特許第6849665号(P6849665)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6849665
(24)【登録日】2021年3月8日
(45)【発行日】2021年3月24日
(54)【発明の名称】脈管処置の強調画像形成
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20210315BHJP
   A61B 6/12 20060101ALI20210315BHJP
【FI】
   A61B6/00 350P
   A61B6/00 331E
   A61B6/12
【請求項の数】20
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2018-512423(P2018-512423)
(86)(22)【出願日】2016年8月31日
(65)【公表番号】特表2018-526144(P2018-526144A)
(43)【公表日】2018年9月13日
(86)【国際出願番号】EP2016070488
(87)【国際公開番号】WO2017042068
(87)【国際公開日】20170316
【審査請求日】2019年8月28日
(31)【優先権主張番号】15184649.0
(32)【優先日】2015年9月10日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ホーナート バート ピエール アントニー ヨセフ
(72)【発明者】
【氏名】ファン ダール フランソワ コルネリウス ヨハネス
【審査官】 門 良成
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−537444(JP,A)
【文献】 特開2012−217671(JP,A)
【文献】 特開2015−136416(JP,A)
【文献】 特開2013−059609(JP,A)
【文献】 特開2007−215925(JP,A)
【文献】 特表2007−534420(JP,A)
【文献】 特表2013−521969(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0135176(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00
A61B 6/12
G06T 7/20
G06T 7/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脈管処置の強調画像を決定するための装置であって、前記装置は、
入力ユニットと、
処理ユニットと、
出力ユニットと、
を備え、
前記入力ユニットが、脈管構造物の関心の領域の表現を含む複数の画像を提供し、前記複数の画像の各々が前記脈管処置において使用される少なくとも1つのツールに関係した少なくとも1つの局所的特徴の画像データを含み、前記複数の画像の各々が前記少なくとも1つのツールに関係した画像データを含み、
前記処理ユニットが、前記複数の画像のうちの画像の各々に対する位置合わせ情報を決定し、前記画像の各々に対する前記位置合わせ情報に基づいて、前記複数の画像から画像の部分集合を選択し、及び、前記画像の部分集合の少なくとも一部を組み合わせることによって、前記画像の部分集合から強調画像を決定し、前記強調画像が、前記少なくとも1つのツールの増強された視認性を提供し、
前記出力ユニットが、前記強調画像を表すデータを出力し、
前記処理ユニットが、少なくとも2つの画像のうちの各画像に対する前記少なくとも1つの局所的特徴に基づいて、前記少なくとも2つの画像から強調画像を決定する、
置。
【請求項2】
脈管処置の強調画像を決定するための装置であって、前記装置は、
入力ユニットと、
処理ユニットと、
出力ユニットと、
を備え、
前記入力ユニットが、脈管構造物の関心の領域の表現を含む複数の画像を提供し、前記複数の画像の各々が前記脈管処置において使用される少なくとも1つのツールに関係した少なくとも1つの局所的特徴の画像データを含み、前記複数の画像の各々が前記少なくとも1つのツールに関係した画像データを含み、
前記処理ユニットが、前記複数の画像のうちの画像の各々に対する位置合わせ情報を決定し、前記画像の各々に対する前記位置合わせ情報に基づいて、前記複数の画像から画像の部分集合を選択し、及び、前記画像の部分集合の少なくとも一部を組み合わせることによって、前記画像の部分集合から強調画像を決定し、前記強調画像が、前記少なくとも1つのツールの増強された視認性を提供し、
前記出力ユニットが、前記強調画像を表すデータを出力し、
前記処理ユニットが、前記少なくとも1つの局所的特徴に基づいて、少なくとも2つの画像のうちの画像に対するツール位置情報を決定し、及び、前記ツール位置情報に基づいて、前記少なくとも2つの画像から強調画像を決定する、
置。
【請求項3】
脈管処置の強調画像を決定するための装置であって、前記装置は、
入力ユニットと、
処理ユニットと、
出力ユニットと、
を備え、
前記入力ユニットが、脈管構造物の関心の領域の表現を含む複数の画像を提供し、前記複数の画像の各々が前記脈管処置において使用される少なくとも1つのツールに関係した少なくとも1つの局所的特徴の画像データを含み、前記複数の画像の各々が前記少なくとも1つのツールに関係した画像データを含み、
前記処理ユニットが、前記複数の画像のうちの画像の各々に対する位置合わせ情報を決定し、前記画像の各々に対する前記位置合わせ情報に基づいて、前記複数の画像から画像の部分集合を選択し、及び、前記画像の部分集合の少なくとも一部を組み合わせることによって、前記画像の部分集合から強調画像を決定し、前記強調画像が、前記少なくとも1つのツールの増強された視認性を提供し、
前記出力ユニットが、前記強調画像を表すデータを出力し、
前記処理ユニットが、前記少なくとも1つの局所的特徴に基づいて、少なくとも2つの画像のうちの画像に対するボディ要素位置情報を決定し、及び、前記ボディ要素位置情報に基づいて、前記少なくとも2つの画像から強調画像を決定する、
置。
【請求項4】
前記位置合わせ情報が、前記少なくとも1つの局所的特徴を含む、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記位置合わせ情報が、少なくとも1つのマーカーの位置を含む、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記位置合わせ情報が、ガイドワイヤの少なくとも1つの部分の形状を含む、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記位置合わせ情報が、心周期の既定の相を表す信号データを含む、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記処理ユニットが、少なくとも2つの画像から基準画像を選択し、及び、少なくとも1つの他方の画像内における前記少なくとも1つの局所的特徴を、前記基準画像内における前記少なくとも1つの局所的特徴とマッチングさせることにより、前記基準画像ではない、前記少なくとも2つの画像からの前記少なくとも1つの他方の画像を、前記基準画像とに位置合わせする、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
脈管処置の強調画像を決定するための装置であって、前記装置は、
入力ユニットと、
処理ユニットと、
出力ユニットと、
を備え、
前記入力ユニットが、脈管構造物の関心の領域の表現を含む複数の画像を提供し、前記複数の画像の各々が前記脈管処置において使用される少なくとも1つのツールに関係した少なくとも1つの局所的特徴の画像データを含み、前記複数の画像の各々が前記少なくとも1つのツールに関係した画像データを含み、
前記処理ユニットが、前記複数の画像のうちの画像の各々に対する位置合わせ情報を決定し、前記画像の各々に対する前記位置合わせ情報に基づいて、前記複数の画像から画像の部分集合を選択し、及び、前記画像の部分集合の少なくとも一部を組み合わせることによって、前記画像の部分集合から強調画像を決定し、前記強調画像が、前記少なくとも1つのツールの増強された視認性を提供し、
前記出力ユニットが、前記強調画像を表すデータを出力し、
記憶ユニットが、前記少なくとも1つのツールに関するツール情報を提供し、前記処理ユニットが、前記ツール情報に基づいて、少なくとも2つの画像から前記強調画像を決定する、
置。
【請求項10】
脈管処置の強調画像を決定するための装置であって、前記装置は、
入力ユニットと、
処理ユニットと、
出力ユニットと、
を備え、
前記入力ユニットが、脈管構造物の関心の領域の表現を含む複数の画像を提供し、前記複数の画像の各々が前記脈管処置において使用される少なくとも1つのツールに関係した少なくとも1つの局所的特徴の画像データを含み、前記複数の画像の各々が前記少なくとも1つのツールに関係した画像データを含み、
前記処理ユニットが、前記複数の画像のうちの画像の各々に対する位置合わせ情報を決定し、前記画像の各々に対する前記位置合わせ情報に基づいて、前記複数の画像から画像の部分集合を選択し、及び、前記画像の部分集合の少なくとも一部を組み合わせることによって、前記画像の部分集合から強調画像を決定し、前記強調画像が、前記少なくとも1つのツールの増強された視認性を提供し、
前記出力ユニットが、前記強調画像を表すデータを出力し、
記憶ユニットが、前記少なくとも1つのツールに関するツール情報を提供し、前記処理ユニットが、前記ツール情報に基づいて、前記位置合わせ情報を決定する、
置。
【請求項11】
脈管処置の強調画像を決定するための装置であって、前記装置は、
入力ユニットと、
処理ユニットと、
出力ユニットと、
を備え、
