(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記把持部は、前記トイレ装置の前方から見たときに、前記把持部と前記トイレ装置との間の水平方向に沿った距離が上方から下方へ向かって長くなるように傾斜したことを特徴とする請求項1記載のリモコンユニット。
前記パネルは、前記トイレ装置の側方から見たときに、前記フレームの外周より外側に延出することを特徴とする請求項1または2のいずれか1つに記載のリモコンユニット。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係るリモコンユニットが設けられたトイレルームを表す斜視図である。
図2は、実施形態に係るリモコンユニットを例示する平面図である。
図1に示すように、トイレルームTRには、リモコンユニット100と、トイレ装置200と、が設けられている。
【0025】
トイレ装置200は、便器201と、衛生洗浄装置202と、を有する。便器201は、例えば陶器製の洋式腰掛大便器である。便器201は、「床置き式」であり、トイレルームTRの床面F1に固定されている。便器201は、トイレ室の壁面F3に直接的または間接的に固定された「壁掛け式」であってもよい。
【0026】
衛生洗浄装置202は、便器201の上に設けられる。衛生洗浄装置202は、トイレ装置200の使用者が座るための便座203と、水を噴出して使用者の局部(例えば「おしり」など)を洗浄するため洗浄ノズル(不図示)と、を有する。衛生洗浄装置202は、この他に、トイレルームTRに入室した使用者を検知するための人体検知センサや、便座203への着座を検知する着座検知センサ、便座203を温めるための加熱手段などを有していてもよい。
【0027】
ここで、本願明細書においては、便座203に座った使用者からみて上方を「上方」とし、便座203に座った使用者からみて下方を「下方」とする。また、便座203に座った使用者からみて前方を「前方」とし、後方を「後方」とし、右側を「右側方」とし、左側を「左側方」とする。
【0028】
実施形態に係るリモコンユニット100は、トイレルームTRの壁面に設けられる。この例では、リモコンユニット100は、トイレ装置200に着座した使用者からみて、右側方の壁面(側面)F2に設けられている。リモコンユニット100は、トイレ装置200に着座した使用者からみて、左側方の壁面に設けられてもよい。
【0029】
図2に示すように、リモコンユニット100は、パネル10と、手すり20と、リモコン40と、カウンタ(棚板)50と、紙巻器52と、を有する。
パネル10は、正面からみたときに、例えば略矩形の板状である。パネル10の材料には、木材又は樹脂などを用いることができる。例えば、パネル10の主面10aは、トイレルームTRの壁面F2と略平行に配置され、トイレ装置200の側を向く。
【0030】
リモコン40は、パネル10に設けられ、複数のボタンを有する。リモコン40は、複数の洗浄ボタン41と、複数の衛生洗浄装置用ボタン42と、を有する。洗浄ボタン41は、便器201の内側のボウル部を洗浄するためのボタンである。洗浄ボタン41が押されると、便器201のボウル部に水が供給され、ボウル部内の排泄物等を排水管に流すことができる。衛生洗浄装置用ボタン42は、衛生洗浄装置202が有する機能を操作するためのボタンである。使用者は、例えば、衛生洗浄装置用ボタン42を操作することで、局部の洗浄や乾燥を行うことができる。
【0031】
この例では、リモコン40は発電式のリモコンである。リモコン40は、圧電素子等を利用した発電機を内蔵しており、使用者がボタンを押す力により発電することができる。リモコン40は、発電した電力を利用してトイレ装置200と電波通信を行う。これにより、使用者はトイレ装置200を操作することができる。
【0032】
手すり20は、パネル10に設けられる。手すり20は、使用者の便座203からの立ち上がり動作や、便座203への着座動作をサポートする。
【0033】
なお、リモコン40及び手すり20は、パネル10に直接固定されていなくてもよい。リモコン40や手すり20などの部材がパネル10に設けられている状態とは、
