特許第6849829号(P6849829)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6849829
(24)【登録日】2021年3月8日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】センサシステム
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20210322BHJP
   H01L 27/144 20060101ALI20210322BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20210322BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20210322BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20210322BHJP
   H01L 23/522 20060101ALI20210322BHJP
   G01N 21/03 20060101ALI20210322BHJP
   G01N 21/05 20060101ALI20210322BHJP
   G01N 21/64 20060101ALI20210322BHJP
【FI】
   H01L27/146 D
   H01L27/144 K
   H01L23/12 501P
   H01L21/88 T
   H01L21/88 J
   G01N21/03 Z
   G01N21/05
   G01N21/64 F
【請求項の数】20
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2019-571292(P2019-571292)
(86)(22)【出願日】2017年12月26日
(65)【公表番号】特表2020-532095(P2020-532095A)
(43)【公表日】2020年11月5日
(86)【国際出願番号】US2017068397
(87)【国際公開番号】WO2019132857
(87)【国際公開日】20190704
【審査請求日】2020年2月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514202402
【氏名又は名称】イラミーナ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100149249
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(72)【発明者】
【氏名】トレイシー ヘレン ファン
(72)【発明者】
【氏名】ハイ クアン トラン
【審査官】 田邊 顕人
(56)【参考文献】
【文献】 特表2017−504789(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0079596(US,A1)
【文献】 国際公開第2016/168996(WO,A1)
【文献】 特開2010−273757(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0016830(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0084407(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0181226(US,A1)
【文献】 特開2015−222810(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0034777(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0054106(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0254312(US,A1)
【文献】 特開2012−204402(JP,A)
【文献】 特開2011−071239(JP,A)
【文献】 特表2010−510646(JP,A)
【文献】 特開2017−175047(JP,A)
【文献】 特開2016−129216(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
G01J 1/02
G01N 1/00
G01N 21/01
G01N 21/03
G01N 21/05
G01N 21/64
H01L 21/3205
H01L 21/768
H01L 23/12
H01L 23/522
H01L 27/144
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース基板上に配置された画像層、
前記画像層の上に配置されたデバイススタック、
前記デバイススタックに配置されたボンドパッド、
前記デバイススタックおよび前記ボンドパッドの上に配置されたパッシベーションスタック、
前記パッシベーションスタックの最上層に配列されたナノウェルのアレイ、
前記ベース基板を貫通して前記ボンドパッドと電気的に接触するシリコン貫通ビア(TSV)、および
前記ベース基板の底面に配置され且つ前記TSVと電気的に接触する再配線層(RDL)を備える、イメージセンサ構造と、
前記パッシベーションスタックの前記最上層の上に配置され、それらの間にフローチャネルを形成するフローセルと、
を備え、
前記フローチャネルが前記ナノウェルのアレイおよび前記ボンドパッドの上に配置されている、
システム。
【請求項2】
前記RDLの第1部分の上に配置された第1の環境保護層と、
前記第1の環境保護層の上に配置された機械的支持構造と、
前記RDLの第2の部分に電気接触接合されたワイヤと、
を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記RDLの前記第2の部分の上に配置された第2の環境保護層を備え、
前記第1および第2の環境保護層が前記RDLの全体を覆う、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ボンドパッドは複数のボンドパッドであり、それらの上に前記フローチャネルが配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記パッシベーションスタックは、
前記デバイススタックと前記ボンドパッドの上に配置された第1のパッシベーション層と、
