(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記移動機制御部は、前記年齢認証の前記結果に応じて、前記無人移動機が備える収納庫であって、前記物品が収納される前記収納庫の解錠又は施錠の維持を行わせることで、前記物品を引き渡すように又は前記物品を引き渡さないように前記無人移動機を制御する、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の制御装置。
前記判別部が前記物品に年齢制限が付けられていると判別すると、前記無人移動機が備える撮像部で前記受取人を撮像した画像を受信し、受信した前記画像をオペレータが使用する端末へ送信し、かつ、送信された前記画像に基づいてオペレータが推定した前記受取人の年齢である推定年齢を表す情報を受信する通信部と、
受信された前記推定年齢を表す前記情報に基づいて前記年齢認証を行う認証部と、をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施例1)
以下、本発明の実施例1について添付図面を参照しつつ説明する。
【0011】
実施例1に係る配達システム1は、例えば、ホテル、ホステル、又は、旅館といった宿泊施設に設置され、配達業者によって宿泊施設のフロントまで配達された物品を、宿泊客が利用する客室までフロントから配達する。
【0012】
配達システム1によって配達される物品は、年齢制限付きの物品と、年齢制限付きでない物品と、を含む。年齢制限付きの物品は、例えば、酒又は煙草といった、法律により定められた年齢に達していない者による使用、又は、そのような者への販売が、法律により禁止又は制限される物品を含む。また、年齢制限付きの物品は、例えば、性的、暴力的、又は、残酷な表現を含む映像が記録された記録媒体といった、物品を提供する者によって自主的に定められた年齢に達していない者による使用、又は、そのような者への販売が禁止又は制限される物品を含む。
【0013】
配達システム1は、
図1に示すような、フロントから客室までの物品の運搬を制御する制御装置100と、当該客室を利用する宿泊客の操作に応じて物品の配達を求める配達リクエストを送信する端末装置601から603と、制御装置100の制御に従って、配達を求められた物品を運搬する無人移動機900と、を備える。客室に宿泊する宿泊客は、物品の名宛人であっても良いし、例えば、名宛人の家族のような、名宛人と異なる人物であるが、名宛人と共に当該客室を利用する人物であっても良い。
【0014】
制御装置100は、運搬される物品が年齢制限付きの物品である場合に、配達先の部屋に居る受取人に対して年齢認証を行い、年齢認証の結果に応じて当該物品を受取人に引き渡すように無人移動機900を制御する。受取人は、物品の配達を求めた宿泊客と同一の人物であっても良いし、当該宿泊客と異なる人物であるが、当該宿泊客に代わって物品を受け取る人物であっても良い。
【0015】
制御装置100は、サーバ機であり、
図2に示すようなCPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102a、ROM(Read Only Memory)102b、ハードディスク102c、通信回路103、ビデオカード109a、表示装置109b、及び、入力装置109cを備える。
【0016】
制御装置100のCPU101は、プログラムを実行することで、制御装置100の全体制御を行う。RAM102aは、CPU101によるプログラムの実行時において、処理対象とするデータを一時的に記憶する。
【0017】
ROM102b及びハードディスク102cは、CPU101が実行するプログラムを記憶している。ハードディスク102cは、CPU101がプログラムの実行に用いるデータ及びテーブルを記憶している。尚、制御装置100は、ハードディスク102cに代えて半導体メモリであるフラッシュメモリを備えても良い。
【0018】
通信回路103は、NIC(Network Interface Card)であり、例えば、LTE(Long Term Evolution)及び3G(3rd Generation)といった通信規格に従って、インターネットINに接続された不図示の基地局と電波を用いたデータ通信を行う。これにより、通信回路103は、インターネットINを介して端末装置601から603及び無人移動機900とデータ通信する。
【0019】
ビデオカード109aは、CPU101から出力されたデジタル信号に基づいて画像をレンダリングすると共に、描画された画像を表す画像信号を出力する。表示装置109bは、LCD(Liquid Crystal Display)であり、ビデオカード109aから出力された画像信号に従って画像を表示する。制御装置100は、LCDの代わりに、PDP(Plasma Display Panel)又はEL(Electroluminescence)ディスプレイを備えても良い。入力装置109cは、キーボード、マウス、及び、タッチパッドのいずれか1つ以上であり、ユーザの操作に応じた信号を入力する。
【0020】
制御装置100は、宿泊施設のフロントに設置されており、フロントに居る従業員によって操作される。配達業者によってフロントに物品が配達されると、従業員は、配達された物品を梱包する資材に貼られた伝票を読み、伝票に記載された名宛人の氏名、物品を識別する物品ID(IDentification)、及び、物品の種別を確認する。次に、従業員は、名宛人の氏名に基づいて、名宛人が宿泊する客室の部屋番号を確認してから、物品を無人移動機900が有する収納庫に収納する。その後、従業員は、制御装置100の入力装置109cを操作することで、名宛人の客室の部屋番号、物品ID、物品の種別、及び、物品を収納した収納庫の収納庫IDを、配達に関する情報として入力させる。
【0021】
制御装置100のCPU101は、従業員に操作された入力装置109cから信号が入力されると、入力された配達に関する情報をハードディスク102cに保存する、不図示の保存処理を実行する。これにより、CPU101は、入力装置109cから配達に関する情報を取得する、
図3に示すような取得部110、取得部110で取得された情報をハードディスク102cに保存する保存部120として機能する。
【0022】
また、ハードディスク102cは、配達に関する情報が保存される、
図4に示すような配達テーブルを記憶する情報記憶部190として機能する。配達テーブルには、配達に関する情報として、物品を識別する物品ID、当該物品の名宛人が宿泊する客室の部屋番号、当該物品の種別、及び、当該物品が収納された無人移動機900の収納庫を識別する収納庫IDを対応付けた情報を含むレコードが、保存部120によって複数保存される。
【0023】
図1の端末装置601は、タブレット型のパーソナルコンピュータであり、部屋番号「601」が割り振られた客室に設置されている。端末装置601は、不図示のCPU、RAM、ROM、ハードディスク、通信回路、ビデオカード、表示装置、及び、入力装置を備える。端末装置601は、宿泊客によって不図示の入力装置が操作されると、端末装置601が設置された客室の部屋番号「601」を不図示のハードディスクから読み出し、読み出した部屋番号「601」を含み、当該客室まで物品を配達するように求める配達リクエストを制御装置100へ送信する。
【0024】
端末装置602及び603は、端末装置601と同様の構成及び機能を有する。端末装置602は、部屋番号「602」が割り振られた客室に設置されており、端末装置603は、部屋番号「602」が割り振られた客室に設置されている。
【0025】
図2に示した制御装置100の通信回路103が配達リクエストを受信すると、制御装置100のCPU101は、配達リクエストに応じて、物品を配達するように無人移動機900を制御する、
図5に示すような第1制御処理の実行を開始する。これにより、CPU101は、無人移動機900を配達先へ移動させる制御を行う、
図3に示すような移動機制御部130として機能する。
【0026】
図5に示す第1制御処理の実行が開始されると、取得部110は、通信回路103から配達リクエストを取得し、取得した配達リクエストから、配達が求められる物品の配達先に割り振られた部屋番号を取得する(ステップS01)。
【0027】
その後、移動機制御部130は、ステップS01で取得された部屋番号が割り振られた客室まで移動するように無人移動機900を制御するために、当該部屋番号を含む移動命令を、
図2の通信回路103へ出力する(ステップS02)。その後、通信回路103が移動命令を無人移動機900へ送信した後に、移動機制御部130は、第1制御処理の実行を終了する。
【0028】
無人移動機900は、無人で地上を走行する無人地上車両であり、
図6に示すような車輪901及び902を含む複数の車輪を備える車台910と、不図示のレンズの光軸を前方に向けた状態で車台910の前面に設置された撮像装置920と、を備える。また、無人移動機900は、撮像装置920が出力する撮像画像に基づいて、障害物を避けながら物品の配達経路を走行するように、複数の車輪にそれぞれ内蔵された不図示のモータを駆動させる制御装置990と、を備える。
【0029】
また、無人移動機900は、配達される物品を収納し、制御装置990によって施錠又は解錠される収納庫931から933を有する収納装置930を、車台910の上にさらに備える。
【0030】
撮像装置920は、デジタル式のステレオカメラであり、予め定められた周期で無人移動機900の前方を撮像し、互いに視差を有する2枚で1セットの撮像画像を制御装置990へ出力する。撮像装置920が2枚で1セットの撮像画像を出力するのは、制御装置990が1セットの撮像画像の視差に基づいて、配達経路や配達経路にある障害物の3次元空間における位置座標及びサイズ等を特定するからである。
【0031】
収納装置930が有する収納庫931は、扉931aと、扉931aを受止める扉枠931bと、扉931aの裏面に設置されたカンヌキであるデッドボルト931cと、デッドボルト931cの受座であり、扉枠931bに設置されたストライク931dと、を備える。
【0032】
また、収納庫931は、制御装置990から出力される信号に従って、デッドボルト931cをストライク931dへ挿入させることで扉931aを施錠し、デッドボルト931cをストライク931dから抜出させることで扉931aを解錠する、不図示のモータを備えている。収納庫932及び933は、収納庫931と同様の構成を有する。