図2のようにパネル10を正面からみたときに、当該部材がパネル10の主面10aの範囲内に位置することをいう。つまり、リモコン40や手すり20は、正面からみたときにパネル10の外周に囲まれた領域の内側に位置する。
【0034】
カウンタ50は、パネル10の下方に設けられる。カウンタ50は、例えば略矩形の板状であり、パネル10の下端と接し、水平方向に延在する。カウンタ50には、パネル10と同様の材料を用いることができる。パネル10とカウンタ50とは、一体に成形されていてもよい。すなわち、パネル10及びカウンタ50として、L字状の部材を用いることもできる。
【0035】
紙巻器52は、カウンタ50の下方に設けられる。紙巻器52は、トイレットペーパー53を回転可能に支持するペーパーホルダである。
【0036】
図3は、実施形態に係るリモコンユニットを例示する分解斜視図である。
図3に示すようにリモコンユニット100は、さらに、フレーム30と、リモコン固定材43と、固定部材102と、を有する。
【0037】
フレーム30は、略矩形の枠材31を有する。枠材31の下部は、断面略L字状のブラケット32となっている。ブラケット32は、水平方向に延在する板部32aと、板部32aに対して垂直な板部32bと、を有する。また、フレーム30は、枠材31の中央付近に設けられた柱材33を有する。柱材33は、上下方向に延在し、枠材31の上部とブラケット32とを接続する。また、フレーム30は、枠材31の上方の角に設けられた手すり固定材34を有する。フレーム30には、例えば、ステンレス鋼などの合金を用いることができる。また、ブラケット32は必ずしも必要ではなく、カウンタ50と一体的に枠材31が形成されてもよい。
【0038】
カウンタ50は、板部32aの上に載置される。パネル10は、フレーム30のうちブラケット32よりも上方の部分を覆うように取り付けられる。パネル10は、リモコン40に対応した開口11、12を有する。リモコン40は、背面に板状のリモコン固定材43が取り付けられた状態で、パネル10の開口11、12に挿入される。そして、パネル10とリモコン固定材43とは、ネジなどの任意の手段で互いに固定される。また、リモコン40は、パネル10と平行に設置されるのではなく、衛生洗浄装置202を向くように設置されてもよい。
【0039】
パネル10は、手すり固定材34の位置に対応した開口13と、柱材33の位置に対応した開口14とを有する。手すり20の一端は、開口13を介して手すり固定材34に固定され、手すり20の他端は、開口14を介して柱材33に固定される。
【0040】
このように、パネル10、手すり20、フレーム30、リモコン40、カウンタ50及び紙巻器52が組み立てられて、リモコンユニット100の本体部101が形成される。
【0041】
さらに、パネル10の表面に柄や模様を入れることで、トイレルームTRの雰囲気を良くすることができる。また、柄や模様の違うパネル10だけを取り替えることで、容易にトイレルームTRの雰囲気を変えることができる。
【0042】
図4は、実施形態に係るリモコンユニットの固定部材を例示する斜視図である。
図4に示すように、固定部材102は、屈曲した板状である。すなわち、固定部材102は、板部102aと、板部102aから連続する上部102bと、を有する。板部102aには、複数の孔102eが設けられている。
【0043】
図5(a)は、実施形態に係るリモコンユニットを例示する平面図である。
図5(a)では、リモコンユニット100の本体部101を背面(裏面)からみた様子を示す。
図5(b)は、
図5(a)に示す領域A1を拡大して表す斜視図である。
図5(a)及び
図5(b)に示すように、本体部101は、枠材31の上部に固定された係合部材35を有する。係合部材35は、枠材31の上部に沿って延在し、枠材31の側辺と柱材33との間に位置する。係合部材35は、両端にフック35fを有する。係合部材35を固定部材102に引っ掛ける際、フック35fが固定部材の上部102bに沿って傾くことなく保持されるため、手を離して1人でリモコンユニット100を壁面F2に固定する作業を行うことができる。
【0044】
図6(a)及び