前記入力ユニットが、脈管構造物の関心の領域の表現を含む複数の画像を提供し、前記複数の画像の各々が前記脈管処置において使用される少なくとも1つのツールに関係した少なくとも1つの局所的特徴の画像データを含み、前記複数の画像の各々が前記少なくとも1つのツールに関係した画像データを含み、
前記処理ユニットが、前記複数の画像のうちの画像の各々に対する位置合わせ情報を決定し、前記画像の各々に対する前記位置合わせ情報に基づいて、前記複数の画像から画像の部分集合を選択し、及び、前記画像の部分集合の少なくとも一部を組み合わせることによって、前記画像の部分集合から強調画像を決定し、前記強調画像が、前記少なくとも1つのツールの増強された視認性を提供し、
前記出力ユニットが、前記強調画像を表すデータを出力し、
前記処理ユニットが、前記位置合わせ情報に基づいて、複数の強調画像を決定する、
置。
【請求項12】
脈管処置の強調画像を決定するための医療システムであって、
前記医療システムが、
画像獲得ユニットと、
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の脈管処置の強調画像を決定するための装置と、
を備え、
前記画像獲得ユニットが、前記複数の画像を獲得する、
医療システム。
【請求項13】
脈管処置の強調画像を決定するための方法であって、前記方法は、
a)脈管構造物の関心の領域の表現を含む複数の画像を提供するステップであって、前記複数の画像の各々が、前記脈管処置において使用される少なくとも1つのツールに関係した少なくとも1つの局所的特徴の画像データを含み、前記複数の画像の各々が、前記少なくとも1つのツールに関係した画像データを含む、ステップと、
b)前記複数の画像のうちの各画像に対する位置合わせ情報を決定するステップと、
c)前記各画像に対する前記位置合わせ情報に基づいて、前記複数の画像から画像の部分集合を選択するステップと、
e)前記画像の部分集合の少なくとも一部を組み合わせることによって、前記画像の部分集合から強調画像を決定するステップであって、前記強調画像が、前記少なくとも1つのツールの増強された視認性を提供する、ステップと、
f)前記強調画像を表すデータを出力するステップと、を有し、
前記強調画像を決定するステップは、少なくとも2つの画像のうちの各画像に対する前記少なくとも1つの局所的特徴に基づいて、前記少なくとも2つの画像から強調画像を決定する、
法。
【請求項14】
脈管処置の強調画像を決定するための方法であって、前記方法は、
a)脈管構造物の関心の領域の表現を含む複数の画像を提供するステップであって、前記複数の画像の各々が、前記脈管処置において使用される少なくとも1つのツールに関係した少なくとも1つの局所的特徴の画像データを含み、前記複数の画像の各々が、前記少なくとも1つのツールに関係した画像データを含む、ステップと、
b)前記複数の画像のうちの各画像に対する位置合わせ情報を決定するステップと、
c)前記各画像に対する前記位置合わせ情報に基づいて、前記複数の画像から画像の部分集合を選択するステップと、
e)前記画像の部分集合の少なくとも一部を組み合わせることによって、前記画像の部分集合から強調画像を決定するステップであって、前記強調画像が、前記少なくとも1つのツールの増強された視認性を提供する、ステップと、
f)前記強調画像を表すデータを出力するステップと、を有し、
前記強調画像を決定するステップは、前記少なくとも1つの局所的特徴に基づいて、少なくとも2つの画像のうちの画像に対するツール位置情報を決定し、及び、前記ツール位置情報に基づいて、前記少なくとも2つの画像から強調画像を決定する、
方法。
【請求項15】
脈管処置の強調画像を決定するための方法であって、前記方法は、
a)脈管構造物の関心の領域の表現を含む複数の画像を提供するステップであって、前記複数の画像の各々が、前記脈管処置において使用される少なくとも1つのツールに関係した少なくとも1つの局所的特徴の画像データを含み、前記複数の画像の各々が、前記少なくとも1つのツールに関係した画像データを含む、ステップと、
b)前記複数の画像のうちの各画像に対する位置合わせ情報を決定するステップと、
c)前記各画像に対する前記位置合わせ情報に基づいて、前記複数の画像から画像の部分集合を選択するステップと、
e)前記画像の部分集合の少なくとも一部を組み合わせることによって、前記画像の部分集合から強調画像を決定するステップであって、前記強調画像が、前記少なくとも1つのツールの増強された視認性を提供する、ステップと、
f)前記強調画像を表すデータを出力するステップと、を有し、
前記強調画像を決定するステップは、前記少なくとも1つの局所的特徴に基づいて、少なくとも2つの画像のうちの画像に対するボディ要素位置情報を決定し、及び、前記ボディ要素位置情報に基づいて、前記少なくとも2つの画像から強調画像を決定する、
方法。
【請求項16】
脈管処置の強調画像を決定するための方法であって、前記方法は、
a)脈管構造物の関心の領域の表現を含む複数の画像を提供するステップであって、前記複数の画像の各々が、前記脈管処置において使用される少なくとも1つのツールに関係した少なくとも1つの局所的特徴の画像データを含み、前記複数の画像の各々が、前記少なくとも1つのツールに関係した画像データを含む、ステップと、
b)前記複数の画像のうちの各画像に対する位置合わせ情報を決定するステップと、
c)前記各画像に対する前記位置合わせ情報に基づいて、前記複数の画像から画像の部分集合を選択するステップと、
e)前記画像の部分集合の少なくとも一部を組み合わせることによって、前記画像の部分集合から強調画像を決定するステップであって、前記強調画像が、前記少なくとも1つのツールの増強された視認性を提供する、ステップと、
f)前記強調画像を表すデータを出力するステップと、を有し、
前記強調画像を決定するステップは、前記少なくとも1つのツールに関するツール情報に基づいて、少なくとも2つの画像から前記強調画像を決定する、
方法。
【請求項17】
脈管処置の強調画像を決定するための方法であって、前記方法は、
a)脈管構造物の関心の領域の表現を含む複数の画像を提供するステップであって、前記複数の画像の各々が、前記脈管処置において使用される少なくとも1つのツールに関係した少なくとも1つの局所的特徴の画像データを含み、前記複数の画像の各々が、前記少なくとも1つのツールに関係した画像データを含む、ステップと、
b)前記複数の画像のうちの各画像に対する位置合わせ情報を決定するステップと、
c)前記各画像に対する前記位置合わせ情報に基づいて、前記複数の画像から画像の部分集合を選択するステップと、
e)前記画像の部分集合の少なくとも一部を組み合わせることによって、前記画像の部分集合から強調画像を決定するステップであって、前記強調画像が、前記少なくとも1つのツールの増強された視認性を提供する、ステップと、
f)前記強調画像を表すデータを出力するステップと、を有し、
前記位置合わせ情報を決定するステップは、前記少なくとも1つのツールに関するツール情報に基づいて、前記位置合わせ情報を決定する、
方法。
【請求項18】
脈管処置の強調画像を決定するための方法であって、前記方法は、
a)脈管構造物の関心の領域の表現を含む複数の画像を提供するステップであって、前記複数の画像の各々が、前記脈管処置において使用される少なくとも1つのツールに関係した少なくとも1つの局所的特徴の画像データを含み、前記複数の画像の各々が、前記少なくとも1つのツールに関係した画像データを含む、ステップと、
b)前記複数の画像のうちの各画像に対する位置合わせ情報を決定するステップと、
c)前記各画像に対する前記位置合わせ情報に基づいて、前記複数の画像から画像の部分集合を選択するステップと、
e)前記画像の部分集合の少なくとも一部を組み合わせることによって、前記画像の部分集合から強調画像を決定するステップであって、前記強調画像が、前記少なくとも1つのツールの増強された視認性を提供する、ステップと、
f)前記強調画像を表すデータを出力するステップと、を有し、
前記強調画像を決定するステップは、前記位置合わせ情報に基づいて、複数の強調画像を決定する、
方法。
【請求項19】
プロセッサにより実行されたとき、請求項13から請求項18のいずれか一項に記載の方法を行う、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の装置又は請求項12に記載の医療システムを制御するためのコンピュータプログラム。
【請求項20】
請求項19に記載のコンピュータプログラムを記憶した、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脈管処置の強調画像を決定するための装置、脈管処置の強調画像を決定するための医療システム、及び、脈管処置の強調画像を決定するための方法、並びに、コンピュータプログラム要素及びコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
脈管処置、例えば、心臓狭窄を処置する経皮経管冠動脈形成(PTCA:Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty)において、脈管処置に関係した情報が提供されることが必要とされる。脈管造影X線投影画像において提供されるものなどの画像が、頻繁に使用される。
【0003】
米国特許出願公開第2012/0134567(A1)号において、脈管造影X線画像形成システムが、画像の集合から平均化された画像を生成することにより、強調画像特徴の可視化を提供する。
【0004】
