特許第6848895号(P6848895)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6848895用紙搬送装置及びこれを備えた画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6848895
(24)【登録日】2021年3月8日
(45)【発行日】2021年3月24日
(54)【発明の名称】用紙搬送装置及びこれを備えた画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 29/60 20060101AFI20210315BHJP
   B65H 29/58 20060101ALI20210315BHJP
   B65H 43/04 20060101ALI20210315BHJP
   B41J 11/42 20060101ALI20210315BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20210315BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20210315BHJP
【FI】
   B65H29/60 B
   B65H29/58 B
   B65H43/04
   B41J11/42
   B41J29/38
   B41J2/01 305
   B41J2/01 401
   B41J2/01 451
【請求項の数】12
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2018-14979(P2018-14979)
(22)【出願日】2018年1月31日
(65)【公開番号】特開2019-131358(P2019-131358A)
(43)【公開日】2019年8月8日
【審査請求日】2019年12月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 良典
【審査官】 大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−157992(JP,A)
【文献】 特開2014−94824(JP,A)
【文献】 特開2011−180289(JP,A)
【文献】 特開2003−292223(JP,A)
【文献】 特開2008−185944(JP,A)
【文献】 特開2001−278501(JP,A)
【文献】 特開2000−211788(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 7/00−7/20
B65H 29/58
B65H 29/60
B65H 43/00−43/08
B41J 2/01
B41J 11/42
B41J 29/38
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬入された用紙を合流地点に向けて搬送する第1搬送ユニットと、
前記第1搬送ユニットでのジャムを検知するための第1検知部と、
搬入された用紙を前記合流地点に向けて搬送する搬送する第2搬送ユニットと、
前記第2搬送ユニットでのジャムを検知するための第2検知部と、
前記第1搬送ユニット及び前記第2搬送ユニットよりも、用紙搬送方向上流側に設けられ、第1位置のとき用紙を前記第1搬送ユニットに導き、第2位置のとき用紙を前記第2搬送ユニットに導く振り分けガイドと、
第1発生回数と第2発生回数を記憶する搬送記憶部と、
前記振り分けガイドを制御して前記第1搬送ユニットと前記第2搬送ユニットへの用紙の搬入を制御する搬送制御部と、を含み、
前記第1発生回数は、前記第1搬送ユニットでのジャムの発生回数であり、
前記第2発生回数は、前記第2搬送ユニットでのジャムの発生回数であり、
前記搬送記憶部は用いられた用紙のタイプごとに前記第1発生回数と前記第2発生回数を記憶し、
前記搬送制御部は、
前記第1検知部の出力に基づき、前記第1搬送ユニットでのジャムの発生を認識したとき、ジャムが発生した用紙の前記タイプに対応する前記第1発生回数を前記搬送記憶部に更新させ、
前記第2検知部の出力に基づき前記第2搬送ユニットでのジャムの発生を認識し
たとき、ジャムが発生した用紙の前記タイプに対応する前記第2発生回数を前記搬送記憶部に更新させ、
これから開始しようとする印刷ジョブで用いる用紙の前記タイプである使用予定タイプに対応する前記第1発生回数と、前記使用予定タイプに対応する前記第2発生回数の両方が規定回数以下のとき、前記第1搬送ユニットと前記第2搬送ユニットを切り離さないと判定し、
前記使用予定タイプに対応する前記第1発生回数が前記規定回数以下、かつ、前記使用予定タイプに対応する前記第2発生回数が前記規定回数を超えているとき、前記第2搬送ユニットを切り離すと判定し、
前記使用予定タイプに対応する前記第2発生回数が前記規定回数以下、かつ、前記使用予定タイプに対応する前記第1発生回数が前記規定回数を超えているとき、前記第1搬送ユニットを切り離すと判定し、
切り離さないと判定したとき、用紙ごとに前記振り分けガイドの位置を前記第1位置と前記第2位置で切り替え、
前記第2搬送ユニットを切り離すと判定したとき、前記振り分けガイドの位置を前記第1位置で固定して用紙を前記第1搬送ユニットにのみ搬入し、
前記第1搬送ユニットを切り離すと判定したとき、前記振り分けガイドの位置を前記第2位置で固定して用紙を前記第2搬送ユニットにのみ搬入することを特徴とする用紙搬送装置。
【請求項2】
前記搬送制御部は、
所定枚数分の用紙の搬送結果に基づき、前記第1搬送ユニットのジャムの発生率である第1発生率と、前記第2搬送ユニットのジャムの発生率である第2発生率を求め、
前記第1発生率が予め定められた規定率以下、かつ、前記第2発生率が前記規定率を超えているとき、前記第2搬送ユニットを切り離すと判定し、
前記第2発生率が前記規定率以下、かつ、前記第1発生率が前記規定率を超えているとき、前記第1搬送ユニットを切り離すと判定することを特徴とする請求項1に記載の用紙搬送装置。
【請求項3】
前記搬送制御部は、
前記第1発生率が前記規定率以下の場合に前記第1搬送ユニットでジャムが発生したとき、及び、前記第2発生率が前記規定率以下の場合に前記第2搬送ユニットでジャムが発生したとき、前記規定回数を所定値だけ小さくすることを特徴とする請求項2に記載の用紙搬送装置。
【請求項4】
前記搬送制御部は、
前記使用予定タイプの用紙の残量レベルを取得し、
ジャムが発生すると用紙切れが生ずるか否かを判定し、
用紙切れが生ずると判定したとき、
前記使用予定タイプに対応する前記第1発生回数が基準回数以下、かつ、前記使用予定タイプに対応する前記第2発生回数が前記基準回数を超えているとき、前記第2搬送ユニットを切り離すと判定し、
前記使用予定タイプに対応する前記第2発生回数が前記基準回数以下、かつ、前記使用予定タイプに対応する前記第1発生回数が前記基準回数を超えているとき、前記第1搬送ユニットを切り離すと判定し、
前記基準回数は、前記規定回数よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の用紙搬送装置。
【請求項5】
前記タイプは、用紙サイズ及び用紙厚さに基づき分類されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の用紙搬送装置。
【請求項6】
前記振り分けガイドよりも用紙搬送方向上流側に設けられた第1反転ユニットと第2反転ユニットを含み、
前記搬送制御部は、
前記第1搬送ユニットを切り離さないと判定したとき、前記第1反転ユニットで反転された用紙を前記第1搬送ユニットに搬入させ、
前記第2搬送ユニットを切り離さないと判定したとき、前記第2反転ユニットで反転された用紙を前記第2搬送ユニットに搬入させ、
前記第2搬送ユニットを切り離すと判定したとき、前記第1反転ユニットで反転された用紙を前記第1搬送ユニットに搬入させるとともに、前記第2反転ユニットには用紙を搬入させず、
前記第1搬送ユニットを切り離すと判定したとき、前記第2反転ユニットで反転された用紙を前記第2搬送ユニットに搬入させるとともに、前記第1反転ユニットには用紙を搬入させないことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の用紙搬送装置。
【請求項7】
印刷ジョブで印刷する枚数が予め定められた許容枚数以下のとき、
前記搬送制御部は、
前記第1搬送ユニットと前記第2搬送ユニットについて、切り離すと判定しないことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の用紙搬送装置。
【請求項8】
使用者の入力に基づく切り離し不要指示が出されている間、
前記搬送制御部は、前記第1搬送ユニットと前記第2搬送ユニットを切り離さないと判定することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の用紙搬送装置。
【請求項9】
前記第1搬送ユニットと前記第2搬送ユニットは、交換可能であり、
前記第1搬送ユニットは、第1メモリーを含み、
前記第2搬送ユニットは、第2メモリーを含み、
前記搬送制御部は、
前記第1メモリー及び前記第2メモリーと通信し、
前記第1搬送ユニットの累計搬送枚数を前記第1メモリーに記憶させ、
前記第2搬送ユニットの累計搬送枚数を前記第2メモリーに記憶させ、
前記第1メモリーに記憶される前記累計搬送枚数がゼロのとき、前記第1発生回数を前記搬送記憶部にリセットさせ、
前記第2メモリーに記憶される前記累計搬送枚数がゼロのとき、前記第2発生回数を前記搬送記憶部にリセットさせることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の用紙搬送装置。
【請求項10】
前記第1搬送ユニットと前記第2搬送ユニットは、
用紙搬送方向と垂直な方向において、搬入された用紙の位置を整合し、
整合後の用紙を前記合流地点に向けて搬送することを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の用紙搬送装置。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか1項に記載の用紙搬送装置と、
本体装置と、を含み、
前記本体装置は、
印刷を行う印刷部と、
印刷済の用紙を前記用紙搬送装置に搬入する用紙搬送部と、
制御部と、を含み、
前記搬送制御部が前記第1搬送ユニット又は前記第2搬送ユニットを切り離すと判定したとき、前記制御部は第1メッセージを表示させ、
前記第1メッセージは、前記第1搬送ユニットと前記第2搬送ユニットのうち、一方の切り離しを知らせるメッセージであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
前記搬送制御部が前記第1搬送ユニット又は前記第2搬送ユニットを切り離すと判定したとき、前記制御部は第2メッセージを表示させ、
