(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記設定情報処理部は、前記接続監視部が前記他の装置との有線通信が切断されたと判断した場合、第2の記憶部に保存された前記設定情報又は前記設定情報関連情報を削除する、請求項1に記載の無線通信装置。
前記設定情報関連情報は、前記設定情報を提供するコールセンターの電話番号と、発呼者を認証するための認証情報とを含む画像データ及び音声データのうちの少なくとも一方である、請求項1又は2に記載の無線通信装置。
前記設定情報処理部は、前記接続監視部が前記端末装置との有線通信が切断されたと判断した場合、第2の記憶部に保存された前記設定情報又は前記設定情報関連情報を削除する、請求項5又は6に記載の通信システム。
前記設定情報関連情報は、前記設定情報を提供するコールセンターの電話番号と、発呼者を認証するための認証情報とを含む画像データ及び音声データのうちの少なくとも一方である、請求項5〜7のいずれか1項に記載の通信システム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の通信システム40の一実施形態を示す概略図である。通信システム40は、無線通信装置10と、端末装置20とを含み、利用者宅等の屋内で構築される。無線通信装置10及び端末装置20は、通信ケーブル及び無線LANを介して、相互にデータ通信を行う。無線通信装置10は、インターネット等の無線WAN(Wide Area Network)に接続され、外部の装置との間でデータ通信を行うことができる。
【0011】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る無線通信装置10の詳細な構成を示すブロック図である。無線通信装置10の具体例として、アクセスポイントとして機能する無線LANルータが挙げられる。無線通信装置10は、主制御部100と、第1の記憶部110と、第2の記憶部111と、切替部112と、入出力ポート113と、無線LAN通信部114と、有線WANポート115と、有線WAN通信部116と、有線LANポート117と、有線LAN通信部118とを備える。
【0012】
主制御部100は、無線通信装置10が備える装置や論理回路を制御して、無線通信装置10の全体制御を行う半導体集積装置である。主制御部100は、CPU(Central Processing Unit)及びRAM(Random Access Memory)を備えており、演算装置であるCPUが、本発明の設定情報提供プログラムをRAMに展開して実行することにより、本発明の方法を実行する。本発明の設定情報提供プログラムには、プログラムモジュールである動作モード制御部101、動作モード判定部102、接続監視部103及び設定情報処理部104が含まれる。
【0013】
動作モード制御部101は、ユーザによって切替部112が操作されたことを検出し、切替部112に対する操作に応じて、自機の動作モードを変更するプログラムモジュールである。動作モードには、通常の動作モードと、設定情報提供モードとがある。設定情報提供モードは、自機との無線通信接続に必要な設定情報に関する情報(以下、「設定情報関連情報」とする。)を提供するための動作モードである。設定情報とは、自機との無線通信接続に必要なSSID及び暗号化キー等の情報である。設定情報関連情報とは、設定情報が含まれた画像データである。動作モード制御部101は、通常の動作モードへの変更を指示する操作が行われたことを検出すると、動作モードが通常の動作モードである旨を示す情報を、動作モード情報として第1の記憶部110に保存する。一方、動作モード制御部101は、設定情報提供モードへの変更を指示する操作が行われたことを検出すると、動作モードが設定情報提供モードである旨を示す情報を、動作モード情報として第1の記憶部110に保存する。
【0014】
動作モード判定部102は、自機の現在の動作モードを判定するプログラムモジュールである。動作モード判定部102は、第1の記憶部110に保存されている動作モード情報を参照して、現在の動作モードを判定する。
【0015】
接続監視部103は、入出力ポート113に接続された通信ケーブルを介して、端末装置20との間で有線通信が確立されたか否か判断するプログラムモジュールである。接続監視部103は、通信ケーブルが入出力ポート113に接続されたことにより、無線通信装置10と端末装置20との間で有線通信が確立されたか否か判断する。また、接続監視部103は、通信ケーブルが入出力ポート113から外されたことにより、無線通信装置10と端末装置20との間の有線通信が切断したか否か判断する。
【0016】