米国特許出願公開第2013/011041(A1)号は、物理的対象の画像を作成するためのシステム及び方法、並びに、コンピュータプログラム要素及びコンピュータ可読媒体に関する。ワイヤ状態情報をさらに示す改善されたステントブースト減算を提供するためのシステム及び方法が提供され、方法は、以下のステップ、すなわち、第1の基準を明らかにする第1の複数の第1の画像内において所定の第1の特徴と所定の第2の特徴とを追跡するステップと、第1の特徴変換を決定するステップと、第1の特徴変換に対する第2の特徴ひずみベクトル場を決定するステップと、少なくとも2つの相属性に対応した第2の特徴ひずみベクトル場を関係付け及び記録するステップと、第2の基準を明らかにする画像である少なくとも1つの二次画像内において所定の第1の特徴を追跡するステップと、第1の特徴ベースの基準間、第1の特徴ベースの相間変換、及び、マッチングする相属性に対応した第2の特徴ひずみベクトル場を決定するステップと、修復された物理的なひずみに基づいて、組み合わされた基準間画像を生成するステップと、を有する。
【0005】
WO03/043516A2は、体の臓器内においてツールを動かすこと、及び/又は位置決めすることを含む、医療介入の画像のシーケンスを表示するための医療視認システムを説明し、ツールが、支持体により支えられ、少なくとも1つのマーカーが、ツールに対する所定の位置において支持体に装着され、システムが、画像のシーケンスを獲得する、及び医療介入中に前記画像を処理する手段と、ツール支持体に装着された、ツールと体の臓器とのいずれにも属さない少なくとも1つのマーカーを自動的に抽出して、マーカー位置情報を取得する抽出手段と、マーカー位置情報からツール位置情報を自動的に導出する演算手段と、医療介入段階が首尾よく行われているか否かを確認するために、ツール及び/又は体の臓器の視認性を改善する強調手段とを備える。
【0006】
米国特許出願公開第2012/140998(A1)号は、複数の試験フレームを含む画像フレームの集合を獲得することを有するステント視認性を増強する方法を説明する。ステントの画像内に一様に分散した測定点の集合は、試験フレーム内において規定される。局所的画像コンテキストは、各測定点の周囲に規定される。試験フレームの局所的画像コンテキストを基準画像の局所的画像コンテキストに関係させる非硬質変形場が計算される。非硬質変形場は、試験フレームの局所的画像コンテキストと基準画像の局所的画像コンテキストとの間における相似関数を最大化することにより最適化される。最適化された非硬質変形場は、複数の試験フレーム内におけるステントの画像を変形するために、及び、試験フレームからステントの非硬質に変形された画像を組み合わせるために使用される。画像フレームに重ねられたステントの組み合わされた画像をともなう画像フレームが表示される。
【0007】
しかし、ステントなどの埋め込み可能な心臓デバイス、及び、埋め込み可能な心臓デバイスを配備する手段は、画像が平均化された画像として提供される場合でも脈管造影図において見ることが困難であり得る。これは、狭窄の位置にステントを配置することなど、正しい位置に心臓デバイスを配備することが困難であり得ることを意味する。完全に拡張されているなど、ステントが正しく配備されたか否かを判定することは困難であり得る。ステントが壊れているか否か、又は、ステントの長さに沿った位置に直径の小さい部分をもつなどの不具合があるか否かを判定することが困難であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
脈管処置の強調画像を決定するための改善された技術を有することが有益である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様において、添付の請求項1において規定される、脈管処置の強調画像を決定するための装置が提供される。別の一態様において、添付の請求項13において規定される、脈管処置の強調画像を決定するためのシステムが提供される。別の一態様において、添付の請求項14において規定される、脈管処置の強調画像を決定するための方法が提供される。別の一態様において、添付の請求項15において提供される、装置を制御するためのコンピュータプログラム要素が提供され、別の一態様において、添付の請求項16において規定される、コンピュータ可読媒体が提供される。
【0010】
本発明の目的は、独立請求項の主題により解決され、さらなる実施形態が、従属請求項に組み込まれる。本発明の後述の態様が、脈管処置の強調画像を決定するための装置、脈管処置の強調画像を決定するための医療システム、脈管処置の強調画像を決定するための方法、並びに、コンピュータプログラム要素及びコンピュータ可読媒体にも適用されることが留意されなければならない。
【0011】
第1の態様によると、
− 入力ユニットと、
− 処理ユニットと、
− 出力ユニットと、
を備える、脈管処置の強調画像を決定するための装置が提供される。
【0012】
入力ユニットは、脈管構造物の関心の領域の表現を含む複数の画像を提供するように構成される。複数の画像の各々は、脈管処置において使用されるように構成された少なくとも1つのツールに関係した少なくとも1つの局所的特徴の画像データを含み、複数の画像の各々が、少なくとも1つのツールに関係した画像データを含む。処理ユニットは、複数の画像のうちの各画像に対する位置合わせ情報を決定するように構成される。処理ユニットは、各画像に対する位置合わせ情報に基づいて、複数の画像から少なくとも2つの画像を選択するようにさらに構成される。処理ユニットは、少なくとも2つの画像から強調画像を決定するようにさらに構成され、強調画像は、少なくとも1つのツールの増強された視認性を提供する。出力ユニットは、強調画像を表すデータを出力するように構成される。
【0013】
「脈管処置」という用語は、脈管セグメントを通る血流に利用可能な開口幅について脈管構造物に影響を与える手順に関する。例えば、脈管処置は、経皮経管冠動脈形成(PTCA)、又は経皮的冠動脈介入(PCI:Percutaneous Coronary Intervention)に関する。例えば、拡張及びステントの送達のためのバルーン、及び動脈瘤凝固用取り外し可能コイルなどの介入型デバイスの使用が提供される。一例において、脈管処置は、狭窄の位置に適用されるもの、又は適用されたものである。一例において、脈管処置は、血管再生である。脈管処置は、例えば、動脈を開いてステントを配備するためにバルーンを使用することもあり得る。
【0014】
このようにして、臨床医に、特定の強調画像を提供するために使用される獲得された画像形成された集合の異なる部分集合に関する、獲得された画像集合によりもたらされる異なる強調画像情報が提供される機会が提供される。一例において、ステントの安定化及び/又はステントマーカーの安定化に注目した強調画像が提供され得、この場合、例えば、ステント形状の変形は容認され得る。一例において、正確なステント形状に注目した強調画像が提供され得、この場合、例えば、特定の強調画像を決定するために使用可能な画像の数は、獲得された画像集合の比較的小さな部分集合に由来することが容認される。言い換えると、正確なステント形状を提供するために使用される画像は、1つの特定の心臓サイクル相に関係して獲得された画像によりもたらされる。心臓サイクルにおけるこのような固定の相は、概ね同一の幾何学的性質、すなわち、同じ奥行きに応じた拡縮、及び/又は、同じねじれ、及び/又は、同じ屈曲をともなう、例えば、ステントの画像をもたらし得る。一例において、位置合わせ情報は、ステントのこのような幾何学的特徴に関係し得、ステント自体、又は、例えば、周囲にステントが位置するガイドワイヤ上のマーカーに関係し得る。このようにして、幾何学的に同様のステントの画像は、ステントの強調画像を提供するように組み合わされ得、実際の心臓サイクル相が知られる必要はない。同様に、一例において、ステントの支材の可視化に注目した強調画像が提供され得、この場合も、強調画像を提供するために使用される画像が、1つの特定の心臓サイクル相に関係して獲得された画像によりもたらされることを容認する。さらに、一例において、強調画像は、ステントの画像品質が妥協されることを容認しながら、プラークの可視化などの特別なタスクの可視化のために最適化され得る。
【0015】
このようにして、ステントなどの特徴の増強された視認性を提供する強調画像が提供され、さらに、ノイズが低減する。一例において、強調画像は、デバイスの幾何学的性質のより良好な判断を可能にする。臨床医は、例えば、獲得された画像集合又はランから、狭窄が正しく処置されたか否か、ステントが正しく位置しているか否かを判定し得、狭窄の位置における定量的冠動脈造影法(QCA:Quantitative Coronary Angiography)値が決定され得、及び、ステントが壊れたか否かが判定され得る。QCAは、基準直径と比較した、より小さな直径の血管セグメントの比である。基準直径は、血管が健康である場合にその位置において血管がもつ直径であり、狭窄の空間的にいずれかの側における血管の直径として測定される。さらに、臨床医に、プラークの質を診断するために使用され得る強調画像が提供され得る。
【0016】
一例において、強調画像を決定することは、少なくとも2つの画像の少なくとも一部をまとめて加算することを有する。一例において、強調画像を決定することは、少なくとも2つの画像の少なくとも一部をまとめて平均化することを有する。
【0017】
一例において、処理ユニットは、少なくとも2つの画像のうちの各画像に対する少なくとも1つの局所的特徴に基づいて、少なくとも2つの画像から強調画像を決定するように構成される。
【0018】
局所的特徴に基づいて決定される強調画像は、局所的特徴、したがってツールの位置における、及び、局所的特徴、したがってツールの位置の周囲における強調を提供するために画像が組み合わされることを可能にする、固定の基準として1つ又は複数のマーカーなどの局所的特徴を使用して決定される強調画像として理解されなければならない。
【0019】
