(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0026】
<ハイブリッド発電システムの構成>
図1は本実施形態に係るハイブリッド発電システムの概略構成図である。
図1に示すように、ハイブリッド発電システム1は、分散型電源としての太陽電池2と、太陽電池2から出力された電力を貯える蓄電池3と、太陽電池2を商用電力系統に連系させる系統連系用電力変換装置A(以下、単に電力変換装置Aという)とを備えている。なお、
図1中のV
PV及びI
PVは、それぞれ、太陽電池2の出力電圧、及び太陽電池2の出力電流を示している。また、
図1中のV
B及びI
Bは、それぞれ、蓄電池3の充放電電流及び充放電電圧を示している。
【0027】
商用電力系統9は、商用系統電源10と、系統インピーダンスとを含んでいる。
図1において、R
G及びL
Gは、系統インピーダンスの抵抗成分と誘導性リアクタンス成分とを示している。また、
図1のZ
L及びi
Lは、商用電力系統9側に接続されている交流負荷(例えば、家庭用負荷)及びその交流負荷に流れる負荷電流を示している。なお、
図1中のe
uwは、ハイブリッド発電システム1と商用電力系統9とを接続する配電線間の電圧(以下、商用系統電圧e
uwという)である。
【0028】
電力変換装置Aは、太陽電池2の出力を受けてDC/DC(Direct Current to Direct Current)変換するDC/DCコンバータ4aと、蓄電池3に対する充放電を行うための双方向のDC/DCコンバータ4b(以下、単にDC/DCコンバータ4bという)と、太陽電池2と蓄電池3の少なくとも一方から入力された直流電力を交流電力に変換するインバータ5と、制御回路7a,7bとを備えている。DC/DCコンバータ4aからの出力電圧である直流バス電圧V
dcは、電圧平滑化のためのコンデンサC
dcを介してインバータ5に与えられている。さらに、電力変換装置Aは、インバータ5の後段に接続されたLCフィルタ6及び系統連系用リレーS
Gを備えている。なお、図示を省略しているが、電力変換装置Aには、直流バス電圧V
dcを測定するための電圧計が設けられ、その測定値が制御回路7a,7bに入力されている。以下の説明において、単に直流バス電圧V
dcといった場合、上記直流バス電圧V
dcの測定値を含むものとする。また、
図1中のS
PVは、DC/DCコンバータ4aのスイッチング素子を示している。
【0029】
電力変換装置Aにおいて、インバータ5及びDC/DCコンバータ4bの主要部が、三相インバータ用IPM(Intelligent Power Module)8により構成されている。具体的には、三相インバータ用IPM8の各相は、2つのスイッチング素子からなるハーフブリッジ回路で構成されている。そして、三相インバータ用IPM8における3相の出力ラインのうち、u相とw相の出力ラインがLCフィルタ6及び系統連系用リレーS
Gを介して単相2線の商用電力系統9に接続され、v相の出力ラインは、蓄電池3に接続されている。
図1では、スイッチング素子S1〜S4をインバータ5用のスイッチング素子として用い、スイッチング素子S5,S6をDC/DCコンバータ4b用のスイッチング素子として用いている例を示している。また、DC/DCコンバータ4bにおいて、スイッチング素子S5、S6の中間ノードと蓄電池との間には、DCリアクトルL
Bが設けられている。なお、
図1中のR
Bは、DCリアクトルL
Bの内部抵抗である。また、コンデンサC
dcは、DC/DCコンバータ4bのDC/DC変換に必要なコンデンサの役割も果たす。また、
図1中のe
inv及びi
invは、それぞれ、インバータ5の出力電圧及び出力電流を示している。
【0030】
LCフィルタ6は、u相とw相の出力ラインに設けられた一対のACリアクトルL
iと、両出力ライン間に接続されたコンデンサC
iとから構成され、インバータ5の出力から高調波成分(主に、PWM信号のキャリア周波数)を除去する。図中におけるR
i及びR
cは、それぞれ、ACリアクトルL
iの内部抵抗及びコンデンサC
iの内部抵抗を示す。また、
図1中のi
cはコンデンサC
iに流れる電流(コンデンサ通過電流)を、i
spはLCフィルタ6から出力される出力電流をそれぞれ示している。
【0031】
制御回路7a,7bは、例えば、マイクロコンピュータを用いて構成されており、主に、DC/DCコンバータ4a,4b及びインバータ5を制御する。
【0032】
制御回路7aは、太陽電池2からの発電電力を最大限に活用するために、太陽電池2からの発電電力及び交流負荷Z
Lの消費電力の情報に基づいて、DC/DCコンバータ4bを介して蓄電池3の充放電制御を行う。制御回路7aには、前述の直流バス電圧V
dc、インバータ5の出力電流i
inv、負荷電流i
L、商用系統電圧e
uw、インバータ5の出力電圧e
