(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1送電路には、前記飛行体玩具が着陸した状態で前記送電コイルから前記受電コイルへ非接触で所定の大きさの電力を送電することができるように容量値が設定される第1コンデンサを含み、
前記第2送電路には、前記飛行体玩具が空中停止した状態で前記送電コイルから前記受電コイルへ非接触で所定の大きさの電力を送電することができるように容量値が設定される第2コンデンサを含む
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の飛行体玩具の充電システム。
前記第1コンデンサは、前記飛行体玩具が前記充電ステーションに着地しているときの前記送電コイルと前記受電コイルとの間の距離に応じて容量値を変更可能な可変コンデンサである
ことを特徴とする請求項3に記載の飛行体玩具の充電システム。
前記第2コンデンサは、前記飛行体玩具が前記充電ステーション上で空中停止しているときの前記送電コイルと前記受電コイルとの間の距離に応じて容量値を変更可能な可変コンデンサである
ことを特徴とする請求項3に記載の飛行体玩具の充電システム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0011】
===飛行体玩具の充電システム10===
図1、
図2を参照しつつ、飛行体玩具の充電システム10(以下、「飛行体玩具システム10」と称する。)について以下のとおり説明する。
図1は、本実施形態に係る飛行体玩具システム10の一例を示す構成図である。
図2は、本実施形態に係る充電ステーション200と飛行レール300の一例を示す拡大図である。
【0012】
図1に示すように、飛行体玩具システム10は、飛行体玩具100が充電ステーション200で非接触給電されるとともに、所定のルートに沿って飛行する玩具である。なお、飛行体玩具システムは、操作者が飛行体玩具100および充電ステーション200の電源を入れると、飛行体玩具100が自動飛行するとともに、充電ステーション200で飛行体玩具100が非接触給電されるように動作する。そして、
図2に示すように、飛行中の飛行体玩具100は、例えば、充電ステーション200と連結される飛行レール300の赤外線出力部310から出力される赤外線信号を取得することにより、飛行レール300に沿って飛行する。赤外線出力部310は、例えば赤外線LEDなどである。このような飛行体玩具システム10は、飛行体玩具100と、充電ステーション200と、を含んで構成されている。
【0013】
==飛行体玩具100==
図3、
図4、
図5を参照しつつ、飛行体玩具100について以下のとおり説明する。
図3は、本実施形態に係る飛行体玩具システム10の一例を示す回路図である。
図4は、本実施形態に係る飛行体玩具100の一例を示す構成図である。
図5は、本実施形態に係る飛行体玩具100の飛行体制御装置170の一例を示すハードウェア構成図である。
【0014】
飛行体玩具100は、地上に変形自在に設置されている飛行レール300に沿って自律飛行するドローン等のマルチコプターである。このような飛行体玩具100は、
図3、
図4に示すように、電源110と、回転翼120と、モータ130と、受電装置140と、経路認識センサー150と、距離センサー160、飛行体制御装置170と、を含んで構成されている。
【0015】
<<電源110>>
電源110(被充電素子)は、例えば、受電装置140から供給される電力を蓄積するとともに、少なくとも、モータ130、経路認識センサー150および飛行体制御装置170を動作させることができる電力容量を有する蓄電池又はコンデンサである。
【0016】
<<回転翼120>>
回転翼120は、飛行体玩具100が上昇、下降、前進、後進およびホバリングすることができるように、飛行体玩具100の所定の位置(例えばマルチコプターの場合、機体における4個の隅)に設けられている。
【0017】
<<モータ130>>
モータ130は、複数の回転翼120の夫々に対して回転力を伝達する駆動源である。回転翼120の回転軸とモータ130の回転軸とは、直接的に結合されていてもよいし、減速機構(歯車等)を介して間接的に結合されていてもよい。
【0018】
<<受電装置140>>
