【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る厚紙製包装用箱は、所期の目的を達成するための課題解決手段として、下記複数の技術内容、すなわち、下記の第1項ないし
第4項に記載された技術内容を特徴とするものである。
[第1項]
四角形の上面開口部や四角形の下面開口部をもつ四角筒状の筒状胴体と、その筒状胴体の上面開口部を覆い閉じるための上蓋と、その筒状胴体の下面開口部を覆い閉じるための底蓋とを有するものであること、および、
前記底蓋用フラップとして第1のフラップと第2のフラップと第3のフラップと第4のフラップとを備えており、これらのうちでは、底蓋用第1フラップと底蓋用第2フラップとが左右一対をなしているとともに、底蓋用第3フラップと底蓋用第4フラップとが前後一対をなしていること、および、
前記底蓋用第1フラップと前記底蓋用第2フラップが前記筒状胴体の左右両側壁の各下端部にそれぞれ一体化されて前記筒状胴体の下面開口部側に向けて折り込み自在となっており、かつ、前記底蓋用第3フラップと前記底蓋用第4フラップが前記筒状胴体の前後両側壁の各下端部にそれぞれ一体化されて前記筒状胴体の下面開口部側に向けて折り込み自在となっていること、および、
前記底蓋用第3フラップの両側端部が前記底蓋用第1フラップや前記底蓋用第2フラップに対する押さえ部になっているとともに、前記底蓋用第4フラップの両側端部が前記底蓋用第1フラップと前記底蓋用第2フラップとによって押さえ込まれる被押さえ部になっていること、および、
左右一対の前記底蓋用フラップについては、この左右一対の底蓋用フラップを折り込み状態で対向させたときに、その折り込まれた当該両フラップの先端部間に相対的な間隔が介在するものであること、および、
前後一対の前記底蓋用フラップについては、この前後一対の底蓋用フラップを折り込み状態で対向させたときに、その折り込み状態における当該両フラップの先端部が互いに近接するものであること、および、
前記四つの底蓋用フラップをそれぞれ前記筒状胴体の下面開口部側へ折り込んで当該下面開口部をその四つの前記底蓋用フラップで覆い閉じ状態にするときの覆い閉じ順序として、1番目に後側の前記底蓋用第4フラップを閉じ、2番目と3番目に左右一対の前記底蓋用第1フラップと前記底蓋用第2フラップとを閉じ、4番目に前側の前記底蓋用第3フラップを閉じるものであること、および、
1番目から4番目までの前記閉じ込み順序にしたがって前記下面開口部側へ折り込まれた四つの前記底蓋用フラップを蓋底側からみるとき、1番目に折り込まれた前記底蓋用第4フラップの両端部にある被押さえ部の上には、2番目と3番目に折り込まれた前記底蓋用第1フラップや前記底蓋用第2フラップの一側端部にある押さえ部が折り重なるものであるとともに、その折り込まれた底蓋用第1フラップや底蓋用第2フラップの被押さえ部上には、4番目に折り込まれた前記底蓋用第3フラップの押さえ部が折り重なるものであること
を前提とする厚紙製包装用箱において、
前記底蓋用第3フラップがその先端部側に差し込み片を有していること、および、
前記底蓋用第1フラップと前記底蓋用第2フラップと前記底蓋用第4フラップとで覆われたときの前記下面開口部には未被覆の残存空間が生じるものであるとともに、その未被覆残存空間が前記底蓋用第3フラップにより覆われるものであること、および、
前記第3フラップの先端部にある前記差し込み片については、前記下面開口部側へ折り込まれた前記底蓋用第4フラップの先端部下に差し込まれるものであり、かつ、この差し込み片の差し込みによって前記各底蓋用フラップの底蓋閉じ状態が保持されるものであること
を特徴とする厚紙製包装用箱。
[第2項]
四角形の上面開口部や四角形の下面開口部をもつ四角筒状の筒状胴体と、その筒状胴体の上面開口部を覆い閉じるための上蓋と、その筒状胴体の下面開口部を覆い閉じるための底蓋とを有するものであること、および、
前記上蓋
用フラップとして第1のフラップと第2のフラップと第3のフラップと第4のフラップとを備え
ており、これらのうちでは、上蓋用第1フラップと
上蓋用第2フラップとが
