(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6848617
(24)【登録日】2021年3月8日
(45)【発行日】2021年3月24日
(54)【発明の名称】無線通信システム
(51)【国際特許分類】
H04W 72/02 20090101AFI20210315BHJP
H04W 72/08 20090101ALI20210315BHJP
H04W 4/38 20180101ALI20210315BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20210315BHJP
【FI】
H04W72/02
H04W72/08
H04W4/38
H04W72/04 132
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-72822(P2017-72822)
(22)【出願日】2017年3月31日
(65)【公開番号】特開2018-174497(P2018-174497A)
(43)【公開日】2018年11月8日
【審査請求日】2020年1月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 亮司
(72)【発明者】
【氏名】副島 健治
【審査官】
▲高▼木 裕子
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2014/119284(WO,A1)
【文献】
特開平09−107322(JP,A)
【文献】
特開2004−235910(JP,A)
【文献】
特開2006−277353(JP,A)
【文献】
特表2014−500693(JP,A)
【文献】
鄭 立 RITSU TEI,スマートセンサ無線ネットワーク 第1版 Smart-Sensor Wireless Network,株式会社リックテレコム 翅 力,2012年 8月15日,第1版,第89-102頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線親機及び無線子機を有する無線通信システムであって、
前記無線親機は、連続する複数のチャネルの電波を同時に受信する受信手段と、前記複数のチャネルの電波を択一的に前記無線子機に送信する送信手段と、前記送信手段の電波のチャネルを前記無線子機から送信された電波の周波数に基づいて選択する選択手段と、を有し、
前記無線子機は、前記複数のチャネル電波を択一的に前記無線親機に送信する送信手段と、当該送信するチャネルに妨害電波が検出されたとき、当該送信手段の電波のチャネルを他のチャネルに切り替える切り替え手段と、を有する、
無線通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載された通信システムにおいて、
前記無線子機は、前記連続する複数のチャネルのうちの1つの中央のチャネルを自身の送信手段の電波の初期設定チャネルとする、通信システム。
【請求項3】
請求項2に記載された通信システムにおいて、
前記切り替え手段は、初期設定されたチャネルで妨害が検出されたとき、その隣接チャネルに切り替える、通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線親機からの呼出に応答して、無線子機がガス、水道等の検針データを無線親機へ送信し、無線親機は受信した検針データをセンタ装置へネットワーク経由で伝送するようにした検針データ収集システムに用いて好適な無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、公衆回線を利用して、ガスメータ等の検針データを遠隔地のセンタ装置で自動収集する検針データ収集システムが実用化されている。このシステムとして、各家庭のガスメータ等に近接して設置され、メータの計測値(検針データ)を特定小電力無線により送信する無線子機と、その無線子機から送信された計測値を受信し、その計測値を公衆回線経由でセンタ装置へ伝送する無線親機とを備えたものがある(特許文献1参照)。
【0003】
このような検針データ収集システムでは、センタ装置からの定期的な検針要求を受信した無線親機が無線子機に対し検針データの送信を要求するが、無線子機が電池駆動の場合は、無線子機の消費電力を節約するために無線子機を間欠駆動させる。即ち、所定時間(例えば1〜60sec)毎に一定時間(例えば1〜500msec)だけ無線子機の無線通信手段に電力供給を行い、無線親機からの呼出信号(検針データの送信要求)の有無をチェックし、呼出信号を確認したときのみ間欠駆動を解除して、メータ値の計測及び送信を行う。ここで、呼出信号の有無のチェックは、まず使用しているチャネル内の無線キャリアの存在の有無を判定し、存在した場合にその無線キャリアを復調して自分宛のIDが含まれているか否かを判定する処理を行う。一定時間内に、無線親機からの呼出信号が確認されなかった場合には、次の所定時間が来る迄、無線通信手段への給電を停止する。これにより、無線子機における電池の長寿命化が可能になる。
【0004】
