(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0024】
また、本明細書および図面において、実質的に同一または類似の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なる数字を付して区別する場合がある。ただし、実質的に同一または類似の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。また、異なる実施形態の類似する構成要素については、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合がある。ただし、類似する構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
【0025】
以下に説明する、本発明の実施形態は、金融機関等のコールセンタ業務において、応対に対する顧客からのクレームを減少させる施策に関するものである。以下の説明においては、当該コールセンタは、電話を介した通話により応対を行う形態を有するものとして説明するが、本発明の実施形態はこのような形態に限定されるものではなく、オペレータがテレビ電話によって応対を行うビデオテラーマシーンを用いた形態であってもよい。
【0026】
<<第1の実施形態>>
以下に説明する本発明の第1の実施形態においては、過去のバーチャルオペレータによる応対でクレームの発生率の高い(もしくは、クレームが有った)用件については、二次受付先としてオペレータを選択し、クレームの発生を減少させる。まずは、本実施形態に係る顧客応対システム1の概要について説明する。
【0027】
<顧客応対システム1の概要>
図1を参照して、本実施形態に係る顧客応対システム1の概要を説明する。
図1は、本実施形態に係る顧客応対システム1の概要を説明するための説明図である。
図1に示すように、顧客応対システム1には、一次受付先としてのバーチャルオペレータ800a、及び、二次受付先としてのバーチャルオペレータ800b又はオペレータ802a、802bが含まれる。まず、顧客応対システム1においては、公衆回線40を介して通話によりコールセンタに問い合わせを行った顧客804に対しては、一次受付先としてのバーチャルオペレータ800aが対応を行う。次に、顧客応対システム1においては、一次受付先のバーチャルオペレータ800aが、顧客804が所望する用件等をヒアリングし、当該ヒアリングに基づいて、二次受付先としてバーチャルオペレータ800b又はオペレータ802a、802bを選択する。そして、バーチャルオペレータ800aが選択した二次受付先のバーチャルオペレータ800b又はオペレータ802a、802bが、上記顧客の応対を引き継ぐ。なお、本実施形態においては、一次受付先として、バーチャルオペレータ800aではなく自動応答IVR(音声自動応答装置)を用いることも可能である。また、
図1においては、2人のオペレータ802a、802bを図示しているが、本実施形態に係る顧客応対システム1においては、2以上の複数のオペレータ802が含まれる。
【0028】
<顧客応対システム1の詳細構成>
以上、本実施形態に係る顧客応対システム1の概要を説明した。次に、本実施形態に係る顧客応対システム1の詳細構成について、
図2を参照して説明する。
図2は、本実施形態に係る顧客応対システム1のシステム構成図である。
図2に示すように、本実施形態に係る顧客応対システム1は、コールセンタサーバ(顧客応対装置)10及びオペレータ端末20を主に含む。詳細には、顧客応対システム1は、公衆回線40を介して顧客804の通信デバイス30(例えば、携帯電話、固定電話、スマートフォン等)からの通話を受信する。以下に、本実施形態に係る顧客応対システム1に含まれる各装置について説明する。
【0029】
(コールセンタサーバ10)
コールセンタサーバ10は、顧客804に対するバーチャルオペレータ800又はオペレータ802による応対を確立するための装置であり、一次受付先又は二次受付先のバーチャルオペレータ800として顧客804に対して応対を行う機能や、二次受付先のオペレータ802に応対を振り分ける機能を持つ。なお、コールセンタサーバ10の詳細については、後述する。
【0030】
(オペレータ端末20)
オペレータ端末20は、オペレータ802が顧客804に対して応対するための装置である。詳細には、オペレータ端末20は、例えば、用件を処理するための情報を表示するディスプレイ(図示省略)、コールセンタサーバ10に接続するためのネットワークインターフェース(図示省略)、及び、キーボード、マウス等の、オペレータ802がオペレータ端末20に入力操作を行うための入力装置(図示省略)等を有する。さらに、オペレータ端末20は、オペレータ802が顧客804と対話するためのヘッドセット(図示省略)等をさらに有する。従って、オペレータ802は、オペレータ端末20のディスプレイ及びヘッドセットを用いて、顧客804に対して通話による応対を行うことができる。
【0031】
<コールセンタサーバ10の詳細構成>
以上、本実施形態に係る顧客応対システム1の詳細を説明した。次に、
図3及び
図4を参照して、本実施形態に係るコールセンタサーバ10の詳細構成を説明する。
図3は、本実施形態に係るコールセンタサーバ10の機能ブロック図である。
図4は、本実施形態に係るデータ蓄積部106に格納される用件別クレーム発生率(クレーム状況)の一例を示す説明図である。
図3に示すように、コールサンタサーバ10は、表示部100、制御部102、メモリ部104、データ蓄積部106、AI対話処理部(機械応対処理部)108、用件取得部110、判定部112、及びオペレータ切替部114を主に有する。以下に、コールセンタサーバ10の各機能部について説明する。
【0032】
(表示部100)
表示部100は、コールセンタサーバ10の表示装置として機能し、さらにコールセンタサーバ10に対して操作を行う際の入力装置としての機能を有する。詳細には、表示部100の表示装置としての機能は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置により実現される。また、表示部100の入力装置としての機能は、例えばタッチパネルにより実現される。なお、本実施形態においては、表示装置及び入力装置は、表示部100として一体のユニットとして設けられていてもよく、それぞれ別個のユニットとして設けられていてもよい。
【0033】
(制御部102)
制御部102は、コールセンタサーバ10全体の動作を制御する機能を有し、例えば、演算処理を行う。詳細には、制御部102は、コールセンタサーバ10内に設けられた、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のハードウェアを中心に構成されている。
【0034】
(メモリ部104)
メモリ部104は、後述するデータ蓄積部106から情報を読み込み、演算処理等に利用するために一時的に情報を格納する機能を有する。メモリ部104は、例えばRAM等により構成される。
【0035】
(データ蓄積部106)
データ蓄積部106は、過去にコールセンタサーバ10のAI応対機能(バーチャルオペレータ800)により処理した用件毎ごとの応対に関する情報が格納されている。例えば、データ蓄積部106は、
図4に示すような、バーチャルオペレータ800による応対に対する、用件別のクレーム発生率が格納されている。詳細には、
図4に示される情報は、過去に二次受付先としてバーチャルオペレータ800が応対を行った際に顧客804からのクレームが発生した発生率を、処理した用件別に算出したものである。例えば、
