【発明が解決しようとする課題】
【0005】
出願人が特許文献1で提案している「中容器を有する包装用容器」は、「作り立ての収納物自体から滴り出した油や液汁が再び収納物に吸収されてしまうことを防止することの
できる包装用容器を、簡単な構成によって提供する」ことを目的としてなされたもので、
図10に示すように、「上方からのものを支持する支持部12を有した容器本体10と、支持部上に係止部によって支持されて、底部に通孔を形成した中容器20と、容器本体または中容器側に係止される蓋体30とを備える」ものであり、要約にも記載されているように、「容器本体の底面21のコーナー部に脚部を膨出形成するとともに、容器本体の底面21の中央部分を僅かに下方へ膨出させた」ものである。この特許文献1で提案した「3点式容器」は、収納物を別々に区画して収納するものではないが、「作り立ての収納物自体から滴り出した油や液汁」を中容器20の下方に落とし込むようにするものである。
【0006】
特許文献2にて提案されている3点式容器である「麺容器」は、
図11にも示すように、「具材を入れるための無発泡の合成樹脂シートから成形した中容器と、調理済麺を入れるための発泡または無発泡の合成樹脂シートから成形した断熱性の高い外容器からなる食品包装用容器において、該中容器の底面の一部がスープ袋を収納できる一段と深い凹部に成形され、該凹部の底面が中容器の他の部分の底面より低くなっていて、麺を温めるために注いだ湯に、該凹部が浸されるようになっていること」を特徴とするものである。
【0007】
この特許文献2の「麺容器」は、当該文献2の段落0004〜0005に記載されているように、「麺を温める湯でスープを積極的に温める(当該特許文献2がいう従来技術の)麺容器は、中容器の一部を切り取り、この切り取った穴にカップを嵌め、そのカップの中にスープを収納してカップの上縁をフィルム等でシールしておき、そのカップの下方を、麺を温めるために入れた湯の中に浸漬するようにしておいて、この湯の熱により中に収納したスープを温め、次に麺を温めた湯を捨てて、新たに麺の入った外容器に湯を注ぎ、ついで温まったスープを入れる方式である。上記方式の麺容器は、…スープ製造業者においてスープ充填後にシールを行ったり、専用のカップを用いて行わなければならない等、スープを袋に入れて収納する方式と比べて、製作工程が煩瑣になると共に製作コストも上昇することが避けられない。一方、…衛生管理上や衛生観念上好ましくない」といった経緯に基づいてなされたものであり、上記のようにした結果、「特別な設備を追加する必要がなく経済的で、かつ簡便にスープを温めることができ、喫食に際しスープを混合したときの湯の温度低下を効果的に防止する湯かけ麺用の麺容器を提供すること」ができたものである。
【0008】
また、特許文献3には、
図12に示すように、「合成樹脂材料にて成形され、少なくとも下容器、中容器及び蓋を有する包装用容器であって、下容器の口縁に係止部を設け、この係止部に係止可能な凸部を、蓋の口縁に形成した垂下部分に設けており、中容器には、口縁端部を上記蓋の垂下部分に係止可能な構造を設けていることを特徴とする包装用容器」が提案されているのであるが、この「包装用容器」は、「下容器、中容器、蓋からなる包装用容器において、下容器から中容器を取外し易くしており、また、中容器を安定良く支持することができる包装用容器を提供することを目的」として、上記のような構成のものとして提案されたのである。
【0009】
要するに、従来より特許文献1〜3等において提案されている「3点式容器」は、
・作り立ての収納物(食品)自体から滴り出した油や液汁が再び収納物に吸収されてしまうことを防止する(特許文献1)
・特別な設備を追加する必要がなく経済的で、かつ簡便にスープを温めることができ、喫食に際しスープを混合したときの湯の温度低下を効果的に防止する(特許文献2)
・下容器(以下で言う容器本体)から中容器を取外し易くしており、また、中容器を安定良く支持することができる(特許文献3)
ことをそれぞれ目指しているのであるが、その基本思想は、やはり、収納空間を容器本体及び中容器によって区画することにより、収納物(食品)を個別に収納することである。
【0010】
勿論、複数種類の収納物あるいは食品を、容器本体及び中容器によって区画した複数の部分に個別に収納することは、それはそれで意味のあることであるが、この種の「3点式容器」について近年の消費者が望んでいることには次のような変化がある。
【0011】
近年の消費者の望みは、合成樹脂シートからなる「3点式容器」についても、単なる「使い捨てイメージ」から、「少しでも豪華さを感じさせる食事を楽しみたい」あるいは「この容器は料理全体の豪華さが演出されているな、と感じたい」というように変化してきており、なおかつ、「リーズナブルなコストパフォーマンスがあるネ」という理由も必要としてきているのである。これに対して、上述した従来の「3点式容器」は、消費者が食する種々な食品を、隙間無くギッシリと詰めることができるという効率性はあるものの、豪華さに欠けるという嫌いがあったことは否めない。
