特許第6850359号(P6850359)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6850359電子膨張弁及びそれを具備する冷凍システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6850359
(24)【登録日】2021年3月9日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】電子膨張弁及びそれを具備する冷凍システム
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/04 20060101AFI20210322BHJP
   F25B 41/35 20210101ALI20210322BHJP
【FI】
   F16K31/04 B
   F25B41/06 U
【請求項の数】24
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-553218(P2019-553218)
(86)(22)【出願日】2018年3月27日
(65)【公表番号】特表2020-515786(P2020-515786A)
(43)【公表日】2020年5月28日
(86)【国際出願番号】CN2018080669
(87)【国際公開番号】WO2018177284
(87)【国際公開日】20181004
【審査請求日】2019年11月13日
(31)【優先権主張番号】201710193950.4
(32)【優先日】2017年3月28日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518049739
【氏名又は名称】浙江三花智能控制股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang Sanhua Intelligent Controls CO.,Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】舒 小▲輝▼
【審査官】 加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】 中国実用新案第202928234(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/00−31/05
F25B 41/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子膨張弁であって、
弁ボディ(10)と、
前記弁ボディ(10)内に可動に設けられる弁ニードル(20)と、
前記弁ニードル(20)を移動させるように駆動する駆動部(30)と、
リード線(50)を介して外部機器に電気的に接続されることで、前記駆動部(30)を作動させるように制御する制御部(40)と、
前記制御部(40)と前記リード線(50)との接続箇所に位置し、前記接続箇所と前記駆動部(30)を離隔する第1絶縁構成(60)とを含み、
前記第1絶縁構成(60)は第1絶縁蓋であり、前記制御部(40)は前記リード線(50)に接続される制御板を含み、前記第1絶縁蓋が前記制御板における前記駆動部(30)に近接する側に設けられ、
前記第1絶縁蓋における前記制御板に向く側には前記制御板を収容するための第1収容凹溝(61)が設けられることを特徴とする電子膨張弁。
【請求項2】
前記第1絶縁蓋における前記制御板に向く側にはさらに前記リード線(50)を収容するための第2収容凹溝(62)が設けられ、前記第2収容凹溝(62)が前記第1収容凹溝(61)の一方側に位置するとともに、前記第1収容凹溝(61)に連通することを特徴とする請求項に記載の電子膨張弁。
【請求項3】
前記電子膨張弁はさらに、
前記駆動部(30)と前記制御部(40)の外側をカバーするように配置される駆動部ハウジング(100)と、
