(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記芳香族ジアミン化合物は、2,2'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4'−ジアミノビフェニル(2,2'-Bis(trifluoromethyl)-4,4'-diaminobiphenyl、TFDB)を含み、
前記芳香族ジアンヒドリド化合物は、2,2'−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンジアンヒドリド(2,2'-Bis(3,4-Dicarboxyphenyl)hexafluoropropane dianhydride、6−FDA)を含む、請求項1に記載のポリアミドイミドフィルム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態により本発明を詳細に説明する。実施形態は、発明の要旨を変更しない限り、様々な形態に変形され得る。
【0011】
本明細書において「含む」ということは、特別な記載がない限り、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0012】
また、本明細書に記載された構成成分の量、反応条件などを表すすべての数字および表現は、特別な記載がない限り、すべての場合に「約」という用語により修飾されるものと理解するべきである。
【0013】
本明細書において、第1、第2などの用語は様々な構成要素を説明するために用いられるものであり、前記構成要素は、前記用語によって限定されてはならない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的にのみ用いられる。
[ポリアミドイミドフィルム]
【0014】
本発明の実施形態は、特定穿孔特性を有し、無色透明でありながらも機械的物性と光学的物性に優れたポリアミドイミドフィルムを提供する。
【0015】
一実施形態によるポリアミドイミドフィルムは、芳香族ジアミン化合物、芳香族ジアンヒドリド化合物およびジカルボニル化合物を重合して形成されたポリアミドイミド重合体を含む。
【0016】
前記芳香族ジアミン化合物および前記芳香族ジアンヒドリド化合物のモル比は10:2〜10:4、具体的に10:2〜10:3であり得る。前記モル比の範囲を満足すると、機械的物性と光学的物性に優れたポリアミドイミドフィルムを提供することができる。
【0017】
前記ポリアミドイミド重合体は、前記芳香族ジアミン化合物と前記芳香族ジアンヒドリド化合物との重合から由来するイミド(imide)繰り返し単位と、前記芳香族ジアミン化合物と前記ジカルボニル化合物との重合から由来するアミド(amide)繰り返し単位を含む。
【0018】
前記芳香族ジアミン化合物は、前記芳香族ジアンヒドリド化合物とイミド結合し、前記ジカルボニル化合物とアミド結合して、共重合体を形成する化合物である。
【0019】
一実施形態において、前記芳香族ジアミン化合物として、1種の芳香族ジアミンが使用され得る。単一種類の芳香族ジアミン化合物を用いることにより、前記ポリアミドイミド重合体の化学構造の設計が容易であり得、工程の効率を高め得る。
【0020】
例えば、前記芳香族ジアミン化合物は、下記化学式1で表される2,2'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4'−ジアミノビフェニル(2,2'−Bis(trifluoromethyl)−4,4'−diaminodiphenyl、TFDB)を含み得るが、これに限定されるものではない。
【0022】
前記芳香族ジアンヒドリド化合物は、複屈折値が低いため、前記ポリアミドイミドフィルムの透過度のような光学物性の向上に寄与することができる化合物である。
【0023】
一実施形態において、前記芳香族ジアンヒドリド化合物として、1種の芳香族ジアンヒドリドが使用され得る。単一種類の芳香族ジアンヒドリド化合物を使用することにより、前記ポリアミドイミド重合体の化学的構造を、所望の物性が実現されるように設計することができ、工程の効率を高めることができる。
【0024】
前記芳香族ジアンヒドリド化合物は、フッ素含有置換基を有する化合物を含むことができる。または、前記芳香族ジアンヒドリド化合物は、フッ素含有置換基を有する化合物からなり得る。この際、前記フッ素含有置換基は、フッ素化炭化水素基であり得、具体的に、トリフルオロメチル基であり得るが、これに限定されるものではない。
【0025】
例えば、前記芳香族ジアンヒドリド化合物は、下記化学式2で表される2,2'−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンジアンヒドリド(2,2'−Bis−(3、4−Dicarboxyphenyl)hexafluoropropane dianhydride、6−FDA)を含み得るが、これに限定されるものではない。