図6(b)は、実施形態に係るリモコンユニットの設置方法を例示する平面図である。
まず、
図6(a)に示すように、固定部材102の孔102eにねじ等を挿入して、固定部材102をトイレルームTRの壁面F2に固定する。このとき、トイレ装置200の位置を基準として、固定部材102を固定する位置を定める。例えば、使用者の使い勝手を考慮して、固定部材102とトイレ装置の前端205との間の前後方向に沿った距離L1や、固定部材102とトイレ装置200の前端205との間の上下方向に沿った距離L2が所定の距離となるように、固定部材102を固定する。なお、前端205は、例えば、便座上面の先端である。
【0045】
その後、本体部101に設けられた係合部材35のフック35fを、固定部材102の上部102bに引っ掛ける。これにより、本体部101は、フレーム30を介して固定部材102に支持され、本体部101の位置が定まる。固定部材102の長手方向の幅と、柱材33から枠材31の前方側の側面までの幅と、がほぼ同一であるため、リモコンユニット100の位置は、固定部材120の長手方向の幅と、柱材33から枠材31の前方側の側面までの幅と、の間で規制される。また、固定部材102の長手方向の幅と、柱材33から枠材31の前方側の側面までの幅と、がほぼ同一であるため、リモコンユニット100の前後方向へのズレも抑制される。
【0046】
次に、
図6(b)に示すように、ブラケット32の板部32bに設けられた孔32eにねじ等を挿入して、本体部101の下部を壁面F2に固定する。以上により、トイレルームTRの壁面F2の所定の位置に、リモコンユニット100が設置される。
【0047】
図7及び
図8は、実施形態に係るリモコンユニットが設置されたトイレルームを例示する平面図である。
図7及び
図8に示す例は、多連ブースの場合である。すなわち、トイレルームTR内に複数のトイレブースTBが連設され、各トイレブースTBの内部にトイレ装置200及びリモコンユニット100が設置される。互いに隣り合うトイレブースTBは、パーテーション壁PWにより区切られている。
【0048】
図7及び
図8に示すように多連ブースの場合には、リモコンユニット100を、壁面F2に設置する場合と同様の手順で、パーテーション壁PWに設置することができる。
図7に示す例では、2つのリモコンユニット100は、パーテーション壁PWを挟み込むように取り付けられる。すなわち、パーテーション壁PWを介して、2つのリモコンユニット100は、裏面が互いに対向するように設置されている。例えば、パーテーション壁PWの中央を対称面として、2つのリモコンユニット100の配置は、面対称である。
【0049】
パーテーション壁PWの強度は、壁面F2の強度に比べて低い場合がある。これに対して、
図7のように2つのリモコンユニット100を互いに同じ位置に取り付けることにより、対向するリモコンユニット100をパーテーション壁PWの補強とすることができる。
【0050】
図8に示すように、リモコンユニット100がパーテーション壁PWを挟み込まない場合には、パーテーション壁に鉄板61、62等の補強を設けることで、強度を確保することができる。例えば、鉄板61、62は、リモコンユニット100から見てパーテーション壁PWの背面に設置される。鉄板61、62は、それぞれ、固定部材102の位置、ブラケット32の位置に対応して配置される。
【0051】
図7のように、リモコンユニット100同士でパーテーション壁PWを挟み込む、あるいは、
図8のように、リモコンユニット100と鉄板61、62とによって、パーテーション壁PWを挟み込むような構成にすれば、予めの壁補強が不要となり、施工性が向上する。つまり、パーテーション壁PWは比較的軽量で強度が低く、手すりなど荷重が掛かる器具を設置する場合は、壁内部に予め補強を施すのが一般的であるが、その補強が不要となる。
【0052】
図9は、実施形態に係るリモコンユニットを例示する平面図である。
図9は、トイレ装置200、及び、トイレルームTRの壁面に取り付けられたリモコンユニット100を、トイレ装置200の側方から見た様子を示す。
手すり20は、第1把持部21を有する。第1把持部21は、
図9のようにパネル10の正面から見たときに、水平方向及び上下方向に対して傾斜している。より具体的には、
