特許第6849265号(P6849265)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6849265
(24)【登録日】2021年3月8日
(45)【発行日】2021年3月24日
(54)【発明の名称】ホルダー
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/64 20060101AFI20210315BHJP
   A47B 96/06 20060101ALI20210315BHJP
   A47B 96/02 20060101ALI20210315BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20210315BHJP
【FI】
   H04N5/64 581C
   H04N5/64 551Z
   A47B96/06 D
   A47B96/02 C
   A47B96/06 B
   G09F9/00 312
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-539957(P2020-539957)
(86)(22)【出願日】2018年8月30日
(86)【国際出願番号】JP2018032154
(87)【国際公開番号】WO2020044505
(87)【国際公開日】20200305
【審査請求日】2020年12月22日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596128160
【氏名又は名称】株式会社ナカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100148518
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100160314
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 公芳
(74)【代理人】
【識別番号】100134038
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 薫央
(72)【発明者】
【氏名】中村 明
【審査官】 大室 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−176599(JP,A)
【文献】 特開2013−115082(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B69/00−75/00
A47B79/00−81/06
A47B91/00−97/08
A47F 5/00−8/02
A47G29/00−29/30
G09F 9/00
H04N 5/64−5/655
H05K 5/00−5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、前記ベースに立設される支柱と、前記支柱の上部に設けられて被支持物を支持する支持部とを備える支持台に取り付けられ、電子機器を保持するホルダーであって、
前記電子機器を保持する底面部と、
前記底面部の前縁から上方に延在する前面部と、
前記底面部の後縁から上方に延在する後面部と、
前記底面部よりも下方に突出して前記被支持物の背面側で前記支持部又は前記支柱に取り付けられる取付部とを備えることを特徴とするホルダー。
【請求項2】
前記前面部の上縁に連続して形成され、前記支持部に係止される係止部を備えることを特徴とする請求項1に記載のホルダー。
【請求項3】
前記底面部、前記前面部及び前記後面部に通気孔が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のホルダー。
【請求項4】
前記被支持物はテレビであり、前記電子機器は録画装置であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベースに立設された支柱の上部に設けられた支持部によりテレビ等の被支持物を支持する支持台に取り付けられ、電子機器を保持するホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
テレビの録画用のハードディスクドライブを保持するホルダーとして、例えば特許文献1に記載のハードディスクドライブブラケットがある。このハードディスクドライブブラケットは、平板状の基板部と、基板部に立設された複数の脚部と、脚部に架設されてハードディスクドライブを固定する上面部とを備え、小さな衝撃や振動は脚部の弾性変形によって吸収し、大きな衝撃は脚部の塑性変形によって吸収することにより、ハードディスクドライブの保護を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−248239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のハードディスクドライブブラケットは、基板部と一体的に形成された4つの脚片を備え、この4つの脚片により装置本体に固定されるものであり、テレビやレコーダーに外付けされる録画用のハードディスクドライブ等の電子機器の保持には適していない。