【0027】
前記芳香族ジアミン化合物および前記ジアンヒドリド化合物が重合して、ポリアミック酸を生成することができる。
次いで、前記ポリアミック酸は、脱水反応によりポリイミドに転換され得、前記ポリイミドはイミド(imide)繰り返し単位を含む。
例えば、前記ポリイミドは、下記化学式3で表される化合物を含み得るが、これに限定されるものではない。
【0028】
[化3]
前記化学式3のnは1〜400の整数である。
【0029】
前記ジカルボニル化合物は、互いに異なる2種のジカルボニル化合物を含むことができる。
【0030】
例えば、前記ジカルボニル化合物は、第1ジカルボニル化合物および/または第2ジカルボニル化合物を含むことができる。
【0031】
前記第1ジカルボニル化合物および前記第2ジカルボニル化合物は、芳香族ジカルボニル化合物(aromatic dicarbonyl compound)であり得る。
【0032】
前記第1ジカルボニル化合物および前記第2ジカルボニル化合物は、互いに異なる化合物であり得る。
【0033】
例えば、前記第1ジカルボニル化合物および前記第2ジカルボニル化合物が、互いに異なる芳香族ジカルボニル化合物であり得るが、これに限定されるものではない。
【0034】
前記第1ジカルボニル化合物および前記第2ジカルボニル化合物が、それぞれ芳香族ジカルボニル化合物である場合、ベンゼン環を含んでいるので、製造されたポリアミドイミドフィルムの表面硬度および引張強度のような機械的物性を向上させるのに寄与することができる。
【0035】
一実施形態において、前記ジカルボニル化合物として2種の芳香族ジカルボニル化合物が使用され得る。2種の芳香族ジカルボニル化合物を使用することにより、前記ポリアミドイミド重合体の化学構造を、所望の物性が実現されるように設計することができ、工程の効率を高めることができる。
【0036】
前記ジカルボニル化合物は、テレフタロイルクロリド(terephthaloyl chloride、TPC)、1,1'−ビフェニル−4,4'−ジカルボニルジクロリド(1,1'−biphenyl−4,4'−dicarbonyl dichloride、BPDC)、またはその組み合わせを含み得るが、これらに限定されるものではない。
【0037】
例えば、前記第1ジカルボニル化合物は、化学式4で表される1,1'−ビフェニル−4,4'−ジカルボニルジクロリド(1,1'−biphenyl−4,4'−dicarbonyl dichloride、BPDC)を含み得るが、これに限定されるものではない。
【0039】
また、前記第2ジカルボニル化合物は、化学式5で表されるテレフタロイルクロリド(terephthaloyl chloride、TPC)を含み得るが、これに限定されるものではない。
【0041】
前記第1ジカルボニル化合物として1,1'−ビフェニル−4,4'−ジカルボニルジクロリド(BPDC)、第2ジカルボニル化合物としてテレフタロイルクロリド(TPC)が適切に組み合わされて用いられる場合、製造されたポリアミドイミドフィルムは高い耐酸化性を有し得る。
【0042】
また、前記芳香族ジアミン化合物および前記ジカルボニル化合物が重合して化学式6および化学式7で表されるアミド(amide)繰り返し単位を形成することができる。
【0044】
[化7]
前記化学式6のxは1〜400の整数である。
前記化学式7のyは1〜400の整数である。
【0045】
他の実施形態によるポリアミドイミドフィルムは、芳香族ジアミン化合物、芳香族ジアンヒドリド化合物、およびジカルボニル化合物を重合して形成されたポリアミドイミド重合体を含み、この際、前記芳香族ジアミン化合物は1種のジアミン化合物を含み、前記芳香族ジアンヒドリド化合物は1種の芳香族ジアンヒドリド化合物を含み、前記ジカルボニル化合物は2種のジカルボニル化合物を含むことができる。
【0046】
例えば、前記芳香族ジアミン化合物は、2,2'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4'−ジアミノビフェニル(2,2'−Bis(trifluoromethyl)−4,4'−diaminobiphenyl、TFDB)を含み、前記芳香族ジアンヒドリド化合物は、2,2'−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンジアンヒドリド(2,2'−Bis−(3,4−Dicarboxyphenyl)hexafluoropropane dianhydride、6−FDA)を含み、前記ジカルボニル化合物は、テレフタロイルクロリド(terephthaloyl chloride、TPC)、1,1'−ビフェニル−4,4'−ジカルボニルジクロリド(1,1'−biphenyl−4,4'−dicarbonyl dichloride、BPDC)、またはこれらの組み合わせを含み得るが、これらに限定されるものではない。
【0047】
