【実施例】
【0127】
他に言及の無い限り、下記実施例で用いる乳は、いわゆるB−ミルク(99℃で30分間熱処理した9.5%再構築スキムミルク)である。B−ミルクは牛乳である。
【0128】
実施例1:比較実験‐本発明の1段階発酵方法と比較される従来技術の2段階方法‐B.プミルス及びS.サーモフィルス
上記で論じたように、従来技術、例えばCN103300147Aは、2段階方法を用いて発酵乳を製造する方法を記載している。第一の工程において、乳はバチルス・スブチリスで発酵され(CN103300147Aにおいて48時間)、そして第二の工程において、このバチルス発酵乳に乳酸菌が添加されて、乳酸菌発酵(即ちpHの低下‐酸性化)が実施される。
【0129】
この実施例1で論じるように、発明者らは、従来技術の2段階の方法と、本発明の1段階の同時方法とを比較した。
【0130】
バチルス・プミルス単独:
バチルス・プミルスCHCC5042 and CHCC16735を、凍結アンプルから3x5ml BHIブロスにそれぞれ播種し、37℃150rpmで一昼夜インキュベーションした。
【0131】
4本の撹拌容器に200mLのB−ミルクを入れ、前記B.プミルス株5042及び16735を、それぞれ容器2本ずつに(BHI培地で一昼夜培養したもの)1%播種した。それらを37℃150rpmで24時間インキュベーションした。
【0132】
5042及び16735は、凍結アンプルから5ml BHIブロスに播種され、同様にインキュベーションされもした。
【0133】
16735を播種した容器は、24時間で黄色を呈した。両方の容器(即ち5042及び16735の両方)において、若干の発泡が認められた。
【0134】
B.プミルス及びS.サーモフィルスを用いた酸性化実験
このB.プミルス24時間培養物を撹拌容器から滅菌200ml容器に移した。
【0135】
BHI中のB.プミルス一昼夜培養物を遠心分離し、ペレットを5ml B−ミルクに懸濁した。
【0136】
S.サーモフィルス(ST)CHCC4895及びCHCC4460は、M17+2%ラクトース中に播種され、37℃で一昼夜インキュベーションされた。
【0137】
これらの一昼夜ST培養物を遠心分離し、それぞれ11mL B−ミルク中に再懸濁した。
【0138】
1. 撹拌容器中で24時間培養した5042をB−ミルク中に1%播種
2. 撹拌容器からの24時間5042培養物+1%4895
3. 撹拌容器からの24時間5042培養物+1%4460
4. 撹拌容器中で24時間培養した16735をB−ミルク中に1%播種
5. 撹拌容器からの24時間16735培養物+1%4895
6. 撹拌容器からの24時間16735培養物+1%4460
7. 1%4895
8. 1%4895+1%5042(BHI中で一昼夜)
9. 1%4895+1%16735(BHI中で一昼夜)
10. 1%4460
11. 1%4460+1%5042(BHI中で一昼夜)
12. 1%4460+1%16735(BHI中で一昼夜)
13. B−ミルク
【0139】
酸性化は、37℃のウォーターバス中で行われた。pHは、PCロガーで一昼夜測定された。
【0140】
B.プミルス及びS.サーモフィルスを用いた酸性化実験の結果:
予めインキュベーションしたバチルス・プミルス株CHCC5042の培養物は、2つの相に分かれた(
図1参照‐上の画像、実験#2に関連する(上記参照))。
【0141】
予めインキュベーションしたバチルス・プミルス株CHCC5042の培養物は、まだ黄色であった(
図1参照‐下の画像、実験#5に関連する(上記参照))。
【0142】
相分離や発色は、バチルスプレインキュベーションの概念の適用の過程で顕著な問題をもたらし得る。
【0143】
図2に見られるように、予めインキュベーションしたバチルス・プミルス株CHCC5042の容器は、より高いpHで出発した。ST株単独と比較して酸性化活性の改善は無かった。最後のpHも、ST単独に関しては顕著に高かった。
【0144】
下記表は、幾つかの時点での
図2のpH値+pH=5に達したときの時間の幾つかを示す(
図2から直接読み取った概数)。
【表2】
【0145】
上記で論じたように:
実験番号7はST4895単独(即ち対照);
実験番号8はST4895+バチルス1%5042
実験番号9はST4895+バチルス1%16735
【0146】
これらの実験8及び9は、本発明の1段階共培養発酵方法に従って実施され、その結果は、乳酸発酵が所望のpHレベルまで顕著により急速に達したことである。例えばpH=5及びpH=4.5は、顕著により急速に達した。
【0147】
類似の肯定的な結果が、ST4460株(#11及び#12と対照#10とを比較)において得られた。
【0148】
バチルス細胞によるそのような(単独での)発酵は、顕著にpHを低下しなかった(#1及び#4参照)。
【0149】
発酵過程でのB.プミルスの増殖解析:
培養物8及び9のBHI上へのプレーティング:
ここで、バチルスとSTを共培養する効果がバチルスの乳中での増殖によるかそれ以外によるかを解析した。従って、培養物8及び9は、播種後、10
−1〜10