【0005】
このような電子機器は、従来、テレビやレコーダーに結線されてその周辺に設置され、テレビ台がある場合にはテレビ台の上や内部に置かれることも多かったが、テレビの壁寄せを可能とするために、テレビ台が、ベースに立設された支柱の上部に設けられた支持部によりテレビを支持する構成を採ると、電子機器を置く適切な場所がなかった。したがって、電子機器は、支柱に取り付けられた棚がある場合にはその棚の上や、ベースの上や、床面上に設置されていたが、支持部により高い位置で支持されたテレビから低い位置に設置された電子機器まで配線の取回しをしなければならない場合には、配線がコード長を要する上に美観上も好ましくないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、ベースに立設された支柱の上部に設けられた支持部によりテレビ等の被支持物を支持する支持台に取り付けられ、美観を維持しつつ電子機器を保持することができるホルダーを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係るホルダーは、ベースと、前記ベースに立設される支柱と、前記支柱の上部に設けられて被支持物を支持する支持部とを備える支持台に取り付けられ、電子機器を保持するものであって、前記電子機器を保持する底面部と、前記底面部の前縁から上方に延在する前面部と、前記底面部の後縁から上方に延在する後面部と、前記底面部よりも下方に突出して前記被支持物の背面側で前記支持部又は前記支柱に取り付けられる取付部とを備えることを特徴とする。
【0008】
このホルダーによれば、被支持物の背面側で支持部又は支柱に取り付けられる取付部を備えるので、ホルダーが被支持物の背面側に取り付けられて電子機器を保持することにより、ホルダー及び電子機器を(電子機器と被支持物との間に配線がある場合には、その配線も)被支持物により隠すことができ、美観を維持しつつ電子機器を保持することができる。
【0009】
また、取付部は底面部よりも下方に突出しているので、底面部を支持台の支柱に載置した状態での取付けに供し、このとき、ホルダー及び電子機器の荷重が取付部に集中せず支柱に分散するので、取付部の構造を簡易にすることが可能となる。
【0010】
本発明に係るホルダーは、前記前面部の上縁に連続して形成され、前記支持部に係止される係止部をさらに備えてもよく、これにより、ホルダーを取付部ではなく係止部でも支持台に取り付けることが可能となり、使用者は、使いやすさに合わせてホルダーの取付位置を変更することができる。
【0011】
前記底面部、前記前面部及び前記後面部には、通気孔が形成されていてもよく、これにより、電子機器を囲う三方の通気が確保されるので、電子機器がハードディスクドライブ等の発熱を伴うものであっても、十分な放熱を実現することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ベースに立設された支柱の上部に設けられた支持部により被支持物を支持する支持台を用いる場合に、被支持物に関連する電子機器を美観を維持しつつ保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態に係るホルダーが取り付けられたテレビ台を正面側から示す説明図である。
図2図1のテレビ台を背面側から示す説明図である。
図3図1のテレビ台のベースを示す説明図である。
図4図3のベースの底面を示す説明図である。
図5図1のテレビ台の支柱を正面側から示す説明図である。
図6図1のテレビ台の支柱を背面側から示す説明図である。
図7】(a)は図1のテレビ台の飾り板を示す説明図、(b)は(a)のVII−VII線に沿った断面図である。
図8】(a)は図7の飾り板の下部飾り板を正面側から示す説明図、(b)は背面側から示す説明図である。
図9】(a)は図7の飾り板の上部飾り板を正面側から示す説明図、(b)は背面側から示す説明図である。
図10図1のテレビ台の支持金具を示す説明図である。
図11】(a)は図10の支持金具の一方の取付金具を正面側から示す説明図、(b)は背面側から示す説明図である。
図12】(a)は図10の支持金具の他方の取付金具を正面側から示す説明図、(b)は背面側から示す説明図である。
図13図10の支持金具のストッパー金具を示す説明図である。