または、前記芳香族ジアミン化合物は1種のジアミン化合物からなり、前記芳香族ジアンヒドリド化合物は1種の芳香族ジアンヒドリド化合物からなり、前記ジカルボニル化合物は2種のジカルボニル化合物からなり得る。
【0048】
例えば、前記芳香族ジアミン化合物は、2,2'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4'−ジアミノビフェニル(2,2'−Bis(trifluoromethyl)−4,4'−diaminobiphenyl、TFDB)からなり、前記芳香族ジアンヒドリド化合物は、2,2'−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンジアンヒドリド(2,2'−Bis(3,4−Dicarboxyphenyl)hexafluoropropane dianhydride、6−FDA)からなり、前記ジカルボニル化合物は、テレフタロイルクロリド(terephthaloyl chloride、TPC)および1,1'−ビフェニル−4,4'−ジカルボニルジクロリド(1,1'−biphenyl−4,4'−dicarbonyl dichloride、BPDC)からなり得る。
【0049】
一実施形態は、イミド繰り返し単位およびアミド繰り返し単位の含有量を適切に調節することにより、複雑な過程がなくても光学的特性、機械的物性、および柔軟性がバランスよく改善されたポリアミドイミドフィルムが得られることを特徴とする。
【0050】
また、従来のように沈殿、ろ過および乾燥、再溶解などの過程を経なくても、光学的特性、機械的特性、および柔軟性がバランスよく改善されたポリアミドイミドフィルムを得ることができる。
【0051】
前記イミド繰り返し単位およびアミド繰り返し単位のそれぞれの含有量は、前記芳香族ジアンヒドリド化合物およびジカルボニル化合物の投入量で調節され得る。
【0052】
前記ポリアミドイミドフィルムに含まれているポリアミドイミド重合体において、イミド繰り返し単位とアミド繰り返し単位とのモル比は、50:50〜20:80であり得るが、これらに限定されるものではない。
【0053】
イミド繰り返し単位とアミド繰り返し単位とのモル比が前記範囲であると、ポリアミドイミドフィルムの透過度、ヘイズなどの光学的物性に優れる。
【0054】
前記ポリアミドイミドフィルムは、下記一般式1の条件を満足する。
<式1>
4≦X/Y≦12
X:前記フィルムを、UTM圧縮モードにより2.5mm球状のチップを用いて10mm/minの速度で穿孔する際、クラックを含む穿孔最大径(mm)
Y:前記フィルムのモジュラス(GPa)
【0055】
上記ポリアミドイミドフィルムは厚さ50μmを基準に、圧縮強度が0.4kgf/μm以上である。具体的には、前記圧縮強度が0.45kgf/μm以上または0.46kgf/μm以上であり得るが、これに限定されるものではない。
【0056】
前記ポリアミドイミドフィルムは厚さ50μmを基準に、前記穿孔最大径(X)が60mm以下である。具体的には、前記穿孔最大径が5mm〜60mm、10mm〜60mm、15mm〜60mm、20mm〜60mm、25mm〜60mm、または25mm〜58mmであり得るが、これに限定されるものではない。
【0057】
前記ポリアミドイミドフィルムは、厚さ50μmを基準に、モジュラスが5.0GPa以上である。具体的に、前記モジュラスが5.1GPa以上であり得るが、これに限定されるものではない。
【0058】
前記ポリアミドイミドフィルムは、表面硬度がHB以上である。具体的に、前記表面硬度がH以上または2H以上であり得るが、これらに限定されるものではない。
【0059】
前記ポリアミドイミドフィルムは、厚さ50μmを基準に、黄色度(Yellow Index、YI)が5以下である。具体的に、前記黄色度が4.5以下であり得るが、これに限定されるものではない。より具体的に、前記黄色度が4以下、3.8以下、または3.6以下であり得るが、これらに限定されるものではない。
【0060】
前記ポリアミドイミドフィルムは、厚さ50μmを基準に、ヘイズが2%以下である。具体的に、前記ヘイズが1.8%または1.5%以下であり得るが、これらに限定されるものではない。より具体的に、前記ヘイズが1.0%または0.9%以下であり得るが、これらに限定されるものではない。
【0061】
前記ポリアミドイミドフィルムは、厚さ50μmを基準に、550nmで測定した光透過度が85%以上である。具体的に、厚さ50μmを基準に、550nmで測定した光透過度が86%以上または88%以上であり得るが、これらに限定されるものではない。
【0062】
前記ポリアミドイミドフィルムは、厚さ50μmを基準に、引張強度が15kgf/mm
2以上である。具体的に、前記引張強度が18kgf/mm
2以上であり得るが、これに限定されるものではない。
【0063】
前記ポリアミドイミドフィルムは、厚さ50μmを基準に、伸び率が15%以上である。具体的に、前記伸び率が16%以上であり得るが、これに限定されるものではない。
