができる。
【0066】
本開示の第2の態様は、積層体を形成する方法に関する。1つ以上の実施の形態において、この方法は、第1の基板および第2の基板を提供する工程;その第1と第2の基板を少なくとも1つの中間層および少なくとも1つの光応答性材料に積層して、その中間層と光応答性材料が第1と第2の基板の間に配置されるような積層体を形成する工程;およびその積層体を複雑な湾曲形状に形成する工程を有してなる。いくつかの実施の形態において、その光応答性材料は一方または両方の基板と一体であり、それゆえ、その方法は、それらの基板を少なくとも1つの中間層に積層する工程を含む。1つ以上の実施の形態において、その方法は、ここに記載されたように、それらの基板の一方または両方を強化する工程を含む。1つ以上の実施の形態において、積層体を複雑に湾曲した形状に形成する工程は、重力下での垂れ下がりを行うために、積層体または基板の温度が徐々に上昇させられた、連続して配列された多数の炉からなるガラス焼き鈍し炉内で積層体または個々の基板を加熱する工程を含む。積層体および/または基板を形成するためのシステムは、成形型、輻射加熱源、および輻射遮蔽体を備えることができ、その輻射遮蔽体は、実質的に輻射加熱源と積層体および/または基板との間に位置している。
【0067】
1つ以上の実施の形態において、前記方法は、積層体を冷間成形する工程を含む。この方法は、湾曲した第1の基板、実質的に平面の第2の基板、その第1と第2の基板の間の、少なくとも1つの高分子中間層および少なくとも1つの光応答性材料を提供する工程;および第1と第2の基板の軟化温度より低い温度で第1の基板、第2の基板、高分子中間層および光応答性材料を一緒に積層して、複雑に湾曲した積層体を提供する工程を有してなる。1つ以上の実施の形態において、積層する工程は、第2の基板を第1の基板の湾曲形状に合わせて形成する工程を含む。いくつかの実施の形態において、前記光応答性材料はそれらの基板と一体であり、それゆえ、その方法は、湾曲した第1の基板、実質的に平面の第2の基板、その第1と第2の基板の間の少なくとも1つの高分子中間層を提供する工程;および第1と第2の基板の軟化温度より低い温度で第1の基板、第2の基板、および高分子中間層を一緒に積層して、複雑に湾曲した積層体を提供する工程を有してなる。
【0068】
ある場合には、前記中間層は、別の工程として基板に積層され、それゆえ、前記方法は、第1と第2の基板の軟化温度より低い温度で、湾曲した第1の基板および平面の第2の基板を一緒に積層して、2つの複雑に湾曲した基板を提供する工程を含み、これらの基板は、次に、中間層および必要に応じて、光応答性材料と積層されて、複雑に湾曲した積層体を提供する。
【0069】
本発明の精神または範囲から逸脱せずに、様々な改変および変更を行えることが、当業者に明白であろう。
【0070】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0071】
実施形態1
積層体において、
第1の基板、
前記第1の基板上に配置された中間層、および
前記中間層上に配置された第2の基板、
を備え、
複雑に湾曲しており、光応答性材料を含む積層体。
【0072】
実施形態2
前記光応答性材料が、
前記第1の基板および前記第2の基板の間に配置されているか、または
前記第1の基板および前記第2の基板の一方または両方と一体である、
実施形態1に記載の積層体。
【0073】
実施形態3
前記光応答性材料が、エレクトロクロミック材料、フォトクロミック材料、懸濁粒子材料、マイクロブラインド材料および液晶材料のいずれか1つ以上を含む、実施形態1または2に記載の積層体。
【0074】
実施形態4
ディスプレイユニットをさらに備え、
該ディスプレイユニットが、
前記第1の基板および前記第2の基板の間に配置されている、
前記第1の基板および前記第2の基板の一方または両方と一体である、または
ユーザに対して前記積層体の背後に配置されている、
実施形態1から3いずれか1つに記載の積層体。
【0075】
実施形態5
前記ディスプレイユニットが、マイクロLEDアレイ、OLEDアレイ、LCDアレイ、プラズマセルアレイ、およびエレクトロルミネセント(EL)セルアレイのいずれか1つ以上を含む画像パネルを備える、実施形態4に記載の積層体。
【0076】
実施形態6
前記中間層が高分子から作られ、前記第1の基板および前記第2の基板のいずれか一方または両方が強化されている、実施形態1から5いずれか1つに記載の積層体。
【0077】
実施形態7
前記第1の基板が、強化されており、第一面と第二面を有し、該第二面が前記中間層に隣接しており、前記第2の基板が第三面と第四面を有し、該第三面が前記中間層に隣接し、該第四面は該第三面の反対にある、実施形態1から6いずれか1つに記載の積層体。
【0078】
実施形態8
前記第一面が、約200MPa超の表面圧縮応力および約30μm超の圧縮応力の層の深さを有する、実施形態7に記載の積層体。
【0079】
実施形態9
前記第1と第2の基板のいずれか一方または両方の厚さが約1.5mm以下である、実施形態1から8いずれか1つに記載の積層体。
【0080】
実施形態10
