特許第6849857号(P6849857)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6849857
(24)【登録日】2021年3月8日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】首振り装置及びタワーファン
(51)【国際特許分類】
   F04D 25/10 20060101AFI20210322BHJP
   F04D 25/08 20060101ALI20210322BHJP
【FI】
   F04D25/10 302T
   F04D25/08 A
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-511848(P2020-511848)
(86)(22)【出願日】2017年12月25日
(65)【公表番号】特表2020-518766(P2020-518766A)
(43)【公表日】2020年6月25日
(86)【国際出願番号】CN2017118392
(87)【国際公開番号】WO2019033674
(87)【国際公開日】20190221
【審査請求日】2019年11月5日
(31)【優先権主張番号】201710712629.2
(32)【優先日】2017年8月18日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519394207
【氏名又は名称】グリー エレクトリック アプライアンスィズ(ウーハン)カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】516089359
【氏名又は名称】グリー エレクトリック アプライアンスィズ,インコーポレーテッド オブ ジュハイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルオ,ハンビン
(72)【発明者】
【氏名】パン,ウェンカン
(72)【発明者】
【氏名】カオ,リン
(72)【発明者】
【氏名】ラオ,チェンユン
(72)【発明者】
【氏名】リン,イエシェン
(72)【発明者】
【氏名】ルー,ヤオジェン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,シュアイ
(72)【発明者】
【氏名】マオ,シャオパン
【審査官】 松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−181893(JP,A)
【文献】 特開2015−092071(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0123391(US,A1)
【文献】 中国実用新案第202452067(CN,U)
【文献】 米国特許第07568884(US,B2)
【文献】 特開2005−133551(JP,A)
【文献】 特開2008−145065(JP,A)
【文献】 特開昭62−022915(JP,A)
【文献】 中国実用新案第204357733(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D1/00−13/16
F04D17/00−19/02
F04D21/00−25/16
F04D29/00−35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定アセンブリと、
前記固定アセンブリに回動可能に取り付けられる回動アセンブリと、
前記回動アセンブリに取り付けられるとともに、前記固定アセンブリに対して往復回動するように前記回動アセンブリを駆動可能である駆動アセンブリ(50)と、を備える首振り装置であって、
前記固定アセンブリと前記回動アセンブリとの間に設けられるとともに、前記固定アセンブリおよび前記回動アセンブリのそれぞれと転がり嵌合する転がり体アセンブリをさらに備え
前記固定アセンブリに設けられるとともに、前記転がり体アセンブリと嵌合するための第1の転がり溝(11)と、
前記回動アセンブリに設けられるとともに、前記転がり体アセンブリと嵌合するための第2の転がり溝(31)と、をさらに備え、
前記第1の転がり溝と前記転がり体アセンブリとの間には、前記転がり体アセンブリと当接する耐摩耗リングが設けられ、前記耐摩耗リング(13)は、ポリホルムアルデヒドで一体成形される、
ことを特徴とする首振り装置。
【請求項2】
前記転がり体アセンブリは、球体アセンブリであり、
前記球体アセンブリは、球体ホルダと前記球体ホルダに設けられた球体とを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の首振り装置。
【請求項3】
前記球体ホルダには、ボール溝が設けられ、
前記ボール溝の開口での直径は、前記球体の直径よりも僅かに小さくなり、前記ボール溝の中間部での直径は、前記球体の直径よりも僅かに大きくなる、
ことを特徴とする請求項2に記載の首振り装置。
【請求項4】
