(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
蒸発器(21)と凝縮器(24)と圧縮機(23)と送風装置(3)とを筐体(10)内に有し、前記蒸発器を通過した空気を前記送風装置によって外部に送風する冷房送風装置であって、
前記送風装置は、
前記蒸発器を通過した空気を送風する第1ファン(36)と、
前記凝縮器を通過した空気を送風する第2ファン(37)と、
前記第1ファンが一端側に接続され、前記第2ファンが他端側に接続された軸部(35a)を有し、前記第1ファンおよび前記第2ファンを回転駆動するモータ(35)と、
前記モータと一体に結合されて前記筐体に固定されているブラケットであって、前記モータの軸方向に交差する方向に2分割されたうちの一方である第1ブラケット(33)と、他方である第2ブラケット(34)と、を有するブラケット(33、34)と、
前記第1ファンおよび前記第2ファンを収容し、前記ブラケットと固定されるケーシングであって、発泡性樹脂により形成され、前記軸方向に交差する方向に2分割されたうちの一方である第1ケーシング(31)と、他方である第2ケーシング(32)と、を有するケーシング(30)と、を備え、
前記筐体は、幅方向において向かい合う一対の側面板(12、13)を有し、
前記第1ブラケットは、
一対の前記側面板において、前記幅方向と直交し且つ上下方向と直交する方向である奥行方向における中央に橋渡しする部材であり、
一対の前記側面板のそれぞれの上端に載せた状態で固定される上部固定部(33a)を有する冷房送風装置。
蒸発器(21)と凝縮器(24)と圧縮機(23)と送風装置(3)とを筐体(10)内に有し、前記蒸発器を通過した空気を前記送風装置によって外部に送風する冷房送風装置であって、
前記送風装置は、
前記蒸発器を通過した空気を送風する第1ファン(36)と、
前記凝縮器を通過した空気を送風する第2ファン(37)と、
前記第1ファンが一端側に接続され、前記第2ファンが他端側に接続された軸部(35a)を有し、前記第1ファンおよび前記第2ファンを回転駆動するモータ(35)と、
前記モータと一体に結合されて前記筐体に固定されているブラケットであって、前記モータの軸方向に交差する方向に2分割されたうちの一方である第1ブラケット(33)と、他方である第2ブラケット(34)と、を有するブラケット(33、34)と、
前記第1ファンおよび前記第2ファンを収容し、前記ブラケットと固定されるケーシングであって、発泡性樹脂により形成され、前記軸方向に交差する方向に2分割されたうちの一方である第1ケーシング(31)と、他方である第2ケーシング(32)と、を有するケーシング(30)と、を備え、
前記ケーシングは、前記第1ファンを収容する第1ファン収容部(30a)と、前記第2ファンを収容する第2ファン収容部(30c)と、を有し、
前記第1ケーシングは、前記第2ファン収容部において前記第2ケーシングと嵌合する部分である第1嵌合部(315)を有し、
前記第2ケーシングは、前記第2ファン収容部において前記第1嵌合部と嵌合する第2嵌合部(325)を有し、
前記第1嵌合部は、2列互い違いに並ぶ複数の第1凸部(315a)と複数の第1凹部(315b)とを有し、
前記第2嵌合部は、2列互い違いに並ぶ複数の第2凸部(325a)と、複数の第2凹部(325b)とを有し、
前記第1凸部は前記第2凹部と嵌合し、前記第1凹部は、前記第2凸部と嵌合する冷房送風装置。
蒸発器(21)と凝縮器(24)と圧縮機(23)と送風装置(3)とを筐体(10)内に有し、前記蒸発器を通過した空気を前記送風装置によって外部に送風する冷房送風装置であって、
前記送風装置は、
前記蒸発器を通過した空気を送風する第1ファン(36)と、
前記凝縮器を通過した空気を送風する第2ファン(37)と、
前記第1ファンが一端側に接続され、前記第2ファンが他端側に接続された軸部(35a)を有し、前記第1ファンおよび前記第2ファンを回転駆動するモータ(35)と、