−4にBHI寒天上でインキュベーションする前にプレーティングされ、それらの増殖が見られた場合その翌日に再びプレーティングした。
【0150】
ST4895を、プレート上で増殖が見られた場合それと同時にBHI寒天上に擦り付けた。プレートは好気的に37℃でインキュベーションされた。
【0151】
発酵後、培養物8及び9は10倍に希釈され、10
−3〜10
−6に希釈されてBHI寒天上に再びプレーティングされた。プレートは好気的に37℃で一昼夜インキュベーションされた。
【0152】
BHI上でのCHCC4895のプレーティングの結果:この株はプレート上では増殖しない。
【0153】
BHI寒天上での培養物8及び9のプレーティングの結果:
【表3】
【0154】
CHCC4895はカウントされなかった‐それはプレート上では非常に弱くしか増殖しなかった。
【0155】
ほとんどのバチルス細胞は、恐らく低いpHのため、STによる酸性化の過程で死滅したようである。
【0156】
要するに、バチルス・プミルス株の顕著な増殖は無かった。実際に、それらは、発酵プロセスの過程で基本的に死滅している(おそらくpHの低下により)。
【0157】
最終的な乳酸菌発酵乳製品に殆どバチルス細胞が存在しないため、これは有利となり得る。
【0158】
結論:
この実施例1の結果は、バチルス・プミルスにとって、従来技術の2段階の方法は適切に動作しないことを実証した。
【0159】
24時間のバチルス・プミルスによるプレインキュベーション及び発酵(即ち2段階の方法における第一段階)と、それに続くS.サーモフィルスによる発酵(即ち2段階の方法における第二段階)は、2つの相に分離した(
図1上の画像)及び好ましくない黄色を呈した(
図1下の画像)発酵乳をもたらした。
【0160】
そのような相分離や発色は、バチルスプレインキュベーション(即ち従来技術の2段階の方法)の概念の適用の過程で顕著な問題をもたらし得る。
【0161】
図2に見られるように、従来技術の2段階の方法に関連して:
プレインキュベーションしたバチルス・プミルス株を入れた容器は、より高いpHで開始した。
ST株単独の場合と比較して酸性化活性の改善は無かった。
最終pHも、ST単独に関しては顕著により高かった。
【0162】
対照的に、本発明の1段階の方法(即ちバチルス・プミルスとS.サーモフィルスの両方による1つの発酵工程のみ)は、非常に良好に動作した。
【0163】
図2に見られるように、本発明の1段階の方法が使用された場合、乳酸発酵により所望のpHレベルに顕著により迅速に到達する、という、1つの肯定的な結果が得られた。
【0164】
更に、発酵乳(第一の側面の方法における工程(a))は、工程(a)において乳にバチルス細菌を播種しない(第一の側面の方法における工程(a))以外第一の側面の方法と同一の条件で行われた比較方法よりも顕著に早く所望のpHに達した。
【0165】
図2において、これは、例えばST株4460単独の酸性化と比較することによって見られ、ST4460+バチルス5042及びST4460+バチルス16735における1段階同時酸性化よりも顕著に遅い。類似の好ましい結果がST株4895において得られ、バチルスと共に同時1段階発酵を行った場合、顕著により早く所望の低いpHレベルに達した。
【0166】
更に、実施例1の結果は、ST株と共に同時発酵する間バチルス・プミルス株の顕著な増殖が無かったことを実証した。実際に、発酵プロセスの過程で、(おそらくpHの低下により)バチルス細胞は殆ど死滅する。
【0167】
最終的な乳酸菌発酵乳製品に殆どバチルス細胞が存在しないため、これは有利となり得る。
【0168】
実施例2:比較実験−従来技術の2段階方法−B.スブチリス及びS.サーモフィルス
この実施例は、上記実施例1と同様である。この実施例において、バチルス・スブチリス株CHCC15877及びCHCC16871を用いて同様の実験が行われた(実施例1ではバチルス・プミルスを用いた)。
【0169】
バチルス・スブチリス株CHCC15877及びCHCC16871を凍結アンプルからBHI寒天上に擦り付け、37℃で一昼夜好気下でインキュベーションした。
【0170】
CHCC15877及びCHCC16871から単一コロニーを取って6ml BHIに播種し、37℃150rpmでインキュベーションした。
【0171】
4本の撹拌容器に200mlのB−ミルクを写し、B.スブチリス株15877sc及び16687scをそれぞれ2本ずつに1%(BHI中で一昼夜培養したものから)播種した。それらを37℃150rpmで24時間インキュベーションした。
【0172】
M17+2%ラクトース中にS.サーモフィルスCHCC4895及びCHCC4460を播種し、37℃で一昼夜インキュベーションした。
【0173】
酸性化実験:
前記24時間B.スブチリス培養物を撹拌容器から滅菌200ml容器に移した。これらの株は、今回も乳を黄色に変色させた(即ち実施例1のバチルス・プミルスと同様)。
【0174】
7mlのSt一昼夜培養物を遠心分離し、それぞれ7mlのB−ミルクに再懸濁した。
【0175】
1. 撹拌容器中で24時間培養した15877をB−ミルク中に1%播種