【0033】
制御装置990は、
図7に示すようなCPU991、RAM992a、ROM992b、フラッシュメモリ992c、通信回路993、GPS(Global Positioning System)回路994、スピーカ995、撮像装置996、入出力ポート997、駆動回路998、及び、タッチパネル999を備える。
【0034】
制御装置990が備えるCPU991、RAM992a、ROM992b、及び、通信回路993の構成及び機能は、
図2に示した制御装置100が備えるCPU101、RAM102a、ROM102b、及び、通信回路103の構成及び機能と同様である。
【0035】
フラッシュメモリ992cは、CPU991が実行するプログラムを記憶している。フラッシュメモリ992cは、半導体メモリであり、物品の配達経路に関するデータが保存された不図示の配達経路テーブルを記憶している。配達経路テーブルには、複数のレコードが保存されており、各レコードには、部屋番号と、フロントから当該部屋番号が割り振られた部屋までの経路上にある複数のノードの緯度及び経度と、が対応付けられたデータが保存されている。
【0036】
GPS回路994は、GPS衛星から発せられたGPS信号を受信し、受信したGPS信号に基づいて無人移動機900の緯度及び経度を計測し、計測した緯度及び経度を表す信号を出力する。
【0037】
スピーカ995は、CPU991から出力される信号に従って、例えば、年齢認証を受けるように促す音声を出力する。
【0038】
撮像装置996は、デジタルカメラであり、収納庫931の扉931a並びに収納庫932及び933の扉の法線方向と略同一の方向に、予め設定された焦点距離を有する不図示のレンズの光軸が向けられている。撮像装置996は、収納庫931から933に収納された物品を受け取ろうとする受取人を、焦点距離で決まる撮像画角に含めて撮像できる位置に設置されている。撮像装置996は、CPU991によって撮像を命じる信号を入力されると、受取人を撮像した画像を生成し、生成された画像をフラッシュメモリ992cに保存する。撮像装置996がフラッシュメモリ992cに画像を保存するのは、CPU991がフラッシュメモリ992cに保存された画像を読み出し、読み出した画像を用いて受取人の年齢認証を行うからである。
【0039】
入出力ポート997は、不図示の通信ケーブルを介して、収納庫931の扉931a、並びに、収納庫932及び933の扉がそれぞれ備える不図示のモータに接続されており、CPU991が出力する信号をこれらのモータに出力する。
【0040】
また、入出力ポート997は、撮像装置920と接続された不図示の通信ケーブルにさらに接続されており、撮像装置920が出力する撮像画像をフラッシュメモリ992cに出力する。
【0041】
駆動回路998は、車輪901及び902を含む複数の車輪をそれぞれ回転させる、複数の不図示のモータにそれぞれ接続されたケーブルに接続されており、CPU991が出力する信号に従って当該複数のモータを駆動させる。
【0042】
タッチパネル999は、ビデオカード999a、表示装置999b、及び、入力装置999cを備えている。ビデオカード999a及び表示装置999bの構成及び機能は、
図2に示した制御装置100が備えるビデオカード109a及び表示装置109bの構成及び機能と同様である。入力装置999cは、タッチパッドであり、ユーザの操作に応じた信号を入力する。表示装置999bと入力装置999cとは、表示装置999bの表示方向から見て、表示面と入力面とが互いに重なり合うように配置されている。
【0043】
宿泊施設の従業員は、無人移動機900の収納庫931から933のいずれかに物品を収納し、収納庫931から933のいずれかを施錠させる操作をタッチパネル999に行う。その後、無人移動機900のCPU991は、タッチパネル999から入力される信号に応じて、施錠を命じる信号を入出力ポート997に出力することで、入出力ポート997に接続された不図示のモータに収納庫931から933のいずれかを施錠させる。
【0044】
その後、無人移動機900の通信回路993が、収納庫931から933のいずれかに収納された物品を配達するために、配達先へ移動するように命じる移動命令を受信すると、無人移動機900のCPU991は、通信回路993から移動命令を取得する。次に、CPU991は、移動命令に含まれる配達先の部屋番号を取得し、部屋番号と対応付けられた配達経路にある複数のノードの緯度及び経度をフラッシュメモリ992cから読み出す。
【0045】
その後、無人移動機900のCPU991は、読み出した複数のノードに含まれる未通過のノードの内で最も近いノードの緯度及び経度と、GPS回路994から出力される信号で表される緯度及び経度と、の相違が小さくなるように駆動信号を駆動回路998へ出力する。このようにして、無人移動機900の駆動回路998は、配達経路を通って配達先まで走行するように駆動信号に従って複数の車輪を回転させるモータを駆動させる。
【0046】
また、無人移動機900のCPU991は、配達経路の走行中に、無人移動機900の前方に設置された撮像装置920によって保存された2枚で1セットの撮像画像をフラッシュメモリ992cから読み出し、読み出した1セットの撮像画像の視差に基づいて前方の障害物を回避するように駆動信号を駆動回路998へ出力する。
【0047】
その後、CPU991は、GPS回路994から出力される信号で表される緯度及び経度が、配達経路の終点を表すノードの緯度及び経度と略一致していると判別し、かつ、撮像装置920によって保存された撮像画像から、配達先の部屋番号を検出すると、無人移動機900が配達先に到着したと判別する。その後、無人移動機900のCPU991は、配達先に割り振られた部屋番号を含み、当該配達先に到着したことを告げる到着報告を、制御装置100を宛先として、通信回路993へ出力する。
【0048】
図2に示した制御装置100の通信回路103が到着報告を受信すると、制御装置100のCPU101は、配達リクエストを送信した端末装置601へ到着報告を転送するように通信回路103を制御する。その後、端末装置601が、不図示の通信回路で到着報告を受信すると、配達を求めた物品を搭載した無人移動機900が、端末装置601の設置された客室の前へ到着したことを知らせる表示を、不図示の表示装置で行う。客室に居る受取人は、端末装置601の表示を確認すると、客室のドアを開けて、無人移動機900と対面する。
【0049】
制御装置100のCPU101は、受取人に物品を引き渡すように無人移動機900を制御する、
図8に示すような第2制御処理を実行する。これにより、制御装置100のCPU101は、配達先に配達された物品が年齢制限付きの物品であるか否かを判別する、
図3に示すような判別部140、及び、判別部140が年齢制限付きの物品であると判別した場合に、受取人に対して年齢認証を行う認証部150として機能する。
【0050】
また、
図3の情報記憶部190は、年齢制限付きの物品に付けられた年齢制限に関する情報が保存される、
図9に示すような年齢制限テーブルを記憶している。年齢制限テーブルには、物品の種別と、当該種別の物品に付けられた制限が解除される年齢である制限解除年齢と、が対応付けられたレコードが予め複数保存されている。物品の種別と制限解除年齢とが対応付けられて年齢制限テーブルに保存されているのは、物品に付される年齢制限が、通常、法律等によって物品の種別毎に定められているからである。
【0051】
第2制御処理の実行が開始されると、取得部110は、通信回路103から到着報告を取得し、取得した到着報告から、無人移動機900が到着した配達先の部屋番号を取得する(ステップS11)。
【0052】
次に、取得部110は、
図4に示した配達テーブルから、取得した配達先の部屋番号に対応付けられた物品IDと、当該物品IDで識別される物品の種別と、を取得する(ステップS12)。次に、取得部110は、取得された当該物品IDで識別される物品を、配達先で受取人に引き渡される物品と特定し、取得された当該物品の種別を、当該引き渡される物品の種別と特定する。尚、本実施例では、説明を簡単にするため、1度の配達で1つの物品を引き渡すとして説明を行う。このため、ステップS12において、物品IDと物品の種別とが1セットだけ取得されるとして説明を行う。
【0053】
ステップS12を実行した後に、取得部110は、
図9の年齢制限テーブルから、取得された物品の種別に対応付けられた制限解除年齢を取得する(ステップS13)。次に、判別部140は、ステップS13で、物品の種別に対応付けられた制限解除年齢が取得されたか否かを判別する(ステップS14)。このとき、判別部140は、制限解除年齢が取得されたと判別すると(ステップS14;Yes)、引き渡される物品に年齢制限が付されていると判別し(ステップS15)、受取人に対して年齢認証を行うと決定する(ステップS16)。
【0054】
その後、移動機制御部130は、受取人の年齢認証に用いられる認証情報として、当該受取人の顔を撮像した撮像画像を表す情報を取得するように無人移動機900を制御する(ステップS17)。
【0055】
ステップS17では、先ず、移動機制御部130は、年齢認証を受けることを促す通知を行うように、無人移動機900を制御する。このために、移動機制御部130は、無人移動機900を宛先として、当該通知を行うように命じる通知命令を、
図2に示した通信回路103へ出力する。
【0056】
図7に示した無人移動機900の通信回路993が通知命令を受信すると、無人移動機900のCPU991は、通知命令に従って、フラッシュメモリ992cに予め保存されたデータであって、年齢認証を受けることを促す音声を表すデータを読み出す。次に、CPU991は、読み出したデータに従って、当該音声を表す信号をスピーカ995に出力し、スピーカ995は当該信号に従って音声を出力する。
【0057】
次に、移動機制御部130は、撮像画像を表す情報を送信するように無人移動機900を制御するために、無人移動機900を宛先として、撮像画像を表す情報を送信するように命じる画像送信命令を通信回路103へ出力する。
【0058】
無人移動機900の通信回路993が画像送信命令を受信すると、無人移動機900のCPU991は、画像送信命令に従って、撮像を命じる信号を撮像装置996に出力する。その後、無人移動機900のCPU991は、撮像装置996が出力した撮像画像を表す情報を、制御装置100を宛先として通信回路993へ出力する。