図14】(a)は図12の取付金具のフック部の前方のスリットが被係止部に係止されてストッパー金具がネジ止めされた状態を示す説明図、(b)はそのフック部の中央のスリットが被係止部に係止されてストッパー金具がネジ止めされた状態を示す説明図、(c)はそのフック部の後方のスリットが被係止部に係止されてストッパー金具がネジ止めされた状態を示す説明図である。
図15】(a)は図1のホルダーを正面側から示す説明図、(b)は背面側から示す説明図である。
図16図15のホルダーが取付片でフレームに取り付けられた状態を示す説明図である。
図17図15のホルダーが係止部でフレームに取り付けられた状態を示す説明図である。
図18図1のテレビ台の支柱が縮んだ状態を示す説明図である。
図19図1のテレビ台の支柱が伸びた状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0015】
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係るホルダー60が取り付けられたテレビ台10は、床面Fに設置されるベース20と、ベース20に立設された支柱30,30と、支柱30,30を正面側から覆う飾り板40と、支柱30,30の上部に設けられてテレビTを支持する支持金具50とを備え、ホルダー60は、支持金具50に取り付けられて録画用のハードディスクドライブ等の電子機器を保持する。
【0016】
ベース20は、平面視矩形状を呈し、図3に示すように、水平部21と、水平部21から前方に拡がり延在する傾斜部22と、水平部21から左方に拡がり延在する傾斜部23と、水平部21から右方に拡がり延在する傾斜部24とを備える。
【0017】
水平部21は、平面視矩形状を呈し、床面Fから所定の高さに角柱状の突起部25,25を有する。傾斜部22は、平面視台形状を呈し、前縁22aが床面Fとほぼ段差のない高さになるまで後縁22b(後縁22bは、水平部21の前縁と共通する。)から前方に向かって低くなるように傾斜している。傾斜部23は、平面視台形状を呈し、外縁23aが床面Fとほぼ段差のない高さになるまで内縁23b(内縁23bは、水平部21の側縁と共通する。)から左方に向かって低くなるように傾斜し、傾斜部24は、平面視台形状を呈し、外縁24aが床面Fとほぼ段差のない高さになるまで内縁24b(内縁24bは、水平部21の側縁と共通する。)から右方に向かって低くなるように傾斜している。前縁22a、外縁23a及び外縁24aはベース20の縁部20aを構成し、床面Fに接する。
【0018】
水平部21、傾斜部22、傾斜部23及び傾斜部24は、金属板の曲げ加工により形成され、傾斜部22及び傾斜部23は稜線26により区画され、傾斜部22及び傾斜部24は稜線27により区画されている。
【0019】
ベース20の背面側には、背板部28が設けられ、ベース20の底面側には、図4に示すように、水平部21を貫通する突起部25,25の下部25a,25aと、ベース20を補強する梁部材29a〜29gとが設けられている。
【0020】
梁部材29aは、水平部21、傾斜部23及び傾斜部24の裏面で下部25a,25aと背板部28との間に設けられ、水平部21、傾斜部23及び傾斜部24を補強している。
【0021】
梁部材29b,29bは、梁部材29aから前縁22aまでの距離の2分の1以上に亘って梁部材29aから前方に延在するように、水平部21及び傾斜部22の裏面に設けられ、水平部21及び傾斜部22を補強している。梁部材29b,29bは、突起部25,25の下部25a,25aの内面25b,25bに接し、内面25b,25bと溶接されていてもよい。
【0022】
梁部材29c,29cは、梁部材29aから前縁22aまでの距離の2分の1以上に亘って梁部材29aから前方に延在するように、水平部21及び傾斜部22の裏面に設けられ、水平部21及び傾斜部22を補強している。梁部材29c,29cは、突起部25,25の下部25a,25aの外面25c,25cに接し、外面25c,25cと溶接されていてもよい。
【0023】
梁部材29dは、稜線26の長さの2分の1以上に亘って梁部材29c,29cの一方(左側の梁部材29c)から延在するように、傾斜部22の裏面に稜線26に沿って設けられ、傾斜部22を補強している。
【0024】
梁部材29eは、稜線27の長さの2分の1以上に亘って梁部材29c,29cの他方(右側の梁部材29c)から延在するように、傾斜部22の裏面に稜線27に沿って設けられ、傾斜部22を補強している。
【0025】
梁部材29fは、梁部材29c,29cの一方(左側の梁部材29c)から延びて梁部材29aと梁部材29dとの中間に位置するように、傾斜部23の裏面に設けられ、傾斜部23を補強している。
【0026】
梁部材29gは、梁部材29c,29cの他方(右側の梁部材29c)から延びて梁部材29aと梁部材29eとの中間に位置するように、傾斜部24の裏面に設けられ、傾斜部24を補強している。