2. 撹拌容器からの24時間15877培養物+1%4895
3. 撹拌容器からの24時間15877培養物+1%4460
4. 撹拌容器中で24時間培養した16687をB−ミルク中に1%播種
5. 撹拌容器からの24時間16687培養物+1%4895
6. 撹拌容器からの24時間16687培養物+1%4460
7. 1%4895
8. 1%4460
9. B−ミルク
【0176】
結果:
バチルス・スブチリスでプレインキュベーションした4本の容器の全ては、実施例1における実験の容器5と同様であった(薄く黄色の培養物)。
【0177】
プレインキュベーションしたバチルス・スブチリス株を入れた容器は、より高いpHで開始した。
【0178】
ST株単独と比較して、酸性化活性の改善は無かった。最終pHも、ST単独に関しては顕著により高かった。
【0179】
結論:
実施例2の結果は、バチルス・スブチリスを用いた場合であっても、実施例1におけるバチルス・プミルスと本質的に同様であることを実証し、バチルス・スブチリスにおいても、従来技術の2段階方法は良好に動作しなかった。
【0180】
実施例3:バチルス・スブチリス及びB.プミルスとの共発酵によるS.サーモフィルスの増殖刺激−本発明の1段階方法
バチルス・スブチリス由来の株の添加によるS.サーモフィルスのCHCC4895の増殖刺激
下記バチルス・スブチリス株をMRSブロス中に播種し、37℃で一昼夜インキュベーションした。
CHCC3810
CHCC15877
CHCC16282
CHCC19200
【0181】
上記一昼夜培養物を遠心分離し、ペレットをそれぞれ1Vol.のB−ミルク中に再懸濁した。
【0182】
S.サーモフィルスCHCC4895は、2%ラクトースを添加したM17中37℃で前培養し、遠心分離し、そして1Vol.のB−ミルク中に再懸濁した。
【0183】
酸性化実験のため、再懸濁した株をそれぞれ200mlのB−ミルク中に1%播種した。酸性化は、37℃のウォーターバス中で行われた。pHは、PCロガーで一昼夜測定された。
【0184】
1. 1%CHCC4895
2. 1%CHCC4895+1%CHCC15877
3. 1%CHCC4895+1%CHCC16282
4. 1%CHCC4895+1%CHCC19200
5. 1%CHCC4895+1%CHCC3810
6. 1%CHCC15877
7. 1%CHCC16282
8. 1%CHCC19200
9. 1%CHCC3810
10. B−ミルク
【0185】
結果:
B.スブチリス株CHCC3810、CHCC15877、CHCC16282、及びCHCC19200は、ST CHCC4895の酸性化活性を促進した。
【0186】
バチルス・プミルス及びバチルス・スブチリス由来の株の添加によるS.サーモフィルスCHCC4895の増殖刺激
バチルス・プミルス及びバチルス・スブチリス由来の以下の株をBHIブロスに播種し、37℃の撹拌インキュベーター中150rpmで一昼夜インキュベーションした。
【0187】
これらの株は、従来の株として撹拌せずにMRS中で最初に播種されたが、僅かな増殖しか示さなかった。
【0188】
B. プミルスCHCC5042
B. プミルスCHCC15512
B. プミルスCHCC15544
B. プミルスCHCC16735
B. プミルスCHCC16873
B. プミルスCHCC17513
B.スブチリスCHCC16871
【0189】
CHCC4895を、2%ラクトースを添加したM17中に播種し、37℃で一昼夜インキュベーションした。
【0190】
上記一昼夜培養物を遠心分離し、ペレットをそれぞれ1Vol.のB−ミルク中に再懸濁した。
【0191】
酸性化実験のため、再懸濁した株をそれぞれ200mlのB−ミルク中に1%播種した。酸性化は、37℃のウォーターバス中で行われた。pHは、PCロガーで一昼夜測定された。
【0192】
1. 1%CHCC4895
2. 1%CHCC4895+1%CHCC5042(プミルス)
3. 1%CHCC4895+1%CHCC15512(プミルス)
4. 1%CHCC4895+1%CHCC15544(プミルス)
5. 1%CHCC4895+1%CHCC16735(プミルス)
6. 1%CHCC4895+1%CHCC16871(スブチリス)
7. 1%CHCC4895+1%CHCC17513(プミルス)
8. 1%CHCC4895+1%CHCC16873(プミルス)
9. 1%CHCC5042
10. 1%CHCC15512
11. 1%CHCC15544
12. 1%CHCC16735
13. 1%CHCC16871
14. 1%CHCC17513
15. 1%CHCC16873
16. B−ミルク
【0193】
結果:
結果を
図3に示す。全てのバチルス株は、CHCC4895の酸性化活性を顕著に促進した。CHCC4895単独のインキュベーションと比較して、2時間早くpH5.0に達した。同時にそれらは乳を全く酸性化せず、これは、共発酵におけるpHの低下がB.スブチリスによる酸の生産によるものではなく、増殖刺激効果によることを意味する。
【0194】
バチルス・プミルス及びバチルス・スブチリス由来の株の添加によるS.サーモフィルスの5つの株の増殖刺激