【0012】
換言すれば、消費者にとってみれば、所謂「コンビニ弁当」を買って帰る「中食」よりもやはり「外食」したいという思いがあり、かといって、外食で漆塗りの容器に入った「懐石料理」や「丼物」を食べるという程にお金を掛けたくない。容器の使用自体にお金を掛けるのは無駄であるし、容器自体が安っぽいのものであれば、豪華な食事というわけにはいかないからである。
【0013】
なお、本発明者等の調査によると、店内で食される食品としては、次の表1に示すように、米飯を使用する「丼物」や「お重物」が好まれるようになってきている。この表1では、店内にて食される米飯商品を、「丼・重」(米飯を使用する丼物やお重物)、「弁当」、及び「その他」として、販売数をカウントして結果を%で表している。
【表1】
この表1から分かるように、米飯商品である「丼・重」は、2012年秋から2015年秋までの3年間で約9%上昇しており、同時期の「弁当」では、約15%下降していて、近年「丼・重」が店内で食されるものとして人気が高まってきている。
【0014】
一方で、そのような外食を作り販売する店側にとっては、その製造作業を容易に行うことができなければ、例え使い捨て容器としての「3点式容器」を採用したとしても、料理提供原価の低下をより強力に行うことはできない。食事時ともなれば、外食をしたい消費者が集中するから、短い時間内で料理が出せるようにしておかなければならないからである。
【0015】
また、上述したように、店内で食事をする顧客にしてみれば、容器自体が安っぽいのものであれば豪華な食事をしたと感じられないのであるから、合成樹脂シートを材料として成形した「3点式容器」であっても、ある程度豪華な食事として楽しむことができるようになっていて欲しい。そうなると、この種の3点式容器に「模様」を付けて、容器自体に豪華さが現れるようにすることが考えられる。
【0016】
合成樹脂シートを材料として成形した容器に模様を付す方法としては、材料である合成樹脂シートに「印刷」を施しておくことが考えられるが、この方法だと豪華さを醸し出すことは困難であると考えられる。何故なら、合成樹脂からなる容器に印刷を施すだけでは
、あまりにも一般的であることと、容器全体がノッペリしたままになっていることによって、「豪華さ」とはほど遠い模様とならざるを得ないからである。
【0017】
そこで、本発明者等は、「3点式容器」を構成する合成樹脂シートの「地色」を有効に利用しながら、乱反射が期待できる複雑な面によって模様を形成すべく、様々な試作を行った。これらの様々な試作で知見できたことは、複雑な面によって模様を形成する場合に、模様を複雑化すると豪華さは出せるが、所謂「型抜き」時に模様が消失してしまうことであった。
【0018】
この「型抜き」時に模様が消失してしまうという問題は、例えば特許文献4にその1つの解決策が見い出せる。この特許文献4で提案されている「耐陰圧性に優れた熱成形容器及びその製造方法」では、「成形金型からの型抜きが容易であるような比較的凹凸の少ない多面体壁でありながら、耐陰圧性の向上が著しく、しかも貯蔵時或いは輸送時においては小容積へのスタックも可能であるプラスチック圧空乃至真空成形容器及びその製造方法を提供する」ことを目的としてなされたもので、
図13に示すように、「プラスチックを熱時圧空または真空成形して成るカップ状の熱成形容器を製造する際、カップの胴部に周状多面体壁を形成し、この多面体壁を構成単位面と、構成単位面同士が接する境界稜線と、境界稜線同士が交わる交叉部とを有するようにし、この境界稜線及び交叉部を構成単位面に比して相対的に容器外側に凸となるようにし、構成単位面を対向する交叉部間で窪んだ部分を有するようにし、構成単位面の周方向に隣合った容器軸方向配列を位相差をなすようにし、且つ構成単位面の各寸法を、カップのテーパ角度及びプラスチックの熱収縮率との関係で一定範囲とする」ものである。
【0019】
しかしながら、この特許文献4の「容器及びその製造方法」では、対象が「カップ状の熱成形容器」であるから、その型抜き方向は当該容器の中心軸線方向とならざるを得ず、各模様(
図13では、構成単位面1となる)は、上記目的の項でも記載されているように、「比較的凹凸の少ない多面体壁」としなければならない。それだけでなく、上記型抜き方向を考えれば、各「構成単位面1」に、所謂「アンダーカット部」が形成されることになって、この「アンダーカット部」を構成するための型の特に「凸部分」が模様の一部を潰しながら抜き出させることになる。つまり、折角型成形した模様が型抜き時に潰れて、シッカリとした模様にはならないのである。そうなると、各模様は、「比較的凹凸の少ない多面体壁」であることと、型抜き時に潰されてしまうこと、によって「豪華さ」を演出することができなくなってしまうのである。