前記モータと一体に結合されて前記筐体に固定されているブラケットであって、前記モータの軸方向に交差する方向に2分割されたうちの一方である第1ブラケット(33)と、他方である第2ブラケット(34)と、を有するブラケット(33、34)と、
前記第1ファンおよび前記第2ファンを収容し、前記ブラケットと固定されるケーシングであって、発泡性樹脂により形成され、前記軸方向に交差する方向に2分割されたうちの一方である第1ケーシング(31)と、他方である第2ケーシング(32)と、を有するケーシング(30)と、を備え、
前記筐体は、幅方向において向かい合う一対の側面板(12、13)を有し、
前記第1ブラケットは、一対の前記側面板のそれぞれの上端に載せた状態で固定される上部固定部(33a)を有し、
前記送風装置は、前記上部固定部によって、前記側面板の前記上端から吊るすようにして固定されている冷房送風装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
第1実施形態の冷房送風装置について、
図1〜
図13を参照して説明する。各図には、冷房送風装置1の上下方向VD、幅方向WD、奥行方向DDが図示されている。上下方向VDは、冷房送風装置1を床面や地面に設置した場合に、鉛直方向と実質一致する方向である。幅方向WDおよび奥行方向DDは、上下方向VDに垂直な方向である。幅方向WDと奥行方向DDは、互いに垂直な方向である。
【0011】
冷房送風装置1は、冷房対象とする人、物等に対して冷房風を送風することで局所的な冷房を提供する所謂スポットクーラである。冷房送風装置1は、使用する場所の床面や地面に載置された状態で使用される。冷房送風装置1は、車輪部70によって使用者がその載置場所を容易に移動させることが可能となっている。冷房送風装置1は、使用者の所望の場所において冷房を提供することができるスポットクーラである。
図2に示すように、冷房送風装置1は、冷凍サイクルを提供するための複数の冷凍サイクル機能部品と、冷凍サイクルによって冷却された空気を冷房風として送風する送風ユニット3と、複数の冷凍サイクル機能部品および送風ユニット3を収容するための筐体10とを有する。
【0012】
筐体10は、例えば上下方向VDに長い略直方体状の箱体である。筐体10は、
図1〜
図5に示すように、上下方向VDおよび奥行方向DDに平行な外装面を有する2つの側面板12、13と、上下方向VDおよび幅方向WDに平行な外装面を有する背面板14とを有する。側面板12と側面板13は、幅方向WDにおいて向かい合う一対の金属製の板部材である。側面板12は、上端に内側に向かって折り曲げられた折曲部12aを有する。側面板13は、側面板12と同様に、上端に内側に向かって折り曲げられた折曲部13aを有する。折曲部12a、13aは、それぞれ外装面に対して略直角に折り曲げられている。筐体10は、背面板14と奥行方向DDにおいて反対側の面に、吸込部16を有する。吸込部16は、外部の空気が筐体10内部に吸い込まれる際に通過する部分である。吸込部16は、例えば塵、埃等の異物を補足するフィルタによって提供される。筐体10の上面は、上面板11によって覆われている。筐体10の下面は、ベース部15によって覆われている。
【0013】
上面板11は、例えば金属製の板部材によって形成されている。上面板11は、筐体10内に吸い込まれた空気が吹き出される開口部が2つ設けられている。2つの開口部のうち一方は、蒸発器21を通過した空気が吹き出される第1開口部である。第1開口部には、例えばダクト40が接続されている。したがって、第1開口部を通過した空気はダクト40の内部を通過して外部へと吹き出されるようになっている。ダクト40は、例えば蛇腹状に構成されており、その吹出向きを自在に変えることができる。ダクト40は、その吹出向きを周期的に自動で変更可能な首振り機構を有していてもよい。また、第1開口部およびダクトは複数設けられていてもよい。2つの開口部のうち他方は、凝縮器24を通過した空気が吹き出される第2開口部11bである。第2開口部11bは、冷凍サイクルユニットで発生した排熱を外部へと放出するための放出口である。