図9の平面図において、第1把持部21とトイレ装置200との間の水平方向に沿った距離は、上方から下方に向かって短くなる。例えば、
図9に示す距離L3は、距離L4よりも短い。なお、距離L3は、第1把持部21の後端21rと、トイレ装置の前端205と、の間の水平方向に沿った距離である。距離L4は、第1把持部21の前端21fと、トイレ装置の前端205と、の間の水平方向に沿った距離である。
【0053】
また、トイレ装置200の側方から見たときに、第1把持部21が延在する方向と、水平方向と、の間の角度θ1は、例えば45°程度である。
【0054】
図10は、実施形態に係るリモコンユニットを例示する平面図である。
図10は、トイレ装置200、及び、トイレルームTRの壁面に取り付けられたリモコンユニット100を、トイレ装置200の前方から見た様子を示す。
【0055】
第1把持部21は、
図10のようにトイレ装置200の前方から見たときに、水平方向及び上下方向に対して傾斜している。より具体的には、
図10の平面図において、第1把持部21とトイレ装置200との間の水平方向に沿った距離は、上方から下方へ向かって長くなる。例えば、
図10に示す距離L5は、距離L6よりも長い。なお、距離L5は、第1把持部21の後端21r(下端)と、トイレ装置の前端205と、の間の水平方向に沿った距離である。距離L6は、第1把持部21の前端21f(上端)と、トイレ装置の前端205と、の間の水平方向に沿った距離である。
【0056】
また、トイレ装置200の前方から見たときに、第1把持部21が延在する方向と、上下方向との間の角度θ2は、例えば15°程度である。
【0057】
このように、手すり20は、
図9に関して説明した角度θ1と、
図10に関して説明した角度θ2と、の2つの傾斜角を有する。これにより、例えば傾斜せず上下方向に延在するような手すりに比べて、着座した使用者が無理なく自然体で握れる範囲が広い。着座した使用者は、第1把持部21の前方部を握っても、第1把持部21の後方部を握っても、手首の角度を握りやすい角度とすることができる。使用者の体格によって、握りやすいポイントは変化するが、使用者は、体格に依存せず、握りやすい角度(例えば一定の握り角度)で、無理なく手すり20を掴むことができる。
【0058】
図11(a)〜
図11(f)は、実施形態に係る手すりの使用状況を例示する斜視図である。これらはトイレ装置200の前方からリモコンユニット100を見た様子を示す。
図11(a)は、使用者Uが第1把持部21の後方部を掴んで立ち上がる様子を示す。
図11(b)は、使用者Uが第1把持部21の前方部を掴んで立ち上がる様子を示す。このように、使用者Uは、第1把持部21のどこを掴んでも、手すり20に体重をかけて立ち上がることができる。また、前述の2つの傾斜角を設けることにより、使用者Uは、立ち上がり動作の始めから最後まで、体重を手すり20にかけ続けることができる。
【0059】
手すり20は、さらに第2把持部22を有する。第2把持部22は、第1把持部21の上方に接続され、パネル10(主面10a)に対して略垂直な方向に延在する。
図11(c)は、使用者Uが第2把持部22を掴んで立ち上がる様子を示す。
【0060】
また、使用者は、立ち上がり動作において、手すり20だけでなく、
図11(d)に示すようにカウンタ50を利用することもできる。
例えば、前述した
図2に示すように、カウンタ50は、手すり20の下方に位置する前方部50fと、リモコン40の下方に位置する後方部50rとを有する。後方部50rは、第1把持部21の延長上から後方に向かって設けられているため、使用者Uは、カウンタ50の後方部50rに手をついて、立ち上がり動作を補助することができる。また、このときに、前方部50fには手荷物などを載せておくことができる。
【0061】
図11(e)及び
図11(f)は、トイレルームTRに入室してきた使用者Uが、トイレ装置200に近づく様子を示す。例えば、使用者Uは、トイレルームTRに入室後、
図11(e)のように第2把持部22を掴み、体を支える。そして、