前記第2メッセージは、印刷に用いる用紙の変更を促すメッセージであることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙を搬送する用紙搬送装置に関する。また、本発明は用紙搬送装置を含む画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トナーを用いる画像形成装置がある。トナーを用いる画像形成装置には、例えば、複合機、プリンター、FAX装置がある。これらの画像形成装置に複数の定着器を設けることがある。複数の定着器を通過させる第1の搬送路と、定着器を1つのみ通過させる第2の搬送路を設けることがある。第1の搬送路と第2の搬送路の上流側に分岐地点が設けられる。第1の搬送路と第2の搬送路の下流側に合流地点が設けられる。このような、用紙搬送経路の分岐、合流を行う画像形成装置の一例が特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1には、トナー像が形成されたシートを加熱する第1のニップ部と、シートを加熱する第2のニップ部と、第1の搬送路と、第2の搬送路と、を含み、第1の搬送路は第1のニップ部で加熱されたシートを第2のニップ部に向けて搬送し、第2の搬送路は第1のニップ部で加熱されたシートを第2のニップ部を経由させることなく第1の搬送路との合流部に向けて搬送し、第1の搬送路と第2の搬送路におけるシートの搬送異常を検出し、第1の搬送路と第2の搬送路のいずれか一方でシートの搬送異常が検出された際、他方の搬送路に滞留しているシートが合流部を介して画像形成装置外へ排出されるように、搬送動作を制御する画像形成装置が記載されている。この構成により、ジャム処理でのユーザーへの負荷を軽減しようとする(特許文献1:請求項1、段落[0007])。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−140009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
印刷では用紙が搬送される。用紙搬送経路に分岐地点と合流地点を設けることがある。分岐地点で用紙の搬送経路(方向)が切り替えられる。分岐地点において、用紙は、何れか1つの搬送路に振り分けられる。各搬送路の下流で搬送経路は合流する。用紙のジャム(用紙の詰まり)の発生を検知したとき、通常、用紙搬送は停止される。用紙の詰まりがひどくなることや、後続の用紙が詰まった部分に突入することを防ぐためである。ジャムが生じた場合、使用者はジャム処理作業を行う。ジャム処理作業は、搬送路に残る用紙を全て取り除く作業である。分岐する搬送路が複数あるとき、それぞれの搬送路の用紙も取り除く必要がある。
【0006】
使用者の負担はできるだけ減らすことが望ましい。従って、ジャムの発生をできるだけ少なくすべきという問題がある。特許文献1記載の技術では、ジャム処理でのユーザーへの負担を減らせる場合がある。しかし、ジャムの発生自体を減らすことができない。特許文献1記載の技術では、同じ場所で繰り返しジャムが発生した場合、ジャム処理作業を繰り返すことになる。従って、特許文献1記載の技術では、上記の問題を解決することはできない。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑み、分岐、合流する複数の搬送路のうち、自動的にジャムが発生しやすい搬送路を切り離し、ジャム発生数を減らす。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る用紙搬送装置は、第1搬送ユニット、第1検知部、第2搬送ユニット、第2検知部、振り分けガイド、搬送記憶部、搬送制御部を含む。前記第1搬送ユニットは、搬入された用紙を合流地点に向けて搬送する。前記第1検知部は、前記第1搬送ユニットでのジャムを検知する。前記第2搬送ユニットは、搬入された用紙を前記合流地点に向けて搬送する。前記第2検知部は、前記第2搬送ユニットでのジャムを検知する。前記振り分けガイドは、前記第1搬送ユニット及び前記第2搬送ユニットよりも、用紙搬送方向上流側に設けられる。前記振り分けガイドは、第1位置のとき用紙を前記第1搬送ユニットに導き、第2位置のとき用紙を前記第2搬送ユニットに導く。前記搬送記憶部は、第1発生回数と第2発生回数を記憶する。前記搬送制御部は、前記振り分けガイドを制御して前記第1搬送ユニットと前記第2搬送ユニットへの用紙の搬入を制御する。前記第1発生回数は、前記第1搬送ユニットでのジャムの発生回数である。前記第2発生回数は、前記第2搬送ユニットでのジャムの発生回数である。前記搬送記憶部は用いられた用紙のタイプごとに前記第1発生回数と前記第2発生回数を記憶する。前記第1検知部の出力に基づき、前記第1搬送ユニットでのジャムの発生を認識したとき、前記搬送制御部は、ジャムが発生した用紙の前記タイプに対応する前記第1発生回数を前記搬送記憶部に更新させる。前記第2検知部の出力に基づき前記第2搬送ユニットでのジャムの発生を認識したとき、前記搬送制御部は、ジャムが発生した用紙の前記タイプに対応する前記第2発生回数を前記搬送記憶部に更新させる。これから開始しようとする印刷ジョブで用いる用紙の前記タイプである使用予定タイプに対応する前記第1発生回数と、前記使用予定タイプに対応する前記第2発生回数の両方が前記規定回数以下のとき、前記搬送制御部は、前記第1搬送ユニットと前記第2搬送ユニットを切り離さないと判定する。前記使用予定タイプに対応する前記第1発生回数が前記規定回数以下、かつ、前記使用予定タイプに対応する前記第2発生回数が前記規定回数を超えているとき、前記搬送制御部は、前記第2搬送ユニットを切り離すと判定する。前記使用予定タイプに対応する前記第2発生回数が前記規定回数以下、かつ、前記使用予定タイプに対応する前記第1発生回数が前記規定回数を超えているとき、前記搬送制御部は、前記第1搬送ユニットを切り離すと判定する。切り離さないと判定したとき、前記搬送制御部は、用紙ごとに前記振り分けガイドの位置を前記第1位置と前記第2位置で切り替える。前記第2搬送ユニットを切り離すと判定したとき、前記搬送制御部は、前記振り分けガイドの位置を前記第1位置で固定して用紙を前記第1搬送ユニットにのみ搬入する。前記第1搬送ユニットを切り離すと判定したとき、前記搬送制御部は、前記振り分けガイドの位置を前記第2位置で固定して用紙を前記第2搬送ユニットにのみ搬入する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、分岐、合流する複数の搬送路のうち、ジャムが発生しやすい搬送路を自動的に切り離すことができる。ジャム発生数を減らすことできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る画像形成装置の一例を示す図である。
図2】実施形態に係る本体装置の一例を示す図である。
図3】実施形態に係る用紙搬送装置の一例を示す図である。
図4】実施形態に係る用紙搬送装置の一例を示す図である。
図5】実施形態に係る第1搬送ユニットでの整合の一例を示す図である。
図6】実施形態に係る第2搬送ユニットでの整合の一例を示す図である。
図7】実施形態に係る各搬送ユニットのジャムの発生回数と履歴の記憶の流れの一例を示す図である。
図8】実施形態に係る第1発生回数と第2発生回数の内容の一例を示す図である。
図9】実施形態に係る各搬送ユニットの切り離し制御の一例を示す図である。
図10】実施形態に係る各搬送ユニットの切り離し制御の一例を示す図である。
図11】実施形態に係る用紙搬送装置での判定結果に基づく用紙搬送の一例を示す図である。
図12】実施形態に係る用紙搬送装置での判定結果に基づく用紙搬送の一例を示す図である。
図13】実施形態に係る搬送ユニットの交換時の処理の一例を示す図である。
図14】実施形態に係る規定回数の調整の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1図14に基づき、本発明の実施形態に係る画像形成装置100を説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
【0012】
(画像形成装置100の概要)
図1を用いて、実施形態に係る画像形成装置100の概要を説明する。図1は、実施形態に係る画像形成装置100の一例を示す図である。
【0013】
図1に示すように、画像形成装置100は、本体装置1、用紙搬送装置2、後処理装置3を含む。図1の白抜矢印は用紙の流れの一例を示す。本体装置1は印刷を行う。本体装置1は、印刷した用紙を用紙搬送装置2に搬入する。用紙搬送装置2は、第1搬送ユニット4と第2搬送ユニット5を含む。用紙搬送装置2は、本体装置1から搬入された用紙を後処理装置3に搬入する。後処理装置3は搬入された用紙を排出トレイ30に排出する。例えば、後処理装置3はパンチ部31、ステープル部32を含む。後処理装置3は、穿孔やステープルの後処理を行える。
【0014】
本体装置1は、インクジェット方式で印刷を行う。本体装置1は、例えば、複合機である。本体装置1は、搬送される用紙の上側(上面)からインクを吹き付ける。そのため、用紙搬送装置2にはフェイスアップ(表面が上)の状態で用紙が搬入される。用紙搬送装置2は搬入された用紙の表裏を反転する。用紙搬送装置2は、フェイスダウン(表面が下)の状態で後処理装置3に用紙を搬入する。その結果、後処理装置3からフェイスダウン状態の用紙が排出される。複数ページの印刷ジョブを実行するとき、本体装置1は先頭ページから順番に印刷すればよい。用紙は、下向きかつページ順に排出トレイ30に排出される。印刷実行者は印刷物のページの並び替えをしなくてもよい。
【0015】
(本体装置1)
次に、図2を用いて、実施形態に係る本体装置1の一例を説明する。図2は、実施形態に係る本体装置1の一例を示す図である。
【0016】
本体装置1は制御部10を含む。制御部10は本体装置1の各部を制御する。制御部10はCPUと画像処理回路10aを含む。CPUは、記憶部11に記憶される制御プログラムや制御データに基づき演算、処理を行う。記憶部11は、ROM、HDD、フラッシュROMのような不揮発性の記憶装置と、RAMのような揮発性の記憶装置を含む。画像処理回路10aは、印刷に用いる画像データに対し、画像処理を行う。
【0017】
本体装置1は操作パネル12を含む。操作パネル12は、表示パネル13、タッチパネル14を含む。表示パネル13は設定画面や情報を表示する。表示パネル13は、キー、ボタン、タブのような操作用画像を表示する。タッチパネル14は表示パネル13へのタッチ操作を検知する。タッチパネル14の出力に基づき、制御部10は操作された操作用画像を認識する。制御部10は使用者が行った設定操作を認識する。
【0018】
本体装置1は給紙部15、用紙搬送部16及び印刷部17を含む。給紙部15は複数設けられる。各給紙部15は用紙束を収容する。各給紙部15は給紙ローラーを含む。操作パネル12は、各給紙部15にセットされた用紙のサイズ、種類(厚さ)の設定を受け付ける。操作パネル12への設定に基づき、制御部10は、各給紙部15にセットされた用紙のサイズ、種類を認識する。印刷ジョブのとき、制御部10は、操作パネル12を用いて選択された給紙部15の給紙ローラーを回転させる。給紙ローラー41の回転により、選択された給紙部15から用紙が供給される。
【0019】