一例において、処理ユニットは、少なくとも1つの局所的特徴に基づいて、少なくとも2つの画像のうちの画像に対するツール位置情報を決定するように、及び、ツール位置情報に基づいて、少なくとも2つの画像から強調画像を決定するように構成される。このようにして、装置は、ツールの改善又は強調画像を提供するために使用され得る。
【0020】
一例において、処理ユニットは、少なくとも1つの局所的特徴に基づいて、少なくとも2つの画像のうちの画像に対するボディ要素位置情報を決定するように構成される。処理ユニットは、ボディ要素位置情報に基づいて、少なくとも2つの画像から強調画像を決定するようにさらに構成される。このようにして、装置は、脈管構造物の関心の領域の改善又は強調画像を提供するために使用され得る。
【0021】
一例において、位置合わせ情報は、少なくとも1つの局所的特徴を含む。言い換えると、少なくとも1つの局所的特徴の位置は、強調画像を提供するために一緒に使用されるのに適切な画像を選択するために使用され得る。例えば、患者の体が動くとき、少なくとも1つの局所的特徴が動き得、少なくとも1つの局所的特徴のこの動きが、患者の動きと相関し得る。言い換えると、呼吸及び/又は心周期中、例えば、患者が息を吸って吐くとき、及び患者の心臓が拍動するとき、少なくとも1つの局所的特徴が一貫した形態で動き得る。又は、言い換えると、画像内における少なくとも1つの局所的特徴が、画像が獲得されたときの少なくとも1つの局所的特徴の位置における患者の体の位置を表し、これは、画像を選択するために使用される要求される位置合わせ情報を決定するために使用され得る。次に、画像が獲得され得、それらの画像間で、少なくとも1つの局所的特徴の位置における患者の体の領域が同様である。言い換えると、一例において、強調画像を提供するために一緒に使用され得る、呼吸及び/又は心周期における同じ又は実質的に同じ点に対応する画像が選択され得る。又は、言い換えると、患者が呼吸し、患者の心臓が拍動するとき、獲得された画像が動く。例えば、一方の心室における心筋が収縮して血液を絞り出すと同時に、他方の心室の筋肉が弛緩して血液を充填する。心臓は、実際には、モップを絞るのに似たねじる動きにより血液を連続的に絞り出す。脈管系の画像は、同様にねじられ、血管、ガイドワイヤ、ステントの投影画像が、連続的に奥行きに応じて拡縮され、屈曲され、及びねじられる。例えば、ガイドワイヤ、血管、及び/又はステントは、その長さに沿って屈曲され得、その一部を見る者に向けて動かすと同時に、別の部分が離れる方向にねじられ(奥行きに応じた拡縮をもたらし)、さらには、長さに沿ったねじれを生じる。しかし、少なくとも1つの局所的特徴を含む位置合わせ情報を決定することにより、心周期及び/又は呼吸周期のうちの同一又は類似の「ねじれ」又は「絞り出し」サイクルにおける画像が、これらが強調画像を提供するために一緒に使用され得るように選択され得る。言い換えると、同じねじれ及び/若しくは絞り出し、並びに/又は、他の種類の動きをする画像は、それらが強調画像を提供するために一緒に使用され得るように選択され得る。
【0022】
一例において、位置合わせ情報は、心周期の既定の相を表す信号データを含む。このようにして、臨床医の選択した心周期の所定の相に関係した強調画像が、臨床医に提供され得る。
【0023】
一例において、処理ユニットは、少なくとも2つの画像から基準画像を選択するように構成される。処理ユニットは、少なくとも1つの他方の画像内における少なくとも1つの局所的特徴を、基準画像内における少なくとも1つの局所的特徴とマッチングさせることにより、基準画像ではない、少なくとも2つの画像からの少なくとも1つの他方の画像を、基準画像に位置合わせるようにさらに構成される。
【0024】
「基準画像」という用語は、基準又はベースラインとして使用される画像に関係し、その画像に他方の画像を位置合わせする際に使用可能である。例えば、視認可能な区別される手法で少なくとも1つの局所的特徴が表される画像として、基準画像が選択され得、その結果、少なくとも1つの局所的特徴が、手動又は自動で位置を決定され、並びに/又は、識別及び/若しくは描写され得る。
【0025】
言い換えると、動き補償は、決定の基準位置に対して画像をワープすることにより実行され得る。言い換えると、背景構造物に比べた、少なくとも1つの局所的特徴の位置における画像の領域におけるコントラストの上昇により、強調画像に改善された視認性が提供される。
【0026】
一例において、記憶ユニットは、ツールの寸法及び/又は形状、及び/又は、脈管構造物の寸法及び/又は形状に関するツール及び/又は脈管構造情報を提供するように構成される。処理ユニットは、次に、ツール及び/又は脈管構造情報に基づいて位置合わせ情報を決定するように、及び/又は、ツール及び/又は脈管構造情報に基づいて少なくとも2つの画像から強調画像を決定するように構成される。言い換えると、記憶ユニットは、知られた(理想的な)マーカー間隔、及び/又は、正しく配備されたステントの形状などの、所定の幾何学的(ツール)構成を記憶するように構成され、この知られた情報は、強調画像を生成する際に使用され得る。このようにして、強調画像を決定する際に処理ユニットを補助するために、処理ユニットは、ガイドワイヤ上のマーカーの間隔などの知られた情報、又は、例えば、正しく配備された状態における、又は、様々な配備の状態におけるステントの形状を使用し得る。
【0027】
一例において、処理ユニットは、位置合わせ情報に基づいて、複数の強調画像を決定するように構成される。
【0028】
第2の態様によると、脈管処置の強調画像を決定するための医療システムが提供され、システムは、
− 画像獲得ユニットと、
− 上述の例のいずれか1つに従った、脈管処置の強調画像を決定するための装置と、
を備える。
【0029】
画像獲得ユニットは、複数の画像を獲得するように構成される。
【0030】
脈管処置の強調画像を決定するための医療システムを提供することにより、このような処置が成功するか否か又は成功したか否かを判定するために、臨床医に、脈管処置に関係した要求される画像が自動的に提供される。臨床医は、プラークの質を診断し、ステントが正しい位置に配置されようとしているか否かを判定し、ステントが正しい位置に配置されたか否かを判定し、ステントの膨張が適切であるか否かを判定し、及び、ステントが壊れたか否かを判定し得る。臨床医は、獲得された脈管造影図ランに基づいてこれを行い得、脈管内超音波(IVUS:Intravascular Ultrasound)などの脈管処置評価のための他の技術に頼る必要がなく、このことは、処置の期間を長くするとともにコストを高め得る。臨床医に、QCAが正確に決定されることを可能にするデータがさらに提供され得る。
【0031】
第3の態様によると、
a)脈管構造物の関心の領域の表現を含む複数の画像を提供するステップであって、複数の画像の各々が、脈管処置において使用されるように構成された少なくとも1つのツールに関係した少なくとも1つの局所的特徴の画像データを含み、複数の画像の各々が、少なくとも1つのツールに関係した画像データを含む、ステップと、
b)複数の画像のうちの各画像に対する位置合わせ情報を決定するステップと、
c)各画像に対する位置合わせ情報に基づいて、複数の画像から少なくとも2つの画像を選択するステップと、
e)少なくとも2つの画像から強調画像を決定するステップであって、強調画像が、少なくとも1つのツールの増強された視認性を提供する、ステップと、
f)強調画像を表すデータを出力するステップと、
を有する、脈管処置の強調画像を決定するための方法が提供される。
【0032】
一例において、位置合わせ情報は、少なくとも1つの局所的特徴を含む。
【0033】
一例において、位置合わせ情報は、心周期の既定の相を表す信号データを含む。
【0034】
一例において、ステップe)は、少なくとも2つの画像のうちの各画像に対する少なくとも1つの局所的特徴に基づいて、少なくとも2つの画像から強調画像を決定するステップを有する。
【0035】
一例において、本方法は、
d)少なくとも2つの画像から基準画像を選択するステップを有し、
ステップe)は、少なくとも1つの他方の画像内における少なくとも1つの局所的特徴を、基準画像内における少なくとも1つの局所的特徴とマッチングさせることにより、基準画像ではない、少なくとも2つの画像からの少なくとも1つの他方の画像を、基準画像に位置合わせるステップを有する。
【0036】
別の一態様によると、コンピュータプログラム要素において処理ユニットにより実行され、上述のように方法ステップを実施するように適応された、上述のように装置を制御するコンピュータプログラム要素が提供される。
【0037】
別の一態様によると、上述のようにコンピュータ要素を記憶したコンピュータ可読媒体が提供される。
【0038】
有益には、上述の態様のうちの任意のものにより提供される利点は、他方の態様のすべてに等しく適用され、逆も同様である。
【0039】
上述の態様及び例は、以下で説明される実施形態から明らかとなり、以下で説明される実施形態を参照しながら説明される。
【0040】
以下の図面を参照しながら、例示的な実施形態が以下で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】脈管処置の強調画像を決定するための方法の一例を示す図である。
図2】脈管処置の強調画像を決定するための装置の一例の概略構成を示す図である。
図3】脈管処置の強調画像を決定するための医療画像形成システムの一例の概略構成を示す図である。
図4】脈管処置の強調画像を決定するための医療画像形成システムの別の例の概略構成を示す図である。
図5A-5F】脈管処置を概略的に示す図である。
図6】強調画像を決定するステップの一例を示す図である。