左右一対をなしているとともに
上蓋用第3フラップと
上蓋用第4フラップとが
前後一対をなしていること、および、
前記上蓋用第1フラップと
前記上蓋用第2フラップについては、前記筒状胴体における左右両側壁の各上端部にそれぞれ一体化されて前記筒状胴体の上面開口部側に向けて折り込み自在となっており、かつ、
前記上蓋用第3フラップと
前記上蓋用第4フラップについては、前記筒状胴体の前後両側壁の各上端部にそれぞれ一体化され
て前記筒状胴体の上面開口部側に向けて折り込み自在となっていること、および、
前記四つの
上蓋用フラップの各一側端部が押さえ部になっており、かつ、前記四つの
上蓋用フラップの各他側端部が被押さえ部になっていること、および、
左右一対の前記上蓋用フラップを前記折り込み状態で対向させたときには当該両フラップの先端部間に相対的な間隔が介在し、かつ、前後一対の前記上蓋用フラップを前記折り込み状態で対向させたときには当該両フラップの先端部が互いに近接するものであること、および、
四つの前記上蓋用フラップをそれぞれ前記筒状胴体の上面開口部側へ折り込んで当該上面開口部をその四つの上蓋用フラップで覆い閉じ状態にするときの覆い閉じ順序として、1番目に後側の前記上蓋用第4フラップを閉じ、2番目に左側の前記上蓋用第1フラップを閉じ、3番目に右側の前記上蓋用第2フラップを閉じ、4番目に後側の前記上蓋用第3フラップを閉じるものであること、および、
前記閉じ込み順序にしたがって前記上面開口部側へ折り込んだときの四つの前記上蓋用フラップについては、当該上面開口部の四隅内でそれぞれ交差するフラップ相互の前記押さえ部と前記被押さえ部とが、押さえ部を上かつ被押さえ部を下にして互いに重なり合うものであること、および、
前記底蓋用フラップとして第1のフラップと第2のフラップと第3のフラップと第4のフラップとを備えており、これらのうちでは、底蓋用第1フラップと底蓋用第2フラップとが左右一対をなしているとともに、底蓋用第3フラップと底蓋用第4フラップとが前後一対をなしていること、および、
前記底蓋用第1フラップと前記底蓋用第2フラップが前記筒状胴体の左右両側壁の各下端部にそれぞれ一体化されて前記筒状胴体の下面開口部側に向けて折り込み自在となっており、かつ、前記底蓋用第3フラップと前記底蓋用第4フラップが前記筒状胴体の前後両側壁の各下端部にそれぞれ一体化されて前記筒状胴体の下面開口部側に向けて折り込み自在となっていること、および、
前記底蓋用第3フラップの両側端部が前記底蓋用第1フラップや前記底蓋用第2フラップに対する押さえ部になっているとともに、前記底蓋用第4フラップの両側端部が前記底蓋用第1フラップと前記底蓋用第2フラップとによって押さえ込まれる被押さえ部になっていること、および、
左右一対の前記底蓋用フラップについては、この左右一対の底蓋用フラップを折り込み状態で対向させたときに、その折り込まれた当該両フラップの先端部間に相対的な間隔が介在するものであること、および、
前後一対の前記底蓋用フラップについては、この前後一対の底蓋用フラップを折り込み状態で対向させたときに、その折り込み状態における当該両フラップの先端部が互いに近接するものであること、および、
前記四つの底蓋用フラップをそれぞれ前記筒状胴体の下面開口部側へ折り込んで当該下面開口部をその四つの前記底蓋用フラップで覆い閉じ状態にするときの覆い閉じ順序として、1番目に後側の前記底蓋用第4フラップを閉じ、2番目と3番目に左右一対の前記底蓋用第1フラップと前記底蓋用第2フラップとを閉じ、4番目に前側の前記底蓋用第3フラップを閉じるものであること、および、
1番目から4番目までの前記閉じ込み順序にしたがって前記下面開口部側へ折り込まれた四つの前記底蓋用フラップを蓋底側からみるとき、1番目に折り込まれた前記底蓋用第4フラップの両端部にある被押さえ部の上には、2番目と3番目に折り込まれた前記底蓋用第1フラップや前記底蓋用第2フラップの一側端部にある押さえ部が折り重なるものであるとともに、その折り込まれた底蓋用第1フラップや底蓋用第2フラップの被押さえ部の上には、4番目に折り込まれた前記底蓋用第3フラップの押さえ部が折り重なるものであること
