(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の可変電流源及び前記第2の可変電流源に結合され、前記第1の可変電流源を通る第1の電流の量、及び前記第2の可変電流源を通る第2の電流の量を制御するように構成された制御回路をさらに備える、請求項1に記載の超音波装置。
前記第1段の前記電流及び前記第2段の前記電流を独立して変化させることが、第1の可変電流源及び前記第2の可変電流源をデジタルにプログラムすることを含む、請求項7に記載の方法。
前記フィードバックキャパシタンス又は前記フィードバック抵抗を変化させることが、前記電流を変化させることと協調して前記フィードバックキャパシタンス又は前記フィードバック抵抗を変化させることをさらに含む、請求項9に記載の方法。
前記可変電流トランスインピーダンス増幅器(TIA)で前記アナログ電気信号を増幅することが、前記取得周期中に前記可変電流TIAのノイズフロアを低減させることをさらに含む、請求項7に記載の方法。
前記第1の可変電流源が、第1の電流を提供する第1の電流源、第2の電流を提供する第2の電流源、及び第3の電流を提供する第3の電流源を備え、前記第1の電流が、前記第2の電流の約2分の1であり、前記第3の電流の約4分の1である、請求項1に記載の超音波装置。
前記第1の可変フィードバックRC回路が、第2の一連の回路コンポーネントに並列に接続された第1の一連の回路コンポーネントを備え、前記第1の一連の回路コンポーネントが、直列に接続された、第1のスイッチ、第1のキャパシタ、及び第1のレジスタを備え、前記第2の一連の回路コンポーネントが、直列に接続された、第2のスイッチ、第2のキャパシタ、及び第2のレジスタを備える、請求項4に記載の超音波装置。
前記第2の可変フィードバックRC回路が、第2の一連の回路コンポーネントに並列に接続された第1の一連の回路コンポーネントを備え、前記第1の一連の回路コンポーネントが、第1のキャパシタと第1のレジスタの並列接続に直列に接続された第1のスイッチを備え、前記第2の一連の回路コンポーネントが、第2のキャパシタと第2のレジスタの並列接続に直列に接続された第2のスイッチを備える、請求項4に記載の超音波装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0015] 本出願の態様は、超音波デバイスのための増幅回路に関係する。超音波デバイスは、超音波信号を受信し、電気出力信号を生成するように構成された、1つ以上の超音波トランスデューサを含んでよい。したがって、超音波トランスデューサは超音波センサとして動作し得る。超音波デバイスは、電気出力信号を増幅するための1つ以上の増幅器を含んでよい。増幅器により消費される電力、増幅器により発生するノイズ、及び増幅器により提供される線形信号の増幅品質は、増幅器により消費される電流の量に依存する場合がある。いくつかの実施形態では、増幅器は可変電流源を有する。可変電流源は、増幅器により消費される電力の量を同時に低減させながら、増幅器のノイズレベルを信号レベルよりも低く維持するべく且つ線形増幅を維持するべく超音波信号の取得中に調節される。いくつかの実施形態では、増幅器はTIAである。
【0010】
[0016] 前述の態様及び実施形態並びにさらなる態様及び実施形態が以下でさらに説明される。これらの態様及び/又は実施形態は、本出願がこれに関して限定されないので、個々に、すべて一緒に、又は2つ以上の任意の組み合わせで用いられてよい。
【0011】
[0017]
図1は、本出願の限定ではない実施形態に係る、受信した超音波信号を処理するための回路を例示する。回路100は、N個の超音波トランスデューサ102a…102nを含み、ここで、Nは整数である。超音波トランスデューサは、いくつかの実施形態では、受信した超音波信号を表す電気信号を生成するセンサである。超音波トランスデューサはまた、いくつかの実施形態では超音波信号を送信してよい。超音波トランスデューサは、いくつかの実施形態では容量型微小加工超音波トランスデューサ(CMUT)であってよい。超音波トランスデューサは、いくつかの実施形態では圧電微小加工超音波トランスデューサ(PMUT)であってよい。他の実施形態ではさらに代替的なタイプの超音波トランスデューサが用いられてよい。