【0020】
そこで、本発明者等は、合成樹脂シートを材料として成形した「3点式容器」であっても、その側壁の一部に豪華な凹凸模様を存在させることによって、ある程度豪華な食事として楽しむことができ、食器にはお金は掛かっていないなと消費者がリーズナブル性に納得でき、「中食」にはない良い雰囲気で外食を楽しむことのできる容器とするにはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、本発明を完成したのである。
【0021】
すなわち、本発明の目的とするところは、合成樹脂シートを材料として安価に提供でき、側壁の一部に豪華な凹凸模様を存在させることができて使い捨てもできる「3点式容器」であって、店内にてある程度豪華な食事として楽しむことができる、中容器を備えた包装用容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
以上の課題を解決するために、まず、請求項1に係る発明の採った手段は、後述する最良形態の説明中で使用する符号を付して説明すると、
「底面11から立ち上がる側面12の上端縁にフランジ部13を有する容器本体10の少なくとも側面12の
表面から窪んだ一部に模様40を形成した包装用容器100であって、
模様40を
構成している各単一模様40Aの
平面部は、傾斜を同一としながら連続したものとするとともに、かつ、
底面11に一番近い平面部から上方になるに従って階段状に位置させながら側面12の表面に順次漸近させたことを特徴とする包装用容器100」
である。
【0023】
この請求項1に係る包装用容器100は、少なくとも容器本体10からなるものであるが、
図2、
図3、及び
図5の(c)に示すように、容器本体10の少なくとも側面12に模様40を形成したものである。
【0024】
この模様40は、後述する実施形態である包装用容器100の、容器本体10、中容器20、あるいは蓋体30の何れか1つまたは2つに形成してもよいが、3点全部に形成してもよく、後述する実施形態では、一番外側になっていて、目立つものであるという点から、容器本体10にのみ形成したものである。また、実施形態では、この容器本体10でも、その長辺側側面12が人目を引くことに着目して、この長辺側側面12に模様40を形成してあるが、この形成位置は限定されることはない。これが、包装用容器100を構成している少なくとも容器本体10の、少なくとも側面12に模様40を形成した意味である。
【0025】
さて、包装用容器100を構成している容器本体10の少なくとも側面12に形成した模様40であるが、この模様40は、
図5の(c)、
図8の(b)〜(d)等に示すように、平面部を有する単一模様40Aの多数を、その各平面部の傾斜が同一となるようにしながら連続させたものである。この模様40は、
図9の(a)〜(c)示すように、種々な形状のものが考えられるが、これを構成しているそれぞれの単一模様40Aが平面部を有していることが必要である。各平面部は、
図9の(a)〜(c)では、一番下の列で言うと、線で囲まれた部分である。
【0026】
そして、当該模様40を構成している各単一模様40Aの平面部は、
図8の(b)〜(d)に示すように、その傾斜を同一としながら階段状に連続したものであるが、これら各平面部の延長傾斜線が側面12の延長傾斜線に上方側で交差するようにすることによって、各単一模様40Aを構成している平面部が上方になるに従って側面12の表面に順次漸近するのである。換言すれば、各平面部は、下方になるに従って側面12の表面から順次離れることになる。
【0027】
以上の通り、各平面部が、下方になるに従って側面12の表面から階段状に順次離れることになり、底面11に一番近い平面部は、側面12の表面から最大限離れており、底面11に一番遠い平面部は、側面12の表面に最大限近づいているから、これを成形する型にはアンダーカットを形成するための凸部を存在させる必要はない。また、当該包装用容器100を「型抜き」する方向は底面11側方向であり、型にアンダーカットを形成する部分が存在しないのであるから、各単一模様40Aを潰すこと無く型抜きが行えるのである。
【0028】
換言すれば、当該包装用容器100の容器本体10を成形する成形型側には、「階段状」の段部を形成すればよく、「凸部」または「凹部」を形成する必要がないので、型抜きした後において模様40の凹凸を立体的に表すことができるだけでなく、容器本体10の型成形は低コストで行えるのである。
【0029】
以上の結果、各単一模様40Aを構成している平面部は、光線に対して同一角度で傾斜することになるから、各平面部における光の反射方向は同一となって、当該側面12が模様40によってキラキラ光ることになり、当該包装用容器100全体の豪華さを演出する