この実験において、5つの追加のS.サーモフィルス株の酸性化活性が、B.スブチリスの2つの株及びB.プミルスの2つの株の存在下で試験された。5つのS.サーモフィルス株は、乳中で異なる酸性化活性を有することにより特徴づけられる。
S.サーモフィルス株:
CHCC3175
CHCC4460
CHCC5389
CHCC6592
CHCC9204
バチルス種株:
CHCC15877 (スブチリス)
CHCC16871 (スブチリス)
CHCC5042 (プミルス)
CHCC16735 (プミルス)
【0195】
バチルス種株は、BHIブロス中37℃150rpm撹拌で一昼夜インキュベーションされた。
【0196】
S.サーモフィルス株は、2%ラクトース添加M17中37℃で一昼夜インキュベーションされた。
【0197】
これら一昼夜培養物を遠心分離し、ペレットを1Vol.のB−ミルク中に再懸濁した。
【0198】
酸性化実験のため、再懸濁した株をそれぞれ200mlのB−ミルク中に1%播種した。酸性化は、37℃のウォーターバス中で行われた。pHは、PCロガーで一昼夜測定された。
【0199】
結果:
結果は、全てのバチルス株は、5つのS.サーモフィルス株CHCC3175、CHCC4460、CHCC5389、CHCC6592、及びCHCC9204の酸性化活性を顕著に促進した。
【0200】
結論:
実施例の結果は、バチルス・スブチリス及びバチルス・プミルス由来の株の添加が、様々なS.サーモフィルス株の酸性化を刺激することを示す。試験された全てのS.サーモフィルス株は、バチルス・スブチリス及びB.プミルスの個別の様々な株と共発酵されたとき、一定の効果を示した。
【0201】
実施例4:B.プミルスの株との共発酵によるラクトバチルス・デルブルエッキイ種ブルガリクスの増殖刺激−本発明の1段階発酵方法
バチルス・プミルスの株の添加によるラクトバチルス・デルブルエッキイ種ブルガリクスの5つの株の増殖刺激
B.プミルス5042sc及び16735sc(シングルコロニー単離、上記参照;ON培養物から)を、3x5mlのBHIブロスに播種し、150rpm37℃でインキュベーションした。
【0202】
ラクトバチルス・デルブルエッキイ種ブルガリクスCHCC3984を9ml MRSに播種した。
【0203】
バチルス・プミルスの一昼夜培養物をプールし、12mlを遠心分離し、ペレットを12mlのB−ミルクに再懸濁した。
【0204】
ラクトバチルス・デルブルエッキイ種ブルガリクスの株を遠心分離し、9mlのB−ミルク中に再懸濁した。
【0205】
酸性化実験:
200mlのB−ミルク中に1%播種した。37℃ウォーターバス中で酸性化した。pHは、PCロガーで一昼夜測定した。
1. 3984
2. 3984+5042
3. 3984+16735
4. B−ミルク
【0206】
結果:
試験されたバチルス・プミルス株はいずれもラクトバチルス・デルブルエッキイ種ブルガリクスのCHCC3984に対し顕著な増殖促進効果を有していた。バチルス細胞がラクトバチルス・デルブルエッキイ種ブルガリクス株と共培養されたとき、対照実験(即ちCHCC3984のみ)と比較して、顕著に早くpH=5に達した。
【0207】
実施例5:B.プミルス株との共発酵によるラクトコッカス・ラクティスの増殖刺激−本発明の1段階発酵方法
バチルス・プミルス及びB.スブチリスの株の添加によるラクトコッカス・ラクティスの5つの株の増殖刺激
B.プミルス5042及び16735(凍結アンプルから)を、3x5mlのBHIブロスに播種し、150rpm37℃でインキュベーションした。
【0208】
ラクトコッカス・ラクティス株CHCC2281、CHCC4427、CHCC9867、CHCC3949及びCHCC3950をM17に播種した。ラクトース陰性の3949及び3950にはグルコースを添加した。30℃で一昼夜インキュベーションした。
【0209】
B.プミルス一昼夜培養物をプールし、11mlを遠心分離し、ペレットを11mlのB−ミルクに再懸濁した。
【0210】
ラクトコッカス・ラクティス株を遠心分離し、1体積のB−ミルク中に再懸濁した。
【0211】
酸性化実験:
200mlのB−ミルク中に1%播種した。30℃ウォーターバス中で酸性化した。pHは、PCロガーで一昼夜測定した。
1. 2281
2. 2281+5042
3. 2281+16735
4. 4427
5. 4427+5042
6. 4427+16735
7. 9867
8. 9867+5042
9. 9867+16735
10. 3949+1%グルコース
11. 3949+5042+1%グルコース
12. 3949+16735+1%グルコース
13. 3950+1%グルコース
14. 3950+5042+1%グルコース
15. 3950+16735+1%グルコース
16. B−ミルク
【0212】
結果:
結果は、バチルス・プミルス株と一緒に培養した場合、ラクトコッカス・ラクティスは、僅かに早く酸性化することを示した。しかしながら、この影響は、S.サーモフィルス株の幾つかにおいて示されたもの程大きくはなかった(上記実施例参照)。
【0213】