設定情報処理部104は、設定情報関連情報を処理するプログラムモジュールである。設定情報処理部104は、自機の現在の動作モードが設定情報提供モードであり、かつ、入出力ポート113に接続された通信ケーブルを介して端末装置20との有線通信が確立された場合、第1の記憶部110から設定情報関連情報を取得して第2の記憶部111に保存する。また、設定情報処理部104は、端末装置20との有線通信が切断された場合に、第2の記憶部111に保存されている設定情報関連情報を削除する。
【0017】
第1の記憶部110は、端末装置20等の他の装置がアクセスできない記憶装置である。第1の記憶部110には、本発明の設定情報提供プログラムの他、現在の設定情報、現在の設定情報を表示するための設定情報関連情報、及び動作モード情報が保存される。現在の設定情報は、無線通信装置10の製造時に設定された設定情報、又はユーザが変更した後の設定情報である。
【0018】
第2の記憶部111は、端末装置20等の他の装置が、入出力ポート113に接続された通信ケーブルを介してアクセス可能な記憶装置である。第2の記憶部111には、設定情報関連情報が保存される。
【0019】
切替部112は、自機の動作モードを切り替えるための装置である。切替部112の具体例として、スイッチやボタン等が挙げられる。ユーザは、切替部112を操作することにより、通常の動作モードから設定情報提供モードへの変更を指示することができ、また、設定情報提供モードから通常の動作モードへの変更を指示することができる。
【0020】
入出力ポート113は、USBケーブル等の通信ケーブルが接続される端子である。無線通信装置10は、入出力ポート113に接続された通信ケーブルを介して、端末装置20等の他の装置とデータ通信を行うことができる。
【0021】
無線LAN通信部114は、アンテナ(図示せず)を介した無線LAN通信を制御する論理回路である。無線LAN通信部114は、受信回路及び送信回路を備える。受信回路は、他の装置からアンテナを介して種々のデータを受信すると、これらのデータを主制御部100に提供する。送信回路は、主制御部100の制御下で、アンテナを介して種々のデータを送信する。
【0022】
有線WANポート115は、インターネット等のWANとの間のデータの送受信を行う装置である。有線WANポート115には、通信ケーブルが接続され、光回線又は電話回線を介して有線WAN通信を行う。
【0023】
有線WAN通信部116は、有線WANポート115を介したデータの送受信を行う論理回路である。有線WAN通信部116は、受信回路及び送信回路を備える。受信回路は、他の装置から有線WANポート115を介して種々のデータを受信すると、これらのデータを主制御部100に提供する。送信回路は、主制御部100の制御下で、有線WANポート115を介して種々のデータを送信する。
【0024】
有線LANポート117は、有線LANを介したデータの送受信を行う装置である。有線LANポート117には、種々のLANケーブルが接続され、LANケーブルを介して他の装置との間で有線LAN通信を行う。
【0025】
有線LAN通信部118は、有線LANポート117を介したデータの送受信を行う論理回路である。有線LAN通信部118は、受信回路及び送信回路を備える。受信回路は、他の装置から有線LANポート117を介して種々のデータを受信すると、これらのデータを主制御部100に提供する。送信回路は、主制御部100の制御下で、有線LANポート117を介して種々のデータを送信する。
【0026】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る端末装置20の詳細な構成を示すブロック図である。端末装置20の具体例として、PCやスマートフォン、タブレット型端末等が挙げられる。端末装置20は、主制御部200と、表示装置210と、入出力ポート211と、無線LAN通信部212とを備える。
【0027】
主制御部200は、無線通信装置10が備える装置や論理回路を制御して、無線通信装置10の全体制御を行う半導体集積装置である。主制御部200は、CPU及びRAMを備えており、CPUが、本発明の設定情報提供プログラムをRAMに展開して実行することにより、本発明の方法を実行する。本発明の設定情報提供プログラムには、プログラムモジュールである設定情報取得部201、表示制御部202及び通信制御部203が含まれる。
【0028】
設定情報取得部201は、無線通信装置10から設定情報関連情報を取得するプログラムモジュールである。設定情報取得部201は、入出力ポート211に接続された通信ケーブルを介して、無線通信装置10から画像データである設定情報関連情報を取得する。
【0029】
表示制御部202は、表示装置210を制御して種々の画像データを表示するプログラムモジュールである。表示制御部202は、無線通信装置10から取得した設定情報関連情報を表示装置210に表示する。
【0030】
通信制御部203は、無線通信装置10との間のデータ通信を制御するプログラムモジュールである。通信制御部203は、入出力ポート211に接続された通信ケーブルを介して、無線通信装置10とデータ通信を制御する。また、通信制御部203は、無線LANを介して、無線通信装置10とデータ通信を制御する。