【0027】
支柱30,30は、図5及び図6に示すように、突起部25,25が嵌入されてベース20に立設される角筒状の下部支柱31,31と、下部支柱31,31の筒内に上方から嵌入され、下部支柱31,31に対して上下方向にスライドする上部支柱32,32とを備える。上部支柱32,32の下部支柱31,31に対するスライドにより、支柱30,30は伸縮可能となっている。
【0028】
下部支柱31の背面31aには、高さ方向に複数の挿通孔31bが設けられ、上部支柱32の背面32aには、高さ方向に複数のネジ孔(周面にネジが形成された孔)32bが設けられている。挿通孔31bとネジ孔32bとを重ね合わせ、座金33及び挿通孔31bにネジ34を挿通させ、このネジ34をネジ孔32bに螺合させることにより、上部支柱32は下部支柱31に対して位置決め固定される。
【0029】
上部支柱32の正面32cには、ネジ孔32d及びネジ孔32eが上下に設けられ、下部支柱31,31の間には、板状の桟35及び桟36と、角柱状の桟37とが下から上に順に架設され、上部支柱32,32の間には、桟38が架設されている。
【0030】
桟35は、下部支柱31,31の内面31c,31cに固着される固着部35a,35aと、固着部35a,35aを連結する連結部35bとを有し、連結部35bの上縁には、スリット35c,35cが形成されている。同様に、桟36は、下部支柱31,31の内面31c,31cに固着される固着部36a,36aと、固着部36a,36aを連結する連結部36bとを有し、連結部36bの上縁には、スリット36c,36cが形成されている。
【0031】
桟38は、上部支柱32,32の背面32a,32aに固着される固着部38a,38aと、固着部38a,38aの内縁に連続して上部支柱32,32の内面32e,32eに当接し、下方に延在する当接部38b,38bと、当接部38b,38bの下部前縁を連結する連結部38cとを有し、連結部38cの上縁には、スリット38d,38dが形成されている。
【0032】
固着部38aには、挿通孔38eが形成され、挿通孔38eとネジ孔32bとを重ね合わせ、座金33及び挿通孔38eにネジ34を挿通させ、このネジ34をネジ孔32bに螺合させることにより、固着部38aは背面32aに固着される。
【0033】
飾り板40は、図7乃至図9に示すように、下部飾り板70と、上部飾り板80とを備える。
【0034】
下部飾り板70は、下部支柱31,31の正面31d,31dを覆う矩形状の下部正面板71と、下部正面板71の両側縁から背面側に延在して下部支柱31,31の外面31e,31eを覆う下部側面板72,72と、下部側面板72,72の後縁から内側に延在して下部支柱31,31の背面31a,31aを覆う一対の下部背面板73,73とを備える。
【0035】
下部正面板71の表面71aには、適宜の意匠が施され、その上部には、スペーサー90が貼着されている。下部正面板71の裏面71bには、下部に係止部74,74、上部に係止部75,75が設けられるとともに、下部飾り板70を補剛するリブ76,76と、リブ76,76を連結するリブ77及びリブ78とが設けられている。これらのリブの形状は、適宜変更されてもよく、下部正面板71の剛性が確保されるのであれば、リブを設けなくてもかまわない。
【0036】
上部飾り板80は、下部正面板71より上下方向に長く下部正面板71に重畳する矩形状の上部正面板81と、上部正面板81の両側縁から背面側に延在して下部側面板72,72に重畳する上部側面板82,82と、上部側面板82,82の後縁から内側に延在して下部背面板73,73に重畳する一対の上部背面板83,83とを備える。
【0037】
上部正面板81の表面81aには、適宜の意匠が施され、上部正面板81の裏面81bには、上部に係止部84,84が設けられるとともに、上部飾り板80を補剛するリブ85,85と、リブ85,85を連結するリブ86、リブ87及びリブ88とが設けられている。これらのリブの形状は、適宜変更されてもよく、上部正面板81の剛性が確保されるのであれば、リブを設けなくてもかまわない。
【0038】
飾り板40は、下部正面板71の表面71aがスペーサー90を介して上部正面板81の裏面81bに対向するように、かつ、下部側面板72及び下部背面板73が間隙を介して上部側面板82及び上部背面板83と対抗するように、下部飾り板70及び上部飾り板80が重なり合った状態で、下部飾り板70に対して上部飾り板80がスライドすることによって、伸縮可能となっている。
【0039】
