(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ダイヤモンドの第1の類型としての窒素含有量が3ppm未満の単結晶ダイヤモンドを、表面の算術平均粗さRaが1μmより大きい絶縁性研磨盤を用いて、440nm以上760nm未満の可視光領域において、雰囲気ガスにより発生する発光ピークを除いて、440nm以上510nm未満に最大強度を有する発光ピークが発生する条件で、研磨するダイヤモンドの研磨方法。
ダイヤモンドの第2の類型としての窒素含有量が3ppm以上の単結晶ダイヤモンドを、表面の算術平均粗さRaが1μmより大きい絶縁性研磨盤を用いて、440nm以上760nm未満の可視光領域において、雰囲気ガスにより発生する発光ピークを除いて、510nm以上630nm未満に最大強度を有する発光ピークが発生する条件で、研磨するダイヤモンドの研磨方法。
ダイヤモンドの第3の類型としての多結晶ダイヤモンドを、表面の算術平均粗さRaが1μmより大きい絶縁性研磨盤を用いて、440nm以上760nm未満の可視光領域において、雰囲気ガスにより発生する発光ピークを除いて、650nm以上760nm未満に最大強度を有する発光ピークが発生する条件で、
研磨するダイヤモンドの研磨方法。
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のダイヤモンドの研磨方法でダイヤモンドを研磨することによりダイヤモンド切削工具を製造するダイヤモンド切削工具の製造方法。
【背景技術】
【0002】
ダイヤモンドは、比類なく高い硬度および高い耐摩耗性を有しているため、切削工具や耐磨工具などに広く用いられている。また、ダイヤモンドは、高熱伝導率、高キャリア移動度、高絶縁破壊電界、低誘導損失、高耐腐食性、紫外領域から中赤外領域におよぶ広い波長領域にわたる高い透過率など優れた特性を有しているため、光学材料、電子材料としても幅広く実用化がすすめられている。このように、実用化がすすめられているダイヤモンドとして、天然もしくは高温高圧法によって合成される単結晶ダイヤモンドや人工的に合成される多結晶ダイヤモンドが挙げられる。
【0003】
従来、ダイヤモンドの研磨には、鋳鉄盤にダイヤモンド砥粒と潤滑油を塗布して高速回転させてダイヤモンドと接触させるスカイフ研磨、または、ダイヤモンド砥粒を樹脂、セラミックスまたは金属などの結合材で焼結した焼結ダイヤモンド砥石を用いた研磨などが、広く行われてきた。
【0004】
しかしながら、ダイヤモンドは、上述のように高い硬度および高い耐摩耗性を有していることから、上記のスカイフ研磨または焼結ダイヤモンド砥石を用いた研磨では、研磨速度が極めて低いため、研磨時間が極めて長くなり、加工コストが増大するという問題がある。また、研磨速度を高めるために、研磨荷重を高くすると、ダイヤモンドに与える機械的ダメージが大きくなる問題がある。
【0005】
そこで、上記の問題を解決するために、化学的反応摩耗による研磨方法として、日本機械学論文集(C編)、第76巻、764号、(2010−4),190−196(非特許文献1)は、被研磨面と金属との反応摩耗により研磨を促進する方法を開示する。また、特開2007−253244号公報(特許文献1)は、紫外線照射により被研磨面に酸化物膜を形成することにより研磨を促進する方法を開示する。
【0006】
また、国際公開第2014/034921号(特許文献2)は、合成石英定盤の表面に紫外線を照射して清浄化かつ親水化処理を行なうとともに、清浄化かつ親水化処理が施された合成石英定盤とダイヤモンド基板を相対的に変位させて、ダイヤモンド基板を加工することにより、加工を促進する方法を開示する。
【0007】
また、特開2013−052488号公報(特許文献3)は、酸化物を50体積%以上含み押し込み硬度が500kgf/cm
2以上の研磨盤を用いてダイヤモンドを研磨する方法を開示する。
【0008】
さらに、Journal of Applied Physics,88,(2000),5444−5447(非特許文献2)およびJapanese Journal of Applied Physics,34,(1995),L1632−L1634(非特許文献3)は、紫外線照射せずに石英盤でダイヤモンドを研磨するメカニズムを開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
日本機械学論文集(C編)、第76巻、764号、(2010−4),190−196(非特許文献1)および特開2007−253244号公報(特許文献1)が開示する化学的反応摩耗による研磨方法では、研磨面の粗さが大きくなり過ぎて欠損などの機械的なダメージを受ける問題がある。また、特開2007−253244号公報(特許文献1)および国際公開第2014/034921号(特許文献2)が開示する紫外線照射を用いる研磨方法では、紫外線発生装置や紫外線の保護カバー、紫外線により雰囲気に発生するオゾンやCOなど有害ガスの警報器など、作業者の安全を確保するための付帯設備が必要となり、加工コストが増大する問題がある。