【0014】
冷凍サイクルユニットは、複数の冷凍サイクル機能部品を有する。複数の冷凍サイクル機能部品とは、例えば蒸発器21、凝縮器24、圧縮機23、アキュムレータ22、キャピラリチューブ等である。複数の冷凍サイクル機能部品は、配管によって環状に接続されており、冷媒が循環可能となっている。
【0015】
蒸発器21は、吸込部16に奥行方向DDにおいて隣接して設けられ、吸込部16を通過した直後の空気が通過可能となるように配置されている。蒸発器21には、吸込部16の上部を通過した空気が通過する。凝縮器24は、蒸発器21と上下方向VDに並んで配置されている。凝縮器24は、蒸発器21の下方に設けられている。凝縮器24および蒸発器21は、その厚み方向が奥行方向DDと一致する向きで、上下方向VDに並んで設けられている。凝縮器24および蒸発器21は、吸込部16に隣接して筐体10内に収容されている。凝縮器24には、吸込部16の下部から吸い込まれた空気が通過する。圧縮機23は、ベース部15に固定されて設けられている。アキュムレータ22は、圧縮機23に固定されて設けられている。
【0016】
タンク60は、蒸発器21において結露により発生した水を貯留する貯留部である。タンク60は、例えば樹脂によって形成されている。タンク60は、箱体状に形成されている。タンク60は、ベース部15に載置されて冷房送風装置1に収容される。タンク60は、仕切部17およびベース部15によって区画された収容空間に収容される。タンク60は、使用者が把持するための把持部62を有する。タンク60は、使用者が容易に収容空間から取り出したり収容空間に収容したりすることが可能である。タンク60は、タンク取出開口部19から収容空間の外部に取り出される。タンク60は、タンク取出開口部19から収容空間に収容される。タンク取出開口部19は、ベース部15および仕切部17の奥行方向DDにおける手前側の端部によって形成される。ここで手前側とは、冷房送風装置1において吸込部16を正面視した際の手前側である。
【0017】
ベース部15は、例えば金属製の板部材によって形成されている。ベース部15の下面には、複数の車輪部70が取り付けられている。車輪部70は、使用者が冷房送風装置1を押したり引いたりするなどして移動させるための部材であり、所謂キャスターである。ベース部15には、圧縮機23が取り付けられる。ベース部15には、タンク60が載置される。ベース部15には、タンク60を受けるタンク受け部が設置されている。タンク受け部は、例えばベース部15に設置された状態において奥行方向DDに延びる板状の金属部材である。タンク受け部は、一方の端部がベース部と接触し、他方の端部がベース部15から離間するようにばね部材によって持ち上げられた状態でベース部に設置されている。タンク受け部は、タンク60の荷重によって一方の端部を軸にして下方へと回動する。タンク受け部は、タンク60の荷重が大きくなるほど他方の端部がより下方に位置するように回動する。ばね部材は、タンク60内部に水が所定量貯留された際のタンク60の荷重によってタンク受け部がスイッチ装置のスイッチをオンにするように、その弾性率が調整されている。スイッチ装置のスイッチがオンになると、報知部に報知させるための電気回路に通電が行われる。報知部は、ランプの点灯等の視覚情報またはブザー等の聴覚情報によって報知を行う。
【0018】
送風ユニット3は、