図4の例においては、顧客804の用件が「相続に関する相談」、「投資信託の売買」、「口座開設」であった場合には、クレーム発生率が0%より大きいことから、バーチャルオペレータ800による応対に対してクレームが挙げられていることを意味する。一方、顧客804の用件が、口座の「残高照会」、「金利問い合わせ」、各種取引の「手数料の問い合わせ」であった場合には、クレーム発生率が0%であるから、バーチャルオペレータ800による応対に対してクレームが挙げられていないことを意味する。なお、クレーム発生率は、コールセンタサーバ10の稼動中において取得された情報に基づき算出され、新たな情報の取得の度にクレーム発生率が更新される。また、データ蓄積部106は、クレーム発生率以外の情報を格納していてもよく、他の例については後述する。そして、データ蓄積部106は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等により構成される。
【0036】
(AI対話処理部108)
AI対話処理部108は、顧客804に対する応対を、AIを活用して行う機能を有し、すなわち、バーチャルオペレータ800として機能する。例えば、AI対話処理部108は、顧客804の発話音声を、音声認識エンジンを利用して解析し、顧客804の所望する用件等を認識する。さらに、AI対話処理部108は、認識結果を基づいて、バーチャルオペレータ800が行うべき処理を検討し、検討結果に基づいて、音声合成エンジンを利用して顧客804に対する応答音声を合成し、合成音声を顧客804に向けて出力する。この際、AI対話処理部108は、音声処理エンジンにより顧客804の発話音声からノイズ除去等を行ってもよい。なお、AIとしては、一般的に知られているアルゴリズムを用いたAIを用いることができ、本実施形態においては特に限定されるものではない。また、AI対話処理部108は、コールセンタサーバ10内に設けられた、CPU、ROM、RAM等のハードウェアを中心に構成されている。
【0037】
さらに、AI対話処理部108により行われた応対についての情報(音声情報等)は、音声データのまま、もしくは、一部又は全体をテキスト情報に変換して、上述のデータ蓄積部106に格納されてもよい。また、
図3においては、制御部102とAI対話処理部108とを別個の機能部として示しているが、本実施形態においては、このような形態に限定されるものではなく、AI対話処理部108は制御部102に含まれていてもよい。
【0038】
(用件取得部110)
用件取得部110は、顧客804の発話音声を、音声認識エンジンを利用して解析し、顧客804の所望する用件を認識する。さらに、用件取得部110は、認識した用件に紐づけられた情報をデータ蓄積部106から取得する。詳細には、用件取得部110は、顧客804が所望する用件として「残高照会」を認識した場合には、データ蓄積部106から「残高照会」に紐づけられたクレーム発生率(
図4参照)を取得する。当該用件取得部110は、コールセンタサーバ10内に設けられた、CPU、ROM、RAM等のハードウェアを中心に構成されている。なお、用件取得部110の機能の一部は、上述のAI対話処理部108によって行われてもよい。また、
図3においては、制御部102と用件取得部110とを別個の機能部として示しているが、本実施形態においては、このような形態に限定されるものではなく、用件取得部110は制御部102に含まれていてもよい。
【0039】
(判定部112)
判定部112は、用件取得部110が取得した用件に紐づけられた情報に基づき、二次受付先としてバーチャルオペレータ800又はオペレータ802を選択する。詳細には、判定部112は、用件取得部110が取得した用件に紐づけられたクレーム発生率(
図4参照)を所定の閾値と比較して、クレーム発生率が高いと判定した場合(もしくは、クレームが有ると判定した場合)には、二次受付先としてオペレータ802を選択する。一方、判定部112は、上記所定の閾値に比べてクレーム発生率が低いと判定した場合(もしくは、クレームが無いと判定した場合)には、二次受付先としてバーチャルオペレータ800を選択する。当該判定部112は、コールセンタサーバ10内に設けられた、CPU、ROM、RAM等のハードウェアを中心に構成されている。なお、
図3においては、制御部102と判定部112とを別個の機能部として示しているが、本実施形態においては、このような形態に限定されるものではなく、判定部112は制御部102に含まれていてもよい。
【0040】
(オペレータ切替部114)
オペレータ切替部114は、上述の判定部112の選択(判定結果)に基づいて、顧客804の対応の二次受付先をバーチャルオペレータ800又はオペレータ802に切り替える。詳細には、オペレータ切替部114は、判定部112が二次受付先としてオペレータ802を選択した場合には、顧客804からの通話をオペレータ端末20のいずれかに接続する。一方、オペレータ切替部114は、判定部112が二次受付先としてバーチャルオペレータ800を選択した場合には、顧客804からの通話に対してAI対話処理部108が応対する状態を維持する。なお、オペレータ切替部114は、コールセンタサーバ10内に設けられた、CPU、ROM、RAM等のハードウェアを中心に構成されている。なお、
図3においては、制御部102とオペレータ切替部114とを別個の機能部として示しているが、本実施形態においては、このような形態に限定されるものではなく、オペレータ切替部114は制御部102に含まれていてもよい。
【0041】
<顧客応対方法>
以上、本発明の第1の実施形態に係る顧客応対システム1の詳細構成及びコールセンタサーバ10の詳細構成について説明した。次に、本発明の第1の実施形態に係る顧客応対方法について、
図5を参照して説明する。
図5は、本実施形態に係る顧客応対方法のフローチャート図である。
図5に示すように、本実施形態に係る顧客応対方法には、ステップS101からステップS109までの複数のステップが含まれている。以下に、本実施形態に係る顧客応対方法の各ステップの詳細を説明する。
【0042】
(ステップS101)
コールセンタサーバ10は、顧客804からの通話を受け付け、一次受付先としてAI対話処理部108によるバーチャルオペレータ800が、顧客804が所望する用件の内容等をヒアリングする。
【0043】
(ステップS103)
コールセンタサーバ10は、上述のステップS101でヒアリングした内容に基づき、顧客804が所望する用件に関する情報を取得する。例えば、コールセンタサーバ10は、顧客804が所望する用件としてヒアリング内容から「残高照会」を認識した場合には、「残高照会」を所望する用件として取得する。さらに、コールセンタサーバ10は、取得した用件に紐づけられた情報を、データ蓄積部106から取得する。例えば、コールセンタサーバ10は、「残高照会」に紐づけられたクレーム発生率(
図4参照)を取得する。なお、コールセンタサーバ10は、上述のステップS101でヒアリングした内容に基づき、顧客804が外国語を話していることを認識した場合には、一次受付先又は二次受付先のバーチャルオペレータ800の発話する言語を、認識した上記外国語に変えてもよい。
【0044】
(ステップS105)
コールセンタサーバ10は、取得した用件に紐づけられた情報に基づき、バーチャルオペレータ800による応対が可能かどうかを判定し、二次受付先としてバーチャルオペレータ800又はオペレータ802を選択する。例えば、コールセンタサーバ10は、ステップS103で取得したクレーム発生率を所定の閾値と比較して、上記閾値に比べてクレーム発生率が低いと判定した場合(もしくは、クレームが無いと判定した場合)には、バーチャルオペレータ800による応対が可能と判定し、ステップS107へ進む。一方、コールセンタサーバ10は、クレーム発生率を所定の閾値と比較して、上記閾値に比べてクレーム発生率が高いと判定した場合(もしくは、クレームが有ると判定した場合)には、バーチャルオペレータ800による応対が可能でないと判定し、ステップS109へ進む。