【0031】
表示装置210は、表示制御部202の制御下で種々の画像データを表示する装置である。表示装置210には、無線通信装置10から取得した設定情報関連情報が表示される。ユーザは、表示装置210に表示された画像を参照することにより、設定情報を確認することができる。
【0032】
入出力ポート211は、USBケーブル等の通信ケーブルが接続される端子である。端末装置20は、入出力ポート211に接続された通信ケーブルを介して、無線通信装置10等の他の装置とデータ通信を行うことができる。
【0033】
無線LAN通信部212は、アンテナ(図示せず)を介した無線LAN通信を制御する論理回路である。無線LAN通信部212は、受信回路及び送信回路を備える。受信回路は、他の装置からアンテナを介して種々のデータを受信すると、これらのデータを主制御部200に提供する。送信回路は、主制御部200の制御下で、アンテナを介して種々のデータを送信する。
【0034】
図4は、第1の実施形態に係る無線通信装置10が有する主要な構成要素と、端末装置20が有する主要な構成要素を示すブロック図である。無線通信装置10は、主要な構成要素として動作モード制御部101と、動作モード判定部102と、接続監視部103と、設定情報処理部104と、第1の記憶部110と、第2の記憶部111と、切替部112と、入出力ポート113とを備える。端末装置20は、主要な構成要素として設定情報取得部201と、通信制御部203とを備える。
【0035】
図5は、本発明の第1の実施形態に係る無線通信装置10が実行する処理を示すフローチャートである。ステップS101では、主制御部100の動作モード判定部102が、第1の記憶部110に保存された動作モード情報を参照し、現在の動作モードが設定情報提供モードであるか否か判断する。現在の動作モードが設定情報提供モードでない場合(NO)、ステップS101の処理が再び実行される。一方、現在の動作モードが設定情報提供モードである場合(YES)、ステップS102に処理が分岐する。ステップS102では、接続監視部103は、入出力ポート113に接続された通信ケーブルを介して、端末装置20との間で有線通信が確立されたか否か判定する。端末装置20との間で有線通信が確立されていない場合(NO)、ステップS102の処理が再び実行される。一方、端末装置20との間で有線通信が確立された場合(YES)、ステップS103に処理が分岐する。
【0036】
ステップS103では、設定情報処理部104は、第1の記憶部110から設定情報を含む画像データを取得し、当該画像データを第2の記憶部111に保存する。これにより、端末装置20が第2の記憶部から当該画像データを取得できるようになる。ステップS104では、接続監視部103は、端末装置20との有線通信が切断されたか否か判断する。有線通信が切断されていない場合(NO)、ステップS104の処理が再び実行される。一方、有線通信が切断された場合(YES)、ステップS105に処理が分岐する。ステップS105では、設定情報処理部104は、第2の記憶部111に保存されている画像データを消去し、
図5の処理が終了する。
【0037】
第1の実施形態では、以下の効果を奏する。無線通信装置10は、ユーザが切替部112を操作して設定情報提供モードへの変更を指示した場合に、現在の動作モードを設定情報提供モードに変更する。そして、無線通信装置10は、ユーザが無線通信装置10と端末装置20に通信ケーブルを接続することにより、端末装置20との間で有線通信が確立されたと判定すると、設定情報を表示するための画像データを端末装置20に提供する。端末装置20は、当該画像データを表示する。これにより、ユーザは、この設定情報を参照しながら、無線通信装置10と無線通信接続を確立すべき端末装置に設定情報を入力することにより、無線通信装置10と端末装置との間の無線通信接続を確立することができる。すなわち、無線通信装置10の無線通信接続に関する設定情報が確認できない状態になった場合でも、無線通信装置10と端末装置の間の無線通信接続を確立することができる。また、ユーザは、無線通信装置10の切替部112を操作し、無線通信装置10及び端末装置20に通信ケーブルを接続することにより、直観的かつ容易に無線通信装置10との無線通信接続に必要な設定情報を把握することができる。
【0038】
また、無線通信装置10は、通信ケーブルを介して、設定情報を含む画像データを端末装置20に送信するため、当該画像データを無線で送信する構成のように設定情報が傍受されることがなく、安全性を高めることができる。
【0039】
さらに、無線通信装置10は、通信ケーブルが外されて端末装置20との有線通信が切断された場合、第2の記憶部111に保存された設定情報を含む画像データを削除するため、安全性を高めることができる。
【0040】
