【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成28年度、総務省、第5世代移動通信システム実現に向けた研究開発〜高周波数帯・広帯域超多素子アンテナによる高速・低消費電力無線アクセス技術の研究開発〜に係る委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【文献】
吉岡翔平 他,2ステージチャネル推定を適用した5G低SHF帯Massive MIMOデジタルビームフォーミング方式の特性評価,電子情報通信学会技術研究報告,2017年 1月12日,Vol.116, No.396,pp.13-18,RCS2016-238
【文献】
西森健太郎 他,FFTビーム選択型ブロック対角化MU-MIMO伝送の特性評価,電子情報通信学会技術研究報告,2014年 2月24日,Vol.113, No.456,pp.481-486,RCS2013-386
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
なお、同種の要素を区別して説明する場合には、「無線基地局10A」、「無線基地局10B」のように参照符号を使用し、同種の要素を区別しないで説明する場合には、「無線基地局10」のように参照符号のうちの共通番号のみを使用することがある。
【0015】
また、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップなどを含む)は、特に明示した場合及び原理的に明らかに必須であると考えられる場合などを除き、必ずしも必須のものではない。
【0016】
以下では、複数のユーザ端末に対してストリームを分配して多重送信するMU−MIMO(Multi-User MIMO)伝送を行う場合について説明する。また、以下では、Massive MIMOにおいて、BF(Beam Forming)を行う場合について説明する。
【0017】
<無線通信システムの構成>
まず、無線通信システムの構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る、MU−MIMOを行う無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【0018】
無線通信システムは、無線基地局(以下「基地局」という)10Aと、複数のユーザ端末(以下「端末」という)20とを有する。基地局10と端末20との間の無線通信路をチャネルという。基地局10と各端末20との相対的な位置関係が異なるので、基地局10と各端末20との間のチャネルも異なる。本実施の形態では、基地局10と第u端末20との間のチャネルをH
uと表現する。
【0019】
<無線基地局の構成>
図1において、基地局10Aは、制御部100と、固有モード伝送用デジタルプリコーダ(以下「固有モードプリコーダ」という)102と、干渉信号除去用デジタルプリコーダ(以下「干渉除去プリコーダ」という)104と、D/A変換部106と、周波数変換部108と、固定アナログビームフォーマ110と、複数の送信アンテナ素子112と、を備える。
【0020】
制御部100は、基地局10Aと端末20の間のチャネル(例えば等価チャネル)の推定を行う。例えば、制御部100は、端末20から受信したビーム情報に基づいて、第1のチャネル推定情報を生成する。ビーム情報には、例えば、その端末20が受信したビームの受信電力の情報が含まれる。
【0021】
制御部100は、複数の端末20の受信アンテナ素子202の総数が基地局10Aから送信されるビーム数よりも多い場合、第2のチャネル推定情報の生成が必要である旨の通知を端末20へ送信し、そうでない場合、第2のチャネル推定情報の生成が不要である旨の通知を端末20へ送信する。
【0022】
制御部100は、第2のチャネル推定情報の生成が必要である場合、第1のチャネル推定情報に対して干渉信号の除去に関する操作を施して、第2のチャネル推定情報を生成する。第1及び第2のチャネル推定情報は、それぞれ、第1及び第2のチャネル行列で表現される。第2のチャネル行列は、第1のチャネル行列に対して干渉信号の除去に関する行列操作(例えばプリコーディング行列乗算)を施して算出される行列である。
【0023】
制御部100は、第1のチャネル推定情報、又は、第2のチャネル推定情報を用いて、固有モードプリコーダ102、干渉除去プリコーダ104及び固定アナログビームフォーマ110を制御する。
【0024】
1つの固有モードプリコーダ102には、第u端末20に送信されるM
u系列のストリーム信号が入力される。固有モードプリコーダは、その入力されたM
u系列のストリーム信号に対して固有モード伝送を実現するための操作を施して送信信号d
uを生成し、出力する。
【0025】
干渉除去プリコーダ104には、各固有モードプリコーダ102から、送信信号d
1、…、d
Uが入力される。干渉除去プリコーダ104は、それら入力された送信信号d
1、…、d
Uを、第1又は第2のチャネル推定情報の何れかを用いて変換し、L系列のビーム信号を出力する。第1又は第2のチャネル推定情報の何れを用いるかについては、制御部100によって制御される。
【0026】
干渉除去プリコーダ104から出力されたL系列の信号は、それぞれ、D/A変換部106によってデジタル信号からアナログ信号に変換され、周波数変換部108によって周波数がアップコンバートされ、固定アナログビームフォーマ110に入力される。
【0027】
固定アナログビームフォーマ110は、その入力されたL系列の信号に対して、ビームフォーミング行列(以下「ビーム行列」という)Wを適用し、N
T系列の信号を生成する。N
Tは送信アンテナ素子112の数である。ここでのビーム行列Wは、N
T行L列を有する。N
T系列の複数の信号は、複数の送信アンテナ素子112からそれぞれ送信される。
【0028】
<ユーザ端末の構成>