前記強化された基板の厚さが約1.0mm以下である、実施形態6から9いずれか1つに記載の積層体。
【0081】
実施形態11
前記中間層が、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリカーボネート、遮音PVB、エチレン酢酸ビニル(EVA)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、イオノマー、熱可塑性材料、およびそれらの組合せからなる群より選択される材料から作られている、実施形態1から10いずれか1つに記載の積層体。
【0082】
実施形態12
前記中間層の厚さが約1mm未満である、実施形態1から11いずれか1つに記載の積層体。
【0083】
実施形態13
実施形態1から12いずれか1つに記載の積層体を備えた物品であって、乗り物、建築建具、建築構造、電化製品、家庭用電子機器、家具、案内所、および売店のいずれか1つを含む物品。
【0084】
実施形態14
積層体を形成する方法において、
第1の基板および第2の基板を提供する工程;
前記第1と第2の基板の一方または両方を必要に応じて強化する工程;
前記第1と第2の基板を少なくとも1つの中間層および少なくとも1つの光応答性材料に積層して、該中間層と該光応答性材料が該第1と第2の基板の間に配置されるような積層体を形成する工程;および
前記積層体を複雑な湾曲形状に形成する工程;
を有してなる方法。
【0085】
実施形態15
前記第1と第2の基板の一方または両方を強化する工程が、該第1と第2の基板の両方を化学的に強化するまたは熱的に強化する工程を含む、実施形態14に記載の方法。
【0086】
実施形態16
前記第1と第2の基板の間にディスプレイユニットを配置する工程をさらに含む、実施形態14または15に記載の方法。
【0087】
実施形態17
積層体を形成する方法において、
その一方または両方が光応答性材料を含む、第1の基板および第2の基板を提供する工程;
前記第1と第2の基板の一方または両方を必要に応じて強化する工程;
前記第1と第2の基板を少なくとも1つの中間層に積層して、該中間層が該第1と第2の基板の間に配置されるような積層体を形成する工程;および
前記積層体を複雑な湾曲形状に形成する工程;
を有してなる方法。
【0088】
実施形態18
前記第1と第2の基板の一方または両方を強化する工程が、該第1と第2の基板の両方を化学的に強化するまたは熱的に強化する工程を含む、実施形態17に記載の方法。
【0089】
実施形態19
前記第1と第2の基板の間にディスプレイユニットを配置する工程、前記第1の基板および前記第2の基板の一方または両方の内部にディスプレイユニットを一体成形する工程、またはユーザに対して前記積層体の背後にディスプレイユニットを配置する工程をさらに含む、実施形態17または18に記載の方法。
【0090】
実施形態20
積層体において、
複雑に湾曲した第1の基板、
実質的に平面の第2の基板、
前記第1の基板および前記第2の基板の中間にある少なくとも1つの中間層、および
少なくとも1つの光応答性材料、
を備え、
前記第2の基板が前記第1の基板の曲率に合わせて冷間成形され、
前記光応答性材料が、前記第1の基板および前記第2の基板の間に配置されているか、または該第1の基板および該第2の基板の一方または両方と一体である、積層体。
【0091】
実施形態21
ディスプレイユニットをさらに備え、
該ディスプレイユニットが、前記第1の基板および前記第2の基板の間に配置されている、前記第1の基板および前記第2の基板の一方または両方と一体である、またはユーザに対して前記積層体の背後に配置されている、実施形態20に記載の積層体。
【0092】
実施形態22
前記第2の基板が、前記第1の基板の曲率に合わせて形成されることによって強化されている、実施形態20または21に記載の積層体。
【0093】
実施形態23
前記第1の基板および前記第2の基板の一方または両方が、化学的に強化されている、熱的に強化されている、または化学的かつ熱的に強化されている、実施形態20から22いずれか1つに記載の積層体。
【0094】
実施形態24
前記第2の基板の厚さが約1mm以下である、実施形態20から23いずれか1つに記載の積層体。
【0095】
実施形態25
前記積層体の厚さが3mm以下である、実施形態20から24いずれか1つに記載の積層体。
【0096】
実施形態26
前記中間層が、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリカーボネート、遮音PVB、エチレン酢酸ビニル(EVA)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、イオノマー、熱可塑性材料、およびそれらの組合せからなる群より選択される材料から作られている、実施形態20から25いずれか1つに記載の積層体。
【0097】
実施形態27
前記積層体が複雑に湾曲している、実施形態20から26いずれか1つに記載の積層体。
【0098】
実施形態28
前記光応答性材料が、エレクトロクロミック材料、フォトクロミック材料、懸濁粒子材料、マイクロブラインド材料および液晶材料のいずれか1つ以上を含む、実施形態20から27いずれか1つに記載の積層体。