を前提とする厚紙製包装用箱において、
四つの
前記上蓋用フラップのうちの二つのフラップであって、前記筒状胴体の上面開口部を覆い閉じ状態にしたときに前記上面開口部の一隅領域で被押さえ部と押さえ部とが交差状態で重なり合う二つのフラップについて、その一方を一方フラップとし、その他方を他方フラップとした場合、前記他方フラップの押さえ部で被押さえ部が押さえ込まれる前記一方プラップが、そのフラップ側縁に、
前記一方フラップ基端部側からその一方フラップ先端部側に向けて傾斜する傾斜縁を有しており、
前記一方プラップの被押さえ部を押さえ込むための
前記他方フラップの押さえ部には、その押さえ部領域にあって前記他方フラップ先端部側からその他方フラップ基端部方向に向けて切り込まれたロック溝が形成されているとともに、前記他方フラップの押さえ部におけるロック溝の両側部位が一対の挟み片になっていること、および、
前記筒状胴体の上面開口部を覆い閉じ状態にしたときの前記一方プラップの傾斜縁と前記他方フラップのロック溝について
は、前記他方フラップのロック溝が前記一方プラップのフラップ傾斜縁側を受け入れることにより一方プラップと他方フラップとがロック状態になるものであり、かつ、
前記他方フラップのロック溝内に受け入れられた
前記一方プラップのフラップ傾斜縁側が、
前記他方フラップの押さえ部にある一対の
前記挟み片で挟み込まれるものであること
、および、
前記底蓋用フラップとして第1のフラップと第2のフラップと第3のフラップと第4のフラップHとを備えており、これらのうちでは底蓋用第1フラップと底蓋用第2フラップとが左右一対をなしているとともに、底蓋用第3フラップと底蓋用第4フラップとが前後一対をなしていること、および、
前記底蓋用第1フラップと前記底蓋用第2フラップについては前記筒状胴体の左右両側壁の各下端部にそれぞれ一体化されて前記筒状胴体の下面開口部側に向けて折り込み自在となっていること、および、
前記底蓋用第3フラップと前記底蓋用第4フラップについては前記筒状胴体の前後両側壁の各下端部にそれぞれ一体化されて前記筒状胴体の下面開口部側に向けて折り込み自在となっていること、および、
前記底蓋用第3フラップの両側端部については、前記底蓋用第1フラップや前記底蓋用第2フラップに対する押さえ部になっているとともに、前記底蓋用第4フラップの両側端部については、前記底蓋用第1フラップと前記底蓋用第2フラップとによって押さえ込まれる被押さえ部になっていること、および、
左右一対の前記底蓋用フラップついては、この左右一対の底蓋用フラップを折り込み状態で対向させたときに、その折り込み状態における当該両フラップの先端部間に相対的な間隔が介在するものであること、および、 前後一対の前記底蓋用フラップについては、これらを折り込み状態で対向させたときに、その折り込まれた当該両フラップの先端部が互いに近接するものであること、および、
前記四つの底蓋用フラップをそれぞれ前記筒状胴体の下面開口部側へ折り込んで当該下面開口部をその四つの前記底蓋用フラップで覆い閉じ状態にするときの覆い閉じ順序として、1番目に後側の前記底蓋用第4フラップを閉じ、2番目と3番目に左右一対の前記底蓋用第1フラップと前記底蓋用第2フラップとを閉じ、4番目に後側の前記底蓋用第3フラップを閉じるものであること、および、
1番目から4番目までの前記閉じ込み順序にしたがって前記下面開口部側へ折り込まれた四つの前記底蓋用フラップについて、1番目に折り込まれた前記底蓋用第4フラップの両端部にある被押さえ部の上には、2番目と3番目に折り込まれた前記底蓋用第1フラップや前記底蓋用第2フラップの一側端部にある押さえ部が折り重なるものであるとともに、その折り込まれた底蓋用第1フラップや底蓋用第2フラップの被押さえ部の上には、4番目に折り込まれた前記底蓋用第3フラップの押さえ部が折り重なるものであること
を前提とする厚紙製包装用箱において、
前記底蓋用第3フラップがその先端部側に差し込み片を有していること、および、