【0045】
(ステップS107)
コールセンタサーバ10は、顧客804の通話に対して、二次受付先としてAI対話処理部108が応対する状態を維持する。その後、コールセンタサーバ10は、処理を終了する。
【0046】
(ステップS109)
コールセンタサーバ10は、着信待ち状態のオペレータ端末20のいずれかに、顧客804の通話を接続する。その後、コールセンタサーバ10は、処理を終了する。この際に、コールセンタサーバ10は、用件に関連する情報(オペレータ802が処理を行うために用いる資料等)を接続するオペレータ端末20のディスプレイ(図示省略)に自動的に表示してもよい。このようにすることで、用件処理のために顧客804を待たせる時間を減らし、顧客804へのサービス向上につなげることができる。
【0047】
以上のように、本実施形態によれば、過去のバーチャルオペレータ800による応対でクレームの発生率が高い用件については、二次受付先としてオペレータ802を選択することから、バーチャルオペレータ800の応対によるクレームの発生を減少させることができる。
【0048】
また、上述の説明においては、顧客804が所望する用件は、顧客804の発話音声を解析することにより取得するものとして説明したが、本実施形態においてはこれに限定されるものではなく、顧客804が通信デバイス30に対して行った所定の操作(所定のキーを押す等)を受けつけることにより、取得してもよい。
【0049】
<クレーム発生率の取得について>
本実施形態においては、用件毎のクレーム発生率に基づいて、二次受付先を変えていた。そこで、以下に、本実施形態におけるクレーム発生率の取得の一例について説明する。クレーム発生率は、AI対話処理部108により行われた応対中に得られた情報に基づきその都度、算出され、情報更新される。従って、コールセンタサーバ10は、バーチャルオペレータ800の応対中におけるクレームの発生を検知して、検知したクレーム状況を取得するデータ取得部(図示省略)を有していてもよい。
【0050】
例えば、AI対話処理部108は、顧客804の発話音声を、音声認識エンジンを利用して解析し、所定のNGワード(例えば、「クレーム」「面倒」「担当者に代われ」等)が抽出された場合には、データ取得部(図示省略)は、クレームの発生を検知し、検知した情報をデータ蓄積部106に蓄積する。また、データ取得部は、顧客804の発話のスピードの変化、声色の変化(音声周波数の変化)によって、クレームの発生を検知してもよい。さらに、コールセンタサーバ10が、テレビ電話によって顧客804への応対を行うビデオテラーマシーンであった場合には、データ取得部は、顧客804の表情、視線、リアクション(顧客804の身体の一部又は全体の動き)の撮像画像を顧客804側に設けられた撮像装置(図示省略)で取得し、取得した撮像画像を解析することにより、クレームの発生を検知してもよい。また、顧客804の有する通信デバイス30に各種センサ(発汗センサ、心拍センサ等の生体情報センサや、顧客804の動きを検知するモーションセンサ等)(図示省略)が設けられていた場合には、データ取得部は、各種センサによるセンシングデータを取得、解析して、クレームの発生を検知してもよい。さらに、データ取得部は、顧客804が通信デバイス30に対して行った、クレームを意図する所定の操作(所定のキーを押す等)を受けつけることにより、クレームの発生を検知してもよい。
【0051】
また、先に説明したように、AI対話処理部108により行われた応対についての情報は、データ蓄積部106に格納されることから、後日、格納された情報を取り出して、人により、当該情報を解析して、クレームの発生の有無を判断してもよい。人により判断された結果も、上述と同様に、データ蓄積部106に格納してもよい。
【0052】
<変形例>
さらに、本実施形態においては、用件毎のクレーム発生率に基づいて二次受付先を変えるのではなく、例えば、金銭の移動の有無に基づいて、二次受付先を変えてもよい。詳細には、金銭の移動が伴う用件(例えば、振込等)については、金銭の移動があることから応対によっては顧客804の不満が生じやすく、クレームの発生につながりやすい。さらに、金融機関等においては、当然のことながら、金銭の移動に伴う取引については、慎重に取り扱うべきものである。そこで、本変形例においては、このような金銭の移動が伴う用件については、二次受付先としてオペレータ802を選択し、オペレータ802による、慎重、且つ、丁寧な対応を行うようにする。このようにすることで、本変形例は、クレームの発生を避けつつ、金融機関等に対する顧客804からの信頼を高く維持することも期待できる。コールセンタに電話をかけてきた相手が犯罪を試みようとしている犯罪者であった場合には、オペレータ802が応対することによって犯罪者に対して心理的な威圧感を生じさせ、犯罪を未然に防ぐ効果も期待できる。従って、本変形例においては、犯罪につながる金銭の移動に伴う取引については、二次受付先としてオペレータ802を選択する。
【0053】
<<第2の実施形態>>
上述の第1の実施形態においては、用件毎のクレーム発生率に基づいて二次受付先を変えていた。しかしながら、本実施形態においては、クレーム発生率ではなく、他の情報を用いて、二次受付先を変えてもよい。以下に説明する本発明の第2の実施形態においては、過去のバーチャルオペレータ800による応対でクレームを挙げた顧客804については、二次受付先としてオペレータ802を選択し、クレームの発生を減少させる。さらに、本実施形態においては、過去のバーチャルオペレータ800による応対で用件完結率が低い用件についても、二次受付先としてオペレータ802を選択する。このような選択を行うことで、本実施形態によれば、クレームの発生を減少させることができる。なお、ここで、用件完結率とは、バーチャルオペレータ800によって応対した場合に、顧客804が所望する用件がバーチャルオペレータ800の応対のみで完了した割合を示す指標である。なお、バーチャルオペレータ800の応対が、用件は完了する前にオペレータ802の応対に変わった場合には、バーチャルオペレータ800の応対により用件が完了していないこととなる。以下に、このような本実施形態を説明する。
【0054】
なお、以下の説明においては、第1の実施形態と異なる点のみを説明し、第1の実施形態と共通する点については、説明を省略する。具体的には、本実施形態においては、顧客応対システム1の詳細については、第1の実施形態と共通するため、説明を省略する。
【0055】
<コールセンタサーバ10aの詳細構成>
まずは、
図6から
図9を参照して、本実施形態に係るコールセンタサーバ10aの詳細について説明する。
図6は、本実施形態に係るコールセンタサーバ10aの機能ブロック図である。
図7は、本実施形態に係るデータ蓄積部106に格納される用件完結率の一例を示す説明図である。
図8は、本実施形態に係るデータ蓄積部106に格納される顧客番号の一例を示す説明図である。
図9は、本実施形態に係るデータ蓄積部106に格納されるクレーム状況の一例を示す説明図である。
図6に示すように、コールセンタサーバ10aは、表示部100、制御部102、メモリ部104、データ蓄積部106、AI対話処理部108、用件取得部110a、判定部112a、及びオペレータ切替部114を主に有し、さらに、顧客情報取得部116を有する。以下の説明においては、第1の実施形態と共通していない、用件取得部110aと、判定部112aと、顧客情報取得部116とについて説明する。