さらに、無線通信装置10は、現在の設定情報を含む画像データを端末装置20に提供する。現在の設定情報には、上述したように、ユーザが変更した後の設定情報が含まれる。このため、ユーザが設定情報を変更した場合でも、無線通信装置10は、変更後の設定情報を含む画像データを端末装置20に提供することができ、端末装置20は、当該変更後の設定情報をユーザに提示することができる。
【0041】
さらに、端末装置20は、無線通信装置10の第2の記憶部111に対してのみアクセスでき、第1の記憶部110へアクセスすることができない。このため、第1の記憶部110に保存されている設定情報が削除又は変更されるのを防止することができ、無線通信装置10との無線通信接続処理への影響を防止することができる。
【0042】
さらに、無線通信装置10は、上述したように、無線通信装置10の無線通信接続に関する設定情報が確認できない状態になった場合でも、無線通信装置10と端末装置との間の無線通信接続を確立することができる。このため、設定情報を表示するために現在利用されているラベルの素材や印字方法等を変更する必要がない。
【0043】
<第2の実施形態>
第2の実施形態では、無線通信装置10は、設定情報関連情報の代わりに、設定情報自体を第2の記憶部111に保存する。端末装置20は、無線通信装置10の第2の記憶部111から通信ケーブルを介して設定情報を取得し、当該設定情報を用いて、無線通信装置10との間で無線通信接続を確立する。
【0044】
図6は、本発明の第2の実施形態に係る端末装置20の詳細な構成を示す図である。第2の実施形態では、端末装置20は、さらに監視部204を備える。監視部204は、入出力ポート211に接続された通信ケーブルを介して、無線通信装置10の第2の記憶部111にアクセス可能か否か判断するプログラムモジュールである。
【0045】
図7は、本発明の第2の実施形態に係る無線通信装置10が実行する処理を示すフローチャートである。ステップS201では、主制御部100の動作モード判定部102が、第1の記憶部110を参照し、現在の動作モードが接続情報提供モードであるか否か判断する。現在の動作モードが接続情報提供モードでない場合(NO)、ステップS201の処理が再び実行される。一方、現在の動作モードが接続情報提供モードである場合(YES)、ステップS202に処理が分岐する。ステップS202では、接続監視部103は、入出力ポート113に接続された通信ケーブルを介して、端末装置20との間で有線通信が確立されたか否か判定する。端末装置20との間で有線通信が確立されていない場合(NO)、ステップS202の処理が再び実行される。一方、端末装置20との間で有線通信が確立された場合(YES)、ステップS203に処理が分岐する。
【0046】
ステップS203では、設定情報処理部104は、第1の記憶部110から設定情報を取得し、当該設定情報を第2の記憶部111に保存する。これにより、端末装置20が第2の記憶部から設定情報を取得できるようになる。ステップS204では、接続監視部103は、端末装置20との有線通信が切断されたか否か判断する。有線通信が切断されていない場合(NO)、ステップS204の処理が再び実行される。一方、有線通信が切断された場合(YES)、ステップS205に処理が分岐する。ステップS205では、設定情報処理部104は、第2の記憶部111に保存されている設定情報を消去し、
図7の処理が終了する。
【0047】
図8は、本発明の第2の実施形態に係る端末装置20が実行する処理を示すフローチャートである。ステップS301では、主制御部200の監視部204が、無線通信装置10の第2の記憶部111にアクセス可能か否か判断する。第2の記憶部111にアクセスできない場合(NO)、ステップS301の処理が再び実行される。一方、第2の記憶部111にアクセスできる場合(YES)、ステップS302に処理が分岐する。
【0048】
ステップS302では、設定情報取得部201は、無線通信装置10の第2の記憶部111から設定情報を取得する。ステップS303では、通信制御部203は、当該設定情報を用いて、無線通信装置10との間で無線通信接続を確立し、
図8の処理が終了する。
【0049】
第2の実施形態では、以下の効果を奏する。端末装置20は、無線通信装置10の第2の記憶部111にアクセスし、入出力ポート211に接続された通信ケーブルを介して、設定情報を取得すると、当該設定情報を用いて、無線通信装置10との間で無線通信接続を確立する。このため、ユーザ自身が、端末装置20を操作して設定情報を入力する必要がないため、ユーザの利便性を向上させることができる。また、ユーザは、無線通信装置10の切替部112を操作し、無線通信装置10及び端末装置20に通信ケーブルを接続することにより、直観的かつ容易に無線通信装置10と端末装置との間の無線通信接続を確立することができる。
【0050】
<第3の実施形態>