図8に示すように、回転駆動により空気を送風する2つのファンと、2つのファンを回転駆動するモータ35と、2つのファンを収容するケーシング30と、モータ35およびケーシング30を筐体に対して固定するためのブラケットを有する。送風ユニット3は、上面板11に隣接して設けられている。送風ユニット3は、吸込部16から空気を吸い込み外部へと吹き出すための送風装置である。2つのファンのうちの一方は、蒸発器21を通過する空気を送風する第1ファン36である。送風ユニット3は、蒸発器21を通過して冷却された空気を冷房風として送風する。2つのファンのうちの他方は、凝縮器24を通過する空気を送風する第2ファン37である。第1ファン36および第2ファン37は、例えば遠心多翼ファンによって提供される。または、軸流ファン、斜流ファン等によって提供されてもよい。第1ファン36と第2ファン37は、例えばそれぞれの軸方向を奥行方向DDと実質一致させて、奥行方向DDに並ぶようにケーシング30内に設けられている。第1ファン36は奥行方向DDにおいて第2ファン37よりも吸込部16側に設けられている。第2ファン37は奥行方向DDにおいて第1ファン36よりも背面板14側に設けられている。
【0019】
モータ35は、回転軸35aと、回転軸35aを保持するロータと、ロータを収容する円筒状のモータケース35bとを有する。モータケース35bは、外周面において径外方向に突出するフランジ部35cを有する。モータ35は、その回転軸35aの両端から回転運動を外部に伝達可能な両軸モータである。モータ35は、回転軸35aの一方の端部側に第1ファン36が取り付けられ、他方の端部側に第2ファン37が取り付けられている。回転軸35aは、特許請求の範囲における軸部に相当する。モータ35は、回転軸35aの軸方向が奥行方向DDと実質一致するように筐体10内において設けられている。
【0020】
図7に示すように、ケーシング30は、第1ファン収容部30aと、第2ファン収容部30cと、第1ファン収容部30aと第2ファン収容部30cとを接続する接続部30bとを有する。第1ファン収容部30aには第1ファン36が収容される。第2ファン収容部30cには第2ファン37が収容される。接続部30bは、第1ファン収容部30aと第2ファン収容部30cとの間を接続するように奥行方向DDに延びるように形成されている。
【0021】
接続部30bは例えば複数設けられる。接続部30bは、例えば第1ケーシング31に1つ設けられ、第2ケーシング32に2つ設けられる。第1ケーシング31に設けられた接続部30bは、例えば幅方向WDにおいて第1ファン収容部および第2ファン収容部よりも小さい寸法を有している。第1ケーシング31に設けられた接続部30bは、第1ケーシング31の幅方向WDにおける略中央で、上下方向における上部に設けられている。第1ケーシング31に設けられた接続部30bは、第1ブラケット33の上端における幅方向WDの中央に形成された切欠き部と嵌合する。第2ケーシング32に設けられた2つの接続部30bは、第2ケーシング32の幅方向WDにおける一端側と他端側に1つずつ設けられている。第1ファン収容部30aと第2ファン収容部30cとの間には、モータ35が配置される。3つの接続部30bは、モータ35と干渉しない位置に形成されている。
【0022】
ケーシング30は、第1ファン収容部30aの内部に空気を吸い込む第1吸込口300aと、第2ファン収容部30cの内部に空気を吸い込む第2吸込口300cとを有する。第1吸込口300aは、ケーシング30の奥行方向DDにおける手前側の面に形成される開口である。第1吸込口300aは、蒸発器21に隣接して設けられ、蒸発器21を通過した空気を吸い込むことができる。ケーシング30は、第1吸込口300aが形成された面から突出するように第1吸込口300aの周囲に形成されている凸条部30dを有する。凸条部30dは、その端部が第1吸込口300aが形成されている面よりも蒸発器21に近接するように設けられている。凸条部30dは、蒸発器21を通過した空気が第2吸込口300cへと流れることを抑制するフレームである。
【0023】
第2吸込口300cは、奥行方向DDにおいて第2ファン収容部30cの第1ファン収容部30aに近い側の面に形成される開口である。すなわち、第1ファン収容部30aと第2ファン収容部30cは、どちらも奥行方向DDにおいて手前側から奥側に空気が向かうように吸い込む。第2吸込口は、凝縮器24を通過した空気を吸い込む。
【0024】