【0056】
(用件取得部110a)
用件取得部110aは、顧客804の発話音声を、音声認識エンジンを利用して解析し、顧客804の所望する用件を認識する。さらに、用件取得部110は、認識した用件に紐づけられた情報として、データ蓄積部106から用件別の用件完結率を取得する。例えば、データ蓄積部106は、
図7に示すように、用件毎に、用件がバーチャルオペレータ800の応対のみで完了した用件完結率を格納している。
【0057】
(判定部112a)
判定部112aは、後述する顧客情報取得部116が取得した顧客識別情報に紐づけられた情報に基づき、二次受付先としてバーチャルオペレータ800又はオペレータ802を選択する。さらに、判定部112aは、用件取得部110が取得した用件に紐づけられた用件完結率を所定の閾値と比較し、比較結果に基づいて、二次受付先としてバーチャルオペレータ800又はオペレータ802を選択する。
【0058】
(顧客情報取得部116)
顧客情報取得部116は、顧客804の有する通信デバイス30に紐づけられた発信者番号(電話番号)を検知し、電話番号に対応する顧客804を特定する。例えば、データ蓄積部106には、
図8に示されるように、発信者番号に対応する顧客804の顧客番号(顧客識別情報の一例)の一覧が格納されている。顧客情報取得部116は、
図8に示す情報を参照して、発信者番号から顧客804を特定することができる。より具体的には、
図8においては、発信者番号「0901111222」であった場合には、顧客番号「3496634962」の顧客804からの電話であると特定することができる。ここで、顧客番号は、顧客804毎に割り当てられた顧客を識別するための識別情報であり、例えば口座番号等を用いてもよい。なお、本実施形態においては、顧客番号は、
図8に示すような番号形式でなくてもよく、例えば文字等で構成されていてもよい。
【0059】
さらに、顧客情報取得部116は、
図9に示すような、取得した顧客番号、すなわち特定した顧客804に紐づけられたクレーム状況に関する情報をデータ蓄積部106から取得する。例えば、顧客情報取得部116は、過去に二次受付先としてバーチャルオペレータ800が応対を行った際の顧客804からのクレームの有無を、データ蓄積部106から取得する。例えば、
図9においては、顧客番号「3496634962」の顧客804については、過去にバーチャルオペレータ800に対して挙げられたクレームが無かったことを示している。
【0060】
なお、顧客情報取得部116は、コールセンタサーバ10a内に設けられた、CPU、ROM、RAM等のハードウェアを中心に構成されている。なお、
図6においては、制御部102と顧客情報取得部116とを別個の機能部として示しているが、本実施形態においては、このような形態に限定されるものではなく、顧客情報取得部116は制御部102に含まれていてもよい。
【0061】
<顧客応対方法>
以上、本発明の第2の実施形態に係るコールセンタサーバ10aの詳細構成について説明した。次に、本実施形態に係る顧客応対方法について、
図10を参照して説明する。
図10は、本実施形態に係る顧客応対方法のフローチャート図である。
図10に示すように、本実施形態に係る顧客応対方法には、ステップS201からステップS203までの複数のステップが含まれている。以下に、本実施形態に係る顧客応対方法の各ステップの詳細を説明する。
【0062】
(ステップS201)
コールセンタサーバ10aは、
図5に示す、第1の実施形態のステップS101と同様の処理を行う。
【0063】
(ステップS203)
コールセンタサーバ10aは、顧客804から、顧客804の有する通信デバイス30に紐づけられた発信者番号(電話番号)を検知し、データ蓄積部106に格納された発信者番号に対応する顧客804の顧客番号の一覧(
図8参照)から、発信者番号から顧客804を特定する顧客番号を取得する。さらに、コールセンタサーバ10aは、データ蓄積部106に格納された顧客804毎のクレーム状況(
図9参照)から、特定した顧客804の顧客番号に紐づけられたクレーム状況を取得する。
【0064】
(ステップS205)
コールセンタサーバ10aは、バーチャルオペレータ800による応対が可能かどうかを判定し、二次受付先としてバーチャルオペレータ800又はオペレータ802を選択する。例えば、コールセンタサーバ10aは、特定した顧客804の顧客番号に紐づけられたクレーム状況に基づいて、当該顧客804からのバーチャルオペレータ800に対して挙げられたクレームの有無を判定する。コールセンタサーバ10aは、過去に当該顧客804からクレームが挙げられていないと判定した場合には、当該顧客804は、バーチャルオペレータ800による応対が可能として、ステップS207へ進む。一方、コールセンタサーバ10aは、過去に当該顧客804からクレームが挙げられていると判定した場合には、バーチャルオペレータ800による応対が可能でないとして、ステップS213へ進む。
【0065】
(ステップS207)
コールセンタサーバ10aは、
図5の第1の実施形態のステップS103と同様に、上述のステップS201でヒアリングした内容に基づき、顧客804が所望する用件を取得する。さらに、コールセンタサーバ10aは、取得した用件に紐づけられた情報を、データ蓄積部106から取得する。具体的には、コールセンタサーバ10aは、
図7に示される用件完結率の一覧から、顧客804が所望する用件に紐づけられた用件完結率を取得する。
【0066】
(ステップS209)
コールセンタサーバ10aは、取得した用件に紐づけられた情報に基づき、バーチャルオペレータ800による応対が可能かどうかを判定し、二次受付先としてバーチャルオペレータ800又はオペレータ802を選択する。例えば、コールセンタサーバ10aは、ステップS207で取得した用件完結率を所定の閾値と比較して、上記閾値に比べて用件完結率が高いと判定した場合には、バーチャルオペレータ800による応対が可能として、ステップS211へ進む。一方、コールセンタサーバ10aは、用件完結率を所定の閾値と比較して、上記閾値に比べて用件完結率が低いと判定した場合には、バーチャルオペレータ800による応対が可能でないとして、ステップS213へ進む。
【0067】
(ステップS211)
コールセンタサーバ10aは、
図5に示す、第1の実施形態のステップS107と同様の処理を行う。
【0068】
(ステップS213)
コールセンタサーバ10aは、
図5に示す、第1の実施形態のステップS109と同様の処理を行う。
【0069】
以上のように、本実施形態においては、過去のバーチャルオペレータ800による応対でクレームを挙げた顧客804については、二次受付先としてオペレータ802を選択し、クレームの発生を減少させる。さらに、本実施形態においては、過去のバーチャルオペレータ800による応対で用件完結率が低い用件についても、二次受付先としてオペレータ802を選択する。このような選択を行うことで、本実施形態によれば、クレームの発生を減少させることができる。
【0070】
なお、
図9に示す、顧客804毎のクレームの状況は、第1の実施形態で説明したデータ取得部(図示省略)により取得されてもよい。もしくは、顧客804毎のクレームの状況は、金融機関等の担当者等の所見(「この顧客804ならばバーチャルオペレータ800でも応答可能」、「この顧客804はオペレータ802による応答が好ましい」等)に基づいて、作成された情報であってもよい。