前記制御部(40)と前記駆動部ハウジング(100)の内壁との間に位置する第2絶縁構成(70)とを含むことを特徴とする請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項4】
記第2絶縁構成(70)は第2絶縁蓋であり、前記第2絶縁蓋が前記制御板における前記駆動部(30)から離れた側に設けられることを特徴とする請求項に記載の電子膨張弁。
【請求項5】
前記第2絶縁蓋における前記制御板に向く側には前記制御板を収容するための第3収容凹溝(71)が設けられることを特徴とする請求項に記載の電子膨張弁。
【請求項6】
前記第2絶縁蓋における前記制御板に向く側にはさらに前記リード線(50)を収容するための第4収容凹溝(72)が設けられ、前記第4収容凹溝(72)が前記第3収容凹溝(71)の一方側に位置するとともに、前記第3収容凹溝(71)に連通することを特徴とする請求項に記載の電子膨張弁。
【請求項7】
前記制御板の外側を覆うように、前記第1絶縁蓋と前記第2絶縁蓋とは互いに係合されることを特徴とする請求項に記載の電子膨張弁。
【請求項8】
前記第1絶縁蓋の高さは前記第2絶縁蓋の高さ以上であることを特徴とする請求項に記載の電子膨張弁。
【請求項9】
前記電子膨張弁はさらに、前記駆動部ハウジング(100)に接続され、前記リード線(50)が逃げる逃げ孔を有する伝動機構収容ボックス(80)を含み、前記第1絶縁蓋と前記第2絶縁蓋とが係合された時、前記逃げ孔内を閉鎖することを特徴とする請求項に記載の電子膨張弁。
【請求項10】
前記逃げ孔は段付穴であり、前記第1絶縁蓋の中部には第1ボス(91)が設けられ、前記第2絶縁蓋の中部には第2ボス(92)が設けられ、前記第1絶縁蓋と前記第2絶縁蓋とが係合された時、前記第1ボス(91)と前記第2ボス(92)とが前記段付穴の段面に係合されるプラットホーム(90)を形成することを特徴とする請求項に記載の電子膨張弁。
【請求項11】
前記第1絶縁構成(60)と前記第2絶縁構成(70)は一体構成であることを特徴とする請求項に記載の電子膨張弁。
【請求項12】
電子膨張弁を含む冷凍システムであって、前述電子膨張弁は請求項1〜11のいずれかの一項に記載の電子膨張弁であることを特徴とする冷凍システム。
【請求項13】
電子膨張弁であって、
弁ボディ(10)と、
前記弁ボディ(10)内に可動に設けられる弁ニードル(20)と、
前記弁ニードル(20)を移動させるように駆動する駆動部(30)と、
リード線(50)を介して外部機器に電気的に接続されることで、前記駆動部(30)を作動させるように制御する制御部(40)と、
前記制御部(40)と前記駆動部(30)との間に位置し、前記制御部(40)と前記リード線(50)との接続箇所と前記駆動部(30)を離隔する第1絶縁構成(60)とを含み、
前記第1絶縁構成(60)は第1絶縁蓋であり、前記制御部(40)は前記リード線(50)に接続される制御板を含み、前記第1絶縁蓋が前記制御板における前記駆動部(30)に近接する側に設けられ、
前記第1絶縁蓋における前記制御板に向く側には前記制御板を収容するための第1収容凹溝(61)が設けられることを特徴とする電子膨張弁。
【請求項14】
前記第1絶縁蓋における前記制御板に向く側にはさらに前記リード線(50)を収容するための第2収容凹溝(62)が設けられ、前記第2収容凹溝(62)が前記第1収容凹溝(61)の一方側に位置するとともに、前記第1収容凹溝(61)に連通することを特徴とする請求項13に記載の電子膨張弁。
【請求項15】
前記電子膨張弁はさらに、
前記駆動部(30)と前記制御部(40)の外側をカバーするように配置される駆動部ハウジング(100)と、
前記制御部(40)と前記駆動部ハウジング(100)の内壁との間に位置する第2絶縁構成(70)とを含むことを特徴とする請求項13に記載の電子膨張弁。
【請求項16】