図1において、ユーザ端末20は、制御部200と、複数の受信アンテナ素子202と、周波数変換部204と、A/D変換部206と、干渉信号除去用デジタルポストコーダ(以下「干渉除去ポストコーダ」という)208と、固有モード伝送用デジタルポストコーダ(以下「固有モードポストコーダ」という)210と、を備える。
【0029】
制御部200は、基地局10Aと端末20の間のチャネル(例えば等価チャネル)の推定を行う。例えば、制御部200は、基地局10Aから受信した第1のチャネル推定用の参照信号に基づいて、第1のチャネル推定情報を生成する。
【0030】
制御部200は、基地局10から第2のチャネル推定情報の生成が必要である旨の通知を受信した場合、第1のチャネル推定情報に、所定のコーディングを施して第2のチャネル推定情報を生成する。
【0031】
制御部200は、第1のチャネル推定情報、又は、第2のチャネル推定情報を用いて、干渉除去ポストコーダ208及び固有モードポストコーダ210を制御する。
【0032】
N
R系列の受信アンテナ素子202において受信されたN
R系列の複数の受信信号は、それぞれ、周波数変換部204によって周波数がダウンコンバートされ、A/D変換部206によってアナログ信号からデジタル信号に変換され、干渉除去ポストコーダ208に入力される。
【0033】
干渉除去ポストコーダ208は、それら入力された受信信号r
1、…、r
Uを、第1又は第2のチャネル推定情報の何れかを用いて変換し、希望信号d
uを検出及び出力する。第1又は第2のチャネル推定情報の何れを用いるかについては、制御部200によって制御される。
【0034】
固有モードポストコーダ210には、干渉除去ポストコーダ208から、希望信号d
uが入力される。固有モードポストコーダ210は、希望信号d
uに対して固有モード伝送を実現するための操作を行って、M
u系列のストリーム信号を生成し、出力する。
【0035】
<受信信号の表現>
次に、端末20の受信信号の表現の一例について説明する。
【0036】
受信信号は、例えば、下記の式1で表現することができる。
【数1】
【0037】
ここで、Uは総端末数、r
uは第u端末20の受信信号行列、H
uは第u端末20のチャネル行列、Wはビーム行列、Pはブロック対角化プリコーディング行列、[d
1…d
U]
Tは送信信号行列、z
uは第u端末20の受信信号に含まれる雑音を示す。なお、Tは転置行列を示す。
【0038】
なお、本実施の形態では、ブロック対角化プリコーディング行列Pを用いて説明するが、これはあくまで一例であり、他のいかなるプリコーディング行列であってもよい。また、本実施の形態において、ブロック対角化プリコーディング行列Pを、単に「プリコーディング行列P」と呼ぶことがある。
【0039】
第u端末20の受信アンテナ素子数をN
R、基地局10の送信アンテナ数をN
T、基地局10から送信されるビーム数をL、基地局10から送信されるストリームの総数をMとすると、式1の各行列は下記の系列数となる。
【0040】
・受信信号行列r
uの行系列数はN
R。
・チャネル行列H
uの行系列数はN
R、列系列数はN
T。
・ビーム行列Wの行系列数はN
T、列系列数はL。
・プリコーディング行列Pの行系列数はL、列系列数はM。
・送信信号行列[d
1…d
U]
Tの行系列数はM。
【0041】
式1は、チャネル行列H
uとビーム行列Wとを1つのチャネル行列H
〜uとみなすと、下記の式2となる。
【数2】
【0042】
式2において、チャネル行列H
〜uの行系列数はN
R、列系列数はLとなる。
【0043】
<第1推定処理>
次に、第1端末20による、第1推定処理について説明する。第1推定処理は、ブロック対角化プリコーディング行列Pによって希望信号を検出する処理である。なお、以下の説明はあくまで一例であり、第1推定処理がこれに限定されるものではない。
【0044】
式2を第1端末20に適用すると、下記の式3となる。なお、式3では、チャネル行列H
〜uとプリコーディング行列Pとをまとめて新たにチャネル行列H
^uとみなしている。
【数3】
【0045】
ここで、H
^u,u’は他端末20の送信信号d
u’に対応するチャネル行列であり、行系列数はN
R、列系列数はM
u’である。
【0046】
N
RU≦Lの場合、ブロック対角化プリコーディング行列Pにより、式3のチャネル行列[H
^1,1…H
^1,U]における他端末20に対するチャネル行列[H
^1,2…H
^1,U]は、全て「0」になる。したがって、式3は、下記の式4となる。
【数4】
【0047】
式4によれば、希望信号d
1のみが残るので、第1端末20は、希望信号d
1を検出することができる。
【0048】
しかし、ブロック対角化で除去できる最大干渉数はL−N
Rであるため、N
RU>Lの場合、式4のチャネル行列[H
^1…H
^U]における他端末20に対するチャネル行列[H
^2…H
^U]の一部が「0」にならない。
【0049】
したがって、式3は、式4とは異なり、下記の式5となる。
【数5】
【0050】
式5には、除去できなかった干渉信号[d
2…d
U〜]が残っているため、第1端末20は、希望信号d
1を検出することができない。この場合、第1端末20は、次の第2推定処理を実行する。
【0051】
<第2推定処理>
次に、第1端末20による、第2推定処理について説明する。第2推定処理は、ポストコーディング行列B
1を用いて希望信号を検出する処理である。なお、以下の説明はあくまで一例であり、第2推定処理がこれに限定されるものではない。
【0052】
まず、下記の式6に示すように、式6のチャネル行列[H
^1,1…H
^1,U〜]から第1端末20のチャネル行列H
^1,1を除いた補チャネル行列H
 ̄1を定義する。
【数6】
【0053】
そして、この補チャネル行列H
 ̄1に、下記の式7に示すように、特異値分解を施す。
【数7】
【0054】
ここで、U
−1は正の特異値に対応する左特異ベクトルからなる行列であり、U
=1は零の特異値に対応する左特異ベクトルからなる行列である。またΛ
−1は対角成分に正の特異値を有する対角行列であり、V