ケーシング30は、第1ファン36により送風される空気を吹き出す第1吹出口310と、第2ファン37により送風される空気を吹き出す第2吹出口311とを有する。第1吹出口310は、上面板11の第1開口部と連通している。第2吹出口311は、上面板11の第2開口部11bと連通している。
【0025】
ケーシング30は、上下方向に2分割された構造を有する。第1ケーシング31は、ケーシング30の2分割されたうちの上部である。第2ケーシング32は、ケーシング30の2分割されたうちの下部である。ケーシング30は、第1ケーシング31と第2ケーシング32とが互いに嵌合することで一体となっている。ケーシング30は、上下方向において略等分されて第1ケーシング31と第2ケーシング32に分割されている。第1ケーシング31と第2ケーシング32は、モータ35を軸方向に交差する方向から挟むように向かい合う。第1ケーシング31と第2ケーシング32は、ケーシング30がモータ35の軸方向と交差する方向に2分割された一方と他方である。ケーシング30は、内部に気泡が分散するように発泡成形された合成樹脂である発泡性樹脂で形成されている。このため、ケーシング30は、発泡性樹脂の有する断熱性により、比較的結露の発生が抑制される構成となっている。また、ケーシング30は、発泡性樹脂で形成されていることにより比較的軽量に構成されている。
【0026】
第1ケーシング31は、第1ファン36によって送風された空気が吹き出す第1吹出口310を有する。第1吹出口310は、第1ケーシング31の第1ファン収容部30aを構成する部分に形成される。第1吹出口310は、例えば空気がケーシング30内から上方に向かって吹き出すように、第1ケーシング31の上部の面に形成されている開口である。第1吹出口310は、上面板11の第1開口部と連通している。第1吹出口310から吹き出された空気は、第1開口部を通過して、ダクト40から冷房対象の人や物等に対して吹き出される。第1ケーシング31は、第2ファン37によって送風された空気が吹き出す第2吹出口311を有する。第2吹出口311は、第1ケーシング31の第2ファン収容部30cを構成する部分に形成される。第2吹出口311は、例えば第1吹出口310と同様に、空気がケーシング30内から上方に向かって吹き出すように第1ケーシング31の上部の面に形成されている開口である。第2吹出口311は、上面板11の第2開口部11bと連通している。第2吹出口311から吹き出された空気は、第2開口部11bを通過して筐体10の外部へと吹き出される。
【0027】
第1ケーシング31は、
図9に示すように、ケーシング30の第2ファン収容部30cを構成する部分に、第2ケーシング32と嵌合する第1嵌合部315を有する。第1嵌合部315は、第2ファン収容部30cを構成する部分における第2吸込口300cの一部が形成された壁部と奥行方向DDで対向する壁部に形成されている。第1嵌合部315は、複数の凸部315aと複数の凹部315bとが2列互い違いに並んでいる。すなわち、第1嵌合部315は、幅方向に凸部315aと凹部315bが交互に並ぶ列が、壁部の厚み方向に隣接して2列形成されている。そして、一方の列における凸部315aと凹部315bの並びは、他方の列における凸部315aと凹部315bの並びと互い違いになっている。凸部315aは、特許請求の範囲における第1凸部に相当し、凹部315bは、特許請求の範囲における第1凹部に相当する。
【0028】
第2ケーシング32は、第2ブラケット34との一体成形品である。例えば、第2ケーシング32は、インサート成形によって金属製の第2ブラケット34と一体成形されている。第2ケーシング32は、