また、このような検針データ収集システムにおいて、無線通信システムを構成する無線親機−無線子機間の特定小電力無線の無線通信は、所定の周波数帯域内に設けられた複数のチャネルの中から1つのチャネルを選択して運用している。また、複数の無線通信システムが隣接している場合、無線通信システム毎に使用するチャネルを異ならせ、混信しないようにしている。
【0005】
また、このような無線通信システムにおいて、ノイズや隣接する無線通信システム等からの妨害電波の影響により、通信障害が発生したときは、影響を受けない他のチャネルに切り替えることが行われている。また、切り替え作業の手間を省くため、運用開始時より複数の設定チャネルを順次自動的に切り替えて使用するマルチチャネルでの動作も行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4026069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したチャネル(以下、chと表記することがある)の切り替えは、低出力の無線通信システムであれば、端末の設置範囲が狭い(例えば無線親機から半径100〜200m)ため、チャネル切り替え作業時の作業者の移動距離は短い。また、設置範囲が狭いことから、全端末が同じ妨害電波を受けている場合が多く、全端末に対する単純なチャネル切り替え(例えば5chを8chに変更する)で妨害を回避することができる。
【0008】
しかし、高出力の無線通信システムでは、端末間の設置距離が数km程度と離れているため、作業者の移動距離が長いという問題だけでなく、各端末に影響を与えているノイズや妨害電波の周波数が共通でない場合があり、全端末に対する単純なチャネルの切り替えでは影響を回避できないという問題もある。
【0009】
また、上述したマルチチャネルでの動作の場合、常にマルチチャネルで動作するため、ノイズや他の無線通信システムからの妨害電波の影響がないときでも、複数のチャネルでの通信動作(チャネル切り替え毎に必要な無線子機−無線親機間のやりとり)を行うため、単独チャネルでの動作に比べ、動作時間及び消費電力が増加してしまうという問題がある。
【0010】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、無線親機及び無線子機を有する無線通信システムにおいて、無線子機が妨害電波の影響を受けても、無線親機及び無線子機のそれぞれの設置場所でのチャネル変更作業を不要にし、かつ動作時間及び消費電力の増加を防止できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る無線通信システムは、無線親機及び無線子機を有する無線通信システムであって、前記無線親機は、連続する複数のチャネルの電波を同時に受信
する受信手段と、前記複数のチャネルの電波を
択一的に前記無線子機に送信
する送信手段と、
前記送信手段の電波のチャネルを前記無線子機から送信された電波の周波数に基づいて選択する選択手段と、を有し、前記無線子機は、前記複数のチャネルの電波を
択一的に前記無線親機に送信する送信手段と、当該
送信するチャネルに妨害電波が検出されたとき、当該送信手段の電波のチャネルを他のチャネルに切り替える切り替え手段と、を有する、無線通信システムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、無線親機及び無線子機を有する無線通信システムにおいて、無線子機が妨害電波の影響を受けても、無線親機及び無線子機のそれぞれの設置場所でのチャネル変更作業を不要にし、かつ動作時間及び消費電力の増加を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。
【
図4】無線親機の動作を示すフローチャートである。
【
図5】無線子機の動作を示すフローチャートである。
【
図6】無線通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
〈無線通信システムの構成〉
図1は、本発明の実施形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。
図示のように、この無線通信システムは無線親機1と、複数(ここでは4台)の無線子機2a〜2dとを備えている。無線親機1と無線子機2a〜2dとは特定小電力無線3を用いて通信を行う。なお、無線親機1は、図示しない携帯電話回線などの公衆回線を介してセンタ装置に接続され、無線子機2a〜2dにはガスメータ等が接続される。ただし、これらは本発明とは直接関係ないため、説明を省略する。また、以下の説明で、無線子機2a〜2dを区別しない場合は無線子機2とする。
【0015】
〈無線親機の構成〉
図2は、無線親機1の構成を示すブロック図である。
無線親機1は、この無線親機全体の制御等を行う制御部11と、それぞれが制御部11に接続された送受信部12、記憶部13、表示部14、及び操作入力部15を備えており、送受信部12にはアンテナ16が接続されている。
【0016】
制御部11は、例えばマイクロプロセッサ及びその周辺回路等で構成され、無線親機全体の制御や演算処理等を行う。ここでは、制御部11が記憶部13に格納されているプログラムやデータを処理することにより実現される手段として、子機チャネル判定手段11a及び送信チャネル選択手段11bを図示した。これらの手段の詳細については後述する。
【0017】