図11(f)のように体を反転させて、第1把持部21等を掴む。その後、使用者Uは、第1把持部21等に体重をかけながら、着座することができる。このように使用者Uは、着座動作においても、始めから最後まで、体重を手すり20にかけ続けることができる。
以上説明したように、2つの傾斜角を有する手すり20をトイレルームTRの壁面に設けることで、使用者の使い勝手を向上させることができる。
【0062】
トイレルームの壁面には、手すり、リモコン、紙巻器、及びカウンタなどの多数の部材が取り付けられるが、これらの多数の部材には、それぞれ、適切な位置や形状がある。例えば、上述の2つの傾斜角を有する手すり20の場合、トイレ装置の前端205と第1把持部21の中心との前後方向に沿った距離L10(
図9参照)は250mm程度、トイレ装置の前端205と第2把持部22との上下方向に沿った距離L11(
図9参照)は550mm程度、トイレ装置の前端205と第1把持部21の中心との左右方向に沿った距離L12(
図10参照)は350mm程度が望ましい。トイレ装置200に対して不適切な位置に、手すり20を取り付けてしまうと、手すり20を十分に利用できない場合がある。また、
図9に示したように、トイレ装置の前端205と洗浄ボタン41との前後方向の距離L7や、トイレ装置の前端205から測った洗浄ボタン41の高さ(距離L8)や、トイレ装置の前端205から測った紙巻器52の高さ(距離L9)などについては、使用者の使い勝手を考慮して、望ましい範囲が定められている。例えば、距離L7は、0mm以上100mm以下であり、距離L8は、400mm以上550mm以下であり、距離L9は、150mm以上400mm以下である。
【0063】
しかし、手すり、リモコン、紙巻器及びカウンタを、それぞれ別々に適切な位置に設置することは、現場の施工者にとって、大きな手間となる。また、手すり、リモコン、紙巻器及びカウンタを別々に設置しようとすると、いずれかが不適切な位置に取り付けられてしまうおそれがある。
【0064】
これに対して、実施形態においては、パネル10及びフレーム30により、手すり20、リモコン40、紙巻器52及びカウンタ50は、本体部101に設けられている。本体部101内において、手すり20、リモコン40、紙巻器52及びカウンタ50の相対的な位置は、規定されている。このため、現場の施工者は、固定部材102を壁面に固定すれば、本体部101を固定部材102に取り付けるだけで、手すり20、リモコン40、紙巻器52及びカウンタ50を、使いやすい位置に簡単に設置することができる。
【0065】
本体部101を直接、壁面に設置する方法も考えられるが、この場合には、本体部101が比較的大きいため、施工性が低下することとなる。これに対して、実施形態においては、固定部材102は比較的小さいため、位置決めが容易であり、一度の位置決めにより本体部101の位置を定めることができる。また、固定部材102は、本体部101に覆われ、外部から見えないので、美観を向上させることができる。
【0066】
また、手すり20、リモコン40、紙巻器52及びカウンタ50を1つのリモコンユニット100として設けることにより、見た目の統一感を向上させることができる。また、パネル10を用いることにより、リモコンユニット100の表面の凹凸を少なくすることができ、美観や清掃性を向上させることができる。
【0067】
また、上述したようにリモコン40を発電式のリモコンとしたことで、電池式のリモコンと比べて、リモコンユニット100を壁面F2に取り付けた後に、電池交換にて再度取り外さなくてよい。また、外部電源を必要とするリモコンは、電池交換は無いが、電源確保のための余分な工事が発生し、施工が煩雑となる。
【0068】
図12(a)〜
図12(c)は、実施形態に係るリモコンユニットの一部を例示する平面図である。
図12(a)では、本体部101を背面(裏面)から見た様子を示す。
図12(b)は、
図12(a)に示す領域A2を拡大して表す平面図である。
図12(c)は、
図12(a)に示す領域A3を拡大して表す平面図である。
【0069】
図12(a)〜