【0099】
実施形態29
前記ディスプレイユニットが、マイクロLEDアレイ、OLEDアレイ、LCDアレイ、プラズマセルアレイ、およびエレクトロルミネセント(EL)セルアレイのいずれか1つ以上を含む画像パネルを備える、実施形態21から28いずれか1つに記載の積層体。
【0100】
実施形態30
積層体を冷間成形する方法であって、
湾曲した第1の基板、実質的に平面の第2の基板、該第1と第2の基板の間の少なくとも1つの高分子中間層および少なくとも1つの光応答性材料を提供する工程;および
前記第1と第2の基板の軟化温度より低い温度で該第1の基板、該第2の基板、前記高分子中間層および前記光応答性材料を一緒に積層して、複雑に湾曲した積層体を提供する工程、
を有してなる方法。
【0101】
実施形態31
前記光応答性材料が、エレクトロクロミック材料、フォトクロミック材料、懸濁粒子材料、マイクロブラインド材料および液晶材料のいずれか1つ以上を含む、実施形態30に記載の方法。
【0102】
実施形態32
前記第1と第2の基板の間にディスプレイユニットを積層する工程、前記第1の基板および前記第2の基板の一方または両方の内部にディスプレイユニットを一体成形する工程、またはユーザに対して前記積層体の背後にディスプレイユニットを配置する工程をさらに含む、実施形態30または31に記載の方法。
【0103】
実施形態33
前記ディスプレイユニットが、マイクロLEDアレイ、OLEDアレイ、LCDアレイ、プラズマセルアレイ、およびエレクトロルミネセント(EL)セルアレイのいずれか1つ以上を含む画像パネルを備える、実施形態32に記載の方法。
【0104】
実施形態34
積層体を冷間成形する方法において、
湾曲した第1の基板、実質的に平面の第2の基板、および該第1と第2の基板の間の少なくとも1つの高分子中間層を提供する工程であって、該第1の基板および該第2の基板の一方または両方が光応答性材料を含むものである工程;および
前記第1と第2の基板の軟化温度より低い温度で該第1の基板、該第2の基板、および前記高分子中間層を一緒に積層して、複雑に湾曲した積層体を提供する工程、
を有してなる方法。
【0105】
実施形態35
前記光応答性材料が、エレクトロクロミック材料、フォトクロミック材料、懸濁粒子材料、マイクロブラインド材料および液晶材料のいずれか1つ以上を含む、実施形態34に記載の方法。
【0106】
実施形態36
前記第1と第2の基板の間にディスプレイユニットを積層する工程、前記第1の基板および前記第2の基板の一方または両方の内部にディスプレイユニットを一体成形する工程、またはユーザに対して前記積層体の背後にディスプレイユニットを配置する工程をさらに含む、実施形態34または35に記載の方法。
【0107】
実施形態37
前記ディスプレイユニットが、マイクロLEDアレイ、OLEDアレイ、LCDアレイ、プラズマセルアレイ、およびエレクトロルミネセント(EL)セルアレイのいずれか1つ以上を含む画像パネルを備える、実施形態36に記載の方法。
【0108】
実施形態38
積層体を冷間成形する方法において、
複雑に湾曲した第1の基板および実質的に平面の第2の基板を提供する工程であって、該第1の基板および該第2の基板の一方または両方が光応答性材料を必要に応じて含むものである工程;
前記第1と第2の基板の軟化温度より低い温度で該第1の基板および該第2の基板を一緒に積層して、複雑に湾曲した第2の基板を提供する工程;および
前記複雑に湾曲した第1の基板および前記複雑に湾曲した第2の基板を、該第1と第2の基板の間に配置された少なくとも1つの高分子中間層に積層して、複雑に湾曲した積層体を提供する工程、
を有してなる方法。
【0109】
実施形態39
前記光応答性材料が前記高分子中間層と一体である、実施形態38に記載の方法。
【0110】
実施形態40
前記複雑に湾曲した第1の基板および前記複雑に湾曲した第2の基板を前記少なくとも1つの高分子中間層に積層する工程が、積層の前に、該第1と第2の基板の間に前記光応答性材料を配置する工程を含む、実施形態38または39に記載の方法。
【0111】
実施形態41
前記光応答性材料が、エレクトロクロミック材料、フォトクロミック材料、懸濁粒子材料、マイクロブラインド材料および液晶材料のいずれか1つ以上を含む、実施形態38から40いずれか1つに記載の方法。
【0112】
実施形態42
前記第1と第2の基板の間にディスプレイユニットを積層する工程、前記第1の基板および前記第2の基板の一方または両方の内部にディスプレイユニットを一体成形する工程、またはユーザに対して前記積層体の背後にディスプレイユニットを配置する工程をさらに含む、実施形態38から41いずれか1つに記載の方法。
【0113】
実施形態43
前記ディスプレイユニットが、マイクロLEDアレイ、OLEDアレイ、LCDアレイ、プラズマセルアレイ、およびエレクトロルミネセント(EL)セルアレイのいずれか1つ以上を含む画像パネルを備える、実施形態42に記載の方法。
【符号の説明】
【0114】
10 積層体
11 光応答性材料
12 第1の基板
14 中間層
16 第2の基板
210 湾曲基板
220 結合層
230 平らな基板
図1
図2
図3
図4