【0012】
[0018] 回路100は、N個の回路チャネル104a…104nをさらに備える。回路チャネルは、それぞれの超音波トランスデューサ102a…102nに対応し得る。例えば、8つの超音波トランスデューサ102a…102nと8つの対応する回路チャネル104a…104nが存在し得る。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ102a…102nの数は、回路チャネルの数より多くてもよい。
【0013】
[0019] 回路チャネル104a…104nは、送信回路、受信回路、又はこの両方を含んでよい。送信回路は、それぞれのパルサ108a…108nに結合される送信デコーダ106a…106nを含んでよい。パルサ108a…108nは、超音波信号を発するべくそれぞれの超音波トランスデューサ102a…102nを制御してよい。
【0014】
[0020] 回路チャネル104a…104nの受信回路は、それぞれの超音波トランスデューサ102a…102nから出力された電気信号を受信してよい。例示される例では、各回路チャネル104a…104nは、それぞれの受信スイッチ110a…110n及び増幅器112a…112nを含む。受信スイッチ110a…110nは、所与の超音波トランスデューサ102a…102nからの電気信号の読み出しをアクティブ/非アクティブにするべく制御されてよい。より一般には、受信スイッチ110a…110nは、スイッチとの代替が同じ機能を果たすために採用され得るので、受信回路であってよい。増幅器112a…112n並びに
図3の増幅器300(後述する)は、いくつかの実施形態ではTIAであってよい。増幅器112a…112nのうちの1つ以上は、可変電流増幅器であってよい。さらに後述するように、増幅器の電流を取得周期中に変化させてよく、したがって、電力消費、ノイズレベル、及び増幅器の直線性が調節される。増幅器112a…112nは、アナログ信号を出力してよい。
【0015】
[0021] 回路100は、本明細書では加算器又は加算増幅器とも呼ばれる平均回路114をさらに備える。いくつかの実施形態では、平均回路114は、バッファ又は増幅器である。平均回路114は、増幅器112a…112nのうちの1つ以上からの出力信号を受信してよく、平均された出力信号を提供してよい。種々の増幅器112a…112nからの信号を加算又は減算することにより、平均された出力信号が部分的に形成され得る。平均回路114は、可変フィードバック抵抗を含んでよい。可変フィードバック抵抗の値は、平均回路がそこから信号を受信する増幅器112a…112nの数に基づいて動的に調節されてよい。いくつかの実施形態では、可変抵抗は、N個の抵抗設定を含んでよい。すなわち、可変抵抗は、回路チャネル104a…104nの数に対応するいくつかの抵抗設定を有し得る。したがって、平均出力信号は、平均回路114の入力で受信される組み合わされた信号に選択された抵抗を適用することによっても部分的に形成され得る。
【0016】
[0022] 平均回路114は、オートゼロブロック116に結合される。オートゼロブロック116は、プログラム可能な利得増幅器118に結合され、これは、減衰器120及び固定利得増幅器122を含む。プログラム可能な利得増幅器118は、ADCドライバ124を介してADC126に結合される。例示される例では、ADCドライバ124は、第1のADCドライバ125a及び第2のADCドライバ125bを含む。ADC126は、平均回路114からの信号をデジタル化する。
【0017】
[0023]
図1は、超音波デバイスの回路の一部としていくつかのコンポーネントを例示するが、本明細書で説明される種々の態様は、例示される正確なコンポーネント又はコンポーネントの構成に限定されないことを理解されたい。例えば、本出願の態様は、増幅器112a…112nに関係し、回路100におけるそれらの増幅器の下流に例示されるコンポーネントは、いくつかの実施形態では随意的である。