【0012】
特開2013−052488号公報(特許文献3)が開示する酸化物を50体積%以上含み押し込み硬度が500kgf/cm
2以上の研磨盤を用いるダイヤモンドの研磨方法では、研磨速度は高くなるものの、さらなる加工コスト低減が求められる。
【0013】
Journal of Applied Physics,88,(2000),5444−5447(非特許文献2)およびJapanese Journal of Applied Physics,34,(1995),L1632−L1634(非特許文献3)で論じられている石英盤でダイヤモンドを研磨するメカニズムは、紫外光領域における議論がほとんどであり、雰囲気ガスである窒素ガスおよび酸素ガスによる放電ピークに限られている。Japanese Journal of Applied Physics,34,(1995),L1632−L1634(非特許文献3)においては、一部可視光領域の議論がされているが、これも熱輻射としての議論に過ぎない。
【0014】
また、従来、切削工具を作製する際には、スカイフ研磨もしくは焼結ダイヤモンド砥石などが用いられてきたが、このような従来の機械的な研磨方法では研磨後の刃先に微細な亀裂などの機械的ダメージが入りやすかった。そのため、切削加工をする際に欠けや亀裂が発生しやすく、長寿命の切削工具を安定して作成するのが困難だった。
【0015】
また、上記のような従来の機械的な方法で研磨したダイヤモンド種基板は、機械的ダメージが入りやすく、その上にマイクロ波プラズマ化学気相成長法やフィラメント化学気相成長法などの気相成長法でダイヤモンドを成長させると、転位などの結晶欠陥が生じやすく、光学歪や絶縁破壊などの原因となって、光学部品や電子部品などにダイヤモンドを利用するのが困難だった。
【0016】
そこで、紫外線照射などの加工コストの高い方法あるいは上記のような従来の機械的な方法を用いることなく、高い研磨速度で欠損を発生させることなくダイヤモンドを研磨するダイヤモンドの研磨方法、絶縁性研磨盤、ダイヤモンド切削工具の製造方法、およびダイヤモンドの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明のある態様にかかるダイヤモンドの研磨方法は、ダイヤモンドの第1の類型としての窒素含有量が3ppm未満の単結晶ダイヤモンドを、絶縁性研磨盤を用いて、440nm以上760nm未満の可視光領域において、雰囲気ガスにより発生する発光ピークを除いて、440nm以上510nm未満に最大強度を有する発光ピークが発生する条件で、研磨する。
【0018】
本発明の別の態様にかかるダイヤモンドの研磨方法は、ダイヤモンドの第2の類型としての窒素含有量が3ppm以上の単結晶ダイヤモンドを、絶縁性研磨盤を用いて、440nm以上760nm未満の可視光領域において、雰囲気ガスにより発生する発光ピークを除いて、510nm以上630nm未満に最大強度を有する発光ピークが発生する条件で、研磨する。
【0019】
本発明のさらに別の態様にかかるダイヤモンドの研磨方法は、ダイヤモンドの第3の類型としての多結晶ダイヤモンドを、絶縁性研磨盤を用いて、440nm以上760nm未満の可視光領域において、雰囲気ガスにより発生する発光ピークを除いて、650nm以上760nm未満に最大強度を有する発光ピークが発生する条件で、研磨する。
【0020】
本発明のさらに別の態様にかかる絶縁性研磨盤は、上記のいずれかの態様のダイヤモンド研磨方法において用いられる表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上の絶縁性研磨盤である。
【0021】
本発明のさらに別の態様にかかるダイヤモンド切削工具の製造方法は、上記のいずれかの態様のダイヤモンドの研磨方法でダイヤモンドを研磨することによりダイヤモンド切削工具を製造する。
【0022】
本発明のさらに別の態様にかかるダイヤモンドの製造方法は、上記のいずれかの態様のダイヤモンドの研磨方法により研磨したダイヤモンドをダイヤモンド種基板として準備する工程と、ダイヤモンド種基板上にダイヤモンドを気相成長法により成長させる工程と、を備える。
【発明の効果】
【0023】
上記によれば、紫外線照射などの加工コストの高い方法を用いることなく、高い研磨速度で欠損を発生させることなくダイヤモンドを研磨するダイヤモンドの研磨方法およびそれに用いられる絶縁性研磨盤を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