図10に示すように、ケーシング30の第2ファン収容部30cを構成する部分に、第1ケーシング31の第1嵌合部315と嵌合する第2嵌合部325を有する。第2嵌合部325は、複数の凸部325aと複数の凹部325bとが第1嵌合部315と同様に2列互い違いに並んでいる。すなわち、第2嵌合部325は、幅方向WDに凸部325aと凹部325bが交互に並ぶ列が、第2ファン収容部30cを構成する部分における第2吸込口300cの一部が形成された壁部と奥行方向DDで対向する壁部の厚み方向に隣接して2列形成されている。そして、一方の列における凸部325aと凹部325bの並びは、他方の列における凸部325aと凹部325bの並びと互い違いになっている。さらに、第2嵌合部325の凸部325aは、第1嵌合部315側の凹部315bと嵌合するように設けられている。第2嵌合部325の凹部325bは、第1嵌合部315側の凸部315aと嵌合するように設けられている。
【0029】
すなわち、第1嵌合部315と第2嵌合部325との嵌合部分は、
図11に示すように、第2ファン収容部30cの内側において第1嵌合部315の凹部315bと第2嵌合部325の凸部325aとが嵌合し、第1ファン収容部30aの外側において第1嵌合部315の凸部315aと第2嵌合部の凹部325bとが嵌合する部分を有する。さらに、第1嵌合部315と第2嵌合部325との嵌合部分は、
図12に示すように、第2ファン収容部30cの内側において第1嵌合部315の凸部315aと第2嵌合部325の凹部325bとが嵌合し、これと奥行方向DDで隣接して第2ファン収容部30cの外側において第1嵌合部315の凹部315bと第2嵌合部325の凸部325aとが嵌合する。凸部325aは、特許請求の範囲における第2凸部に相当し、凹部325bは、特許請求の範囲における第2凹部に相当する。
【0030】
第1嵌合部315と第2嵌合部325との嵌合により、第2ファン収容部30cにおける第2吸込口300cが形成された壁部と奥行方向DDで対向する壁部は、送風される空気が漏れることを効果的に抑制することができる。例えば幅方向WDの全体にわたって連続した凸部と、連続した凹部による嵌合の場合と比較して、第1嵌合部315と第2嵌合部325との嵌合は、凸部と凹部とが交互に並んでいるため、歪み等の影響による隙間の大きさが抑制されやすい。
【0031】
ブラケットは、モータ35のフランジ部35cと固定されている。ブラケットは、ケーシング30と固定されている。ブラケットは、筐体10と固定されている。ブラケットは、モータ35を筐体10およびケーシング30に対して固定するための部材である。ブラケットは、上下方向に2分割されたうちの上部である第1ブラケット33と、上下方向に2分割された内の下部である第2ブラケット34とを有する。第1ブラケット33および第2ブラケット34は、例えば金属製の板材から形成されている。
【0032】
第1ブラケット33は、モータ35のフランジ部35cの上部と固定されてモータ35と一体に結合されている。第1ブラケット33は、ネジ等の締結具によってフランジ部35cに固定されている。第1ブラケット33は、幅方向WDおよび上下方向VDに平行に広がる板状部330を有する。第1ブラケット33は、板状部330の上端に、板状部330に対して屈曲した上端屈曲部33aを有する。上端屈曲部33aは、板状部330に対して略直角に屈曲している。したがって、上端屈曲部33aは、幅方向WDおよび奥行方向DDに平行に広がる板状の部分である。
図6に示すように、上端屈曲部33aは、その幅方向WDの端部にて2つの側面板12、13のそれぞれの折曲部12a、13aに固定される。上端屈曲部33aは、折曲部12a、13aの上面に載置された状態で固定されている。上端屈曲部33aは、例えばネジ等の締結具によって折曲部12a、13aに固定される。上端屈曲部33aは、側面板12、13の奥行方向DDにおける中央にて固定される。したがって、第1ブラケット33は、一対の側面板12、13の奥行方向DDにおける中央に橋渡ししている。上端屈曲部33aは、特許請求の範囲における上部固定部に相当する。
【0033】
第1ブラケット33は、板状部330の幅方向WDにおける両端に、板状部330に対して屈曲した側端屈曲部33bを有する。側端屈曲部33bは、板状部330に対して略直角に屈曲している。したがって、側端屈曲部33bは、奥行方向DDおよび上下方向VDに平行に広がる板状の部分である。側端屈曲部33bは、