記第2絶縁構成(70)は第2絶縁蓋であり、前記第2絶縁蓋が前記制御板における前記駆動部(30)から離れた側に設けられることを特徴とする請求項15に記載の電子膨張弁。
【請求項17】
前記第2絶縁蓋における前記制御板に向く側には前記制御板を収容するための第3収容凹溝(71)が設けられることを特徴とする請求項16に記載の電子膨張弁。
【請求項18】
前記第2絶縁蓋における前記制御板に向く側にはさらに、前記リード線(50)を収容するための第4収容凹溝(72)が設けられ、前記第4収容凹溝(72)が前記第3収容凹溝(71)の一方側に位置するとともに、前記第3収容凹溝(71)に連通することを特徴とする請求項17に記載の電子膨張弁。
【請求項19】
前記制御板の外側を覆うように、前記第1絶縁蓋と前記第2絶縁蓋とが互いに係合されることを特徴とする請求項16に記載の電子膨張弁。
【請求項20】
前記第1絶縁蓋の高さは前記第2絶縁蓋の高さ以上であることを特徴とする請求項16に記載の電子膨張弁。
【請求項21】
前記電子膨張弁はさらに、前記駆動部ハウジング(100)に接続され、前記リード線(50)が逃げる逃げ孔を有する伝動機構収容ボックス(80)を含み、前記第1絶縁蓋と前記第2絶縁蓋とが係合された時、前記逃げ孔内を閉鎖することを特徴とする請求項16に記載の電子膨張弁。
【請求項22】
前記逃げ孔は段付穴であり、前記第1絶縁蓋の中部には第1ボス(91)が設けられ、前記第2絶縁蓋の中部には第2ボス(92)が設けられ、前記第1絶縁蓋と前記第2絶縁蓋とが係合された時、前記第1ボス(91)と前記第2ボス(92)とが前記段付穴の段面に係合されるプラットホーム(90)を形成することを特徴とする請求項21に記載の電子膨張弁。
【請求項23】
前記第1絶縁構成(60)と前記第2絶縁構成(70)とは一体構成であることを特徴とする請求項15に記載の電子膨張弁。
【請求項24】
電子膨張弁を含む冷凍システムであって、前述電子膨張弁は請求項1323のいずれかの一項に記載の電子膨張弁であることを特徴とする冷凍システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は冷凍システムという分野に関わり、具体的には、電子膨張弁及びそれを具備する冷凍システムに関わる。
【背景技術】
【0002】
図1に示すように、背景技術において、変調空調用の減速型電子膨張弁は主に流量調節のための弁ボディ部分と、駆動するためのコイル部分とからなる。コイル部分には永久磁石式ステッピングモータ1と、三段階減速の歯車減速機2と、モータの回転運動をスクリュ3の垂直運動に変換するネジペア構成5とが含まれ、弁ボディが弁座10’と、弁ニードル8を昇降させるように制御する波形管7などの核心部材を含むように構成する。以下は前記電子膨張弁の作動原理を紹介し、即ち、まず、空調システムの電子コントローラは電子膨張弁のステッピングモータ1の出力軸を回転させるように制御し、モータ1と歯車減速機2とが協力することで、歯車減速機2の出力軸を回転させ、歯車減速機2の出力軸とスクリュとが協力することで、スクリュを回転させ、そして、スクリュとネジペア構成5とが協力することで、スクリュを上下に移動させる。スクリュの先端には鋼球11’が溶接され、鋼球11’の下端にはブッシュ6が設けられ、ブッシュ6の下端には弁ニードル8が接続される。スクリュが駆動部材によって下に移動するように駆動される場合に、スクリュが鋼球11’に当接され、鋼球11’がブッシュ6に当接され、ブッシュ6が弁ニードル8に当接されることで、弁ニードル8が閉鎖位置、即ち、弁ニードル8が弁ボディ10’に当接される位置に至るように、弁ニードル8とスクリュとが同期に下に運動する。弁ニードル8が閉鎖位置にある場合に、波形管7が続いて引っ張られている状態にある。