【0025】
<1>本発明のある実施形態にかかるダイヤモンドの研磨方法は、ダイヤモンドの第1の類型としての窒素含有量が3ppm未満の単結晶ダイヤモンドを、絶縁性研磨盤を用いて、440nm以上760nm未満の可視光領域において、雰囲気ガスにより発生する発光ピークを除いて、440nm以上510nm未満に最大強度を有する発光ピークが発生する条件で、研磨する。本実施形態のダイヤモンドの研磨方法は、上記の条件において、トライボプラズマのエネルギーがダイヤモンドの表面を励起して反応性の高い表面を形成するため、研磨速度が高くかつダイヤモンド結晶のダメージが少なく欠けの発生のない研磨が可能となる。
【0026】
<2>本発明の別の実施形態にかかるダイヤモンドの研磨方法は、ダイヤモンドの第2の類型としての窒素含有量が3ppm以上の単結晶ダイヤモンドを、絶縁性研磨盤を用いて、440nm以上760nm未満の可視光領域において、雰囲気ガスにより発生する発光ピークを除いて、510nm以上630nm未満に最大強度を有する発光ピークが発生する条件で、研磨する。本実施形態のダイヤモンドの研磨方法は、上記の条件において、トライボプラズマのエネルギーがダイヤモンドの表面を励起して反応性の高い表面を形成するため、研磨速度が高くかつダイヤモンド結晶のダメージが少なく欠けの発生のない研磨が可能となる。
【0027】
<3>本発明のさらに別の実施形態にかかるダイヤモンドの研磨方法は、ダイヤモンドの第3の類型としての多結晶ダイヤモンドを、絶縁性研磨盤を用いて、440nm以上760nm未満の可視光領域において、雰囲気ガスにより発生する発光ピークを除いて、650nm以上760nm未満に最大強度を有する発光ピークが発生する条件で、研磨する。本実施形態のダイヤモンドの研磨方法は、上記の条件において、トライボプラズマのエネルギーがダイヤモンドの表面を励起して反応性の高い表面を形成するため、研磨速度が高くかつダイヤモンド結晶のダメージが少なく欠けの発生のない研磨が可能となる。
【0028】
<4>上記の実施形態のいずれかのダイヤモンドの研磨方法においては、ダイヤモンドと絶縁性研磨盤との接触部分において、絶縁性研磨盤の速度を500m/min以上10000m/min以下とし、荷重を0.1N/mm
2以上100N/mm
2以下とすることができる。かかるダイヤモンドの研磨方法は、トライボプラズマのエネルギーがダイヤモンドの表面を励起して反応性の高い表面を形成するため、研磨速度が高くかつダイヤモンド結晶のダメージが少なく欠けの発生を抑制することができる。
【0029】
<5>上記の実施形態のいずれかのダイヤモンドの研磨方法において、絶縁性研磨盤は、その表面の算術平均粗さRaを0.1μm以上とすることができる。かかるダイヤモンドの研磨方法は、トライボプラズマのエネルギーがダイヤモンドの表面を励起して反応性の高い表面を形成するため、研磨速度が高くかつダイヤモンド結晶のダメージが少なく欠けの発生を抑制することができる。
【0030】
<6>本発明のさらに別の実施形態にかかる絶縁性研磨盤は、上記の実施形態のいずれかのダイヤモンドの研磨方法において用いられる表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上の絶縁性研磨盤である。本実施形態の絶縁性研磨盤は、ダイヤモンドの研磨において、トライボプラズマの発生を促進させ、研磨速度を高める。
【0031】
<7>本発明のさらに別の実施形態にかかるダイヤモンド切削工具の製造方法は、上記の実施形態のいずれかのダイヤモンドの研磨方法でダイヤモンドを研磨することによりダイヤモンド切削工具を製造する。本実施形態のダイヤモンド切削工具の製造方法は、ダイヤモンド結晶のダメージが少なく欠けや亀裂の発生のない研磨により、高品質で長寿命のダイヤモンド切削工具を効率よく製造できる。
【0032】
<8>本発明のさらに別の実施形態にかかるダイヤモンドの製造方法は、上記の実施形態のいずれかのダイヤモンドの研磨方法により研磨したダイヤモンドをダイヤモンド種基板として準備する工程と、ダイヤモンド種基板上にダイヤモンドを気相成長法により成長させる工程と、を備える。本実施形態のダイヤモンドの製造方法は、ダイヤモンド結晶のダメージが少なく欠けの発生のない研磨により結晶欠陥の少ない高品質のダイヤモンド種基板を効率よく準備でき、その上にダイヤモンドを気相成長法により成長させることにより、光学部品や電子部品などに利用可能な高品質のダイヤモンドを効率よく製造できる。
【0033】
[本発明の実施形態の詳細]
<ダイヤモンドの研磨方法>