そして、係止部74,74が桟35のスリット35c,35cに上方から係止され、係止部75,75が桟36のスリット36c,36cに上方から係止されることによって、下部飾り板70が下部支柱31,31に取り付けられ、係止部84,84が桟38のスリット38d,38dに上方から係止されることによって、上部飾り板80が上部支柱32,32に取り付けられる。上部支柱32,32に取り付けられた上部飾り板80の上縁80aの高さは、支持金具50に取り付けられるテレビTの下縁Ta(図18及び図19参照)の高さと同じか所定値hだけ上回り、上部支柱32,32は上部飾り板80及びテレビTに隠れて正面側から見えなくなっている。
【0040】
支持金具50は、図10に示すように、支柱30,30に取り付けられるフレーム51と、フレーム51に係止されてテレビTが取り付けられる取付金具52及び取付金具53と、取付金具52及び取付金具53のフレーム51からの脱落を防止するストッパー金具54,54とを備える。
【0041】
フレーム51は、支柱120,120に取り付けられた際に幅方向(左右方向)に延在して取付金具52及び取付金具53が係止される被係止金具55と、被係止金具55の下方で幅方向に延在して取付金具52及び取付金具53が係止される被係止金具56と、高さ方向(上下方向)に延在して被係止金具55及び被係止金具56を連結する連結金具57,57とを有する。
【0042】
被係止金具55は、金属板が側面視クランク状に折り曲げられてなり、取付金具52及び取付金具53が係止される被係止部55aと、連結金具57,57により連結される被連結部55bと、被係止部55a及び被連結部55bの中間に介在する中間部55cとを有する。被係止部55aの上縁には、幅方向の中心位置を基準に左右対称の位置に複数のスリット55dが設けられ、被連結部55bには、幅方向の中心位置にネジ孔55eが、また、ネジ孔55eを基準に左右対称の位置に挿通孔55f,55fが設けられている。ネジ孔55eは、フレーム51を壁等に連結してテレビ台10の転倒を防止するワイヤーの取付けに供するが、ここでは、後述のように、ホルダー60のネジ止めにも用いられる。
【0043】
被係止金具56は、金属板が側面視クランク状に折り曲げられてなり、取付金具52及び取付金具53が係止される被係止部56aと、連結金具57,57により連結される被連結部56bと、被係止部56a及び被連結部56bの中間に介在する中間部56cとを有する。被連結部56bには、幅方向の中心位置を基準に左右対称の位置に挿通孔56d,56dが設けられている。
【0044】
連結金具57,57は、挿通孔55f,55f及び挿通孔56d,56dの位置で被連結部55b及び被連結部56bに固着され、被係止金具55及び被係止金具56を連結している。
【0045】
フレーム51は、挿通孔55fとネジ孔32dとを重ね合わせ、座金33及び挿通孔55fにネジ34を挿通させ、このネジ34をネジ孔32dに螺合させることにより、かつ、挿通孔56dとネジ孔32eとを重ね合わせ、座金33及び挿通孔56dにネジ34を挿通させ、このネジ34をネジ孔32eに螺合させることにより、支柱32,32の上部支柱32,32に固定される。
【0046】
取付金具52は、図11に示すように、金属板が折り曲げられてなり、テレビTの背面に当接する当接面部52aと、フレーム51に係止されるフック部52b及びフック部52cが上下に形成された係止面部52dとを備える。
【0047】
当接面部52aには、角孔52eと、複数の丸孔52fと、長孔52gと、長孔52hとが設けられている。フック部52bの下縁52iは、後方に向かって高くなるように傾斜し、その下縁52iには、スリット52j、スリット52k及びスリット52lが前方から順に設けられている。同様に、フック部52cの下縁52mは、後方に向かって高くなるように傾斜し、その下縁52mには、スリット52n、スリット52o及びスリット52pが前方から順に設けられている。また、フック部52bには、2つのネジ孔52qが形成されている。
【0048】
取付金具53は、金属板が折り曲げられて取付金具52と略対称な形状を呈し、図12に示すように、テレビTの背面に当接する当接面部53aと、フレーム51に係止されるフック部53b及びフック部53cが上下に形成された係止面部53dとを備える。
【0049】
当接面部53aには、丸孔53eと、複数の丸孔53fと、長孔53gと、長孔53hとが設けられている。フック部53bの下縁53iは、後方に向かって高くなるように傾斜し、その下縁53iには、スリット53j、スリット53k及びスリット53lが前方から順に設けられている。同様に、フック部53cの下縁53mは、後方に向かって高くなるように傾斜し、その下縁53mには、スリット53n、スリット53o及びスリット53pが前方から順に設けられている。また、フック部53bには、2つのネジ孔53qが形成されている。
【0050】