用紙搬送部16は用紙を搬送する。その結果、給紙部15から供給された用紙は印刷部17に向けて搬送される。また、制御部10は、記録済(印刷済)の用紙を用紙搬送部16に搬送させる。用紙搬送部16は印刷済の用紙を用紙搬送装置2に用紙を搬入する。
【0020】
印刷部17は用紙にインクを吐出する。これにより、画像が用紙に印刷(記録)される。図2に示すように、印刷部17は、複数のラインヘッド18を含む。本体装置1は、4本のラインヘッド18(18Bk、18C、18M、18Y)を含む。各ラインヘッド18は固定される。搬送される用紙の上方に各ラインヘッド18が設けられる。ラインヘッド18Bkはブラックのインクを吐出する。ラインヘッド18Cはシアンのインクを吐出する。ラインヘッド18Mはマゼンタのインクを吐出する。ラインヘッド18Yはイエローのインクを吐出する。
【0021】
ラインヘッド18ごとに、インクを供給するインクタンクが設けられる。ブラックのインクを収容するインクタンクは、ラインヘッド18Bkにインクを供給する。シアンのインクを収容するインクタンクは、ラインヘッド18Cにインクを供給する。マゼンタのインクを収容するインクタンクは、ラインヘッド18Mにインクを供給する。イエローのインクを収容するインクタンクは、ラインヘッド18Yにインクを供給する。
【0022】
用紙搬送部16は搬送ベルト16aを含む。搬送ベルト16aは、各ラインヘッド18の下側に設けられる。搬送ベルト16aを周回させるモーター(不図示)が設けられる。印刷ジョブのとき、制御部10は当該モーターを回転させる。搬送ベルト16aの上に用紙が載せられる。用紙は搬送ベルト16a上で搬送される。用紙搬送部16は吸着部16bを含む。吸着部16bは、搬送ベルト16a上の用紙を吸着する。印刷ジョブのとき、制御部10は吸着部16bを動作させる。これにより、搬送される用紙の主走査方向の位置及び各ノズルと用紙の距離が固定される。
【0023】
各ラインヘッド18は、複数のノズルを含む。各ノズルの開口は用紙(搬送ベルト16a54)と向かい合う。ノズルが上、用紙が下の位置関係である。各ノズルからインクが吐出される。インクは用紙に着弾する。
【0024】
本体装置1は読取ユニット110を含む。読取ユニット110は原稿を読み取る。読取ユニット110は読み取った原稿の画像データを生成する。コピーの印刷ジョブ(コピージョブ)のとき、制御部10は、読み取りで得られた画像データに基づき、印刷部17に印刷させる。
【0025】
制御部10は通信部19と接続される。通信部19は通信用のハードウェア(コネクタ、回路)とソフトウェアを含む。通信部19はコンピューター200と通信する。コンピューター200は、例えば、PCやサーバーである。制御部10は、コンピューター200からプリントジョブデータを受信する。プリントジョブデータはページ記述言語で記述されたデータを含む。制御部10(画像処理回路10a)は、受信した(入力された)プリントジョブデータを解析する。受信したプリントジョブデータに基づき、制御部10は、印刷部17での印刷に用いる画像データ(ラスターデータ)を生成する。印刷ジョブ(プリントジョブ)のとき、制御部10は、生成した画像データに基づき、印刷部17に印刷させる。
【0026】
(用紙搬送装置2)
次に、図3図4を用いて、実施形態に係る用紙搬送装置2の一例を説明する。図3図4は、実施形態に係る用紙搬送装置2の一例を示す図である。
【0027】
用紙搬送装置2は搬送制御部20を含む。搬送制御部20は用紙搬送装置2の各部を制御する。搬送制御部20はCPUを含む制御基板である。また、搬送制御部20は搬送記憶部21を含む。搬送制御部20は、搬送記憶部21に記憶される制御プログラムや制御データに基づき演算、処理を行う。搬送記憶部21は、ROM、フラッシュROMのような不揮発性の記憶装置と、RAMのような揮発性の記憶装置を含む。
【0028】
図4に示すように、用紙搬送装置2は、搬入口22、第1搬送ユニット4、第2搬送ユニット5、振り分けガイド6、第1反転ユニット71、第2反転ユニット72、排出口23を含む。搬入口22、第1搬送ユニット4、第2搬送ユニット5、振り分けガイド6、排出口23、第1反転ユニット71、第2反転ユニット72は搬送路で接続される。この搬送路を用紙が通る。
【0029】
搬送路には、搬送ローラー対24が設けられる。搬送ローラー対24は複数設けられる。図4のうち、1対の円が搬送ローラー対である。用紙搬送装置2は搬送モーター25を含む。搬送モーター25は各搬送ローラー対24を回転させる。搬送モーター25も複数設けられる。用紙搬送時、搬送制御部20は各搬送モーター25を回転させる。これにより、用紙が搬送される。
【0030】
また、搬送路には、搬送センサー26が設けられる。搬送センサー26は複数設けられる。各搬送センサー26の出力は搬送制御部20に入力される。例えば、搬送センサー26は透過型光センサーである。用紙の存在の検知時と非検知時で搬送センサー26の出力レベルが変化する。搬送センサー26の出力は搬送制御部20に入力される。搬送センサー26の出力レベルに基づき、搬送制御部20は、搬送センサー26の設置位置への用紙の到達を認識する。搬送センサー26の出力レベルに基づき、搬送制御部20は、搬送センサー26の設置位置からの用紙通過を検知する。また、搬入口22に最も近い搬送センサー26の出力に基づき、搬送制御部20は、本体装置1から用紙搬送装置2への用紙搬入を認識できる。また、排出口23に最も近い搬送センサー26の出力に基づき、搬送制御部20は、用紙搬送装置2からの用紙の排出を認識できる。排出口23から用紙が後処理装置3に向けて排出される。
【0031】
各搬送センサー26の出力に基づき、搬送制御部20は、用紙のジャム(詰まり)を検知できる。搬送制御部20は、用紙到達を検知すべき時間帯を過ぎても用紙到達を認識できない搬送センサー26の設置位置でジャムが発生したと判断する。搬送制御部20は、用紙通過を検知すべき時間帯を過ぎても用紙通過を認識できない搬送センサー26の設置位置でジャムが発生したと判断する。用紙搬送装置2への用紙の搬入検知から、各搬送センサー26が用紙到達を検知すべき時間帯は予め定められる。用紙搬送装置2への用紙の搬入検知から、各搬送センサー26が用紙通過を検知すべき時間帯は予め定められる。各時間帯は搬送記憶部21に不揮発的に記憶される。
【0032】
図4において、第1搬送ユニット4と第2搬送ユニット5は2点鎖線で囲む部分である。各搬送ユニット(第1搬送ユニット4と第2搬送ユニット5)は、用紙搬送方向と垂直な方向において、搬入された用紙の位置を整合する。各搬送ユニットは、合後の用紙を合流地点60に向けて搬送する。合流地点60は、各搬送ユニットの用紙搬送方向下流側にある。振り分けガイド6は、各搬送ユニットよりも、用紙搬送方向上流側に設けられる。振り分けガイド6を回動させるための分岐駆動源27が設けられる。第1位置のとき、振り分けガイド6は、用紙を第1搬送ユニット4に導く。第2位置のとき、振り分けガイド6は、用紙を第2搬送ユニット5に導く。搬送制御部20は、分岐駆動源27の回転を制御する。搬送制御部20は振り分けガイド6の位置を制御する。搬送制御部20は、振り分けガイド6を制御して各搬送ユニットへの用紙の搬入を制御する。
【0033】
また、用紙搬送装置2は、第1反転ユニット71と第2反転ユニット72を含む(図4において、1点鎖線で囲む部分)。各反転ユニット(第1反転ユニット71と第2反転ユニット72)は、振り分けガイド6よりも用紙搬送方向上流側に設けられる。搬入口22と第2反転ユニット72の入口を繋ぐ搬送路を第1搬送路81と称する。第1搬送路81から分岐し、第1搬送路81と第1反転ユニット71の入口を繋ぐ搬送路を第2搬送路82と称する。第2反転ユニット72と振り分けガイド6を繋ぐ搬送路を第3搬送路83と称する。第2搬送路82(第1反転ユニット71)と第3搬送路83を繋ぐ搬送路を第4搬送路84と称する。振り分けガイド6と第2搬送ユニット5の入口を繋ぐ搬送路を第5搬送路85と称する。第1搬送ユニット4の出口と合流地点60を繋ぐ搬送路を第6搬送路86と称する。合流地点60と排出口23を繋ぐ搬送路を第7搬送路87と称する。
【0034】
第1搬送ユニット4は、複数の第1搬送ローラー対41を含む。第1搬送ユニット4は第1搬送モーター42を含む。第1搬送モーター42は各第1搬送ローラー対41を回転させる。用紙搬送時、搬送制御部20は第1搬送モーター42を回転させる。第1搬送ユニット4は第1検知センサー43(第1検知部に相当)を含む。第1検知センサー43は複数設けられる。1つの第1搬送ローラー対41に対し、1つの第1検知センサー43が設けられる。各第1検知センサー43は対応する第1搬送ローラー対41の搬送方向上流側近傍に設けられる。各第1検知センサー43は、用紙の存在(有無)を検知する。例えば、各第1検知センサー43は透過型光センサーである。用紙の存在を検知しているときと検知していないときとで、第1検知センサー43の出力レベルが変化する。各第1検知センサー43の出力は搬送制御部20に入力される。搬送制御部20は、各第1検知センサー43の出力レベルに基づき、各第1検知センサー43の設置位置への用紙の到達を検知する。各第1検知センサー43の出力レベルに基づき、搬送制御部20は、各第1検知センサー43の設置位置からの用紙通過を検知する。
【0035】
第1検知センサー43の出力に基づき、搬送制御部20は、第1搬送ユニット4での用紙のジャムを検知できる。搬送制御部20は、用紙到達を検知すべき時間帯を過ぎても用紙到達を認識できない第1検知センサー43の設置位置でジャムが発生したと判断する。搬送制御部20は、用紙通過を検知すべき時間帯を過ぎても用紙通過を認識できない第1検知センサー43の設置位置でジャムが発生したと判断する。用紙搬送装置2への用紙の搬入検知から、各第1検知センサー43が用紙到達を検知すべき時間帯は予め定められる。用紙搬送装置2への用紙の搬入検知から、各第1検知センサー43が用紙通過を検知すべき時間帯は予め定められる。各時間帯は搬送記憶部21に不揮発的に記憶される。
【0036】
また、第1搬送ユニット4は、第1整合機構44と第1メモリー45を含む。ここで、第1搬送ユニット4は用紙搬送装置2から取り外し可能である。第1搬送ユニット4に第1メモリー45が取り付けられる。第1搬送ユニット4が用紙搬送装置2に装着されたとき、搬送制御部20は第1メモリー45と通信可能となる。搬送制御部20は、第1搬送ユニット4の累計搬送枚数を第1メモリー45に不揮発的に記憶させる。第1搬送ユニット4に用紙が搬入されるたびに、又は、第1搬送ユニット4から用紙が排出されるたびに、搬送制御部20は累計搬送枚数に1を加算する。
【0037】