【0059】
ステップ17が実行された後に、制御装置100の通信回路103が、撮像画像を表す情報を無人移動機900から受信すると、認証部150は、撮像画像を表す情報を認証情報として通信回路103から取得する。次に、認証部150は、取得された認証情報に基づいて受取人の年齢を推定する年齢推定処理を実行する(ステップ18)。
【0060】
年齢推定処理は、公知の処理であっても良く、例えば、認証情報で表される撮像画像から受取人の顔が描画された顔領域を検出し、検出された顔領域から皺や染みといった特徴を検出する処理を含んでいても良い。また、年齢推定処理は、年齢と、当該年齢の人の顔に平均して現れる皺や染みといった特徴と、を対応付けて予め記憶している情報記憶部190から、検出された受取人の特徴と略同一の特徴に対応付けられた年齢を取得する処理、及び、取得された年齢を受取人の推定年齢とする処理を含んでいても良い。
【0061】
認証部150は、ステップ18で年齢推定処理を実行した後に、受取人の推定年齢が、ステップS13で取得された制限解除年齢以上であるか否かを判別する(ステップS19)。このとき、認証部150は、受取人の推定年齢が制限解除年齢未満であると判別すると(ステップS19;No)、受取人が年齢制限を受けると判別する(ステップS20)。
【0062】
その後、移動機制御部130は、ステップS12で取得された物品IDで識別される物品を受取人に引き渡さないように無人移動機900を制御する(ステップS21)。このために、移動機制御部130は、
図4の配達テーブルから、ステップS12で取得された物品IDに対応付けられた収納庫IDを取得する。次に、移動機制御部130は、取得された当該収納庫IDで識別される収納庫を、受取人への引き渡しを禁止する物品が収納された収納庫と特定する。
【0063】
次に、移動機制御部130は、取得した収納庫IDを含み、当該収納庫IDで識別される収納庫に収納された物品の引き渡しを禁止し、かつ、当該収納庫の施錠を維持してフロントへ帰還するように命じる禁止命令を、無人移動機900を宛先として、
図2の通信回路103へ出力する。
【0064】
図7に示す無人移動機900の通信回路993が禁止命令を受信すると、無人移動機900のCPU991は、禁止命令に含まれる収納庫IDを取得する。次に、CPU991は、フラッシュメモリ992cに予め保存されたデータであって、受取人が年齢認証をクリアしなかったために、収納庫IDで識別される収納庫に収納された物品を受取人に引き渡すことができないことを告げる音声を表すデータを読み出す。その後、CPU991は、読み出したデータに従って、当該音声を表す信号をスピーカ995に出力し、スピーカ995は当該信号に従って音声を出力する。次に、無人移動機900は、収納庫IDで識別される収納庫の施錠を維持したまま、配達経路を逆に辿ってフロントまで帰還する。
【0065】
ステップS14において、判別部140は、制限解除年齢がステップS13で取得されなかったと判別すると(ステップS14;No)、引き渡される物品に年齢制限が付いていないと判別し(ステップS22)、受取人に対して年齢認証を行わないと決定する(ステップS23)。
【0066】
ステップS19において、認証部150は、受取人の推定年齢が制限解除年齢以上であると判別すると(ステップS19;Yes)、受取人が年齢制限を受けないと判別する(ステップS24)。
【0067】
ステップS23で年齢認証を行わないと決定された後、又は、ステップS24で受取人が年齢制限を受けないと判別された後に、移動機制御部130は、ステップS12で取得された物品IDで識別される物品を受取人に引き渡すように無人移動機900を制御する(ステップS25)。このために、移動機制御部130は、
図4の配達テーブルから当該物品IDに対応付けられた収納庫IDを取得する。次に、移動機制御部130は、取得した収納庫IDを含み、当該収納庫IDで識別される収納庫931から933のいずれかを解錠し、収納庫931から933のいずれかに収納されている物品を引き渡してからフロントへ帰還するように命じる引渡命令を、無人移動機900を宛先として、
図2の通信回路103へ出力する。
【0068】
図7に示す無人移動機900の通信回路993が引渡命令を受信すると、無人移動機900のCPU991は、引渡命令に含まれる収納庫IDを取得する。次に、CPU991は、収納庫IDで識別される収納庫931から933のいずれかの解錠を命じる信号を、入出力ポート997を介して、当該収納庫の扉が備える不図示のモータに出力する。
【0069】
受取人は、不図示のモータの駆動により解錠された収納庫931から933のいずれかの扉を開けて物品を受け取ると、
図6に示した無人移動機900のタッチパネル999を操作する。タッチパネル999が当該操作に応じた信号を入力すると、無人移動機900のCPU991は、物品を引き渡したことを告げる引渡報告を、制御装置100を宛先として、通信回路993へ出力する。その後、無人移動機900は、引渡報告を送信してから、フロントまで帰還する。
【0070】
制御装置100の通信回路103が引渡報告を受信すると、移動機制御部130は、
図4の配達テーブルから、ステップS12で取得された物品IDが保存されたレコードを削除する(ステップS26)。当該物品IDが保存されたレコードを削除するのは、当該物品IDで識別される物品を無人移動機900が受取人に引き渡したため、当該物品の配達に関する情報を配達テーブルに保存しておく必要性が無くなった又は低くなったからである。その後、移動機制御部130は、第2制御処理の実行を終了する。
【0071】
これらの構成によれば、制御装置100の判別部140が、
図8のステップS15で、無人移動機900が配達する物品に年齢制限が付けられていると判別すると、
図8のステップS19で、認証部150が当該物品の受取人に対して年齢認証を行う。また、移動機制御部130は、
図8のステップS21及びS25において、認証部150による年齢認証の結果に応じて、当該物品を受取人に引き渡すように、又は、引き渡さないように無人移動機900を制御する。これらのため、制御装置100は、物品の受取人に対する年齢認証の結果に応じて当該物品を受取人に引き渡すように、当該物品を配達する無人移動機900を制御できるので、年齢制限が付された物品であっても無人移動機900に配達させることができる。
【0072】
(実施例1の変形例1)
実施例1では、
図1の配達システム1は、制御装置100、端末装置601から603、及び、無人移動機900を備えると説明したが、これに限定される訳では無い。
【0073】
配達システム1は、制御装置100を備えず、
図6に示した無人移動機900が備える制御装置990が、実施例1に係る制御装置100の機能を発揮しても良い。つまり、
図7に示した無人移動機900の制御装置990が備えるCPU991が、
図5に示した第1制御処理、及び、
図8に示した第2制御処理を実行しても良い。これにより、無人移動機900のCPU991が、
図3に示した制御装置100の取得部110、保存部120、移動機制御部130、判別部140、及び、認証部150とそれぞれ同様の機能を有する不図示の取得部、保存部、移動機制御部、判別部、及び、認証部として機能しても良い。また、無人移動機900の制御装置990が備えるフラッシュメモリ992cが、
図3に示した制御装置100の情報記憶部190と同様の機能を有する不図示の情報記憶部として機能しても良い。
【0074】
(実施例1の変形例2)
実施例1では、配達システム1は、宿泊施設に設置され、配達業者によって宿泊施設のフロントまで配達された物品を、宿泊客が利用する客室までフロントから配達すると説明したが、これに限定される訳では無い。
【0075】
本変形例では、配達システム1の制御装置100は、予め定められた地域内で物品の配達を行う配達業者の営業所に設置されており、端末装置601から603は、物品の名宛人が居住する当該地域内の集合住宅の一室に設置されており、無人移動機900は、営業所まで配達された物品を名宛人の住所まで配達する。
【0076】
名宛人の住所には、名宛人が居住する集合住宅の住所と、名宛人が居住する部屋の部屋番号と、を含む。名宛人が居住する集合住宅の入り口には、配達業者、及び、名宛人を含む集合住宅の住人が利用する宅配ボックスが設置されている。
【0077】
制御装置100、端末装置601から603、及び、無人移動機900は、実施例1で用いた部屋番号に代えて名宛人の住所を用いる。
【0078】
無人移動機900は、収納庫931から933のいずれかから物品を取り出し、取り出した物品を、名宛人の住所にある宅配ボックスへ収納する、
図10に示すようなロボットアーム940をさらに備える。
【0079】
ロボットアーム940は、垂直多関節ロボットであり、制御装置990から出力される信号に従って不図示のモータを駆動させる不図示の駆動回路と、モータによって平行に開閉させられる二爪式のグリッパー941と、を備える。また、ロボットアーム940は、グリッパー941に搭載され、光軸をグリッパーの爪先に向けられた撮像装置950と、不図示のモータによって可動させられる複数の関節構造及び関節構造を中心として可動する複数のアーム942と、を備える。グリッパー941は、二爪式に限定される訳で無く、三本以上の爪を有しても良いし、二本の爪の代わりに複数本の指を有しても良い。
【0080】
ロボットアーム940が備える撮像装置950は、デジタル式のステレオカメラであり、制御装置990から出力される信号に応じて撮像を行い、互いに視差を有する2枚で1セットの撮像画像を制御装置990へ出力する。撮像装置950が、2枚で1セットの撮像画像を制御装置990へ出力するのは、制御装置990が、視差に基づいて、グリッパー941が摘持する物品の3次元空間における位置座標及びサイズ等を特定するからである。
【0081】
無人移動機900の制御装置990が備える入出力ポート997は、不図示の通信ケーブルを介して、ロボットアーム940が備える不図示の駆動回路及び撮像装置950に接続されている。入出力ポート997は、CPU991から出力された制御信号をロボットアーム940の駆動回路又は撮像装置950へ出力し、撮像装置950から出力された撮像画像をフラッシュメモリ992cへ出力する。
【0082】
無人移動機900は、物品を配達するために名宛人が居住する集合住宅の前に到着すると、名宛人の住所を含み、集合住宅の前に到着したことを告げる到着報告を制御装置100へ送信する。