【0018】
[0024]
図1のコンポーネントは、単一の基板上又は異なる基板上に存在してよい。例えば、例示されるように、超音波トランスデューサ102a…102nは第1の基板128a上にあってよく、残りの例示されるコンポーネントは第2の基板128b上にあってよい。第1の基板及び/又は第2の基板は、シリコン基板などの半導体基板であってよい。代替的な実施形態では、
図1のコンポーネントは、単一の基板上にあってよい。例えば、超音波トランスデューサ102a…102nと例示される回路は、同じ半導体ダイ上にモノリシックに集積されてよい。このような集積は、超音波トランスデューサとしてCMUTを用いることにより容易にされ得る。
【0019】
[0025] 一実施形態によれば、
図1のコンポーネントは超音波プローブの一部をなす。超音波プローブはハンドヘルドであってよい。いくつかの実施形態では、
図1のコンポーネントは、患者により装着されるように構成された超音波パッチの一部をなす。
【0020】
[0026]
図2は、
図1の増幅器112aの限定ではない例をより詳細に示す。同じ構成が
図1の他の増幅器112nに関して用いられてよい。文脈上、超音波トランスデューサ102aと平均回路114も例示されるが、簡潔にするために受信スイッチ110aは省略される。
【0021】
[0027] この限定ではない実施形態では、増幅器112aは、2段演算増幅器(略して「オペアンプ」)として実装される。第1段202は、超音波トランスデューサ102aに結合される。第2段204は、第1段202と平均回路114との間に結合される。第2段204は、この限定ではない例では、増幅器112aの出力信号を提供する。
【0022】
[0028] 第1段202及び第2段204は、それぞれ、可変電流源を有する。可変電流源203が、第1段202のために設けられ、電流I1をシンクする。可変電流源205が、第2段204のために設けられ、電流I2をシンクする。可変電流源203及び205は、それぞれの段202及び204とは別個に例示されるが、それらはそれぞれの段の一部と考えてよい。
【0023】
[0029]
図2に示すような2段増幅器構成により、増幅された信号のノイズ及び直線性が独立して制御され得る。増幅器112aのノイズは、主として第1段202の影響を受ける。増幅器112aの直線性は、主として第2段204の影響を受ける。より一般には、同じことが2つ以上の段を有する多段増幅器に当てはまる場合があり、この場合、増幅器のノイズは主として第1段の影響を受け、増幅器の直線性は主として最後の段の影響を受ける。本明細書では取得周期と呼ばれる、超音波信号の取得中に、増幅された信号のノイズ及び直線性の重要度が異なる場合があることを出願人は認識した。超音波信号が、取得周期の初期に最初に受信され、超音波信号が反射された信号であるときの浅い深さに対応するときに、関連するノイズは、受信した信号の振幅に比べて比較的低くなるが、増幅された信号の直線性は、比較的高い重要度であり得る。しかしながら、取得周期中のより後期の、超音波信号が反射された信号であるときのより大きい深さに対応する、超音波信号は、より小さくなる可能性が高く、したがって、信号のノイズの重要度が増す。したがって、
図2の増幅器112aは、ノイズ及び直線性の独立した可変の制御を可能にするように設計される。制御は、可変電流源203及び205を介して提供されてよい。
【0024】
[0030] 取得周期中の初期に、可変電流源203は、比較的少量の電流をシンクするように制御されてよく、一方、電流源205は、比較的大量の電流をシンクするように制御されてよい。このようなシナリオでは、第2段204は、増幅器112aにより生成される増幅された信号の直線性を制御するように動作してよく、一方、第1段202は、増幅された信号202のノイズを、それが可能であるよりも小程度に制御してよい。取得周期の後期に、可変電流源203によりシンクされる電流を増加させてよく、一方、可変電流源205によりシンクされる電流を減少させてよい。可変電流源203によりシンクされる電流を増加させる際に、第1段202は、増幅器112aのノイズをより大いに制御するように動作することができる。可変電流源205によりシンクされる電流を減少させる際に、第2段204は、増幅器112aの直線性をより小程度に制御するように動作することができる。したがって、取得周期中に増幅器の電力、ノイズ、及び直線性特徴を制御するべく、増幅器112a、より具体的には第1段202及び第2段204の動的電流バイアス印加が実施されてよい。