受電装置140は、充電ステーション200から供給される電力を、電磁界の共鳴現象を利用して受電する装置である。受電装置140は、電源110に該電力を供給する。受電装置140は、飛行体玩具100が充電ステーション200上に着地した状態(以下、「着地状態」と称する。)、又は、飛行体玩具100が充電ステーション200上に空中停止した状態(以下、「ホバリング状態」と称する。)で、充電ステーション200から電力を受電できる。このような受電装置140は、例えば、受電コイル141と、コンデンサ142と、整流回路143と、電圧安定化回路144と、を含み、飛行体玩具100の内部に適切に配置されている。
【0019】
受電コイル141は、導電コイルから発する磁界に共鳴して交流電力を発生させるコイルである。受電コイル141は、固定されたインダクタンス値を有する。受電コイル141は、例えば、リッツ線で形成されて表皮効果の影響を軽減し、アルファ巻きコイルである。受電コイル141は、例えば、導電線を介してコンデンサ142と並列に接続され、整流回路143を介して電源110に並列に接続されている。受電コイル141は、磁界に共鳴するとリッツ線に電流が流れる。なお、受電コイル141は、受電装置140における共鳴周波数を定めるための一要素である。
【0020】
コンデンサ142は、電源110及び受電コイル141とともに受電装置140を形成するコンデンサである。コンデンサ142は、導電線を介して受電コイル141に接続され、導電線を介して受電コイル141とは反対側で整流回路143を介して電源110に接続されている。なお、コンデンサ142は、受電装置140における共鳴周波数を定めるための他の一要素である。コンデンサ142の静電容量は、送電コイル224から受電コイル141に送電される電力が最大となるように、予め設定されている。
【0021】
整流回路143は、受電コイル141及びコンデンサ142の両端に並列に接続されている。整流回路143は、受電コイル141で受電される交流電力を直流電力に変換する。
【0022】
電圧安定化回路144は、整流回路143の出力側において、受電コイル141、コンデンサ142、整流回路143の両端に並列に接続されている。電圧安定化回路144は、整流回路143から出力される直流電力が変動しないように、該直流電力を安定化させる。
【0023】
<<経路認識センサー150>>
経路認識センサー150は、飛行レール300から出力される飛行ルートを示す信号(以下、「経路信号」と称する。)を受信する機能を有する、例えば赤外線センサーである。経路認識センサー150は、経路信号を後述する飛行体制御装置170に出力する。これにより、飛行体制御装置170は、経路信号に基づいて、回転翼120を制御することにより、飛行体玩具100を飛行レール300に沿って飛行させることができる。
【0024】
<<距離センサー160>>
距離センサー160は、飛行体玩具と地上との距離を測定する機能を有する。距離センサー160は、地上との距離を示す信号(以下、「高度信号」と称する。)を飛行体制御装置に送信する。これにより、飛行体玩具は、地上から一定高度で飛行することができる。
【0025】
<<飛行体制御装置170>>
飛行体制御装置170は、飛行体玩具100を飛行経路に沿って飛行させるとともに、飛行体玩具100を充電ステーション200において着地またはホバリングの何れかにより充電させるための制御をする装置である。このような機能を有する飛行体制御装置170は、
図5に示すように、演算処理部171と、記憶部172と、入力部173と、出力部174と、メモリ175と、を含んで構成されている。
【0026】
演算処理部171は、例えばCPUあるいはMPUなどで構成されている。演算処理部171は、メモリ175に格納されているプログラムを読み込むことにより、各種機能を実現する。演算処理部171は、第1認識部171aと、結果受信部171bと、第1判定部171cと、飛行制御部171dと、充電管理部171eと、を有している。演算処理部171は、記憶部172から各種情報を読み出して、上述した各構成要素の処理を実行する。以下、各構成要素の処理について詳細に説明する。
【0027】