図2に示した制御装置100の通信回路103が到着報告を受信すると、制御装置100のCPU101は、
図11に示すような第2制御処理を実行する。
【0083】
第2制御処理の実行が開始されると、取得部110は、通信回路103から到着報告を取得し、取得した到着報告から配達先の住所を取得する(ステップS31)。
【0084】
次に、制御装置100のCPU101が、
図8のステップS12からS16と同様の処理を実行すると(ステップS32からS36)、配達される物品に年齢制限が付けられているので年齢認証を行うと決定される。次に、取得部110は、ステップS31で取得した住所から名宛人の部屋に割り振られた部屋番号を取得する。その後、移動機制御部130は、名宛人の部屋へ移動するように無人移動機900を制御するため、取得部110が取得した部屋番号を含む移動命令を、
図2の通信回路103へ出力する(ステップS37)。
【0085】
無人移動機900が移動命令を受信すると、移動命令に従って名宛人の部屋の前まで移動する。無人移動機900は、名宛人の部屋の前に到着すると、名宛人の部屋の前に到着したことを告げる到着報告を制御装置100へ送信する。
図2に示した制御装置100の通信回路103が、到着報告を受信すると、制御装置100のCPU101は、配達リクエストを送信した端末装置601へ到着報告を転送するように通信回路103を制御する。その後、端末装置601が到着報告を受信し、無人移動機900の到着を知らせる表示を行い、例えば、名宛人自身又は名宛人の家族であって、名宛人の部屋に居る受取人が当該表示を確認すると、受取人は、部屋のドアを開けて無人移動機900と対面する。
【0086】
その後、制御装置100のCPU101は、
図8のステップS17からS21及びS24からS26と同様の処理を実行した後に(ステップS38からS42及びS47からS49)、第2制御処理の実行を終了する。これにより、無人移動機900は、受取人に対する年齢認証の結果に応じて、物品を受け渡してから又は受け渡さないで営業所へ帰還する。
【0087】
これに対して、制御装置100のCPU101が、
図8のステップS12からS14、S22、及び、S23と同様の処理を実行すると(ステップS32からS34、S43、及び、S44)、配達される物品に年齢制限が付けられていないため、年齢認証を行わないと決定される。次に、移動機制御部130は、集合住宅のエントランスに設置された宅配ボックスへ移動するように無人移動機900を制御するため、宅配ボックスへの移動を命じる移動命令を出力する(ステップS45)。
【0088】
無人移動機900は、移動命令を受信すると、移動命令に従って宅配ボックスまで移動する。無人移動機900は、宅配ボックスの前に到着すると、宅配ボックスに到着したことを告げる到着報告を制御装置100へ送信する。
【0089】
図2に示した制御装置100の通信回路103が、当該到着報告を受信すると、制御装置100のCPU101は、宅配ボックスへ物品を収納するように無人移動機900を制御する(ステップS46)。このために、無人移動機900は、宅配ボックスへ収納させる物品を収納した収納庫931から933のいずれかを識別する収納庫IDを含み、当該収納庫931から933のいずれかを解錠し、収納されている物品を宅配ボックスへ収納してから営業所へ帰還するように命じる収納命令を、無人移動機900を宛先として、
図2の通信回路103へ出力する。
【0090】
無人移動機900の通信回路993が収納命令を受信すると、無人移動機900のCPU991は、収納命令に含まれる収納庫IDを取得する。次に、CPU991は、収納庫IDで識別される収納庫931から933のいずれかの解錠を命じる信号を入出力ポート997に出力する。その後、CPU991は、ロボットアーム940が備える撮像装置950から出力される2枚で1セットの画像の視差に基づいて物品の位置座標及びサイズ等を特定し、特定した位置座標及びサイズ等に基づいてロボットアーム940の動作を制御する制御信号を入出力ポート997に出力する。ロボットアーム940は、入出力ポート997から入力された制御信号に従って、解錠された収納庫931から933のいずれかに収納された物品を取り出し、取り出した物品を宅配ボックスに収納する。
【0091】
その後、無人移動機900は、物品の宅配ボックスへの収納が完了したことを告げる収納報告を制御装置100へ送信する。制御装置100は、収納報告を受信すると、配達リクエストを送信した端末装置601へ収納報告を転送する。端末装置601は、収納報告を受信すると、物品の宅配ボックスへの収納が完了したことを知らせる表示を行う。その後、受取人が当該表示を確認すると、受取人は、受取人にとって都合の良い時間に宅配ボックスから物品を受け取る。
【0092】
その後、
図8のステップSS26と同様の処理が実行されてから(ステップS49)、第2制御処理の実行が終了される。
【0093】
これらの構成によれば、無人移動機900が物品を配達する配達先は、名宛人が居住する集合住宅の宅配ボックスと、名宛人が居住する集合住宅の一室と、を含む。また、制御装置100の判別部140が、
図11のステップS43で、配達される物品に年齢制限が付けられていないと判別すると、移動機制御部130は、ステップS45及びS46で、宅配ボックスへ移動し、宅配ボックスに物品を収納してから帰還するように無人移動機900を制御する。このため、無人移動機900が名宛人の住所に到着したときに、当該住所に受取人が居なくとも、年齢制限が付けられていない物品を配達できるので、配達効率と利便性とを向上できる。
【0094】
本変形例では、無人移動機900が物品を配達する配達先は、名宛人が居住する集合住宅の宅配ボックスと、名宛人が居住する集合住宅の一室と、を含むと説明したが、これに限定される訳では無い。配達先は、例えば、名宛人が居住する戸建て住宅の玄関アプローチにある宅配ボックスといった第1の配達先と、例えば、名宛人が居住する戸建て住宅といった受取人が居る確率が第1の配達先よりも高い第2の配達先と、を含んでも良い。また、第1の配達先は、名宛人が居住する戸建て住宅又は集合住宅の軒下、庭、ベランダ、又は、駐車場であっても良く、無人移動機900は、配達する物品を第1の配達先に置き去っても良い。
【0095】
また、第1の配達先は、宅配ボックスに限定される訳では無く、例えば、鉄道駅、空港、デパート、又は、コンビニエンスストアに設置されているコインロッカーであっても良い。さらに、第1の配達先は、例えば、コンビニエンスストアといった物品の保管サービスを提供する店舗であっても良い。
【0096】
また、第2の配達先は、名宛人が居住する住宅に限定される訳では無く、例えば、名宛人が勤務する会社、名宛人が通学する学校、名宛人が入院している又は通院している病院、若しくは、名宛人が通勤又は通学に利用する駅であっても良い。
【0097】
(実施例1の変形例3)
実施例1では、1度に配達される物品は1つだけであり、
図8のステップS12では、配達される物品の物品IDと物品の種別とが1セットだけ取得されると説明したが、これに限定される訳ではない。
【0098】
本変形例では、複数の物品が1度に配達されるため、
図8のステップS12では、制御装置100の取得部110は、
図4の配達テーブルから、配達先の部屋番号と対応付けられた物品IDと物品の種別とを複数セット取得する(ステップS12)。次に、取得部110は、取得された複数の物品の種別のそれぞれについて対応付けられた制限解除年齢を、
図9の年齢制限テーブルから取得する(ステップS13)。
【0099】
その後、本変形例では、制御装置100の判別部140は、
図8のステップS14からS16、S22、及び、S23に代えて、以下の3つの処理を実行する。
【0100】
第1の処理は、制限解除年齢が取得された1又は複数の物品に年齢制限が付けられていると判別し、制限解除年齢が取得されなかった1又は複数の物品に年齢制限が付けられていないと判別する処理である。第2の処理は、配達される複数の物品に年齢制限付きの物品が含まれるか否かを判別する処理である。第3の処理は、配達される複数の物品に年齢制限付きの物品が含まれると判別した場合に、年齢認証を行うと決定し、年齢制限付きの物品が含まれないと判別した場合に、年齢認証を行わないと決定する処理である。
【0101】
本変形例では、判別部140が年齢認証を行わないと決定すると、
図8のステップS25及びS26と同様の処理を、移動機制御部130が実行する。これにより、移動機制御部130は、配達される複数の物品の全てを受取人に引き渡すように無人移動機900を制御し、当該複数の物品それぞれを識別する物品IDが保存された複数のレコードを、
図4の配達テーブルから削除する。その後、移動機制御部130は、第2制御処理の実行を終了する。
【0102】
また、本変形例では、判別部140が年齢認証を行うと決定すると、移動機制御部130は、ステップS19からS21及びS26の処理に代えて、以下の3つの処理を実行した後に、第2制御処理の実行を終了する。
【0103】
第1の処理は、年齢制限が付けられていると判別された1又は複数の物品のそれぞれについて、受取人の推定年齢が制限解除年齢以上であるか否かを判別する処理である。
【0104】
第2の処理は、推定年齢が制限解除年齢以上であると判別された1又は複数の物品と、年齢制限が付けられていないと判別された1又は複数の物品と、を受取人に引き渡すように無人移動機900を制御し、これらの物品それぞれを識別する物品IDが保存された複数のレコードを、
図4の配達テーブルから削除する処理である。
【0105】
第3の処理は、推定年齢が制限解除年齢未満であると判別された1又は複数の物品を受取人に引き渡さずに帰還するように無人移動機900を制御する処理である。
【0106】
これらの構成によれば、配達される複数の物品に、年齢制限が付けられた物品と、年齢制限が付けられていない物品と、が含まれる場合であっても、制御装置100は、年齢認証の結果に応じてこれら複数の物品を引き渡す、又は、引き渡さないように無人移動機900を制御できるため、物品の配達効率を向上させることができる。
【0107】
(実施例1の変形例4)
実施例1では、従業員が、配達業者によってフロントまで配達された物品に貼られた伝票を読み、フロントに設置された制御装置100の入力装置109cに対して、伝票に記載された物品ID及び物品種別を入力させる操作を行うと説明した。
【0108】