図9は、本発明の第3の実施形態に係る通信システム80を示す概略図である。通信システム80は、無線通信装置10と、端末装置20と、電話機50と、管理サーバ60とを含む。電話機50及び管理サーバ60は、電話回線網70を介して、相互にデータ通信を行うことができる。また、管理サーバ60は、インターネット30に接続される。
【0051】
電話機50は、電話回線網70を介してデータ通信が可能な装置である。電話機50の具体例として、スマートフォンや携帯電話、固定電話等が挙げられる。電話機50は、電話回線網70を介して管理サーバ60と通信することができる。なお、電話機50は、インターネット30を介して管理サーバ60と通信してもよい。
【0052】
図10は、第3の実施形態に係る管理サーバの詳細な構成を示す図である。管理サーバ60は、電話機50からのコールを制御する情報処理装置であり、無線通信装置10の設定情報を提供するコールセンター等に設定される。管理サーバ60は、主制御部600と、入出力ポート605と、記憶装置606とを備える。
【0053】
主制御部600は、管理サーバ60が備える装置を制御して、管理サーバ60の全体制御を行う半導体集積装置である。主制御部600は、CPU及びRAMを備えており、CPUが、本発明の設定情報提供プログラムをRAMに展開して実行することにより、本発明の方法を実行する。本発明の設定情報提供プログラムには、プログラムモジュールであるコール制御部601、音声再生部602、監視部603及び認証部604が含まれる。
【0054】
コール制御部601は、電話機50からのコールを制御するプログラムモジュールである。コール制御部601が、電話機50からコールを受信すると、
図12に示す処理を開始する。音声再生部602は、記憶装置606に保存された音声データを再生するプログラムモジュールである。監視部603は、電話機50から認証情報を受信したか否か監視するプログラムモジュールである。
【0055】
認証部604は、電話機50から受信した認証情報を認証するプログラムモジュールである。認証部604は、記憶装置606に保存された装置情報テーブルを参照し、電話機50から受信した認証情報が、装置情報テーブルに登録された認証情報と一致するか否か判断することにより、認証情報の認証を行う。
図13は、装置情報テーブルの一例を示す図である。装置情報テーブルには、無線通信装置10の製造番号、MACアドレス、SSID、暗号化キー、音声データ識別情報及び認証情報が登録される。
【0056】
入出力ポート605は、通信ケーブルが接続される端子である。管理サーバ60は、入出力ポート605に接続された通信ケーブルを介して、電話機50等の他の装置とデータ通信を行うことができる。
【0057】
記憶装置606は、装置情報テーブル及び音声データが保存される記憶装置である。音声データには、認証情報の入力を発呼者に促すための音声データと、設定情報を通知する音声データがある。設定情報を通知する音声データは、設定情報毎に用意され、それぞれ固有の音声データ識別情報が割り当てられる。
【0058】
図11は、本発明の第3の実施形態に係る無線通信装置10が実行する処理を示すフローチャートである。ステップS401では、主制御部100の動作モード判定部102が、第1の記憶部110に保存された動作モード情報を参照し、現在の動作モードが設定情報提供モードであるか否か判断する。現在の動作モードが設定情報提供モードでない場合(NO)、ステップS401の処理が再び実行される。一方、現在の動作モードが設定情報提供モードである場合(YES)、ステップS402に処理が分岐する。ステップS402では、接続監視部103が、入出力ポート113に接続された通信ケーブルを介して、端末装置20との間で有線通信が確立されたか否か判定する。端末装置20との間で有線通信が確立されていない場合(NO)、ステップS402の処理が再び実行される。一方、端末装置20との間で有線通信が確立された場合(YES)、ステップS403に処理が分岐する。
【0059】
ステップS403では、設定情報処理部104は、第1の記憶部110からコールセンターの電話番号及び認証情報を含む画像データを取得し、当該画像データを第2の記憶部111に保存する。これにより、端末装置20が第2の記憶部から当該画像データを取得できるようになる。ステップS404では、接続監視部103は、端末装置20との有線通信が切断されたか否か判断する。有線通信が切断されていない場合(NO)、ステップS404の処理が再び実行される。一方、有線通信が切断された場合(YES)、ステップS405に処理が分岐する。ステップS405では、設定情報処理部104は、第2の記憶部111に保存されている画像データを消去し、
図11の処理が終了する。
【0060】
図12は、本発明の第3の実施形態に係る管理サーバ60が実行する処理を示すフローチャートである。