図12(c)に示したように、平面視において、パネル10は、フレーム30(枠材31)よりも大きい。具体的には、パネル10は、フレーム30(枠材31)の外周よりも外側に延出する延出部(延出部10p、10q及び10r)を有する。延出部10pは、枠材31よりも上方に延びた部分である。延出部10q、10rは、それぞれ、枠材31よりも水平方向に延びた部分である。
【0070】
このようにパネル10をフレーム30よりも大きくすることにより、延出部(10p、10q、10r)によって、フレーム30とトイレルームTRの壁面とが接する部分を正面から見えにくくすることができる。これにより、パネル10が壁面から浮いたように設けられ、すっきりとした外観を得ることができる。また、仮に、壁面への固定部材102の取り付けを施工者がやり直した場合、壁面には最初に固定部材102を取り付けた位置に、ねじ等の穴が残ってしまう。このような場合でも、ねじ等の穴を延出部が覆うようにすることで、ねじ等の穴を正面から見えにくくすることができ、美観が損なわれない。また、空間演出のための器具(例えばLED照明)を延出部(10p、10q、10r)に設けてもよい。
【0071】
図13(a)及び
図13(b)は、実施形態に係るリモコンユニットの手すりを例示する平面図である。
図13(a)は、手すり20を上方から見た場合の平面図である。
図13(b)は、手すり20を側方から見た場合の平面図である。また、
図13(a)では、パネル10を二点鎖線で示し、手すり20がパネル10に設けられた状態を示す。
【0072】
図13(a)及び
図13(b)に示すように、手すり20の両端には、2つの接続部25(第1接続部25a、第2接続部25b)が設けられている。この例では、手すり20の両端は、パネル10に設けられている。つまり、2つの接続部25は、それぞれ、パネル10に接続されている。なお、接続部25は、パネル10に直接固定されなくてもよい。具体的には、手すり20はパネル10に直接固定せず、接続部25の第1部分23を延長させ、手すり固定材34と柱材33に第1部分23とを当接させ固定されるものであってもよい。
【0073】
手すり20の両端を、カウンタ50よりも上方のパネル10に設けることにより、手すり20の端部をカウンタ50に設けた場合に比べて、カウンタ50を広く使用することができる。また、カウンタ50上を清掃しやすい。
【0074】
接続部25は、手すり20の最も端に位置する第1部分23と、第1部分23から連続した第2部分24とを有する。パネル10の主面10aと平行な断面において、第1部分23の径D23は、第2部分24の径D24よりも短い。第1部分23の径D23は、
図3に関して前述したパネル10の開口13の径よりも短い。第2部分24の径D24は、パネル10の開口13の径よりも長い。すなわち、
図13(a)のようにパネル10に手すり20が設けられた状態において、第1部分23は、パネル10の開口13に挿入された部分であり、第2部分24は、パネル10の主面10aに当接する部分である。
【0075】
従来、手すりと壁面等との接続部分には、接続部分を覆い隠すためのキャップ等が設けられていた。これに対して、実施形態においては、接続部25のうちパネル10と接する部分(第2部分24)が露出しており、キャップ等が設けられない。これにより、すっきりとした外観を得ることができる。また、キャップ等を設けないことにより、パネル10上の凹凸を少なくすることができ、清掃性が向上する。また、手すり20を接続するためのスペースを小さくできる。
【0076】
なお、手すり20には、例えば、塩化ビニルなどの樹脂で覆われたステンレス鋼などのパイプを用いることができる。例えば、第1部分23は、樹脂によって被覆されずに露出したパイプの一部であり、第2部分24は、パイプを覆う樹脂の一部である。
【0077】
図14(a)〜
図14(d)は、実施形態に係るリモコンユニットを例示する断面図である。
図14(a)は、
図2に示すS1−S1線における断面を示し、
図14(b)は、
図2に示すS2−S2線における断面を示す。
【0078】
図3に関して前述したとおり、リモコン40は、パネル10に設けられた開口11、12に挿入される。このとき、リモコン40は、
図14(a)及び
図14(b)に示すように、パネル10と接する側面40a〜40fを有する。
【0079】
図14(c)は、