しかし、これに限定される訳では無く、物品ID及び物品の種別は、当該物品の名宛人の氏名と共に、制御装置100の通信回路103が、配達業者又は当該物品を販売した販売業者によって管理される不図示のサーバから受信しても良い。また、制御装置100のCPU101は、受信された名宛人の氏名を表示装置109bに表示させても良い。その後、表示された名宛人の氏名を確認した従業員が入力装置109cを操作すると、制御装置100の取得部110は、当該操作に従って入力装置109cが入力する名宛人の部屋番号を取得し、保存部120は、取得部110が取得した部屋番号と、通信回路103で受信された物品ID及び物品の種別と、を、配達テーブルに保存しても良い。
【0109】
また、実施例1では、制御装置100の情報記憶部190は、
図9に示した年齢制限テーブルを予め記憶していると説明したが、これに限定される訳では無い。例えば、制御装置100の通信回路103が、配達業者又は販売業者によって管理される不図示のサーバから年齢制限テーブルを受信し、取得部110が通信回路103から年齢制限テーブルを取得し、取得された年齢制限テーブルを保存部120が情報記憶部190に保存しても良い。また、保存部120が、取得された年齢制限テーブルに保存されている情報で、情報記憶部190が予め記憶している年齢制限テーブルに保存されている情報を更新しても良い。
【0110】
(実施例1の変形例5)
実施例1では、制御装置100の判別部140は、
図8のステップS13からS16で、
図9の年齢制限テーブルにおいて、無人移動機900が配達する物品の種別と対応付けられた制限解除年齢が取得されたと判別すると、当該物品に年齢制限が付されていると判別し、年齢認証を行うと決定すると説明した。また、判別部140は、ステップS13、S14、S22、及び、S23で、配達される物品の種別と対応付けられた制限解除年齢が取得されなかったと判別すると、当該物品に年齢制限が付されていないと判別し、年齢認証を行わないと決定すると説明した。
【0111】
しかし、これに限定される訳で無く、例えば、従業員が、伝票に記載された物品種別に基づいて、物品に年齢制限が付されているか否か、又は、年齢認証を行う必要があるか否かを判別し、判別結果を入力させる操作を、入力装置109cに行っても良い。また、
図4の配達テーブルには、物品を識別する物品IDと、年齢制限が付けられているか否かを表す年齢制限フラグ、又は、年齢認証を行う必要があるか否かを表す認証要否フラグと、を対応付けた情報が保存されても良い。さらに、制御装置100の取得部110が、入力装置109cによって入力された信号に基づいて、物品IDと、年齢制限フラグ又は認証要否フラグと、を取得し、保存部120が物品IDと、年齢制限フラグ又は認証要否フラグと、を、
図4の配達テーブルに保存しても良い。またさらに、制御装置100の判別部140は、
図8のステップS14からS16、S22、及び、S23に代えて、配達される物品の物品IDに対応付けられた年齢制限フラグ又は認証要否フラグに基づいて、物品に年齢制限が付されているか否か、及び、年齢認証を行うか否かを決定するステップを実行しても良い。
【0112】
(実施例1の変形例6)
実施例1では、制御装置100の情報記憶部190は、物品の種別と、当該物品に付けられた年齢制限が解除される年齢である制限解除年齢と、が対応付けられた、
図9の年齢制限テーブルを記憶していると説明した。また、制御装置100の取得部110は、
図8のステップS13で、
図9の年齢制限テーブルにおいて、無人移動機900が配達する物品の種別に対応付けられた制限解除年齢を取得すると説明した。また、制御装置100の判別部140は、
図8のステップS14、S15、及び、S22で、制限解除年齢が取得されたか否かに基づいて、当該物品に年齢制限が付けられているか否かを判別すると説明した。つまり、判別部140は、物品の種別に応じて、当該物品に年齢制限が付けられているか否かを判別すると説明した。
【0113】
しかし、これらに限定される訳では無く、情報記憶部190は、物品の物品IDと、当該物品の制限解除年齢と、が対応付けられた、不図示の年齢制限テーブルを予め記憶していても良い。また、制御装置100の取得部110は、
図8のステップS13に代えて、無人移動機900が配達する物品の物品IDに対応付けられた制限解除年齢を、不図示の年齢制限テーブルから取得しても良い。つまり、判別部140は、物品に応じて、当該物品に年齢制限が付けられているか否かを判別しても良い。
【0114】
(実施例1の変形例7)
実施例1では、無人移動機900は、無人地上車両であると説明したが、これに限定される訳では無く、無人地上移動機、又は、無人航空機であっても良い。無人地上移動機は、例えば、無人で地上を歩行するロボットのように、無人で地上を移動する機械又は装置であれば、どのようなものでもよい。同様に、無人航空機は、例えば、ドローンのように、無人で空中を飛行する機械又は装置であれば、どのようなものでも良い。
【0115】
(実施例1の変形例8)
実施例1では、制御装置100の移動機制御部130は、
図8のステップS17で、画像送信命令を出力することで、受取人を撮像した撮像画像を表す情報を、受取人の認証情報として送信するように無人移動機900を制御すると説明した。また、無人移動機900は、画像送信命令を受信すると、予め設定された焦点距離を有する不図示のレンズを備える撮像装置996で受取人を撮像してから、撮像画像を表す情報を制御装置100に返信すると説明した。
【0116】
しかし、これに限定される訳では無く、本変形例では、無人移動機900の撮像装置996は、焦点距離を変更させる不図示のズームリングを備える不図示のズームレンズと、ズームリングを回転させる不図示のモータと、をさらに備える。
【0117】
また、本変形例では、制御装置100の通信回路103が、
図8のステップS17で、画像送信命令を無人移動機900に送信した後に、無人移動機900から撮像画像を表す情報を受信すると、制御装置100の認証部150は、受信された情報で表される撮像画像に顔認識処理を行うことで、受取人の顔が描画された顔領域を検出する。次に、認証部150は、検出された顔領域の画素面積を算出し、算出された面積が情報記憶部190に予め保存された基準の面積よりも所定値以上小さいかを判別する。認証部150は、顔領域の面積が基準の面積よりも所定値以上小さいと判別すると、移動機制御部130は、無人移動機900の撮像装置996が備えるズームレンズの焦点距離をより長く変更させることで、画角をより狭くさせると決定する。その後、移動機制御部130は、ズームレンズの焦点距離をより長く変更するように命じる焦点距離延長命令を、無人移動機900を宛先として通信回路103へ出力する。焦点距離が長くなり、画角がより狭くなると、撮像範囲が狭くなるが、撮像画像において受取人の顔がより大きく描画されるためである。
【0118】
これに対して、認証部150は、顔領域の面積が基準の面積よりも所定値以上小さい訳では無いと判別すると、顔領域の面積が基準の面積よりも所定値以上大きいか否かを判別する。顔領域の面積が基準の面積よりも所定値以上大きいと判別されると、移動機制御部130は、ズームレンズの焦点距離をより短く変更するように命じる焦点距離短縮命令を出力する。
【0119】
その後、移動機制御部130は、画像送信命令を再度出力することで、受取人を撮像した撮像画像を表す情報を再度送信するように無人移動機900を制御する。
【0120】
無人移動機900の通信回路993が焦点距離延長命令又は焦点距短縮命令を受信すると、無人移動機900のCPU991は、受信された命令に従って、撮像装置996が備える不図示のモータに信号を出力する。これにより、当該モータが不図示のズームリングを回転させることで、ズームレンズの焦点距離がより長く又は短く変更される。
【0121】
その後、無人移動機900の通信回路993が画像送信命令を再度受信すると、無人移動機900の撮像装置996が、より狭い又はより広く変更された撮像範囲で受取人を撮像する。その後、無人移動機900の通信回路993は、撮像装置996から出力された撮像画像を表す情報を制御装置100へ返送する。
【0122】
制御装置100の通信回路103が撮像画像を表す情報を再度受信すると、制御装置100の認証部150は、再度受信された情報で表される撮像画像から顔領域を再度検出する。次に、制御装置100の認証部150が、検出された顔領域の面積が基準の面積よりも所定値以上小さい、又は、基準の面積よりも所定値以上大きい、と判別すると、焦点距離延長命令又は焦点距離短縮命令を出力する処理から上記処理が繰り返される。
【0123】
これに対して、制御装置100の認証部150は、検出された顔領域の面積が基準の面積よりも所定値以上小さい訳では無く、かつ、基準の面積よりも所定値以上大きい訳では無い、と判別すると、再度受信された撮像画像を表す情報を、受取人の認証情報としてステップ18以降の処理を実行する。
【0124】
これらの構成によれば、制御装置100は、撮像画像に描画された受取人の顔の画素面積が基準の面積により近くなるように無人移動機900を制御できるため、撮像画像に基づいて行われる年齢認証の認証精度を向上できる。
【0125】
(実施例1の変形例9)
実施例1では、無人移動機900は、
図8のステップS17で、制御装置100から送信された画像送信命令を受信すると、予め設定された方向に光軸を向けられた不図示のレンズを備える撮像装置996で受取人を撮像してから、撮像画像を表す情報を制御装置100に返信すると説明した。
【0126】
しかし、これに限定される訳では無く、本変形例では、無人移動機900の撮像装置996は、不図示のレンズの光軸の方向を変更させる不図示のチルト機構をさらに備える。
【0127】
また、本変形例では、制御装置100の通信回路103が、
図8のステップS17で、画像送信命令を無人移動機900に送信した後に、無人移動機900から撮像画像を表す情報を受信すると、制御装置100の認証部150は、受信された情報で表される撮像画像から、受取人の顔が描画された顔領域を検出する。
【0128】