図7】画像シーケンスから多くの画像を組み合わせることにより形成された画像の概略図であり、そのシーケンスから決定の画像を選択するために位置合わせ情報は使用されていない。
図8】画像シーケンスから多くの画像を組み合わせることにより形成された別の画像の概略図であり、そのシーケンスから決定の画像を選択するために位置合わせ情報は使用されていない。
図9図7に示される概略図により表される画像を示す図である。
図10図8に示される概略図により表される画像を示す図である。
図11】画像シーケンスから多くの画像を組み合わせることにより形成された4つの画像の概略図であり、それらの事例のうちの3つにおいて、そのシーケンスから決定の画像を選択するために位置合わせ情報が使用されている。
図12図11に示される概略図により表される画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1は、脈管処置の強調画像を決定するための方法10を、その基本形態で示す。本方法は、以下を有する。
【0043】
ステップa)とも呼ばれる提供するステップ12において、脈管構造物の関心の領域の表現を含む複数の画像が提供される。複数の画像の各々が、脈管処置において使用されるように構成された少なくとも1つのツールに関係した少なくとも1つの局所的特徴の画像データを含み、複数の画像の各々が、少なくとも1つのツールに関係した画像データを含む。
【0044】
ステップb)とも呼ばれる第1の決定するステップ14において、複数の画像のうちの各画像に対する位置合わせ情報が決定される。
【0045】
ステップc)とも呼ばれる選択するステップ16において、複数の画像からの少なくとも2つの画像が、各画像に対する位置合わせ情報に基づいて選択される。
【0046】
ステップe)とも呼ばれる第2の決定するステップ20において、少なくとも2つの画像からの強調画像が決定される。強調画像は、少なくとも1つのツールの増強された視認性を提供する。
【0047】
ステップf)とも呼ばれる出力するステップ24において、強調画像を表すデータが出力される。
【0048】
一例において、ステップe)は、少なくとも2つの画像のうちの各画像に対する少なくとも1つの局所的特徴に基づいて、少なくとも2つの画像から強調画像を決定するステップを有する。
【0049】
一例において、処理ユニットは、少なくとも1つの局所的特徴に基づいて、少なくとも2つの画像のうちの画像に対するツール位置情報を決定するように、及び、ツール位置情報に基づいて、少なくとも2つの画像から強調画像を決定するように構成される。
【0050】
一例において、強調画像は、ツールの強調画像を含む。このようにして、装置は、ツールの改善又は強調画像を提供するために使用され得る。
【0051】
一例において、処理ユニットは、少なくとも1つの局所的特徴に基づいて、少なくとも2つの画像のうちの画像に対するボディ要素位置情報を決定するように、及び、ボディ要素位置情報に基づいて、少なくとも2つの画像から強調画像を決定するように構成される。
【0052】
一例において、ボディ要素位置情報は、脈管構造物の幾何学的レイアウトなどの脈管構造物位置情報を含む。
【0053】
一例において、強調画像は、脈管構造物の強調画像を含む。このようにして、装置は、脈管構造物の関心の領域の改善又は強調画像を提供するために使用され得る。
【0054】
一例において、本方法は、少なくとも2つの画像のうちの各画像に対する少なくとも1つの局所的特徴に基づいて、少なくとも2つの画像のうちの各画像に対する特徴位置情報を決定するステップを有する。一例において、ステップe)は、少なくとも2つの画像のうちの各画像に対する特徴位置情報に基づいて、少なくとも2つの画像から強調画像を決定するステップを有する。
【0055】
一例において、処理ユニットは、特徴位置情報に基づいて、少なくとも2つの画像のうちの画像に対するツール位置情報を決定するように、及び、ツール位置情報に基づいて、少なくとも2つの画像から強調画像を決定するように構成される。
【0056】
一例において、処理ユニットは、特徴位置情報に基づいて、少なくとも2つの画像のうちの画像に対するボディ要素位置情報を決定するように、及び、ボディ要素位置情報に基づいて、少なくとも2つの画像から強調画像を決定するように構成される。
【0057】
一例において、複数の画像のうちの画像に対する位置合わせ情報は、複数の画像のうちの画像に対する獲得回数に関係する。
【0058】
一例によると、位置合わせ情報は、少なくとも1つの局所的特徴を含む。
【0059】
一例によると、位置合わせ情報は、心周期の既定の相を表す信号データを含む。
【0060】
一例によると、位置合わせ情報は、幾何学的特性又は情報を含む。例えば、位置合わせ情報は、1つ又は複数のマーカーの位置に関係し得、及び/又は、ガイドワイヤのセグメントの形状に関係し得、及び/又は、ステントの形状に関係し得、及び/又は、複数の画像内におけるステントの位置に関係し得る。言い換えると、例えば、マーカー位置の類似性に、ガイドワイヤの屈曲又は位置の類似性に、又はステントの屈曲又は位置の類似性に基づいて、画像の部分集合が選択され得る。
【0061】
一例によると、本方法は、以下を有する。
【0062】
ステップd)とも呼ばれる第2の選択するステップ18において、少なくとも2つの画像からの基準画像が選択され、ステップe)は、少なくとも1つの他方の画像内における少なくとも1つの局所的特徴を、基準画像内における少なくとも1つの局所的特徴とマッチングさせることにより、基準画像ではない、少なくとも2つの画像からの少なくとも1つの他方の画像を、基準画像に位置合わせするステップ22を有する。
【0063】
図2は、脈管処置の強調画像を決定するための装置30の一例を示す。装置は、入力ユニット32、処理ユニット34、及び出力ユニット36を備える。入力ユニット32は、脈管構造物の関心の領域の表現を含む複数の画像を処理ユニット34に提供するように構成される。複数の画像の各々は、脈管処置において使用されるように構成された少なくとも1つのツールに関係した少なくとも1つの局所的特徴の画像データを含み、複数の画像の各々は、少なくとも1つのツールに関係した画像データを含む。処理ユニット34は、複数の画像のうちの各画像に対する位置合わせ情報を決定するように構成される。処理ユニット34は、各画像に対する位置合わせ情報に基づいて、複数の画像から少なくとも2つの画像を選択するようにさらに構成される。処理ユニット34は、少なくとも2つの画像から強調画像を決定するようにさらに構成される。強調画像は、少なくとも1つのツールの増強された視認性を提供する。出力ユニット36は、強調画像を表すデータを出力するように構成される。
【0064】
一例において、複数の画像は、脈管造影図を含む。一例において、複数の画像は、10秒のランにわたって獲得された150個の画像を含む。他の例において、複数の画像は、異なるフレームレートで獲得された異なる数の画像を含む。一例において、複数の画像は、蛍光画像データを含む。
【0065】
一例において、ツールは、ガイドワイヤを備える。一例において、ツールは、カテーテルを備える。一例において、ツールは、モノレールを備える。一例において、モノレールは、カテーテル及びガイドワイヤにより導入される。一例において、ツールは、バルーンを備える。一例において、ツールは、モノレールに装着されたバルーンを備える。一例において、ツールは、しぼんだバルーンを備える。一例において、ツールは、膨張したバルーンを備える。一例において、ツールは、ステントを備える。一例において、ツールは、バルーンの周囲に固く巻かれたステントを備える。一例において、ツールは、しぼんだバルーンの周囲に巻かれたステントを備える。一例において、ツールは、膨張したバルーンの周囲に巻かれたステントを備える。一例において、ツールは、バルーンの膨張を通して配備されたステントを備える。一例において、ツールは、バルーンの膨張を通して配備されたステントを備え、ステントは、バルーンの周囲に巻かれていない。
【0066】
一例において、少なくとも1つの局所的特徴は、ガイドワイヤを含む。一例において、少なくとも1つの局所的特徴は、ガイドワイヤの遠位端部を含む。一例において、少なくとも1つの局所的特徴は、マーカーを含む。一例において、少なくとも1つの局所的特徴は、ガイドワイヤ上のマーカーを含む。一例において、少なくとも1つの局所的特徴は、互いに離間したガイドワイヤ上の2つのマーカーを含む。一例において、少なくとも1つの局所的特徴は、実質的にステントの長さに対応した距離だけ互いに離間したガイドワイヤ上の2つのマーカーを含む。一例において、少なくとも1つの局所的特徴は、バルーン上のマーカーを含む。一例において、少なくとも1つの局所的特徴は、互いに離間したバルーン上の2つのマーカーを含む。一例において、少なくとも1つの局所的特徴は、実質的にステントの長さに対応した距離だけ互いに離間したバルーン上の2つのマーカーを含む。一例において、少なくとも1つの局所的特徴は、ステントを含む。一例において、少なくとも1つの局所的特徴は、ステントの端部を含む。一例において、少なくとも1つの局所的特徴は、ステントの2つの端部を含む。一例において、少なくとも1つの局所的特徴は、ステントの側縁部を含む。一例において、少なくとも1つの局所的特徴は、ステントの片側における縁部と、ステントの他方側における第2の縁部とを含み、縁部は、概ねステントの直径だけ離間している。一例において、少なくとも1つの局所的特徴は、ステント上のマーカーを含む。一例において、少なくとも1つの局所的特徴は、互いに離間したステント上の2つのマーカーを含む。一例において、少なくとも1つの局所的特徴は、実質的にステントの長さに対応した距離だけ互いに離間したステント上の2つのマーカーを含む。一例において、少なくとも1つの局所的特徴は、ステントの外形を含み、例えば、変形可能境界アプローチが、ステントの外形を検出するために使用される。