前記第1のパッシベーション層の上に配置された第1の化学保護層と、
を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の化学保護層の上に配置された第2のパッシベーション層と、
前記第2パッシベーション層の上に配置された第2化学保護層と、
を備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記画像層内に配置された光検出器のアレイと、
前記デバイススタック内に配列された光ガイドのアレイと、
を備え、各光ガイドが前記光検出器のアレイの少なくとも1つの光検出器に関連付けられている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記パッシベーションスタックは、前記光ガイドの上面と直接接触する底面を備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記フローセルは、
前記フローセルの側壁に取り付けられたフローセルリッドを備え、前記フローセルの側壁は前記パッシベーションスタックの最上層に接合され、
前記フローチャネルは、前記フローセルリッドと前記フローセルの側壁と前記パッシベーションスタックの最上層とによって形成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記デバイススタックと前記パッシベーションスタックとの間に配置された遮光層を備え、
前記ボンドパッドが前記遮光層を貫通するボンドパッド開口部に配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記ボンドパッドの上面は、前記パッシベーションスタックの底面より下に配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
ベース基板上に配置された画像層であり、その中に光検出器のアレイが配列されている画像層、
前記画像層の上に配置されたデバイススタック、
前記デバイススタック内に配置された複数のボンドパッド、
前記デバイススタックに配列された光ガイドのアレイ、
前記デバイススタックおよび前記ボンドパッドの上に配置されたパッシベーションスタック、
前記パッシベーションスタックの最上層に配列されたナノウェルのアレイ、前記ベース基板を貫通して前記複数のボンドパッドのボンドパッドと電気的に接触するシリコン貫通ビア(TSV)、および
前記ベース基板の底面に配置され且つ前記TSVと電気的に接触する再配線層(RDL)を備える、イメージセンサ構造と、
前記パッシベーションスタックの前記最上層の上に配置され、それらの間にフローチャネルを形成するフローセルと、
を備え、
前記フローチャネルが前記ナノウェルのアレイおよび前記ボンドパッドの上に配置されている、
システム。
【請求項13】
前記RDLの第1部分の上に配置された第1の環境保護層と、
前記第1の環境保護層の上に配置された機械的支持構造と、
前記RDLの第2の部分に電気的接触接合されたワイヤと、
前記RDLの前記第2の部分の上に配置された第2の環境保護層と、
を備え、
前記第1および第2の環境保護層が前記RDLの全体を覆う、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記パッシベーションスタックは、
前記デバイススタックおよび前記ボンドパッドの上に配置された第1のパッシベーション層と、
前記第1のパッシベーション層の上に配置された第1の化学保護層と、
を備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1の化学保護層の上に配置された第2のパッシベーション層と、
前記第2パッシベーション層の上に配置された第2化学保護層と、
を備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
デバイススタックと画像層をベース基板層上にそれぞれ配置するステップと、
前記デバイススタックにボンドパッドを配置するステップと、
前記デバイススタックと前記ボンドパッドの上にパッシベーションスタックの少なくとも一部を配置するステップと、
前記パッシベーションスタックの最上層にナノウェルのアレイを形成するステップと、
前記ベース基板の底面を通して前記ボンドパッドまで延びるTSVをエッチングするステップと、
前記TSVをボンドパッドと電気的に接触させるためにめっきするステップと、
RDLを前記ベース基板の底面に、前記TSVと電気的に接触させて配置するステップと、
前記パッシベーションスタックの最上層の上にフローセルを配置して、それらの間にフローチャネルを形成するステップと、
を備え、
前記フローチャネルが前記ナノウェルのアレイおよび前記ボンドパッド上に配置される、
方法。
【請求項17】
前記RDLの第1部分の上に第1の環境保護層を配置するステップと、
前記第1の環境保護層の上に機械的支持構造を接合するステップと、
前記RDLの第2の部分にワイヤをボンディングし、ボンディングされたワイヤを前記RDLと電気的に接触させるステップと、
を備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記RDLの第2の部分の上に第2の環境保護層を配置するステップと、
前記RDLを前記第1および第2の環境保護層で完全に覆うステップと、
を備える、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記パッシベーションスタックの少なくとも一部を配置するステップは、
前記デバイススタックと前記ボンドパッドの上に第1パッシベーション層を配置するステップと、
前記第1パッシベーション層の上に第1の化学保護層を配置するステップと、
前記第1の化学保護層の上に第2のパッシベーション層を配置するステップと、
を備える、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記ナノウェルのアレイを形成するステップは、前記第2のパッシベーション層に前記ナノウェルのアレイをエッチングするステップと、前記第2のパッシベーション層の上に第2の化学保護層を配置するステップとを備える、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