ストッパー金具54は、図13に示すように、取付金具52のフック部52b又は取付金具53のフック部53bにネジ止めされるネジ止め部54aと、ネジ止め部54aの下方に設けられた胴部54bと、胴部54bの下部前方に設けられた鈎部54cとを有する。ネジ止め部54aには、ストッパー金具54が後述のように取付金具52又は取付金具53にネジ止めされてフレーム51に組み付けられた際に、フック部52bの下縁52i及びフック部53bの下縁53iと同様に傾斜する長孔54dが形成され、胴部54bと鈎部54cとの間には、スリット54eが形成されている。
【0051】
支持金具50によりテレビTを支持する場合には、まず、取付金具52の当接面部52a及び取付金具53の当接面部53aをテレビTの背面に当接させ、テレビTの背面に設けられた図示を略すネジ孔に丸孔52f及び丸孔53fを重ね合わせる。そして、図示を略すネジを丸孔52f、丸孔53fに挿通させ、そのテレビTの背面のネジ孔に螺合させることにより、テレビTに取付金具52及び取付金具53を取り付ける。
【0052】
なお、取付金具52及び取付金具53の左右は、テレビTの大きさ等に合わせて配置すればよく、例えばテレビTの背面の左右に設けられたネジ孔の間隔が10cm、30cm、40cmの場合には取付金具52を左、取付金具53を右に取り付け、20cmの場合には取付金具52を右、取付金具53を左に取り付けることにより、取付金具52及び取付金具53の支柱30,30との干渉等を避けることが可能となる。
【0053】
次に、取付金具52のフック部52b及び取付金具53のフック部53bを、支柱30,30に取り付けられたフレーム51の被係止部55aに係止させ、フック部52c及びフック部53cを、そのフレーム51の被係止部56aに係止させる。
【0054】
詳細には、テレビTの背面が凹凸の少ないフラットな場合には、フック部52bの前方のスリット52jを被係止部55aのスリット55dに上方から係止させ、フック部52cの前方のスリット52nを被係止部56aに上方から係止させ、フック部53bの前方のスリット53jを被係止部55aのスリット55dに上方から係止させ、フック部53cの前方のスリット53nを被係止部56aに上方から係止させる。
【0055】
一方、テレビTの背面に出っ張りがある場合や、配線の干渉を避ける場合には、フック部52bの中央のスリット52k又は後方のスリット52lを被係止部55aのスリット55dに上方から係止させ、フック部52cの中央のスリット52o又は後方のスリット52pを被係止部56aに上方から係止させ、フック部53bの中央のスリット53k又は後方のスリット53lを被係止部55aのスリット55dに上方から係止させ、フック部53cの中央のスリット53o又は後方のスリット53pを被係止部56aに上方から係止させればよい。
【0056】
続いて、ストッパー金具54を、被係止金具55の被連結部55bがスリット54eに入り込んで鈎部54cが被連結部55bに係合するように、かつ、ネジ止め部54aの長孔54dがフック部52bのネジ孔52q又はフック部53bのネジ孔53qに重なるように位置させた上で、図14に示すように、長孔54dを挿通するネジ58によりフック部52b又はフック部53bに締結する。これにより、テレビTの支持金具50への取付け(テレビ台10への取付け)が完了する。
【0057】
ところで、フック部52b又はフック部53bのスリット55dに係止するスリットが、スリット52jからスリット52k、スリット52l又はスリット53jからスリット53k、スリット53lと後ろになるにつれ、被係止金具55に対するフック部52b又はフック部53bの相対的な位置は下縁52i又は下縁53iに沿って前方に下がっていくが、前述のとおり、長孔54dが、下縁52i及び下縁53iと同様に傾斜しているので、フック部52b又はフック部53bのどのスリットがスリット55dに係止しても、長孔54dとネジ孔52q又はネジ孔53qとの重なり合いは保たれ、長孔54dはネジ58の締結に供する。
【0058】
ホルダー60は、金属板を曲げ加工してなり、図15に示すように、底面部61と、底面部61の前縁から上方に延在する前面部62と、底面部61の後縁から前面部62よりも低くなるように上方に延在する後面部63と、前面部62の上縁から前方、そして下方に延在し、側面視略U字状を呈する係止部64とを備える。
【0059】
底面部61には複数の通気孔61aが、前面部62には複数の通気孔62aが、後面部63には複数の通気孔63aがそれぞれ形成されており、ハードディスクドライブ等の電子機器Hは、前面部62及び後面部63の対向空間で底面部61上に保持され、その配線は対向空間の開放された側方、すなわち、開口部65,65に取り回すことができる。
【0060】
前面部62には、通気孔62aの上方にネジ孔62b,62bが形成され、その下縁には、下方に突出する取付片66が前面部62に連続して設けられ、取付片66には、挿通孔66aが形成されている。