【0067】
一例において、少なくとも1つの局所的特徴は、患者の脈管構造物を含む。一例において、少なくとも1つの局所的特徴は、プラークを含む。一例において、少なくとも1つの局所的特徴は、横隔膜又は椎骨の一部などの患者のボディ要素を含む。一例において、少なくとも1つの局所的特徴は、ステント支材を含む。
【0068】
一例において、画像内における少なくとも1つの局所的特徴は、画像が獲得されたときの少なくとも1つの局所的特徴の位置における患者の体の位置を表す。
【0069】
一例において、位置合わせ情報は、強調画像を提供するために一緒に使用されるのに適切な、獲得された画像の部分集合を決定するために使用され得る。例えば、位置合わせ情報は、呼吸及び/又は心周期などの患者の動きに関係し得る。呼吸及び/又は心周期内の同じ又は実質的に同じ点において獲得された画像が、次に、強調画像を提供するために一緒に使用されるために選択され得る。例えば、位置合わせ情報は、1つ又は複数の画像のコンテンツなどの、獲得された画像データの内因的側面に関係し得、及び/又は、獲得された画像データの外因的側面に関係し得、例えば、ECGデータ、患者の脈、心室内圧、及び/又は1つ又は複数の画像の獲得回数などの何らかの手法で患者を監視するために使用される外部診断システムに関係し得る。
【0070】
一例において、強調画像を表す出力データは、強調画像である。例えば、臨床医に、脈管処置の視覚画像、又は、脈管処置に関係したQCA値などのデータが提供され得る。
【0071】
一例において、処理ユニットは、少なくとも2つの画像のうちの各画像に対する少なくとも1つの局所的特徴に基づいて、少なくとも2つの画像から強調画像を決定するように構成される。
【0072】
一例において、処理ユニットは、少なくとも2つの画像のうちの各画像に対する少なくとも1つの局所的特徴に基づいて、少なくとも2つの画像のうちの各画像に対する特徴位置情報を決定するように構成される。
【0073】
一例において、処理ユニットは、少なくとも2つの画像のうちの各画像に対する特徴位置情報に基づいて、少なくとも2つの画像から強調画像を決定するように構成される。
【0074】
一例において、複数の画像のうちの画像に対する位置合わせ情報は、複数の画像のうちの画像に対する獲得回数に関係する。
【0075】
一例によると、処理ユニットは、少なくとも1つの局所的特徴に基づいて、少なくとも2つの画像のうちの画像に対するツール位置情報を決定するように、及び、ツール位置情報に基づいて、少なくとも2つの画像から強調画像を決定するように構成される。
【0076】
一例において、強調画像は、ツールの強調画像を含む。一例において、処理ユニットは、特徴位置情報に基づいて、少なくとも2つの画像のうちの画像に対するツール位置情報を決定するように、及び、ツール位置情報に基づいて、少なくとも2つの画像から強調画像を決定するように構成される。
【0077】
一例によると、処理ユニットは、少なくとも1つの局所的特徴に基づいて、少なくとも2つの画像のうちの画像に対するボディ要素位置情報を決定するように構成される。処理ユニットは、ボディ要素位置情報に基づいて、少なくとも2つの画像から強調画像を決定するようにさらに構成される。
【0078】
一例において、ボディ要素位置情報は、脈管構造物の幾何学的レイアウトなどの脈管構造物位置情報を含む。一例において、強調画像は、脈管構造物の強調画像を含む。一例において、処理ユニットは、特徴位置情報に基づいて、少なくとも2つの画像のうちの画像に対するボディ要素位置情報を決定するように、及び、ボディ要素位置情報に基づいて、少なくとも2つの画像から強調画像を決定するように構成される。
【0079】
一例によると、位置合わせ情報は、少なくとも1つの局所的特徴を含む。
【0080】
一例において、位置合わせ情報は、少なくとも1つの局所的特徴の位置を含む。一例において、位置合わせ情報は、複数の画像内における少なくとも1つの局所的特徴の位置を含む。一例において、位置合わせ情報は、少なくとも1つの局所的特徴の絶対位置を含む。一例において、位置合わせ情報は、マーカーの位置を含む。一例において、位置合わせ情報は、ガイドワイヤの位置を含む。一例において、位置合わせ情報は、バルーンの位置を含む。一例において、位置合わせ情報は、ステントの位置を含む。
【0081】
一例において、画像は、位置合わせ情報を含み得る心周期の異なる相において獲得され、これに基づいて、強調画像を提供する際に使用される処理ユニットによりこれらの画像が選択され、この場合、例えば、心臓が心周期内の異なる相又は点にある場合であっても、それらの画像内におけるステント又はガイドワイヤの配向が同一又は類似である。例えば、ガイドワイヤ上の2つのマーカー間の距離は、第1の画像内において最大であり、ガイドワイヤ及び/又はガイドワイヤの位置に配備されたステントの奥行きに応じた拡縮(又は、ガイドワイヤが見る者から離れるように傾斜している場合、設定量の奥行きに応じた拡縮)がないことを示す。心周期の異なる相に対応した、第2の画像内において、2つのマーカー間の距離はこの場合も最大値であり、このことが、この場合も奥行きに応じた拡縮(又は、同じ設定量の奥行きに応じた拡縮)がないことを示し、したがって、これらの画像は、必要な場合は他の同様な画像とともに一緒に使用されて、ガイドワイヤ及び/若しくはステント並びに/又はガイドワイヤの位置における脈管構造物の強調画像を提供し得る。これらの2つの画像内におけるガイドワイヤは、同じ角度配向であるか、又は、異なる角度配向である。しかし、両方の画像内において奥行きに応じた拡縮がないか、又は、少なくとも同一又は類似の奥行きに応じた拡縮が存在するので、一例において、画像が強調画像を提供するために一緒に使用され得る。一例において、強調画像を提供することは、強調画像を提供する際における他方の画像に対する1つの画像の少なくとも一部の回転を含む。
【0082】
一例において、少なくとも1つの局所的特徴は、少なくとも2つの局所的特徴を含み、位置合わせ情報は、少なくとも2つの局所的特徴の位置を含む。一例において、位置合わせ情報は、少なくとも2つの局所的特徴のうちの第2の局所的特徴に対する、少なくとも2つの局所的特徴のうちの第1の局所的特徴の相対位置を含む。一例において、位置合わせ情報は、2つのマーカーの位置を含む。一例において、位置合わせ情報は、第2のマーカーの位置に対する、1つのマーカーの位置を含む。一例において、位置合わせ情報は、2つのマーカーの絶対位置を含む。一例において、位置合わせ情報は、第1のマーカーと第2のマーカーとの間における角度を含む。一例において、位置合わせ情報は、マーカー間の距離、及びマーカー間の角度を含む。一例において、マーカー間の角度は、マーカー間に引かれた線と、画像の境界縁部との間における角度である。
【0083】
一例において、位置合わせ情報は、ガイドワイヤの形状を含む。一例において、位置合わせ情報は、ガイドワイヤの形状及び位置を含む。一例において、位置合わせ情報は、ガイドワイヤの形状、及びマーカーの位置を含む。一例において、位置合わせ情報は、ガイドワイヤの形状、及び2つのマーカーの位置を含む。一例において、位置合わせ情報は、ガイドワイヤの形状、及び第2のマーカーの位置に対する第1のマーカーの位置を含む。一例において、位置合わせ情報は、マーカー間におけるガイドワイヤの形状を含む。一例において、位置合わせ情報は、ガイドワイヤ上のマーカーの位置におけるガイドワイヤの角度を含む。一例において、ガイドワイヤのセクションの角度は、ガイドワイヤのそのセクションと画像の境界縁部との間に形成された角度である。一例において、位置合わせ情報は、ステントの側縁部の形状を含む。一例において、位置合わせ情報は、ステントの側縁部の形状、及び2つのマーカーの位置を含む。一例において、位置合わせ情報は、ステントの側縁部の形状、及び第2のマーカーの位置に対する第1のマーカーの位置を含む。一例において、位置合わせ情報は、ガイドワイヤの遠位端部の位置及び/又は形状を含む。一例において、位置合わせ情報は、患者の解剖学的標識、例えば、横隔膜、椎骨、脊椎に対する、少なくとも1つの局所的特徴の相対位置を含む。一例において、位置合わせ情報は、ステントの支材の位置を含む。位置合わせ情報における上述の情報から、位置合わせが、上述の任意の組み合わせであり得ることと、必要な場合、当業者が、位置合わせ情報として他の手段を使用することができることとを当業者が理解すると考えられる。
【0084】
一例において、臨床医は、決定の画像を選択し、その画像内における少なくとも1つの局所的特徴を識別し、この場合、その画像内における少なくとも1つの局所的特徴が、その画像内における位置合わせ情報である。処理ユニットは、次に、この情報を使用して、臨床医により識別されたが今回は他方の画像内である少なくとも1つの局所的特徴にさらに関係する、これらの他方の画像内における位置合わせ情報を決定する。言い換えると、臨床医は、画像強調を制御し得る。例えば、臨床医は、画像における1つ又は複数のマーカーをクリックするか、又は決定の湾曲を含むガイドワイヤのセクションをクリックするか、又は患者の横隔膜の位置をクリックし得る。
【0085】
一例によると、位置合わせ情報は、心周期の既定の相を表す信号データを含む。
【0086】
一例において、心周期の既定の相を表す信号データは、心電計(ECG:electro cardio graph)データを含む。一例において、ECGデータは、脈管処置を受ける患者に関係する。一例において、ECGデータは、一般化されたECG信号に関係する。一例において、心周期の既定の相を表す信号データは、心室内圧を含む。一例において、心周期の既定の相を表す信号データは、収縮終期画像が選択されて、強調画像を提供するために一緒に使用されることを可能にする。一例において、心周期の既定の相を表す信号データは、拡張終期画像が選択されて、強調画像を提供するために一緒に使用されることを可能にする。