第1認識部171aは、充電ステーション200を認識する機能を有する。例えば、第1認識部171aは、入力部173を介して充電ステーション200から赤外線による信号(以下、「通知信号」と称する。)を受信し、出力部174を介して通知信号に基づいて受信したことを知らせる信号(以下、「返答信号」と称する。)を充電ステーション200に送信する。これにより、飛行体玩具100と充電ステーション200との間で通信できる状態が確保される。また、第1認識部171aは、経路認識センサー150から飛行ルートを示す経路信号を取得するとともに、飛行制御部171dに該経路信号を出力する。これにより、飛行体玩具100は、飛行ルートに沿って飛行することができる。
【0028】
結果受信部171b(受信装置)と、充電ステーション200と通信可能になったときに、充電ステーション200から、着地状態で充電するのか、ホバリング状態で充電するのか、についての充電ステーション200の設定状態を示す信号(以下、「認識信号」と称する。)を受信する機能を有する。結果受信部171bは、該認識信号を後述する第1判定部171cに送信する。
【0029】
第1判定部171cは、該認識信号に基づいて、着地状態における充電(以下、「着地充電」と称する。)か、ホバリング状態における充電(以下、「ホバリング充電」と称する。)か、を判定する機能を有する。これにより、充電ステーション200の送電装置220の設定に対応する充電ができる。
【0030】
飛行制御部171dは、第1判定部171cにおける判定結果に基づいて、回転翼120およびモータ130を制御する機能を有する。これにより、充電ステーション200に着地して充電、又は、充電ステーション200上でホバリングして充電できる。さらに、飛行制御部171dは、第1認識部171aから取得する経路信号に基づいて、飛行体玩具100が飛行レール300上を飛行するように、回転翼120およびモータ130を制御する。また、飛行体制御部171dは、距離センサー160から取得する高度信号に基づいて、飛行体玩具100が飛行レール300と一定の距離を保つように、回転翼120およびモータ130を制御する。
【0031】
充電管理部171eは、充電を開始してから飛行体玩具100の電力容量を監視し、電源110の電力容量が満たされたことを確認したことを契機として、飛行体玩具100を飛行させるための信号(以下、「飛行信号」と称する。)を飛行制御部171eに出力する機能を有する。なお、充電管理部171eは、例えば、電源100から充電完了を示す信号を取得することにより、電源110の電力容量が満たされたことを確認する。これにより、電源110の充電が完了したと同時に充電を終えられるため、最短の充電時間で充電できる。
【0032】
また、充電管理部171eは、上記とは異なる機能として、予め定められたホバリング状態で充電する充電時間および着地状態で充電する充電時間とに基づいて、充電時間を決定する機能を有していてもよい。具体的に述べると、充電管理部171eは、例えば、着地充電およびホバリング充電における夫々の充電時間が予め記憶されている記憶部172から、夫々の充電時間に係る時間情報を取得する。充電管理部171eは、該時間情報に対応する所定の充電時間が経過した後に、飛行信号を飛行制御部171dに出力する。これにより、予め定められた充電時間で充電をすればよいため、飛行体玩具100を充電するための制御を簡素化できる。
【0033】
また、充電管理部171eは、上記とは異なる機能として、例えば、飛行体玩具100と充電ステーション200とが通信可能に接続されたときに、飛行体玩具100の電力容量を確認し、該電力容量に基づいて、充電時間を決定する機能を有していてもよい。この場合、記憶部172には該電力容量に対応する充電時間を示す充電時間情報が記憶され、充電管理部171eは記憶部172から該充電時間情報を取得する。充電管理部171eは、該充電時間情報に対応する所定の充電時間を経過した後に、飛行信号を飛行制御部171dに出力する。これにより、着地充電およびホバリング充電の夫々において予め定められる充電時間で充電するよりも、適切な充電時間で飛行体玩具100を充電することができるため、充電時間を短縮することができる。
【0034】
記憶部172は、プログラムや各種情報を記憶する装置である。記憶部172は、例えば、ROM、RAMあるいはフラッシュメモリなどで構成されている。入力部173は、充電ステーション200からは赤外線通信を用いて各種信号が入力され、経路認識センサー150からは所定の信号形式で各種信号が入力されるインターフェイスである。出力部174は、充電ステーション200には赤外線通信を用いて各種信号を出力するインターフェイスである。メモリ175は、演算処理部171が処理するためのプログラムを格納する装置である。メモリ175は、例えば、ハードディスクドライブ、SSDあるいは光学式記憶装置などで構成されている。