前記底蓋用第1フラップと前記底蓋用第2フラップと前記底蓋用第4フラップとで覆われたときの前記下面開口部には未被覆の残存空間が生じるものであるとともに、その未被覆残存空間が前記底蓋用第3フラップにより覆われるものであること、および、
前記第3フラップの先端部にある前記差し込み片については、折り込み状態にある前記底蓋用第4フラップの先端部下に差し込まれるものであり、かつ、この差し込み片の差し込みによって前記各底蓋用フラップの底蓋閉じ状態が保持されるものであること
を特徴とする厚紙製包装用箱。
[第3項]
四角形の上面開口部や四角形の下面開口部をもつ四角筒状の筒状胴体と、その筒状胴体の上面開口部を覆い閉じるための上蓋と、その筒状胴体の下面開口部を覆い閉じるための底蓋とを有するものであること、および、
前記上蓋
用フラップとして第1のフラップと第2のフラップと第3のフラップと第4のフラップとを備え
ており、これらのうちでは、上蓋用第1フラップと
上蓋用第2フラップとが
左右一対をなしているとともに
上蓋用第3フラップと
上蓋用第4フラップとが
前後一対をなしていること、および、
前記上蓋用第1フラップと
前記上蓋用第2フラップについては、前記筒状胴体における左右両側壁の各上端部にそれぞれ一体化されて前記筒状胴体の上面開口部側に向けて折り込み自在となっており、かつ、
前記上蓋用第3フラップと
前記上蓋用第4フラップについては、前記筒状胴体の前後両側壁の各上端部にそれぞれ一体化され
て前記筒状胴体の上面開口部側に向けて折り込み自在となっていること、および、
前記四つの
上蓋用フラップの各一側端部が押さえ部になっており、かつ、前記四つの
上蓋用フラップの各他側端部が被押さえ部になっていること、および、
左右一対の前記上蓋用フラップを前記折り込み状態で対向させたときには当該両フラップの先端部間に相対的な間隔が介在し、かつ、前後一対の前記上蓋用フラップを前記折り込み状態で対向させたときには当該両フラップの先端部が互いに近接するものであること、および、
四つの前記上蓋用フラップをそれぞれ前記筒状胴体の上面開口部側へ折り込んで当該上面開口部をその四つの上蓋用フラップで覆い閉じ状態にするときの覆い閉じ順序として、1番目に後側の前記上蓋用第3フラップを閉じ、2番目に左側の前記上蓋用第1フラップを閉じ、3番目に前側の前記上蓋用第3フラップを閉じ、4番目に右側の前記上蓋用第2フラップを閉じるものであること、および、
前記閉じ込み順序にしたがって前記上面開口部側へ折り込んだときの四つの前記上蓋用フラップについては、当該上面開口部の四隅内でそれぞれ交差するフラップ相互の前記押さえ部と前記被押さえ部とが、押さえ部を上かつ被押さえ部を下にして互いに重なり合うものであること、および、
前記底蓋用フラップとして第1のフラップと第2のフラップと第3のフラップと第4のフラップとを備えており、これらのうちでは、底蓋用第1フラップと底蓋用第2フラップとが左右一対をなしているとともに、底蓋用第3フラップと底蓋用第4フラップとが前後一対をなしていること、および、
前記底蓋用第1フラップと前記底蓋用第2フラップが前記筒状胴体の左右両側壁の各下端部にそれぞれ一体化されて前記筒状胴体の下面開口部側に向けて折り込み自在となっており、かつ、前記底蓋用第3フラップと前記底蓋用第4フラップが前記筒状胴体の前後両側壁の各下端部にそれぞれ一体化されて前記筒状胴体の下面開口部側に向けて折り込み自在となっていること、および、
前記底蓋用第3フラップの両側端部が前記底蓋用第1フラップや前記底蓋用第2フラップに対する押さえ部になっているとともに、前記底蓋用第4フラップの両側端部が前記底蓋用第1フラップと前記底蓋用第2フラップとによって押さえ込まれる被押さえ部になっていること、および、
左右一対の前記底蓋用フラップについては、この左右一対の底蓋用フラップを折り込み状態で対向させたときに、その折り込まれた当該両フラップの先端部間に相対的な間隔が介在するものであること、および、
前後一対の前記底蓋用フラップについては、この前後一対の底蓋用フラップを折り込み状態で対向させたときに、その折り込み状態における当該両フラップの先端部が互いに近接するものであること、および、