センサシステム、例えばバイオセンサシステムは、イメージセンサ構造のパッシベーション積層体(ここでは「パッシベーションスタック」という)の最上層に配置されたフローセルを含むことができ、フローセルとパッシベーションスタックはそれらの間にフローチャネルを形成する。このようなセンサシステムは、多くの場合、フローセルのフローチャネル内でパッシベーションスタックの最上層に配列されたナノウェルの高密度アレイを利用して、ナノウェル内に配列される検体の制御反応プロトコルを実行する。
【0002】
そのような反応プロトコルの一例では、イメージセンサ構造のナノウェルアレイに配列される検体(DNAセグメントのクラスター、核酸分子鎖など)は、フローチャネルを流れる流体により検体に送達される識別可能なラベル(蛍光標識分子など)でタグ付けすることができる。次に、1つ以上の励起光をナノウェル内の標識された検体に向けることができる。次に、検体は発光光子を放出することができ、その発光光子はパッシベーションスタックを通って各ナノウェルに関連付けられた(例えば、直下に位置する)イメージセンサ構造の光ガイドに透過することができる。
【0003】
各光ガイドの上面は、パッシベーションスタックの底面と直接接触しており、各光ガイドの上面は、関連するナノウェルから伝搬される発光光子のかなりの部分を受け取る。光ガイドは、発光光子をイメージセンサ構造内に配列され且つ光ガイドに関連付けられた(例えば、真下に位置する)光検出器に向ける。光検出器は発光光子を検出する。次に、イメージセンサ構造内のデバイス回路が、検出された光子を使用してデータ信号を処理および送信する。その後、データ信号は分析されて検体の特性を明らかにすることができる。そのような反応プロトコルの例には、健康および製薬産業などのためのハイスループットDNAシーケンスが含まれる。
【0004】
そのような反応プロトコルから生成されるデータスループットを増加させる必要性が高まり続けているので、イメージセンサ構造のナノウェルアレイ内のナノウェルのサイズを減少させてナノウェルアレイ内のナノウェルの数を増加させる必要性が高まり続けている。さらに、サイズを小さくしてナノウェルの数を増加する必要性が高まるにつれて、そのような化学反応を準備し実行するのに必要な表面化学がセンサシステム内の電子部品(ボンドパッドなど)とコンパチブルであることがますます重要になる。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、イメージセンサシステムのパッシベーションスタックの下に配置されたボンドパッドを含む、例えばバイオセンサシステムなどのセンサシステムを提供することによって、従来技術より多くの利点及び選択肢を提供する。ボンドパッドはパッシベーションスタックによって保護されるため、センサシステムのフローチャネル領域はもはやボンドパッドによって制限されず、ボンドパッドの上にもナノウェルが配置されるように拡大することができる。したがって、一定のフットプリントを有するイメージセンサ構造のフローチャネルの下に収めることができるナノウェルの数を増やすことができる。
【0006】
本開示の1つまたは複数の態様によるシステムは、イメージセンサ構造とフローセルを含む。イメージセンサ構造は、ベース基板の上に配置された画像層を含む。デバイススタックが画像層の上に配置される。ボンドパッドがデバイススタックに配置される。パッシベーションスタックがデバイススタックとボンドパッドの上に配置される。ナノウェルのアレイがパッシベーションスタックの最上層に配列される。シリコン貫通ビア(TSV)がボンドパッドと電気的に接触する。TSVはベース基板を貫通する。再配線層(RDL)がベース基板の底面に配置される。RDLはTSVと電気的に接触する。フローセルがパッシベーションスタックの最上層の上に配置され、それらの間にフローチャネルを形成する。フローチャネルはナノウェルのアレイとボンドパッドの上に配置される。
【0007】
本開示の1つまたは複数の態様による別のシステムは、フローセルとイメージセンサ構造を含む。イメージセンサ構造は、ベース基板の上に配置された画像層を含む。画像層は、その中に配列された光検出器のアレイを含む。デバイススタックが画像層の上に配置される。複数のボンドパッドがデバイススタック内に配置される。光ガイドのアレイがデバイススタック内に配列される。パッシベーションスタックが、デバイススタックと複数のボンドパッドの上に配置される。ナノウェルのアレイがパッシベーションスタックの最上層に配列される。シリコン貫通ビア(TSV)が複数のボンドパッドのボンドパッドと電気的に接触する。TSVはベース基板を貫通する。再配線層(RDL)がベース基板の底面に配置される。RDLはTSVと電気的に接触する。フローセルがパッシベーションスタックの最上層の上に配置され、それらの間にフローチャネルを形成する。フローチャネルはナノウェルのアレイと複数のボンドパッドの上に配置される。
【0008】
本開示の1つまたは複数の態様による方法は、ベース基板層の上にデバイススタックおよび画像層を配置する。ボンドパッドをデバイススタックに配置する。パッシベーションスタックをデバイススタックとボンドパッドの上に配置する。ナノウェルのアレイをパッシベーションスタックの最上層に形成する。TSVをベース基板の底面を通してエッチングする。TSVはボンドパッドまで延ばす。TSVはボンドパッドと電気的に接触するようにメッキする。RDLをベース基板の底面に配置する。RDLはTSVと電気的に接触する。フローセルをパッシベーションスタックの最上層の上に配置し、それらの間にフローチャネルを形成する。フローチャネルは、ナノウェルのアレイとボンドパッドの上に位置する。
【0009】
本開示は、添付の図面と関連する以下の詳細な説明からより完全に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】イメージセンサ構造の上に配置され、それとの間にフローチャネルを形成するフローセルを有する一つのタイプのセンサシステムの一例の簡略断面側面図であり、そのイメージセンサ構造は、フローチャネル内に配列されたナノウェルのアレイを有するとともに、フローチャネル外に配置されたボンドパッドも有する。
図2】イメージセンサ構造の上に配置され、それとの間にフローチャネルを形成するフローセルを有するセンサシステムの簡略断面側面図であり、そのイメージセンサ構造は、フローチャネル内に配列されたナノウェルのアレイを有するとともに、本明細書に開示される一例に従ってフローチャネル内に配置されたボンドパッドも有する。
図3図2のセンサシステムの製造の中間段階における簡略断面図であり、この段階では、イメージセンサ構造は、本明細書に開示される一例に従って、デバイススタックに配置された光ガイドおよびベース基板上に配置されたデバイススタックを含む。