inv、蓄電池3の充放電電流I
B、及び蓄電池3の電圧V
Bの測定値が入力信号として与えられている。なお、以下の制御回路7aの説明において、上記各測定電圧、測定電流に関し、測定値である旨の記載を省略する場合がある。さらに、制御回路7aからは、スイッチング素子S1〜S6の駆動制御信号及び系統連系用リレーS
Gの遮断制御信号が出力されている。
【0033】
制御回路7bは、太陽電池2からの出力電力が最大(最適)になるように、太陽電池2の最大電力点追従制御(以下、MPPT(Maximum Power Point Tracking)制御という)を行う。具体的には、DC/DCコンバータ4aを制御して、太陽電池2からの入力電圧を調整する。また、制御回路7bは、商用系統電圧e
uwが急激に低下した場合(例えば、瞬低時)には、インバータ5からの有効成分の出力電流の絶対値が出力電流のリミッタ値I
limの範囲内に抑制されるようにDC/DCコンバータ4aを制御する。具体的に、制御回路7bは、商用系統電圧e
uwが急激に低下した場合、MPPT制御から、DC/DCコンバータ4aの直流出力電圧をある一定の範囲内で上下させるCV(Constant Voltage)モードの制御(以下、CVモード制御という)に切り替える。制御回路7bには、直流バス電圧V
dc、太陽電池2の出力電圧V
PV、及び太陽電池2の出力電流I
PVが入力信号として与えられており、DC/DCコンバータ4aのスイッチング素子S
PVの制御信号を出力する。
【0034】
−制御回路の構成−
図2は制御回路7aの制御ブロック図を示している。
図2では、主に、直流バス電圧V
dcの一定制御(直流バス電圧Vdcの値が一定になるようにするための制御)、無効電力制御、及びインバータ5の出力電流制御に関連する制御ブロックを示している。
【0035】
図2において、直流バス電圧制御回路11は、直流バス電圧V
dcの値が一定になるように制御する回路である。直流バス電圧制御回路11は、直流バス電圧V
dcのフィードバック値(測定値)と、直流バス電圧V
dcの指令値である直流バス電圧指令値V
*dcとの差分に基づいて、インバータ5からの有効成分の出力電流の制御目標値である有効電流指令値I
*pを算出し、後段の出力電流リミッタ回路19に出力する。
【0036】
出力電流リミッタ回路19は、後述する出力電流調整回路18で求めた係数FRT
ratioと、出力電流制限用指令値I
*lim等に基づいて、有効成分の出力電流のリミッタ値(以下、「出力電流リミッタ値」と略す)I
limを算出する。そして、出力電流リミッタ回路19は、直流バス電圧制御回路11から出力された有効電流指令値I
*pの絶対値が出力電流リミッタ値I
limを超えないように、インバータ5からの有効成分の出力電流を抑制する機能を有する。具体的には、後段の有効成分生成回路12に対して、制限有効電流指令値I
*p1を出力する。
【0037】
なお、瞬低時等において、商用系統電圧e
uwの残電圧が0%になった場合、その状態を検知してから商用系統電圧e
uwが復帰するまでの間、出力電流リミッタ回路19は、以下の(1),(2)のいずれかの動作を選択する。(1)は、有効成分生成回路12に出力する制限有効電流指令値I
*p1をゼロにして、インバータ5の出力電流制御を継続し、インバータ5の運転を継続させる動作であり、(2)は、後述するPWM出力制御回路21にゲートブロック信号を出力して、インバータ5を停止させる動作である。
【0038】
有効成分生成回路12は、出力電流リミッタ回路19から受けた制限有効電流指令値I
*p1と、PLL
v15から出力された商用系統電圧e
uwの位相角θ
uwの正弦値sin(θ
uw)とを乗算して、有効成分の電流指令値の瞬時値を生成する。ここで、PLL
v15は、商用系統電圧e
uwを入力信号として受け、商用系統電圧e
uwの位相角θ
uwに同期した電圧信号を生成する回路である。具体的には、商用系統電圧e
uwの位相角θ
uwと周期T
uwを算出して、出力する。周期T
uwは、後述する出力電圧検出回路16に供給される。
【0039】
無効成分生成回路14は、無効電流制御回路13からの出力値と、PLL
v15から出力された商用系統電圧e
uwの位相角θ
uwの余弦値cos(θ
uw)とを乗算して、無効成分の電流指令値の瞬時値を生成する。そして、有効成分生成回路12からの出力値と無効成分生成回路14からの出力値とが、加算点SP1で加算されて、インバータ5の出力電流指令値i
*invとなる。この出力電流指令値i
*invは、出力電流制御回路20に送られる。
【0040】
ここで、無効電流制御回路13は、インバータ5から出力された無効成分の出力電流のフィードバック値I
qと、インバータ5からの無効成分の出力電流の指令値である無効電流指令値I
*qとに基づいて、インバータ5からの無効成分の出力電流が、無効電流指令値I