前記四つの底蓋用フラップをそれぞれ前記筒状胴体の下面開口部側へ折り込んで当該下面開口部をその四つの前記底蓋用フラップで覆い閉じ状態にするときの覆い閉じ順序として、1番目に後側の前記底蓋用第4フラップを閉じ、2番目と3番目に左右一対の前記底蓋用第1フラップと前記底蓋用第2フラップとを閉じ、4番目に前側の前記底蓋用第3フラップを閉じるものであること、および、
1番目から4番目までの前記閉じ込み順序にしたがって前記下面開口部側へ折り込まれた四つの前記底蓋用フラップを蓋底側からみるとき、1番目に折り込まれた前記底蓋用第4フラップの両端部にある被押さえ部の上には、2番目と3番目に折り込まれた前記底蓋用第1フラップや前記底蓋用第2フラップの一側端部にある押さえ部が折り重なるものであるとともに、その折り込まれた底蓋用第1フラップや底蓋用第2フラップの他側端部の上には、4番目に折り込まれた前記底蓋用第3フラップの両側端部が折り重なるものであること を前提とする厚紙製包装用箱において、
四つの
前記上蓋用フラップのうちの二つのフラップであって、前記筒状胴体の上面開口部を覆い閉じ状態にしたときに前記上面開口部の一隅領域で被押さえ部と押さえ部とが交差状態で重なり合う二つのフラップについて、その一方を一方フラップとし、その他方を他方フラップとした場合、前記一方フラップの押さえ部で被押さえ部が押さえ込まれる前記他方プラップが、そのフラップ側縁に、
前記他方フラップ基端部側からその他方フラップ先端部側に向けて傾斜する傾斜縁を有しており、かつ、
前記他方プラップの被押さえ部を押さえ込むための
前記一方フラップの押さえ部には、その押さえ部領域にあって前記一方フラップ先端部側からその一方フラップ基端部方向に向けて切り込まれたロック溝が形成されているとともに、前記一方フラップの押さえ部におけるロック溝の両側部位が一対の挟み片になっていること、および、
前記筒状胴体の上面開口部を覆い閉じ状態にしたときの前記他方プラップの傾斜縁と前記一方フラップのロック溝について
は、前記一方フラップのロック溝が前記他方プラップのフラップ傾斜縁側を受け入れることにより一方プラップと他方フラップとがロック状態になるものであり、かつ、
前記一方フラップのロック溝内に受け入れられた
前記他方プラップのフラップ傾斜縁側が、
前記一方フラップの押さえ部にある一対の
前記挟み片で挟み込まれるものであること
、および、
前記底蓋用フラップとして第1のフラップと第2のフラップと第3のフラップと第4のフラップとを備えており、これらのうちでは、底蓋用第1フラップと底蓋用第2フラップとが左右一対をなしているとともに、底蓋用第3フラップと底蓋用第4フラップとが前後一対をなしていること、および、
前記底蓋用第1フラップと前記底蓋用第2フラップについては前記筒状胴体の左右両側壁の各下端部にそれぞれ一体化されて前記筒状胴体の下面開口部側に向けて折り込み自在となっており、かつ、前記底蓋用第3フラップと前記底蓋用第4フラップについては前記筒状胴体の前後両側壁の各下端部にそれぞれ一体化されて前記筒状胴体の下面開口部側に向けて折り込み自在となっていること、および、
前記底蓋用第3フラップの両側端部については、前記底蓋用第1フラップや前記底蓋用第2フラップに対する押さえ部になっているとともに、前記底蓋用第4フラップの両側端部については、前記底蓋用第1フラップと前記底蓋用第2フラップとによって押さえ込まれる被押さえ部になっていること、および、
左右一対の前記底蓋用フラップついては、この左右一対の底蓋用フラップを折り込み状態で対向させたときに、その折り込まれた当該両フラップの先端部間に相対的な間隔が介在するものであること、および、
前後一対の前記底蓋用フラップについては、この前後一対の底蓋用フラップを折り込み状態で対向させたときに、その折り込み状態における当該両フラップの先端部が互いに近接するものであること、および、
前記四つの底蓋用フラップをそれぞれ前記筒状胴体の下面開口部側へ折り込んで当該下面開口部をその四つの前記底蓋用フラップで覆い閉じ状態にするときの覆い閉じ順序として、1番目に後側の前記底蓋用第4フラップを閉じ、2番目と3番目に左右一対の前記底蓋用第1フラップと前記底蓋用第2フラップとを閉じ、4番目に前側の前記底蓋用第3フラップを閉じるものであること、および、