【0071】
さらに、上述の実施形態においては、顧客番号等の取得の際に、顧客804の属性情報(年齢、性別等)を併せて取得してもよく、この場合、取得した属性情報に基づいて、一次受付先又は二次受付先としてのバーチャルオペレータ800の応対モードを変化させてもよい。例えば、顧客804が女性である場合には、女性が不安を感じさせないように発話するようにプログラムされているAIを用いたバーチャルオペレータ800が対応するようにしてもよい。
【0072】
<変形例>
なお、上述の実施形態においては、顧客804からの過去のバーチャルオペレータ800による応対に対して挙げられたクレームの有無により、二次受付先を変えるだけでなく、例えば、顧客804毎に蓄積されたバーチャルオペレータ800に対するクレームの発生率に基づいて、二次受付先を変えてもよい。この場合、クレーム発生率が特に高い顧客に対しては、二次受付先としてオペレータ802を選択するだけではなく、応対能力の高い、例えばベテランのオペレータ802を二次受付先とて選択してもよい。また、本変形例においては、コールセンタサーバ10aは、過去のバーチャルオペレータ800による応対の情報を解析し、各顧客804の傾向を機械学習し、機械学習の結果に基づいて、二次受付先を選択してもよい。例えば、顧客804によっては、バーチャルオペレータ800の方が相談しやすいと感じる場合もある。そこで、コールセンタサーバ10aは、このような顧客804の傾向を学習し、学習結果に基づいて二次受付先を選択する。すなわち、本変形例によれば、顧客804毎の傾向を機械学習することにより、顧客804に対するサービスの質をより向上させることができる。
【0073】
さらに、上述の実施形態においては、顧客804からの過去のバーチャルオペレータ800による応対に対して挙げられたクレームの有無により、二次受付先を変えるだけでなく、例えば、顧客804の年齢に基づいて、二次受付先を変えてもよい。このような変形例について、
図11を参照して説明する。
図11は、本実施形態の変形例に係る二次受付先を選択するルールの一例を説明するための説明図であり、詳細には、顧客804の年齢に基づいて、二次受付先として、バーチャルオペレータ800又はオペレータ802のいずれかを選択するかを定めている。例えば、顧客804の年齢が高い場合には、AIによるバーチャルオペレータ800の応対に戸惑いを覚えやすく、従って、クレームの発生につながりやすい。加えて、「振り込め詐欺」の被害者になりやすいことから、このような被害を防ぐために、二次選択先としては、オペレータ802を選択することが好ましい。そこで、本変形例においては、上述のステップS203において、発信者番号により顧客804を特定し、さらに、特定した顧客804の年齢情報をデータ蓄積部106から取得する。そして、コールセンタサーバ10aは、例えば、顧客804の年齢が60歳以上であった場合には、
図11に示すルールに基づき、二次受付先としてオペレータ802を選択する。
【0074】
なお、本変形例においては、データ蓄積部106に格納された情報から、顧客804の年齢を特定するだけでなく、顧客804の発話音声や表情の撮像画像を解析することにより、顧客804の年齢を推定してもよい。さらに、本変形例においては、推定した顧客804の年齢に基づいて、一次受付先又は二次受付先のバーチャルオペレータ800の対応(声質、発話スピード等)を変えてもよい。例えば、顧客804が高齢である場合には、顧客804がバーチャルオペレータ800の発話を聞きとることがたやすくなるように、バーチャルオペレータ800の発話スピードを遅くする。また、本変形例においては、コールセンタサーバ10aは、過去のバーチャルオペレータ800による応対の情報を解析し、どんな年齢の顧客804がクレームを挙げているかを機械学習し、機械学習の結果に基づいて、
図11に示す年齢の閾値等を変更してもよい。
【0075】
さらに、上述した「振り込め詐欺」の被害を予防する観点では、例えば、コールセンタサーバ10aは、顧客804の発話音声に対する解析により、上述のステップS201でヒアリングした内容の中に「振り込め詐欺」に関連するような文言(「損害を与えた」、「息子の会社」等)が含まれていることを検知した場合には、二次受付先としてオペレータ802を選択してもよい。また、コールセンタサーバ10aは、顧客804が、顧客804毎に予め登録されている振込先と異なる振込先に振り込もうとしていること等(すなわち、顧客804がイレギュラーな取引を行おうとしていること)を検知した場合や、予め登録された犯罪に関連していると推定される口座に振り込もうとしていることを検知した場合にも、二次受付先としてオペレータ802を選択してもよい。そして、オペレータ802が、慎重、且つ、丁寧な応対を行うことで、犯罪を未然に予防することができる。
【0076】
<<第3の実施形態>>
上述の第1の実施形態においては、用件毎のクレーム発生率に基づいて二次受付先を変えていた。しかしながら、本実施形態においては、クレーム発生率ではなく、他の情報を用いて二次受付先を変えてもよい。以下に説明する本発明の第3の実施形態においては、取引金額に基づいて二次受付先を変える。取引金額が高い用件(例えば、振込等)については、金額が高いことから、応対によっては顧客804の不満が生じやすく、クレームの発生につながりやすい。さらに、金額が高いことから、当該用件を処理することにより犯罪につながる恐れも高くなる。そこで、以下に説明する本実施形態においては、取引金額が高い用件については、二次受付先としてオペレータ802を選択し、オペレータ802による、慎重、且つ、丁寧な応対を行うようにする。以下に、このような本実施形態を説明する。
【0077】
なお、以下の説明においては、第1及び第2の実施形態と異なる点のみを説明し、第1及び第2の実施形態と共通する点については、説明を省略する。具体的には、本実施形態においては、顧客応対システム1の詳細については、第1の実施形態と共通するため、説明を省略する。
【0078】
<コールセンタサーバ10bの詳細構成>
まずは、
図12を参照して、本実施形態に係るコールセンタサーバ10bの詳細について説明する。
図12は、本実施形態に係るコールセンタサーバ10bの機能ブロック図である。
図12に示すように、コールセンタサーバ10bは、表示部100、制御部102、メモリ部104、データ蓄積部106、AI対話処理部108、用件取得部110a、判定部112b、オペレータ切替部114、及び顧客情報取得部116を主に有する。さらに、コールセンタサーバ10bは、用件詳細情報取得部118を有する。以下の説明においては、第1及び第2の実施形態と共通していない、判定部112bと、用件詳細情報取得部118とについて説明する。
【0079】
(判定部112b)
判定部112bは、第2の実施形態の判定部112aと同様に、顧客情報取得部116が取得した顧客番号に紐づけられた情報及び用件取得部110aが取得した用件に紐づけられた用件完結率に基づいて、二次受付先としてバーチャルオペレータ800又はオペレータ802を選択する。さらに、判定部112bは、後述する用件詳細情報取得部118により取得した、顧客804が所望する用件の詳細情報、例えば、取引金額の情報を所定の閾値と比較し、比較結果に基づいて、二次受付先としてバーチャルオペレータ800又はオペレータ802を選択する。
【0080】
(用件詳細情報取得部118)
用件詳細情報取得部118は、上述した用件取得部110と同様に、顧客804の発話音声を、音声認識エンジンを利用して解析し、顧客804の所望する用件の詳細情報を取得する。具体的には、用件詳細情報取得部118は、顧客804が所望する用件の取引金額に関する情報を取得する。なお、用件取得部110は、コールセンタサーバ10内に設けられた、CPU、ROM、RAM等のハードウェアを中心に構成されている。また、用件詳細情報取得部118の機能の一部は、上述のAI対話処理部108によって行われてもよい。なお、