*qと等しくなるように、フィードバック制御をする回路である。なお、
図2において、PLL
i22は、LCフィルタ6の出力電流i
spの位相角θ
spに同期した電圧信号を生成する回路である。なお、出力電流i
spは、以下の式(1)により求めることができる。
【0042】
また、PLL
v15から出力された位相角θ
uwと、PLL
i22から出力された位相角θ
spとは、減算ポイントSP2で減算され、位相差Δφ(θ
uw−θ
sp)としてフィードバック値生成部23に供給される。フィードバック値生成部23は、上記位相差Δφから正接値tan(Δφ)を求める回路である。乗算器24は、上記の位相差Δφの正接値tan(Δφ)に、(2P
uw/E
uwm)を乗じることにより、無効成分の出力電流のフィードバック値I
qを求めて、無効電流制御回路13に出力する回路である。なお、この計算に用いられるP
uwは、ハイブリッド発電システム1の有効出力電力であり、E
uwmは、商用系統電圧e
uwの最大値(振幅値)である。
【0043】
出力電流制御回路20は、商用電力系統9から正常な電源が供給されている場合における運転モードである通常運転モードにおいて、インバータ5の出力電流i
invの値が、出力電流指令値i
*invに追従するように、上記出力電流i
inv及び直流バス電圧V
dcに基づいたフィードバック制御を行い、インバータ5の出力デューティ比d
invを算出する。このデューティ比d
invは、PWM出力制御回路21に供給される。
【0044】
PWM出力制御回路21は、出力電流制御回路20から受けた出力デューティ比d
invに基づいて、この出力デューティ比d
invに対応するパルス幅のPWM信号を生成する。そして、PWM信号に基づいて、インバータ5の各スイッチSW1,SW2,SW3,SW4を駆動制御する。
【0045】
次に、
図2のうち、瞬低時における事故時運転継続動作(以下、FRTモードという)に係る処理に関連する回路について、説明する。
【0046】
出力電圧検出回路16は、商用系統電圧e
uwを取得し、その振幅値を第2計測電圧E
uwmとして出力する。なお、E
uwmは、以下の式(2)により求めることができる。
【0048】
さらに、出力電圧検出回路16は、以下の式(3)に基づいて、第1計測電圧E
uwaを求める。なお、式(3)中のzは、半サイクル毎のサンプリング周期である。
【0050】
上記式(3)において、x及びyは、現時点(所定の第1時点に相当)を起点として何サイクル遡った時点(第2時点と第3時点との間に相当)の測定値が第2計測電圧に採用されるのかを示す正の整数であり、任意に設定することができる値である。また、y>xの関係を満たす値である。例えば、x及びyは、FRT要件を満たような値に設定するという観点に基づいて定めることができる。具体的には、式(3)に示される第1計測電圧E
uwaは、現時点(第1時点に相当)を起点としてyサイクル前(第3時点に相当)からxサイクル前(第2時点に相当)までの間の第2計測電圧E
uwmの平均値を示している。換言すると、仮に、xサイクル前から現時点までの間に商用系統電圧e
uwの変動があったとしても、この変動によって第1計測電圧E
uwaの値には影響がないことを示している。そうすると、例えば、xサイクル前から現時点までの時間を、FRT要件を満たす時間(例えば、1秒)以上に設定することにより、瞬低が発生した場合においても、少なくともFRT要件を満たす時間において変化しない計測電圧(第1計測電圧E
uwa)を取得することができる。
【0051】
商用電圧振幅瞬時値検出回路28は、商用系統電圧e
uwに基づいて、商用系統電圧e
uwの振幅の瞬時値(以下、「振幅瞬時値」という)E
maxを求める。
【0052】
電圧瞬低復帰検出回路17は、出力電圧検出回路16から受けた第2計測電圧E
uwmと、商用電圧振幅瞬時値検出回路28から受けた振幅瞬時値E
maxとに基づいて、瞬低が発生しているか否かを判定する。例えば、振幅瞬時値E
maxが所定の瞬低判定電圧E
FRT未満になった場合には、瞬低が発生したと判定する。さらに、電圧瞬低復帰検出回路17は、第2計測電圧E
uwm及び振幅瞬時値E
maxに基づいて、商用系統電圧e
uwが瞬低から通常の電圧値(通常運転モード)に復帰したことを検出する。なお、瞬低判定電圧E
FRTは、例えば、制御回路7a,7bまたはその周辺に搭載されたメモリ(図示省略)等にあらかじめ記憶されている。
【0053】
出力電流調整回路18は、電圧瞬低復帰検出回路17で瞬低が検出されたときに、係数FRT
ratioを算出し、出力電流リミッタ回路19に出力する。これにより、インバータ5からの出力電流値は、第2計測電圧E
uwmの大きさに応じた出力電流値に低下する。なお、係数FRT