本実施形態のダイヤモンドの研磨方法は、ダイヤモンドを、絶縁性研磨盤を用いて、440nm以上760nm未満の可視光領域において、雰囲気ガスにより発生するピークを除いて、所定の波長領域に最大強度を有する発光ピークが発生する条件で研磨する。かかる条件においては、トライボプラズマのエネルギーがダイヤモンドの表面を励起して反応性の高い表面を形成するため、研磨速度が高くかつダイヤモンド結晶のダメージが少なく欠けの発生のない研磨が可能となる。
【0034】
ここで、所定の波長領域は、ダイヤモンドの類型によって異なる。ダイヤモンドの第1類型として、窒素含有量が3ppm未満の単結晶ダイヤモンドの場合は、440nm以上510nm未満である。ダイヤモンドの第2類型として、窒素含有量が3ppm以上の単結晶ダイヤモンドの場合は、510nm以上630nm未満である。ダイヤモンドの第3類型として、多結晶ダイヤモンドの場合は、650nm以上760nm未満である。
【0035】
絶縁性研磨盤によるダイヤモンド研磨においては、トライボプラズマと呼ばれる放電および発光現象が起こる。しかしながら、これまでは、窒素ガスや酸素ガスやアルゴンガスなどの雰囲気ガスによる紫外光領域における発光しか着目されてなかった。本発明者らは、ダイヤモンドの研磨方法を検討したところ、可視光域でダイヤモンドの上記類型に応じて上記の所定の波長領域に特有の発光が起こること、およびかかる発光が発生する場合に研磨速度が高くかつダイヤモンド結晶のダメージが少なく欠けの発生のない研磨が可能となることを見出した。以下、具体的に説明する。
【0036】
(実施形態1)
本実施形態のダイヤモンドの研磨方法は、ダイヤモンドの第1の類型としての窒素含有量が3ppm未満の単結晶ダイヤモンドを、絶縁性研磨盤を用いて、440nm以上760nm未満の可視光領域において、雰囲気ガスにより発生する発光ピークを除いて、440nm以上510nm未満に最大強度を有する発光ピークが発生する条件で、研磨する。
【0037】
窒素含有量が3ppm未満の単結晶ダイヤモンドを、絶縁性研磨盤を用いて研磨する場合、440nm以上760nm未満の可視光領域において、雰囲気ガスにより発生する発光ピークを除いて、440nm以上510nm未満に最大強度を有する発光ピークが発生する条件であれば、トライボプラズマのエネルギーがダイヤモンドの表面を励起して反応性の高い表面を形成するため、研磨速度が高くかつダイヤモンド結晶のダメージが少なく欠けの発生のない研磨が可能となる。すなわち、高い研磨速度で、結晶ダメージが少なく欠けのないダイヤモンド表面を得ることができる。これは、窒素含有量が3ppm未満の単結晶ダイヤモンドは、Band A、ドナー・アクセプタ再結合などの準位を持つため、これらの準位を活性化させることで効率よくダイヤモンド表面を活性化させ、化学研磨を促進することができるためである。
【0038】
窒素含有量が3ppm未満の単結晶ダイヤモンドは、特に制限はなく、天然および人工のいずれであってもよく、人工の場合いかなる製造方法であってもよいが、窒素含有量が3ppm未満の単結晶ダイヤモンドが得られやすい観点から、高圧高温法、CVD(Chemical Vapor Deposition;化学気相成長)法などにより得られるIIa型などの単結晶ダイヤモンドが好ましい。単結晶ダイヤモンドの窒素含有量は、SIMS(Secondary Ion Mass Spectroscopy;二次イオン質量分析)法などにより測定する。
【0039】
本実施形態のダイヤモンドの研磨方法において、440nm以上760nm未満の可視光領域において発生する発光ピークは、プラズマ分光法などにより測定する。
【0040】
雰囲気ガスにより発生する発光ピークとは、研磨が行なわれる雰囲気ガスである大気、すなわち窒素ガス、酸素ガスおよびアルゴンガスなどにより発生する発光ピークをいう。440nm以上760nm未満の可視光領域において、雰囲気ガスにより発生する発光ピークは、たとえば、窒素ガスにより発生する290nm以上430nm未満に最大強度を有する発光ピークおよび593nm、632nm、675nm、716nmなどのシャープな発光ピーク、酸素ガスにより発生する300nm以上400nm未満に最大強度を有する発光ピークおよび559nmなどのシャープな発光ピーク、アルゴンガスにより発生する558nm、695nm、750nmなどのシャープな発光ピークなどが挙げられる。
【0041】
440nm以上760nm未満の可視光領域において、440nm以上510nm未満に最大強度を有する発光ピークは、雰囲気ガスにより発生する発光ピークを除いたものであることから、窒素含有量が3ppm未満の単結晶ダイヤモンドと絶縁性研磨盤との接触により発生するものである。
【0042】