図6に示すように2つの側面板12、13のそれぞれの内面に固定されている。側端屈曲部33bは、例えばネジ等の締結具によって固定されている。なお、
図6では側面板13側の側端屈曲部33bのみ透視して図示している。側端屈曲部33bは、特許請求の範囲における側面固定部に相当する。
【0034】
第1ブラケット33は、板状部330の下端に、板状部330に対して屈曲した下端屈曲部33cを有する。下端屈曲部33cは、板状部330に対して略直角に屈曲している。したがって、下端屈曲部33cは、幅方向WDおよび奥行方向DDに平行に広がる板状の部分である。下端屈曲部33cは、第2ブラケット34に対して、例えばネジ等の締結具によって固定されている。
【0035】
第2ブラケット34は、モータ35のフランジ部35cの下部と固定されてモータ35と一体に結合されている。第2ブラケット34は、ネジ等の締結具によってフランジ部35cに固定されている。第2ブラケット34は、幅方向WDおよび上下方向VDに平行に広がる板状部340を有する。第2ブラケット34は、板状部340の上端に、板状部340に対して屈曲した上端屈曲部34aを有する。上端屈曲部34aは、板状部340に対して略直角に屈曲している。したがって、上端屈曲部34aは、幅方向WDおよび奥行方向DDに平行に広がる板状の部分である。上端屈曲部34aは、その上面が第1ブラケット33の下端屈曲部33cの下面と接触した状態で下端屈曲部33cと固定されている。第2ブラケット34は、第2ケーシング32と一体成形されて第2ケーシング32に対して固定されている。
【0036】
送風ユニット3は、例えば以下の工程により組み立てられる。すなわち、
図13に示すように、第1ケーシング31と、第2ブラケット34および第2ケーシング32の一体成形品と、回転軸35aの両端に2つのファン36、37が取り付けられるとともにフランジ部35cに第1ブラケット33が固定されたモータ35とを準備する。次に、第2ブラケット34の上端屈曲部34aと、第1ブラケット33の下端屈曲部33cとを固定する。次に、モータ35の下部を収容した状態の第2ケーシング32に、第1ケーシング31を上方から嵌合させて取り付ける。以上により、送風ユニット3を組み立てることができる。組み立てられた送風ユニット3は、側面板12、13の折曲部12a、13a、および内面に第1ブラケット33が固定されることで、筐体10に対して取り付けられる。
【0037】
次に第1実施形態の冷房送風装置1がもたらす作用効果について説明する。第1実施形態の冷房送風装置1は、蒸発器21と凝縮器24と圧縮機23と送風ユニット3とを筐体10内に有し、蒸発器21を通過した空気を送風ユニット3によって外部に送風する。送風ユニット3は、蒸発器21を通過した空気を送風する第1ファン36と、凝縮器24を通過した空気を送風する第2ファン37とを備える。送風ユニット3は、第1ファン36が一端側に接続され、第2ファン37が他端側に接続された回転軸35aを有し、第1ファン36および第2ファン37を回転駆動するモータ35を備える。送風ユニット3は、モータ35と一体に結合されて筐体10に固定されているブラケットであって、モータ35の軸方向に交差する方向に2分割されたうちの一方である第1ブラケット33と、他方である第2ブラケット34とを有するブラケットを備える。送風ユニット3は、第1ファン36および第2ファン37を収容し、ブラケットと固定されるケーシング30を備える。ケーシング30は、発泡性樹脂により形成され、モータ35の軸方向に交差する方向に2分割されたうちの一方である第1ケーシング31と、他方である第2ケーシング32とを有する。
【0038】
これによれば、モータ35の軸方向に交差する方向に分割された第1ケーシング31と第2ケーシング32とによって、第1ファン36、第2ファン37、モータ35およびブラケットを一体的に収容することができる。これにより、簡素な構成の送風装置を提供することができる。また、ケーシング30が発泡性樹脂で形成されているため、送風装置の断熱性を確保することができる。以上により、断熱性能を確保しつつ簡素な構成の冷房送風装置1を提供することができる。