ratioは、瞬低時(FRTモードの時)に、インバータ5からの出力電流を絞る(出力電流値を低下させる)ための調整用の係数である。
【0054】
充放電停止指示回路27は、電圧瞬低復帰検出回路17によって商用電力系統9が瞬低状態にあることが検出されたときに、充放電電力制御回路(図示省略)に対して、DC/DCコンバータ4bによる蓄電池3への充放電を行わないように指示する。
【0055】
図3は、直流バス電圧指令値調整回路26の一例を示すブロック図である。
【0056】
直流バス電圧指令値調整回路26は、3入力(SW0,SW1,SW2)の切替スイッチSW
Vdcを備えている。また、直流バス電圧指令値調整回路26には、入力信号として、直流バス指令の基準値(以下、基準指令値V
*dc0という)と、出力電圧検出回路16(
図2参照)から出力された第2計測電圧E
uwm及び第1計測電圧E
uwaとが入力されている。ここで、基準指令値V
*dc0は、商用電力系統9の定格電圧等に基づいてあらかじめ任意に設定され、例えば、制御回路7a,7bまたはその周辺に搭載されたメモリ(図示省略)等に記憶されている。
【0057】
直流バス電圧指令値調整回路26の入力端子SW0には、基準指令値V
*dc0が供給されている。入力端子SW1には、第1計測電圧E
uwaに基づくルックアップテーブルLUTの参照値が、第1直流バス電圧指令値V
*dc1として供給されている。同様に、入力端子SW2には、第2計測電圧E
uwmに基づくルックアップテーブルLUTの参照値が、ローパスフィルタLPFを介して第2直流バス電圧指令値V
*dc2として供給されている。このように、ローパスフィルタLPF(遮断周波数:fc)を介在させることにより、第2計測電圧E
uwmの変動が大きいような場合においても、第2直流バス電圧指令値V
*dc2を遮断周波数fcに応じた緩やかな変化にすることができる。これにより、電力変換装置Aが商用電力系統9の不安定要因となることを防ぐことができる。なお、ローパスフィルタの遮断周波数fcは、任意に設定することができる。
【0058】
ここで、ルックアップテーブルLUTは、第1計測電圧E
uwa及び第2計測電圧E
uwmに対して、最適な直流バス電圧指令値V
*dcが対応付けられたテーブルである。このルックアップテーブルLUTは、例えば、事前に測定されたデータやシミュレーションデータ等に基づいて作成され、あらかじめ制御回路7a,7bまたはその周辺に搭載されたメモリ(図示省略)等に記憶されている。なお、上記メモリ(例えば、EPROM)に記憶されたルックアップテーブルLUTが、電力変換装置Aの外部から書き換えできるように構成されていてもよい。
【0059】
<ハイブリッド発電システムの動作>
次に、
図4から
図9を用いて、ハイブリッド発電システム1の動作について、具体的に説明する。
図4は、ハイブリッド発電システム1の動作を示すフローチャートである。
図5は、起動時におけるハイブリッド発電システム1の動作状態を模式的に示した図である。
図6は、通常運転時において、系統電圧変動時におけるハイブリッド発電システムの動作状態を模式的に示した図である。なお、
図5及び
図6では、発明の理解を容易にするために、発明のポイントとなる部分やその周辺部分について実際の電圧や電流の変化よりも誇張して記載したり、逆に微弱な電圧や電流の変動等を省略したりしている場合がある。また、後述する
図9についても同様である。なお、以下の動作説明では、特に明記しないが、DC/DCコンバータ4aは、太陽電池2のMPPT制御を実施しているものとする。
【0060】
−1.通常動作(起動から通常運転モード)−
まず、ハイブリッド発電システム1の起動から通常運転モードに移行するまでの動作について説明する。
【0061】
図4のステップS10において、ハイブリッド発電システム1が起動されると、ソフトスタート機能が実行される。
【0062】
具体的なソフトスタートについて、
図8を参照しながら説明する。
【0063】
まず、制御回路7aは、ハイブリッド発電システム1が起動されると、直流バス電圧V
dcと基準指令値V
*dc0とを比較する。そして、
図8中の(i)に示されるように、起動時における直流バス電圧V
dcが、基準指令値V
*dc0より高い場合、制御回路7aは、降圧動作のソフトスタートを行う。具体的には、制御回路7a(直流バス電圧指令値調整回路26)は、起動直後の直流バス電圧指令値V
*dc(以下、初期指令値V
*dcsと記載する)として、起動直後の直流バス電圧V
dc(基準指令値V
*dc0より大きい値)を使用する。その後、制御回路7aは、直流バス電圧指令値調整回路26および直流バス電圧制御回路11により、直流バス電圧指令値V
*dcが、初期指令値V
*dcsから基準指令値V
*dc0に徐々に近づくように制御する。初期指令値V
*dcsから基準指令値V
*dc0に近づける速度は、所定のソフトスタート時間T