前述のポリアミドイミドフィルムに関する様々な特性が組み合わせわされ得る。
【0064】
例えば、前記ポリアミドイミドフィルムは、芳香族ジアミン化合物、芳香族ジアンヒドリド化合物およびジカルボニル化合物を重合して形成されたポリアミドイミド重合体を含み、前記一般式1の条件を満足し得る。
【0065】
他の例として、前記ポリアミドイミドフィルムは、前記一般式1の条件を満足し、前記ポリアミドイミドフィルムの厚さ50μmを基準に、圧縮強度が0.4kgf/μmであり、前記穿孔最大径(X)が60mm以下であり、モジュラスが5.0GPa以上であり、表面硬度がHB以上であり、黄色度が5以下であり、ヘイズが2%以下であり、550nmで測定した光透過度が85%以上であり得る。
【0066】
また他の例として、前記ポリアミドイミドフィルムは、芳香族ジアミン化合物、芳香族ジアンヒドリド化合物およびジカルボニル化合物を重合して形成されたポリアミドイミド重合体を含み、前記芳香族ジアミン化合物は、2,2'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4'−ジアミノビフェニル(2,2'−Bis(trifluoromethyl)−4,4'−diaminobiphenyl、TFDB)を含み、前記芳香族ジアンヒドリド化合物は、2,2'−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンジアンヒドリド(2,2'−Bis(3,4−Dicarboxyphenyl)hexafluoropropane dianhydride、6−FDA)を含み、前記ジカルボニル化合物は、テレフタロイルクロリド(terephthaloyl chloride、TPC)、1,1'−ビフェニル−4,4'−ジカルボニルジクロリド(1,1'−biphenyl−4,4'−dicarbonyl dichloride、BPDC)、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
[ポリアミドイミドフィルムの製造方法]
【0067】
一実施形態に係るポリアミドイミドフィルムを製造する方法は、芳香族ジアミン化合物、芳香族ジアンヒドリド化合物およびジカルボニル化合物を重合して、ポリアミドイミド重合体溶液を調製する段階と、前記重合体溶液をタンクに投入する段階と、前記タンク内の重合体溶液を押出およびキャスティングした後乾燥させ、ゲルシートを製造する段階と、前記ゲルシートを熱処理する段階とを含む。この際、前記重合体溶液の粘度は10万cps〜30万cpsである。
【0068】
また、前記ジカルボニル化合物は、第1ジカルボニル化合物および第2ジカルボニル化合物を含むことができる。この際、前記重合体溶液を調製する段階は、芳香族ジアミン化合物、芳香族ジアンヒドリド化合物、並びに第1ジカルボニル化合物および第2ジカルボニル化合物を有機溶媒上で重合して、第1重合体溶液を得る段階と、前記第1重合体溶液に前記第2ジカルボニル化合物をさらに添加して第2重合体溶液を得る段階とを含み得るが、これらに限定されるものではない。
【0069】
具体的に、ポリアミドイミドフィルムを製造する方法は、芳香族ジアミン化合物、芳香族ジアンヒドリド化合物、並びに第1ジカルボニル化合物および第2ジカルボニル化合物を有機溶媒上で重合して、第1重合体溶液を得る段階と、前記第1重合体溶液に前記第2ジカルボニル化合物をさらに添加して、粘度が10万cps〜30万cpsである第2重合体溶液を得る段階と、前記第2重合体溶液をタンクに投入する段階と、前記タンク内の第2重合体溶液を押出およびキャスティングした後乾燥させ、ゲルシートを製造する段階と、前記ゲルシートを熱処理する段階とを含む。
【0070】
前記重合反応において用いられる有機溶媒は、ジメチルホルムアミド(dimethylformamide、DMF)、ジメチルアセトアミド(dimethylacetamide、DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(N−methyl−2−pyrrolidone、NMP)、m−クレゾール(m−cresol)、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran、THF)、およびクロロホルムからなる群より選択された1種以上であり得るが、これらに限定されるものではない。具体的に、前記重合反応で使用される有機溶媒は、ジメチルアセトアミド(dimethylacetamide、DMAc)であり得るが、これに限定されるものではない。
【0071】
前記第1重合体溶液を得る段階は、前記芳香族ジアミン化合物、前記芳香族ジアンヒドリド化合物、前記第1ジカルボニル化合物および前記第2ジカルボニル化合物を同時または順次重合し得る。
【0072】