記第2の転がり溝(31)には、転がり体アセンブリと当接する耐摩耗リング(13)が設けられる、
ことを特徴とする請求項に記載の首振り装置。
【請求項5】
前記駆動アセンブリ(50)には、前記回動アセンブリの回転中心軸線となる回動軸(511)が設けられ、
前記固定アセンブリには、前記回動軸(511)と嵌合する回動孔(15)が設けられ、
前記回動軸(511)に取り付けられたストッパをさらに備え、
前記回動軸(511)が前記回動孔(15)を通過した後、前記ストッパが前記回動軸(511)に取り付けられて前記固定アセンブリと当接することによって位置を規制する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の首振り装置。
【請求項6】
前記回動軸(511)の前記回動アセンブリから離れた一端に設けられる軸受体(93)をさらに備える、
ことを特徴とする請求項に記載の首振り装置。
【請求項7】
前記回動軸(511)には、係止溝が設けられ、
前記ストッパは、前記係止溝に係止された係止ばねである、
ことを特徴とする請求項に記載の首振り装置。
【請求項8】
前記回動軸(511)は、管状の軸であって、タワーファン内の電源ケーブルが通過するための貫通孔が設けられる、
ことを特徴とする請求項に記載の首振り装置。
【請求項9】
前記回動アセンブリは、回動台(30)と底板(51)とを備え、
前記回動軸(511)は、前記底板(51)に設けられ、
前記駆動アセンブリ(50)は、
前記回動台(30)に取り付けられるとともに、前記回動台(30)の回動に伴って回動可能であるモータホルダ(52)と、
前記モータホルダ(52)に取り付けられるとともに、動力を出力するモータ出力軸(531)を有するモータ(53)と、
前記モータ出力軸(531)に固定されるクランク(54)と、
前記回動軸(511)に挿通されるとともに、前記固定台(10)に固定接続される揺動レバー(55)と、
一端が前記クランク(54)に接続されるとともに、他端が前記揺動レバー(55)に接続される接続リンク(56)と、を備え、
前記モータ(53)の駆動により、前記揺動レバー(55)は前記回動軸(511)の周りに往復回動し、さらに前記回動アセンブリを往復回動させる、
ことを特徴とする請求項に記載の首振り装置。
【請求項10】
タワーファン用首振り装置である、
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の首振り装置。
【請求項11】
タワーファン用首振り装置を備えるタワーファンであって、
前記タワーファン用首振り装置は、請求項10に記載のタワーファン用首振り装置である、
ことを特徴とするタワーファン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭電器の技術分野に関し、具体的には首振り装置及びタワーファンに関する。
【背景技術】
【0002】
タワーファンは、柱形状となる新型のファンであり、その独特の柱形状のために放置の際に必要な敷地面積が小さいので、益々消費者の好評を受けてきた。しかし、タワーファンが柱形状となっているので、その機体が長くなり、さらに、そのシャーシの敷地面積が比較的に小さいので、(ファンの揺動送風を実現するための)首振り過程や運搬過程に揺れやすくなり、安定性が悪くなり、ユーザの体験に影響を与えることがある。
【0003】
また、タワーファンが揺れ、安定性が悪くなるという問題に対して、その一部の原因として、首振り装置における相対的に回動する2つの構造体同士の嵌合の安定性が不十分で揺れるとともに、首振り装置がタワーファンの底部に位置し、さらにタワーファンの上端に伝達することによってタワーファンの揺れが大きくなるからである。これに対して、従来技術では、中国特許CN203717416には、タワーファン及びその首振り装置が開示され、この首振り装置における相対的に回動する首振り取付板および首振り台座の双方にテーパ面が設けられ、首振り取付板と首振り台座との間では、2つのテーパ面の嵌合によって首振り取付板と首振り台座との嵌合隙間を小さくさせ、首振り取付板と首振り台座との嵌合面積を大きくさせ、さらに、首振り取付板と首振り台座との嵌合強度を向上させて、首振り過程におけるタワーファンの安定性を向上させた。
【0004】
しかし、タワーファンが上記のような首振り装置を採用する場合、製品の製造過程において製造精度に対する要求が比較的に高くなり、例えば、部品に成形されるテーパ面のテーパや寸法などを保証する必要があるので、製品の製造や組立が難しくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術におけるタワーファンは安定性を向上できるものの、製品の製造や組立の困難度が大きいという問題を解決できるように、安定性に優れるとともに製造や組立が簡単な首振り装置およびタワーファンを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、固定アセンブリと、前記固定アセンブリに回動可能に取り付けられる回動アセンブリと、前記回動アセンブリに取り付けられるとともに、前記固定アセンブリに対して往復回動するように前記回動アセンブリを駆動可能である駆動アセンブリと、を備える首振り装置であって、前記固定アセンブリと前記回動アセンブリとの間に設けられるとともに、前記固定アセンブリおよび前記回動アセンブリのそれぞれと転がり嵌合する転がり体アセンブリをさらに備える首振り装置を提供する。