【0035】
==充電ステーション200==
図3、
図6、
図7を参照しつつ、充電ステーション200について以下のとおり説明する。
図6は、本実施形態に係る充電ステーション200の一例を示す構成図である。
図7は、本実施形態に係る飛行体玩具100の充電ステーション200の一例を示すハードウェア構成図である。
【0036】
充電ステーション200は、飛行体玩具100に非接触給電するための装置である。隣り合う充電ステーション200は、飛行レール300で連結されている。このような充電ステーション200は、
図6に示すように、切替スイッチ210と、送電装置220と、充電制御装置230と、を含んで構成されている。
【0037】
<<切替スイッチ210>>
切替スイッチ210は、後述する第1送電路225と第2送電路226とを選択的に切り換える手動スイッチである。また、切替スイッチ210は、操作者が操作し易いように、充電ステーション200の露出面に設けられている。切換スイッチは、
図2に示すように、第1補助スイッチ240および第2補助スイッチ250と連動している。具体的に述べると、
図2に示すように、切替スイッチ210が“A”に設定された場合、第1送電路225を形成するように、第1補助スイッチ240は第11接点241に接続され、第2補助スイッチ250は第21接点251に接続される。一方、切替スイッチ210が“B”に設定された場合、第2送電路226を形成するように、第1補助スイッチ240は第12接点242に接続され、第2補助スイッチ250は第22接点252に接続される。
【0038】
また、切替スイッチ210は、第1送電路225を形成しているか、第2送電路226を形成しているか、を示す接点信号を充電制御装置230に出力する。これにより、充電制御装置230は、充電ステーション200が“着地”による充電モードに設定されているか、“ホバリング”による充電モードに設定されているか、を認識できる。
【0039】
<<送電装置220>>
送電装置220は、電磁界の共鳴現象を利用して、受電装置140に対して非接触給電する装置である。ここで、飛行体玩具100が充電ステーション200上に着地している状態における送電装置220と受電装置140との間の距離と、飛行体玩具100が充電ステーション200上でホバリングしている状態における送電装置220と受電装置140との間の距離は異なる。したがって、送電装置220は、夫々の状態に応じて電気的特性を変化させることができるように構成されている。このような送電装置220は、直流電源221と、高周波電源223、送電コイル224と、第1送電路225と、第2送電路226と、を含み、充電ステーション200の内部に適切に配置されている。
【0040】
直流電源221は、直流電力を供給する例えば乾電池である。直流電源221の電力容量は、飛行体玩具システム10の設計において予め定められている。なお、第2送電路226には、直流電源221と直列に接続される補助直流電源222が設けられている。これにより、着地状態およびホバリング状態の夫々に応じて、適当な電力容量の電源が構成される。
【0041】
高周波電源223は、例えば、インバータ機能を有し、直流電源221の直流電流を送電装置220の所望の周波数の交流電流に変換する電源である。高周波電源223は、例えば、ハーフブリッジ出力回路を含んで構成されている。
【0042】
送電コイル224は、高周波電源223から供給される交流電流による導電コイルから発する磁界を受電コイル141と共鳴させて、交流電力を受電コイル141に伝達するためのコイルである。送電コイル224の構造は、受電コイル141の構造と同じであるため、その説明を省略する。送電コイル224は、導電線を介して、後述する第1コンデンサ225aまたは第2コンデンサ226aと直列に接続されている。なお、送電コイル224は、送電装置220における共鳴周波数を定めるための一要素である。
【0043】