【0025】
[0031] 電流源203及び205の動的制御は、デジタルコントローラを用いて達成されてよく、一例が
図3Aに示される。可変電流源203及び205は、それぞれ、2つ以上のプログラム可能な電流設定を含んでよい。設定の数がより大きくなれば、電流源203及び205によりシンクされる電流の制御がより大きくなる。
【0026】
[0032] 増幅器112aはまた、可変フィードバックインピーダンス206を含む。いくつかの実施形態では、可変フィードバックインピーダンスは、可変RCフィードバック回路である。可変RCフィードバック回路の一例が、
図3Aに例示され、該図面に関連して説明される。フィードバックインピーダンスは、入力電流信号が様々な振幅の出力電圧に変換され得るように、トランスインピーダンス増幅器のトランスインピーダンス利得を決定する。
【0027】
[0033]
図2及び上記の説明から、本出願の一実施形態は、可変フィードバックインピーダンスと共に、2つ以上の独立制御可能な可変電流源を有する多段TIAを提供することを認識されたい。可変電流源は、例えば取得周期中のTIAの動的電流バイアス印加を可能にし得る。したがって、増幅器の電力消費、ノイズ、及び直線性が取得周期中に調節され得る。
【0028】
[0034]
図3Aは、本出願の限定ではない実施形態に係る
図2の増幅器112aの一実装を例示する回路図である。増幅器300は、入力302及び出力304を有する。入力302は、
図1及び
図2に関連して前述したように超音波トランスデューサ又は受信スイッチに結合されてよく、超音波トランスデューサにより受信された超音波信号を表す電気信号を受信してよい。出力304は、増幅器112aの増幅された出力信号を提供してよく、増幅された出力信号をそれに提供することが望まれる平均回路又は他のコンポーネントに結合されてよい。
【0029】
[0035] 増幅器300は、それぞれ
図2の第1段202及び第2段204の実装であり得る第1段306及び第2段308を含む。第1段306は、入力302で信号を受信するように構成されたゲートを有するNMOSトランジスタ310を含む。PMOSトランジスタ312及びPMOSトランジスタ314は、NMOSトランジスタ310のドレインに結合されたPMOSトランジスタ312のドレインと結合されたそれらのゲートを有する。トランジスタ312のゲートは、そのドレインに結合される。トランジスタ312及び314はまた、電源電圧VDDAを受けるように構成される。第1段306は、RC回路によって提供されるバイアス電圧を受けるように構成されたゲートを有するNMOSトランジスタ316をさらに備える。RC回路は、値Rの2つのレジスタと、レジスタのうちの一方と並列に結合されたキャパシタC
bを含む。他方のレジスタは、電源電圧VDDAを受ける。PMOSトランジスタ314のドレインは、NMOSトランジスタ316のドレインに結合される。Rの値の一例は50kOhmであり、C
bの値の一例は10pFであるが、列挙されたこれらの値の+/−20%又はこのような範囲内の任意の値又は値の範囲などの両方に代わる値が可能である。
【0030】
[0036] 第2段308は、第1段306の出力を受信するように構成されたPMOSトランジスタ318を含む。特に、PMOSトランジスタ318のゲートは、第1段306のトランジスタ314と316との間のノードに結合される。PMOSトランジスタ318のソースは、VDDAを受ける。第2段308に可変インピーダンス回路320も設けられる。可変インピーダンス回路320は、可変レジスタR