ことになるのである。
【0030】
従って、この請求項1に係る包装用容器100は、合成樹脂シートを材料として安価に提供でき、少なくとも側面12の一部に模様40を存在させることができて使い捨てもできる包装用容器100であって、型抜き後の模様40を立体的に表すことができ、この模様40において豪華さを演出する乱反射を可能にして店内にて豪華な食事を楽しむことができるものとなっているのである。
【0031】
また、上記課題を解決するために、請求項2に係る発明の採った手段は、上記請求項1に記載の包装用容器100について、
「各単一模様40Aを、上側境界線41aと下側境界線41bに囲まれた法面部41と、法面側境界線42aと連続境界線42bに囲まれた平面部42とにより構成して、
各平面部42が、その各法面部41を介して階段状に連続するようにしたこと」
である。
【0032】
この請求項2に係る包装用容器100は、各単一模様40Aを、上側境界線41aと下側境界線41bに囲まれた法面部41と、法面側境界線42aと連続境界線42bに囲まれた平面部42とにより構成したものであり、各単一模様40Aを構成している平面部42を、これに連続する法面部41によって支えることにより、各平面部42を階段状に位置させたものである。
【0033】
この単一模様40Aを構成する第1模様単位40aは、例えば
図9の(b)に示すように、他の第1模様単位40aに重なることがない場合を想定しているもので、この第1模様単位40aの多数が重ならずに、換言すれば平面部42の多数を重ならないようにしながら、模様40を形成するものである。しかしながら、各平面部42は、階段状に位置させないと、模様40を潰ささないで型抜きを行うことはできないから、これに連続する法面部41によって支えるようにしているのである。
【0034】
なお、法面部41の上側境界線41a及び下側境界線41b、平面部42の法面側境界線42a及び連続境界線42bは、各法面部41及び平面部42を概念上区別するために定義したものであり、これらの法面部41及び平面部42からなる単一模様40Aが連続して模様40を形成した状態にあっては、法面部41の上側境界線41a及び下側境界線41bと、平面部42の法面側境界線42a及び連続境界線42bとは実質的に同じ位置、あるいは部分を示すものとなる。
【0035】
以上の通りであるから、単一模様40Aの各平面部42が、下方になるに従って側面12の表面から階段状に順次離れることになり、底面11に一番近い平面部42は、側面12の表面から最大限離れており、底面11に一番遠い平面部42は、側面12の表面に最大限近づいているから、これを成形する型にはアンダーカットを形成するための凸部を存在させる必要はない。また、当該包装用容器100を「型抜き」する方向は底面11側方向であり、型にアンダーカットを形成する部分が存在しないのであるから、各単一模様40Aを潰すこと無く型抜きが行えるのである。
【0036】
従って、この請求項2に係る包装用容器100は、上記請求項1のそれと同様な機能を発揮することができるとともに、模様40を構成する単一模様40Aの第1模様単位40aの種類を1種類とすることができて、模様40により豪華な食事を楽しむことができる包装用容器100の製造コストが低減されるのである。
【0037】
さらに、上記課題を解決するために、請求項3に係る発明の採った手段は、上記請求項1に記載の包装用容器100について、
「各単一模様40Aを、少なくとも第1模様単位40aと、この第1模様単位40aに連続することになる第2模様単位40bとにより構成し、
第1模様単位40aについては、上側境界線41aと下側境界線41bに囲まれた法面部41と、法面側境界線42aと連続境界線42bに囲まれた平面部42とにより構成し、
第2模様単位40bについては、上側境界線43aと下側境界線43bに囲まれた法面部43と、法面側境界線44aと連続境界線44bに囲まれた平面部44とにより構成して、
各平面部42及び44が、その各法面部41及び43を介して階段状に連続するようにしたこと」
である。
【0038】
上記請求項1に係る包装用容器100では、
図5の(c)に示すように、少なくともその容器本体10の側面12に模様40を形成したのであるが、この模様40は、
図3に示すように、多数の単一模様40Aを連続させて構成したものであった。そして、この請求項3に係る包装用容器100では、この模様40を構成している1つの単一模様40Aを、
図6の(a)及び(b)に示すように、第1模様単位40aと、この第1模様単位40aに連続することになる第2模様単位40bとにより構成しているのである。
【0039】
この請求項3に係る包装用容器100では、
図9の(a)または(c)の場合を想定しているものであり、