逆方向パルスが付与されると、スクリュ3が上に運動し、弁ニードル8が波形管7の復帰弾力とシステムの圧力作用で絶えずに上に運動することで、弁口9の開放程度を変更させ、通流面積を変化させ、流量調節の過熱度を制御する目的を果たす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ただし、前記電子膨張弁が実際に作動している場合に、回路基板12’とリード線13’との溶接点がステッピングモータ1に近く、絶縁距離が短いから、落雷現象が生じる恐れがあり(前記落雷現象は雷に打たれることによる現象、または瞬間に大きい電圧を印加する場合に、回路基板12’とステッピングモータ1との間に生じたアークによる現象である可能性がある)、制御システムが干渉され、誤操作現象が出現する。
【0004】
本発明は、従来技術における電子膨張弁には落雷現象が生じる恐れがあるという問題を解決するための電子膨張弁及びそれを具備する冷凍システムを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を実現するために、本発明の第1面によれば、電子膨張弁を提供し、弁ボディと、弁ボディ内に可動に設けられる弁ニードルと、弁ニードルを移動させるように駆動する駆動部と、リード線を介して外部機器に電気的に接続されることで、駆動部を作動させるように制御する制御部と、制御部とリード線との接続箇所に位置し、接続箇所と駆動部を離隔する第1絶縁構成とを備える。
【0006】
さらに、第1絶縁構成は第1絶縁蓋であり、制御部はリード線に接続される制御板を含み、第1絶縁蓋が制御板の駆動部に近接する側に設けられる。
【0007】
さらに、第1絶縁蓋における制御板に向く側には制御板を収容するための第1収容凹溝が設けられる。
【0008】
さらに、第1絶縁蓋における制御板に向く側にはさらにリード線を収容するための第2収容凹溝が設けられ、第2収容凹溝が第1収容凹溝の一方側に位置するとともに、第1収容凹溝に連通する。
【0009】
さらに、電子膨張弁はさらに、駆動部と制御部の外側をカバーするように配置される駆動部ハウジングと、制御部と駆動部ハウジングの内壁との間に位置する第2絶縁構成とを含む。
【0010】
さらに、第1絶縁構成は第1絶縁蓋であり、第2絶縁構成は第2絶縁蓋であり、制御部はリード線に接続される制御板を含み、第1絶縁蓋が制御板における駆動部に近接する側に設けられ、第2絶縁蓋が制御板の駆動部から離れた側に設けられる。
【0011】
さらに、第2絶縁蓋における制御板に向く側には制御板を収容するための第3収容凹溝が設けられる。
【0012】
さらに、第2絶縁蓋における制御板に向く側にはさらにリード線を収容するための第4収容凹溝が設けられ、第4収容凹溝が第3収容凹溝の一方側に位置するとともに第3収容凹溝に連通する。
【0013】
さらに、制御板の外側を覆うように、第1絶縁蓋と第2絶縁蓋とが互いに係合される。
【0014】
さらに、第1絶縁蓋の高さは第2絶縁蓋の高さ以上である。
【0015】
さらに、電子膨張弁はさらに、駆動部ハウジングに接続され、リード線が逃げる逃げ孔を有する伝動機構収容ボックスを含み、第1絶縁蓋と第2絶縁蓋とが係合された時、逃げ孔内を閉鎖する。
【0016】
さらに、逃げ孔は段付穴であり、第1絶縁蓋の中部には第1ボスが設けられ、第2絶縁蓋の中部には第2ボスが設けられ、第1絶縁蓋と第2絶縁蓋とが係合された時、第1ボスと第2ボスが、段付穴の段面に係合されるプラットホームを形成する。
【0017】
さらに、第1絶縁構成と第2絶縁構成とは一体構成である。
【0018】
本発明の第2面によれば、前記電子膨張弁を含む冷凍システムを提供している。
【0019】
本発明の第3方面によれば、電子膨張弁を提供し、弁ボディと、可動に弁ボディ内に設けられる弁ニードルと、弁ニードルを移動させるように駆動する駆動部と、リード線を介して外部機器に電気的に接続されることで、駆動部を作動させるように制御する制御部と、制御部と駆動部との間に位置し、制御部とリード線との接続箇所と駆動部を離隔する第1絶縁構成とを含む。