Zと直列に可変キャパシタC
Cを含み、したがって、この実施形態では可変RC回路である。可変インピーダンス回路320は、増幅器の利得又は電流源の電流が変化するときに増幅器300の安定した動作を提供し得る。したがって、可変インピーダンス回路は、可変電流源321及び325によりシンクされるすべての電流の大きさにわたる増幅器300の安定した動作を維持するために設けられてよい。すなわち、C
C及びR
Zの値が、デジタルコントローラ330によりプログラムされた異なる電流設定を考慮に入れるべく増幅器300の動作中に調節されてよい。
【0031】
[0037] 段306及び308のそれぞれのための可変電流源が設けられる。第1段306のための可変電流源321は、3つの並列に接続された電流源322a、322b、及び322cを含む。電流源322aは電流I
Aをシンクし、電流源322bは電流2I
Aをシンクし、電流源322cは電流4I
Aをシンクする。電流源322a〜322cは、それぞれのスイッチ324a、324b、及び324cにより第1段306に結合され、これは電流の3ビット(8つの状態)の制御を効果的に提供する。電流I
Aは、例として、100マイクロアンペア又は該値の+/−20%又はこのような範囲内の任意の値又は値の範囲に等しくてよい。
【0032】
[0038] 第2段308のための可変電流源325は、3つの並列に接続された電流源326a、326b、及び326cを含む。電流源326aは電流I
Bをシンクし、電流源326bは電流2I
Bをシンクし、電流源326cは電流4I
Bをシンクする。電流源326a〜326cは、それぞれのスイッチ328a、328b、及び328cにより第2段308に結合され、これは電流の3ビット(8つの状態)の制御を効果的に提供する。電流I
Bは、例として、50マイクロアンペア又は該値の+/−20%又はこのような範囲内の任意の値又は値の範囲に等しくてよい。
【0033】
[0039]
図3Aは、3つの並列に結合された電流源をそれぞれ含む可変電流源を例示するが、本出願のすべての態様がこのように限定されるわけではないことを理解されたい。すなわち、可変電流源は、例示された様態の代替の様態を含む種々の様態で実装されてよい。例えば、3つよりも多い又は少ない電流源が、可変電流源を生み出すべく並列に結合されてよい。また、電流源の大きさは、
図3Aに例示された大きさとは異なっていてもよい。電流の所望の範囲にわたる動作を可能にするために任意の適切な大きさが提供されてよい。
【0034】
[0040] 可変電流源321及び325の動作を制御するべく、デジタルコントローラ330が設けられる。デジタルコントローラは、可変電流源の電流を(デジタルに)プログラムするべく制御信号を提供する。例示される例では、デジタルコントローラ330は、スイッチ324a〜324cの動作を制御するべく1つ以上のスイッチング信号S1を提供し、スイッチ328a〜328cの動作を制御するべく1つ以上のスイッチング信号S2を提供する。このように、可変電流源によりシンクされる電流の量は、増幅器300の動作中に、例えば取得周期中に、独立して変化させることができる。限定ではない例によれば、デジタルコントローラ330は、スイッチング信号S1及びS2の適切な動作を通じて、取得周期中に可変電流源325によりシンクされる電流を減少させ、取得周期中に可変電流源321によりシンクされる電流を増加させる。
【0035】
[0041] デジタルコントローラ330は、任意の適切なタイプのコントローラであってよい。デジタルコントローラは、集積回路を含んでよい。いくつかの実施形態では、デジタルコントローラ330は、特定用途向け集積回路(ASIC)を含んでよく又はその一部であってよい。いくつかの実施形態では、デジタルコントローラ330は、増幅器300専用ではなくてもよい。例えば、デジタルコントローラは、そのうちの1つが増幅器112a…112nであり得る
図1の回路の1つよりも多いコンポーネントを制御するために設けられてよい。
【0036】
[0042] 増幅器300は、可変キャパシタC