第1送電路225は、飛行体玩具100が着地状態において、送電装置220から受電装置140に送電するときに選択される送電路である。第1送電路225には、第1コンデンサ225aが接続されている。第1コンデンサ225aは、受電装置140の受電共鳴周波数に等しい、着地状態における送電装置220の送電共鳴周波数とする静電容量を有する。第1コンデンサ225aの静電容量は、予め設定されている。第1送電路225は、
図3に示すように、第1補助スイッチ240が第11接点241に接続している状態で、且つ、第2補助スイッチ250が第12接点242に接続している状態で、形成される。
【0044】
第2送電路226は、飛行体玩具100がホバリング状態において、送電装置220から受電装置140に給電するときに選択される送電路である。第2送電路226には、第2コンデンサ226aが接続されている。第2コンデンサ226aは、受電装置140の受電共鳴周波数に等しい、ホバリング状態における送電装置220の送電共鳴周波数とする静電容量を有する。第2コンデンサ226aの静電容量は、予め設定されている。さらに、第2送電路226には、直流電源221と直列接続されるように、補助直流電源222が設けられている。ホバリング状態では飛行体玩具100と充電ステーション200との距離が長いことから、直流電源221の電力を高める必要があるため、補助直流電源222は設けられている。
図3に示すように、第2送電路226は、第1補助スイッチ240が第12接点242に接続している状態で、且つ、第2補助スイッチ250が第22接点252に接続している状態において、形成される。
【0045】
このように、第1送電路225と第2送電路226とを切り替え可能な構成を備えることにより、着地状態またはホバリング状態の何れの状態においても、受電共鳴周波数と等しくなるように送電共鳴周波数を設定できるため、送電効率を高く維持できる。
【0046】
<<充電制御装置230>>
充電制御装置230は、第3補助スイッチ260を制御することで送電コイル224に通電を開始し、さらに、着地状態またはホバリング状態の何れで充電するかを飛行体玩具100に知らせる装置である。このような機能を有する充電制御装置230は、
図7に示すように、演算処理部231と、記憶部232と、入力部233と、出力部234と、メモリ235と、を含んで構成されている。
【0047】
演算処理部231は、例えばCPUあるいはMPUなどで構成されている。演算処理部231は、メモリ235に格納されているプログラムを読み込むことにより、各種機能を実現する。演算処理部231は、第2認識部231aと、結果送信部231bと、スイッチ制御部231cと、第2判定部231dと、を有している。演算処理部231は、記憶部172から各種情報を読み出して、上述した各構成要素の処理を実行する。以下、各構成要素の処理について詳細に説明する。
【0048】
第2認識部231aは、切替スイッチ210の接点信号に基づいて、着地充電かホバリング充電かを認識する機能を有する。第2認識部231aは、認識結果を示す認識信号を生成する。また、第2認識部231aは、飛行体玩具100と同期するための通知信号を飛行体玩具100に出力する。これにより、充電ステーション200と飛行体玩具100とを通信可能に接続できる。
【0049】
結果送信部231b(送信装置)は、飛行体玩具100と通信可能になったときに、着地状態で充電するのか、ホバリング状態で充電するのか、についての充電ステーション200の設定状態を示す認識信号を飛行体玩具100に送信する機能を有する。
【0050】
スイッチ制御部231cは、飛行体玩具100に認識信号を出力したことを契機として、第3補助スイッチ260を閉路し、飛行体玩具100が充電を開始してから所定の時間が経過したときに、第3補助スイッチ260を開路する機能を有する。つまり、充電ステーション200において、飛行体玩具100に給電可能な状態になるまで送電コイル224に通電させず、さらに、飛行体玩具100に給電が終了した後に送電コイル224への通電を停止する。これにより、待機中の余計な電力損失を低減できる。
【0051】
第2判定部231dは、充電ステーション200が飛行体玩具100に充電を開始してから所定の時間が経過したか否かを判定する機能を有する。所定の時間とは、着地充電における充電時間またはホバリング充電における充電時間である。これにより、充電ステーション200は、着地充電とホバリング充電の夫々の充電時間の差異に応じて適切に充電できる。
【0052】