具体的に、一実施形態において、第1重合体溶液を得る段階は、前記芳香族ジアミン化合物、前記芳香族ジアンヒドリド化合物、前記第1ジカルボニル化合物および前記第2ジカルボニル化合物を同時に重合し得る。
【0073】
他の実施形態において、前記第1重合体溶液を得る段階は、前記芳香族ジアミン化合物および前記芳香族ジアンヒドリド化合物を重合してポリアミック酸溶液を得る段階と、前記ポリアミック酸溶液に前記第1ジカルボニル化合物および前記第2ジカルボニル化合物を添加して重合する段階とを含み得る。前記ポリアミック酸溶液は、ポリアミック酸を含む溶液である。
【0074】
また他の実施形態において、前記第1重合体溶液を得る段階は、前記芳香族ジアミン化合物および前記芳香族ジアンヒドリド化合物を重合してポリアミック酸溶液を得る段階と、前記ポリアミック酸溶液から脱水反応を行ってポリイミド溶液を得る段階と、前記ポリイミド溶液に前記第1ジカルボニル化合物および前記第2ジカルボニル化合物を添加して重合する段階とを含み得る。前記ポリイミド溶液は、イミド繰り返し単位を有する重合体を含む溶液である。
【0075】
また他の実施形態において、前記第1重合体溶液を得る段階は、前記芳香族ジアミン化合物、前記第1ジカルボニル化合物および前記第2ジカルボニル化合物を重合してアミド重合体溶液を得る段階と、前記アミド重合体溶液に、前記芳香族ジアンヒドリド化合物を添加して重合する段階とを含み得る。前記アミド重合体溶液は、アミド繰り返し単位を有する重合体を含む溶液である。
【0076】
前記第1重合体溶液に含まれている共重合体は、前記芳香族ジアミン化合物と前記芳香族ジアンヒドリド化合物との重合から由来するイミド(imide)繰り返し単位と、前記芳香族ジアミン化合物と前記ジカルボニル化合物との重合から由来するアミド(amide)繰り返し単位を含む。
【0077】
前記第1重合体溶液を得る段階、前記第2重合体を得る段階、または前記第2重合体を調製した後に、さらに触媒が添加され得る。
【0078】
前記触媒の例として、βピコリン(β−picoline)または無水酢酸(acetic anhydride)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0079】
前記触媒をさらに添加することにより、反応速度を速くすることができ、繰り返し単位構造間または繰り返し単位構造内の結合力を向上させる効果がある。
【0080】
また、前記触媒の添加、重合体溶液の乾燥および再溶解または溶媒の追加などの工程において、押出工程に適するように、前記重合体溶液の粘度が適切に調節され得る。
【0081】
他の実施形態は、第1重合体溶液を得る段階において、過量の芳香族ジアミン化合物に、前記芳香族ジアンヒドリド、前記第1ジカルボニル化合物および前記第2ジカルボニル化合物を投入することを含む。
【0082】
具体的に、前記芳香族ジアンヒドリド、前記第1ジカルボニル化合物および前記第2ジカルボニル化合物の総モルを基準に、前記芳香族ジアンヒドリドを20モル%〜50モル%で含み得るが、これに限定されるものではない。
【0083】
前記芳香族ジアンヒドリドの含有量が前記範囲であると、ポリアミドイミドフィルムのモジュラス、引張強度、伸び率、表面硬度などの機械的物性に優れる。
【0084】
また、前記芳香族ジアンヒドリド、前記第1ジカルボニル化合物および前記第2ジカルボニル化合物の総モルを基準に、前記第1ジカルボニル化合物および前記第2ジカルボニル化合物を50モル%〜80モル%で含み得るが、これに限定されるものではない。
【0085】
前記ジカルボニル化合物の含有量が前記範囲であると、ポリアミドイミドフィルムの光透過度、ヘイズなどの光学的物性に優れる。
【0086】
また他の実施形態は、第1重合体溶液を得る段階において、前記第1ジカルボニル化合物および前記第2ジカルボニル化合物の総モルを基準に、前記第1ジカルボニル化合物を50モル%〜70モル%で含み得るが、これに限定されるものではない。
【0087】
前記第1ジカルボニル化合物は、1,1'−ビフェニル−4,4'−ジカルボニルジクロリド(1,1'−biphenyl−4,4'−dicarbonyl dichloride、BPDC)であり、前記第2ジカルボニル化合物は、テレフタロイルクロリド(terephthaloyl chloride、TPC)であり得る。
【0088】
前記第1ジカルボニル化合物の含有量が50モル%未満の場合、ポリアミドイミドフィルムの引張強度、モジュラスなどの物性が低下され得、70モル%超過の場合はヘイズなどの光学的物性が低下され得る。
【0089】
好ましくは、第1重合体溶液を得る段階であって、I)残りの反応物質と同一モル(mole)以上の過量の芳香族ジアミン化合物、II)前記芳香族ジアンヒドリド化合物、前記第1ジカルボニル化合物および前記第2ジカルボニル化合物の総モルを基準に、20モル%〜50モル%の芳香族ジアンヒドリド化合物、およびIII)前記芳香族ジアンヒドリド化合物、前記第1ジカルボニル化合物および前記第2ジカルボニル化合物の総モルを基準に、50モル%〜80モル%の前記第1ジカルボニル化合物および前記第2ジカルボニル化合物を使用して調製することができる。