この実験においてラクトコッカス・ラクティスCHCC3949及びCHCC3950を選択した理由の一つは、B.プミルス株のタンパク質分解系が、増殖促進効果に寄与するという理論である。プロテイナーゼ陰性であるCHCC3949及びCHCC3950は、理論的には、他の試験されたラクトコッカス・ラクティス株(即ちCHCC2281、CHCC4427、CHCC9867)よりも、B.プミルスとの共培養から相対的に多くの利益を受ける筈である。
【0214】
しかしながら、この実験において、CHCC3949及びCHCC3950の増殖は、他の試験されたラクトコッカス・ラクティス株と比較してそれほど促進されなかった。
【0215】
実施例6:適切なバチルス株のスクリーニング−本発明の1段階発酵方法
【0216】
この実施例において、LAB株単独の使用と比較して酸性化活性の改善が得られるバチルス細胞がスクリーニングされた。
【0217】
1ml乳を入れた96ウェルプレート中でのスクリーニング
S.サーモフィルス(ST)株CHCC12339(エキソ多糖類(EPS)生産株)が、スクリーニングのために選択された。
【0218】
スクリーニングは、1mlの乳を入れた96ウェルプレート中で行われ、以下のバチルス種:バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・アリアブハッタイ(Bacillus aryabhattai)、バチルス・アトロファエウス(Bacillus atrophaeus)、バチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)、バチルス・フレクサス(Bacillus flexus)、バチルス・フシフォルミス(Bacillus fusiformis)、バチルス・レンツス(Bacillus lentus)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・メチロトロフィクス(Bacillus methylotrophicus)、バチルス・モヤウェンシス(Bacillus mojavensis)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、バチルス・サフェンシス(Bacillus safensis)、バチルス・シアメンシス(Bacillus siamensis)、バチルス・ソノレンシス(Bacillus sonorensis)、バチルス・シムプレクス(Bacillus simplex)、バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・テクイレンシス(Bacillus tequilensis)、及びバチルス・ヴァリスモルティス(Bacillus vallismortis)から選択される156種類の異なるバチルス株が試験された。
【0219】
酸性化時間及びテクスチャーが測定された。テクスチャーは、TADM技術を用いて測定された。その結果は、大半のバチルス細胞が動作した、即ちそれらがLAB株単独の使用と比較して酸性化活性(速度)及びテクスチャーの改善をもたらしたことを実証した。特に、試験されたバチルス株の135個の株は、ST株単独と比較してより高い酸性化速度をもたらし、60個の株は、ST株単独と比較して改善されたテクスチャーを有した。ST自体による酸性化は緩慢で、pH6がpH4.5になるのに14時間掛かる。バチルスの添加は、最速の株でこの時間を2〜4時間に顕著に短縮した。
【0220】
200ml容器の結果
評価された候補(96ウェルプレートスクリーニングから)を、乳を入れた200ml容器中で試験した。酸性化時間及テクスチャーを測定した。糖消費、低分子酸(small acid)及び揮発性物質の生産のために、試料を採取した。200ml容器は冷蔵庫中で4週間保存され;シネレシス、匂い及び揮発性物質が再び解析された。乳中のバチルスの増殖も追跡された。
【0221】
せん断応力測定は、バチルス株CHCC15176が乳に添加された場合、Lb株単独の場合と比較して、Lb株CHCC12945のテクスチャーは75%高くなることを示した。大豆製品の納豆から単離したバチルス株は、Lb株単独と比較して、Lb株と組み合わせて40%高いテクスチャーを与えた。しかしながら、3つのST株は、ST株単独を乳に添加した場合と比較して、バチルスと共に添加した場合、テクスチャーはそれほど向上しなかった。CH−1及びSweetyの2つの異なるスターター培養物は、バチルスが乳に添加された場合、テクスチャーが23%増大することを示した。
【0222】
LAB株及びバチルスによる乳中の酸性化は、LAB株単独よりも短時間で酸性化した。1mlスケールで、最良の組み合わせ(Lb CHCC12945とバチルス)において、pHが6から4.5になるのに6時間を要した。また、酸性化の早いST株CHCC15915は、バチルスと組み合わせて、酸性化時間が4.35時間から3時間に短縮した。200ml容器において、最良の組み合わせ(Lb CHCC12945及び納豆から単離されたバチルスCHCC18102)における酸性化時間の短縮は4時間であった。
