(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6850322
(24)【登録日】2021年3月9日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】電池のセルを無線を用いて平衡化するユニット及びシステム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20210322BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20210322BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20210322BHJP
H02J 50/80 20160101ALI20210322BHJP
H02J 50/40 20160101ALI20210322BHJP
【FI】
H02J7/00 H
H02J7/02 H
H02J50/10
H02J50/80
H02J50/40
H02J7/00 301D
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-124347(P2019-124347)
(22)【出願日】2019年7月3日
(65)【公開番号】特開2020-22345(P2020-22345A)
(43)【公開日】2020年2月6日
【審査請求日】2019年7月3日
(31)【優先権主張番号】18186368.9
(32)【優先日】2018年7月30日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】510010894
【氏名又は名称】ベレノス・クリーン・パワー・ホールディング・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】マリアーノ・ファサノ
(72)【発明者】
【氏名】アントワーヌ・トート
【審査官】
坂本 聡生
(56)【参考文献】
【文献】
特表2015−532087(JP,A)
【文献】
特開2015−061468(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/051156(WO,A1)
【文献】
特開2015−130792(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R31/36−31/396
H01M10/42−10/48
H02J 7/00− 7/12
7/34− 7/36
50/00−50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池のセル(C2)に割り当てられた平衡化ユニット(U2)であって、
前記セル(C2)の状態パラメーターを測定する手段(MM2)と、
前記測定した状態パラメーターを隣接セル(C1、C3)に割り当てられた平衡化ユニット(U1、U3)と送受信することを可能にする無線の通信手段(MD2)と、
前記隣接セル(C1、C3)に割り当てられた平衡化ユニット(U1、U3)と無線のパワー伝送を行うための手段(ME2)と
を備え、
前記平衡化ユニット(U2)は、前記割り当てられた電池のセル(C2)に接続され自律的に機能し、
前記平衡化ユニット(U2)が管理する前記パワー伝送手段(ME2)は、パワーの一部を、前記セル(C2)から1つ又は2つの隣接した電池のセル(C1、C3)へと伝送し、又は逆に隣接セル(C1、C3)からパワーを受けることを可能にする
平衡化ユニット(U2)。
【請求項2】
前記通信手段(MD2)と前記パワー伝送手段(ME2)は同じである
請求項1に記載の平衡化ユニット(U2)。
【請求項3】
前記通信手段(MD2)と前記パワー伝送手段(ME2)は、誘導性のタイプのものであり、2つのコイル(B21、B23)によって形成され、これらの2つのコイル(B21、B23)は、フレキシブルプリント回路にマウントされた前記平衡化ユニット(U2)に接続される
請求項2に記載の平衡化ユニット(U2)。
【請求項4】
セル(C2)の前記状態パラメーターは、セルの電圧及び温度の測定結果、及びセルの動作状態を含む
請求項1〜3のいずれかに記載の平衡化ユニット(U2)。
【請求項5】
セル(C2)の前記状態パラメーターは、セルの動作上の持続時間を含む