【0087】
一例において、臨床医にECGデータが提供され、臨床医は、そのデータサイクル内において強調画像が提供される場所を決定する。言い換えると、臨床医が、ECGサイクル内、又はECGサイクルのある範囲内における決定の点を決定し、これが位置合わせ情報を決定する。次に、ECGサイクル内のその点において、又はECGサイクルのその範囲にわたって獲得された画像が選択されて、強調画像を提供するために一緒に使用される。
【0088】
一例において、臨床医は、位置合わせ情報を決定する際に使用されるECGサイクルの範囲を決定し得る。したがって、臨床医は、強調画像を提供する際に使用される画像を選択するために使用されるECGサイクルの点及び/又は範囲を調節又は微調整することにより、リアルタイムで強調画像を最適化し得る。例えば、臨床医に心室内圧データが提供される場合、同等な状況が適用される。
【0089】
一例において、ECGデータは、強調画像に対する経時的なスタンプを決定するために使用される。一例において、位置合わせ情報は、少なくとも1つの局所的特徴をさらに含み得、この場合、例えば、マーカー位置が、強調画像を提供する際に使用される画像の部分集合を選択するために使用される。ECGデータは、次に、心周期内における決定の点内に、又は点の範囲にわたってその強調画像を配置するために使用され得る。したがって、異なる少なくとも1つの局所的特徴に基づいて、例えば、第1の強調画像の分離とは異なる分離により分離されたマーカーに基づいて提供される別の強調画像が、第2の強調画像を提供するために使用される画像の部分集合に対するECGデータに基づいて、第1の強調画像を含むコンテキスト内に配置され得る。このようにして、ECGデータなどの心周期の既定の相を表す信号データは、強調画像の正しい経時的な表示を可能にするために、及び、別の強調画像とともに、正しい経時的シーケンス内に、又は、正しい心周期シーケンス内に強調画像が配置されることを可能にするために使用され得る。
【0090】
一例によると、処理ユニットは、少なくとも2つの画像から基準画像を選択するように構成される。処理ユニットは、少なくとも1つの他方の画像内における少なくとも1つの局所的特徴を、基準画像内における少なくとも1つの局所的特徴とマッチングさせることにより、基準画像ではない、少なくとも2つの画像からの少なくとも1つの他方の画像を、基準画像に位置合わせるようにさらに構成される。
【0091】
一例において、基準画像ではない、少なくとも2つの画像からの少なくとも1つの他方の画像が、基準画像に重ねられる。言い換えると、動き補償は、決定の基準位置に対して画像をワープすることにより行われる。次に、平均(又は、加算)することにより、画像が基準画像と一緒に、少なくとも1つの局所的特徴の位置における視認性を改善した強調画像をもたらす。一例において、異なる画像内における少なくとも1つの局所的特徴の位置における特徴は、特徴に関係する画像データが一緒に加算されるので、互いを加算又は補強する。画像内の別の場所における特徴は、1つの画像から次に動かされた可能性があり、画像内の異なる位置にある可能性がある。一例において、画像が一緒に加算されたとき、別の場所にあるこれらの特徴は、したがって、互いに加算も補強もしない。
【0092】
一例において、画像は、ガイドワイヤ、バルーン、及び/又はステントなどのツールの視認性に関して強調される。一例において、画像は、患者の脈管構造物の決定の位置におけるプラークなどの脈管構造物に関して強調される。
【0093】
一例において、基準画像ではない、少なくとも2つの画像からの少なくとも1つの他方の画像は、平行移動、及び追加的又は代替的に回転、及び追加的又は代替的に伸ばすことからなるアフィン変換により達成されるワープにより基準画像に重ね合わされる。ワープされた画像のピクセルに関する平均化が、次に、強調画像をもたらす。
【0094】
一例によると、記憶ユニット38は、ツールの寸法及び/又は形状、及び/又は、脈管構造物の寸法及び/又は形状に関するツール及び/又は脈管構造情報を提供するように構成される。処理ユニットは、次に、ツール及び/又は脈管構造情報に基づいて、位置合わせ情報を決定するように、及び/又は、ツール及び/又は脈管構造情報に基づいて、少なくとも2つの画像から強調画像を決定するように構成される。
【0095】
例えば、この情報は、動き補償において使用されるアフィン変換の堅牢性を補強する際に役立つように使用され得る。
【0096】
一例によると、処理ユニットは、位置合わせ情報に基づいて、複数の強調画像を決定するように構成される。
【0097】
一例において、出力ユニットは、複数の強調画像を表す画像データを出力するように構成される。言い換えると、患者の動きの異なる相に関係して、強調された形態でガイドワイヤ又はステントなどのツールを視認する機会が、臨床医に提供される。例えば、ガイドワイヤ又はステントなどのツールの強調画像を視認する機能が、心周期の異なる段階に対して提供され得る。例えば、臨床医は、心周期を通した様々な段階においてステントの完全性を検証し得、この場合において、ステントは、そのサイクルにわたって異なるレベルの歪み及び応力を受ける。例えば、ステントが特に応力のかかっていない、又は歪んでいないときの心臓サイクルの相において、ステントの完全性が適切に現れるが、心臓サイクルの異なる相において、ステントの完全性が損なわれているように見られる。例えば、ステントは、その強調された「応力のかかった」画像内では壊れているように見られるが、強調された「静穏な」画像内では壊れているように見られない。一例において、臨床医に、脈管構造物の強調画像を視認する機会が同様に提供される。
【0098】
一例において、臨床医は、どの強調画像を視認するかを決定し得るか、又は、一度に1つを上回る強調画像を視認し得る。一例において、1つの強調画像が最小化されるとともに、別の強調画像が最大化される。
【0099】
図3及び図4は、脈管処置の強調画像を決定するための医療システム40の例を示す。システム40は、画像獲得ユニット42と、上述の図2に従った用途として提供される脈管処置の強調画像を決定するための装置30とを備える。画像獲得ユニット42は、複数の画像を獲得するように構成される。複数の画像は、画像獲得ユニット42から通信ケーブル44を介して装置30に送信される。別の一例において、複数の画像は、無線で送信される。画像獲得ユニット42は、Cアーム角度構成として示されるが、他の例において、異なる種類の画像獲得ユニットが使用される。
【0100】
一例において、画像獲得ユニットは、X線画像形成デバイスを備える。例えば、CT構成が提供される。例えば、画像獲得ユニットは、CアームCTシステムを備える。一例において、画像獲得ユニットは、介入型X線システムを備える。一例において、少なくとも1つの画像獲得ユニットは、蛍光透視画像形成デバイス、例えば、蛍光透視低線量X線デバイスを備える。一例において、複数の画像は、蛍光透視低線量X線観察中に獲得される。
【0101】
一例において、複数の画像が脈管造影図の手法で獲得されるが、この場合、複数の画像の獲得中、脈管構造物の少なくとも一部内に造影剤が注入されないか、又はほとんど注入されない。
【0102】
一例において、出力データは、脈管処置又は介入が成功したか否かを臨床医が判定することを可能にするために使用可能である。
【0103】
一例において、システムは、心臓狭窄を処置するために、カテーテル処置室における経皮経管冠動脈形成(PTCA)のために使用される。
【0104】
図5Aから図5Fは、ステントの埋め込みに関する脈管処置を概略的に示す。ステントの埋め込みは、通常、狭窄と呼ばれる病巣の位置において動脈を拡大するためのいくつかの段階を含む脈管処置である。予備的段階において、医師は、医療画像内において、できる限り最良に患者の動脈78内における狭窄76aの位置を決定する。この医療介入は、次の段階を含む。
a)図5Aに示す、カテーテル56の先端を越えて延びて、狭窄の位置における動脈部76aの小さな管腔を通る細いガイドワイヤ52の、カテーテル56を使用した動脈78内における導入。
b)図5Bに示す、モノレール58の開口を通るガイドワイヤ52によりガイドされ、ステントを含まないモノレール58の先端の周囲に巻かれた第1のバルーン64aを含むモノレール58の導入、及び、狭窄位置における動脈部76a内における第1のバルーン64aの配置。
c)図5Cに示す、狭窄の位置における動脈78の狭い管腔76aを拡張して、動脈の拡大部76bとするための膨張したバルーン64bとなる、この第1のバルーン64aの膨張と、その後の、第1のモノレール58を使用した第1のバルーン64bの除去。
d)図5Dに示す、カテーテル56と細いガイドワイヤ52とを再度使用した、その先端の周囲に巻かれた第2のバルーン72aを含み、さらに、第2のバルーン72aの周囲のステント72aを含む第2のモノレール66の導入と、動脈78の以前に拡張された管腔76b内の狭窄の位置における、ステントを含む第2のバルーンの配置。
e)図5Eに示す、ステント74aを形成するコイルを拡張して、動脈壁内に埋設された拡張されたステント74bにするための膨張したバルーン72bとなる、第2のバルーン72aの膨張。
f)図5Fに示す、拡張されたステント75bを永久インプラントとみなすこと、及び、第2のバルーン72b、第2のモノレール66、ガイドワイヤ52及びカテーテル56を除去すること。
【0105】
脈管形成と呼ばれる脈管処置は、ノイズの多い背景上でガイドワイヤ、バルーン、ステント、及び血管壁がほとんど識別不能であり、さらには動きをともなうコントラストの悪い医療画像に起因して、実行が困難である。この介入のいくつかの相は非常に重大であるので、これらの相中に動作を確認することが実施されなければならない。これらの相は、以下のとおりである。