【0061】
このホルダー60は、図16に示すように、挿通孔66aを挿通するネジ67が被係止金具55のネジ孔55eに螺合し、底面部61が上部支柱32,32の上面32g,32gに載置されることにより、フレーム51に取り付けられる。あるいは、図17に示すように、係止部64を被係止金具55の被係止部55aに係止させ、ネジ孔62b,62bにネジ67,67を螺合させてその先端を被被係止部55aに当接させることにより、フレーム51に取り付けられてもよい。
【0062】
テレビ台10において、支持金具50の高さを最も下げた場合には、上部支柱32,32の背面32a,32aに固着された桟38の固着部38a,38aが下部支柱31,31に干渉するまで(下部支柱31,31の背面31a,31aの上端に当たる直前まで)上部支部32,32が下部支柱31,31に嵌入し、図18に示すように、下部飾り板70は、上部飾り板80により完全に覆われる。また、上部支柱32,32は、上部飾り板80及びテレビTに隠れて正面側から見えなくなっているから、ベース20とテレビTとの間には、上部飾り板80だけがあるように見える。
【0063】
一方、テレビ台10において支持金具50の高さを低位から高位に変更する場合には、下部支柱31,31に対して上部支部32,32を上方向にスライドさせ、支柱30,30を伸長させる。このとき、上部飾り板80は上部支部32,32と一緒に上方向にスライドするから、上部飾り板80の上縁80aの高さとテレビTの下縁Taの高さとの差分(0又は所定値h)は変化せず、上部支柱32,32は、下部支柱31,31に対してどれだけ伸長しても、上部飾り板80及びテレビTに隠れたままである。
【0064】
図19に示すように、テレビ台10において支持金具50の高さを最も上げた場合には、下部飾り板70が上部飾り板80の下方に出現する。一方、上部支柱32,32は、上部飾り板80及びテレビTに隠れたままであるから、ベース20とテレビTとの間には、下部飾り板70及び上部飾り板80だけがあるように見える。
【0065】
本実施の形態に係るホルダー60によれば、テレビTの背面側で支持金具50に取り付けられる取付片66を備えるので、ホルダー60がテレビTの背面側に取り付けられて電子機器Hを保持することにより、ホルダー60及び電子機器HをテレビTにより隠すことができ、美観を維持しつつ電子機器Hを保持することができる。
【0066】
また、取付片66は底面部61よりも下方に突出し、底面部61をテレビ台10の支柱30,30(上部支柱32,32の上面32g,32g)に載置した状態での取付けを可能としているので、ホルダー60及び電子機器Hの荷重が取付片66に集中せず支柱30,30に分散し、取付片66の構造を本実施の形態におけるように板一枚の簡易なものとすることができる。
【0067】
さらに、ホルダー60は、前面部62の上縁に連続して形成され、支持金具50に係止される係止部64を備えているので、ホルダー60を取付片66ではなく係止部64でもテレビ台10に取り付けることが可能となり、使用者は、図16図17に示すように、使いやすさに合わせてホルダー60の取付位置を変更することができる。
【0068】
ホルダー60の底面部61、前面部62及び後面部63には、通気孔61a、通気孔62a及び通気孔63aが形成されているので、電子機器Hを囲う三方の通気が確保され(なお、電子機器Hの上方の通気及び側方の通気(開口部65,65による通気)は確保されている。)、電子機器Hがハードディスクドライブ等の発熱を伴うものであっても、十分な放熱を実現することができる。
【0069】
以上、本発明の実施の形態について例示したが、本発明の実施形態は上述したものに限られず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更等してもよい。
【0070】
例えば、上記実施の形態では、ホルダー60が支持部50に取り付けられるとしたが、支柱30,30に直接取り付けられても、あるいは、飾り板40を介して支柱30,30に取り付けられるようにしてもよい。
【0071】
また、支持部による被支持物をテレビとせず、本発明をクリーナー等の支持台のホルダーに適用してもよい。
【符号の説明】
【0072】
10 テレビ台(支持台)
20 ベース
30 支柱
50 支持金具(支持部)
60 ホルダー
61 底面部
61a 通気孔
62 前面部
62a 通気孔
63 後面部
63a 通気孔
64 係止部
66 取付片(取付部)
H 電子機器
T テレビ(被支持物)
図1
図2
図3
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図5
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