図12においては、制御部102と用件詳細情報取得部118とを別個の機能部として示しているが、本実施形態においては、このような形態に限定されるものではなく、用件詳細情報取得部118は制御部102に含まれていてもよい。
【0081】
<顧客応対方法>
以上、本発明の第3の実施形態に係るコールセンタサーバ10bの詳細構成について説明した。次に、本実施形態に係る顧客応対方法について、
図13及び
図14を参照して説明する。
図13は、本実施形態に係る顧客応対方法のフローチャート図である。
図14は、本実施形態の変形例に係る二次受付先を選択するルールの一例を説明するための説明図であり、詳細には、用件別に、取引金額に対して設定された閾値が示されている。
図13に示すように、本実施形態に係る顧客応対方法には、ステップS301からステップS317までの複数のステップが含まれている。以下に、本実施形態に係る顧客応対方法の各ステップの詳細を説明する。
【0082】
(ステップS301)
コールセンタサーバ10bは、
図5に示す、第1の実施形態のステップS101と同様の処理を行う。
【0083】
(ステップS303)
コールセンタサーバ10bは、
図10に示す、第2の実施形態のステップS203と同様の処理を行う。
【0084】
(ステップS305)
コールセンタサーバ10bは、
図10に示す、第2の実施形態のステップS205と同様の処理を行う。なお、コールセンタサーバ10bは、過去に顧客804からクレームが挙げられていないと判定した場合には、当該顧客804はバーチャルオペレータ800による応対が可能とし、ステップS307へ進む。一方、コールセンタサーバ10bは、これまで当該顧客804からクレームが挙げられていると判定した場合には、当該顧客804はバーチャルオペレータ800による応対が可能でないとして、ステップS317へ進む。
【0085】
(ステップS307)
コールセンタサーバ10bは、
図10に示す、第2の実施形態のステップS207と同様の処理を行う。
【0086】
(ステップS309)
コールセンタサーバ10bは、
図10に示す、第2の実施形態のステップS307と同様の処理を行う。具体的には、コールセンタサーバ10bは、用件完結率を所定の閾値と比較して、上記閾値に比べて用件完結率が高いと判定した場合には、バーチャルオペレータ800による応対が可能として、ステップS311へ進む。一方、コールセンタサーバ10bは、用件完結率を所定の閾値と比較して、上記閾値に比べて用件完結率が低いと判定した場合には、バーチャルオペレータ800による応対が可能でないとして、ステップS317へ進む。
【0087】
(ステップS311)
コールセンタサーバ10bは、ステップS301でヒアリングした内容に基づき、顧客804が所望する用件の取引金額を取得する。例えば、コールセンタサーバ10bは、顧客804が所望する取引金額としてヒアリング内容から「30万円」の情報を取得する。
【0088】
(ステップS313)
コールセンタサーバ10bは、
図14に示すような用件別に取引金額に対して設定された閾値を取得した取引金額と比較する。例えば、
図14においては、「振込」に対しては「20万円」と閾値が設定されていることから、コールセンタサーバ10は、ステップS311で取得した取引金額「30万円」を閾値「20万円」と比較する。そして、コールセンタサーバ10bは、上記取引金額を上記閾値と比較して、上記閾値に比べて上記取引金額が低いと判定した場合には、バーチャルオペレータ800による応対が可能として、ステップS315へ進む。一方、コールセンタサーバ10bは、上記取引金額を上記閾値と比較して、上記閾値に比べて上記取引金額が高いと判定した場合には、バーチャルオペレータ800による応対が可能でないとして、ステップS317へ進む。
【0089】
(ステップS315)
コールセンタサーバ10bは、
図5に示す、第1の実施形態のステップS107と同様の処理を行う。
【0090】
(ステップS317)
コールセンタサーバ10bは、
図5に示す、第1の実施形態のステップS109と同様の処理を行う。
【0091】
以上のように、本実施形態においては、取引金額が高い用件については、バーチャルオペレータ800で対応可能な顧客804又は用件であっても、二次受付先としてオペレータ802を選択する。そして、本実施形態においては、当該顧客804に対して、オペレータ802による、慎重、且つ、丁寧な応対を行うようにする。従って、本実施形態によれば、クレームの発生を減少させることができる。
【0092】
なお、本実施形態においては、
図14に示される閾値は固定されている値であってもよく、もしくは動的に変化させてもよい。
【0093】
また、上述の説明においては、顧客804が所望する用件における取引金額の情報は、顧客804の発話音声を解析することにより取得するものとする。しかしながら、本実施形態においては、これに限定されるものではなく、顧客804が通信デバイス30に対して行った所定の操作(所定のキーを押す等)を受けつけることにより、取得してもよい。
【0094】
<<第4の実施形態>>
これまで説明した実施形態においては、顧客804や用件に関する情報に基づいて、二次受付先を変えていた。しかしながら、本実施形態においては、顧客804や用件に関する情報だけでなく、他の情報に基づいて二次受付先を変えてもよい。以下に説明する本発明の第4の実施形態においては、オペレータ802の状況に基づいて二次受付先を変化させる。より具体的には、本実施形態においては、コールセンタサーバ10cが、着信待ち状態のオペレータ802が存在しない又は少ないことを検知した場合には、二次受付先としてバーチャルオペレータ800を選択する。このようにすることで、着信待ちの状態のオペレータ802が存在しない又は少ないことに起因して顧客804を長く応対待ちにさせることを避け、長い応対待ちによるクレームの発生を減少させることができる。以下に、このような本実施形態を説明する。
【0095】
なお、以下の説明においては、第1から第3の実施形態と異なる点のみを説明し、第1から第3の実施形態と共通する点については、説明を省略する。具体的には、本実施形態においては、顧客応対システム1の詳細については、第1の実施形態と共通するため、説明を省略する。
【0096】
<コールセンタサーバ10cの詳細構成>
まずは、
図15を参照して、本実施形態に係るコールセンタサーバ10cの詳細について説明する。
図15は、本実施形態に係るコールセンタサーバ10cの機能ブロック図である。
図15に示すように、コールセンタサーバ10cは、表示部100、制御部102、メモリ部104、データ蓄積部106、AI対話処理部108、用件取得部110、判定部112c、及びオペレータ切替部114を主に有する。さらに、コールセンタサーバ10cは、オペレータ情報取得部120を有する。以下の説明においては、第1から第3の実施形態と共通していない、判定部112cと、オペレータ情報取得部120とについて説明する。
【0097】
(判定部112c)
判定部112bは、第1の実施形態の判定部112と同様に、用件取得部110が取得した用件に紐づけられたクレーム発生率を所定の閾値と比較して、比較結果に基づいて、二次受付先を選択する。さらに、判定部112cは、後述するオペレータ情報取得部120により取得した、各オペレータの状況、例えば、着信待ちの状態のオペレータ802の人数の情報に基づいて、二次受付先としてバーチャルオペレータ800又はオペレータ802を選択する。