【0090】
具体的に、前記第1ジカルボニル化合物および前記第2ジカルボニル化合物の総モルを基準に、50モル%〜70モル%の前記第1ジカルボニル化合物(1,1'−ビフェニル−4、4'−ジカルボニルジクロリド(1,1'−biphenyl−4,4'−dicarbonyl dichloride、BPDC))および30モル%〜50モル%の前記第2ジカルボニル化合物(テレフタロイルクロリド(terephthaloyl chloride、TPC))を用いて調製することができる。
【0091】
前記第1重合体溶液を得る段階において、イミド繰り返し単位およびアミド繰り返し単位それぞれの含有量を適切に調節することにより、従来のように沈殿、ろ過および乾燥、再溶解などの過程を経なくても、光学的特性、機械的物性および柔軟性がバランスよく改善されたポリアミドイミドフィルムを得ることができる。
【0092】
前記第1重合体溶液を得る段階の後に、前記第1重合体溶液に前記第2ジカルボニル化合物をさらに添加して、粘度が10万cps〜30万cpsである第2重合体溶液を得ることができる。
【0093】
前記第1重合体溶液を得る段階で添加する第2ジカルボニル化合物および前記第2重合体溶液を得る段階で添加する第2ジカルボニル化合物の重量比は、90:10〜99:1であり得るが、これに限定されるものではない。
【0094】
また、前記第2重合体溶液を得る段階で添加する第2ジカルボニル化合物は、有機溶媒と混合して5重量%〜20重量%の濃度で調製された第2ジカルボニル化合物溶液として用いられるが、これに限定されるものではない。
これは所望の粘度を正確に達成できるという点から有利である。
【0095】
前記第2重合体溶液の粘度は10万〜30万cpsであり得るが、これに限定されるものではない。
前記第2重合体溶液の粘度が前記範囲であると、押出およびキャスティング工程において効率的にポリアミドイミドフィルムが製造され得る。また、製造されたポリアミドイミドフィルムは、向上されたモジュラスなどの機械的物性を有し得る。
【0096】
一実施形態によると、第2重合体溶液に含まれている固形分の含有量は10重量%〜20重量%であり得る。具体的に、第2重合体溶液に含まれている固形分の含有量は、12重量%〜18重量%であり得るが、これに限定されるものではない。
【0097】
前記第2重合体溶液に含まれている固形分の含有量が前記範囲であると、押出およびキャスティング工程において効率的にポリアミドイミドフィルムが製造され得る。また、製造されたポリアミドイミドフィルムは、向上されたモジュラスなどの機械的物性および低い黄色度などの光学性物性を有することができる。
【0098】
前記第2重合体溶液を得た後、前記第2重合体溶液のpHは、中和剤を添加して調節することができる。
前記中和剤の例として、アルコキシアミン、アルキルアミンまたはアルカノールアミンなどのアミン系中和剤などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0099】
前記中和剤は、前記ポリアミドイミド重合体溶液内の単量体の総モル数を基準に、約0.1モル%〜約10モル%の量で添加され得る。
前記中和剤により調節された第2重合体溶液のpHは、約4〜約7であり得る。具体的に、調節された第2重合体溶液のpHは、約4.5〜約7であり得る。
【0100】
前記第2重合体溶液のpHが前記範囲であると、後述の押出およびキャスティング工程において発生する装置の損傷を防止することができる。また、製造されるポリアミドイミドフィルムの黄色度を下げるか、または黄色度の増加を防止するなど、光学的物性およびモジュラスを向上させるなど、機械的物性の面で効果を有し得る。
【0101】
前記重合体溶液を調製する段階、または前記第2重合体溶液を得る段階の後、前記重合体溶液をタンクに投入する。
【0102】
この際、前記重合体溶液を得た後、別途の工程なく前記重合体溶液をタンクに移動する段階を行う。具体的に、前記重合設備において調製された重合体溶液は、不純物を除去するための別途の沈殿および再溶解過程なく、そのまま前記タンクに移動して保管される。従来は、前記重合体溶液の調製過程で生成される塩酸(HCl)などの不純物を除去するために、調製された重合体溶液を別の工程により精製して不純物を除去し、これを溶媒に再溶解させる工程を行っていた。しかし、この場合、不純物を除去する過程において有効成分の損失が大きくなり、その結果、収率が低下する問題があった。
【0103】
そこで、一実施形態による前記製造方法は、前記重合体溶液の調製過程において、根本的に不純物の含有量を最小化したり、所定の不純物が存在しても後続の工程でこれらを適切に制御したりして、最終的なフィルムの物性を低下させないようにすることによって、別途の沈殿または再溶解過程なくフィルムを製造するメリットを有する。