第2搬送ユニット5は複数の第2搬送ローラー対51を含む。第2搬送ユニット5は第2搬送モーター52を含む。第2搬送モーター52は各第2搬送ローラー対51を回転させる。用紙搬送時、搬送制御部20は第2搬送モーター52を回転させる。第2搬送ユニット5は第2検知センサー53(第2検知部に相当)を含む。第2検知センサー53は複数設けられる。第2搬送ローラー対51に対し、1つの第2検知センサー53が設けられる。各第2検知センサー53は対応する第2搬送ローラー対51の搬送方向上流側近傍に設けられる。各第2検知センサー53は、用紙の存在(有無)を検知する。例えば、各第2検知センサー53は透過型光センサーである。用紙の存在検知時と非検知時とで、第2検知センサー53の出力レベルが変化する。各第2検知センサー53の出力は搬送制御部20に入力される。搬送制御部20は、各第2検知センサー53の出力レベルに基づき、各第2検知センサー53の設置位置への用紙の到達を検知する。各第2検知センサー53の出力レベルに基づき、搬送制御部20は、各第2検知センサー53の設置位置からの用紙通過を検知する。
【0038】
第2検知センサー53の出力に基づき、搬送制御部20は、第2搬送ユニット5での用紙のジャムを検知できる。搬送制御部20は、用紙到達を検知すべき時間帯を過ぎても用紙到達を認識できない第2検知センサー53の設置位置でジャムが発生したと判断する。搬送制御部20は、用紙通過を検知すべき時間帯を過ぎても用紙通過を認識できない第2検知センサー53の設置位置でジャムが発生したと判断する。用紙搬送装置2への用紙の搬入検知から、各第2検知センサー53が用紙到達を検知すべき時間帯は予め定められる。用紙搬送装置2への用紙の搬入検知から、各第2検知センサー53が用紙通過を検知すべき時間帯は予め定められる。各時間帯は搬送記憶部21に不揮発的に記憶される。
【0039】
また、第2搬送ユニット5は、第2整合機構54と第2メモリー55を含む。ここで、第2搬送ユニット5は用紙搬送装置2から取り外し可能である。第2搬送ユニット5に第2メモリー55が取り付けられる。第2搬送ユニット5が用紙搬送装置2に装着されたとき、搬送制御部20は第2メモリー55と通信可能となる。搬送制御部20は、第2搬送ユニット5の累計搬送枚数を第2メモリー55に不揮発的に記憶させる。第2搬送ユニット5に用紙が搬入されるたびに、又は、第2搬送ユニット5から用紙が排出されるたびに、搬送制御部20は累計搬送枚数に1を加算する。
【0040】
第1搬送路81、第2搬送路82の分岐位置に、第1分岐ガイド8aが設けられる。第1分岐ガイド8aは、用紙を第1反転ユニット71に向かわせるか、第2反転ユニット72に向かわせるかを切り替えるためのガイドである。第1分岐ガイド8aを回動させるための分岐駆動源27も設けられる。搬送制御部20は、第1分岐ガイド8aに対応する分岐駆動源27の回転を制御する。用紙を搬送すべき方向にあわせ、搬送制御部20は第1分岐ガイド8aの位置を制御する。
【0041】
また、第2搬送路82、第4搬送路84、第1反転ユニット71が繋がる位置に、第2分岐ガイド8bが設けられる。第2分岐ガイド8bを回動させるための分岐駆動源27も設けられる。搬送制御部20は、第2分岐ガイド8bに対応する分岐駆動源27の回転を制御する。搬送制御部20は、用紙を第1反転ユニット71に搬入し、その後、第4搬送路84に用紙が送られるように、第2分岐ガイド8bの位置を制御する。
【0042】
また、第1搬送路81、第3搬送路83、第2反転ユニット72が繋がる位置に、第3分岐ガイド8cが設けられる。第3分岐ガイド8cを回動させるための分岐駆動源27も設けられる。搬送制御部20は、第3分岐ガイド8cに対応する分岐駆動源27の回転を制御する。搬送制御部20は、用紙を第2反転ユニット72に搬入し、その後、第3搬送路83に用紙が送られるように、第3分岐ガイド8cの位置を制御する。
【0043】
(搬送ルート)
次に、図4を用いて、実施形態に係る用紙搬送装置2での用紙の搬送ルートの一例を説明する。用紙搬送時、搬送制御部20は各搬送ローラー対24を回転させる。
【0044】
(第1搬送ユニット4を用いるときの用紙の搬送ルート)
第1搬送ユニット4を用いるときの搬送ルートを図4において矢印Aで図示している。第1搬送ユニット4に用紙を搬入するとき、搬送制御部20は、第1分岐ガイド8aを制御し、第1搬送路81を塞ぐ。これにより、用紙は第2搬送路82に導かれる。また、搬送制御部20は第2分岐ガイド8bを制御し、用紙を第1反転ユニット71に導く。
【0045】
第1反転ユニット71は第1反転ローラー対73を含む。第1反転ローラー対73を回転させるため、第1反転モーター71aが設けられる。第1反転モーター71aは正逆回転自在である。用紙の到着時、搬送制御部20は、第1反転ユニット71内に用紙を導き入れる方向に第1反転モーター71a(第1反転ローラー対73)を回転させる。用紙が第2搬送路82と第1反転ユニット71と第4搬送路84を繋ぐ地点を通過したとき、搬送制御部20は、第1反転モーター71aの逆回転を開始させる。また、搬送制御部20は、第2分岐ガイド8bを制御し、用紙を第4搬送路84に導く。これにより、用紙がスイッチバックされる。スイッチバックにより、用紙の前後、表裏が逆転する。
【0046】
やがて用紙は、第3搬送路83に進入する。搬送制御部20は第3搬送路83の搬送ローラー対24を回転させる。搬送制御部20は振り分けガイド6を制御する(第1位置とする)。第1位置は用紙を第1搬送ユニット4に導く位置である。これにより、用紙は第1搬送ユニット4に進入する。第1搬送ユニット4に進入した用紙の先端が最も下流側の第1検知センサー43(第1搬送ローラー対41)から所定距離通過したとき、搬送制御部20は、第1搬送ユニット4の用紙搬送を一度停止させる。停止後、搬送制御部20は、第1整合機構44に用紙の整合を行わせる。整合完了後、搬送制御部20は第1搬送ローラー対41の回転を再開させる。用紙の先端は第1搬送ユニット4を出て、第6搬送路86を過ぎ、合流地点60に向かう。搬送制御部20は、第6搬送路86、第7搬送路87の搬送ローラー対24を回転させる。これにより、用紙は合流地点60を通過し、排出口23に向かう。用紙は、最終的に後処理装置3に引き渡される。
【0047】
(第2搬送ユニット5を用いるときの用紙の搬送ルート)
図4において、第2搬送ユニット5を用いるときの搬送ルートを矢印Bで図示している。第2搬送ユニット5に用紙を搬入するとき、搬送制御部20は、第1分岐ガイド8aを制御し、第2搬送路82を塞ぐ。これにより、用紙は、第1搬送路81を直進する。搬送制御部20は第3分岐ガイド8cを制御し、用紙を第2反転ユニット72に導く。
【0048】
第2反転ユニット72は第2反転ローラー対74を含む。第2反転ローラー対74は複数設けられる。第2反転ローラー対74を回転させるため、第2反転モーター72aが設けられる。第2反転モーター72aは正逆回転自在である。用紙の到着時、搬送制御部20は、第2反転ユニット72内に用紙を導き入れる方向に第2反転モーター72a(第2反転ローラー対74)を回転させる。用紙が第1搬送路81と第3搬送路83と第2反転ユニット72を繋ぐ地点を通過したとき、搬送制御部20は、第2反転モーター72aの逆回転を開始させる。また、搬送制御部20は、第3分岐ガイド8cを制御し、用紙を第3搬送路83に導く。これにより、用紙がスイッチバックされる。スイッチバックにより、用紙の前後、表裏が逆転する。
【0049】
やがて用紙は、第3搬送路83に進入する。搬送制御部20は第3搬送路83の搬送ローラー対24を回転させる。搬送制御部20は振り分けガイド6を制御する(第2位置とする)。第2位置は、用紙を第2搬送ユニット5に導く位置である。これにより、用紙は、第2搬送ユニット5に進入する。第2搬送ユニット5に進入した用紙の先端が最も下流側の第2検知センサー53(第1搬送ローラー対41)から所定距離通過したとき、搬送制御部20は、第2搬送ユニット5の用紙搬送を一度停止させる。停止後、搬送制御部20は、第2整合機構54に用紙の整合を行わせる。整合完了後、搬送制御部20は、第2搬送ローラー対51の回転を再開させる。用紙の先端は第2搬送ユニット5を出て、合流地点60に向かう。搬送制御部20は、第7搬送路87の搬送ローラー対24を回転させる。これにより、用紙は合流地点60を通過し排出口23に向かう。用紙は、最終的に後処理装置3に引き渡される。
【0050】
(各搬送ユニットでの整合)
次に、図5図6を用いて、実施形態に係る各搬送ユニットでの整合の一例を説明する。図5は実施形態に係る第1搬送ユニット4での整合の一例を示す図である。図6は実施形態に係る第2搬送ユニット5での整合の一例を示す図である。
【0051】
図5は、第1搬送ユニット4を上方から見た図である。図5の右側が用紙搬送方向上流側である。第1整合機構44の一部として、第1用紙端検知センサー46が設けられる。第1用紙端検知センサー46は、例えば、光センサーである。用紙の存在を検知しているときと検知していないときとで、第1用紙端検知センサー46の出力レベルが変化する。第1用紙端検知センサー46の出力は搬送制御部20に入力される。
【0052】
第1整合機構44は、第1搬送ローラー対41を軸線方向(用紙搬送方向と垂直な方向)で移動させる第1移動機構47を含む。第1移動機構47は第1移動用駆動源を含む(例えばモーター)。1つの第1搬送ローラー対41につき、1つの第1移動用駆動源が設けられる。用紙の位置を整合するとき、搬送制御部20は各第1移動用駆動源を動作させる。これにより、各第1搬送ローラー対41はスライド移動する。
【0053】
整合するとき、搬送制御部20は各第1搬送ローラー対41をいったん停止させる。搬送制御部20は、用紙搬送方向における用紙の下流側先端の位置が、第1用紙端検知センサー46と同じ位置、または、第1用紙端検知センサー46よりも下流となる位置で第1搬送ローラー対41を停止させる。例えば、最も下流側の第1検知センサー43による用紙到達検知後、搬送制御部20は、第1所定時間、用紙を搬送すると第1搬送ローラー対41を停止させる。第1所定時間は、当該第1検知センサー43と第1用紙端検知センサー46の位置までの距離を仕様上の用紙搬送速度で除した時間である。
【0054】
用紙搬送停止後、搬送制御部20は、各第1搬送ローラー対41の移動を開始させる。移動開始後、第1用紙端検知センサー46が用紙の存在を検知したとき、搬送制御部20は、各第1搬送ローラー対41の移動を停止させる。これにより、用紙の主走査方向(用紙搬送方向と垂直な方向)での用紙の位置が一定の位置となる。後処理装置3に搬入される用紙の位置のばらつきを無くすことができる。後処理装置3でのジャムの発生を抑えることができる。
【0055】
図6は、第2搬送ユニット5を上方から見た図である。図5の右側が用紙搬送方向上流側である。第2整合機構54の一部として、第2用紙端検知センサー56が設けられる。第2用紙端検知センサー56は、例えば、光センサーである。用紙の存在を検知しているときと検知していないときとで、第2用紙端検知センサー56の出力レベルが変化する。第2検知センサー53の出力は搬送制御部20に入力される。
【0056】
第2整合機構54は、第2搬送ローラー対51を軸線方向(用紙搬送方向と垂直な方向)で移動させる第2移動機構57を含む。第2移動機構57は第2移動用駆動源を含む(例えばモーター)。1つの第2搬送ローラー対51につき、1つの第2移動用駆動源が設けられる。用紙の位置を整合するとき、搬送制御部20は各第2移動用駆動源を動作させる。これにより、各第2搬送ローラー対51はスライド移動する。
【0057】