請求項1〜4のいずれかに記載の平衡化ユニット(U2)。
【請求項6】
セル(C2)を調整するためのパラメーター及びセル(C2)に関連する事象の履歴を含むメモリー(MU2)を有する
請求項1〜5のいずれかに記載の平衡化ユニット(U2)。
【請求項7】
直列に接続している電池のセル(C1、C2、C3)の平衡化システム(SE)であって、
請求項1〜6のいずれかに記載の平衡化ユニット(U1、U2、U3)を複数有し、
各平衡化ユニット(U1、U2、U3)が、前記電池の対応するセル(C1、C2、C3)に対して設けられ、
各平衡化ユニット(U2)の前記通信手段(MD2)は、自律的に動作し、
その状態パラメーターを隣接する平衡化ユニット(U1、U3)に送信し、隣接する平衡化ユニット(U1、U3)から状態パラメーターを受信することを可能にし、
各平衡化ユニット(U2)の前記パワー伝送手段(ME2)は、隣接する平衡化ユニット(U1、U3)にパワーを送るか又は隣接する平衡化ユニット(U1、U3)から出たパワーを受けることを可能にする
平衡化システム(SE)。
【請求項8】
複数の散逸性要素(D1、D2、D3)を有しており、
各散逸性要素(D1、D2、D3)は、1つのセル(C1、C2、C3)に割り当てられ、そのセルと並列に接続しており、
前記セル(C2)に設けられた平衡化ユニット(U2)は、散逸性要素(D2)を制御する手段(MC2)を有する
請求項7に記載の平衡化システム(SE)。
【請求項9】
セル(C1、C2、C3)の前記状態パラメーターは、そのセルと並列に接続している、散逸性要素(D1、D2、D3)を流れる電流の測定結果を含む
請求項8に記載の平衡化システム(SE)。
【請求項10】
各散逸性要素(D1、D2、D3)は、酸化金属半導体電界効果トランジスターによって形成され、
そのドレインとソースは、セル(C1、C2、C3)の両側に分岐しており、
そのゲートは、平衡化ユニット(U1、U2、U3)に接続される
請求項8又は9に記載の平衡化システム(SE)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池を有するセル平衡化システムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
電池は直列に接続された複数のセルによって形成される。これらのセルは、標準的には、生産、温度分布の点、さらにはライフサイクルの点から、異なる特性を有する。それらの充電状態はしばしば異なり、このことは電池を劣化させ、その動作効率を下げてしまう。したがって、電池の容量と寿命を最適化させるために、電池セルの充電状態を制御することができる電子システムであるBMS(「電池管理システム」)が標準的に用いられている。このような要素は、特定のセルどうしを短絡させること又はパワーをセルの間で再分配することによって、いくつかのセルの充電の平衡化を行う。
【0003】
図1に、直列に配置された複数のセルC1〜C3を示しており、各セルは、有線リンクによって集中型のBMS(BMS_C)に接続している。したがって、このBMSは各セルの状態パラメーターにアクセスすることができ、これによって、平衡化が必要かどうかをBMSが判断して、必要ならば平衡化を行うことができる。このシステムには、多くの接続ケーブルを必要とするという短所があり、これによって、システムの設置が複雑になり、システムが重くなり、かさばり、新しいセルの追加が困難になる。このBMSは、一般的には、所定の数のセルしか扱うことができない。
【0004】
これらの短所を制限するために、本出願の
図2に示しているもののような分散型のトポロジーのBMSを用いることが知られている。この場合、各セルCX(X=1,...,3)は、プリント回路基板BMS_X(「BMSボード」と呼ばれる)に接続しており、これらのBMSボードは、互いに、そして、コントローラーCTRLに、有線リンクで接続されている。
【0005】