−1は右特異ベクトルからなるユニタリ行列である。なお、Hは複素共役転置行列を示す。
【0055】
第1端末20は、零の特異値に対応する左特異ベクトルからなる行列U
=1を用いてポストコーディング行列B
1を生成する。そして、第1端末20は、下記の式8に示すように、受信信号r
1に、ポストコーディング行列B
1を乗算する。
【数8】
【0056】
式8によれば、希望信号d
1のみが残るので、第1端末20は、希望信号d
1を検出することができる。
【0057】
その後、第1端末20(固有モードポストコーダ)は、行列U
=1H
^1を1つのチャネル行列と見なして、固有モード伝送を実現するための操作を適用し、M
1系列のストリーム信号を生成及び出力する。
【0058】
<干渉信号除去能力>
次に、本実施の形態に係る干渉信号の除去能力について説明する。
【0059】
第u端末20における、ブロック対角化による第1推定処理によって残留する干渉信号の数N
I−PR,uは、下記の式9で算出される。
【数9】
【0060】
ここで、(x)
+は、xが0以上であればxとなり、xが0未満であれば0となる関数を示す。Uは総端末数を示す。
【0061】
第u端末20における、本実施の形態に係る第2推定処理によって除去可能な干渉信号の数N
I−PO,uは、下記の式10で算出される。
【数10】
【0062】
ここで、Mは基地局10から送信されるストリームの総数を、M
uは第u端末20へ送信されるストリームの数を、N
Rは第u端末20の受信アンテナ本数を示す。
【0063】
したがって、N
I−PO,u≧N
I−PR,uの場合、直交伝送が可能となる。
【0064】
UN
R>Lの場合、式9及び式10から、下記の式11が導かれる。
【数11】
【0065】
式11によれば、N
R≧Mを満たす場合、すなわち、端末20が備える受信アンテナ素子の総数がストリーム総数以上の場合は、端末数に関わらず、直交伝送が可能となる。
【0066】
<動作>
次に、本実施の形態に係る基地局10及び端末20の動作を説明する。
【0067】
図2は、本実施の形態に係る、基地局10と第u端末20との間のチャネル推定処理を示すシーケンスチャートである。
【0068】
基地局10(制御部100)は、ビームフォーマを制御して、走査用参照信号を含むビームを送信する(ST100)。
【0069】
第u端末20(制御部200)は、そのビームを受信し、そのビームに関する情報(「ビーム情報」という)を基地局10に送信(フィードバック)する(ST102)。ビーム情報は、例えば、ビームの受信電力を含む。
【0070】
基地局10(制御部100)は、そのビーム情報を受信し、そのビーム情報に基づいてビームウェイト行列Wを選択(又は生成)する(ST104)。
【0071】
次に、基地局10は、チャネル行列H
uWを推定するための参照信号を、端末20へ送信する(ST106)。
【0072】
第u端末20(制御部200)は、チャネル行列H
uWを推定するための参照信号を受信し、その参照信号に基づいて、チャネル行列H
uWを算出する(ST108)。
【0073】
次に、第u端末20は、CSIを基地局10に送信(フィードバック)する(ST110)。
【0074】
基地局10は、そのCSIを受信し、そのCSIに基づいて、プリコーディング行列Pを生成する(ST112)。
【0075】
次に、基地局10は、ST108で推定したチャネル行列H
uWに、ST112で生成したプリコーディング行列Pを乗算し、第1のチャネル行列H
uWPを算出する(ST114)。この処理は上述の第1推定処理に相当する。
【0076】
次に、基地局10は、その第1のチャネル行列H
uWPを推定するための参照信号を、端末20へ送信する(ST116)。
【0077】
第u端末20は、その第1のチャネル行列H
uWPを推定するための参照信号を受信し、その参照信号に基づいて、第1のチャネル行列H
uWPを算出する(ST118)。この処理は上述の第1推定処理に相当する。
【0078】
また、基地局10は、ST116の後、第2のチャネル推定情報の一例である第2のチャネル行列の生成が必要であるか否かを判定し、その判定結果を端末20に通知する(ST120)。
【0079】
端末20は、ST120の第2のチャネル行列の生成が必要であるか否か判定結果を受信し、第2のチャネル行列の生成が必要との判定結果であった場合、ST118で算出した第1のチャネル行列H
uWPに、ポストコーディング行列B
uを乗算し、第2のチャネル行列B
uH
uWPを算出する(ST122)。この処理は上述の第2推定処理に相当する。なお、第2のチャネル推定情報の生成が不要との判断結果を受信した場合、端末20は、ST122を実行しなくてよい。
【0080】
そして、端末20は、固有モード伝送用フィルタを算出する(ST124)。
【0081】
一方で、基地局10は、ST120で第2のチャネル行列の生成が必要と判定した場合、ST114で算出したチャネル行列H
uWPに、ポストコーディング行列B
uを乗算し、チャネル行列B
uH
uWPを算出する(ST126)。この処理は上述の第2推定処理に相当する。なお、ST120で第2のチャネル推定情報の生成が不要と判定した場合、基地局10は、ST124を実行しなくてよい。
【0082】
そして、基地局10は、固有モード伝送用フィルタを算出する(ST128)。
【0083】
次に、基地局10(固有モードプリコーダ102)は、固有モード伝送用フィルタを用いて、M
u系列のストリーム信号に固有モード伝送を実現するための操作を適用して、端末20への送信信号d
uを生成する。そして、基地局10(干渉除去プリコーダ104)は、その送信信号に対して、第2推定処理を実行した場合は第2のチャネル行列B
uH
uWPを用いて、第2推定処理を実行しなかった場合は第1のチャネル行列H
uWPを用いて符号化し、端末20に対してビームを送信する(ST130)。
【0084】
端末20(干渉除去ポストコーダ208)は、そのビームを受信し、第2推定処理を実行した場合は第2のチャネル行列B