1番目から4番目までの前記閉じ込み順序にしたがって前記下面開口部側へ折り込まれた四つの前記底蓋用フラップについて、1番目に折り込まれた前記底蓋用第4フラップの両端部にある被押さえ部の上には、2番目と3番目に折り込まれた前記底蓋用第1フラップや前記底蓋用第2フラップの一側端部にある押さえ部F1F2が折り重なるものであるとともに、その折り込まれた底蓋用第1フラップや底蓋用第2フラップの被押さえ部の上には、4番目に折り込まれた前記底蓋用第3フラップの押さえ部が折り重なるものであること
を前提とする厚紙製包装用箱において、
前記底蓋用第3フラップがその先端部側に差し込み片を有していること、および、
前記底蓋用第1フラップと前記底蓋用第2フラップと前記底蓋用第4フラップとで覆われたときの前記下面開口部には未被覆の残存空間が生じるものであるとともに、その未被覆残存空間が前記底蓋用第3フラップにより覆われるものであること、および、
前記第3フラップの先端部にある前記差し込み片については、折り込み状態にある前記底蓋用第4フラップの先端部下に差し込まれるものであり、かつ、この差し込み片の差し込みによって前記各底蓋用フラップの底蓋閉じ状態が保持されるものであること
を特徴とする厚紙製包装用箱。
[第4項]
前記傾斜縁をフラップ側縁に有する上蓋用フラップが複数あるとともに、前記ロック溝および一対の前記挟み片を有する上蓋用フラップが複数あり、かつ、前記傾斜縁を有する上蓋用フラップと、前記ロック溝および一対の前記挟み片を有する上蓋用フラップとが、それぞれロック状態になるものである第2
項または第3項に記載された厚紙製包装用箱。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る厚紙製包装用箱は下記の効果1〜効果10を有するものである。なお、下記の効果において、一方プラップを他方プラップと読み替え、かつ、他方プラップを一方プラップと読み替えても、効果上の実質的意味合いは変わらない。
[効果1:上蓋閉鎖状態の安定性]
四つの各フラップで筒状胴体の上面開口部を覆い閉じ状態にしたときに相対ロックされる特定のフラップ、すなわち、フラップ側縁に傾斜縁のある一方プラップと、ロック溝を有する他方フラップとの場合、他方フラップのロック溝が他方プラップのフラップ傾斜縁を受け入れることでこの両プラップがロック状態となり、それによって、この両フラップの閉鎖状態が安定する。このように両フラップの閉鎖状態が安定するときは、また、それに依拠して上蓋(四つの各フラップ)も安定した閉鎖状態となる。
[効果2:上蓋閉鎖状態の安定性]
上記のごとく筒状胴体の上面開口部を覆い閉じて一方と他方の両プラップをロック状態にしたとき、他方プラップにある一対の挟み片は一方プラップのプラップ傾斜縁側をしっかりと挟み込むようになる。このような挟み込み状態のとき、当該両プラップのロック状態が自然に解除されるようなことはまずない。その理由の一つは、ロック溝内にあるプラップ傾斜縁の上下動を一対の挟み片が抑制するからであり、他の理由の一つは、一対の挟み片がその挟み保持力を発揮してプラップ傾斜縁がロック溝から外れるのを防止するからである。したがって、上蓋閉鎖状態でのプラップロック状態は、ロック安定性とかロック保持性とかが、きわめて高いものとなる。また、かかるロック箇所が複数箇所で生じるような実施形態の場合は、プラップロック状態の確実性がさらに増す。
[効果3:上蓋閉鎖状態における箱の強度向上]
上蓋用の各フラップで筒状胴体の上面開口部を覆い閉じるという上蓋閉鎖状態は、単なる覆い閉じでなく、一方プラップと他方プラップ(一組のフラップ)あるいは複数組のフラップがロック状態となる上蓋閉鎖状態であるから、そのロック状態によって、上蓋用フラップ全体が型崩れしがたい堅固な構造に組み上がり、それが上蓋閉鎖状態における箱の上部構造を強度面で安定させる。上蓋閉鎖状態において上部構造がこのような安定強度を発揮する包装用箱の場合、被包装物を詰め込んだ状態での積み重ね荷重に耐えることができるし、箱が少々湿気を帯びたり湿潤したりしても、それが原因で極度に変形するようなことがない。すなわち包装用箱は、箱詰め・搬入・搬出・輸送など、実用上の取り扱いに十分耐えるものとなる。