softに基づいて決まる。なおこのソフトスタート時間T
softは、ハイブリッド発電システム1のスムーズかつスピーディな起動ができるようにする観点等に基づいて、任意に設定すればよい。なお、起動時における直流バス電圧V
dc(初期指令値V
*dcs)が、基準指令値V
*dc0より低い場合においても、同様である。すなわち、
図8中の(ii)に示されるように、制御回路7aは、初期指令値V
*dcsとして起動直後の直流バス電圧V
dcを使用するとともに、直流バス電圧指令値V
*dcが初期指令値V
*dcsから基準指令値V
*dc0に徐々に近づくように制御する。このような構成にすることにより、直流バス電圧V
dcの値と直流バス電圧指令値V
*dcとの差分を小さくすることができ、出力電流i
spの変動が大きくなることを防ぐことができる。さらに、DC/DCコンバータ4a,4bの昇圧比(電解コンデンサC
dcの充電により直流バス電圧V
dcを上昇させるための昇圧比)が低い場合においても、ハイブリッド発電システム1を起動することができるようになる。なお、
図5では、時間T10から時間T11までの間がソフトスタート期間に相当し、
図8中(i)と同様に、降圧動作のソフトスタートを行っている例を示している。
【0064】
図4に戻り、ステップS11のソフトスタートが終了すると、直流バス電圧指令値V
*dcとして基準指令値V
*dc0値が設定される。このとき、直流バス電圧指令値調整回路26の切替スイッチSW
Vdcは、SW0に設定されている。これにより、DC/DCコンバータ4a,4bは、この基準指令値V
*dc0値に基づいた動作をする。具体的には、DC/DCコンバータ4a,4bは、制御回路7aの制御を受けて、直流バス電圧V
dcが基準指令値V
*dc0に応じた電圧値になるように動作する。
【0065】
そして、ステップS11における基準指令値V
*dc0の設定後に所定時間TP1が経過すると、フローはステップS12に進み、直流バス電圧指令値調整回路26の切替スイッチSW
VdcがSW0からSW1に切り替えられる(
図5の時間T12参照)。ここで、起動から切替スイッチSW
VdcがSW1に切り替えられるまでの時間T
s1は、以下の式で与えられ、例えば数秒程度である。
【0067】
なお、上記所定時間TP1は、yサイクル期間に必要な時間Tyよりも長く設定されるのが望ましい。ただし、所定時間TP1が時間Tyより短く設定されていてもかまわない。この場合、例えば、上記時間Tyが経過するまでの間における第1直流バス電圧指令値V
*dc1の設定に用いる式として、式(3)よりも短い時間で設定値が算出できる式を採用すればよい。
【0068】
上記切替スイッチSW
Vdcの切り替えにより、直流バス電圧指令値調整回路26からは、前述の第1計測電圧E
uwaに基づいて設定された第1直流バス電圧指令値V
*dc1が出力されるようになる(
図3参照)。より具体的には、ステップS12では、第1計測電圧E
uwaに基づいたルックアップテーブルLUTの参照値が、第1直流バス電圧指令値V
*dc1として設定される(
図5参照)。
【0069】
以上のように、通常運転モードでは、第1直流バス電圧指令値V
*dc1として、「現時点(第1時点に相当)を起点としてyサイクル前(第3時点に相当)からxサイクル前(第2時点に相当)までの第2計測電圧E
uwmの平均値である第1計測電圧E
uwa(式(3)参照)」に基づいて選択された値を使用するようにしている。これにより、切替スイッチSW
VdcがSW1に設定されている期間中は、仮に、xサイクル前から現時点までの間に商用系統電圧の変動があったとしても、直流バス電圧指令値V
*dcの設定に対して影響が出ないようにすることができる。
【0070】
なお、
図5に示す時間TP2において、直流バス電圧V
dcが低下しているにも拘わらず、出力電流i
spが一定であるのは、商用系統電圧e
uwが一定であり、電力変換装置Aからの出力電力も一定であることによる。また、直流バス電圧指令値V
*dcが系統電圧の振幅値e
uwに近ければ近いほど、出力電流制御回路20において算出されるデューティ比d
invの上下値が±1に近くなり、インバータ5の出力電流i
invのピック値の付近でのスイッチング損失は低減されるため、変換効率の向上が期待できる。
【0071】
−2.商用系統電圧降下時の動作(振幅瞬時値E
max=瞬低判定電圧E
FRT以上)−
次に、商用系統電圧e
uwが降下した場合における動作について、
図4及び
図6を参照しながら説明する。
図6では、時間T21までの期間TP1は通常運転モードで動作しているものとする。すなわち、商用系統電圧e
uwが一定であり、直流バス電圧指令値調整回路26の切替スイッチSW
VdcがSW1に設定され、直流バス電圧指令値V
*dcとして第1直流バス電圧指令値V