uH
uWPを用いて、第2推定処理を実行しなかった場合は第1のチャネル行列H
uWPを用いて希望信号d
uを検出する。そして、端末20(固有モードポストコーダ210)は、固有モード伝送用フィルタを用いて、固有モード伝送を実現するための操作を適用して、M
u系列のストリーム信号を抽出する。
【0085】
<具体例>
次に、本実施の形態に係る具体例を示す。
【0086】
図3は、本実施の形態に係る具体例を説明するための模式図である。
【0087】
図3において、基地局10から送信されるストリームの総数M=16、基地局10から送信されるビーム数L=32、各端末20の受信アンテナ数N
R=16とする。
【0088】
この場合、従来のブロック対角化では、
図3(a)に示すように、M<L、かつ、M≦N
Rにも関わらず、最大2個の端末20までしか直交多重を行うことができない。
【0089】
これに対して、本実施の形態では、上記の式11によれば、
図3(b)に示すように、最大M個の端末20まで直交多重を行うことができる。
【0090】
すなわち、本実施の形態によれば、空間相関のさらなる低減により、無線通信システム全体のスループットを向上させることができる。
【0091】
<基地局の構成の変形例1>
次に、基地局の構成の変形例1について説明する。
【0092】
図4は、MU−MIMOを行う無線通信システムの構成の変形例1を示すブロック図である。
【0093】
図1の基地局10Aは、アナログFBCP(Fixed BF and CSI-based Precoding)における構成であったのに対して、
図4の基地局10Bは、デジタルFBCPにおける構成である点において相違する。
【0094】
すなわち、
図1に示す基地局10Aは、固定アナログビームフォーマ110が周波数変換部108の後段に配置されているのに対して、
図4に示す基地局10Bは、固定デジタルビームフォーマ130が、干渉除去プリコーダ104の後段に配置されている点が相違する。
【0095】
これまで説明してきた内容は、基地局10が
図4に示すデジタルFBCPの構成においても実現可能である。
【0096】
<基地局の構成の変形例2>
次に、基地局の構成の変形例2について説明する。
【0097】
図5は、MU−MIMOを行う無線通信システムの構成の変形例2を示すブロック図である。
【0098】
図5の基地局10Cは、フルデジタルMassive MIMOにおける構成である点において、上記の
図1及び
図4と相違する。
【0099】
すなわち、
図4の基地局10Bは、干渉除去プリコーダ104の後段に固定デジタルビームフォーマ130が配置されているのに対して、
図5の基地局10Cは、干渉除去プリコーダ104の後段にその固定デジタルビームフォーマが未配置である点が相違する。
【0100】
これまで説明してきた内容は、基地局10が
図5のようなフルデジタルMassive MIMOの構成でおいても実現可能である。
【0101】
<作用効果>
従来技術に対して、本実施の形態において基地局10と端末20との間のチャネルにおいて追加で生じる主なオーバーヘッドは、ST120の第2のチャネル推定情報の生成が必要であるか否かの通知のみである。すなわち、本実施の形態によれば、チャネルのリソースをほとんど消費することなく、従来技術よりも多くの端末20を直交多重させることができる。よって、無線通信システム全体のスループットを向上させることができる。
【0102】
また、従来技術に対して、本実施の形態において基地局10内及び端末20内で追加で生じる主な処理負荷は、ポストコーディング行列B
uの算出処理、及び、ポストコーディング行列Buの乗算後のチャネル行列の算出処理(つまり式6から式8による算出処理)のみである。すなわち、本実施の形態によれば、基地局10及び端末20にほとんど処理負荷をかけることなく、従来技術よりも多くの端末20を直交多重させることができる。
【0103】
以上、各実施の形態について説明した。
【0104】
なお、上記実施の形態では、基地局から参照信号を送信してチャネル推定を行う場合について説明した。しかし、チャネル推定において、端末から参照信号を送信してチャネル推定を行ってもよいし、参照信号を使用しないでチャネル推定値(チャネル情報)を取得してもよい。すなわち、チャネル推定では、BFウェイトを含む等価チャネル行列(HW)と前記等価チャネル行列(HW)にプリコーディングを含めた等価チャネル行列(HWP)を示すチャネル情報が取得されればよい。
【0105】
(ハードウェア構成)
なお、上記実施の形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0106】
例えば、本発明の一実施の形態における無線基地局、ユーザ端末などは、本発明の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図6は、本発明の一実施の形態に係る無線基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の無線基地局10及びユーザ端末20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0107】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。無線基地局10及びユーザ端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0108】
例えば、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサで実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、又はその他の手法で、一以上のプロセッサで実行されてもよい。なお、プロセッサ1001は、一以上のチップで実装されてもよい。
【0109】