440nm以上760nm未満の可視光領域において、雰囲気ガスにより発生する発光ピークを除いて、440nm以上510nm未満に最大強度を有する発光ピークは、440nm以上510nm未満における最大強度が、510nm以上760nm未満における最大強度より大きく、510nm以上760nm未満における最大強度の2倍より大きいことが好ましい。かかる発光ピークの発生する条件において、トライボプラズマのエネルギーがダイヤモンドの表面をより励起して反応性のより高い表面を形成するため、研磨速度がより高くかつダイヤモンド結晶のダメージがより少なく欠けの発生のない研磨が可能となる。
【0043】
(実施形態2)
本実施形態のダイヤモンドの研磨方法は、ダイヤモンドの第2の類型としての窒素含有量が3ppm以上の単結晶ダイヤモンドを、絶縁性研磨盤を用いて、440nm以上760nm未満の可視光領域において、雰囲気ガスにより発生する発光ピークを除いて、510nm以上630nm未満に最大強度を有する発光ピークが発生する条件で、研磨する。
【0044】
窒素含有量が3ppm以上の単結晶ダイヤモンドを、絶縁性研磨盤を用いて研磨する場合、440nm以上760nm未満の可視光領域において、雰囲気ガスにより発生する発光ピークを除いて、510nm以上630nm未満に最大強度を有する発光ピークが発生する条件であれば、トライボプラズマのエネルギーがダイヤモンドの表面を励起して反応性の高い表面を形成するため、研磨速度が高くかつダイヤモンド結晶のダメージが少なく欠けの発生のない研磨が可能となる。すなわち、高い研磨速度で、結晶ダメージが少なく欠けのないダイヤモンド表面を得ることができる。これは、窒素含有量が3ppm以上の単結晶ダイヤモンドは、H3センター、および、NV
0、NV
-などの窒素関連の準位を持つため、これらの準位を活性化させることで効率よくダイヤモンド表面を活性化させ、化学研磨を促進することができるためである。
【0045】
窒素含有量が3ppm以上の単結晶ダイヤモンドは、特に制限はなく、天然および人工のいずれであってもよく、人工の場合いかなる製造方法であってもよいが、窒素含有量が3ppm以上の単結晶ダイヤモンドが得られやすい観点から、高圧高温法、CVD法などにより得られるIa型、Ib型などの単結晶ダイヤモンドが好ましい。単結晶ダイヤモンドの窒素含有量は、SIMS法などにより測定する。
【0046】
本実施形態のダイヤモンドの研磨方法において、440nm以上760nm未満の可視光領域において発生する発光ピークの測定方法および雰囲気ガスにより発生する発光ピークについては、実施形態1において説明したとおりである。
【0047】
440nm以上760nm未満の可視光領域において、510nm以上630nm未満に最大強度を有する発光ピークは、雰囲気ガスにより発生する発光ピークを除いたものであることから、窒素含有量が3ppm以上の単結晶ダイヤモンドと絶縁性研磨盤との接触により発生するものである。
【0048】
440nm以上760nm未満の可視光領域において、雰囲気ガスにより発生する発光ピークを除いて、510nm以上630nm未満に最大強度を有する発光ピークは、510nm以上630nm未満における最大強度が、440nm以上510nm未満における最大強度より大きく、440nm以上510nm未満における最大強度の2倍より大きいことが好ましい。かかる発光ピークの発生する条件において、トライボプラズマのエネルギーがダイヤモンドの表面をより励起して反応性のより高い表面を形成するため、研磨速度がより高くかつダイヤモンド結晶のダメージがより少なく欠けの発生のない研磨が可能となる。
【0049】
(実施形態3)
本実施形態のダイヤモンドの研磨方法は、ダイヤモンドの第3の類型としての多結晶ダイヤモンドを、絶縁性研磨盤を用いて、440nm以上760nm未満の可視光領域において、雰囲気ガスにより発生する発光ピークを除いて、650nm以上760nm未満に最大強度を有する発光ピークが発生する条件で、研磨する。
【0050】
多結晶ダイヤモンドを、絶縁性研磨盤を用いて研磨する場合、440nm以上760nm未満の可視光領域において、雰囲気ガスにより発生する発光ピークを除いて、650nm以上760nm未満に最大強度を有する発光ピークが発生する条件であれば、トライボプラズマのエネルギーがダイヤモンドの表面を励起して反応性の高い表面を形成するため、研磨速度が高くかつダイヤモンド結晶のダメージが少なく欠けの発生のない研磨が可能となる。すなわち、高い研磨速度で、結晶ダメージが少なく欠けのないダイヤモンド表面を得ることができる。これは、多結晶ダイヤモンドは、転位など構造欠陥に関連する準位を持つため、これらの準位を活性化させることで効率よくダイヤモンド表面を活性化させ、化学研磨を促進することができるためである。
【0051】