図6の(a)の下側部分に示すように、まず、第1模様単位40aについては、上側境界線41aと下側境界線41bに囲まれた法面部41と、法面側境界線42aと連続境界線42bに囲まれた平面部42とにより構成したものである。ここまでは、上記請求項2の場合と同様である。
【0040】
この単一模様40Aの一部を構成する第1模様単位40aは、例えば
図9の(a)または(c)に示すように、他の単一模様40Aに重なることがある場合を想定しているもので、この単一模様40Aの多数を重ならせながら模様40を形成するものである。しかしながら、各平面部42は、階段状に位置させないと、模様40を潰ささないで型抜きを行うことはできないから、これに連続する法面部41によって支えるようにしているのである。
【0041】
なお、法面部41の上側境界線41a及び下側境界線41b、平面部42の法面側境界線42a及び連続境界線42bは、各法面部41及び平面部42を概念上区別するために定義したものであり、これらの法面部41及び平面部42からなる第1模様単位40aや後述する第2模様単位40bが連続して模様40を形成した状態にあっては、法面部41の上側境界線41a及び下側境界線41bと、平面部42の法面側境界線42a及び連続境界線42bとは実質的に同じ位置、あるいは部分を示すものとなる。
【0042】
一方、各単一模様40Aについては、
図6の(a)の上側部分に示すように、上記第1模様単位40aに連続する第2模様単位40bを有するのであるが、この第2模様単位40bについては、上側境界線43aと下側境界線43bに囲まれた法面部43と、法面側境界線44aと連続境界線44bに囲まれた平面部44とにより構成したものである。
【0043】
なお、法面部43の上側境界線43a及び下側境界線43b、平面部44の法面側境界線44a及び連続境界線44bは、各法面部43及び平面部44を概念上区別するために定義したものであり、これらの法面部43及び平面部44からなる第2模様単位40bが連続して模様40を形成した状態にあっては、法面部43の上側境界線43a及び下側境界線43b、平面部44の法面側境界線44a及び連続境界線44bとは実質的に同じ位置、あるいは部分を示すものとなる。
【0044】
以上の第1模様単位40a及び第2模様単位40bを連続させれば、
図6の(b)に示すような、単一模様40Aが構成されるが、このような単一模様40Aを順に連続させれば、例えば
図3及び
図7の(b)に示すような、同じ単一模様40Aが連続した模様40が形成されることになる。なお、
図7の(a)では、第1模様単位40a及び第2模様単位40bが、それぞれ横方向に連続している場合が示してあり、これらの上下を連続させれば、
図7の(b)に示すような、模様40の一部分が完成できることを示している。
【0045】
以上のように、多数の単一模様40Aを連続させると、この請求項3の包装用容器100では、
図6の(c)に示すように、断面でみたときの各第1模様単位40aの平面部42及び第2模様単位40bの平面部44が、その各第1模様単位40a側の法面部41及び第2模様単位40b側の法面部43を介して階段状に連続することになるのである。
【0046】
当該単一模様40Aを構成している第1模様単位40aの平面部42、同第2模様単位40bの平面部44が階段状に連続する結果、
図8の(a)で示す模様40を断面でみれば、
図8の(b)〜(d)に示すように、第1模様単位40aの平面部42及び第2模様単位40bの平面部44が階段状に位置することになり、これらの平面部42及び44は、上方に位置するに従って、容器本体10の側面12が形成する外形面の上側に漸近することになる。
【0047】
第1模様単位40aの平面部42及び第2模様単位40bの平面部44が階段状に位置する結果、各単一模様40Aを構成している平面部42も、第2模様単位40bを構成している平面部44も、光線に対してそれぞれ一定角度で傾斜することになるから、各平面部42及び44における光の反射方向は一定となって、当該側面12が模様40によってキラキラ光ることになり、当該包装用容器100全体の豪華さが演出されることになるのである。
【0048】
また、容器本体10を型抜きする場合、
図8の(b)〜(d)に示す位置から図示下方側へと抜かれることになるが、
図8の(b)〜(d)に示すように、型には当該容器本体10を図示下側に抜く場合の障害となる凹凸を存在させずに済むから、何等の障害もなく型抜きが行えることになるのである。
【0049】
従って、この請求項3に係る容器本体10は、上記請求項1と同様な機能を発揮する他、単一模様40Aとして第1模様単位40aと第2模様単位40bとからなるものとしたから、第1模様単位40aの平面部42及び第2模様単位40bの平面部44とによって複雑な乱反射をさせることができて、使用時の容器本体10(包装用容器100)により一層の豪華さを付与し得るものとなっている。