無線基地局10及びユーザ端末20における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信、又は、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
【0110】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述の制御部100、固有モード伝送用デジタルプリコーダ102、干渉信号除去用デジタルプリコーダ104、D/A変換部106、周波数変換部108、固定アナログビームフォーマ110、固定デジタルビームフォーマ130、制御部200、周波数変換部204、A/D変換部206、干渉信号除去用デジタルポストコーダ208、固有モード伝送用デジタルポストコーダ210などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
【0111】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール又はデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、無線基地局10及びユーザ端末20を構成する少なくとも一部の機能ブロックは、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
【0112】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0113】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0114】
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、上述のアンテナ素子114などは、通信装置1004で実現されてもよい。
【0115】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0116】
また、プロセッサ1001及びメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0117】
また、無線基地局10及びユーザ端末20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0118】
(情報の通知、シグナリング)
また、情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0119】
(適応システム)
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0120】
(処理手順等)
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0121】
(基地局の操作)
本明細書において基地局(無線基地局)によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つまたは複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局および/または基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MME(Mobility Management Entity)またはS−GW(Serving Gateway)などが考えられるが、これらに限られない)によって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MMEおよびS−GW)であってもよい。
【0122】
(入出力の方向)
情報及び信号等は、上位レイヤ(または下位レイヤ)から下位レイヤ(または上位レイヤ)に出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0123】
(入出力された情報等の扱い)
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置に送信されてもよい。
【0124】
(判定方法)
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0125】
(ソフトウェア)
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0126】
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0127】
(情報、信号)
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0128】
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナル)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC)は、キャリア周波数、セルなどと呼ばれてもよい。
【0129】
(「システム」、[ネットワーク])
本明細書で使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0130】
(パラメータ、チャネルの名称)
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
【0131】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的なものではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本明細書で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素(例えば、TPCなど)は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
【0132】
(基地局)