【0007】
さらに、前記転がり体アセンブリは、球体アセンブリであり、前記球体アセンブリは、球体ホルダと前記球体ホルダに設けられた球体とを含む。
【0008】
さらに、前記球体ホルダには、ボール溝が設けられ、前記ボール溝の開口での直径は、前記球体の直径よりも僅かに小さくなり、前記ボール溝の中間部での直径は、前記球体の直径よりも僅かに大きくなる。
【0009】
さらに、前記首振り装置は、前記固定アセンブリに設けられるとともに、前記転がり体アセンブリと嵌合するための第1の転がり溝と、前記回動アセンブリに設けられるとともに、前記転がり体アセンブリと嵌合するための第2の転がり溝と、をさらに備える。
【0010】
さらに、前記第1の転がり溝及び/又は前記第2の転がり溝には、転がり体アセンブリと当接する耐摩耗リングが設けられる。
【0011】
さらに、前記耐摩耗リングは、ポリホルムアルデヒドで一体成形される。
【0012】
さらに、前記駆動アセンブリには、前記回動アセンブリの回転中心軸線となる回動軸が設けられ、前記固定アセンブリには、前記回動軸と嵌合する回動孔が設けられ、前記首振り装置は、前記回動軸に取り付けられたストッパをさらに備え、前記回動軸が前記回動孔を通過した後、前記ストッパは前記回動軸に取り付けられて前記固定アセンブリと当接することによって位置を規制する。
【0013】
さらに、前記首振り装置は、軸受体をさらに備え、前記軸受体は、前記回動軸の前記回動アセンブリから離れた一端に設けられる。
【0014】
さらに、前記回動軸には、係止溝が設けられ、前記ストッパは、前記係止溝に係止された係止溝である。
【0015】
さらに、前記回動軸は、管状の軸であって、タワーファン内の電源ケーブルが通過するための貫通孔が設けられる。
【0016】
さらに、前記回動アセンブリは、回動台と底板とを備え、前記回動軸は、前記底板に設けられ、前記駆動アセンブリは、
前記回動台に取り付けられるとともに、前記回動台の回動に伴って回動可能であるモータホルダと、
前記モータホルダに取り付けられるとともに、動力を出力するモータ出力軸を有するモータと、
前記モータ出力軸に固定されるクランクと、
前記回動軸に挿通されるとともに、前記固定台に固定接続される揺動レバーと、
一端が前記クランクに接続されるとともに、他端が前記揺動レバーに接続される接続リンクと、を備え、
前記モータの駆動により、前記揺動レバーが前記回動軸の周りに往復回動し、さらに前記回動アセンブリを往復回動させる。
【0017】
さらに、前記首振り装置は、タワーファン用首振り装置である。
【0018】
また、本発明は、タワーファン用首振り装置を備えたタワーファンであって、前記タワーファン用首振り装置は、上記のようなタワーファン用首振り装置であるタワーファンを提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の技術内容によれば、以下の利点を有する。
【0020】
すなわち、本発明が提供する首振り装置及びタワーファンでは、固定アセンブリと回動アセンブリとの間に転がり体アセンブリが設けられ、固定アセンブリと回動アセンブリとの回動嵌合は、回動アセンブリと転がり体アセンブリとの回動嵌合、および固定アセンブリと転がり体アセンブリとの転がり嵌合によって実現されることによって、これらの嵌合過程における接触方式は点接触または線接触となるので、タワーファンの首振り過程はより円滑かつ安定となり、従来技術では2つのテーパ面の嵌合を採用することに対して、固定アセンブリおよび回動アセンブリの部品にテーパ面を加工する必要がなくなるので、これに起因する製造や組立の困難度が大きくなるという問題が回避され、加工精度を高く制御する必要がなくなり、タワーファン全体が揺れて安定性が不十分となるという問題が回避される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明を実施するための形態または従来技術の技術手段をより明瞭に説明するために、以下では本発明を実施するための形態または従来技術の説明に使用される図面を簡単に説明するが、以下に説明する図面は本発明のいくつかの実施形態であり、当業者にとっては、創造的な労働を付与することなく、これらの図面に基づいて他の図面を得られることは自明なことである。図面において、
図1図1は本発明の実施例に係るタワーファン用首振り装置の組立構造を示す模式図である。
図2図2図1に示すタワーファン用首振り装置の分解構造を示す模式図である。
図3図3図1に示すタワーファン用首振り装置における回動台の構造を示す模式図である。