【0223】
乳中のバチルスの増殖が調査された。この計画で試験されたバチルス株は、LAB添加又は無添加の乳中で増殖しなかった。バチルスは増殖に酸素を要する。酸性化の標準的手順は、200ml容器中の200ml乳に細菌を播種することである。そして、その容器をウォーターバス中又はインキュベーター中に撹拌せず静置する。LAB株が存在する場合、バチルス栄養細胞がより早く減少する傾向が有った。乳中のバチルス株の大半は芽胞を生産したが、LABの存在によって芽胞形成も阻害された。
【0224】
バチルスは、Lb CHCC12945及びCHCC12561の両方の増殖及び酸性化を、LAB株単独の場合と比較して増強した。LABの最終CFU/mlは、乳中のLAB株を単独で播種した場合と比較して倍増した。
【0225】
上記結果を個別のLAB株についてまとめる。
【0226】
Lb;CHCC12945
酸性化は、Lb発酵に添加された幾つかのバチルスよりも早かった。pHが6から4.5になる時間は、Lb単独において8時間であったのが最速の組み合わせにおいて2時間超にまで減少した。
【0227】
ST2;CHCC12561(遅い)
酸性化;酸性化は、ST2自体において6時間であったのが、バチルスとST2の最良の組み合わせにおいて4時間に短縮された。
【0228】
ST3;CHCC15915(早い)
このST3による酸性化は、良好かつ滑らかな酸性化曲線を与えた。バチルスとの幾つかの組み合わせは、ST3単独と比較してpH6から4.5の酸性化がより早いようであった。
【0229】
乳中のLAB株にバチルスを添加する効果を評価するため、試料中の糖、揮発成分及び低分子酸を測定した。バチルスを添加した場合としなかった場合との間で顕著な差はみられなかった。
【0230】
発酵乳を保存容器中に入れて4週間冷蔵庫で保存した影響を評価するため、試料中の揮発成分を測定した。発酵乳の匂いは良好で、揮発成分プロフィールは保存1日後と比較して殆ど同じであった。要するに、バチルスを含有する発酵乳の保存の過程で、LABのみを添加した発酵乳と比較して異なる変化は無かった。
【0231】
結論:
この実施例の結果は、バチルスを含有する発酵乳の保存の過程で、LABのみを添加した発酵乳と比較して異なる変化は無いことを実証した。
【0232】
従って、本発明の1段階発酵方法は、商業関連発酵乳製品をもたらす。上記のように、従来技術の2段階方法は、良好に動作しなかった。
【0233】
全ての試験されたLAB株(1つのラクトバチルス(La)及び3つの異なるS.サーモフィルス(ST)株)において、少なくとも以下の異なるバチルス種:B.スブチリス、B.リケニフォルミス、B.プミルス、B.アミリオリケファシエンス、B.メガテリウム及びその他、から、適切に動作する候補が有った。
【0234】
実施例7:異なる濃度のバチルス・プミルスCHCC16735を用いたS.サーモフィルスCHCC4460の増殖刺激−本発明の1段階発酵方法
S.サーモフィルスCHCC4460を2%ラクトースを添加した15mlのM17に播種し、37℃で一昼夜(ON)インキュベーションした。
【0235】
バチルス・プミルスCHCC5042をBHIブロスに播種して、一昼夜37℃200rpmでインキュベーションした。
【0236】
酸性化実験のため、15mlのCHC4460一昼夜培養物を遠心分離し、ペレットを15mlのB−ミルク中に再懸濁した。
【0237】
6mlのCHCC16735一昼夜培養物を遠心分離し、ペレットを6mlのB−ミルク中に再懸濁した。
【0238】
CHCC4460をB−ミルク中に単独で1%播種し、下記のスキームに従い異なる濃度のCHCC16735と共培養した。
【0239】
CHCC16735の1%播種は、乳発酵の開始時にca. 6x10
6cfu/mlの濃度をもたらす。
1. 1%CHCC4460
2. 1%CHCC4460+1%CHCC16735
3. 1%CHCC4460+0.1%CHCC16735
4. 1%CHCC4460+0.01%CHCC16735
5. 1%CHCC4460+0.001%CHCC16735
6. 1%CHCC4460+0.0001%CHCC16735
7. B−ミルク対照
【0240】
酸性化は、ウォーターバス中37℃でPCロガーを用いてpHを測定することにより一昼夜追跡された。
【0241】
結果:
結果は
図4に示す。1%及び0.1%の播種に対応するバチルス・スブチリスCHCC16735は、CHCC4460の酸性化活性の増大をもたらした。CHCC16735の播種パーセンテージが低い場合も、CHCC4460の増殖刺激をもたらさなかった。
【0242】
結論:
この実施例の結果は、本発明の方法の工程(a)の約6x10
5cfu/mlのバチルス細菌の乳への播種が適切に動作することを実証した。
【0243】
約6x10
6cfu/mlのバチルス細菌を用いてより良好に動作した。
【0244】
これらの結果に基づき、本発明の第一の側面の方法は、工程(a)においてバチルス細菌の播種量が約10
4cfu/ml未満であると、商業的に許容されるレベルで動作し得ないことが考えられる。
【0245】