集中型のトポロジーと比べると接続ケーブルの数が少なくなっているが、依然として多くの有線接続を必要とし、このことによって、システムの設置と維持が複雑になる。また、補足的なセルの追加が単純化されても、ボードを互いに切断し再接続し、また、追加セルの数に応じてコントローラーを適応させることが必要であり、平衡化システムを工場に戻すことが必要になるために、悩ましいままである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、従来技術のシステムよりもアップグレード性が高く、有線接続を少ししか必要としないような、電池を形成するセルを平衡化するシステムの必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、電池セルに対して設けられる平衡化ユニットに関し、セルの状態パラメーターを測定する手段と、状態パラメーターを送受信することを可能にする無線通信手段と、無線のパワー伝送手段とを備える。
【0008】
また、本発明は、上記のような平衡化ユニットを複数有する、直列に接続している電池セルを平衡化するシステムに関する。各平衡化ユニットは、電池セルに対して設けられ、各平衡化ユニットの通信手段は、その状態パラメーターを隣接する平衡化ユニットに送信し、隣接する平衡化ユニットから状態パラメーターを受信することを可能にし、パワー伝送手段は、隣接する平衡化ユニットにパワーを送り又は隣接する平衡化ユニットから到来するパワーを受けることを可能にする。
【0009】
平衡化ユニットは、それ自身の状態パラメーター及び無線の通信手段を介して隣接する平衡化ユニットから受信した状態パラメーターに応じて、隣接セルに対してセルが十分に充電されているか又はいないかを判断することができる。そして、パワー伝送手段は、パワーの一部を当該セルから1つ又は2つの隣接セルへと送り、又は逆に隣接セルからパワーを受けることを可能にする。
【0010】
なお、セルが充電、放電及び非アクティブの状態のときにパワー伝送を行うことができる。なぜなら、平衡化ユニットがセルによって恒久的に供給されるからである。
【0011】
また、多くの平衡化ユニットの間にケーブルが必要ではない。また、各平衡化ユニットは、自律的に機能し、したがって、平衡化を活性化するために、中央ユニットにそれらの平衡化ユニットを接続する必要はない。このような中央ユニットはすべて、接続、システムの複雑さ、その空間的必要条件、その重さなどを制限してしまう。
【0012】
さらに、この平衡化システムは非常にフレキシブルである。データ通信又はパワー伝送を可能にするために2つの平衡化ユニットを互いの近くには位置するだけで十分であり、このことは、セルの追加又は除去を容易にする。
【0013】
1つの実施形態(これに限定されない)において、通信手段とパワー伝送手段は同じである。このことのよって、平衡化ユニットの部品の数を抑えることができる。これは、複雑さ、空間的必要条件、重さ、コスト及びパワー消費の点から有利である。
【0014】
好ましくは、これらの通信手段とパワー伝送手段は、誘導性の手段であり、特に、セルの両側に配置された2つのコイルによって形成されるものである。各コイルは、隣接セルに割り当てられた平衡化ユニットの1つと通信することを可能にする。好ましくは、これらのコイルは、最適なデータ通信とパワー伝送のために較正される。データ通信及びユニット間の平衡化を行うパワー伝送は、平衡化ユニットの間の距離が小さい場合には、なおさら最適化可能である。
【0015】
1つの実施形態(これに限定されない)において、1つのセルの状態パラメーターは、セルの電圧と温度の測定結果、及びセルの動作状態を含む。
【0016】
1つの実施形態(これに限定されない)において、状態パラメーターは、セルの動作上の持続時間を含む。
【0017】
1つの実施形態(これに限定されない)において、平衡化ユニットは、セルを調整するためのパラメーター及びセルに関連する事象の履歴を含むメモリーを有する。平衡化ユニットは、このメモリーにアクセスして、事象の履歴を記録し保存する。例えば、セルの外部のメンテナンスデバイスから無線データ通信手段を介して、セルの事象の履歴及び設置された制御パラメーターにアクセスすることができる。
【0018】
好ましくは、平衡化ユニットは、調整パラメーター及び事象の履歴を考慮に入れて、パワーを伝送したり受けたりすることを判断する。
【0019】
1つの実施形態(これに限定されない)において、平衡化システムは、複数の散逸性要素を有し、各散逸性要素は、1つのセルに割り当てられ、そのセルと並列に接続され、そのセルに対して設けられた平衡化ユニットは、散逸性要素を制御する手段を有する。散逸性要素は、セルを充電するために用いられる。散逸性要素は、そのセルに不必要なパワーの一部を散逸させることを可能にする。そのセルが完全に充電されているからである。