図4図4図1に示すタワーファン用首振り装置における固定台の1つの構造を示す模式図である。
図5図5図1に示すタワーファン用首振り装置における固定台の別の構造を示す模式図である。
図6図6図1に示すタワーファン用首振り装置における鋼球ホルダの構造を示す模式図である。
図7図7図1に示すタワーファン用首振り装置における耐摩耗リングの構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[関連出願]
本出願は、2017年08月18日に出願された、出願番号が201710712629.2であり、発明の名称が「首振り装置及びタワーファン」である中国特許出願に基づく優先権を主張し、その全文の内容を参照することにより本出願に組み込む。
【0023】
以下、本発明の技術内容について図面を参照しながら明瞭かつ完全に説明するが、以下に説明する実施例は本発明の全ての実施例ではなく、その一部の実施例に過ぎないことは言うまでもない。また、当業者が本発明の実施例に基づいて創造的な労働を付与せずに得られる他の実施例も全て本発明の保護範囲に含まれる。
【0024】
なお、本発明の説明において、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「内」、「外」等の用語が表す方位または位置関係は、図面に示す方位または位置関係に基づいたものであって、本発明を容易に説明するとともに説明を簡素化するためのものに過ぎなく、それが表す装置または部品が必ず特定の方位を有し、かつ特定の方位で構成や操作しなければならないことを意味または暗示しないので、本発明を限定するものであると理解されることができない。また、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、単に説明のためのものであり、相対的な重要性を意味又は示唆するものであると理解されることができない。
【0025】
(実施例1)
図1及び図2に示すように、本実施例における首振り装置100は、具体的にタワーファンの運転中の首振り過程に応用されるタワーファン用首振り装置100であって、主に固定アセンブリと、回動アセンブリと、駆動アセンブリ50と、固定アセンブリと回動アセンブリとの間に設けられる転がり体アセンブリとを備える。
【0026】
具体的には、固定アセンブリは、タワーファンの台座部に接続され、回動アセンブリは、固定アセンブリに回動可能に取り付けられている。駆動アセンブリ50は、回動アセンブリに取り付けられるとともに、固定アセンブリに対して往復回動するように回動アセンブリを駆動することができる。転がり体アセンブリは、固定アセンブリと回動アセンブリとの間に設けられるとともに、固定アセンブリおよび回動アセンブリのそれぞれと転がり嵌合する。これにより、本実施例における首振り装置100は、固定アセンブリと回動アセンブリとの間に転がり体アセンブリが設けられ、固定アセンブリと回動部品との回動嵌合は、回動アセンブリと転がり体アセンブリとの回動嵌合、および固定アセンブリと転がり体アセンブリとの転がり嵌合によって実現され、これらの嵌合過程における接触方式が点接触または線接触となるので、タワーファンの首振り過程はより円滑かつ安定となり、従来技術では2つのテーパ面の嵌合を採用することに対して、固定アセンブリおよび回動アセンブリの部品にテーパ面を加工する必要がなくなるので、これに起因する製造や組立の困難度が大きくなるという問題が回避され、加工精度を高く制御する必要がなくなり、タワーファン全体が揺れて安定性が不十分となるという問題が回避される。
【0027】
具体的には、本実施例における転がり体アセンブリは、具体的には球体アセンブリであり、この球体アセンブリは、球体ホルダと球体ホルダに設けられた球体とを含み、固定アセンブリと回動アセンブリとの間では球体アセンブリによって首振り過程を円滑かつ安定にさせる。
【0028】
好ましくは、球体ホルダにボール溝が設けられ、ボール溝の開口での直径が球体の直径よりも僅かに小さくなることにより、球体がボール溝から外れることを回避することができ、球体アセンブリの安定性がよりよくなる。また、ボール溝の中間部での直径が球体の直径よりもわずかに大きくなることにより、球体アセンブリが転がり過程においてより円滑に転がることができる。
【0029】
また、球体アセンブリは、より具体的には鋼球アセンブリ70であり、鋼球アセンブリ70は、鋼球ホルダ71と鋼球73とを含み、鋼球73は鋼球溝711に収納される。さらに、首振り装置100は、首振り過程において円滑に回動可能である以外、固定アセンブリと回動アセンブリとの接続箇所の剛性もよりよくなるので、タワーファンの搬送や首振り等の過程において固定アセンブリおよび回動アセンブリの剛性の不足による揺れなどの問題が改善される。また、鋼球73の剛性特性により鋼球73の弾性変形が小さいため、タワーファンの剛性がより良くなり、傾きが発生しにくくなり、安定性がより良好となる。また、鋼球アセンブリ70は、具体的には固定アセンブリの固定台10に係止固定され、回動アセンブリが固定アセンブリに対して回動する過程において、鋼球ホルダ71が不動であり、鋼球73が鋼球溝711内を転がる。