【0104】
この際、前記タンクの内部温度は、−20℃〜0℃であることが好ましい。これは、投入する重合体溶液の変質を防止し、含水率を低下させるためである。
【0105】
前記調製された重合体溶液をタンクに投入する段階の後に、前記タンク内の圧力が0.2bar〜0.4barになるまで1〜2時間の間、真空脱泡する段階をさらに含むことができる。
【0106】
または、前記調製された重合体溶液をタンクに投入する段階の後に、窒素ガスを使用し、1気圧〜2気圧で前記タンクをパージ(purging)する段階をさらに含み得る。
【0107】
前記真空脱泡する段階および前記タンクを窒素ガスでパージする段階は、別途の工程により行われる。
【0108】
例えば、前記真空脱泡する段階が行われ、その後、前記タンクを窒素ガスでパージする段階が行えるが、これに限定されるものではない。
【0109】
前記真空脱泡する段階および/または前記タンクを窒素ガスでパージする段階を行うことにより、製造されたポリアミドイミドフィルム表面の物性が向上され得る。
【0110】
次いで、前記タンク内の重合体溶液を押出およびキャスティングした後乾燥させ、ゲルシートを製造する。
前記押出およびキャスティング工程の際、前述の有機溶媒が使用され得る。
【0111】
前記重合体溶液は押出され、キャスティングロールまたはキャスティングベルトなどのような注型体によりキャスティングされる。この際、約0.5m/min〜約15m/minの速度で、また、200μm〜700μmの厚さで前記注型体にキャスティングされ得る。押出およびキャスティング速度が前記範囲内である時、実施形態による製造方法によって製造されたポリアミドイミドフィルムは、向上された光学的特性および機械的特性を有し得る。
【0112】
すなわち、前記重合体溶液が前記のような粘度を有すると、前記のような押出速度で押出されキャスティングされることが、向上された光学的特性および機械的特性を有するために有利であり得る。
【0113】
前記重合体溶液が注型体にキャスティングされた後、前記重合体溶液に含まれている溶媒を、乾燥工程によって除去することにより、前記注型体上にゲルシートが形成される。
前記乾燥工程は、約60℃〜約150℃の温度で、約5分〜約60分間行える。
【0114】
その後、前記ゲルシートを熱処理する段階を経て、実施形態によるポリアミドイミドフィルムを製造することができる。
【0115】
前記熱処理段階は、80℃〜500℃の温度範囲で2℃/min〜80℃/minの速度で昇温させながら、5分〜40分、または5分〜30分間行える。具体的に、前記熱処理の段階は、80℃〜470℃の温度範囲で10℃/min〜80℃/minの速度で昇温させながら、5分〜30分、または5分〜20分間行える。
【0116】
前記熱処理段階中の最高温度は300℃〜500℃、または320℃〜500℃であり得る。より詳しく、前記熱処理段階中の最高温度は350℃〜500℃、380℃〜500℃、400℃〜500℃、410℃〜480℃、410℃〜470℃、または410℃〜450℃であり得るが、これらに限定されるものではない。
【0117】
前記熱処理段階の後に、前記熱処理されたシートを減温させる段階をさらに含むことができる。前記減温させる段階は、100℃/min〜1000℃/minの速度で減温させる第1減温段階および40℃/min〜400℃/minの速度で減温させる第2減温段階を含み得る。
【0118】
具体的に、前記第1減温段階の後に、第2減温段階が行われる。
また、前記第1減温段階の減温速度が前記第2減温段階の減温速度よりも速いこともあり得る。
例えば、前記第1減温段階中の最大速度が、前記第2減温段階中の最大速度よりも速い。または、前記第1減温段階中の最低速度が、前記第2減温段階中の最低速度よりも速い。
【0119】
前記ポリアミドイミド重合体は高い耐酸化性を有するので、前記熱処理工程の際、大気中に含まれている酸素の影響をほとんど受けない。したがって、実施形態によるポリアミドイミドフィルムは、向上された光学的特性を有し得る。
【0120】
また、従来は、ポリイミドフィルムを製造するにおいて、製膜過程の熱処理の際、窒素ガスのパージにより前記フィルムの黄変を防止して透明性を確保したが、前記実施形態によれば、このような窒素ガスのパージがなくても、光学的特性に優れたポリアミドイミドフィルムが得られる。
【0121】
前記ポリアミドイミドフィルムの製造方法により製造されたポリアミドイミドフィルムに関する説明は、前記[ポリアミドイミドフィルム]に記載された説明を参照する。
【0122】
例えば、前記製造方法により製造されたポリアミドイミドフィルムは、前記一般式1の条件を満足し得る。
(実施例)
【0123】
以下、本発明を下記実施例によりさらに詳細に説明する。但し、下記実施例は、本発明を例示するためのものであるのみ、本発明の範囲がこれらに限定されるものではない。
(実施例1ないし実施例7)
【0124】