図4図3のセンサシステムの簡略断面図であり、この段階では、イメージセンサ構造は、本明細書に開示される一例に従って、デバイススタックに配置されたボンドパッドを含む。
図5図4のセンサシステムの簡略断面図であり、この段階では、イメージセンサ構造は、本明細書に開示される一例に従って、デバイススタックおよびボンドパッド上に配置されたパッシベーションスタックを含む。
図6図5のセンサシステムの簡略断面図であり、この段階では、イメージセンサ構造は、本明細書に開示される一例に従って、パッシベーションスタックの最上層に配列されたナノウェルを含む。
図7図6のセンサシステムの簡略断面図であり、この段階では、イメージセンサ構造は、本明細書に開示される一例に従ってベース基板の底面からボンドパッドまで延びる貫通シリコンビア(TSV)を含む。
図8図7のセンサシステムの簡略断面図であり、この段階では、イメージセンサ構造は、本明細書に開示される一例に従って、ベース基板の底面に配置され、TSVと電気的に接触する再配線層(RDL)を含む。
図9図8のセンサシステムの簡略化された断面図であり、この段階では、イメージセンサ構造は、本明細書に開示される一例に従って、RDLの第1部分の上に配置された第1の環境保護層を含む。
図10図9のセンサシステムの簡略断面図であり、この段階では、イメージセンサ構造は、本明細書に開示される一例に従って、第1環境保護層およびRDLの第2の部分を覆う一時的保護層に結合された機械的支持構造を含む。
図11図10のセンサシステムの簡略断面図であり、この段階では、イメージセンサ構造は、本明細書に開示される一例に従って、ナノウェル内に配置されたヒドロゲル層を含む。
図12図11のセンサシステムの簡略断面図であり、この段階では、本明細書に開示される一例に従って、フローセルがイメージセンサ構造に接合される。
図13図12のセンサシステムの簡略断面図であり、この段階では、本明細書に開示される一例に従って、ワイヤがRDLの第2の部分に結合される。
図14図13のセンサシステムの簡略断面図であり、この段階では、本明細書に開示される一例によるセンサシステムの形成を完了するために、第2の環境保護層がRDLの第2の部分およびボンディングワイヤの上に配置される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書に開示される方法、システム、およびデバイスの構造、機能、製造、および使用の原理の全体的な理解を提供するために、いくつかの例をこれから説明する。添付の図面に1つ以上の例が示されている。本明細書に具体的に記載され、添付の図面に示される方法、システム、およびデバイスは非限定的な例であり、本開示の範囲は特許請求の範囲によってのみ特定されることは当業者に明らかであろう。一つの例に関連して図解されまたは説明される特徴は、他の例の特徴と組み合わせることができる。そのような修正および変形は、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。
【0012】
請求項を含む本開示全体に亘って使用される「実質的に」、「およそ」、「約」、「比較的」、または他の同様の用語は、処理のばらつき等に起因する小さな変動を表現および考慮するために使用している。たとえば、それらは、±10%より小さいか等しい、例えば±5%より小さいか等しい、例えば±2%より小さいか等しい、例えば±1%より小さいか等しい、例えば±0.5%より小さいか等しい、例えば±0.2%より小さいか等しい、例えば±0.1%より小さいか等しい以下、例えば±0.05%より小さいか等しい、などを表わし得る。
【0013】
本明細書で提供される例は、センサシステムおよびその製造方法に関する。より具体的には、本明細書で提供される例は、ナノウェルとボンドパッドの上に配置されたフローチャネルを有するセンサシステムに関する。
【0014】
図1は、フローチャネル内に配置されたナノウェルとフローチャネル外に配置されたボンドパッドを有する従来技術のセンサシステムを示す。図2は、本開示による、ナノウェルとボンドパッドの上に配置されたフローチャネルを有するセンサシステムの一例を示す。図3図14は、本開示による図2のセンサシステムを製造する方法の様々な例を示す。
【0015】
図1を参照するに、一つのタイプのセンサシステム10(この例ではバイオセンサシステム10である)の一例は、イメージセンサ構造14に接合されたフローセル12を含む。センサシステム10のフローセル12はフローセル側壁18に固着されたフローセルカバー16を含む。フローセル側壁18は、イメージセンサ構造14のパッシベーションスタック24の最上層22に接合されて、それらの間にフローチャネル20を形成する。
【0016】
パッシベーションスタック24の最上層22は、その中に配列されたナノウェル26の大きなアレイを含む。ナノウェル26は、ナノウェル26の内面にコンフォーマルであるヒドロゲル27の薄層を含む。ヒドロゲル層27は、検体28(例えば、DNAセグメント、オリゴヌクレオチド、他の核酸鎖など)の固定および機能化を支援するために使用され、ナノウェル26内に配置することができる。
【0017】
フローセルカバーは、流体フロー34がフローチャネル20に流入し、通過し、流出することができる大きさの入口ポート30と出口ポート32を含む。流体フロー34は、ナノウェル26内に配列される検体28に多数の様々な制御反応プロトコルを実行するために使用することができる。流体フロー34はまた、検体28にタグ付けするために使用できる識別可能な標識36(蛍光標識ヌクレオチド分子など)を送達することもできる。
【0018】
センサシステム10のイメージセンサ構造14は、ベース基板38上に配置された画像層40を含む。画像層40は、窒化ケイ素(SixNx)などの誘電体層としてもよく、その中に配列された光検出器42のアレイを含んでもよい。本明細書で使用される光検出器42は、例えばフォトダイオードなどの半導体検出器、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)検出器、またはその両方としてよい。光検出器42は、ナノウェル26内の検体28に付着した蛍光標識36から放出される放射光44の光子を検出する。ベース基板38は、ガラス、シリコン、または他の同様の材料としてよい。
【0019】
デバイススタック46は、画像層40の上に配置される。デバイススタック44は、光検出器42とインターフェースし、検出した放射光44の光子を使ってデータ信号を処理する様々なデバイス回路48を含む複数の誘電体層(図示せず)を含むことができる。