多結晶ダイヤモンドは、特に制限はなく、天然および人工のいずれであってもよく、人工の場合いかなる製造方法であってもよいが、窒素含有量が3ppm以上の単結晶ダイヤモンドが得られやすい観点から、高圧高温法、CVD法などにより得られる多結晶ダイヤモンドが好ましい。
【0052】
本実施形態のダイヤモンドの研磨方法において、440nm以上760nm未満の可視光領域において発生する発光ピークの測定方法および雰囲気ガスにより発生する発光ピークについては、実施形態1において説明したとおりである。
【0053】
440nm以上760nm未満の可視光領域において、650nm以上760nm未満に最大強度を有する発光ピークは、雰囲気ガスにより発生する発光ピークを除いたものであることから、多結晶ダイヤモンドと絶縁性研磨盤との接触により発生するものである。
【0054】
440nm以上760nm未満の可視光領域において、雰囲気ガスにより発生する発光ピークを除いて、650nm以上760nm未満に最大強度を有する発光ピークは、650nm以上760nm未満における最大強度が、440nm以上650nm未満における最大強度より大きく、440nm以上650nm未満における最大強度の2倍より大きいことが好ましい。かかる発光ピークの発生する条件において、トライボプラズマのエネルギーがダイヤモンドの表面をより励起して反応性のより高い表面を形成するため、研磨速度がより高くかつダイヤモンド結晶のダメージがより少なく欠けの発生のない研磨が可能となる。
【0055】
実施形態1、実施形態2、および実施形態3のダイヤモンドの研磨方法においては、トライボプラズマのエネルギーがダイヤモンドの表面を励起して反応性の高い表面を形成することにより、研磨速度を高くかつダイヤモンド結晶のダメージを少なくして欠けの発生を抑制する観点から、ダイヤモンドと絶縁性研磨盤との接触部分において、絶縁性研磨盤の速度は500m/min以上10000m/min以下が好ましく、荷重は0.1N/mm
2以上100N/mm
2以下が好ましい。絶縁性研磨盤の速度は、トライボプラズマの発生を促進し研磨速度をより高くする観点から、1000m/min以上がより好ましく、1600m/min以上がさらに好ましく、3200m/min以上が特に好ましく、また、ダイヤモンド結晶のダメージを少なくして高品質な研磨をする観点から、6300m/min以下がより好ましい。荷重は、トライボプラズマの発生を促進し研磨速度をより高くする観点から、0.3N/mm
2以上がより好ましく、1N/mm
2以上がより好ましく、また、ダイヤモンド結晶のダメージを少なくして高品質な研磨をする観点から、50N/mm
2以下がより好ましく、10N/mm
2以下がさらに好ましい。
【0056】
実施形態1、実施形態2、および実施形態3のダイヤモンドの研磨方法においては、トライボプラズマのエネルギーがダイヤモンドの表面を励起して反応性の高い表面を形成することにより、研磨速度を高くする観点から、絶縁性研磨盤は、その表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上が好ましい。絶縁性研磨盤の表面の算術平均粗さRaは、トライボプラズマの発生を促進して研磨速度をより高くする観点から、1μm以上がより好ましく、10μm以上がさらに好ましく、また、ダイヤモンド結晶のダメージを少なくして高品質な研磨をする観点から、100μm以下が好ましい。ここで、絶縁性研磨盤の表面の算術平均粗さRaは、JIS B 0601:2013に規定する算術平均粗さRaを意味する。
【0057】
また、実施形態1、実施形態2、および実施形態3のダイヤモンドの研磨方法においては、絶縁性研磨盤の表面の最大高さ粗さRzは、トライボプラズマの発生を促進して研磨速度をより高くする観点から、0.5μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましく、50μm以上がさらに好ましく、また、ダイヤモンド結晶のダメージを少なくして高品質な研磨をする観点から、500μm以下が好ましい。ここで、絶縁性研磨盤の表面の最大高さ粗さRzは、JIS B 0601:2013に規定する最大高さ粗さRzを意味する。
【0058】
<絶縁性研磨盤>
(実施形態4)
本実施形態の絶縁研磨盤は、実施形態1、実施形態2、および実施形態3のダイヤモンドの研磨方法において用いられる表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上の絶縁性研磨盤である。本実施形態の絶縁性研磨盤は、ダイヤモンドの研磨において、トライボプラズマの発生を促進させ、研磨速度を高める。
【0059】
本実施形態の絶縁性研磨盤は、実施形態1、実施形態2、および実施形態3のダイヤモンドの研磨方法において用いられ、ダイヤモンドと接触して、そのダイヤモンドの類型に対応して440nm以上760nm未満の可視光領域において所定の波長領域に最大強度を有する発光ピークを発生させるのに十分な絶縁性を有していれば足りるが、発生ピークの最大強度を大きくする観点から、抵抗率が1×10