次に、認証部150は、顔領域が撮像画像に向かって、上側、下側、左側、及び、右側にそれぞれ位置する撮像画像の上端、下端、左端、及び、右端に重なっているか否かをそれぞれ判別する。認証部150は、顔領域が撮像画像の上側、下側、左側、及び、右側のいずれかに重なっていると判別すると、無人移動機900の撮像装置996が備える不図示のレンズの光軸の方向を、光軸に向かって、変更前より上側、下側、左側、及び、右側のいずれかに向けさせると決定する。受取人の顔の描画位置を、撮像画像において、変更前より上側、下側、左側、及び、右側のいずれかに変更させるためである。その後、移動機制御部130は、レンズの光軸の方向を、光軸に向かって変更前より上側、下側、左側、及び、右側のいずれかに変更することを命じる光軸変更命令を、無人移動機900を宛先として通信回路103へ出力する。
【0129】
その後、移動機制御部130は、画像送信命令を再度出力することで、受取人を撮像した撮像画像を表す情報を再度送信するように無人移動機900を制御する。
【0130】
無人移動機900の通信回路993が、光軸変更命令を受信すると、無人移動機900のCPU991は、受信された命令に従って、撮像装置996が備える不図示のチルト機構に制御信号を出力する。これにより、当該チルト機構は、レンズの光軸の方向を、光軸に向かって変更前より上側、下側、左側、及び、右側のいずれかに変更する。
【0131】
その後、無人移動機900の通信回路993が画像送信命令を再度受信すると、撮像方向を変更された撮像装置996が受取人を再度撮像する。その後、無人移動機900の通信回路993は、撮像装置996から出力された撮像画像を表す情報を制御装置100へ返送する。
【0132】
制御装置100の通信回路103が撮像画像を表す情報を再度受信すると、制御装置100の移動機制御部130は、再度受信された情報で表される撮像画像から顔領域を再度検出する。次に、制御装置100の移動機制御部130は、再度検出された顔領域が、撮像画像の上端、下端、左端、及び、右端のいずれかと重なっていると判別すると、光軸変更命令を出力する処理から上記処理が繰り返される。
【0133】
これに対して、制御装置100の移動機制御部130は、再度検出された顔領域が、撮像画像の上端、下端、左端、及び、右端のいずれとも重なっていないと判別すると、再度受信された撮像画像を表す情報を、受取人の認証情報としてステップ18以降の処理を実行する。
【0134】
これらの構成によれば、制御装置100は、撮像画像に受取人の顔の全体が描画されるように、かつ、撮像画像における受取人の顔の描画位置が中心により近くなるように無人移動機900を制御できるため、撮像画像に基づいて行われる年齢認証の認証精度を向上できる。
【0135】
(実施例1の変形例10)
実施例1では、
図8のステップS18で、制御装置100の認証部150が受取人の年齢を推定する年齢推定処理を実行すると説明したが、これに限定される訳では無い。
【0136】
本変形例では、
図8のステップS18において、制御装置100の通信回路103が無人移動機900から認証情報を受信すると、制御装置100の認証部150は、認証情報に基づいて受取人の年齢を推定するように求める推定リクエストを生成し、生成した推定リクエストを通信回路103へ出力する。次に、制御装置100の認証部150は、オペレータが使用する不図示の端末装置へ、認証情報と推定リクエストとを送信するように通信回路103を制御する。
【0137】
不図示の端末装置は、端末装置601から603と同様の構成及び機能を有している。不図示の端末装置は、認証情報と推定リクエストとを受信すると、推定リクエストに応じて、認証情報で表される撮像画像を表示する。次に、オペレータは、表示された撮像画像を確認し、受取人の年齢を推測する。その後、オペレータの操作に従って、不図示の端末装置は、受取人の推測年齢を入力し、入力した推測年齢を表す情報を制御装置100へ返信する。
【0138】
制御装置100の通信回路103が不図示の端末から推定年齢を表す情報を受信すると、制御装置100の取得部110は、通信回路103から推定年齢を表す情報を取得する。
【0139】
その後、認証部150は、ステップS19で、取得部110が取得した情報で表される推定年齢が制限解除年齢以上であるか否かを判別し、判別結果に応じて、ステップS20及びS21、又は、ステップS24からS26の処理を実行した後に、第2制御処理の実行を終了する。
【0140】
(実施例1の変形例11)
実施例1では、無人移動機900は、
図7に示す撮像装置996で受取人の顔を撮像し、撮像画像を表す情報を認証情報として制御装置100へ送信すると説明した。また、制御装置100は、無人移動機900から認証情報を受信し、受信した認証情報で表される撮像画像から受取人の顔の特徴を検出し、検出された顔の特徴に基づいて受取人の年齢を推定すると説明した。
【0141】
しかし、これらに限定される訳では無く、無人移動機900は、頭、手、又は、首といった、受取人の顔以外の体の部分を撮像装置996で撮像しても良い。また、制御装置100の認証部150は、撮像画像に描画された受取人の頭に現れる白髪、若しくは、手又は首に現れる染み又は皺といった、顔以外の体の部分の特徴に基づいて受取人の年齢を推定しても良い。
【0142】
また、これらに限定される訳では無く、無人移動機900は、不図示のマイクロフォンをさらに備え、マイクロフォンで収集された受取人の音声を表す情報を認証情報として制御装置100へ送信しても良い。また、制御装置100の認証部150は、無人移動機900から受信した認証情報で表される音声の特徴に基づいて受取人の年齢を推定しても良い。
【0143】
無人移動機900が送信する認証情報は、これらに限定される訳では無く、例えば、受取人の生体情報であれば、どのようなものであっても構わない。また、認証情報は、受取人の生体情報に限定される訳では無く、受取人の免許証、パスポート、保険証、学生証、又は、社員証、といった身分証明書が描画された撮像画像を表す情報であっても良い。この場合、制御装置100の認証部150は、当該撮像画像に描画された身分証明書に記載された受取人の年齢を検出し、検出された年齢を受取人の年齢と推定すれば良い。
【0144】
また、無人移動機900は、受取人が申告した年齢であり、受取人の操作により、
図7に示したタッチパネル999が入力した申告年齢を表す情報を認証情報として制御装置100へ送信しても良い。この場合、制御装置100の認証部150は、制御装置100の通信回路103で受信された情報で表される申告年齢を受取人の推定年齢とすれば良い。
【0145】
(実施例1の変形例12)
実施例1では、制御装置100の移動機制御部130が、
図5のステップS02で、物品を収納した無人移動機900を配達先へ移動させる制御を行った後に、制御装置100の判別部140が、
図8のステップS15及びS22で、当該物品に年齢制限が付けられているか否かを判別すると説明した。しかし、これに限定される訳では無く、移動機制御部130が無人移動機900を物品の配達先へ移動させる制御を行う前、又は、当該制御を行うのと同時に、判別部140が当該物品に年齢制限が付けられているか否かを判別しても良い。
【0146】
(実施例1の変形例13)
実施例1では、端末装置601から603は、タブレット型のパーソナルコンピュータであると説明したが、これに限定される訳では無く、デスクトップ型のパーソナルコンピュータ、スマートフォン、又は、フィーチャーフォンであっても良い。
【0147】
また、実施例1では、配達システム1は、1台の無人移動機900を備えると説明したが、これに限定される訳では無く、複数台の無人移動機を備えても良い。
【0148】
(実施例2)
実施例1では、制御装置100の認証部150は、
図8のステップS19において、受取人の推定年齢と、受取人が受け取ろうとする物品の年齢制限が解除される年齢である制限解除年齢と、を比較することで年齢認証を行うと説明した。
【0149】
本実施例では、制御装置100の認証部150は、名宛人が予め申請した年齢である申告年齢と、受取人の推定年齢と、の年齢差に基づいて受取人の推定年齢を補正し、補正された推定年齢である補正年齢と、制限解除年齢と、を比較することで年齢認証を行う。認証部150が、名宛人の申告年齢と、受取人の推定年齢と、の年齢差に基づいて推定年齢を補正するのは、認証部150が、年齢差に基づいて名宛人と受取人とが同一人物である可能性を判別し、判別した可能性に応じて年齢認証の精度を変更するからである。
【0150】
本実施例では、複数の被験者の認証情報を用いて、
図8のステップS18の年齢推定処理を実行することで当該複数の被験者の年齢を予め推定した場合に、当該複数の被験者の内で、a%の被験者の実年齢が、それぞれの推定年齢よりもE歳若い年齢以上となる場合の当該年齢Eを、a%の予想誤差というとして説明する。しかし、予想誤差は、これに限定される訳では無い。
【0151】
以下、実施例1と同様の構成については、実施例1で用いた符号と同一の符号を用いて説明するが、本実施例と実施例1との相違について主に説明する。
【0152】
本実施例では、制御装置100の情報記憶部190は、
図12に示すような配達テーブルを記憶している。
図12の配達テーブルには、配達される物品の物品ID、当該物品の配達先、当該物品の種別、及び、当該物品が収納された無人移動機900の収納庫931から933のいずれかを識別する収納庫IDと、当該物品の名宛人の申告年齢と、が対応付けられたレコードが複数保存される。
【0153】
制御装置100が設置されたフロントに居る従業員は、フロントに物品が配達されると、物品に貼られた伝票に記載された名宛人の氏名、物品ID、及び、物品の種別を確認する。次に、従業員は、名宛人の氏名に基づいて、名宛人の宿泊予約を受け付けたときに、名宛人によって申告された申告年齢と、名宛人が宿泊する客室の部屋番号と、を確認する。その後、従業員は、物品を無人移動機900が有する収納庫931から933のいずれかに収納する。
【0154】
次に、従業員は、制御装置100の入力装置109cを操作することで、物品ID、配達先の部屋番号、名宛人の申告年齢、物品の種別、及び、収納庫IDを、配達に関する情報として入力させる。その後、制御装置100の取得部110が、入力された情報を取得し、保存部120が、取得された情報を、
図12の配達テーブルに保存する。
【0155】
制御装置100のCPU101は、
図8に示した第2制御処理の実行を開始すると、
図8に示したステップS11からS18の処理を実行することで、受取人の認証情報に基づいて受取人の年齢を推定する。その後、制御装置100の取得部110は、
図8のステップS12で取得された物品IDに対応付けられた名宛人の申告年齢を、
図12の配達テーブルから取得する(
図13のステップS51)。
【0156】
次に、制御装置100の認証部150は、