【0020】
また、デバイススタック46には、光ガイド50のアレイも配列される。各光ガイド50は、光検出器のアレイのうちの少なくとも1つの光検出器42と関連付けられている。例えば、光ガイド50は、その関連する光検出器42の真上に配置することができる。光ガイド50は、ナノウェル26内に配列される検体28の蛍光標識36からの放射光44の光子を関連する光検出器42に向ける。
【0021】
また、デバイススタック46内には、遮光層52、反射防止層54および保護ライナー層56も配置される。保護ライナー層56は、窒化ケイ素(SiN)または二酸化ケイ素(SiO)で構成してよい。遮光層52は、タングステン(W)またはアルミニウム(Al)で構成してよく、デバイススタック46内を伝わる放射光44および励起光58を減衰させる。反射防止層54は、その下の金属層のフォトリソグラフィパターニングのために、窒化タングステン(WN)または酸窒化ケイ素(SiON)で構成してよい。
【0022】
パッシベーションスタック24は、デバイススタック46の上に配置される。パッシベーションスタック24は、光ガイド50の上面62と直接接触する底面60を含む。パッシベーションスタック24は、パッシベーション層64および化学保護層66(本例では、パッシベーションスタック24の最上層22)を含むことができる。パッシベーション層64はSiNで構成してよく、パッシベーションスタック24の底面60を含んでもよい。化学保護層66は五酸化タンタル(Ta)で構成してよく、パッシベーションスタック24の最上層22としてもよい。
【0023】
パッシベーションスタック24の最上層22にはナノウェル26のアレイも配列され、各ナノウェル26は、光ガイドのアレイの光ガイド50に関連付けられる。例えば、各ナノウェル26は関連する光ガイド50の真上に配置して、各光ガイド50の上面62に入射する放射光44の光子のほとんどがその光ガイドの関連するナノウェル26内から発生されるようにすることができる。さらに、ナノウェル26のアレイはフローチャネル20内に配置される。
【0024】
複数のボンドパッド70もデバイススタック46内に配置される。ボンドパッド70は、パッド金属(図示せず)の1つ以上の層で構成してよい。ボンドパッドはデバイス回路48とインターフェースして、検出した光子を使って処理されたデータ信号をボンドパッド70にボンディングされたワイヤ72に伝える。
【0025】
動作中、様々なタイプの励起光58がナノウェル26内の検体28に照射され、標識された分子36が放射光44の発光を生じる。放射光44の光子の大部分は、パッシベーションスタック24を透過し、その関連する光ガイド50の最上面62に入射し得る。光ガイド50は、励起光58の大部分を除波し、放射光44を光ガイド50の真下に位置する関連する光検出器42に向けることができる。
【0026】
光検出器42が放射光光子を検出する。次いで、デバイススタック46内のデバイス回路48が、それらの検出光子を使用してデータ信号を処理し、送信する。その後、データ信号はボンドパッド70を通して送信され、分析されて、検体の特性を明らかにすることができる。
【0027】
ボンドパッド70は、データ信号の外部への送信を可能にするためにパッシベーションスタック24の最上層22に配置されたワイヤボンド74によりワイヤ72に接合することができる。これは、ワイヤボンディングまたははんだバンプボンディングにより共晶金属ボンドを形成することで実行することができる。さらに、ナノウェル26の表面は、ナノウェル26内に配列され得る検体28を受け取ることができるように、例えばヒドロゲル層27を堆積して化学的に機能化してもよい。
【0028】
しかし、このようなワイヤボンディング技術のためにパッシベーションスタック24の最上層22上にボンドパッド70を作成するプロセスは、ナノウェルの表面機能化を汚染する可能性がある。さらに、ナノウェルの化学的機能化は、露出したボンドパッド上に残留物を堆積する可能性および/または露出したボンドパッドを潜在的に腐食する可能性がある。また、様々な制御反応プロトコル中に使用されるフローチャネル20を通る流体フロー34は、そのような流体フロー34にさらされるボンドパッド70を損傷および/または腐食する可能性がある。さらに、ワイヤ72をフローチャネル20内に延ばさなければならない場合には、ワイヤ72をパッシベーションスタック24の最上層22のボンドパッド70に電気的に接続することが難しくなり得る。
【0029】
少なくとも上記の理由により、ボンドパッド70は、フローセル12のフローチャネル20の外のパッシベーションスタック24の最上層22に配置される。したがって、ボンドパッド70へのボンディングワイヤまたははんだバンプはフローチャネル20のサイズを制限し、これにより一定のフットプリント(設置面積)を有するセンサシステム10のフローチャネル20内に配置できるナノウェル26の総量も制限される。
【0030】
本明細書に記載される例示的なセンサシステムは、いくつかの既存のセンサシステムとはいくつかの側面で異なる。例えば、本明細書のいくつかの例のボンドパッド70はフローチャネル20内に配置される。さらに、本明細書のいくつかの例は、同じバイオセンサフットプリント内でより大きな表面積を覆うようにフローチャネル20をボンドパッド70の上まで広げることを提供する。さらに、本明細書のいくつかの例は、フローチャネル20を通る流体フロー34にさらされることによりボンドパッド70が損傷および/または腐食されることがないメカニズムを提供する。
【0031】
図2を参照するに、ナノウェル108のアレイと複数のボンドパッド110にわたって広がるフローチャネル106を形成するようにイメージセンサ構造104の上に配置されたフローセル102を有するセンサシステム100の一例の断面側面図が示されている。ナノウェルのアレイ108は、イメージセンサ構造104のパッシベーションスタック114の最上層112に配置される。複数のボンドパッド110は、パッシベーションスタック114の底面116の下に配置される。より具体的には、ボンドパッド110はデバイススタック118に配置され、ボンドパッド110の上面120は、パッシベーションスタックの底面116の下に位置する。
【0032】
センサシステム100のフローセル102は、フローセル側壁124に固着されたフローセルカバー122を含む。フローセル側壁124は、イメージセンサ構造104のパッシベーションスタック114の最上層112に接合されてそれらの間にフローチャネル106を形成する。
【0033】