整合するとき、搬送制御部20は各第2搬送ローラー対51をいったん停止させる。搬送制御部20は、用紙搬送方向における用紙の下流側先端の位置が、第2用紙端検知センサー56と同じ位置、または、第2用紙端検知センサー56よりも下流となる位置で第2搬送ローラー対51を停止させる。例えば、最も下流側の第2検知センサー53による用紙到達検知後、搬送制御部20は、第2所定時間、用紙を搬送すると第2搬送ローラー対51を停止させる。第2所定時間は、当該第2検知センサー53と第2用紙端検知センサー56の位置までの距離を仕様上の用紙搬送速度で除した時間である。
【0058】
用紙搬送停止後、搬送制御部20は、各第2搬送ローラー対51の移動を開始させる。移動開始後、第2用紙端検知センサー56が用紙の存在を検知したとき、搬送制御部20は、各第2搬送ローラー対51の移動を停止させる。これにより、用紙の主走査方向(用紙搬送方向と垂直な方向)での用紙の位置が一定の位置となる。後処理装置3に搬入される用紙の位置のばらつきを無くすことができる。後処理装置3でのジャムの発生を抑えることができる。
【0059】
(ジャム発生回数と履歴の記憶)
次に、図3図7図8を用いて、実施形態に係る各搬送ユニットのジャムの発生回数の記憶の一例を説明する。図7は、実施形態に係る各搬送ユニットのジャムの発生回数と履歴の記憶の流れの一例を示す図である。図8は、実施形態に係る第1発生回数N1と第2発生回数N2の内容の一例を示す図である。
【0060】
搬送制御部20は、第1発生回数N1と第2発生回数N2を搬送記憶部21に不揮発的に記憶させる。第1発生回数N1は、第1搬送ユニット4でのジャムの発生回数(累計発生数)である。第2発生回数N2は、第2搬送ユニット5でのジャムの発生回数(累計発生数)である。さらに、搬送制御部20は、用紙のタイプごとに第1発生回数N1と第2発生回数N2を搬送記憶部21に記憶させる。用紙のタイプは、用紙のサイズと厚さに基づき定まる。厚さは複数レベルある。例えば、薄紙、普通紙、厚紙の3レベルがある。
【0061】
制御部10は、給紙部15にセットされた用紙のサイズと厚さを認識している。例えば、操作パネル12は用紙サイズと厚さの設定を受け付ける。制御部10は、操作パネル12で設定された用紙サイズを搬送される用紙のサイズと認識する。また、給紙部15にセットされた用紙のサイズを検知するサイズセンサーを設けてもよい。この場合、制御部10は、サイズセンサーの出力に基づき、用紙のサイズを認識する。また、給紙部15にセットされた用紙の厚さを検知するメディアセンサーを設けてもよい。この場合、制御部10は、メディアセンサーの出力に基づき、用紙の厚さを認識する。印刷ジョブのとき、制御部10は、搬送される用紙のサイズと厚さを搬送制御部20に通知する。これにより、搬送制御部20は、搬送される用紙のタイプ(サイズと厚さ)を認識する。
【0062】
図7のスタートは、搬送制御部20が1枚の用紙の搬入を認識した時点である。図7のフローチャートは、各用紙に対して行われる。まず、搬送制御部20は、ジャムが発生することなく、用紙の排出が完了したか否かを確認する(ステップ♯11)。搬送制御部20は問題なく排出できたか否かを確認する。
【0063】
用紙の排出が完了したとき(ステップ♯11のYes)、搬送制御部20は結果履歴9を搬送記憶部21に不揮発的に記憶させる(ステップ♯12)。この場合、搬送制御部20はジャム発生なしの結果履歴9を搬送記憶部21に記憶させる。搬送制御部20は、第1搬送ユニット4と第2搬送ユニット5のうち、使用した搬送ユニットを示す情報をそれぞれの結果履歴9に含める。そして、本フローは終了する(エンド)。まだ用紙の排出が完了していないとき(ステップ♯11のNo)、ジャムが発生したか否かを確認する(ステップ♯13)。ジャムが発生していないとき(ステップ♯13のNo)、フローはステップ♯11に戻る。
【0064】
用紙搬送装置2でジャムが生じたとき、搬送制御部20は用紙搬送を停止させる(ステップ♯14)。搬送制御部20は用紙搬送を全て停止させる。例えば、第1搬送ユニット4、第2搬送ユニット5、第1反転ユニット71、第2搬送ユニット5、各搬送ローラー対24が停止する。また、搬送制御部20は、制御部10(本体装置1)にジャム発生を通知する(ステップ♯15)。ジャム発生の通知を受信したとき、制御部10は、給紙部15、用紙搬送部16、印刷部17、後処理装置3の動作を停止させる。
【0065】
搬送制御部20は、各発生回数の更新が必要か否かを判定する(ステップ♯16)。第1検知センサー43の出力に基づき、搬送制御部20は、第1搬送ユニット4でのジャム発生を認識できる。第2検知センサー53の出力に基づき、搬送制御部20は、第2搬送ユニット5でのジャム発生を認識できる。ジャムの発生箇所が第1搬送ユニット4、又は、第2搬送ユニット5のとき、搬送制御部20は更新の必要あり、と判定する。
【0066】
必要ありと判定したとき(ステップ♯16のYes)、搬送制御部20は、第1発生回数N1又は第2発生回数N2を更新する(ステップ♯17)。具体的に、第1搬送ユニット4でジャムが発生したとき、搬送制御部20は第1発生回数N1の値を搬送記憶部21に更新させる。第2搬送ユニット5でジャムが発生したとき、搬送制御部20は第2発生回数N2の値を搬送記憶部21に更新させる。
【0067】
図8に示すように、搬送記憶部21は、用紙のタイプごとに第1発生回数N1と第2発生回数N2を記憶する。全タイプの第1発生回数N1の合計が第1搬送ユニット4のジャム発生回数の累計となる。第1搬送ユニット4でジャムが発生したとき、搬送制御部20は、ジャムが発生した用紙に対応する第1発生回数N1の値に1を加算する。全タイプの第2発生回数N2の合計が第2搬送ユニット5のジャム発生回数の累計となる。第2搬送ユニット5でジャムが発生したとき、搬送制御部20は、ジャムが発生した用紙に対応する第2発生回数N2の値に1を加算する。
【0068】
搬送制御部20は、搬送制御部20は結果履歴9を搬送記憶部21に不揮発的に記憶させる(ステップ♯18)。第1搬送ユニット4でジャムが生じた場合、搬送制御部20は第1搬送ユニット4でジャムが発生した履歴を結果履歴9として搬送記憶部21に記憶させる。第2搬送ユニット5でジャムが生じた場合、搬送制御部20は第2搬送ユニット5でジャムが発生した履歴を結果履歴9として搬送記憶部21に記憶させる。必要なしと判定したとき(ステップ♯16のNo)、搬送制御部20は、結果履歴9を搬送記憶部21に不揮発的に記憶させる(ステップ♯19)。この場合、第1搬送ユニット4と第2搬送ユニット5以外でジャムが生じた履歴を結果履歴9として搬送記憶部21に記憶させる。ステップ♯18とステップ♯19の後、本フローは終了する(エンド)。
【0069】
(切り離し制御)
次に、図9図10に基づき、実施形態に係る各搬送ユニットの切り離し制御の一例を説明する。図9図10は、実施形態に係る各搬送ユニットの切り離し制御の一例を示す図である。
【0070】
本体装置1(印刷部17)は高速に印刷できる。例えば、A4サイズの用紙の場合、1分間に100枚以上印刷することができる。印刷速度が速いほど、用紙搬送速度は速くなり、紙間(用紙と用紙の間隔)は狭くなる傾向がある。印刷速度が速いほど、用紙搬送装置2に用紙が搬入されてから次の用紙が搬入されるまでの時間は短くなる。一方、用紙位置を整合にはある程度の時間を要する。
【0071】
一方、用紙搬送装置2は、第1搬送ユニット4と第2搬送ユニット5を含む。各搬送ユニットは用紙位置の整合を行う。複数枚を連続して印刷する印刷ジョブのとき、搬送制御部20は、第1搬送ユニット4に用紙を整合させ、第1搬送ユニット4から用紙を送り出している間、第2搬送ユニット5に次の用紙を搬入する。また、搬送制御部20は、第2搬送ユニット5に用紙を整合させ、第2搬送ユニット5から用紙を送り出している間、第1搬送ユニット4に次の用紙を搬入する。これにより、印刷速度(用紙搬送速度)を落とさずに、用紙を整合することができる。
【0072】
ここで、使用しているうちに、第1搬送ユニット4又は第2搬送ユニット5でジャムが生じやすくなることがある。例えば、搬送ユニット内のローラーの摩耗や汚れにより、ジャムが生じやすくなることがある。また、第1搬送ユニット4と第2搬送ユニット5には個体差があり、特定のタイプの用紙でのみ、ジャムが生じ易くなることがある。
【0073】
ジャムが生じた場合、印刷、用紙搬送が停止される。この場合、使用者はジャム処理作業を行う必要がある。ジャム処理作業では、搬送経路に残る全ての用紙を除去する必要がある。特に、実施形態の画像形成装置100は、高速に印刷でき、かつ、給紙(本体装置1)から排出(後処理装置3)までの搬送経路が長い。複数枚の用紙を除去する必要がある。ジャム処理作業には大きな手間がかかる。そこで、ジャムの発生頻度を低下させるため、用紙搬送装置2(搬送制御部20)は、第1搬送ユニット4と第2搬送ユニット5のうち、一方の搬送ユニットの切り離し(用紙搬入禁止)をすることがある。以下、図9に基づき、切り離し制御の一例を説明する。
【0074】
図9のスタートは、印刷ジョブ(コピージョブ又はプリントジョブ)の開始時点である。まず、搬送制御部20は切り離し不要指示が出されているか(切り離し不要指示中か)否かを確認する(ステップ♯21)。切り離し不要指示は使用者の入力に基づく。使用者は、所定の操作を行い、切り離し不要指示を本体装置1の操作パネル12に入力する。ジャムが生じても、各搬送ユニットを両方用いたい場合、使用者は切り離し不要指示を入力する。操作パネル12は切り離し不要指示を受け付ける。制御部10は、切り離し不要指示がなされたことを搬送制御部20に通知する。搬送制御部20は、切り離し不要指示中であることを認識する。なお、使用者は、操作パネル12に操作を行うことにより、切り離し不要指示を解除できる。操作パネル12は切り離し不要指示の解除を受け付ける。制御部10は、切り離し不要指示の解除がなされたことを搬送制御部20に通知する。
【0075】
切り離し不要指示解除中のとき(ステップ♯21のNo)、搬送制御部20は、印刷ジョブで印刷する枚数が予め定められた許容枚数以下であるか否かを確認する(ステップ♯22)。許容枚数は適宜定められる。操作パネル12は許容枚数の設定を受け付けてもよい。この場合、搬送制御部20は設定された許容枚数を用いる。また、搬送制御部20は、設定された許容枚数を搬送記憶部21に不揮発的に記憶させる。例えば、許容枚数は数枚である。但し、許容枚数は1枚以上である。
【0076】
切り離し不要指示中のとき(ステップ♯21のYes)、搬送制御部20は、第1搬送ユニット4と第2搬送ユニット5を切り離さないと判定する(ステップ♯23)。また、印刷ジョブでの印刷枚数が許容枚数以下のとき(ステップ♯22のYes)、フローはステップ♯23に移行する。印刷枚数が少ないとき、印刷枚数が多いときよりも、印刷ジョブ中にジャムが発生する確率は低い。この場合、両方の搬送ユニットを積極的に使用する。ステップ♯23の後、本フローは終了する(エンド)。
【0077】