温度調節が可能な二重ジャケットの1L用ガラス反応器に、20℃の窒素雰囲気下において有機溶媒であるジメチルアセトアミド(DMAc)を満たした後、芳香族ジアミンである2,2'−ビス(トリフルオロメチル)−4、4'−ジアミノビフェニル(TFDB)を徐々に投入しながら溶解させた。
【0125】
次いで、芳香族ジアンヒドリドである2,2'−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンジアンヒドリド(6−FDA)を徐々に投入しながら1時間撹拌した。
【0126】
そして、第1ジカルボニル化合物として1,1'−ビフェニル−4,4'−ジカルボニルジクロリド(BPDC)を投入した後1時間撹拌させ、第2ジカルボニル化合物としてテレフタロイルクロリド(TPC)を投入した後1時間撹拌して、第1重合体溶液を調製した。
【0127】
調製された第1重合体溶液の粘度を測定した後、測定された粘度が目標粘度に達していない場合は、10万cps〜30万cpsの粘度になるまで、DMAc有機溶媒に10重量%のTPC溶液を調製して1mL添加した後、30分間撹拌する過程を繰り返して第2重合体溶液を調製した。
【0128】
前記第2重合体溶液をガラス板に塗布した後、80℃の熱風により30分乾燥した。乾燥されたポリアミドイミド重合物をガラス板から剥離した後、ピンフレームに固定して、80℃〜500℃の温度範囲で2℃/min〜80℃/minの速度で昇温させながら30分間熱処理して、厚さ50μmのポリアミドイミドフィルムを得た。
【0129】
前記実施例によると、製膜段階の直前(塗布直前)まで収率が約100%に達するが、本明細書において「収率」とは、投入された材料のモル(mole)に対する塗布のための溶液に残っている材料のモルのことを意味する。
【0130】
従来の製造方法によると、製膜段階の直前の収率が約60%程度であるが、これは、ポリイミド化反応、沈殿、ろ過、および乾燥などの段階において材料の損失が必然的に発生するからである。
【0131】
実施例1〜7の場合、TFDB、6−FDA、TPC、およびBPDCのモル比が、下記表1に記載のものであることを除いては、同様の方法によりポリアミドイミドフィルムを製造した。
【0133】
比較例1の場合は、SKCコーロンPI社のGF系の有色PIフィルムを使用した。
比較例2の場合は、SKC社の自社作制サンプルとしてアクリル系フィルムを使用した。
比較例3の場合は、SKC社のSG65C名称のPETフィルムを使用した。
[評価例]
【0134】
前記実施例1〜7および比較例1〜3によるフィルムについて、次のような物性を測定および評価した。その結果を下記表2に示した。
[評価例1:フィルムの厚さ測定]
【0135】
日本ミツトヨ社のデジタルマイクロメーター547−401を使用して、幅方向に5ポイント測定し、平均値で厚さを測定した。
[評価例2:圧縮強度の測定]
インストロン(Instron)社の万能試験機UTM5566Aを用いて、サンプルの主収縮方向と直交する方向に10cmおよび主収縮方向に10cmに切り、前記フィルムをUTM圧縮モードで2.5mm球状のチップを使用して、10mm/minの速度で圧縮して、穿孔される瞬間の引張強度を測定した。
[評価例3:穿孔最大径測定]
【0136】
穿孔されたサンプルを平らなガラス板の上にのせ、タジマ(Tajima)社の長さ測定の巻尺(GL19−55BL)を利用して、穿孔中心から最も遠距離を基準に直径を測定した。
[評価例4:モジュラス(modulus)測定]
【0137】
インストロン社の万能試験機UTM5566Aを用いて、サンプルの主収縮方向と直交する方向に5cm以上および主収縮方向に10mmに切り、5cm間隔のクリップに装着した後、常温において5mm/minの速度で伸しながら、破断が起きるまで応力−ひずみ曲線を得た。前記応力−ひずみ曲線において、初期変形に対する荷重の傾きをモジュラス(GPa)とした。
[評価例5:表面硬度測定]
【0138】
表面硬度は、鉛筆硬度測定器(CT−PC1、CORE TECH、韓国)に鉛筆硬度測定用鉛筆を45°角度で取り付け、一定の荷重(750g)を加えながら300mm/minの速度で測定した。鉛筆はMitsubishi鉛筆を使用し、H〜9H、F、HB、B〜6Bなどの硬度を表す鉛筆を使用した。
[評価例6:黄色度(YI)測定]
【0139】
黄色度(Yellow Index、YI)は、分光光度計(UltraScan(登録商標) PRO、Hunter Associates Laboratory)によりCIE表色系を用いて測定した。
[評価例7:光透過度およびヘイズ(HZ)測定]
【0140】
日本電色工業社のヘイズメーターNDH−5000Wを使用して、550nmにおける透過度およびヘイズを測定した。
【0142】
前記表2から確認できるように、実施例1〜7の場合、比較例1〜3とは異なり、特定穿孔特性(X/Y)範囲を確保することにより、無色透明でありながらも機械的物性と光学的物性に優れていることが確認できた。