パッシベーションスタック114の最上層112は、その層に配列されたナノウェル108の大きなアレイを含む。ナノウェル108は、ナノウェル108内にヒドロゲルの薄層126を含む。ヒドロゲル層126は、ナノウェル108内に配列され得る検体128(DNAセグメント、オリゴヌクレオチド、他の核酸鎖など)を固定および機能化するために使用される。
【0034】
フローセルカバー122は、フローチャネル106への流体フロー134の流入、通過、および流出を可能にする大きさの入口ポート130および出口ポート132を含む。流体フロー134はナノウェル106内に配列される検体128に多数の様々な制御反応プロトコルを実行するために使用することができる。流体フロー134はまた、検体128にタグ付けするために使用できる識別可能な標識136(蛍光標識ヌクレオチド分子など)を送達することもできる。様々な制御反応プロトコル中に、励起光138を蛍光標識136に向け、それにより標識136を励起して放射光140を発光させることができる。
【0035】
センサシステム100のイメージセンサ構造104は、ベース基板144上に配置された画像層142を含む。画像層142はSiNなどの誘電体層であり、その層内に配列された光検出器146のアレイを含み得る。本明細書で使用される光検出器146は、例えばフォトダイオードなどの半導体検出器、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)検出器、またはその両方としてよい。光検出器146は、ナノウェル108内の検体128に付着した蛍光ラベル136から放出される放射光140の光子を検出する。ベース基板144は、ガラス、シリコン、または他の同様の材料であってよい。
【0036】
デバイススタック118は、画像層142の上に配置される。デバイススタック118は、光検出器146とインターフェースし、放射光140の検出された光子信号を使用してデータ信号を処理する様々なデバイス回路148を含む複数の誘電体層(図示せず)を含むことができる。
【0037】
デバイススタック118には、光ガイド150のアレイも配列される。各光ガイド150は、光検出器のアレイのうちの少なくとも1つの光検出器146に関連付けられる。例えば、各光ガイド150はその関連する光検出器146の真上に配置することができる。光ガイド150は、ナノウェル108内に配列される検体128上の蛍光標識136からの放射光140の光子をそれらの関連する光検出器146に向ける。
【0038】
光ガイド150は、励起光138の既知の波長を除波し、放射光140の既知の波長を透過することができる有機フィルタ材料としてよい。光ガイド材料は高屈折率ポリマーマトリックス内に特製の色素分子が配列されたものとしてよい。
【0039】
デバイススタック118には、遮光層152、反射防止層154、および保護ライナー層156も配置される。保護ライナー層156は、窒化ケイ素(SiN)または他の同様の材料で構成することができ、光ガイド150の内壁を裏打ちする。遮光層152は、タングステン(W)または他の同様の材料などの遷移金属で構成することができ、デバイススタック118に透過してくる放射光140および励起光138を減衰させる。反射防止層154は、窒化タングステン(WN)または酸窒化ケイ素(SiON)などの反射防止化合物、または他の同様の材料で構成することができ、下側金属層のフォトリソグラフィパターニングに使用することができる。
【0040】
パッシベーションスタック114は、デバイススタック118の上に配置される。パッシベーションスタック114は、光ガイド150の上面158と直接接触するとともにボンドパッド110の上面120上にある底面116を含む。パッシベーションスタックは、ナノウェル108が配列される最上層112も含む。
【0041】
パッシベーションスタック114は、任意の数の層を含むことができる。例えば、パッシベーションスタック114は、デバイススタック118上に配置された第1のパッシベーション層160と、第1のパッシベーション層160上に配置された第1の化学保護層162とを含み得る。この例では、パッシベーションスタック114の最上層112は、その中に配列されたナノウェル108を含む第1の化学保護層162である。
【0042】
しかし、図2に示す特定の例では、パッシベーションスタック114は、第1の化学層162上に配置された追加の第2のパッシベーション層164と、第2のパッシベーション層164上に配置された追加の第2化学保護層166とを含む。図2の例では、パッシベーションスタック114の最上層112は第2の化学保護層166であり、ナノウェル108は第2の化学保護層166に配列されている。
【0043】
パッシベーション層160、164は、SiNで構成してよい。化学保護層162、166は、五酸化タンタル(Ta25)などの遷移金属酸化物または他の同様の材料で構成してよい。
【0044】
ナノウェルのアレイの各ナノウェル108は、光ガイドのアレイの1つの光ガイド150に関連付けられている。例えば、各ナノウェル108は関連する光ガイド150の真上に位置させて、各光ガイド150の上面158に入射する放射光140の光子の殆どがその光ガイドと関連するナノウェル108内から発生されるものとなるようにすることができる。さらに、ナノウェルのアレイ108は、フローチャネル106内に配置される。
【0045】
複数のボンドパッド110もデバイススタック118に配置される。図2には2つのボンドパッド110のみが示されているが、1つのボンドパッドから数百のボンドパッドまで、任意の数のボンドパッド110が存在し得る。ボンドパッド110は、任意の適切な金属、例えばタングステン、銅、または他の同様の材料などのパッド金属の1つまたは複数の層(図示せず)で構成してよい。
【0046】
シリコン貫通ビア(TSV)168がボンドパッド110と電気的に接触配置される。TSV168は、ボンドパッド110からベース基板144を通ってベース基板144の底面170まで延びる。TSVはタングステンまたは他の同様の材料などの遷移金属で構成してよい。
【0047】
最配線層(RDL)172は、ベース基板144の底面170上に配置される。RDL172はTSV168と電気的に接触する。RDLは、タングステン、銅、金、ニッケル、または他の同様の材料などの遷移金属で構成してよい。
【0048】
第1の環境保護層174がRDL172の第1の部分176の上に配置される。第1の環境保護層は、ポリイミドで構成してよい。
【0049】