図14(a)に示した側面40aの近傍を拡大して示す断面図である。
図14(c)に示すように、側面40aは、テーパ形状を有する。すなわち、側面40aは、
図14(c)に示す方向D10に向かって、リモコン40の幅が狭くなるような傾きを有する。なお、方向D10は、リモコン固定材43が取り付けられる背面側から、ボタンが設けられた正面側に向かう方向である。パネル10の主面10aは、方向D10に対して略垂直である。方向D10と側面40aとの間の角度は、例えば、1°〜2°程度である。
【0080】
図14(d)は、
図14(b)に示した側面40eの近傍を拡大して示す断面図である。側面40eも、側面40aと同様に、テーパ形状を有する。すなわち、側面40aは、方向D10に向かって、リモコン40の幅が狭くなるような傾きを有する。また、図示を省略するが、側面40b〜40d、40fも同様のテーパ形状を有する。
【0081】
開口11及び開口12のそれぞれは、主面10aに対して垂直方向に設けられた孔である。これに対して、側面40a〜40fは、方向D10に対して傾斜している。このため、リモコン40を開口11、12に挿入した際に、側面40a〜40fのそれぞれとパネル10とが当接し、リモコン40の位置が定められる。これにより、リモコン40とパネル10との間に隙間が生じることを抑制できる。また、リモコン40のボタンが正面側に飛び出し過ぎることを抑制できる。
【0082】
図14(a)に破線で表したように、リモコン固定材43に当接部43eを設けてもよい。リモコン固定材43が取り付けられたリモコン40を開口11、12に押し込むと、当接部43eは、パネル10に当接する。これにより、リモコン40が開口11、12に押し込まれ過ぎることを防ぐことができる。
【0083】
図15及び
図16は、実施形態に係る別のリモコンユニットを例示する平面図である。
図15は、実施形態に係るリモコンユニット100aを、トイレ装置200の側方から見た様子を示す。
図16は、リモコンユニット100aを、トイレ装置200の前方から見た様子を示す。
図15及び
図16に示したリモコンユニット100aは、手すりの形状及び接続位置において、
図1〜
図14に関して説明したリモコンユニット100と異なる。これ以外については、リモコンユニット100aは、リモコンユニット100と同様である。
【0084】
この例では、手すり20の一端は、パネル10に接続されており、手すり20の他端は、カウンタ50に接続されている。また、手すり20の第1把持部21は、曲線状である。具体的には、第1把持部21は、上方部21aと、下方部21bと、を有する。上方部21aは、略直線状に延在する。下方部21bは、上方部21aから滑らかに連続し、平面視において曲線状である。
【0085】
図15の平面図において、上方部21aは、下方部21bよりも上下方向(鉛直方向)に対して傾斜している。また、
図16の平面図においても、上方部21aは、下方部21bよりも上下方向に対して傾斜している。このように、第1把持部21に曲線状の部分を設けることで、使用者は、第1把持部21のうち、より手になじむ部分を掴むことができる。
【0086】
リモコンユニットの手すりは、この形状をベースとしてさらに別形態の把持部を追加できる構造であってもよい。例えば、手すり上端部に鉛直方向に延出した把持部を有する。また、例えば手すりの下端部に水平方向に延出した把持部を有する構造であってもよい。
【0087】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、フレーム、パネル、リモコン、手すり、カウンタ、紙巻器および固定部材などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置、設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。例えば、リモコンユニットにさらに空間演出用の器具(LED等)や芳香剤・呼び出しボタン・杖かけ・デジタルサイネージを有するものであってもよい。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。