実際に、本発明の第一の側面の工程(a)において、10
5cfu/ml以上のバチルス細菌を使用するのがより好ましいようである。
【0246】
実施例8:ST及びバチルスの前共培養
この実験において、上記実施例1と同様、同じバチルス・プミルスCHCC5042、CHCC16735及びS.サーモフィルスCHCC4460が使用された。
【0247】
実施例1で論じたように、この実施例において、BHI中の一昼夜培養物を遠心分離し、ペレットを乳中に再懸濁した。
【0248】
下記に論じるように、この実施例において、S.サーモフィルス株はB.プミルス株とプレインキュベーションされ、その後一昼夜培養物を乳に播種するための第二の工程に用いた。この一昼夜培養物はそのまま(遠心分離せず)用いられた。改善されたより急速なpHの低下がみられた。
【0249】
S.サーモフィルス株CHCC4460を2%ラクトースを添加した15mlのM17に播種し、37℃で一昼夜(ON)インキュベーションした。
【0250】
バチルス・プミルスCHCC5042及びCHCC16735をBHIブロスに播種して、一昼夜37℃200rpmでインキュベーションした。
【0251】
M17+2%ラクトースに、CHCC4460の一昼夜培養物を0.5%、及びCHCC5042又はCHCC16735の一昼夜培養物を0.5%播種した。
【0252】
共培養のインキュベーションは撹拌せず37℃一昼夜で行われた。
【0253】
CHCC4460は、M17+2%ラクトース15ml中に凍結ストックから再び播種され、37℃で一昼夜インキュベーションされた。CHCC5042及びCHCC16735は、凍結ストックから10mlのBHIに再び播種され、37℃200rpm一昼夜でインキュベーションされた。
【0254】
酸性化実験:
15mlのCHCC4460一昼夜培養物を遠心分離して、ペレットを15mLのB−ミルク中に再懸濁した。
【0255】
6mlのCHCC5042及び6mlのCHCC16735の一昼夜培養物を遠心分離して、ペレットをそれぞれ6mLのB−ミルク中に再懸濁した。
【0256】
2つの共培養物は遠心分離しなかった。それらはプレインキュベーションした共培養物から200mlのB−ミルク中に直接1%で播種された。
【0257】
対照として、一昼夜培養物から200mlのB−ミルク中に直接1%播種された。
【0258】
1. 一昼夜培養物から1%CHCC4460
2. 前共培養物から1%CHCC4460/CHCC5042
3. 前共培養物から1%CHCC4460/CHCC16735
4. 1%CHCC4460、遠心及び再懸濁
5. 1%CHCC4460+1%CHCC5042、いずれも遠心及び再懸濁
6. 1%CHCC4460+1%CHCC16735、いずれも遠心及び再懸濁
7. B−ミルク対照
【0259】
結果:
CHCC4460とCHCC5042/CHCC16735とのプレインキュベーションは、一昼夜培養物からCHCC4460を単独で播種した場合と比較して、酸性化活性が改善している。
【0260】
遠心分離及びB−ミルクに再懸濁され、B−ミルク中に1%播種されたプレインキュベーションされた共培養物において、単一株の培養物として遠心分離及び乳中に再懸濁されたCHCC4460と比較して、酸性化活性も増大した。
【0261】
一昼夜培養後のプレインキュベーション培養物CHC4460+CHCC16735において、9x10
4のバチルス細胞のタイターが測定された。この前培養の播種及び乳中への播種(発酵2日目)後、1x10
3のバチルス細胞のタイターが測定された。
【0262】
結論:
この実施例の結果は、更に、バチルスとLAB細胞の共培養の好ましい効果を実証した。培養前にバチルス細胞をS.サーモフィルスとプレインキュベーションしたものを乳への播種に用いる場合、播種のために共培養物を直接用いるか、又は共培養物を遠心分離し乳中に再懸濁したものを播種する(1日目の増殖培地からのキャリーオーバーを排除し得る)かに拘らず、酸性化活性の強力な増大が見られる。
【0263】
実施例9:様々なバチルス株とS.サーモフィルスとの共発酵−本発明の1段階発酵方法
テクスチャーの相乗作用
日本の食品の納豆に由来するバチルス株を単離し、CHCC18102及びCHCC18103として寄託した。プレート上ではCHCC18102とCHCC18103は類似しており、グルタミン酸のポリマーであるγ−PGAの生産を誘導する。前記発想は、バチルス株が乳のテクスチャーに貢献し得るというものである。2つのバチルス株を、ST株(CHCC16404、緩慢に酸性化しグルコースを生産する)と共に乳中に播種した。両株を1%播種し、一昼夜培養した。24時間1mlのB−ミルク中で酸性化した後、Hamilton robotでのTADM技術を用いてテクスチャーを測定した。結果は、乳中のSTに2つのバチルス株が添加された場合テクスチャーが異なることを明確に示した。これは、これらの2つのバチルス株と共に乳を共酸性化することで、テクスチャーが明確に増大することを示す。
【0264】