機械的支持構造178が第1の環境保護層174上に配置される。機械的支持層178は、シリコンウェハ、ガラスウェハ、または他の同様の材料などのウェハで構成してよい。
【0050】
ワイヤ180は、RDL172の第2の部分182に電気接点接合されてワイヤボンド184を形成する。これは、ワイヤボンディング、はんだバンプボンディングによって、または他の周知のワイヤ接続技術を用いて共晶金属ボンドを形成することにより行うことができる。ワイヤ180は、銅などの導電性材料、または他の同様の材料からなるものとしてよい。
【0051】
第2の環境保護層186がRDL172の第2の部分182の上に配置され、第1および第2の環境保護層174、186はRDL172全体を覆う。第2の環境保護層186は、ポリマー、例えばエポキシ、UV硬化性ポリマー、または他の同様の材料で構成してよい。
【0052】
制御反応プロトコルの動作中、ナノウェル108は蛍光分子標識136でタグ付けされた検体128を受け取る。蛍光標識136はフローチャネル106を流れる流体フロー134により検体に送達される。蛍光標識136が放射光138に応答して放射光140を発生する。放射光140の光子は、ナノウェル108からパッシベーションスタック114を通って、真下に位置し得る光ガイド150の上面158に伝達される。放射光の光子140はその後、関連する光ガイド150によって、光ガイド150の真下に位置する関連する光検出器146に導かれる。関連する光検出器146は、放射光140の光子を検出する。さらに、デバイス回路148は光検出器146と統合され、検出された放射光の光子を処理し、検出した放射光の光子を用いてデータ信号を提供する。デバイス回路148はボンドパッド110とも統合され、データ信号をボンドパッド110、TSV168を通してベース基板114の底面170に位置するワイヤ180から送信し、それらのデータ信号はその後分析することができる。
【0053】
多くのそのような制御反応プロトコル中に、流体フロー134はボンドパッド110の露出領域を損傷および/または腐食する可能性がある。しかし、図2のこの例では、ボンドパッド110は、ボンドパッド110の上に配置されたパッシベーションスタック114により保護される。すなわち、パッシベーションスタック114がフローチャネル106とボンドパッド110との間に配置されるので、フローチャネル106はボンドパッド110の上に配置することができる。さらに、フローセル102の面積をボンドパッド110の上まで拡大して、センサシステム100の設置面積を増大することなくフローチャネル106内に配置されるナノウェル108の数を増大し、センサシステム100のスループットを高めることができる。
【0054】
図3を参照すると、製造の中間段階におけるセンサシステム100の一例の断面側面図が示されている。プロセスフローのこの段階において、デバイススタック118および画像層142がそれぞれベース基板層144の上に配置される。
【0055】
画像層は、その中に配列された光検出器146のアレイを含む。画像層142は、化学堆積(CVD)または物理堆積(PVD)などのいくつかの堆積技術のいずれかを使用してベース基板144上に配置することができる。
【0056】
デバイススタック118の複数の誘電体層(図示せず)も、関連するデバイス回路148とともに、堆積技術を使用して画像層142上に配置することができる。その後、遮光層152および反射防止層154を、CVD、PVD、原子層堆積(ALD)または電気めっきなどの任意の適切な堆積技術を使用してデバイススタック118上に配置することができる。
【0057】
その後のプロセスフローにおいて、光ガイド開口部188のアレイがデバイススタック118にエッチングされる。これは、反応性イオンエッチング(RIE)などの異方性エッチングプロセスなどの任意の適切なエッチングプロセスを使用して行うことができる。本開示におけるエッチングプロセスは、リソグラフィパターニングなどのパターニングを含んでよい。
【0058】
次に、保護ライナー層156を、開口部188の内面を含む部分的に形成された画像センサ構造104の上に配置することができる。これは、CVD、PVD、またはALDなどの任意の適切な堆積技術を使用して行うことができる。
【0059】
その後のプロセスフローにおいて、光ガイド層(図示せず)が、開口部188を埋めるように構造100全体の上に配置される。光ガイド層は、励起光138の既知の波長を除波し放射光140の既知の波長を透過する有機フィルタ材料により構成することができる。
【0060】
その後、光ガイド層は平坦化されて光ガイド開口部188内の光ガイド150のアレイの形成を完了する。各光ガイド150は、光検出器のアレイの少なくとも1つの光検出器146と関連する。これは、化学機械研磨プロセスなどの任意の適切な研磨技術を使用して行うことができる。
【0061】
図4を参照すると、ボンドパッド110がデバイススタック118に配置される。これは、最初にデバイススタック118をリソグラフィでパターン化しエッチングして、デバイススタック118にボンドパッド開口部190を形成することにより行うことができる。その後、ボンドパッド110を形成するために、ALDプロセスなどの任意の適切な堆積技術を使用して、ボンドパッド金属の様々な層(図示せず)をボンドパッド開口部190に配置することができる。
【0062】
ボンドパッド110が形成されたら、その上面120を電気プロービングのために露出させて電気プロービングのためにアクセス可能にするができる。電気プロービングによってセンサシステム100に一連の承認試験(導通試験など)を行うことができる。
【0063】
図5を参照すると、その後のプロセスフローにおいて、パッシベーションスタック114の少なくとも一部が、デバイススタック118およびボンドパッド110の上に配置される。図5に示す特定の実施形態では、第1パッシベーション層160が、第1パッシベーション層160の底面116が光ガイド150の上面158と直接接触するように、光ガイド150のアレイの上に配置される。次に、第1のパッシベーション層160の上に第1の化学保護層162を配置することができる。次に、第1の化学保護層162の上に第2のパッシベーション層164を配置することができる。これらのプロセスのそれぞれは、CVDまたはPVDなどの任意の適切な堆積プロセスによって行うことができる。第1の化学保護層162ならびに第1および第2のパッシベーション層160、164は、パッシベーションスタック114の少なくとも一部を形成する。このときパッシベーションスタック114の一部はボンドパッド110を覆うことができる。
【0064】