記憶部232、入力部233、出力部234、メモリ235については、飛行体玩具100における記憶部172、入力部173、出力部174、メモリ175と同じハードウェア構成であるため、その説明を省略する。
【0053】
===動作フロー===
図8を参照しつつ、飛行体玩具システム10の動作フローについて以下のとおり説明する。
図8は、本実施形態に係る飛行体玩具システム100の動作フローである。
【0054】
以下において、飛行体玩具100の動作フローを説明した後に、充電ステーション200の動作フローを説明する。なお、夫々の動作フローでは、飛行体玩具100および充電ステーション200が起動状態にあることを前提として説明する。
【0055】
先ず、飛行体玩具100が所定の充電ステーション200から飛行を開始する(S10)。飛行体制御装置170の第1認識部171aは、経路認識センサー150から経路信号を取得する(S11)。飛行体制御装置170の飛行制御部171dは、経路信号に基づいて、モータ130および回転翼120を制御することにより、飛行体玩具100を飛行レール300に沿って飛行させる。
【0056】
次に、第1認識部171aは、所定の充電ステーション200に飛行体玩具100の進行方向において隣り合う充電ステーション200と通信可能な範囲に飛行体玩具100が到達したときに、充電ステーション200から通知信号を受信する。これと同時に、第1認識部171aは、充電ステーション200に返答信号を送信する(S12)。これにより、飛行体玩具100は、飛行体玩具100と充電ステーション200とが通信可能に接続されたことを確認できる。
【0057】
次に、飛行体制御装置170の結果受信部171bは、充電ステーション200から認識信号を取得する(S13)。次に、飛行体制御装置170の第1判定部171cは、結果受信部171bから認識信号を取得する。そして、該認識信号に基づいて、充電ステーション200が着地充電に設定されているか、ホバリング充電に設定されているか、を判定する(S14)。
【0058】
第1判定部171cにおいて着地充電に設定されていると判定した場合(S14:着地充電)、飛行体制御装置170の飛行制御部171dは、充電ステーション200に着地をして充電できるように、モータ130および回転翼120を制御する(S15)。また、第1判定部171cにおいてホバリング充電に設定されていると判定した場合(S14:ホバリング充電)、飛行制御部171dは、充電ステーション200上でホバリングして充電できるように、モータ130および回転翼120を制御する(S17)。
【0059】
次に、飛行体制御装置170の充電管理部171eは、電源110の充電が完了したか否かを判定する。そして、所定の充電時間を経過したと判断したとき、充電管理部171eは、飛行制御部171dに飛行信号を出力する(S18)。なお、充電管理部171eは、上述したように、充電を開始してから、着地充電における充電時間またはホバリング充電における所定の充電時間が経過したか否かを判定することにより、飛行信号を出力してもよい。
【0060】
上記のS11〜S18を飛行体玩具100の電源110が遮断されるまで繰り返す(S19)。
【0061】
次に、充電ステーション200の直流電源221が投入されてからの動作フローについて、以下のとおり説明する。
【0062】
先ず、使用者は、充電ステーション200の切替スイッチ210を着地充電(A)か、ホバリング充電(B)か、を選択する(S20)。充電制御装置230の第2認識部231aは、着地充電かホバリング充電かを示す認識信号を生成する(S21)。また、第2認識部231aは、常時、飛行体玩具100との通信状態を構築するための通知信号を送信する。飛行体玩具100が充電ステーション200に接近したとき、充電ステーション200から送信される通知信号を飛行体玩具100が受信することにより、通信状態が構築される(S22)。そして、充電制御装置230の結果送信部231bは、認識信号を飛行体玩具100に送信する(S23)。これにより、飛行体玩具100は、着地充電かホバリング充電かを認識できる。
【0063】
次に、充電制御装置230のスイッチ制御部231cは、認識信号に基づいて、第3補助スイッチ260を切り替える(S24)。これにより、充電ステーション200の送電装置220において、第1送電路225または第2送電路226が形成される。ここで、飛行体玩具100は、充電ステーション200に着地、又は、充電ステーション200上でホバリングしている。充電ステーション200は、飛行体玩具100に対して充電を開始する。