【0039】
筐体10は、幅方向WDにおいて向かい合う一対の側面板12、13を有する。第1ブラケット33は、一対の側面板12、13の中央において、奥行方向DDにおける中央に橋渡しする部材であり、一対の側面板12、13のそれぞれの上端に載せた状態で固定される上端屈曲部33aを有する。これによれば、第1ブラケット33の上端屈曲部33aによって、送風ユニット3を側面板12の上端から吊るすようにして固定できる。したがって、送風ユニット3をより安定して筐体10に対して固定することができる。
【0040】
第1ブラケット33は、側面板12、13の内面に固定される側端屈曲部33bを有する。これによれば、第1ブラケットを側面板の側面においても固定できるため、送風ユニット3をより安定して筐体10に対して固定することができる。
【0041】
第2ブラケット34は、第2ケーシング32と一体成形されている。これによれば、第2ブラケット34と第2ケーシング32とを、一体成形品として提供できるため、送風ユニット3の組み立て工数を低減することができる。
【0042】
モータ35は、回転軸35aを保持するロータと、ロータを収容する円筒状のモータケースとを有し、モータケースは、外周面において径外方向に突出するフランジ部35cを有する。第1ブラケット33および第2ブラケット34は、モータ35を上方と下方から挟み込んだ状態でフランジ部35cにそれぞれ固定されてモータ35と一体に結合されている。
【0043】
これによれば、モータ35を第1ブラケット33および第2ブラケット34に組み付ける際に、上下方向VDに組み付けることができる。したがって、送風ユニット3の組み立てにおいて、第1ケーシング31、第2ケーシング32、第1ブラケット33、第2ブラケット34、モータ35を、同じ組み立て方向で組み立てることができる。これにより、より簡単に送風ユニット3を組み立てることができる。
【0044】
ケーシング30は、第1ファン36を収容する第1ファン収容部30aと、第2ファン37を収容する第2ファン収容部30cと、を有する。第1ケーシング31は、第2ファン収容部30cにおいて第2ケーシング32と嵌合する部分である第1嵌合部315を有し、第2ケーシング32は、第2ファン収容部30cにおいて第1嵌合部315と嵌合する第2嵌合部325を有する。第1嵌合部315は、2列互い違いに並ぶ複数の凸部315aと複数の凹部315bとを有する。第2嵌合部325は、2列互い違いに並ぶ複数の凸部325aと、複数の凹部325bとを有する。凸部315aは凹部325bと嵌合し、凹部315bは、凸部325aと嵌合する。
【0045】
これによれば、第1ケーシング31と第2ケーシング32とを、凸部と凹部によって互い違いに嵌合させることができるため、送風される空気がこの嵌合部分からケーシング30外部に漏れることを抑制することができる。例えば嵌合している部分に歪みが発生した場合であっても歪みによって第1嵌合部と第2嵌合部との間の隙間が大きくなることを抑制することができる。
【0046】
(他の実施形態)
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
【0047】
上述の実施形態において、第2ブラケット34は第2ケーシング32と一体成形されている。これに代えて、第2ブラケット34と第2ケーシング32とが別部品として成形され、ネジ等の固定具によって固定される構成であってもよい。
【0048】
上述の実施形態において、第1ブラケット33が筐体10と固定されるとしたが、第2ブラケット34が筐体10と固定される構成であってもよい。
【0049】
上述の実施形態において、冷房送風装置1は、車輪部70によって使用者が所望の場所に容易に移動できる構成であるとした。これに代えて、冷房送風装置は、車輪部70を有さない所謂据え置き型の装置であってもよい。