*dc1が設定されているものとする。その後、時間T21からT22にかけて商用系統電圧e
uwが下降し、時間T22の商用系統電圧e
uwが時間T26まで保持されているものとする。なお、ここでは、下降後の商用系統電圧e
uwに基づく振幅瞬時値E
maxは、瞬低判定電圧E
FRT以上であるものとする。
【0072】
図6のT21からT22の間の期間TP2において、商用系統電圧e
uwが低下すると、それにしたがって第2計測電圧E
uwmが低下し、それにしたがって第2直流バス電圧指令値V
*dc2も低下する。一方で、出力電流i
spの値は増加している。これは、インバータ5の入力電力と出力電力とが等しいためである。
【0073】
図6のT21からT23の間の期間TP3において、第1計測電圧E
uwa及び第1直流バス電圧指令値V
*dc1は、は、時間T21までの値が保持される。すなわち、商用系統電圧e
uwが下降する場合において、直流バス電圧指令値V
*dcがその変化に追従しない期間が設定されている。具体的には、時間T21からxサイクルに相当する時間が経過するまでの間(
図5の時間TP2参照)は、式(2)に基づく第1計測電圧E
uwaの値が変化しないので、第1直流バス電圧指令値V
*dc1の値も変化しないようになっている。
【0074】
そして、時間T21からxサイクルに相当する時間が経過すると、すなわち時間T23になると、第1計測電圧E
uwaの値が徐々に低下し、第1直流バス電圧指令値V
*dc1の値もそれにしたがって徐々に低下する。
【0075】
このように、本実施形態では、商用系統電圧e
uwの降下開始から所定の期間は、過去の商用系統電圧e
uw(第1計測電圧E
uwa)に基づいて直流バス電圧を制御するようにしている。すなわち、商用系統電圧e
uwの降下にしたがって直流バス電圧指令値V
*dcを変化させることなく、インバータ5を継続運転させるようにしている。これにより、短時間の瞬低が発生してすぐに復帰するような場合や、断続的な瞬低が発生するような場合においても、継続運転を行うことができる。このような制御にする理由は、商用系統電圧e
uwの降下が発生した場合には、仮に、直流バス電圧指令値V
*dcを変化させなかったとしても、そのことが原因で商用電力系統9を不安定にさせるおそれが少ないからである。
【0076】
−3.商用系統電圧上昇時の動作−
次に、商用系統電圧e
uwが上昇した場合における動作について、
図4及び
図6を参照しながら説明する。
図6では、時間T25から時間T27にかけて商用系統電圧e
uwが上昇し、時間T27以降は商用系統電圧e
uwが一定電圧に保持されている例を示している。
【0077】
図6の時間T25から時間T28の期間TP4において、商用系統電圧e
uwが上昇すると、直流バス電圧指令値V
*dcは、速やかにその上昇に追従するようになっている。このように速やかに追従させる理由は、追従が遅れると、直流バス電圧の不足により出力電流i
spに歪みが発生してしまうためである。
【0079】
図6の時間T25から時間T26において、商用系統電圧e
uwが上昇すると、第2計測電圧E
uwm及び第2直流バス電圧指令値V
*dc2が上昇する。このとき、第1計測電圧E
uwa及び第1直流バス電圧指令値V
*dc1は、それまでの値を保持している。したがって、第2計測電圧E
uwmと第1計測電圧E
uwaとの差が徐々に広がっていく。時間T25から時間T26の間は、第2計測電圧E
uwmと第1計測電圧E
uwaとの差が所定の閾値電圧V
th1以下のため(
図4のステップS13でNO)、直流バス電圧指令値V
*dcとして、第1直流バス電圧指令値V
*dc1が引き続き設定される。なお、所定の閾値電圧V
th1は、任意に設定することのできる値である。
【0080】
そして時間T26において、第2計測電圧E
uwmと第1計測電圧E
uwaとの差が閾値電圧V
th1を超えると、ステップS13でYES判定となり、フローがステップS15に進む。ステップS15(電圧上昇モードに相当)では、制御回路7aは、切替スイッチSW
VdcをSW1からSW2に切り替える。これにより、直流バス電圧指令値V
*dcとして、第2直流バス電圧指令値V
*dc2が設定される。第2直流バス電圧指令値V
*dc2は、第2計測電圧E
uwmに基づいて設定されるため、商用系統電圧e
uwの変化に応じて上昇する。これにより、商用系統電圧e
uwの降下時と比較して、直流バス電圧指令値V
*dcが商用系統電圧e
uwの変化に応じて速やかに上昇することになる。これにより、出力電力追従性を向上させることができる。
【0081】
このように、本実施形態では、商用系統電圧e
uwが上昇する場合に、出力電力追従性を高めることができる。このような制御にすることにより、電力変換装置Aの出力電流i
spが歪むのを防ぐことができる。
【0082】