図6を参照すると、その後のプロセスフローにおいて、ナノウェルのアレイ108がパッシベーションスタック114の最上層112に形成される。各ナノウェル108は、光ガイドのアレイ内の1つの光ガイド150に関連付けられる。
【0065】
図6に示す特定の例では、これは、その後、第2のパッシベーション層164にナノウェル108のアレイをリソグラフィでパターン化しエッチングすることにより行われる。次に、第2のパッシベーション層164の上に第2の化学保護層166を配置する。第2の化学保護層166は、CVD、PVD、ALDなどの任意の適切な堆積プロセスを用いて堆積することができる。
【0066】
第2の化学保護層166はパッシベーションスタック114の最上層112である。第2の化学保護層166は、パッシベーションスタック114の最上層にナノウェル108を形成するためにパッシベーション層164にエッチングされたナノウェル108にコンフォーマルである。
【0067】
図7を参照すると、その後のプロセスフローにおいて、ベース基板144は所定の厚さまで薄くされる。これは、化学機械研磨(CMP)プロセスまたは研削プロセスなどの任意の適切な研磨プロセスによって行うことができる。
【0068】
薄くされると、TSV168がベース基板144の底面170からエッチングされる。TSV168はベース基板144の底面170からボンドパッド110まで延びるようにエッチングされる。これは、RIEプロセスなどの任意の適切なエッチングプロセスによって行うことができる。
【0069】
次に、TSV168はボンドパッド110と電気的に接触させるためにめっきされる。これは、電気めっきプロセスなどの任意の適切なめっきプロセスによって行うことができる。
【0070】
図8を参照すると、その後のプロセスフローにおいて、RDL172がベース基板144の底面170に配置される。これは、最初に底面170全体にRDL172を配置し、次にRDLを所定の形状にリソグラフィでパターン化しエッチングすることにより行うことができる。
【0071】
図9を参照すると、その後のプロセスフローにおいて、RDL172の第1の部分176の上に第1の環境保護層174が配置される。これは、CVDまたはPVDなどの任意の適切な堆積プロセスによって行うことができる。RDL172の第2の部分182は、ワイヤ180のための1つ以上のボンディング部位として露出されたままである(図13に最もよく示されている)。
【0072】
図10を参照すると、その後のプロセスフローにおいて、機械的支持構造178が第1環境保護層174上に接合される。これは、接着剤によるなどの物理的接合または他の機械的接合プロセスによって行うことができる。
【0073】
その後、RDL172の露出した第2の部分182をセンサシステム100のその後の処理中保護するために、これらの第2の部分182の上に一時的な保護層194が配置される。一時的な保護層194はレジスト材料で構成してよい。一時的保護層194は、テープ、ガラスまたはシリコンウェハを取り外し可能な感圧接着剤の層で接合するなどのいくつかの一時的プロセスによって配置してもよいが、これらに限定されない。一時的保護層194はまた、溶媒可溶性ワックスのコーティングの形態にしてもよい。
【0074】
図11を参照すると、その後のプロセスフローにおいて、ヒドロゲル層126がナノウェル108に配置される。ヒドロゲル層は、シランフリーアクリルアミド(SFA)ポリマー、メタクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリレートまたはN-ビニルピロリジノンなどの任意の適切なポリマーから構成され得る。この全面堆積プロセスにはいくつかのプロセス、例えば、
・パッシベーションスタック114の最上層112をヒドロゲル126でスピンコーティングするプロセス;
・ヒドロゲル126を硬化するプロセス;および
・ヒドロゲル126が少なくとも実質的にナノウェル108の内面に配置されるようにヒドロゲル126をCMPするプロセス;
などを利用することができるが、これに限定されない。
【0075】
図12を参照すると、その後のプロセスフローにおいて、フローセル102がパッシベーションスタック114の最上層112の上に配置され、それらの間にフローチャネル106が形成され、そのフローチャネルがナノウェル108およびボンドパッド110のアレイの上に配置されるようにする。これは、接着剤接合または他の接合プロセスなど、任意の適切な接合プロセスによって実行することができる。
【0076】
図13を参照すると、その後のプロセスフローにおいて、一時的な保護層194を除去して、RDL172の第2部分182を露出させることができる。これは、レジスト剥離またはウェットまたはドライエッチングなどの任意の適切な除去プロセスによって行うことができる。
【0077】
その後、ワイヤ180をRDL172の第2の部分182にボンディングし、ボンディングされたワイヤ180をワイヤボンド184によりRDL172と電気的に接触させることができる。これは、ワイヤボンディングにより、はんだバンプワイヤボンド184を形成するはんだバンプボンディングにより、または他のワイヤボンディングプロセスを使用して、共晶金属接合を形成することによって行うことができる。
【0078】
図14を参照すると、その後のプロセスフローにおいて、第2環境保護層186がRDL172の第2の部分182の上に配置される。第2の環境保護層186および第1の環境保護層174はRDL172を完全に覆う。これは、CVDやPVDなどの任意の適切な堆積プロセスにより行うことができる。
【0079】
第1および第2の環境保護層174、186は、RDL172に取り付けられたワイヤ180およびワイヤボンド184も安定化し保護する。さらに、第2の環境保護層の堆積によりセンサシステム100の形成は完了する。
【0080】
前述のコンセプトのすべての組み合わせは(それらのコンセプトが互に矛盾しなければ)本明細書に開示される発明の主題の一部とみなせることを理解されたい。特に、本開示の最後に記載の請求の範囲に記載された主題のすべての組み合わせは、本明細書に開示された発明の主題の一部であるとみなせる。
【0081】
前述の例は特定の例を参照して記載したが、記載した発明の概念の精神および範囲内において多くの変更をなし得ることは理解されよう。したがって、本発明の実施例は記載した実施例に限定されず、特許請求の範囲の文言によって特定される全範囲を含むことが意図されている。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14