図8のステップS18で推定された受取人の推定年齢と、ステップS51で取得された名宛人の申告年齢と、の年齢差を算出する(ステップS52)。
【0157】
その後、認証部150は、年齢差に基づいて、名宛人と受取人とが同一人物である可能性を判別し、判別した可能性に応じて推定年齢の補正に用いられる補正値を設定する(ステップS53)。このとき、認証部150は、年齢差が小さい程、名宛人と受取人とが同一人物である可能性がより高いと判別し、より大きい値に補正値を設定する。これに対して、認証部150は、年齢差が大きい程、名宛人と受取人とが同一人物である可能性がより低いと判別し、より小さい値に補正値を設定する。
【0158】
本実施例では、一例として、認証部150は、申告年齢と推定年齢との年齢差が5歳未満であると判別すると、名宛人と受取人とが同一人物である可能性が高いと判別するとして説明する。また、一例として、90%の予想誤差が1歳であり、95%の予想誤差が2歳である場合に、認証部150は、名宛人と受取人とが同一人物である可能性が低いと判別すると、情報記憶部190が予め記憶している90%の予想誤差を表す情報を読み出し、補正値を90%の予想誤差と同じ1歳に設定するとして説明する。これに対して、認証部150は、年齢差が5歳以上であると判別すると、名宛人と受取人とが同一人物である可能性が低いと判別し、情報記憶部190が予め記憶している95%の予想誤差を表す情報を読み出し、補正値を95%の予想誤差と同じ2歳に設定する。
【0159】
その後、認証部150は、受取人の推定年齢から補正値を減算した補正年齢が、年齢制限が解除される制限解除年齢以上であるか否かを判別する(ステップS54)。このとき、認証部150が、補正年齢が制限解除年齢以上であると判別すると(ステップS54;Yes)、
図8のステップS24からS26の処理が実行された後に、第2制御処理の実行が終了される。これにより、受取人が年齢制限を受けないと判別され、物品を受取人に引き渡すように無人移動機900が制御される。
【0160】
これに対して、認証部150が、補正年齢が制限解除年齢未満であると判別すると(ステップS54;No)、
図8のステップS20及びS21の処理が実行された後に、第2制御処理の実行が終了される。これにより、受取人が年齢制限を受けると判別され、物品を受取人に引き渡さないで帰還するように無人移動機900が制御される。
【0161】
ここで、例えば、法律により未成年への販売が禁止される酒を、50代の人物を名宛人として無人移動機900が配達する場合であって、配達先に名宛人の他に、名宛人の家族とが宿泊して居る場合には、名宛人の家族が受取人となることがある。この場合、名宛人の家族の年齢が成人年齢に近く、認証部150が、受取人は年齢制限を受けると正しく又は誤って判別したとしても、酒を引き渡すことが困難となるおそれが少ない。酒の引き渡しが困難になるおそれが少ないのは、50代の名宛人が、再度、端末装置601から603のいずれかを操作することで、無人移動機900に酒を再配達させ、受取人となって年齢認証を受ければ、通常、無人移動機900は、受取人が年齢制限を受けないと判別し、酒を受取人に引き渡すことができるからである。
【0162】
本実施例では、制御装置100の認証部150は、
図13のステップS53で、名宛人の申告年齢と受取人の推定年齢との年齢差が5歳以上であると判別すると、名宛人と受取人とが別人である可能性が高いと判別し、90%の予想誤差よりも値が大きい95%の予想誤差に補正値を設定する。また、認証部150は、
図13のステップS54及び
図8のステップS20で、設定された補正値を受取人の推定年齢から減算した補正年齢が制限解除年齢未満であると判別すると、受取人が年齢制限を受けると判別する。このため、利便性や配達効率の低下を抑制しながら、受取人の実年齢が推定年齢よりも低い場合に受取人が年齢制限を受けないと誤判別してしまうことをより防止できる。
【0163】
また、例えば、成年になったばかりの人物を名宛人として無人移動機900が酒を配達する場合であって、配達先の客室に名宛人以外の人物が宿泊していない場合には、配達先に受取人となる人物が名宛人以外に居ないことが多い。このため、この場合に、認証部150が、受取人となった名宛人の年齢を実年齢よりも低く推定し、受取人が年齢制限を受けると誤判別してしまうと、無人移動機900が酒を引き渡すことが困難になることが多い。
【0164】
本実施例では、制御装置100の認証部150は、
図13のステップS53で、名宛人の申告年齢と受取人の推定年齢との年齢差が5歳未満であると判別すると、名宛人と受取人とが同一人物である可能性が高いと判別し、95%の予想誤差よりも値が小さい90%の予想誤差に補正値を設定する。また、認証部150は、
図13のステップS54及び
図8のステップS24で、設定された補正値を受取人の推定年齢から減算した補正年齢が制限解除年齢以上であると判別すると、受取人が年齢制限を受けないと判別する。このため、受取人の実年齢が推定年齢よりも高い場合に受取人が年齢制限を受けると誤判別してしまうことを抑制しながら、利便性や配達効率を向上できる。
【0165】
(実施例2の変形例1)
実施例2では、
図13のステップS53で、制御装置100の認証部150は、名宛人の申告年齢と受取人の推定年齢との年齢差が5歳以上であると判別すると、90%の予想誤差よりも値が大きい95%の予想誤差に補正値を設定すると説明した。また、認証部150は、年齢差が5歳未満であると判別すると、95%の予想誤差よりも値が小さい90%の予想誤差に補正値を設定すると説明した。
【0166】
しかし、年齢差と比較される閾値は、5歳に限定される訳では無く、どのような年齢であっても良い。また、補正値に設定される値は、90%の予想誤差及び95%の予想誤差に限定される訳では無く、認証部150は、a%(但し、0<a<100)の予想誤差を補正値に設定して良い。年齢差と比較される閾値、及び、補正値に設定される値は、当業者が実験により好適な値を決定できる。
【0167】
(実施例2の変形例2)
実施例2では、
図12に示した配達テーブルに保存される名宛人の申告年齢は、宿泊施設の予約の際に名宛人によって申告された申告年齢であると説明した。しかし、これに限定される訳では無く、例えば、制御装置100の通信回路103が、配達業者、又は、配達される物品を販売する販売業者によって管理される不図示のサーバから、物品IDと、当該物品IDで識別される物品の配達依頼を受け付けるときに配達業者又は販売業者に申告された名宛人の年齢を表す情報と、を受信しても良い。また、取得部110は、通信回路103から物品IDと申告年齢を表す情報とを取得し、保存部120は、物品IDと申告年齢を表す情報とを対応付けて配達テーブルに保存しても良い。
【0168】
(実施例3)
実施例1では、制御装置100の認証部150は、
図8のステップS18において、受取人の顔を撮像した撮像画像を表す生体情報を認証情報とし、当該認証情報に基づいて受取人の年齢を推定すると説明した。また、実施例1では、認証部150は、
図8のステップS19及びS20において、受取人の推定年齢が制限解除年齢未満であると判別すると、受取人が年齢制限を受けると判別すると説明した。
【0169】
本実施例では、制御装置100の認証部150は、生体情報に基づいて推定された受取人の推定年齢が制限解除年齢未満であると判別した場合であっても、受取人の推定年齢と名宛人の申告年齢との年齢差が予め定められた閾値未満であれば、受取人の身分証明書を撮像した撮像画像を表す情報に基づいて受取人の年齢認証をさらに行う。
【0170】
以下、実施例1と同様の構成については、実施例1で用いた符号と同一の符号を用いて説明するが、本実施例と実施例1との相違について主に説明する。
【0171】
本実施例に係る制御装置100の情報記憶部190は、実施例2に係る情報記憶部190と同様に、
図12に示した配達テーブルを記憶している。
【0172】
制御装置100のCPU101は、
図8に示した第2制御処理の実行を開始すると、
図8に示したステップS11からS18の処理を実行する。これにより、CPU101は、受取人の生体情報を認証情報として取得し、取得した認証情報に基づいて受取人の年齢を推定する。
【0173】
その後、制御装置100の認証部150は、受取人の推定年齢が制限解除年齢以上であるか否かを判別する(
図8のステップS19)。このとき、認証部150は、受取人の推定年齢が制限解除年齢未満であると判別すると(ステップS19:No)、
図13に示したステップS51及びS52と同様の処理を実行する(
図14のステップS61及びS62)。これにより、認証部150は、受取人の推定年齢と名宛人の申告年齢との年齢差を算出する。
【0174】
その後、認証部150は、算出した年齢差が予め定められた閾値以上であるか否かを判別する(ステップS63)。このとき、認証部150が、年齢差が閾値未満であると判別すると(ステップS63;No)、移動機制御部130は、受取人の身分証明書を撮像した撮像画像を表す情報を、認証情報として取得するように無人移動機900を制御する(ステップS64)。
【0175】
ステップS64では、移動機制御部130は、受取人の身分証明書を提示することを促す通知を行うように無人移動機900を制御し、無人移動機900は、身分証明書を提示することを促す音声を出力する。
【0176】
次に、移動機制御部130は、撮像画像を表す情報を送信するように無人移動機900を制御し、無人移動機900は、撮像装置996で受取人の身分証明書を撮像し、撮像により得られた撮像画像を表す情報を制御装置100に送信する。
【0177】
ステップS64が実行された後に、制御装置100が撮像画像を表す情報を受信すると、認証部150は、撮像画像を表す情報を認証情報とし、当該認証情報で表される撮像画像から受取人の年齢を推定する年齢推定処理を実行する(ステップ65)。
【0178】
ステップ65で実行される年齢推定処理は、認証情報で表される撮像画像から、身分証明書に記載された年齢を検出し、検出された年齢を推定年齢とする処理である。年齢を検出する処理は、公知の処理であっても良く、例えば、撮像画像に対して文字認識処理を実行し、文字認識処理により得られた文字列に対して形態素解析を行うことで、年齢を表す文字列を検出する処理であっても良い。
【0179】
その後、認証部150は、ステップS65で推定された受取人の推定年齢が制限解除年齢以上であるか否かを判別する(ステップS66)。このとき、認証部150は、推定年齢が制限解除年齢以上であると判別すると(ステップS66;Yes)、