送受信部12は、無線子機2に対し、アンテナ16により特定小電力無線を用いたデータ送受信を行う。ここでは、920MHz帯の高出力(例えば250mW)で送信する。また、920MHzの標準規格(ARIB STD−T108)では、周波数の連続する単位チャネルを最大5つ同時に使用することが許容されているので、本実施形態でも5つの単位チャネル(ここでは、(X−2)〜(X+2)chとする)を同時に受信するように構成した。
【0018】
また、送受信部12は、アンテナ16で受信された無線子機2からの電波の周波数を検出し、周波数データとして制御部11内の子機チャネル判定手段11aに供給するように構成されている。子機チャネル判定手段11aは、入力された周波数データに基づいて、無線子機2の使用チャネルが上記5つの単位チャネルのどれであるのかを判定する。後に詳述するように、無線子機2の使用チャネルの初期設定値は(X−2)〜(X+2)chの中央のXchであるが、Xchに妨害電波が検出されたときに切り替えられる。この子機チャネルの判定結果は、後述する記憶部13内の子機チャネル管理テーブル13bに格納され、送受信部12が無線子機2に送信する電波のチャネルを選択する送信チャネル選択手段11bで使用される。
【0019】
記憶部13は、ROMなど不揮発性メモリ、フラッシュメモリ等の書換え可能な不揮発性メモリ、RAM等の揮発性メモリからなる。そして、ROMには無線親機1を動作させるために必要な制御プログラムが格納されている。また、RAMには制御部11が実行中の各プログラムや、それらの実行に必要な情報が格納される。また、書換え可能な不揮発性メモリには、各種設定データなどが格納される。
【0020】
ここでは、親機チャネル管理テーブル13a及び子機チャネル管理テーブル13bを図示した。親機チャネル管理テーブル13aには、予め上述した5つの単位チャネルが登録されている。また、子機チャネル管理テーブル13bには、初期設定値としてXchが格納され、その後、子機チャネル判定手段11aの判定結果により更新される。ここでは、子機2a,2b,2c,2dの単位チャネルが、それぞれXch,Xch,(X+1)ch,(X−1)chの状態を表している。
【0021】
表示部14は、LED等で構成されており、無線親機1の動作状態等を表示するユーザI/Fである。操作入力部15は、ボタンやスイッチ等からなり、無線親機1に対する所定の設定を入力するためのユーザI/Fである。
【0022】
〈無線子機の構成〉
図3は、無線子機2の構成を示すブロック図である。
無線子機2は、この無線子機全体の制御等を行う制御部21と、それぞれが制御部21に接続された送受信部22、記憶部23、表示部24、及び操作入力部25を備えており、送受信部22にはアンテナ26が接続されている。
【0023】
制御部21は、例えばマイクロプロセッサ及びその周辺回路等で構成され、無線親機全体の制御や演算処理等を行う。ここでは、制御部21が記憶部23に格納されているプログラムやデータを処理することにより実現される手段として、妨害検出手段21a及びチャネル選択手段21bを図示した。これらの手段の詳細については後述する。
【0024】
送受信部22は、無線親機1に対し、アンテナ26から特定小電力無線を用いたデータ送受信を行う。ここでは、920MHz帯の高出力(例えば250mW)で送信する。また、周波数の連続する5つの単位チャネル(ここでは、(X−2)〜(X+2)chとする)のうち、1つを選択して使用する。
【0025】
また、送受信部22は、アンテナ26で受信された妨害電波を制御部21内の妨害検出手段21aに供給するように構成されている。妨害検出手段21aの検出結果は送受信部22が送受信に使用する電波のチャネルを選択するチャネル選択手段21bで使用される。
【0026】
記憶部23は、ROMなど不揮発性メモリ、フラッシュメモリ等の書換え可能な不揮発性メモリ、RAM等の揮発性メモリからなる。そして、ROMには無線子機2を動作させるために必要な制御プログラムが格納されている。また、RAMには制御部21が実行中の各プログラムや、それらの実行に必要な情報が格納される。また、書換え可能な不揮発性メモリには、各種設定データなどが格納される。
【0027】
ここでは、使用可能チャネル設定テーブル23a及び使用チャネル設定テーブル23bを図示した。使用可能チャネル設定テーブル23aには、送受信部22での送受信に使用可能な(X−2)〜(X+2)chが予め設定されており、使用チャネル設定テーブル23bには使用中のチャネルが格納される。この使用チャネル設定テーブルの初期設定値はXchであり、その後、チャネル選択手段21bで選択されたチャネルに更新される。ここでは、Xchを使用中であることを表している。
【0028】
表示部24は、LED等で構成されており、無線親機1の動作状態等を表示するユーザI/Fである。操作入力部25は、ボタンやスイッチ等からなり、無線親機1に対する所定の設定を入力するためのユーザI/Fである。
【0029】
〈無線親機及び無線子機の動作〉
以上の構成を有する無線通信システムの動作について、無線親機1の動作フロー、無線子機2の順に説明する。
【0030】
《無線親機の動作》
図4は、無線親機1の動作を示すフローチャートである。
まず初期設定をXチャネル(例えば5チャネル)として、子機チャネル管理テーブル13bを作成し(ステップST1)、待機状態となる(ステップST2)。