搬送制御部20は、これから開始しようとする印刷ジョブで用いる用紙のタイプ(使用予定タイプ)を取得する(ステップ♯24)。制御部10は給紙部15に収容される用紙のタイプを認識している。搬送制御部20は、制御部10に使用予定タイプの通知を要求する。この通知を受けたとき、制御部10は使用予定タイプを搬送制御部20に通知する。これにより、搬送制御部20は、使用予定タイプを取得、認識する。そして、搬送制御部20は、使用予定タイプに対応する第1発生回数N1と第2発生回数N2を読み出す(ステップ♯25)。
【0078】
搬送制御部20は、各発生回数と予め定められた規定回数に基づき、第1搬送ユニット4と第2搬送ユニット5の切り離しの必要性を判定する(ステップ♯26)。規定回数は予め定められる。搬送記憶部21は規定回数を不揮発的に記憶する。操作パネル12は規定回数の設定を受け付けてもよい。この場合、搬送制御部20は設定された規定回数を用いる。また、搬送制御部20は、設定された規定回数を搬送記憶部21に記憶させる。
【0079】
具体的に、以下のように判定する。
(1)使用予定タイプに対応する第1発生回数N1と第2発生回数N2の両方が規定回数以下のとき、搬送制御部20は第1搬送ユニット4と第2搬送ユニット5を切り離さないと判定する。
(2)使用予定タイプに対応する第1発生回数N1が規定回数以下、かつ、使用予定タイプに対応する第2発生回数N2が規定回数を超えているとき、搬送制御部20は第2搬送ユニット5を切り離すと判定する。
(3)使用予定タイプに対応する第2発生回数N2が規定回数以下、かつ、使用予定タイプに対応する第1発生回数N1が規定回数を超えているとき、搬送制御部20は第1搬送ユニット4を切り離すと判定する。
(4)使用予定タイプに対応する第1発生回数N1と第2発生回数N2の両方が規定回数を超えている場合。
第1発生回数N1が第2発生回数N2よりも小さいとき、搬送制御部20は、第2搬送ユニット5を切り離すと判定する。
第2発生回数N2が第1発生回数N1よりも小さいとき、搬送制御部20は、第1搬送ユニット4を切り離すと判定する。
【0080】
次に、搬送制御部20は、直近の所定枚数分の用紙の結果履歴9を搬送記憶部21から読み出す(ステップ♯27)。なお、以下のステップ♯27〜ステップ♯29は、ステップ♯26にて、第1搬送ユニット4と第2搬送ユニット5を切り離さないと判定したときのみ行う。第1搬送ユニット4を切り離すと判定したとき、又は、第2搬送ユニット5を切り離すと判定したとき、搬送制御部20は、ステップ♯27〜ステップ♯29をスキップする。所定枚数は適宜定められる。例えば、所定枚数は100枚〜数千枚のうち何れかの枚数とできる。搬送記憶部21は所定枚数を不揮発的に記憶する。操作パネル12は所定枚数の設定を受け付けてもよい。この場合、搬送制御部20は設定された所定枚数を用いる。また、搬送制御部20は、設定された所定枚数を搬送記憶部21に記憶させる。
【0081】
搬送制御部20は、結果履歴9に基づき、第1発生率と第2発生率を求める(ステップ♯28)。第1発生率は第1搬送ユニット4のジャムの発生率である。第2発生率は、第2搬送ユニット5のジャムの発生率である。例えば、搬送制御部20は、直近の所定枚数分の用紙の結果履歴9のうち、第1搬送ユニット4が用いられた搬送の結果履歴9の全件数(第1全件数)を確認する。次に、搬送制御部20は、第1搬送ユニット4に関する結果履歴9のうち、ジャム発生を記す結果履歴9の件数(第1件数)を確認する。搬送制御部20は、第1件数を第1全件数で除して、第1発生率を求める。
【0082】
また、例えば、搬送制御部20は、直近の所定枚数分の用紙の結果履歴9のうち、第2搬送ユニット5が用いられた搬送の結果履歴9の全件数(第2全件数)を確認する。次に、搬送制御部20は、第2搬送ユニット5に関する結果履歴9のうち、ジャム発生を記す結果履歴9の件数(第2件数)を確認する。搬送制御部20は、第2件数を第2全件数で除して、第2発生率を求める。
【0083】
搬送制御部20は、各発生率と予め定められた規定率に基づき、第1搬送ユニット4と第2搬送ユニット5の切り離しの必要性を判定する(ステップ♯29)。規定率は予め定められる。搬送記憶部21は規定率を不揮発的に記憶する。操作パネル12は規定率の設定を受け付けてもよい。この場合、搬送制御部20は設定された規定率を用いる。また、搬送制御部20は、設定された規定率を搬送記憶部21に記憶させる。
【0084】
具体的に、以下のように判定する。
(5)第1発生率と第2発生率の両方が規定率以下のとき、搬送制御部20は、第1搬送ユニット4と第2搬送ユニット5を切り離さないと判定する。
(6)第1発生率が規定率以下、かつ、第2発生率が規定率を超えているとき、搬送制御部20は第2搬送ユニット5を切り離すと判定する。
(7)第2発生率が規定率以下、かつ、第1発生率が規定率を超えているとき、搬送制御部20は第1搬送ユニット4を切り離すと判定する。
(8)第1発生率と第2発生率の両方が規定率を超えている場合。
第1発生率が第2発生率よりも小さいとき、搬送制御部20は、第2搬送ユニット5を切り離すと判定する。
第2発生率が第1発生率よりも小さいとき、搬送制御部20は、第1搬送ユニット4を切り離すと判定する。
【0085】
次に、搬送制御部20は、使用予定タイプの用紙の残量レベルを取得する(ステップ♯210)。用紙の残量レベルは、例えば、比率である。給紙部15は用紙残量レベルを検知する残量センサー112を含む(図2参照)。例えば、残量センサー112は、給紙部15に格納された(積まれた)用紙束の高さ(厚み)を検知するセンサーである。残量センサー112の出力は制御部10に入力される。制御部10は、残量センサー112の出力に基づき、残量レベルを認識する。例えば、制御部10は現在の厚みを満杯時の厚みで除して残量レベルを認識する。
【0086】
以下のステップ♯210〜ステップ♯212は、ステップ♯29にて、第1搬送ユニット4と第2搬送ユニット5を切り離さないと判定したときのみ行う。第1搬送ユニット4を切り離すと判定したとき、又は、第2搬送ユニット5を切り離すと判定したとき、搬送制御部20はステップ♯210〜212をスキップする。搬送制御部20は、制御部10に使用予定タイプの用紙の残量レベルを要求する。この通知を受けたとき、制御部10は、残量レベルを搬送制御部20に通知する。これにより、搬送制御部20は、使用予定タイプの用紙の残量レベルを取得、認識する(ステップ♯210)。そして、搬送制御部20は、ジャムが発生すると用紙切れが生ずるか否かを判定する(ステップ♯211)。
【0087】
例えば、搬送制御部20は、取得した残量レベルに基づき給紙部15に残る用紙の枚数を推測する。搬送制御部20は、仕様上の満杯時の用紙枚数に残量レベル(比率)を乗じて枚数を推測する。用紙の厚みごとに仕様上の満杯時の用紙枚数を異ならせてもよい(厚いほど少ない)。例えば、印刷ジョブの印刷枚数と推測した枚数の差の絶対値が、予め定められた許容値以下のとき、搬送制御部20は、ジャムが発生すると用紙切れが生ずると判定する。差の絶対値が許容値を超えているとき、搬送制御部20は、ジャムが発生すると用紙切れが生ずると判定しない。許容値は適宜設定される(例えば、0〜数枚程度)。
【0088】
用紙切れが生ずると判定したとき(ステップ♯211のYes)、搬送制御部20は、各発生回数と予め定められた基準回数に基づき、第1搬送ユニット4と第2搬送ユニット5の切り離しの必要性を判定する(ステップ♯212)。基準回数は予め定められる。搬送記憶部21は基準回数を不揮発的に記憶する。操作パネル12は基準回数の設定を受け付けてもよい。この場合、搬送制御部20は設定された基準回数を用いる。また、搬送制御部20は、設定された基準回数を搬送記憶部21に記憶させる。ステップ♯212により、本フローは終了する(エンド)。但し、基準回数は規定回数よりも小さい。その結果、ジャムが発生すると用紙切れが生ずる可能性が高い場合、積極的に搬送ユニットの切り離しが行われる。
【0089】
具体的に、以下のように判定する。
(9)使用予定タイプに対応する第1発生回数N1と使用予定タイプに対応する第2発生回数N2の両方が基準回数以下のとき、搬送制御部20は、第1搬送ユニット4と第2搬送ユニット5を切り離さないと判定する。
(10)使用予定タイプに対応する第1発生回数N1が基準回数以下、かつ、使用予定タイプに対応する第2発生回数N2が基準回数を超えているとき、搬送制御部20は第2搬送ユニット5を切り離すと判定する。
(11)使用予定タイプに対応する第2発生回数N2が基準回数以下、かつ、使用予定タイプに対応する第1発生回数N1が基準回数を超えているとき、搬送制御部20は第1搬送ユニット4を切り離すと判定する。
(12)使用予定タイプに対応する第1発生回数N1と第2発生回数N2の両方が基準回数を超えている場合。
第1発生回数N1が第2発生回数N2よりも小さいとき、搬送制御部20は、第2搬送ユニット5を切り離すと判定する。
第2発生回数N2が第1発生回数N1よりも小さいとき、搬送制御部20は、第1搬送ユニット4を切り離すと判定する。
【0090】
(判定結果に基づく用紙搬送)
次に、図11図12に基づき、実施形態に係る用紙搬送装置2での判定結果に基づく用紙搬送の一例を説明する。図11図12は、実施形態に係る用紙搬送装置2での判定結果に基づく用紙搬送の一例を示す図である。
【0091】
(A)第1搬送ユニット4と第2搬送ユニット5を切り離さないと判定したとき
図11のスタートは、搬送制御部20が各搬送ユニットの両方を切り離さないと判定した時点である。まず、搬送制御部20は、各搬送ユニットの両方を切り離さないと判定したことを制御部10(本体装置1)に通知する(ステップ♯31)。制御部10は、第1速度での給紙と用紙搬送を給紙部15と用紙搬送部16に開始する(ステップ♯32)。これにより、印刷ジョブでの給紙と用紙搬送が開始される。第1速度は予め定められる。例えば、第1速度は仕様上の用紙搬送速度である。印刷ジョブが終了するまで、又は、ジャムが発生するまで、制御部10は、第1速度で用紙の給紙、搬送を行わせる。
【0092】
また、用紙搬送装置2(搬送制御部20)は、第1速度での用紙搬送を開始する(ステップ♯33)。印刷ジョブが終了するまで、又は、ジャムが発生するまで、搬送制御部20は、第1速度での用紙が搬送されるように、各搬送ローラー対24を回転させる。このとき、搬送制御部20は、用紙ごとに振り分けガイド6の位置を第1位置と第2位置で切り替える。また、搬送制御部20は、第1反転ユニット71で反転された用紙を第1搬送ユニット4に搬入させる。また、搬送制御部20は、第2反転ユニット72で反転された用紙を第2搬送ユニット5に搬入させる。
【0093】
例えば、搬送制御部20は、印刷ジョブの奇数ページを第1反転ユニット71と第1搬送ユニット4に搬入する。また、搬送制御部20は、印刷ジョブの偶数ページを第2反転ユニット72と第2搬送ユニット5に搬入する。また、後処理装置3は、第1速度で用紙を搬送し、後処理を行う(ステップ♯34)。そして、本フローは終了する(エンド)。
【0094】
(B)第1搬送ユニット4又は第2搬送ユニット5を切り離すと判定したとき
図11のスタートは、搬送制御部20が第1搬送ユニット4又は第2搬送ユニット5を切り離すと判定した時点である。まず、搬送制御部20は、第1搬送ユニット4と第2搬送ユニット5のうち、切り離すと判定した搬送ユニットを制御部10(本体装置1)に通知する(ステップ♯41)。
【0095】