少量の培地中での増殖実験において、CHCC18102及びCHCC18103は、ラクトース又はグルコース上で増殖しなかった。これら2つの株をSweety STと共に乳中に添加したとき、排出されたグルコースは2つのバチルス株によって使用されなかった。バチルス株は増殖を示さなかったため、解析データ(低分子酸、揮発成分、糖)は、発酵乳中で生じた全ての化学成分及び代謝物に対して顕著な形で貢献しなかったことを示した。CHCC18102は、CHCC18103よりも大きくテクスチャーに貢献した。バチルス株がどうやって発酵乳のテクスチャーに貢献するかの疑問は残る。
【0265】
我々は、テクスチャーの増大は、γ−PGA、バイオフィルムを生産する、又はSTの酸性化及び増殖を増強する、バチルスの能力によるものと予想している。
【0266】
乳における酸性化の相乗作用
乳における酸性化は、より早い酸性化が発酵乳生産の生産者にとって時間の節約となり、又は同じ活性を有するより少ない細菌を販売できるため、重要な要素である。0.024%スターター培養物(CHCC16404、ST−16731、ST−15757及びLBAbu16159を含有する)と一緒に乳中に異なるバチルス株を添加(OD0.02)したところ、4つの株における酸性化において、有益な効果が見られた。酸性化は低温で開始され、これは長い酸性化時間を説明する。
【表4】
【0267】
重要な時点は「pH4.55に達する時間」である。CHCC18102及びCHCC18103のいずれのバチルス株も、スターター培養物単独よりも早くpH4.55に達した。最も早いCHCC18102を用いた培養は、純粋なスターター培養の45分前にpH4.55に達した。CHCC18103及びCHCC15146を用いた培養は、純粋なスターター培養の25分前にpH4.55に達した。CHCC15396を用いた培養は、純粋なスターター培養の15分前にpH4.55に達した。これは、様々なバチルス株が、酸性化に関してスターター培養物に有益であり得ることを示した。
【0268】
他の実験において、生乳から単離したバチルス株B.プミルスA650−3は、異なるST生産株の酸性化活性を刺激できた。ST株及びB.プミルス株は、一昼夜培養物から1%播種された。
【0269】
ビタミンK
バチルス・スブチリス「ナット」はビタミンKを生産し、日本の大豆食品の納豆を発酵させるものとして知られている。この実験において、200mlの乳にST株(CHCC16404、テクスチャー実験と同一)の存在下又は非存在下、納豆から単離したバチルス株を播種し、24時間37℃でインキュベーションした。その結果、両バチルス株は、ST株の存非に拘らずビタミンKを生産し得ることを示した。そのレベルは、CHCC18102において6−7μg/100ml発酵乳、CHCC18103において〜9 μg/100ml発酵乳であった。表5を参照されたい。バチルス株は主にMK−4及びMK−7を生産したが、少量のK1も生産した(MK−4、MK−7及びK1はビタミンKの異なる種類である)。ST株は、ビタミンKレベルに貢献しなかった。
【表5】
【0270】
結論:
2つの納豆バチルス株とS.サーモフィルス(ST)の共インキュベーションから興味深い結果が得られた:
−6−9μg/100ml発酵乳のビタミンK生産
−発酵乳中のテクスチャー性能の増大(TADM値−5500Pa対−12000Pa)
−酸性化速度(pH4.55に達する時間)の増大
【0271】
B.プミルス株が、単独では乳を酸性化しないが、ST CHCC4895の増殖を顕著に促進することが示された。
【0272】
参考文献
1. US2009/0011081A1.
2. US5077063.
3. CN103300147A.
4. ROSSLAND, E., LANGSRUD, T. and SORHAUG, T., 2005. Influence of controlled lactic fermentation on growth and sporulation of Bacillus cereus in milk. International journal of food microbiology, 103(1), pp. 69−77.
5. The European Union (EU) European Food Safety Authority (EFSA) Panel on Biological Hazards (BIOHAZ) Scientific Opinion on the maintenance of the list of QPS biological agents intentionally added to food and feed (2013 update). The citation reference is “EFSA Journal 2013;11(11):3449 [108 pp.]. doi:10.2903/j.efsa.2013.3449” and at the filing date of the present application it could be downloaded via following link:
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/doc/3449.pdf