f及び可変レジスタR
fにより形成される可変フィードバックインピーダンス332をさらに含む。キャパシタC
f及びレジスタR
fは、出力304と入力302との間に結合されてよく、互いに並列であってよい。可変フィードバックインピーダンス332は、増幅器300の利得を制御してよい。したがって、C
f及びR
fの値が、増幅器の利得を変化させるべく調節されてよい。
【0037】
[0043] 可変フィードバックインピーダンス332及び可変インピーダンス回路320は、任意の適切な方法で制御されてよい。一実施形態では、デジタルコントローラ330が、フィードバックインピーダンスの値を設定してよい。しかしながら、代替的な制御の様態が用いられてよい。
【0038】
[0044]
図3Aに関連したコンポーネントの説明されたグループ分けは限定ではないことを理解されたい。例えば、この図に例示された特定のコンポーネントは、第1段又は第2段の一部として説明されるが、第1段及び第2段の識別は限定ではない。第1段及び第2段は、例示されたコンポーネントよりも多い、少ない、又は異なるコンポーネントを含んでよい。
【0039】
[0045]
図3Bは、本出願の限定ではない実施形態に係る
図3Aの可変インピーダンス回路320の一実装の回路図である。可変インピーダンス回路320は、並列に構成され、それぞれの制御信号SWa…SWnを受信するように構成された、いくつかのスイッチ340a…340nを含む。いくつかの実施形態では、デジタルコントローラ330は、制御信号SWa…SWnを提供してよいが、代替が用いられてもよい。各スイッチは、それぞれのキャパシタC
C及びレジスタR
Zと直列に結合される。可変インピーダンス回路320のインピーダンスは、制御信号SWa…SWnの適切な提供を通じて取得周期中に調節されてよい。任意の適切な数の並列な信号経路が提供されてよく、したがって、2つの並列な信号経路の例示は限定ではない。提供される並列な信号経路の数とキャパシタンス及び抵抗値は、可変電流源のバリエーションに起因する動作シナリオの範囲にわたる増幅器の可変動作を考慮に入れるべくフィードバックインピーダンスの十分な制御を提供するように選択されてよい。例えば、可変フィードバックインピーダンス332によって決まる所与の増幅器利得に関して、可変インピーダンス回路320の適切な設定が選択されてよい。いくつかの実施形態では、可変フィードバックインピーダンス332による所与の利得セットに基づいて可変インピーダンス回路320の適切な設定を決定するのにルックアップテーブルが用いられてよい。
【0040】
[0046]
図3Aと
図3Bとの両方において、C
C及びR
Zの値は、所望の動作特徴を提供するべく選択されてよい。例として、R
Zは、いくつかの実施形態では3kOhmに等しくてよく、C
Cは、300fFに等しくてよい。両方に関して代替が可能である。例えば、それらは列挙されたそれらの値の+/−20%以内の値又はこのような範囲内の任意の値又は値の範囲をとり得る。
【0041】
[0047]
図3Cは、本出願の限定ではない実施形態に係る
図3Aの可変インピーダンス回路332の一実装の回路図である。可変インピーダンス回路332は、いくつかの相補的スイッチ350a、350b…350nを含む。各スイッチは、それぞれの制御信号SLa、SLb…SLn及びSHa、SHb…SHnを受信する。制御信号は、いくつかの実施形態ではデジタルコントローラ330によって提供されてよいが、代替が用いられてもよい。相補的スイッチは、それぞれの並列に接続されたRC回路C
f、R
fに結合される。3つの相補的スイッチが
図3Cに示されるが、増幅器300の利得の十分な制御を可能にするために任意の適切な数が設けられてよい。
【0042】
[0048]
図3Aと
図3Cとの両方において、C
f及びR
fの値は、所望の動作特徴を提供するべく選択されてよい。例として、R
fは、いくつかの実施形態では180kOhmに等しくてよく、C
fは、84fFに等しくてよい。両方に関して代替が可能である。例えば、それらは列挙されたそれらの値の+/−20%以内の値又はこのような範囲内の任意の値又は値の範囲をとり得る。