【0064】
次に、充電制御装置230の第2判定部231dは、充電を開始してから、着地充電における充電時間またはホバリング充電における充電時間が経過したか否かを判定する(S26)。該充電時間が経過した場合(S26:YES)、充電制御装置230のスイッチ制御部231cは、第3補助スイッチ260を開路する(S27)。これにより、待機状態における余計な電力損失を低減できる。該充電時間が経過していない場合(S26:NO)、判定を繰り返す。
【0065】
上記のS20〜S27を、夫々の充電ステーション200が実行する。充電ステーション200の直流電源221が遮断されると処理を終了する(S28)。
【0066】
===その他の実施形態===
図9、
図10を参照しつつ、その他の実施形態に係る飛行体玩具システム20,30について、以下のとおり説明する。
図9は、その他の実施形態に係る飛行体玩具システム20の一例を示す構成図である。
図10は、その他の実施形態に係る飛行体玩具2100の一例を示す構成図である。なお、以下において、飛行体玩具システム10の構成要素と異なることのみ説明することとし、説明のない構成要素については、飛行体玩具システム10と同じものとする。
【0067】
上記において、充電ステーション200における送電装置220の第1コンデンサ225aおよび第2コンデンサ226aは予め静電容量が決められている、として記載したが、これに限定されない。
図9に示すように、第1コンデンサ1225aおよび第2コンデンサ1226aは、静電容量を可変できる可変コンデンサでもよい。充電ステーション1200の記憶部1172に、飛行体玩具1100と充電ステーション1200との距離と、該距離において最も送電効率が良くなる静電容量の値と、の関係を記憶している。この場合、例えば、飛行制御部1171dが、該静電容量の値に基づいて第1コンデンサ1225aまたは第2コンデンサ1226aを調整する。これにより、充電ステーション1200と飛行体玩具1100との間の距離に応じて、第1コンデンサ1225aまたは第2コンデンサ1226aを調整することにより、送電効率が最も高くなるように飛行体玩具システム20を運用できる。
【0068】
また、
図10に示すように、飛行体玩具2100は、電源2110の電力容量に応じて充電ステーション200における充電が必要か否かを判定する充電判定部2171fをさらに備えていてもよい。具体的には、充電判定部2171fは、飛行体玩具2100と充電ステーション2200とが通信できるように接続されたときに、飛行体玩具2100の電源2110の電力容量を確認し、該電力容量が所定の電力容量以上か否かを判定する。そして、所定の電力容量以上か否かにより、充電ステーション2200を飛行体玩具2100が通過するべきか否かについて判定する。これにより、余計な充電を回避できる。この場合、飛行制御部2171dは、充電判定部2171fにおける所定の電力容量以上か否かについての判定結果に基づいて、モータ130および回転翼120を制御する。
【0069】
===まとめ===
以上説明したように、本実施形態に係る飛行体玩具システム10は、飛行体玩具100と、飛行体玩具100の電源110を充電する充電ステーション200と、を備えた飛行体充電システムであって、飛行体玩具100は、充電ステーション200を含む飛行経路に沿って飛行するために飛行経路を認識する第1認識部171aと、非接触で電力を受電する受電コイル141と、受電コイル141から供給される電力によって充電されて電源として機能する被充電素子(蓄電池、コンデンサなど)と、を含み、充電ステーション200は、非接触で電力を送電する送電コイル224と、飛行体玩具100が着陸した状態で送電コイル224から受電コイル141へ非接触で電力を送電するための第1送電路225と、飛行体玩具100が空中停止した状態(ホバリング状態)で送電コイル224から受電コイル141へ非接触で電力を送電するための第2送電路226と、第1送電路225及び第2送電路226を切り換える切換スイッチと、第1送電路225及び第2送電路226の何れから電力が送電されるのかを飛行体玩具100が認識できるように、第1送電路225及び第2送電路226の何れに切り換えられたのかを認識する第2認識部231aと、を含む。本実施形態によれば、飛行体玩具100における電源110(バッテリー、コンデンサ等)の残容量が残り少なくなった場合に、電源110に非接触で給電することができるため、作業者の操作手間を縮減できる。