この通知を受けたとき、制御部10は、第1メッセージを表示させる(ステップ♯42)。搬送制御部20が第1メッセージを表示させるともいえる。第1メッセージは、第1搬送ユニット4と第2搬送ユニット5のうち、一方の切り離しを知らせるメッセージである。コピージョブのとき、制御部10は表示パネル13に第1メッセージを表示させる。プリントジョブのとき、制御部10は印刷ジョブ(プリントジョブ)のデータを送信したコンピューター200のディスプレイに第1メッセージを表示させる。この場合、制御部10は、当該コンピューター200に向けて、第1メッセージを通信部19に送信させる。第1メッセージを受信したとき、コンピューター200は、コンピューター200のディスプレイに第1メッセージを表示する。
【0096】
更に、制御部10は、第2メッセージを表示させる(ステップ♯43)。言い換えると、搬送制御部20は第2メッセージも表示させる。第2メッセージは、印刷に用いる用紙のタイプの変更を促すメッセージである。コピージョブのとき、制御部10は表示パネル13に第2メッセージを表示させる。プリントジョブのとき、制御部10は印刷ジョブ(プリントジョブ)のデータを送信したコンピューター200のディスプレイに第2メッセージを表示させる。この場合、制御部10は、当該コンピューター200に向けて、第2メッセージを通信部19に送信させる。第2メッセージを受信したとき、コンピューター200は、コンピューター200のディスプレイに第2メッセージを表示する。
【0097】
制御部10は、用紙のタイプの変更設定がなされたか否かを確認する(ステップ♯44)。コピージョブのとき、操作パネル12は、用紙のタイプの変更設定(新たな用紙のタイプを定める操作)を受け付ける。プリントジョブのとき、コンピューター200の入力デバイスは、用紙のタイプの変更設定(新たな用紙のタイプを定める操作)を受け付ける。コンピューター200の入力デバイスは、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル14である。用紙のタイプの変更設定を受け付けたとき、コンピューター200は、通信部19に向けて、変更後の用紙のタイプを送信する。操作パネル12の操作内容又は通信部19が受信したデータに基づき、制御部10は、変更後の用紙のタイプを認識する。
【0098】
用紙のタイプの変更設定がなされたとき(ステップ♯44のYes)、本フローは終了する(エンド)。この場合、第1搬送ユニット4と第2搬送ユニット5の切り離しの必要性の判定が再度行われる。具体的に、搬送制御部20は図9のフローチャートが再度実行する。搬送制御部20は、図9のフローチャートのステップ♯21〜23をスキップし、ステップ♯24から処理を開始してもよい。
【0099】
用紙のタイプの変更設定がなされていないとき(ステップ♯44のNo)、制御部10は用紙のタイプの変更不要の設定がなされたか否かを確認する(ステップ♯45)。コピージョブのとき、例えば、制御部10は、変更不要ボタン(不図示)を表示パネル13に表示させる。変更不要ボタンは、第2メッセージとともに表示されてもよい。操作パネル12は、変更不要ボタンの操作を受け付ける。変更不要ボタンが操作されたとき、制御部10は、用紙のタイプの変更不要の設定がなされたと認識する。
【0100】
プリントジョブのとき、制御部10は印刷ジョブのプリントジョブデータを送信したコンピューター200のディスプレイに変更不要ボタン(不図示)を表示させる。制御部10は、第2メッセージとともに、変更不要ボタン(不図示)を表示させる。コンピューター200の入力デバイスは、変更不要ボタンの操作を受け付ける。変更不要ボタンが操作されたとき、コンピューター200は、通信部19に向けて、変更不要ボタンが操作されたことを送信する。この通知を受信したとき、制御部10は、用紙のタイプの変更不要の設定がなされたと認識する。
【0101】
用紙のタイプの変更不要の設定がなされないとき(ステップ♯45のNo)、フローは、ステップ♯44に戻る。用紙のタイプの変更不要の設定がなされたとき(ステップ♯45のYes)、制御部10は、第2速度での給紙と用紙搬送を給紙部15と用紙搬送部16に開始する(ステップ♯46)。これにより、印刷ジョブでの給紙と用紙搬送が開始される。第2速度は第1速度よりも遅い。第1搬送ユニット4と第2搬送ユニット5の何れか一方を使用しないためである。例えば、第2速度は第1速度の半速である。第2速度は予め定められる。印刷ジョブが終了するまで、又は、ジャムが発生するまで、制御部10は、第2速度で用紙の給紙、搬送を行わせる。
【0102】
また、用紙搬送装置2(搬送制御部20)は、第2速度での用紙搬送を開始する(ステップ♯47)。印刷ジョブが終了するまで、又は、ジャムが発生するまで、搬送制御部20は、第2速度での用紙が搬送されるように、各搬送ローラー対24を回転させる。また、後処理装置3は、第2速度で用紙を搬送し、後処理を行う(ステップ♯48)。そして、本フローは終了する(エンド)。
【0103】
ここで、第2搬送ユニット5を切り離すと判定したとき、搬送制御部20は、振り分けガイド6の位置を第1位置で固定する。用紙を第1搬送ユニット4にのみ搬入する。また、搬送制御部20は、第1反転ユニット71で反転された用紙を第1搬送ユニット4に搬入する。また、搬送制御部20は第2反転ユニット72に用紙を搬入しない。一方、第1搬送ユニット4を切り離すと判定したとき、搬送制御部20は、振り分けガイド6の位置を第2位置で固定する。用紙を第2搬送ユニット5にのみ搬入する。搬送制御部20は、第2反転ユニット72で反転された用紙を第2搬送ユニット5に搬入する。搬送制御部20は、第1反転ユニット71に用紙を搬入しない。
【0104】
(第1発生回数N1と第2発生回数N2のリセット)
次に、図13を用いて、実施形態に係る搬送ユニットの交換の一例を説明する。図13は、実施形態に係る搬送ユニットの交換時の処理の一例を示す図である。
【0105】
第1搬送ユニット4と第2搬送ユニット5は、交換可能である。一方の搬送ユニットのみを交換することができる。用紙搬送装置2全体を交換せずに済む。用紙搬送装置2の寿命を延ばすことができる。第1搬送ユニット4が交換されたとき、第1発生回数N1をリセットする必要がある。また、第2搬送ユニット5が交換されたとき、第2発生回数N2をリセットする必要がある。画像形成装置100では、実際に交換された搬送ユニットにあわせ、自動的に対応する数値(発生回数)をリセットする。
【0106】
上述のように、第1搬送ユニット4の第1メモリー45は第1搬送ユニット4の累計搬送枚数を記憶する。第2搬送ユニット5の第2メモリー55は第2搬送ユニット5の累計搬送枚数を記憶する。搬送制御部20は、第1搬送ユニット4が用紙を1枚搬送するごとに、第1メモリー45の累計搬送枚数を更新する。搬送制御部20は、第2搬送ユニット5が用紙を1枚搬送するごとに、第2メモリー55の累計搬送枚数を更新する。
【0107】
そして、図13のスタートは、用紙搬送装置2に電力が供給され、搬送制御部20が動作を開始した時点である。まず、搬送制御部20は、第1メモリー45に記憶される累計搬送枚数がゼロか否かを確認する(ステップ♯51)。未使用(新品)の第1搬送ユニット4の第1メモリー45に記憶される累計搬送枚数はゼロである。第1メモリー45に記憶される累計搬送枚数がゼロのとき(ステップ♯51のYes)、搬送制御部20は、第1発生回数N1をリセットする(ステップ♯52)。搬送制御部20は、第1発生回数N1として0を搬送記憶部21に記憶させる。
【0108】
第1メモリー45に記憶される累計搬送枚数がゼロではないとき(ステップ♯51のNo)、又は、第1発生回数N1をリセットしたとき(ステップ♯52)、搬送制御部20は、第2メモリー55に記憶される累計搬送枚数がゼロか否かを確認する(ステップ♯53)。新品の第2搬送ユニット5の第2メモリー55に記憶される累計搬送枚数もゼロである。第2メモリー55に記憶される累計搬送枚数がゼロのとき(ステップ♯53のYes)、搬送制御部20は、第2発生回数N2をリセットする(ステップ♯54)。搬送制御部20は、第2発生回数N2として0を搬送記憶部21に記憶させる。第2メモリー55に記憶される累計搬送枚数がゼロではないとき(ステップ♯53のNo)、又は、第2発生回数N2をリセットしたとき(ステップ♯54)、フローはステップ♯51に戻る。搬送制御部20は、動作中、第1メモリー45と第2メモリー55の累計搬送枚数の確認を所定周期で行う。例えば、所定周期は、数秒〜数分の間の何れかの時間できる。
【0109】
(規定回数の調整)
次に、図14を用いて、実施形態に係る規定回数の調整の一例を説明する。図14は、実施形態に係る規定回数の調整の一例を示す図である。
【0110】
上述したように、規定回数と第1発生回数N1と第2発生回数N2が比較される。規定回数に基づき、第1搬送ユニット4と第2搬送ユニット5の切り離しが判定される。規定回数は固定の値でもよい。また、規定回数は状況に応じて変動してもよい。図14を用いて、規定回数を変動させる(調整する)例を説明する。図14のスタートは、第1搬送ユニット4又は第2搬送ユニット5でジャムが発生した時点である。ジャム発生時、搬送制御部20はジャムが発生した搬送ユニットの発生率を求める(ステップ♯61)。いずれかの搬送ユニットでジャムが生じたとき、搬送制御部20は、所定枚数分の結果履歴9を読み出す。そして、第1搬送ユニット4でジャムが生じたとき、搬送制御部20は第1発生率を求める。第2搬送ユニット5でジャムが生じたとき、搬送制御部20は第2発生率を求める。
【0111】
搬送制御部20は、規定回数を調整するか否かを確認する(ステップ♯62)。求めた第1発生率又は第2発生率が規定率を超えている場合、搬送制御部20は規定回数を調整しないと判定する(ステップ♯62のNo)。この場合、本フローは終了する(エンド)。求めた第1発生率又は第2発生率が規定率以下のとき、搬送制御部20は規定回数を調整すると判定する(ステップ♯62のYes)。この場合、搬送制御部20は、規定回数を所定値だけ小さくする(ステップ♯63)。そして、本フローは終了する。規定回数を小さくすることで、第1搬送ユニット4又は第2搬送ユニット5の切り離しを生じさせやすくする。
【0112】
規定回数が極めて小さくならないように(ゼロにならないように)、搬送制御部20は、規定回数の回復条件が満たされたとき、規定回数を所定値だけ大きくしてもよいし、規定回数の値を初期値に戻してもよい。初期値は予め定められる。予め定められた枚数の間、ジャムが生じなかったことを回復条件としてもよい。また、第1発生率と第2発生率が規定率を超えたことを回復条件としてもよい。また、第1発生回数N1と第2発生回数N2の何れかが規定回数を超えたことを回復条件としてもよい。
【0113】