【0043】
[0049]
図4は、同様にTIAであり得る、
図2及び
図3Aの増幅器により実装され得る場合の、取得周期中の可変電流増幅器の2つの可変電流源の挙動を例示するグラフである。例えば、例示された挙動は、
図2の可変電流源203及び205により実装され得る。x軸は、t0〜t8の範囲の取得周期中の時間を表す。y軸は、I0〜I8の範囲の値を有する電流源の電流を表す。本明細書で説明される種々の態様はどの特定の時間又は電流値の実装にも限定されないので、t0〜t8及びI0〜I8の値は、所与の超音波システムの動作のための任意の適切な値であり得る。また、より多く又は少なく実装され得るので、取得周期中の時間間隔の数は限定ではない。より多く又は少なく実装され得るので、実装され得る電流値の数は限定ではない。
【0044】
[0050] 曲線402は、可変電流増幅器の第2段の可変電流源の電流を表す。したがって、曲線402は、
図2の電流源205の電流を表し得る。曲線404は、可変電流増幅器の第1段の可変電流源の電流を表す。したがって、曲線404は、
図2の電流源203の電流を表し得る。
【0045】
[0051]
図4は、可変電流増幅器の第1段及び第2段の電流が取得周期中に反対方向に推移することを例示する。すなわち、曲線402は、時間t0から時間t8にかけて減少推移し、一方、曲線404は、同じ時間にわたって増加する。
図2に関連して前述したように、可変電流増幅器の第1段及び第2段は、ノイズ及び直線性などの可変電流増幅器の挙動の異なる特徴に影響を及ぼすことができる。したがって、
図4に例示された様態で動作するときに、可変電流増幅器の2つの段の影響を取得周期中に変化させることができる。すなわち、第2段の影響を、最初に時間t4まで、より大きくしてよく、一方、第1段の影響を、その後の時間t4から時間t8まで、より大きくしてよい。
【0046】
[0052]
図3Aに関連して前述したように、可変電流増幅器を実装するのに用いられる2段オペアンプの2つの段の電流は、デジタルコードにより制御されてよい。したがって、
図4の電流値I0〜I7は、
図3Aのデジタルコントローラ330などのデジタルコントローラにより設定される異なるデジタルコードに対応し得る。
【0047】
[0053]
図4は、増幅器の第1段及び第2段の電流が同時に切り替わることを例示するが、すべての実施形態がこれに関して限定されるわけではない。例えば、第2段の電流は、第1段の電流が調節される時点からずらした時点で調節することもできる。同様に、2つの段の電流が取得周期中に同じ回数調節される必要はない。
【0048】
[0054] 前述のように、本出願の一態様は、取得周期中に増幅器のノイズを調節するように制御される可変電流源を有する増幅器を提供する。
図5は、このような動作の例を示す。
【0049】
[0055]
図5では、超音波トランスデューサにより出力された、したがって検出された超音波信号を表す電気信号502の電圧が、時間の関数として例示される。破線504は、電気信号502を増幅するのに用いられる増幅器のノイズフロアを表し、増幅器112aなどの本明細書で説明されるタイプの増幅器のノイズフロアに対応し得る。取得周期中に、電気信号の大きさが低減することが分かる。同様に、増幅器のノイズフロアが低減する。このようなノイズフロアの低減は、増幅器の可変電流源によりシンクされる電流を本明細書で前に説明した様態で制御することにより達成されてよい。例えば、
図2を参照すると、可変電流源203は、増幅器112aのノイズフロアを低減させるべく取得周期中に増加させてよい。ノイズフロアは、容認可能な信号対ノイズ比(SNR)を提供するレベルに調節されてよい。
【0050】
[0056]