6Ωcm以上が好ましく、1×10
15Ωcmがより好ましく、1×10
17Ωcmがさらに好ましい。
【0060】
本実施形態の絶縁性研磨盤は、特に制限はないが、上記の観点から、Si(ケイ素)、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)、Cr(クロム)、およびZr(ジルコニウム)からなる群より選ばれた少なくとも1種類の元素の酸化物、窒化物、炭化物、および硼化物の少なくとも1つ、窒化ホウ素、および炭化タングステンなどの化合物を30体積%以上含むことが好ましい。かかる絶縁性研磨盤は、比較的高度が高く、トライボプラズマの発生が促進され、研磨速度が高くなる。かかる観点から、絶縁性研磨盤は、Si、Al、Ti、Cr、およびZrからなる群より選ばれた少なくとも1種類の元素の酸化物を50体積%以上含むことがより好ましく、70体積%以上含むことがさらに好ましい。また、絶縁性研磨盤は、結晶質でも非晶質でもよく、粒子状のものを焼結させたものでもよく、粒子状のものをバインダーなどで結合させたものでもよい。
【0061】
本実施形態の絶縁性研磨盤は、実施形態1、実施形態2、および実施形態3のダイヤモンドの研磨方法において、トライボプラズマのエネルギーがダイヤモンドの表面を励起して反応性の高い表面を形成することにより、研磨速度を高くする観点から、絶縁性研磨盤の表面の算術平均粗さRaは、0.1μm以上である。絶縁性研磨盤の表面の算術平均粗さRaは、トライボプラズマの発生を促進して研磨速度をより高くする観点から、1μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、また、ダイヤモンド結晶のダメージを少なくして高品質な研磨をする観点から、100μm以下が好ましい。
【0062】
また、実本実施形態の絶縁性研磨盤は、施形態1、実施形態2、および実施形態3のダイヤモンドの研磨方法において、トライボプラズマの発生を促進して研磨速度をより高くする観点から、絶縁性研磨盤の表面の最大高さ粗さRzは、0.5μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましく、50μm以上がさらに好ましく、また、ダイヤモンド結晶のダメージを少なくして高品質な研磨をする観点から、500μm以下が好ましい。
【0063】
研磨のための具体的な設備としては、特に制限はなく、研磨盤を保持して回転ブレ無く高速に回転させる機構と、被加工物である単結晶ダイヤモンドまたは多結晶ダイヤモンドを保持し、高速回転している研磨盤に一定圧力で接触させる機構と、研磨盤の径方向に被加工物を揺動させる機構とを有する設備を用いることができる。また、曲面を形成する揺動機構をつけることで、平板状のダイヤモンドだけでなく、バイトなどの工具の刃先を加工してもよい。
【0064】
<ダイヤモンド切削工具の製造方法>
(実施形態5)
本実施形態のダイヤモンド切削工具の製造方法は、実施形態1、実施形態2、および実施形態3のダイヤモンドの研磨方法でダイヤモンドを研磨することによりダイヤモンド切削工具を製造する。本実施形態のダイヤモンド切削工具の製造方法は、ダイヤモンド結晶のダメージが少なく欠けや亀裂の発生のない研磨により、高品質で長寿命のダイヤモンド切削工具を効率よく製造できる。本実施形態のダイヤモンド切削工具の製造方法においては、上記のダイヤモンドの研磨方法以外は、従来の方法を適用できる。
【0065】
<ダイヤモンドの製造方法>
(実施形態6)
本実施形態のダイヤモンドの製造方法は、実施形態1、実施形態2、および実施形態3のダイヤモンドの研磨方法により研磨したダイヤモンドをダイヤモンド種基板として準備する工程と、ダイヤモンド種基板上にダイヤモンドを気相成長法により成長させる工程と、を備える。本実施形態のダイヤモンドの製造方法は、ダイヤモンド結晶のダメージが少なく欠けの発生のない研磨により結晶欠陥の少ない高品質のダイヤモンド種基板を効率よく準備でき、その上にダイヤモンドを気相成長法により成長させることにより、光学部品や電子部品などに利用可能な高品質のダイヤモンドを効率よく製造できる。ダイヤモンド種結晶基板を準備する工程においては、上記のダイヤモンドの研磨方法以外は、従来の方法を適用できる。ダイヤモンドを成長させる工程における気相成長法は、特に制限はないが、高品質のダイヤモンドを成長させる観点から、CVD(化学気相成長)法が好ましく、たとえばマイクロ波プラズマCVD法、フィラメントCVD法などが好ましい。
【実施例】
【0066】
<研磨用ダイヤモンド試料の作製>