【0020】
本発明の第4面によれば、前記電子膨張弁を含む冷凍システムを提供している。
【0021】
本発明の技術案によれば、電子膨張弁は制御部とリード線との接続箇所と駆動部との間に位置する第1絶縁構成を含む。前記構成において、制御部とリード線との接続箇所と駆動部との間には第1絶縁構成が設けられることで、絶縁距離が増加され、落雷現象が生じる確率を低減させ、さらに冷凍システムの誤操作現象が生じる確率を低減させ、従来技術における電子膨張弁には落雷現象が生じる恐れがあるという問題を解決する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本出願の一部を構成する明細書の図面は、本発明に対するさらなる理解を提供するために用いられ、本発明の模式的な実施例及びその説明は本発明に対する不当限定を構成していなく、本発明を解釈するために用いられる。
図1】従来技術における電子膨張弁の縦断面構成模式図である。
図2】本発明による電子膨張弁の実施例の縦断面構成模式図である。
図3図2の電子膨張弁の局所立体構成模式図である。
図4図2の電子膨張弁の局所縦断面構成模式図である。
図5図2の電子膨張弁の第1絶縁構成の立体構成模式図である。
図6図2の電子膨張弁の第2絶縁構成の立体構成模式図である。
図7図2の電子膨張弁の制御板、リード線と端子とが係合される立体構成模式図である。
図8図2の電子膨張弁の制御板、リード線、端子と第1絶縁構成とが係合される立体構成模式図である。
図9図2の電子膨張弁の制御板、リード線、第1絶縁構成と第2絶縁構成とが係合される立体構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
説明を必要とするのは、衝突していない場合に、本出願の実施例及び実施例における特徴は互いに組み合わせてもよい。以下は図面を参照し、実施例を結合し、本発明を詳しく説明する。
【0024】
図2図4に示すように、実施例1の電子膨張弁は弁ボディ10と、弁ニードル20と、駆動部30と、制御部40と第1絶縁構成60とを含む。弁ニードル20が可動に弁ボディ10内に設けられ、駆動部30が弁ニードル20を移動させるように駆動し、制御部40がリード線50を介して外部機器に電気的に接続されることで駆動部30を作動させるように制御し、第1絶縁構成60が制御部40と駆動部30との間に位置し、制御部40とリード線50との接続箇所と駆動部30を離隔する。
【0025】
説明を必要とするのは、該明細書に記載の「接続箇所」は制御部40とリード線50との間の接続部位及び該部位の近傍領域を指す。
【0026】
実施例1の技術案によれば、電子膨張弁は、制御部40とリード線50との接続箇所と駆動部30との間に位置する第1絶縁構成60を含む。前記構成において、制御部40とリード線50との接続箇所と駆動部30との間には第1絶縁構成60が設けられることで、絶縁距離が増加され、落雷現象が生じる確率を低減させ、さらに冷凍システムの誤操作現象が生じる確率を低減させ、従来技術における電子膨張弁には落雷現象が生じる恐れがあるという問題を解決する。
【0027】
より具体的な実施形態において、第1絶縁構成60が制御部40とリード線50との接続箇所に位置し、接続箇所と駆動部30とを離隔する。
【0028】
説明を必要とするのは、図2図4に示すように、実施例1において、制御部40はリード線50に接続される制御板を含み、リード線50は制御板の駆動部30に近接する表面に溶接される。溶接は一定の高さを有する溶接点が存在するから、溶接点突起の最高箇所と駆動部30との間の距離が、所定の絶縁距離より小さくなる恐れがあり、落雷現象が生じる。従って、絶縁距離を増加させるように、第1絶縁構成60を追加配置する必要が有る。
【0029】