【0020】
実施形態(これに限定されない)において、状態パラメーターは、散逸性要素を流れる電流の測定結果を含む。
【0021】
1つの実施形態(これに限定されない)において、各散逸性要素は、酸化金属半導体電界効果トランジスター(MOSFET)によって形成され、そのドレインとソースは、関連づけられたセルの両側に分岐しており、そのゲートは、関連づけられた平衡化ユニットに接続される。しかし、散逸性要素は、セルが充電されているときにそのセルを短絡させることができるあらゆる要素であることができる(例えば、抵抗、回路遮断器、コミュテーター、バイポーラートランジスターなどである)。
【0022】
添付の図面を参照しながら例(これに限定されない)として与えられる以下の説明を読むことで、他の特徴及び利点をはっきりと理解することができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】既に説明されており、直列に配置された複数のセルを表している図である。これらのセルの平衡化は従来技術に係る集中型トポロジーのBMSによって行われている。
【
図2】既に説明されており、直列に配置された複数のセルを表している図である。これらのセルの平衡化は、従来技術に係る分散型トポロジーのBMSによって行われている。
【
図3】直列に配置された複数のセルを表している図である。これらのセルの平衡化は、本発明に係る無線パワー伝送を用いる平衡化システムによって行われている。
【
図4】本発明に係る無線パワー伝送を用いる平衡化システムの平衡化ユニットを示している。
【
図5】本発明に係る平衡化ユニットが設けられたセルを示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図3は、直列にマウントされており電池を形成するセルC1〜C3を有する電池を示しており、この電池は、本発明に係る平衡化システムSEを有する。この平衡化システムSEは、複数の散逸性要素D1〜D3及び複数の平衡化ユニットU1〜U3を有する。各セルには、1つの散逸性要素及び1つの平衡化ユニットが接続されている。説明している例において、セル、散逸性要素及び平衡化ユニットはそれぞれ3つあるが、もちろんこの数には限定されない。
【0025】
各散逸性要素は、MOSFETによって形成されている。このMOSFETのドレインとソースは、関連づけられたセルの両側に分岐しており、このMOSFETのゲートは、関連づけられた平衡化ユニットに接続される。しかし、散逸性要素は、セルが充電されているときにそのセルを短絡させることができる任意の要素であることができる(例えば、抵抗、回路遮断器、コミュテーター、バイポーラートランジスター)。
【0026】
各平衡化ユニットは、セルに割り当てられているときに自律的に機能する。本発明に係る平衡化システムは完全に分散されている。例えば、
図4は、平衡化ユニットU2を表している。なお、他の平衡化ユニットが同一であることがわかるであろう。平衡化ユニットU2は、以下のものを有する:
− 関連づけられた散逸性要素D2を制御する手段MC2
− 関連づけられたセルC2の状態パラメーターを測定する手段MM2
− 特に、状態パラメーターを送受信することを可能にする、隣接セルC1、C3に割り当てられた平衡化ユニットU1、U3と無線通信を行うための手段MD2
− 隣接セルC1、C3に割り当てられた平衡化ユニットU1、U3と無線パワー伝送を行うための手段ME2
− セルC2を調整するためのパラメーター及びセルに関連づけられた事象の履歴を含むメモリーMU2
【0027】
制御手段MC2は、短絡によって、又は関連づけられたセルC2以外によって、関連づけられた散逸性要素D2を制御することを可能にする。
【0028】
測定手段MM2は、状態パラメーターを測定することを可能にする。この状態パラメーターは、特に、関連づけられたセルC2の電圧、散逸性要素D2を流れる電流及びセルC2の温度を含む。
【0029】
通信手段MD2は、平衡化ユニットU2が、その状態パラメーターを隣接セルC1、C3の平衡化ユニットU1、U3に送り、さらに、それらの状態パラメーターを受信することを可能にする。したがって、通信手段MD2は双方向性である。通信手段MD2は、同様に、1つの実施形態において、ステータスレポート(例えば、セルが平衡化のプロセスを実行中であるかどうかを示すもの)とコマンドを送受信することを可能にする。