【0031】
無線子機2からの受信時は、送受信部12は(X−2)〜(X+2)chからなる5単位チャネルを同時に受信し(ステップST3)、子機チャネル判定手段11aが受信電波の中心周波数より、無線子機2の単位チャネルを特定する(ステップST4)。
【0032】
そして、特定した単位チャネルで無線子機2と通信し(ステップST5)、通信が終了したら(ステップST6)、通信チャネルが初期設定されたXチャネルであるか否かを判断する(ステップST7)。
【0033】
通信チャネルがXチャネルであったときは(ステップST7:Yes)、そのまま待機状態に移行し、Xチャネルでなかったときは(ステップST7:No)、子機チャネル管理テーブル13bを更新し(ステップST8)、待機状態に移行する。
【0034】
無線子機2へ送信時は、相手子機の単位チャネルを子機チャネル管理テーブル13bから読み出し(ステップST9)、送信チャネル選択手段11bでその単位チャネルを選択し、無線子機2と通信を行い(ステップST10)、通信終了となる(ステップST11)。
【0035】
《無線子機の動作》
図5は、無線子機2の動作を示すフローチャートである。
まず使用チャネル設定テーブル23bの初期設定をXチャネル(例えば5チャネル)とし(ステップST21)、待機状態となる(ステップST22)。
【0036】
無線親機1からの受信時は、現在の設定チャネルで受信する(ステップST23)。そして、現在の設定チャネルで通信し(ステップST24)、通信終了となる(ステップST25)。
【0037】
無線親機1への送信時は、現在の設定チャネルでキャリアチェックを実施し(ステップST26)、ノイズが検出されたか否かを判断する(ステップST27)。ノイズが検出されなければ(ステップST27:No)、現在の設定チャネルで通信し(ステップST28)、通信終了となる(ステップST29)。ノイズが検出された場合は(ステップST27:Yes)、設定チャネルを変更し(ステップST30)、ステップST26に移行する。
【0038】
〈無線通信システムの動作〉
図6は、無線通信システムの動作を示すシーケンス図である。ここでは、5つの連続する単位チャネルを3〜7チャネルとし、初期設定チャネルを5チャネルとした場合について説明する。
【0039】
無線親機1と無線子機2a〜2dとの間の5チャネルにノイズ等の妨害がなく、子機2a〜2dの単一チャネルの初期設定を5チャネルとして運用を開始する(シーケンスS1)。このときの子機チャネル管理テーブル13bを下記の表1に示す。
【0041】
無線親機1は、3〜7チャネルで同時に待ち受け(シーケンスS2)、無線子機2aとの間で5チャネルを使用して通信を行う(シーケンスS3)。その後、無線子機2aは、5チャネルで妨害が検出され、6チャネルに切り替えたため(シーケンスS4)、無線親機1と無線子機2aとは6チャネルで通信を行っている(シーケンスS5)。このときの子機チャネル管理テーブル13bを下記の表2に示す。
【0043】
無線親機1は、無線子機2dとの間で初期設定されたチャネルである5チャネルを使用して通信を行っている(シーケンスS6)。その後、無線子機2dは、5チャネルで妨害が検出され、6チャネルに切り替えても妨害が検出されたため、4チャネルに切り替えている(シーケンスS7)。無線親機1と無線子機2dとは4チャネルで通信を行っている(シーケンスS8)。このときの子機チャネル管理テーブル13bを下記の表3に示す。
【0045】
無線子機2b及び2cでは、初期設定以来妨害が検出されていないため、無線親機1は、無線親機2b及び2cとは、初期設定された5チャネルで通信している(シーケンスS9、S10)。
【0046】
以上詳細に説明したように、本発明の実施形態に係る無線通信システムには下記(1)〜(3)の特徴がある。
(1)920MHz帯について、ARIB STD−T108では、最大5つまでの単位チャネルを同時に使用してよいという規定を無線親機1の受信動作時のみに適用し、最大5単位チャネルを同時動作させる。これにより、無線子機2は設定された最大5つの同時使用チャネルのうち、ノイズや他システムの影響を受けていない1つのチャネルを選択して送信を行い、無線親機1は同時使用チャネルのうち、受信したのがどのチャネルであるのかを周波数検出機能を使用して特定し、そのチャネルで返送することで、親子間の無線通信を成立させることができる。つまり、通信システム内の全端末が同一のチャネルを使用していなくても、予め設定された最大5チャネルの中であれば、どのチャネルを使用しても親子間で通信が可能となる。
(2)全ての端末がノイズや他システムの妨害を受けていない共通で使用可能な同一チャネルを探す必要がなくなり、かつ、距離が離れた各端末の設置場所を回ってチャネル切り替え作業を行わなくてよくなる。このため、通信復旧のために運用の一時停止が不要となる。
(3)同時チャネル使用による受信を行うことで、1チャネル分の受信動作時間で最大5チャネル分の受信動作が可能となり、従来のマルチチャネル方式に比べて消費電力を抑えることができる。
【符号の説明】
【0047】
1…無線親機、2,2a〜2d…無線子機、12,22…送受信部、11a…子機チャネル判定手段、11b…送信チャネル選択手段、21a…妨害検出手段、21b…チャネル選択手段。