【0070】
又、本実施形態に係る飛行体玩具システム10は、充電ステーション200は、第2認識部231aの認識信号(認識結果)を送信する結果送信部231b(送信装置)を含み、飛行体玩具100は、結果送信部231b(送信装置)から送信される第2認識部231aの認識信号(認識結果)を受信する結果受信部171b(受信装置)を含み、飛行体玩具100は、結果受信部171b(受信装置)の認識信号(受信結果)に基づいて、第1送電路225及び第2送電路226の何れから電力が送電されるのかを認識する。本実施形態によれば、飛行体玩具100は、着地充電かホバリング充電かを認識することができるため、充電ステーション200において効率良く充電することができる。
【0071】
又、本実施形態に係る飛行体玩具システム10は、第1送電路225には、飛行体玩具100が着地状態で送電コイル224から受電コイル141へ非接触で所定の大きさの電力を送電することができるように容量値が設定される第1コンデンサ225aを含み、第2送電路226には、飛行体玩具100がホバリング状態で送電コイル224から受電コイル141へ非接触で所定の大きさの電力を送電することができるように容量値が設定される第2コンデンサ226aを含む。本実施形態によれば、所定の受電装置140と共鳴する送電装置220における送電共鳴周波数を生成できるため、送電効率を向上させることができる。
【0072】
又、本実施形態に係る飛行体玩具システム20は、第1コンデンサ1225aは、飛行体玩具1100が充電ステーション1200に着地しているときの送電コイル1224と受電コイル141との間の距離に応じて容量値を変更可能な可変コンデンサである。本実施形態によれば、送電装置220と受電装置140との間の距離が変更されても、送電効率が最も高くなるように送電共鳴周波数を調整することができる。
【0073】
又、本実施形態に係る飛行体玩具システム20は、第2コンデンサ1226aは、飛行体玩具1100が充電ステーション1200上で空中停止しているときの送電コイル1224と受電コイル1141との間の距離に応じて容量値を変更可能な可変コンデンサである。本実施形態によれば、送電装置220と受電装置140との間の距離が変更されても、送電効率が最も高くなるように送電共鳴周波数を調整することができる。
【0074】
又、本実施形態に係る飛行体玩具システム10は、第1認識部171aは、飛行体玩具100が所定の高さを飛行しているとき、飛行レール300(飛行経路)に沿って設けられる飛行レール300(被認識対象物)を認識する。本実施形態によれば、飛行体玩具100が容易に飛行レール300に沿って飛行することができる。
【0075】
又、本実施形態に係る飛行体玩具システム10は、飛行レール300(被認識対象物)は、地上に変形自在に設けられる。飛行レール300が変形自在に設置されていても、飛行体玩具100は容易に飛行レール300に沿って飛行することができる。
【0076】
又、本実施形態に係る飛行体玩具システム10は、第1送電路225には、飛行体玩具100が着地状態で送電コイル224から受電コイル141へ非接触で電力を送電するための直流電源221(第1電池)を含み、第2送電路226には、直流電源221に加えて、飛行体玩具100がホバリング状態で送電コイル224から受電コイル141へ非接触で所定の大きさの電力を送電するための補助直流電源222(第2電池)をさらに含む。本実施形態によれば、着地状態とホバリング状態とで直流電源221の電源容量を変更することができるため、効率良く充電することができる。
【0077】
又、本実施形態に係る飛行体玩具システム10は、電源110(被充電素子)は、コンデンサである。本実施形態によれば、充電時間を短縮できるとともに、飛行体玩具100を安価に製作できる。
【0078】
又、本実施形態に係る飛行体玩具システム10は、飛行体玩具100は、マルチコプターである。本実施形態によれば、外観の印象の良いマルチコプターを用いることで、人の購入意欲を増進させることができる。
【0079】
尚、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。