【0098】
(オペレータ情報取得部120)
オペレータ情報取得部120は、コールセンタサーバ20に接続されたオペレータ端末20の稼動状況から、着信待ちの状態のオペレータ802の人数の情報を取得する。また、オペレータ情報取得部120は、コールセンタサーバ10c内に設けられた、CPU、ROM、RAM等のハードウェアを中心に構成されている。
図15においては、制御部102とオペレータ情報取得部120とを別個の機能部として示しているが、本実施形態においては、このような形態に限定されるものではなく、オペレータ情報取得部120は制御部102に含まれていてもよい。さらに、オペレータ情報取得部120は、着信待ちの状態のオペレータ802のオペレータ端末20から、当該オペレータ802の応対スキルのレベルや、応対可能な用件等を取得してもよい。また、オペレータ情報取得部120は、着信待ちの状態のオペレータ802の身体の一部に生体情報を取得する生体センサ(図示省略)が装着されていた場合には、当該生体センサからのセンシングデータを取得し、当該オペレータ802の状態(疲れている、焦っている、落ち着いている)等を推定してもよい。このような当該オペレータ802の応答スキルのレベルの情報や精神状態等の情報は、二次受付先として複数のオペレータ802の中から一人のオペレータ802を選択する際に用いることができる。
【0099】
<顧客応対方法>
以上、本発明の第4の実施形態に係るコールセンタサーバ10cの詳細構成について説明した。次に、本実施形態に係る顧客応対方法について、
図16を参照して説明する。
図16は、本実施形態に係る顧客応対方法のフローチャート図である。
図16に示すように、本実施形態に係る顧客応対方法には、ステップS401からステップS413までの複数のステップが含まれている。以下に、本実施形態に係る顧客応対の各ステップの詳細を説明する。
【0100】
(ステップS401)
コールセンタサーバ10cは、
図5に示す、第1の実施形態のステップS101と同様の処理を行う。
【0101】
(ステップS403)
コールセンタサーバ10cは、
図5に示す、第1の実施形態のステップS103と同様の処理を行う。
【0102】
(ステップS105)
コールセンタサーバ10cは、
図5に示す、第1の実施形態のステップS105と同様の処理を行う。詳細には、コールセンタサーバ10cは、クレーム発生率を所定の閾値と比較して、上記閾値に比べてクレーム発生率が低いと判定した場合には、バーチャルオペレータ800による応対が可能として、ステップS411へ進む。一方、コールセンタサーバ10cは、クレーム発生率を所定の閾値と比較して、上記閾値に比べてクレーム発生率が高いと判定した場合には、バーチャルオペレータ800による応対が可能でないとして、ステップS407へ進む。
【0103】
(ステップS407)
コールセンタサーバ10cは、コールセンタサーバ10cに接続されたオペレータ端末20の稼動状況から、オペレータ802に関する情報として、着信待ちの状態のオペレータ802の人数の情報を取得する。
【0104】
(ステップS409)
コールセンタサーバ10cは、ステップS407で取得した着信待ちの状態のオペレータ802の人数の情報に基づき、オペレータ802による応対が可能かどうかを判定し、二次受付先としてバーチャルオペレータ800又はオペレータ802を選択する。例えば、コールセンタサーバ10cは、着信待ちの状態のオペレータ802が存在する場合には、オペレータ802による応対が可能と判定し、ステップS413へ進む。一方、コールセンタサーバ10cは、着信待ちの状態のオペレータ802が存在する場合には、オペレータ802による応対が可能でないと判定し、ステップS411へ進む。
【0105】
(ステップS411)
コールセンタサーバ10cは、
図5に示す、第1の実施形態のステップS107と同様の処理を行う。
【0106】
(ステップS413)
コールセンタサーバ10cは、
図5に示す、第1の実施形態のステップS109と同様の処理を行う。
【0107】
以上のように、本実施形態においては、クレームの発生を避けるためには、オペレータ802による応対が好ましい用件であっても、顧客804を長く応対待ちにさせる恐れがある場合には、二次受付先としてバーチャルオペレータを選択する。従って、本実施形態によれば、長い応対待ちによるクレームの発生を避けることができる。
【0108】
なお、本実施形態においては、先に説明したように、オペレータ情報取得部120は、各オペレータ802のオペレータ端末20から、該当オペレータ802の応対スキルのレベルや、応対可能な用件等を取得してもよい。このような各オペレータ802の応答スキルのレベルの情報等は、二次受付先として複数のオペレータ802の中から一人のオペレータ802を選択する際の参照データとして用いてもよい。また、オペレータ情報取得部120は、各オペレータ802の身体の一部に生体情報を取得する生体センサ(図示省略)が装着されていた場合には、当該生体センサからのセンシングデータを取得し、各オペレータ802の状態(疲れている、焦っている、落ち着いている)等を推定してもよい。このような各オペレータ802の状態の情報も、二次受付先として複数のオペレータ802の中から一人のオペレータ802を選択する際の参照データとして用いることができる。
【0109】
<変形例>
上述した実施形態の変形例として、コールセンタサーバ10cが、着信待ち状態のオペレータ802が存在しない又は少ないことをオペレータ端末20の稼動状況により検知することができた場合には、検知結果に基づいて、二次受付先を選択する際に用いる閾値を変更してもよい。ここで、二次受付先を選択する際の比較に用いる閾値とは、例えば、
図14に示されるような、取引金額と比較するための閾値のことである。より具体的には、本変形例においては、着信待ち状態のオペレータ802が存在しない又は少ない場合には、オペレータ802の対応数を減らすように、上記閾値を変更する。このようにすることで、本変形例によれば、クレームの発生を避けつつ、オペレータ802のワークフォースを好適に管理することができる。なお、以下に説明する本変形例においては、コールセンタサーバ10は、
図15で示される第4の実施形態に係るコールセンタサーバ10cに、
図12で示される第3の実施形態に係る用件詳細取得部118が付加された形態を持つ。また、以下の説明においては、第1から第4の実施形態と異なる点のみを説明し、第1から第4の実施形態と共通する点については、説明を省略する。
【0110】
<顧客応対方法>
次に、本変形例に係る顧客応対方法について、
図14及び
図17を参照して説明する。
図17は、本実施形態の変形例に係る顧客応対方法のフローチャート図である。
図17に示すように、本実施形態に係る顧客応対方法には、ステップS501からステップS519までの複数のステップが含まれている。以下に、本実施形態に係る顧客応対の各ステップの詳細を説明する。
【0111】
(ステップS501)
コールセンタサーバ10は、
図5に示す、第1の実施形態のステップS101と同様の処理を行う。
【0112】
(ステップS503)
コールセンタサーバ10は、
図16に示す、第4の実施形態のステップS407と同様の処理を行う。
【0113】
(ステップS507)
コールセンタサーバ10は、上述のステップS503で取得した着信待ちの状態のオペレータ802の人数の情報を所定の閾値と比較する。コールセンタサーバ10は、着信待ちの状態のオペレータ802の人数が所定の閾値に比べて高い場合には、後述するステップS517で用いる閾値(例えば、