高圧高温発生装置を用いて、6GPa、1300〜1400℃で鉄を主体とする溶媒中に温度差法で炭素を溶かして再析出させ、窒素を含むIb型単結晶ダイヤモンドを合成した。また、窒素ゲッターを添加した溶媒を用いて同様の方法でIIa型単結晶ダイヤモンドを合成した。次に、高純度グラファイトを原料とし、高圧高温発生装置を用いて、15GPa,2200℃で処理して、バインダーを一切含まず、組織粒径がナノメートルオーダーの等方性のNPD(ナノ多結晶ダイヤモンド;Nano Polycrystalline Diamond)法を合成した。次に、Ib型単結晶ダイヤモンドまたはIIa型単結晶ダイヤモンドを種基板として、CVD法で単結晶ダイヤモンドを作製した。得られた各型のダイヤモンドからレーザー加工により、5mm×5mm×厚さ1mmの板状の試料を切り出して、研磨用試料を作製した。
【0067】
<研磨盤の作製と研磨>
次に絶縁性材料を焼結し、直径300mmの研磨盤を作製した。研磨盤の盤面は研削加工により表面の算術平均粗さRaおよび最大高さ粗さRzを調整した。表1〜表5に示す材料種の研磨盤、ダイヤモンドと研磨盤との接触部分における研磨盤の速度および試料の荷重の条件で、研磨を行なった。比較例として、スカイフ盤またはメタルボンドダイヤモンド砥粒砥石の研磨盤でも処理した。研磨中の発光はプラズマ分光装置(浜松ホトニクス社製C10346−02)で測定した。プラズマによる発光ピークにおける波長領域(たとえば650nm以上760nm未満)およびその最大強度をたとえば650−760(nm)およびI
650-760などで表し、右下の添え字を波長領域とする。たとえば、I
650-760/I
440-650=2.1は、650nm以上760nm未満における最大強度が、440nm以上650nm未満における最大強度の2.1倍であることを示す。
【0068】
<評価方法>
研磨後の試料について、研磨量(板厚の減少量)を試料厚みの測定により求めた。試料の結晶ダメージの評価は以下の方法で行った。NPD多結晶ダイヤモンドについては、研磨後に、先端曲率200nmの90度Vバイトを作製し、超精密ナノ加工機に設置してWC−Co−Niを主体とした被削材に溝入れ加工を行った。溝入れ加工は、送り速度10mm/min、切込量200μm、切削長1000mmとした。結果を表1および表2にまとめた。
【0069】
また、IIa型単結晶ダイヤモンド、Ib型単結晶ダイヤモンド、Ia型単結晶ダイヤモンド、およびCVD単結晶ダイヤモンドについては、研磨後にCVD法で厚さ2μmのエピタキシャル層を成長させた後、CL(Cathodoluminescence;カソードルミネッセンス)マッピングによりBand A(420nm)という発光欠陥の点密度を測定した。これらの単結晶ダイヤモンドは、より具体的には、フッ硝酸洗浄した後、マイクロ波プラズマCVD法により、水素ガス流量192sccm、メタンガス流量8sccm、圧力120Torr、試料温度1000〜1050℃でエピタキシャル層を成長させた。CLにおける加速電圧は15kVとした。結果を表3および表4にまとめた。
【0070】
また、Ib型単結晶ダイヤモンド、Ia型単結晶ダイヤモンド、およびCVD単結晶ダイヤモンドについては、研磨後に、先端曲率400μmのRバイトを作製し、旋盤に設置して硬度の高いAl合金(A390)の切削加工を行った。切削条件は、送り速度600m/min、送り量0.4mm/rev、切込量(直径)0.4mm、切削長10kmとし、水溶性切削液を用いた。結果を表5にまとめた。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】
【表4】
【0075】
【表5】
【0076】
表1〜表5を参照して、絶縁性研磨盤を用い、本実施形態のダイヤモンド研磨方法(すなわち、可視光領域において、ダイヤモンドの類型に対応して所定の波長領域に最大強度を有する発光ピークが発生する条件で研磨する方法)は、従来のスカイフ盤やメタルボンド研磨盤などを用いた研磨方法に比べて、研磨速度が高く、また、結晶ダメージが少ないため、溝入れ加工および切削加工において、ダイヤモンドの刃先が欠損することなく切削加工できることが分かった。また、IIa型単結晶ダイヤモンド、Ib型単結晶ダイヤモンド、Ia型単結晶ダイヤモンド、およびCVD単結晶ダイヤモンドについて、本実施形態のダイヤモンドの研磨方法によれば、発光欠陥の点密度が1000mm
-2未満と少なくすることができ、研磨による結晶ダメージが少ないことが分かった。
【0077】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態および実施例ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。