【0030】
当然、転がり体アッセンブリは、球体アセンブリを採用する以外に、ころアセンブリであってもよく、本体をなすころが固定アセンブリと回動アセンブリとの間で運動することにより、同様に本発明の目的を達成することができる。
【0031】
好ましくは、首振り装置100は、固定アセンブリに設けられるとともに、転がり体アセンブリと嵌合するための第1の転がり溝11と、回動アセンブリに設けられるとともに、転がり体アセンブリと嵌合するための第2の転がり溝31とをさらに備え、回動アセンブリが固定アセンブリに対して回動する過程において、転がり体アセンブリにおける転がり体が第1の転がり溝11および第2の転がり溝31に収納されることにより、首振り過程における回動アセンブリの安定性をより良好となる。
【0032】
好ましくは、第1の転がり溝11及び/又は第2の転がり溝31に転がり体アセンブリと当接する耐摩耗リング13が設けられ、耐摩耗リング13は、ポリホルムアルデヒドで一体成形され、鋼球73は、具体的に耐摩耗リング13と接触して転がることにより、さらにタワーファンの首振り過程における抵抗を小さくし、使用寿命がより長くなる。
【0033】
固定アセンブリ、回動アセンブリ及び駆動アセンブリ50がどのように固定されるかについては、具体的には、駆動アセンブリ50には、回動アセンブリの回転中心軸線となる回動軸511が設けられ、固定アセンブリには、回動軸511と嵌合する回動孔15が設けられ、首振り装置100は、回動軸511に取り付けられたストッパとしての係止ばね91をさらに備え、これと対応して、回動軸511には係止溝が設けられ、ストッパは回動軸511における係止溝に係止され、具体的には固定台10の係止ばね溝16に収納され、回動軸511が回動孔15を挿通した後、係止ばね91は回動軸511に取り付けられて固定アセンブリに当接することで位置を規制する。
【0034】
好ましくは、首振り装置100は、軸受体93をさらに備え、軸受体93は、回動軸511の回動アセンブリから離れた一端に設けられ、具体的には固定台10の軸受溝17内に取り付けられ、軸受体93と回動軸511との嵌合時の隙間を非常に小さくすることができるので、回動アセンブリが回動する過程においてタワーファン全体の揺れを減少することができる。
【0035】
好ましくは、回動軸511は、管状の軸であって、タワーファン内の電源ケーブルが通過するための貫通孔が設けられ、さらに、貫通孔を利用してタワファンーの内部構造を簡素化させることができる。
【0036】
具体的には、回動アセンブリがどのように駆動アセンブリ50の駆動により往復揺動するかについては、具体的には、回動アセンブリは、回動台30と底板51とを備え、回動軸511は、底板51に設けられている。また、駆動アセンブリ50は、回動台30に取り付けられるとともに、回動台30の回動に伴って回動可能であるモータホルダ52と、モータホルダ52にネジによって取り付けられるとともに、動力を出力するモータ出力軸を有するモータ53と、モータ出力軸531に固定されるクランク54と、回動軸511が挿通されるとともに、固定台10に固定接続される揺動レバー55と、一端がクランク54に接続されるとともに、他端が揺動レバー55に接続される接続リンク56とを備える。このように、クランク54、揺動レバー55および接続リンク56によって四棒リンク機構が形成され、モータ53の駆動によって揺動レバー55が回動軸511の周りに往復回動し、さらに回動アセンブリを往復回動させる。
【0037】
本実施例は、タワーファン用首振り装置100を備えるタワーファンをさらに提供し、このタワーファン用首振り装置100は、上記のようなタワーファン用首振り装置100であり、さらに、タワーファンは、安定性に優れるという利点を有する。
【0038】
なお、上記の実施例は単に明瞭に説明するための例示にすぎなく、実施形態を限定するものではないことは言うまでもない。当業者であれば、上記説明に基づいて他の異なる形態の変化や変動を実現することも可能である。ここで全ての実施形態を網羅する必要がなくかつ不可能であるが、それから派生した明らかな変化又は変動も本発明の保護範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0039】
なお、上記図面における符号は、以下のとおりである。
【0040】
100:首振り装置、10:固定台、11:第1の転がり溝、13:耐摩耗リング、15:回動孔、16:係止バネ溝、17:軸受溝、30:回動台、31:第2の転がり溝、50:駆動アセンブリ、51:底板、511:回動軸、52:モータホルダ、53:モータ、531:モータ出力軸、54:クランク、55:揺動レバー、56:接続リンク、70:鋼球アセンブリ、71:鋼球ホルダ、711:鋼球溝、73:鋼球、91:係止バネ、93:軸受体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7