図8のステップS24からS26の処理を実行した後に、第2制御処理の実行を終了する。これにより、受取人が年齢制限を受けないと判別され、物品が受取人に引き渡される。
【0180】
ステップS63において、認証部150は、名宛人の申告年齢と、受取人の推定年齢と、の年齢差が予め定められた閾値以上であると判別した場合(ステップS63;Yes)、又は、ステップS66において、受取人の推定年齢が制限解除年齢未満であると判別した場合(ステップS66;No)、
図8のステップS20及びS21の処理を実行した後に、第2制御処理の実行を終了する。これにより、受取人が年齢制限を受けると判別され、物品の引き渡しが禁止される。
【0181】
これらの構成によれば、利便性の低下を抑制しながら、年齢認証の精度を向上できる。
【0182】
本発明の実施例1から3、実施例1の変形例1から13、並びに、実施例2の変形例1及び2は、互いに組み合わせることができる。
【0183】
本発明の実施例1から3、実施例1の変形例2から13、並びに、実施例2の変形例1及び2のいずれかに係る機能を実現するための構成を予め備えた制御装置100として提供できる。また、プログラムの適用により、既存の制御装置100を実施例1から3、実施例1の変形例2から13、並びに、実施例2の変形例1及び2のいずれかに係る制御装置100として機能させることもできる。すなわち、上記実施例1から3、実施例1の変形例2から13、並びに、実施例2の変形例1及び2のいずれかで例示した制御装置100による各機能構成を実現させるためのプログラムを、既存の制御装置100を制御するコンピュータ(CPUなど)が実行することで、実施例1から3、実施例1の変形例2から13、並びに、実施例2の変形例1及び2のいずれかに係る制御装置100として機能させることができる。
【0184】
また、本発明の実施例1の変形例1に係る機能を実現するための構成を予め備えた制御装置990として提供できる。また、プログラムの適用により、既存の制御装置990を実施例1の変形例1に係る制御装置990として機能させることもできる。すなわち、上記実施例1の変形例1で例示した制御装置990による各機能構成を実現させるためのプログラムを、既存の制御装置990を制御するコンピュータ(CPUなど)が実行することで、実施例1の変形例1に係る制御装置990として機能させることができる。
【0185】
このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、メモリカード、CD(Compact Disc)−ROM、又は、DVD(Digital Versatile Disc)−ROMなどの記録媒体に収納して配布できる他、インターネットなどの通信媒体を介して配布することもできる。尚、本発明の制御方法は、制御装置100又は990を用いて実施できる。
【0186】
また、本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
【0187】
(付記)
(付記1)
物品を配達する無人移動機を、当該物品の配達先へ移動させる制御を行う移動機制御部と、
前記物品に年齢制限が付けられているか否かを判別する判別部と、を備え、
前記移動機制御部は、前記物品に年齢制限が付けられていると判別されると、前記配達先に居る受取人に対して行われた年齢認証の結果に応じて、前記物品を引き渡すように前記無人移動機を制御する、
ことを特徴とする制御装置。
【0188】
(付記2)
前記配達先は、第1配達先と、前記第1配達先よりも前記受取人が居る確率が高い第2配達先と、を含み、
前記移動機制御部は、
前記物品に年齢制限が付けられていないと判別されると、前記第1配達先へ移動するように前記無人移動機を制御し、
前記物品に年齢制限が付けられていると判別されると、前記第2配達先へ移動するように前記無人移動機を制御する、
ことを特徴とする付記1に記載の制御装置。
【0189】
(付記3)
前記物品は、第1物品と第2物品とを含み、
前記判別部は、前記第1物品及び前記第2物品に年齢制限が付けられているか否かをそれぞれ判別し、
前記移動機制御部は、前記第1物品に年齢制限が付けられていないが、前記第2物品に年齢制限が付けられていると判別される場合に、
前記受取人に対して行われた前記年齢認証の前記結果が、前記受取人が年齢制限を受けるという結果であると、前記第1物品を前記受取人に引き渡し、かつ、前記第2物品を前記受取人に引き渡さないように前記無人移動機を制御し、
前記受取人に対して行われた前記年齢認証の前記結果が、前記受取人が年齢制限を受けないという結果であると、前記第1物品及び前記第2物品を前記受取人に引き渡すように前記無人移動機を制御する、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の制御装置。
【0190】
(付記4)
前記判別部は、前記物品に応じて、又は、前記物品の種別に応じて、前記物品に年齢制限が付けられているか否かを判別する、
ことを特徴とする付記1から3のいずれか一つに記載の制御装置。
【0191】
(付記5)
前記移動機制御部は、前記年齢認証を受けることを促す通知を行うように、前記無人移動機を制御する、
ことを特徴とする付記1から4のいずれか一つに記載の制御装置。
【0192】
(付記6)
前記移動機制御部は、前記年齢認証の前記結果に応じて、前記無人移動機が備える収納庫であって、前記物品が収納される前記収納庫の解錠又は施錠の維持を行わせることで、前記物品を引き渡すように又は前記物品を引き渡さないように前記無人移動機を制御する、
ことを特徴とする付記1から5のいずれか一つに記載の制御装置。
【0193】
(付記7)
前記無人移動機は、地上を走行する無人地上移動機、又は、空中を飛行する無人航空機である、
ことを特徴とする付記1から6のいずれか一つに記載の制御装置。
【0194】
(付記8)
前記判別部が前記物品に年齢制限が付けられていると判別すると、前記無人移動機が備える撮像部で前記受取人を撮像した画像を受信し、受信した前記画像をオペレータが使用する端末へ送信し、かつ、送信された前記画像に基づいてオペレータが推定した前記受取人の年齢である推定年齢を表す情報を受信する通信部と、
受信された前記推定年齢を表す前記情報に基づいて前記年齢認証を行う認証部と、をさらに備える、
ことを特徴とする付記1から7のいずれか一つに記載の制御装置。
【0195】
(付記9)
前記判別部が前記物品に年齢制限が付けられていると判別すると、前記無人移動機が備える撮像部で撮像された画像を表す情報を取得する取得部と、
前記取得部で取得された前記情報で表される前記画像に基づいて、前記年齢認証を行う認証部と、をさらに備える、
ことを特徴とする付記1から7のいずれか一つに記載の制御装置。
【0196】
(付記10)
前記移動機制御部は、前記無人移動機が備える前記撮像部の撮像範囲を制御する、
ことを特徴とする付記8又は9に記載の制御装置。
【0197】
(付記11)
前記物品に付された年齢制限が解除される年齢である制限解除年齢と、前記物品の名宛人の年齢として予め申告された申告年齢と、前記物品の前記受取人の認証情報と、を取得する取得部と、
前記認証情報によって前記受取人の年齢を推定し、
推定された前記年齢である前記受取人の推定年齢と、取得された前記名宛人の前記申告年齢と、の年齢差が大きい程、前記推定年齢の補正に用いられる補正値をより小さい値に設定し、
前記設定された補正値を前記推定年齢から減算した年齢である補正年齢が前記制限解除年齢以上であると、前記受取人が年齢制限を受けないと判別し、
前記補正年齢が前記制限解除年齢未満であると、前記受取人が年齢制限を受けると判別する、
認証部と、をさらに備える、
ことを特徴とする付記1から7のいずれか一つに記載の制御装置。
【0198】
(付記12)
前記物品に付された年齢制限が解除される年齢である制限解除年齢と、前記物品の名宛人の年齢として予め申告された申告年齢と、前記受取人の生体情報と、を取得する取得部と、
前記取得された生体情報に基づいて前記受取人の年齢を推定し、推定された前記年齢である推定年齢が前記制限解除年齢未満であり、かつ、取得された前記名宛人の前記申告年齢と、前記受取人の前記推定年齢と、の年齢差が予め定められた閾値以上であると、前記受取人が年齢制限を受けると判別する認証部と、をさらに備え、
前記取得部は、前記年齢差が前記予め定められた閾値未満であると、前記受取人の身分証明書を撮像した撮像画像を表す情報をさらに取得し、
前記認証部は、前記年齢差が前記予め定められた閾値未満であると、前記取得された情報で表される前記撮像画像から、前記身分証明書に記載された前記受取人の年齢を検出し、前記検出された年齢が前記制限解除年齢以上であると、前記受取人が年齢制限を受けないと判別する、
ことを特徴とする付記1から7のいずれか一つに記載の制御装置。
【0199】
(付記13)
物品を配達する無人移動機と、
前記物品の配達先へ移動するように前記無人移動機を制御する移動機制御部と、
前記物品に年齢制限が付けられているか否かを判別する判別部と、を備え、
前記移動機制御部は、前記物品に年齢制限が付けられていると判別されると、前記配達先に居る受取人に対して行われた年齢認証の結果に応じて、前記物品を引き渡すように前記無人移動機を制御する、
ことを特徴とするシステム。
【0200】
(付記14)
判別部及び移動機制御部を備える制御装置又はシステムで実行される方法であって、
前記移動機制御部が、物品を配達する無人移動機を、当該物品の配達先へ移動させる制御を行う第1移動機制御ステップと、
前記判別部が、前記物品に年齢制限が付けられているか否かを判別する判別ステップと、
前記移動機制御部が、前記物品に年齢制限が付けられていると判別されると、前記配達先に居る受取人に対して行われた年齢認証の結果に応じて、前記物品を引き渡すように前記無人移動機を制御する第2移動機制御ステップと、を有する、
ことを特徴とする方法。
【0201】
(付記15)
コンピュータを、
物品を配達する無人移動機を、当該物品の配達先へ移動させる制御を行う移動機制御部、及び、
前記物品に年齢制限が付けられているか否かを判別する判別部、として機能させ、
前記移動機制御部は、前記物品に年齢制限が付けられていると判別されると、前記配達先に居る受取人に対して行われた年齢認証の結果に応じて、前記物品を引き渡すように前記無人移動機を制御する、
ことを特徴とするプログラム。