図5は、一定のノイズフロア506も例示する。一定のノイズフロア506は、取得周期の終わりの方は破線504と同じレベルにあるが、一定のノイズフロア506は、該点までは破線504よりも低い値であることが分かる。本明細書で説明されているように、増幅器のノイズレベルは、増幅器により消費される電流に依存する場合があり、このような状況では、一定のノイズフロア506での動作は、破線504に従う動作よりも顕著により多くの電流(したがって、電力)を必要とすることを理解されたい。したがって、超音波信号を増幅するべく可変電流増幅器を設ける本出願の態様は、一定のノイズレベルで動作する増幅器に比べて実質的な電力節減を提供し得る。
【0051】
[0057] 電力節減量は顕著であり得る。例えば、回路100では、増幅器112a…112nは、顕著な量の電力を消費し得る。いくつかの実施形態では、増幅器112a…112nは、回路100のどの他のコンポーネントよりも多くの電力を消費し得る。したがって、増幅器112a…112nの電力消費の低減は、回路100の電力の顕著な低減を提供し得る。いくつかの実施形態では、本明細書で説明されるタイプの可変電流増幅器の使用は、増幅器の動作の点で最高25%の電力低減、最高40%の電力低減、最高50%の電力低減、又はこのような範囲内の任意の範囲又は値を提供し得る。結果的な回路100の電力低減は、最高10%、最高20%、最高25%、又はこのような範囲内の任意の範囲又は値であり得る。
【0052】
[0058] 本出願の技術のいくつかの態様及び実施形態がこのように説明されており、種々の変更、修正、及び改善を当該技術分野の当業者はすぐに思いつくであろうということを理解されたい。このような変更、修正、及び改善は、本出願で説明される技術の精神及び範囲内となることが意図される。したがって、上記の実施形態は単なる例として提示されることと、具体的に説明された実施形態以外の他の発明的な実施形態が実施され得ることが理解されるべきである。
【0053】
[0059] 例として、本明細書で説明される或る実施形態は、2段増幅器に焦点をあてている。しかしながら、本明細書で説明される技術は、2つ以上の段を有する多段増幅器に適用されてよい。2つよりも多い段が用いられるときに、第1段は、主として増幅器のノイズを制御してよく、一方、最後の段は、主として増幅器の直線性を制御してよい。
【0054】
[0060] 説明されるいくつかの態様は、1つ又は複数の方法として具体化されてよい。方法の一部として行われる行為は、任意の適切な方法で順序付けられてよい。したがって、例示的な実施形態では順次的な行為として示されるにもかかわらず、行為が例示されたのとは異なる順序で行われる、いくつかの行為を同時に行うことを含む場合がある実施形態が構築されてよい。
【0055】
[0061] 本明細書で定義され用いられる場合のすべての定義は、辞書での定義、参照により組み込まれる文書での定義、及び/又は定義された用語の通常の意味と照らし合わせるように理解されたい。
【0056】
[0062] 本明細書及び請求項で用いられる場合の「及び/又は」という文言は、そのように結合される要素、すなわち、或る場合に接続的に存在し、他の場合に離接的に存在する要素の「いずれか又は両方」を意味すると理解されたい。
【0057】
[0063] 本明細書及び請求項で用いられる場合の「少なくとも1つ」という文言は、1つ以上の要素のリストに関連して、要素のリストにある要素のうちの任意の1つ以上から選択されるが要素のリスト内に具体的に列挙される各及びすべての要素のうちの少なくとも1つを必ずしも含まない且つ要素のリストにおける要素の任意の組み合わせを除外しない少なくとも1つの要素を意味すると理解されたい。
【0058】
[0064] 本明細書で用いられる場合の数字の文脈で用いられる「間」という用語は、他に示されない限り包括的となるべきである。例えば、「AとBとの間」は、別段の指示がない限りA及びBを含む。
【0059】
[0065] 請求項並びに上記の本明細書での、「備える」「含む」「もつ」「有する」「含有する」「関係する」「保持する」「で構成される」などのすべての移行句は、オープンエンドとなる、すなわち、「〜を含むがこれらに限定されない」を意味するように理解されるべきである。「〜からなる」及び「本質的に〜からなる」という移行句だけが、それぞれクローズド又はセミクローズドの移行句となるものとする。