[効果4:上蓋用フラップの簡潔なロック構造]
上蓋用の各フラップの基本的な構成としては、一つのフラップに既述の傾斜縁があればよく、他のフラップなどは長方形や正方形のような四角形でよいのである。上蓋用の各フラップがこのような簡潔形状であることに加え、フラップ傾斜縁に対応して関連フラップに形成されるロック溝や一対の挟み片も、そのフラップ所定部に切り込みを入れるだけで一挙に形成できるという簡潔形状(構造)である。ゆえに、上蓋用フラップのロック構造が総じて簡潔なものとなる。もちろん、このロック構造の場合、既存の構成部材を一部有効活用して形成するものであるから、各別な構造部材を追加する必要がない。
[効果5:上蓋の強度低下防止]
上記ロック溝と上記挟み片(一対)とを主体にしたロック構造は、既述のように一部フラップの所定部に切り込みを入れるだけのものであり、しかも、その切り込みは、フラップ傾斜縁側を単純に受け入れるだけでよいから小さなサイズで足りる。すなわちロック構造は、わずかな切り込みを一部フラップに入れるだけのものであるから、小さなサイズで足りるのである。小サイズの切り込みであれば、上蓋の実用強度が低下するようなことはない。それよりも大きななメリットは、このロック構造で上蓋閉鎖状態を安定に確保したときに、その安定した蓋閉じによって、包装用箱が堅固な組み立て状態を呈するようになることである。かくて、上蓋の安定閉鎖状態や包装用箱の堅固な組み立て状態が得られるとき、軽度の湿潤や濡れがあるとしても、上蓋用フラップが極度に変形したり箱上部が型崩れしたりすることが起こりがたいものとなる。
[効果6:簡易なロック操作性]
上蓋用フラップによって包装用箱の上面開口部を覆い閉じるとき、たとえば従来方式にならい「たとう式」で各フラップを折り込めばよい。その際、フラップ傾斜縁やロック溝のあるロック自在な両フラップにおいて、フラップ傾斜縁側をロック溝内に嵌め込こんだ後、ロック溝のあるフラップを若干上下動させることで所定のロック状態になる。ロック操作はこのようにきわめて簡単である。
[効果7:簡易なロック解除操作性]
上述のロック状態にある上蓋を開けるときも、たとえば従来操作と同様に各フラップを順次開放方向へ引き上げるだけでよい。この際、ロック状態の両フラップは、一対ある挟み片の少なくとも一方が弾性変形し、それによってフラップ傾斜縁側がロック溝内から脱出するので、両フラップのロック状態が解除される。ロック解除操作もこのようにきわめて簡単である。
[効果8:ロックとロック解除の円滑性]
ロック溝の入り口側が広いものであるときは、自明のとおり、フラップ傾斜縁側をロック溝内に入れやすくなるので、既述のロック操作がより円滑に行えることとなる。また、一対の挟み片について、その一方または両方が撓みやすいものであるときも、既述のロック操作とロック解除操作が円滑に行えることとなる。
[効果9:製作(製造)の容易性]
フラップ傾斜縁は単純なプレス加工で形成することができる。ロック溝や一対の挟み片も単純なプレス加工で形成することができ、とくに一対の挟み片は、ロック溝を形成することで同時形成できるものである。しかも、フラップ傾斜縁・ロック溝・一対の挟み片などは、包装用箱の展開状物(包装用箱の前駆体)をプレス加工で作製するときに一挙に形成できるものであるから、上蓋閉鎖保持用のロック構造を具備する包装用箱といえども、製作工程数が増加したりすることがない。したがって、所要のロック機能を有する包装用箱を容易に製作することができる。
[効果10:コストアップの抑制ないし防止]
既述のロック構造(ロック機能)を具備する包装用箱の場合、製作工程数を増加させたり、加工技術の難易度を高めたり、材料の増加や材料ロスをきたしたりすることがない。すなわち、コストアップを惹き起こすところの上記各要因がないので、目的とする包装用箱が低廉な価格で提供できるようになる。