基地局(無線基地局)は、1つまたは複数(例えば、3つ)の(セクタとも呼ばれる)セルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」または「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局、および/または基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部または全体を指す。さらに、「基地局」、「eNB」、「セル」、および「セクタ」という用語は、本明細書では互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0133】
(端末)
ユーザ端末は、当業者によって、移動局、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、UE(User Equipment)、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0134】
(用語の意味、解釈)
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
【0135】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0136】
参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。また、補正用RSは、TRS(Tracking RS)、PC−RS(Phase Compensation RS)、PTRS(Phase Tracking RS)、Additional RSと呼ばれてもよい。また、復調用RS及び補正用RSは、それぞれに対応する別の呼び方であってもよい。また、復調用RS及び補正用RSは同じ名称(例えば復調RS)で規定されてもよい。
【0137】
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0138】
上記の各装置の構成における「部」を、「手段」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0139】
「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0140】
無線フレームは時間領域において1つまたは複数のフレームで構成されてもよい。時間領域において1つまたは複数の各フレームはサブフレーム、タイムユニット等と呼ばれてもよい。サブフレームは更に時間領域において1つまたは複数のスロットで構成されてもよい。スロットはさらに時間領域において1つまたは複数のシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、SC-FDMA(Single Carrier-Frequency Division Multiple Access)シンボル等)で構成されてもよい。
【0141】
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット、およびシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット、およびシンボルは、それぞれに対応する別の呼び方であってもよい。
【0142】
例えば、LTEシステムでは、基地局が各移動局に無線リソース(各移動局において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力等)を割り当てるスケジューリングを行う。スケジューリングの最小時間単位をTTI(Transmission Time Interval)と呼んでもよいし、1ミニスロットをTTIと呼んでもよい。
【0143】
例えば、1サブフレームをTTIと呼んでもよいし、複数の連続したサブフレームをTTIと呼んでもよいし、1スロットをTTIと呼んでもよい。
【0144】
リソースユニットは、時間領域および周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域では1つまたは複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。また、リソースユニットの時間領域では、1つまたは複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム、または1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームは、それぞれ1つまたは複数のリソースユニットで構成されてもよい。また、リソースユニットは、リソースブロック(RB:Resource Block)、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、PRBペア、RBペア、スケジューリングユニット、周波数ユニット、サブバンドと呼ばれてもよい。また、リソースユニットは、1つ又は複数のREで構成されてもよい。例えば、1REは、リソース割当単位となるリソースユニットより小さい単位のリソース(例えば、最小のリソース単位)であればよく、REという呼称に限定されない。
【0145】
上述した無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、サブフレームに含まれるミニスロットの数、スロットに含まれるシンボルおよびリソースブロックの数、および、リソースブロックに含まれるサブキャリアの数は様々に変更することができる。
【0146】
本開示の全体において、例えば、英語でのa, an, 及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含むものとする。
【0147】
(態様のバリエーション等)
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0148】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。