図3図5に示すように、実施例1において、第1絶縁構成60は第1絶縁蓋であり、制御部40はリード線50に接続される制御板を含み、第1絶縁蓋が制御板における駆動部30に近接する側に設けられる。前記構成は制御板の溶接点を有する領域をカバーすることで、落雷現象が生じる確率をさらに低減させる。また、前記構成が簡単で、加工と組立を容易にする。
【0030】
図4に示すように、実施例1において、電子膨張弁はさらに駆動部ハウジング100を含む。駆動部ハウジング100は駆動部30と制御部40の外側をカバーするように配置される。前記構成は外部の空気、塵埃、水蒸気などが制御部40に接触することを防止し、制御部の寿命を保証する。制御板の駆動部30から離れた表面にも金属構成が存在するから、制御板と駆動部ハウジング100との間にも落雷現象が生じる恐れがある。落雷現象の発生をさらに低減させるために、図6に示すように、本実施例において、電子膨張弁はさらに第2絶縁構成70を含む。第2絶縁構成70が制御部40と駆動部ハウジング100の内壁の間に位置する。前記構成は制御部における金属構成と駆動部ハウジング100との間の絶縁距離を増加させ、落雷現象が生じる確率を低減させる。
【0031】
図6に示すように、実施例1において、第2絶縁構成70は第2絶縁蓋であり、第2絶縁蓋が制御板の駆動部30から離れた側に設けられる。前記構成は制御板における金属構成を有する領域をカバーすることで、落雷現象が生じる確率をさらに低減させる。また、前記構成が簡単で、加工と組立を容易にする。
【0032】
図4図9に示すように、実施例1において、電子膨張弁はさらに、駆動部ハウジング100に接続される伝動機構収容ボックス80を含む。伝動機構収容ボックス80はリード線50が逃げる逃げ孔を有する。伝動機構収容は伝動機構収容ボックス80内にある。具体的には図4に示すように、駆動部ハウジング100は伝動機構収容ボックス80の上部をカバーするように配置され、逃げ孔が伝動機構収容ボックス80の上面と下面を貫通し、リード線50が逃げ孔内に貫設されるとともに、駆動部ハウジング100内に位置する制御板に溶接接続される。駆動部ハウジング100は伝動機構収容ボックス80を完全に包まないから、外部の空気、塵埃、水蒸気などは逃げ孔における駆動部ハウジング100から離れた一端から入って、制御板に接触し、制御板の寿命が短くなる恐れがある。前記問題を解決するために、本実施例において、第1絶縁蓋と第2絶縁蓋とが係合された時、逃げ孔内を閉鎖する。前記構成は外部の空気、塵埃、水蒸気などが制御板に接触する確率を減少させる。
【0033】
図5図6及び図9に示すように、実施例1において、逃げ孔は段付穴であり、第1絶縁蓋の中部には第1ボス91が設けられ、第2絶縁蓋の中部には第2ボス92が設けられ、第1絶縁蓋と第2絶縁蓋とが係合された時、第1ボス91と第2ボス92は、下面が段付穴の段面に係合されるプラットホーム90を形成する。前記構成が簡単で、外部の空気、塵埃、水蒸気などが制御板に接触する確率をさらに減少させる。
【0034】
図5に示すように、実施例1において、第1絶縁蓋における制御板に向く側には制御板を収容するための第1収容凹溝61が設けられる。前記構成が簡単で、組立を便利にする。
【0035】
図6に示すように、実施例1において、第2絶縁蓋における制御板に向く側には制御板を収容するための第3収容凹溝71が設けられる。第1絶縁蓋と第2絶縁蓋とが係合される場合に、第1収容凹溝61と第3収容凹溝71が制御板を収容するための収容空間を形成し、制御板が第1絶縁蓋と第2絶縁蓋との間に包まれる。前記構成が簡単で、組立を便利にする。
【0036】
図5に示すように、実施例1において、第1絶縁蓋における制御板に向く側にはさらにリード線50を収容するための第2収容凹溝62が設けられ、第2収容凹溝62が第1収容凹溝61の一方側に位置するとともに、第1収容凹溝61に連通する。前記構成はリード線50に対して位置決めを行って、リード線50の位置ずれを防止する。
【0037】