この点に関し、以下において、より具体的に説明する。
【0083】
電力変換装置Aにおいて、インバータ5の出力におけるデューティ比d
invは、−1から1までの範囲で動作させることにより、そのスイッチング損失を低減させ、変換効率を向上させることができる。具体的に、以下の式(5)に示すように、インバータ5の出力デューティ比d
invは、第2計測電圧E
uwmと、直流バス電圧V
dcの最小値V
dcminの割合に基づいて決定される。なお、下式(5)にも示すように、直流バス電圧V
dcの最小値V
dcminは、第2計測電圧E
uwmと、ACリアクトルの電圧降下分ΔE
invとの和に基づいて決定される。
【0085】
このような制御形態において、商用系統電圧e
uwが上昇した場合に、直流バス電圧指令値V
*dcの上昇が遅いと、上式(5)で示されるインバータ5の出力デューティ比d
invが±1を超えてしまい、インバータの出力電流i
spの波形が直流バス電圧V
dcの不足により歪んでしまうことが考えられる。これに対し、本実施形態のように、商用系統電圧e
uwが上昇する場合に、速やかに直流バス電圧指令値V
*dcを上昇させることにより、直流バス電圧V
dcの不足による出力電流の波形の歪みを防ぐことができる。
【0086】
その後、商用系統電圧e
uwの上昇が止まって一定電圧となり、第2計測電圧E
uwmと第1計測電圧E
uwaとの差が所定の閾値電圧V
th2未満になると、ステップS16においてYES判定となり、フローがステップS12に戻る。そうすると、制御回路7aは、切替スイッチSW
VdcをSW2からSW1に切り替える。これにより、直流バス電圧指令値V
*dcとして、第1直流バス電圧指令値V
*dc1が設定される。
【0087】
図7には、期間TP4における直流バス電圧波形(V
dc)、系統電圧波形(e
uw)及び電力変換装置Aの出力電流波形(i
sp)を示している。
図7では、商用系統電圧e
uwの上昇により、直流バス電圧の不足による出力電流i
spの歪みが発生し、出力電流の波高値が低下した後、一時的に高くなっている。しかしながら、その後、短期間で直流バス電圧V
dcが安定し、それに伴って速やかに出力電流i
spも安定している様子がわかる。なお、期間TP3と期間TP4との間において、直流バス電圧指令値V
*dcが低下しているにも拘わらず、出力電流i
spが一定であるのは、商用系統電圧e
uwが一定であり、電力変換装置Aからの出力電力も一定であることによる。
【0088】
その後の動作は、前述の説明と同様であるため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0089】
このように、第2計測電圧E
uwmと第1計測電圧E
uwaとの差分に基づいて、切替スイッチSW
VdcをSW1に戻すことにより、再度、商用系統電圧e
uwの変化に拘わらず、インバータ5を継続運転させることができる通常動作モードに戻すことができる。また、切替スイッチSW
Vdcの切り替えタイミングを閾値電圧V
th2で調整しているので、切替スイッチSW
Vdcの設定変更による系統電源電圧e
uwへの影響を小さくすることができる。
【0090】
−4.瞬低時の動作(振幅瞬時値E
max=瞬低判定電圧E
FRT未満)−
次に、瞬低が発生した場合における動作について、
図9を参照しながら説明する。
図9では、通常状態から瞬低が発生し、その瞬低状態がしばらく続いた後、通常状態に復帰したケースを示している。
【0091】
この場合において、制御回路7aは、振幅瞬時値E
maxが瞬低判定用閾値E
FRT以下の状態(以下、瞬低状態という)になってから1サイクル以内に、インバータ5の出力電流i
invを絞る処理を行う。具体的には、瞬低状態になってから1サイクル以内に有効電流指令値I
*pを下げる処理を行う。そして、振幅瞬時値E
maxが瞬低判定用閾値E
FRT以下の状態から瞬低判定用閾値E
FRTよりもΔE
FRT以上高い状態に復帰した場合、制御回路7aは、復帰から1サイクル以内に、前述のソフトスタートを開始する。
【0092】
上記の瞬低に係る動作について、
図4を参照しながら詳細に説明する。
【0093】
まず、通常動作モードで動作している状態(ステップS12)または電圧上昇モードで動作している状態(ステップS15)において、瞬低が発生した場合、すなわち、振幅瞬時値E
maxが瞬低判定用閾値E
FRT以下になると、ステップS14がYES判定となり、フローはステップS17に進む。なお、
図4では、ステップS15からステップS14にフローが遷移する矢印を省略している。
【0094】
ステップS17では、制御回路7aは、DC/DCコンバータ4aの制御を、MPPT制御からCVモード制御に切り替える。CVモード制御では、前述のとおり、制御回路7aが、インバータ5からの出力電流i
invを絞る処理を実行するとともに、直流バス電圧V