図14に示す取引金額と比較するための閾値)を変更しないことを選択し、ステップS509に進む。一方、コールセンタサーバ10は、着信待ちの状態のオペレータ802の人数が所定の閾値に比べて低い場合には、後述するステップS517で用いる閾値を変更することを選択し、ステップS507に進む。
【0114】
(ステップS507)
コールセンタサーバ10は、
図14に示めす取引金額と比較するための閾値を、所定のルールに従い、高く変更する。このようにすることで、着信待ち状態のオペレータ802が存在しない又は少ない場合には、オペレータ802が対応する対応数を減らすようにすることができる。より具体的には、クレームが発生しやすい特に高い取引金額の応対については、優先的に二次受付先としてオペレータ802を選択し、取引金額が少ない応対については、オペレータ802の繁忙度に基づいて、二次選択先としてオペレータ802を選択する場合を減らす、又は、なくす。このようにすることで、クレームの発生を抑えつつ、オペレータ802のワークフォースを好適に管理することができる。
【0115】
(ステップS509〜S519)
コールセンタサーバ10は、
図13に示す、第3の実施形態のステップS307からステップS317と同様の処理を行う。
【0116】
以上のように、本変形例によれば、オペレータ802の繁忙度に基づいて動的に閾値を変更することにより、クレームの発生を減らしつつ、オペレータ802のワークフォースを好適に管理することができる。
【0117】
<<本実施形態に係るコールセンタサーバ10のハードウェア構成>>
以上、本発明の実施形態について説明した。次に、本実施形態に係るコールセンタサーバ10のハードウェア構成について、
図18を参照して説明する。
図18は、本発明の実施形態に係るコールセンタサーバ10のハードウェア構成を示したブロック図である。
【0118】
図18に示すように、コールセンタサーバ10は、CPU950、ROM952、RAM954、内部バス956、入出力インターフェース958、入力装置960、出力装置962、HDD(Hard Disk Drive)964、ネットワークインターフェース966、ドライブ970及び接続ポート974を有する。
【0119】
(CPU950)
CPU950は、マイクロプロセッサなどのプロセッサにより構成され、演算処理装置および制御装置として、各種プログラムに従ってコールセンタサーバ10内の動作全般を制御する。CPU950は、例えば、上述の制御部102、AI対話処理部108、用件取得部110、判定部112等としての機能を実現する。
【0120】
(ROM952、RAM954)
ROM952は、CPU950が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。また、RAM954は、CPU950の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時格納する。例えば、ROM952及びRAM954は、上述の判定部112において用いるプログラムを格納する。
【0121】
(内部バス956)
内部バス956は、CPUバスなどから構成される。この内部バス956は、CPU950、ROM952、およびRAM954を相互に接続する。
【0122】
(入出力インターフェース958)
入出力インターフェース958は、HDD964、及びネットワークインターフェース966を、内部バス956と接続する。例えばHDD964は、この入出力インターフェース958および内部バス956を介して、RAM954などとの間でデータをやり取りする。
【0123】
(入力装置960)
入力装置960は、コールセンタサーバ10に各種情報等を予め入力するための入力部の一例として構成される。入力装置960は、例えば、ユーザがコールセンタサーバ10へパラメータをあらかじめ入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU950に出力する入力制御回路などから構成されている。
【0124】
(出力装置962)
出力装置962は、コールセンタサーバ10の表示部の一例として構成される。出力装置962は、表示部として、液晶ディスプレイ装置、OLED装置などの表示装置を含む。この表示装置は、例えば、CPU950における処理の状況等を表示する。
【0125】
(HDD964)
HDD(Hard Disk Drive)964は、上述のデータ蓄積部106等としての機能を実現する、データ格納用の装置である。このHDD964は、CPU950が実行するプログラムや各種データを格納することもできる。
【0126】
(ネットワークインターフェース966)
ネットワークインターフェース966は、オペレータ端末20、顧客804の有する通信デバイス30と間で通信を行うための通信デバイス等で構成された通信インターフェースである。
【0127】
(ドライブ970)
ドライブ970は、磁気ディスク、光ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体972のためのリーダライタであり、コールセンタサーバ10に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ970は、装着されているリムーバブル記録媒体972に情報を書き込むことができる。また、ドライブ970は、装着されているリムーバブル記録媒体972に記録されている情報を読み出して、RAM954に出力することもできる。
【0128】
(接続ポート974)
接続ポート974は、外部装置(図示省略)をコールセンタサーバ10に直接接続するためのポートである。接続ポート974は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポート等である。接続ポート974は、接続ポート974に外部装置を接続することにより、コールセンタサーバ10と外部装置との間で各種のデータが交換されうる。
【0129】
以上、本実施形態に係るコールセンタサーバ10のハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。かかる構成は、実施する時々の技術レベルに応じて適宜変更されうる。
【0130】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0131】
また、上述した各実施形態の顧客応対方法における各ステップは、必ずしも記載された順序に沿って処理されなくてもよい。例えば、各ステップは、適宜順序が変更されて処理されてもよい。また、各ステップは、時系列的に処理される代わりに、一部並列的に又は個別的に処理されてもよい。さらに、各ステップの処理方法についても、必ずしも記載された方法に沿って処理されなくてもよく、例えば、他の機能部によって他の方法で処理されていてもよい。
【0132】
さらに、上記の実施形態に係る顧客応対方法の少なくとも一部は、コンピュータを機能させる情報処理プログラムとして、ソフトウェアで構成することが可能であり、ソフトウェアで構成する場合には、これらの方法の少なくとも一部を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の記録媒体に収納し、コールセンタサーバ10等、もしくは、コールセンタサーバ10と接続された他の装置に読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。さらに、これらの方法の少なくとも一部を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。