図12に示す処理は、管理サーバ60が電話機50からコールを受信した場合に実行される。ステップS501では、主制御部600の音声再生部602が、認証情報の入力を発呼者に促すための音声データを再生する。ステップS502では、監視部603が、電話機50から認証情報を受信したか否か判断する。電話機50から認証情報を受信していない場合(NO)、ステップS502の処理が再び実行される。一方、電話機50から認証情報を受信した場合(YES)、ステップS503に処理が分岐する。
【0061】
ステップS503では、認証部604が、電話機50から受信した認証情報と、装置情報テーブルに登録された認証情報が一致するか否か判断する。これらの認証情報が一致しない場合(NO)、
図12の処理は終了する。一方、これらの認証情報が一致する場合(YES)、ステップS504に処理が分岐する。ステップS504では、音声再生部602は、装置情報テーブルを参照し、電話機50から受信した認証情報に関連付けられた音声データ識別情報を特定し、当該音声データ識別情報が示す音声データを記憶装置606から取得して再生し、
図12の処理が終了する。
【0062】
第3の実施形態では、以下の効果を奏する。管理サーバ60は、ユーザが電話機50を用いて入力した認証情報が、装置情報テーブルに登録された認証情報と一致すると判断した場合、当該認証情報に関連付けられた設定情報の音声データを再生する。これにより、ユーザは、聴覚を通じて設定情報を把握することができ、音声データを聞きながら端末装置に設定情報を入力することができる。
【0063】
<その他の実施形態>
他の実施形態では、無線通信装置10が、設定情報を含む音声データを端末装置20に提供してもよい。これにより、ユーザは、端末装置20を用いて当該音声データを再生することにより、聴覚を通じて設定情報を把握することができ、音声データを聞きながら設定情報を端末装置に入力することができる。
【0064】
また、他の実施形態では、無線通信装置10が、設定情報を含む画像データ及び音声データの双方を端末装置20に提供してもよい。これにより、端末装置20が、当該画像データを表示すると共に、当該音声データを再生できるため、ユーザは、視覚及び聴覚を通じて設定情報を把握することができる。
【0065】
さらに、他の実施形態では、無線通信装置10が、設定情報を提供するコールセンターの電話番号及び認証情報を含む音声データを端末装置20に提供してもよい。これにより、ユーザは、端末装置20を用いて当該音声データを再生することにより、聴覚を通じてコールセンターの電話番号及び認証情報を把握することができる。
【0066】
さらに、他の実施形態では、設定情報を提供するコールセンターの電話番号及び認証情報を含む画像データ及び音声データの双方を端末装置20に提供してもよい。これにより、端末装置20が、当該画像データを表示すると共に、当該音声データを再生できるため、ユーザは、視覚及び聴覚を通じてコールセンターの電話番号及び認証情報を把握することができる。
【0067】
さらに、上述した実施形態では、無線通信装置10は、現在の動作モードが設定情報提供モードであると判断した後に、端末装置20との有線通信が確立されたか否か判断するが、他の実施形態では、端末装置20との有線通信が確立されたと判断した後に、現在の動作モードが設定情報提供モードであるか否か判断してもよい。これにより、ユーザが、無線通信装置10と端末装置20に通信ケーブルを接続した後に、切替部112を操作して設定情報提供モードに変更した場合でも、無線通信装置10が、設定情報又は設定情報関連情報を端末装置20に提供することができる。
【0068】
さらに、上述した実施形態では、第1の記憶部110及び第2の記憶部111を個別の記憶装置としているが、他の実施形態では、同一の記憶装置内に他の装置がアクセスできない第1の記憶領域と、他の装置がアクセスできない第2の記憶領域を構築し、第1の記憶領域を第1の記憶部110とし、第2の記憶領域を第2の記憶部111としてもよい。
【0069】
さらに、上述した実施形態では、無線通信装置10が有線WAN通信機能を有するが、他の実施形態では、無線WAN通信機能を有してもよく、また、有線WAN通信機能及び無線WAN通信機能の双方を有してもよい。さらに、他の実施形態では、CPUが実行する上記プログラムモジュールを論理回路に実装し、当該論理回路が本発明の方法を実行してもよい。
【0070】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて保存され、コンピュータに提供することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD−ROM、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに提供されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0071】
本発明は上述した実施形態に限られたものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。