図6に示すように、実施例1において、第2絶縁蓋における制御板に向く側にはさらにリード線50を収容するための第4収容凹溝72が設けられ、第4収容凹溝72が第3収容凹溝71の弁ニードル20に近接する側に位置するとともに、第3収容凹溝71に連通する。前記構成はリード線50に対してさらに位置決めを行って、リード線50の位置ずれを防止する。
【0038】
図9に示すように、実施例1において、第1絶縁蓋と第2絶縁蓋とが係合される場合に、第2収容凹溝62と第4収容凹溝72からなる孔がリード線50の外面に適応する。前記構成は外部の空気、塵埃、水蒸気などが制御板に接触する確率をさらに減少させる。
【0039】
図9に示すように、実施例1において、第1絶縁構成60は第1絶縁蓋であり、制御板の外側を覆うように、第1絶縁蓋と第2絶縁蓋とが互いに係合される。前記構成は落雷現象が生じる確率をさらに低減させる。
【0040】
図3図4及び図9に示すように、実施例1において、第1絶縁蓋の高さは第2絶縁蓋の高さ以上である。制御板とリード線との溶接点の位置が高いから、溶接点をカバーするように、第1絶縁蓋の高さを高くしなければならない。無論、当業者が分かるように、第2絶縁蓋の高さが第1絶縁蓋の高さ以上であってもよく、第2絶縁蓋が制御板における金属構成を遮蔽し、または他の絶縁スリーブと協同することで、金属構成を遮蔽し、落雷現象が生じる確率を低減させる。
【0041】
実施例1において、第1絶縁蓋と第2絶縁蓋は絶縁の非金属材料から形成される。好ましくは、実施例1において、第1絶縁蓋と第2絶縁蓋はソフトの絶縁材料から形成され、第1絶縁蓋と第2絶縁蓋とが締まり接続される。さらに好ましくは、第1絶縁蓋と第2絶縁蓋はゴム材料から形成される。無論、当業者が分かるように、第1絶縁蓋と第2絶縁蓋との接続方式はこれに限定されず、さらに係着または挿入接続などの方式によって接続されてもよい。
【0042】
以下は装着ステップを紹介し、
1、まず、リード線50の一端を制御板に溶接させてから、リード線50の他端を端子110に接続し、図7の構成を形成し、
2、制御板を第1絶縁蓋の第1収容凹溝61内に装着し、制御板の下部のリード線50を第2収容凹溝62内に装着し、図8の構成を形成し、
3、第1絶縁蓋と第2絶縁蓋を係合させ、図9の構成を形成する。
【0043】
実施例2の電子膨張弁(図示せず)と実施例1の電子膨張弁との相違点は、第1絶縁構成60と第2絶縁構成70が一体構成であることにある。具体的には、第1絶縁構成60と第2絶縁構成70とが一つの絶縁スリーブを形成し、装着する場合に、まず、リード線50の一端を制御板に溶接させ、そして、リード線50を絶縁スリーブ内の第2収容凹溝62と第4収容凹溝72内に貫通させる。最後は、リード線50の他端を端子110に接続する。
【0044】
本出願はさらに冷凍システムを提供し、本出願による冷凍システム(図示せず)の実施例は前記電子膨張弁を含む。電子膨張弁は落雷現象が生じ難いという利点を有するから、それを備える冷凍システムも前記利点を有する。
【0045】
以上は本発明を限定していなく、本発明の好適な実施例のみであり、当業者にとって、本発明はいろんな変更と変化を有してもよい。本発明の精神と原則内でなされた任意の補正、等価の差し替え、改良などは、いずれも本発明の保護範囲に該当している。
【符号の説明】
【0046】
10 ・・・弁ボディ;
20 ・・・弁ニードル;
30 ・・・駆動部;
40 ・・・制御部;
50 ・・・リード線;
60 ・・・第1絶縁構成;
61 ・・・第1収容凹溝;
62 ・・・第2収容凹溝;
70 ・・・第2絶縁構成;
71 ・・・第3収容凹溝;
72 ・・・第4収容凹溝;
80 ・・・伝動機構収容ボックス;
90 ・・・プラットホーム;
91 ・・・第1ボス;
92 ・・・第2ボス;
100 ・・・駆動部ハウジング;
110 ・・・端子。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9