【0106】
相1)段階a)の後、狭窄したゾーンなどの対象の動脈部76aに対するガイドワイヤ52の位置を確認することが重要である。
【0107】
相2)段階b)とc)との間において、動脈78の狭窄したゾーン76aにマッチングするように、第1のバルーン64aが正しく配置されているか否かを確認することが重要である。
【0108】
相3)段階c)の後、第1のバルーンの以前の膨張による狭窄の除去を検証するために、動脈部を精査することが重要である。
【0109】
相4)段階d)とe)との間に、動脈78の拡張された管腔76bに対してステント74aが正確に配置されているか否かを確認することが重大である。
【0110】
相5)段階e)の後、バルーン72bが十分に膨張しているか否か、及び、動作の結果を測定するために、ステント74bが動脈壁内に埋設されるように動脈内で首尾よく拡張されたか否かを確認することが非常に重要である。
【0111】
相6)段階f)の後、動脈部内における埋め込み後、ステント74bの状態の確認を実施することができることが重要である。
【0112】
位置合わせ情報に基づいて、獲得された画像の部分集合を選択することにより、その強調画像を提供するために最良の形態で一緒に使用され得る画像に基づいて、これらの相の各々に関する強調画像が提供され得る。これは、画像内のノイズがより少ない状態で、要求される特徴がより明確に認識され得るように実行され得る。
【0113】
図6は、強調画像を決定する際のステップの一例を示す。この例において、画像のシーケンスの部分集合の画像内に2つのマーカーA、Bが検出された。画像の部分集合が、位置合わせ情報に基づいて、既に選択されている。この画像は基準画像と呼ばれ、部分集合内における第1の画像、又は部分集合内の画像のうちの任意のものであり得る。したがって、マーカーは、ARef、BRefと表記される。マーカーARef、BRefは、自動的な手段により識別されるか、又は、マーカーARef、BRefは、臨床医により識別され得る。この例において、マーカーは、画画像処理を使用して選択される。画画像処理は、次に、基準マーカーが自動又は手動で決定されたか否かによらず、シーケンスの部分集合の第2の画像内におけるマーカーA’、B’を識別する。次に、基準画像内におけるマーカーARef、BRefの位置と、シーケンスの第2の画像内におけるマーカーA’、B’の対応する位置とを使用して、第2の画像が基準画像に位置合わせされる。この演算は、現在の画像のセグメントA’B’の重心Cを、基準画像のセグメントARefRefの重心CRefにマッチングさせる平行移動Tと、現在の画像のセグメントA’B’の方向を、基準画像のセグメントARefRefの方向にマッチングさせることによりセグメントA’’B’’を得る回転Rと、結果として得られるセグメントA’’B’’の長さを、基準画像のセグメントARefRefの長さにマッチングさせることにより、位置合わせされた第2の画像に対する位置合わせされたセグメントAを得るための拡張Δとを含む可能な幾何演算を含む、現在の画像のマーカーを基準画像の対応するマーカーとマッチングさせることにより実施される。このような平行移動T、回転R、及び拡張Δといった演算は、シーケンスの部分集合の画像と基準画像との間において規定され、シーケンス全体の位置合わせをもたらす。位置合わせのこの演算は、画像のすべての点に対して実施されるとは限らない。マーカーを含む関心のゾーンは、区切られる。位置合わせのこの演算は、所定の画像基準に対する血管、ガイドワイヤ、バルーン、及びステントなどの関心の物体のそれぞれの動きの効果を最小化することを可能にする。位置合わせされた画像内において、ユーザーは、関心の物体のズームZを簡単に実施し得る。好ましくは、2つ以上のマーカーが、より良好な位置合わせのために使用される。
【0114】
図7及び図9において、組み合わされた画像を形成するために、画像シーケンスからのすべての画像が組み合わされている。組み合わされた画像は、2つのマーカーの位置に画像を配置するために使用される2つのマーカーを使用して決定される。しかし、すべての画像内において、2つのマーカー間に配置されるステントは、多くの屈曲相を経たので、ステントの異なる屈曲相のすべてが組み合わされている。これは、2つのマーカー以外の画像特徴が、「消される」ことをもたらす。
【0115】
同様に、図8及び図11では、組み合わされた画像を形成するために、画像シーケンスからのすべての画像が組み合わされている。画像の右下において、2つのマーカーに対して異なる画像内においてガイドワイヤが動かされたことによる、ガイドワイヤの複数の位置を見ることができる。
【0116】
図11及び図12では、右上の画像内に、組み合わされた画像を形成するために、ランニング画像シーケンスからの連続した画像が組み合わされている。これは、異なる画像内におけるステントの動きに起因してステントの画像が消された、図7及び図9に対応する。他の3つの画像内において、3つの異なる固定の心臓サイクル相に関係して、画像シーケンスから画像を選択するために位置合わせ情報が使用される。各場合において、強調画像を形成するために、これらの選択された画像が組み合わされる。ステント、及び実際にはステント支材が、これらの強調画像内において明確に識別可能であり、ガイドワイヤは、明確に識別可能な手法で同様に提供される。さらに、カテーテルが明確に見られ得る。
【0117】
別の例示的な実施形態では、適切なシステムにおいて、先行する実施形態のうちの1つに従った方法の方法ステップを実行するように構成されることにより特徴付けられるコンピュータプログラム又はコンピュータプログラム要素が提供される。
【0118】
コンピュータプログラム要素は、したがって、コンピュータユニットに記憶され、これも一実施形態の一部である。この演算ユニットは、上述の方法のステップを実施するように、又は実施することを誘起するように構成される。さらに、この演算ユニットは、上述の装置のコンポーネントを動作させるように構成される。演算ユニットは、自動的に動作するように、及び/又はユーザーの命令を実行するように構成され得る。コンピュータプログラムは、データプロセッサの作業メモリにロードされる。データプロセッサは、したがって、先行する実施形態のうちの1つに従った方法を実施するように装備される。
【0119】
本発明のこの例示的な実施形態は、まさに最初から本発明を使用するコンピュータプログラムと、更新により既存のプログラムを発明を使用するプログラムに変換するコンピュータプログラムとの両方をカバーする。
【0120】
さらに、コンピュータプログラム要素は、上述のような方法の例示的な実施形態の手順を満たすすべての必要なステップを提供することが可能である。
【0121】
本発明のさらなる例示的な実施形態によると、CD−ROMなどのコンピュータ可読媒体が提示され、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータプログラム要素を含み、このコンピュータプログラム要素はこれまでのセクションにより説明される。
【0122】
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一体的に又は他のハードウェアの一部として供給される光記憶媒体又はソリッドステート媒体などの適切な媒体に記憶及び/又は分散されてよいが、インターネット又は他の有線又は無線電気通信システムを介するなどにより、他の形態でも分散されてもよい。
【0123】
しかし、コンピュータプログラムは、また、ワールドワイドウェブといったネットワークを通じて提示され、このようなネットワークからデータプロセッサの作業メモリ内にダウンロードされ得る。本発明のさらなる例示的な実施形態によると、ダウンロードのためにコンピュータプログラム要素を利用可能にする媒体が提供され、このコンピュータプログラム要素が本発明の上述の実施形態のうちの1つに従った方法を実行するように構成される。
【0124】
本発明の実施形態が異なる主題との関連において説明されることに注意が必要である。特に、いくつかの実施形態が方法形態の請求項に関連して説明されるのに対して、他方の実施形態はデバイス形態の請求項を参照しながら説明される。しかし、当業者は、上述の内容と以下の説明とを参照して、別段の記載がない限り、一つの形態の主題に属する特徴の任意の組み合わせに加えて、異なる主題に関する特徴の間の任意の組み合わせも本出願において開示されるとみなされることを理解すると考えられる。しかし、すべての特徴が組み合わされて、特徴の単なる足し合わせを上回る相乗効果を提供し得る。
【0125】
図面及び上述の説明において本発明が詳細に例示及び説明されるが、このような例示及び説明は例示又は一例とみなされ、限定とはみなされない。本発明は、開示される実施形態に限定されない。図面、本開示、及び従属請求項の考察により、請求項に記載された発明を実施する当業者により、開示される実施形態に対する他方の変形例が理解及び実現され得る。
【0126】
特許請求の範囲において、「備える(comprising)」という用語は、他方の要素もステップも排除せず、「1つ(a)」又は「1つ(an)」という単数表現の不定冠詞は、複数を排除しない。単一のプロセッサ又は他方のユニットが、特許請求の範囲において列挙されたいくつかの項目の機能を果たしてよい。単に決定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されるということは、利点を得るためにこれらの手段の組み合わせが使用され得ないということを示すわけではない。特許請求の範囲における参照符号は、いずれも特許請求の範囲を限定するように解釈されてはならない。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12