dcがある閾値までしか上昇しないように制御する。
【0095】
そして、振幅瞬時値E
maxが瞬低判定用閾値E
FRT以下の状態から瞬低判定用閾値E
FRTよりもΔE
FRT以上高い状態に復帰すると、フローはS10に進み、ソフトスタートが実行される。このソフトスタートでは、直流バス電圧指令値V
*dcとして、復帰後の直流バス電圧V
dcを与えて、その電圧からソフトスタートを実行する。なお、このときのソフトスタート時間T
FRTは、起動時のソフトスタート時間T
softよりも短い時間に設定されるのが好ましい。そうすることで、瞬低からの速やかな起動が実現される。なお、基本的なソフトスタートの動作は、起動時の場合(
図8の説明)と同様であり、ここではその詳細な説明を省略する。
【0096】
また、
図9の上段には、この一連の流れにおける直流バス電圧指令値調整回路26の切替スイッチSW
Vdcの設定の変化の状態を記載している。前述の「2.系統電圧降下時の動作」と同様に、系統電圧降下時(ここでは瞬低発生時)から所定の期間は、直流バス電圧指令値V
*dc(第1直流バス電圧指令値V
*dc1)が変化しない。一方で、振幅瞬時値E
maxの上昇に伴って直流バス電圧V
dcが上昇しており、ソフトスタートは、その上昇分が加味された電圧から開始される。
【0097】
なお、瞬低期間中は、CVモードで動作させているので、切替スイッチSW
VdcはSW0でもSW1でもどちらでも構わない。ただし、ソフトスタート時には、切替スイッチSW
VdcがSW0になっていることが必要であるため、
図9では、有効電流指令値I
*pを下げる処理を行うときに、切替スイッチSW
VdcをSW0に切り替えている。
【0098】
以上のような処理を行うことにより、瞬低時においても、電力変換装置Aの継続運転が可能となり、電力変換装置Aが商用電力系統9の不安定要因となることを防ぐことができる。
【0099】
図10は、直流バス電圧を固定した場合(
図10では直流バス電圧固定と記載)と、本実施形態に係る構成(
図10では直流バス電圧可変と記載)との変換効率をグラフにして示したものである。
図10に示すように、本実施形態に係る構成は、直流バス電圧を固定した場合と比較して高い変換効率を実現することができている。特に、商用電力系統の公称電圧が低い部分において、直流バス電圧固定制御と比較して、高い変換効率を実現することができている。
【0100】
以上、本発明の好ましい実施形態及びその変形例について説明したが、本開示に係る技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え等を行った実施形態にも適用が可能である。また、上記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。
【0101】
例えば、上記実施形態では、第1計測電圧E
uwa、第2計測電圧E
uwmに基づくルックアップテーブルLUTを参照して、直流バス電圧指令値V
*dcを決定するものとしたが、これに限定されない。例えば、制御回路7aに直流バス電圧指令値V
*dcを演算するような演算手段を設けるようにしてもよい。
【0102】
例えば、上記実施形態では、ハイブリッド発電システム1が蓄電池3を備えている例について説明したが、蓄電池3はなくてもよい。
図11には、蓄電池3を省いた例を示している。
図11の場合においても、上記実施形態と同様に動作させることが可能であり、同様の作用効果を得ることができる。また、上記実施形態では、分散型電源としての太陽電池2を例示したが、分散型電源は太陽電池に限定されず、風力発電等の他の分散型電源であってもよい。
【0103】
例えば、上記実施形態では、現時点を起点としてyサイクル前からxサイクル前までの間の第2計測電圧E
uwmの平均値を用いて第1計測電圧E
uwaを算出しているが、これに限るものではなく、xサイクル前の値E
uwm(z−x)を用いて、第一計測電圧E
uwaの値に入れ替えてもよいし、xサイクル前の値E
uwm(z−x)を用いて、ローパスフィルタを介し、ローパスフィルタを通した値を第一計測電圧E
uwaの値に入れ替えてもよい。
【0104】
また、上記実施形態では、ローパスフィルタLPF(遮断周波数:fc)を介在させることにより、第2計測電圧E
uwmの変動が大きいような場合においても、第2直流バス電圧指令値V
*dc2を遮断周波数fcに応じた緩やかな変化にすることができるようにしているが、これに限るものではなく、制御ソフトの制限上で、ローパスフィルタを用いなくてもよい。
【0105】
また、上記実施形態を説明した
図5、
図6、
図8および
図9は、直流バス電圧V
dcにおいて2f成分等を除去した波形を示した模式図であり、実際の直流バス電圧V
dcの波形は、
図7に示すように、2f成分を含む波形となる。