このようにして、用紙搬送装置2は、第1搬送ユニット4、第1検知部(第1検知センサー43)、第2搬送ユニット5、第2検知部(第2検知センサー53)、振り分けガイド6、搬送記憶部21、搬送制御部20を含む。第1搬送ユニット4は、搬入された用紙を合流地点60に向けて搬送する。第1検知部は、第1搬送ユニット4でのジャムを検知する。第2搬送ユニット5は、搬入された用紙を合流地点60に向けて搬送する。第2検知部は、第2搬送ユニット5でのジャムを検知する。振り分けガイド6は、第1搬送ユニット4及び第2搬送ユニット5よりも、用紙搬送方向上流側に設けられる。振り分けガイド6は、第1位置のとき用紙を第1搬送ユニット4に導き、第2位置のとき用紙を第2搬送ユニット5に導く。搬送記憶部21は、第1発生回数N1と第2発生回数N2を記憶する。搬送制御部20は、振り分けガイド6を制御して第1搬送ユニット4と第2搬送ユニット5への用紙の搬入を制御する。第1発生回数N1は、第1搬送ユニット4でのジャムの発生回数である。第2発生回数N2は、第2搬送ユニット5でのジャムの発生回数である。搬送記憶部21は用いられた用紙のタイプごとに第1発生回数N1と第2発生回数N2を記憶する。第1検知部の出力に基づき、第1搬送ユニット4でのジャムの発生を認識したとき、搬送制御部20は、ジャムが発生した用紙のタイプに対応する第1発生回数N1を搬送記憶部21に更新させる。第2検知部の出力に基づき第2搬送ユニット5でのジャムの発生を認識したとき、搬送制御部20は、ジャムが発生した用紙のタイプに対応する第2発生回数N2を搬送記憶部21に更新させる。これから開始しようとする印刷ジョブで用いる用紙のタイプである使用予定タイプに対応する第1発生回数N1と、使用予定タイプに対応する第2発生回数N2の両方が規定回数以下のとき、搬送制御部20は、第1搬送ユニット4と第2搬送ユニット5を切り離さないと判定する。使用予定タイプに対応する第1発生回数N1が規定回数以下、かつ、使用予定タイプに対応する第2発生回数N2が規定回数を超えているとき、搬送制御部20は、第2搬送ユニット5を切り離すと判定する。使用予定タイプに対応する第2発生回数N2が規定回数以下、かつ、使用予定タイプに対応する第1発生回数N1が規定回数を超えているとき、搬送制御部20は、第1搬送ユニット4を切り離すと判定する。切り離さないと判定したとき、搬送制御部20は、用紙ごとに振り分けガイド6の位置を第1位置と第2位置で切り替える。第2搬送ユニット5を切り離すと判定したとき、搬送制御部20は、振り分けガイド6の位置を第1位置で固定して用紙を第1搬送ユニット4にのみ搬入する。第1搬送ユニット4を切り離すと判定したとき、搬送制御部20は、振り分けガイド6の位置を第2位置で固定して用紙を第2搬送ユニット5にのみ搬入する。
【0114】
これから開始しようとする印刷ジョブで用いる用紙のタイプ(使用予定タイプ)が、ジャムが発生しやすいタイプか否かを判定することができる。ジャムが発生しやすい搬送ユニットとその搬送経路を自動的に使わないようにすることができる。つまり、ジャム(用紙の詰まり)が発生しやすい搬送ユニットを切り離すことができる。ジャムが発生しやすいタイプの用紙を搬送するときのみ、搬送ユニットとその搬送経路を使わないようにすることもできる。これにより、用紙のタイプによらず、ジャムの発生数を少ない水準で保つことができる。搬送ユニットでのジャムの多発を防ぐことができる。使用者に使い勝手のよい用紙搬送装置2を提供することができる。ジャム多発による不満を使用者に感じさせることがない。
【0115】
搬送制御部20は、所定枚数分の用紙の搬送結果に基づき、第1搬送ユニット4のジャムの発生率である第1発生率と、第2搬送ユニット5のジャムの発生率である第2発生率を求める。第1発生率が予め定められた規定率以下、かつ、第2発生率が規定率を超えているとき、搬送制御部20は、第2搬送ユニット5を切り離すと判定する。第2発生率が規定率以下、かつ、第1発生率が規定率を超えているとき、搬送制御部20は、第1搬送ユニット4を切り離すと判定する。ジャム発生率が急上昇した搬送ユニットを切り離すことができる。急にジャムが発生しやすくなった搬送ユニットとその搬送経路を自動的に使わないようにすることができる。これにより、ジャムの発生数を減らすことができる。搬送ユニットでのジャムの多発を防ぐことができる。使用者に使い勝手のよい用紙搬送装置2を提供することができる。ジャム多発による不満を使用者に感じさせることがない。
【0116】
第1発生率が規定率以下の場合に第1搬送ユニット4でジャムが発生したとき、及び、第2発生率が規定率以下の場合に第2搬送ユニット5でジャムが発生したとき、搬送制御部20は、規定回数を所定値だけ小さくする。搬送ユニットの切り離しが行われやすくなる。ジャムが発生しないように、搬送ユニットの切り離しを積極的に行うことができる。
【0117】
搬送制御部20は、使用予定タイプの用紙の残量レベルを取得する。搬送制御部20は、ジャムが発生すると用紙切れが生ずるか否かを判定する。用紙切れが生ずると判定したとき、搬送制御部20は、使用予定タイプに対応する第1発生回数N1が基準回数以下、かつ、使用予定タイプに対応する第2発生回数N2が基準回数を超えているとき、第2搬送ユニット5を切り離すと判定する。使用予定タイプに対応する第2発生回数N2が基準回数以下、かつ、使用予定タイプに対応する第1発生回数N1が基準回数を超えているとき、搬送制御部20は、第1搬送ユニット4を切り離すと判定する。基準回数は、規定回数よりも小さい。
【0118】
ジャムの結果、印刷で使えなくなるほど用紙にダメージが入ることがある。その結果、ジャムの発生により、用紙が足りなくなることがある。印刷中、用紙不足が生ずると、印刷が停止する。そこで、ジャム発生により用紙が足りなくなると判定した場合、基準回数に基づき、搬送ユニットの切り離しを行うか否かを判定する。基準回数は規定回数より小さい。そのため、用紙残量が少ないほど、第1搬送ユニット4又は第2搬送ユニット5の切り離ししやすくすることができる。用紙の残量レベルが小さいとき、ジャムの発生率を更に下げることができる。
【0119】
タイプは、用紙サイズ及び用紙厚さに基づき分類される。サイズと厚さに基づき、用紙のタイプを適切に分類することができる。
【0120】
振り分けガイド6よりも用紙搬送方向上流側に設けられた第1反転ユニット71と第2反転ユニット72を含む。第1搬送ユニット4を切り離さないと判定したとき、搬送制御部20は、第1反転ユニット71で反転された用紙を第1搬送ユニット4に搬入させる。第2搬送ユニット5を切り離さないと判定したとき、搬送制御部20は、第2反転ユニット72で反転された用紙を第2搬送ユニット5に搬入させる。第2搬送ユニット5を切り離すと判定したとき、搬送制御部20は、第1反転ユニット71で反転された用紙を第1搬送ユニット4に搬入させるとともに、第2反転ユニット72には用紙を搬入させない。第1搬送ユニット4を切り離すと判定したとき、搬送制御部20は、第2反転ユニット72で反転された用紙を第2搬送ユニット5に搬入させるとともに、第1反転ユニット71には用紙を搬入させない。反転ユニットを含む場合、ジャム(用紙の詰まり)が発生しやすい搬送ユニットを切り離すことができる。搬送ユニットに対応する反転ユニットへの用紙搬入を防ぐことができる。
【0121】
印刷ジョブで印刷する枚数が予め定められた許容枚数以下のとき、搬送制御部20は、第1搬送ユニット4と第2搬送ユニット5について、切り離すと判定しない。印刷ジョブでの印刷枚数が多いほど、途中でジャムが発生する確率は高くなる。印刷ジョブでの印刷枚数が多いときよりも少ないときの方が、印刷ジョブの途中でジャムが発生する確率は低いといえる。連続印刷枚数が少なく、ジャム発生率が相対的に低いと考えられるとき、搬送ユニットを切り離さないようにすることができる。用紙搬送装置2の搬送能力を下げないようにすることができる。
【0122】
使用者の入力に基づく切り離し不要指示が出されている間、搬送制御部20は、第1搬送ユニット4と第2搬送ユニット5を切り離さないと判定する。使用者は搬送ユニットの切り離しを行わない指示を出すことができる。搬送ユニットの切り離しを使用者の意思に基づき解除することができる。
【0123】
第1搬送ユニット4と第2搬送ユニット5は、交換可能である。第1搬送ユニット4は、第1メモリー45を含む。第2搬送ユニット5は、第2メモリー55を含む。搬送制御部20は、第1メモリー45及び第2メモリー55と通信する。搬送制御部20は、第1搬送ユニット4の累計搬送枚数を第1メモリー45に記憶させる。搬送制御部20は、第2搬送ユニット5の累計搬送枚数を第2メモリー55に記憶させる。第1メモリー45に記憶される累計搬送枚数がゼロのとき、搬送制御部20は、第1発生回数N1を搬送記憶部21にリセットさせる。第2メモリー55に記憶される累計搬送枚数がゼロのとき、搬送制御部20は、第2発生回数N2を搬送記憶部21にリセットさせる。この構成によれば、第1搬送ユニット4と第2搬送ユニット5を交換することができる。使用により寿命が尽きた搬送ユニットを交換することができる。第1搬送ユニット4が交換されたとき、第1発生回数N1を自動的にリセットすることができる。また、第2搬送ユニット5が交換されたとき、第2発生回数N2を自動的にリセットすることができる。
【0124】
第1搬送ユニット4と第2搬送ユニット5は、用紙搬送方向と垂直な方向で搬入された用紙の位置を整合する。第1搬送ユニット4と第2搬送ユニット5は、整合後の用紙を合流地点60に向けて搬送する。各搬送ユニットで用紙の位置を整えることができる。
【0125】
画像形成装置100は、上述の用紙搬送装置2と、本体装置1と、を含む。本体装置1は、印刷を行う印刷部17と、印刷済の用紙を用紙搬送装置2に搬入する用紙搬送部16と、制御部10と、を含む。搬送制御部20が第1搬送ユニット4又は第2搬送ユニット5を切り離すと判定したとき、制御部10は第1メッセージを表示させる。第1メッセージは、第1搬送ユニット4と第2搬送ユニット5のうち、一方の切り離しを知らせるメッセージである。一方の搬送ユニットが切り離されることを使用者に知らせることができる。搬送経路の一方が塞がれていることにより、単位時間あたりの搬送枚数の低下の可能性を知らせることができる。
【0126】
搬送制御部20が第1搬送ユニット4又は第2搬送ユニット5を切り離すと判定したとき、制御部10は第2メッセージを表示させる。第2メッセージは、印刷に用いる用紙の変更を促すメッセージである。用紙のタイプが切り離しが行われるタイプの場合、違うタイプの使用を使用者に促すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本発明は、用紙を搬送する用紙搬送装置や、用紙搬送装置を含む画像形成装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0128】
100 画像形成装置 1 本体装置
10 制御部 16 用紙搬送部
17 印刷部 2 用紙搬送装置
20 搬送制御部 21 搬送記憶部
4 第1搬送ユニット 43 第1検知センサー(第1検知部)
45 第1メモリー 5 第2搬送ユニット
53 第2検知センサー(第2検知部) 55 第2メモリー
6 振り分けガイド 60 合流地点
71 第1反転ユニット 72 第2反転ユニット
91 第1発生回数 92 第2発生回数
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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