【0030】
パワー伝送手段ME2は、セルC2が、そのセルC2から隣接セルC1、C3へとパワーを送ること、又は隣接セルC1、C3から到来するパワーを受けることを可能にする。したがって、パワー伝送手段ME2は、双方向性である。パワー伝送は無線で行われ、平衡化ユニットによって管理される。セルC2と隣接セルC1、C3の間で伝送される状態パラメーターは、送信されるパワーの量を調整することを可能にする。
【0031】
図示した例において、通信手段MD2及びパワー伝送手段ME2は、誘導性のタイプのものであり、2つのコイルB21、B23によって形成されており、その2つのコイルB21、B23の一方B21は、2つの隣接ユニットU1、U3の一方U1と通信するようにはたらき、2つのコイルB21、B23の他方B23は、2つの隣接ユニットU1、U3の他方U3と通信するようにはたらく。データ通信とパワー伝送のために異なる周波数が用いられる。なお、電磁結合ではない平衡化ユニットの間の結合のタイプも可能である。Fei Luによる文献"A review on the recent development of capacitive wireless power-transfer technology"は、特に、その
図2を参照しながら、様々なタイプの可能な結合を説明している。
【0032】
メモリーMU2は、セルC2を調整するためのパラメーターを含む。その調整パラメーターには、電池の生産に固有な工場パラメーター、例えば、電池の識別番号、そして、平衡化のためのパラメーター、例えば、最小及び最大の放電及び充電の電圧、セルの電圧に応じた充電状態の対応表、が含まれる。メモリーMU2は、同様に、セルC2がその寿命の間に経験する事象の履歴、例えば、セルの使用の持続時間、アラート、良くないセルの電気的な取り扱いなど、を含む。メモリーは、保護された領域にあり、データの金庫であると考えることができる。平衡化ユニットU2自身及び製造業者のみがメモリーMU2にアクセスして、そこに含まれているデータを変更することができる。平衡化ユニットU2は、例えば、通信手段MD2を介してメモリーMU2にアクセスすることを可能にする専用の無線のための台上に置くことができる。
【0033】
図5に示しているように、セルC2、散逸性要素D2及び平衡化ユニットU2を備えたアセンブリーは、コンパクトなアセンブリーを形成する。平衡化ユニットU2は、セルC2内に設けられる。
図5は、両側に2つのコイルB21、B23が配置されたセルC2を示している。これらの2つのコイルは、フレキシブルプリント回路上にマウントされた平衡化ユニットU2に接続される。この構成は、構造を対称にし、これによって、アセンブリーの実装や再配置のときにアセンブリーの向きを無視することができるようにする。システムを小型化することによって、体積と重さについての影響を最小限にすることが可能になる。コイルB21、B31は、最適なパワー伝送の効率を得るように機械的に配置される。
【0034】
本発明に係る平衡化システムは、他の利点に加えて以下のような多くの利点を有する。
− フレキシブルである。すなわち、定められていない数の直列のセルを追加することを可能にする。
− セルがアクティブ状態(充電と放電)であっても非アクティブであっても利用することを可能にする。
− パワーレベルの適応及びデータの交換のために隣接セルの間の通信を可能にする。
− 直列のすべてのセルの間のリンクされた無線通信、いくつかのセルへのコマンド又は情報の転送を可能にする。
− 電池のセルの機械的なアラインメントによってパワー伝送を最適化することを可能にする。
− セルの間の距離が比較的短く、パワー伝送の効率が改善される。
− 各セルへの遠隔アクセスを可能にし、セルの特性やパラメーターについての情報を知ることができる(可能性としては変更することができる)。
− 結合を通して平衡化するセルの間の通信を最適化する。
− パワー伝送要素の機械的安定性とポジショニングを可能にする。
【0035】
もちろん、本発明は、図示した例に限定されず、当業者に明白な様々な変形実施形態や改変も可能である。
【符号の説明】
【0036】
B21 コイル
C1、C2、C3 セル
D1、D2、D3 散逸性要素
MD2 無線の通信手段
ME2 無線のパワー伝送手段
MM2 測定手段
MU2 メモリー
SE 平衡化システム
U1、U2、U3 平衡化ユニット