【実施例】
【0049】
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、これらの実施例により本発明の技術範囲が限定されるものではない。
【0050】
<被覆粉体の準備>
(被覆粉体W−1)
基材粉体である酸化チタンに、トリエトキシカプリリルシラン及びレシチンを下記の湿式法にて複合処理を施し、被覆酸化チタン(被覆粉体W−1)を得た。
【0051】
まず、ヘンシェルミキサーに酸化チタン(石原産業社製、酸化チタンCR−50)1000gを仕込んだ。一方で、1.0gの塩化アルミニウムを少量の水にて溶解させ、そこに、20.0gのトリエトキシカプリリルシラン(信越化学工業(株)社製、KBE−3083)と適量のイソプロピルアルコールを加え溶解させたトリエトキシカプリリルシラン溶液を用意した。
【0052】
ヘンシェルミキサー内に、上記溶液を撹拌しながら滴下混合し、基材粉体と溶液が混ざりあったことを確認後、8%アンモニア水を70.0g滴下した。アンモニア水を滴下後、更に撹拌した。
【0053】
次いで、ヘンシェルミキサー内に、水添レシチン(日光ケミカルズ(株)社製、NIKKOL レシノールS−10)を20.0g添加し、撹拌を続けた。レシチン添加後、充分に混ざりあったことを確認し、ヘンシェルミキサー内を加熱及び減圧し、イソプロピルアルコール、水及びアンモニアを除去した。溶剤などを除去した後、表面処理された粉体をミキサー内から取り出し、粉砕して加熱処理を行った。こうして、トリエトキシカプリリルシラン2質量%及びレシチン2質量%で複合処理された被覆酸化チタンを得た。
【0054】
(被覆粉体W−2〜4)
基材粉体である酸化チタンを下記の着色顔料にそれぞれ変更したこと以外は被覆粉体W−1と同様にして、被覆粉体をそれぞれ得た。
被覆粉体W−2:黒酸化鉄
被覆粉体W−3:ベンガラ
被覆粉体W−4:黄酸化鉄
【0055】
(被覆粉体W−5)
レシチンに代えて、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ジナトリウム(味の素(株)社製、アミソフト HS−21)を用いたこと以外は被覆粉体W−1と同様にして、被覆粉体W−5を得た。
【0056】
(被覆粉体W−6〜8)
基材粉体である酸化チタンを下記の着色顔料にそれぞれ変更したこと以外は被覆粉体W−5と同様にして、被覆粉体をそれぞれ得た。
被覆粉体W−6:黒酸化鉄
被覆粉体W−7:ベンガラ
被覆粉体W−8:黄酸化鉄
【0057】
(被覆粉体W−9)
レシチンに代えて、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン(デグサ社製、DYNASYLAN F8261)を用いたこと以外は被覆粉体W−1と同様にして、被覆粉体W−9を得た。
【0058】
(被覆粉体W−10〜12)
基材粉体である酸化チタンを下記の着色顔料にそれぞれ変更したこと以外は被覆粉体W−9と同様にして、被覆粉体をそれぞれ得た。
被覆粉体W−10:黒酸化鉄
被覆粉体W−11:ベンガラ
被覆粉体W−12:黄酸化鉄
【0059】
(被覆粉体W−13)
レシチンを添加しなかったこと以外は被覆粉体W−1と同様にして、被覆粉体W−13を得た。
【0060】
(被覆粉体W−14〜16)
基材粉体である酸化チタンを下記の着色顔料にそれぞれ変更したこと以外は被覆粉体W−13と同様にして、被覆粉体をそれぞれ得た。
被覆粉体W−14:黒酸化鉄
被覆粉体W−15:ベンガラ
被覆粉体W−16:黄酸化鉄
【0061】
(被覆粉体W−17)
ヘンシェルミキサーに酸化チタン1000gを仕込んだ。そこに、20.0gのレシチンとイソプロピルアルコールを加えて、混合した。十分に混ざりあったことを確認し、ヘンシェルミキサー内を加熱及び減圧し、イソプロピルアルコールを除去した。溶剤を除去した後、表面処理された粉末をミキサー内より取り出し、加熱処理して粉砕を行い、被覆粉体W−17を得た。
【0062】
(被覆粉体W−18〜20)
基材粉体である酸化チタンを下記の着色顔料にそれぞれ変更したこと以外は被覆粉体W−17と同様にして、被覆粉体をそれぞれ得た。
被覆粉体W−18:黒酸化鉄
被覆粉体W−19:ベンガラ
被覆粉体W−20:黄酸化鉄
【0063】
(被覆粉体D−1)
ヘンシェルミキサーに、酸化チタン(石原産業社製、CR−50)を1000g投入し、そこに20.0gのトリエトキシカプリリルシラン、及び20.0gのレシチンを加え、均一になるように分散し、減圧下80℃で30分混合した後、粉砕を行い、被覆粉体D−1を得た。
【0064】
(被覆粉体D−2〜4)
基材粉体である酸化チタンを下記の着色顔料にそれぞれ変更したこと以外は被覆粉体D−1と同様にして、被覆粉体をそれぞれ得た。
被覆粉体D−2:黒酸化鉄
被覆粉体D−3:ベンガラ
被覆粉体D−4:黄酸化鉄
【0065】
(実施例1〜3及び比較例1〜6)
表1、表2及び表3に示される処方(配合量は質量部)で、下記の製法にて油性固形化粧料(アイブロウペンシル)を調整した。
<製法>
油性成分を95℃で加熱し、溶解させて混合した。この混合物中に、粉体成分を添加し、攪拌機で均一に分散させた。その後、95℃で溶融した状態の溶解物(化粧料バルク)を金型に充填し、25℃まで冷却後取り出し、棒状のアイブロウペンシルのサンプル(評価試料)を得た。
【0066】
得られた化粧料バルク及びサンプル(評価試料)について、下記の評価方法に基づき各項目の評価を実施した。その結果を表1、表2及び表3に示す。
【0067】
[加熱溶融時の粉体の凝集による色浮き]
溶融した化粧料バルク表面について粉体の凝集による色浮き状態を観察し、4段階で評価した。
<評価基準>
◎:粉体の凝集による色浮きが見られない。
○:粉体の凝集による色浮きがほとんど見られない。
△:粉体の凝集による色浮きが見られる。
×:粉体の凝集による色浮きが多く見られる。
【0068】
[加熱溶融時の粘度(充填性)]
溶融した化粧料バルクを金型に充填する際の充填し易さを4段階で評価した。
<評価基準>
◎:非常に良好
○:良好
△:充填し難い
×:非常に充填し難い
【0069】
[使用性]
伸展性、べたつきなどの使用性について専用パネル10名で評価した。1点(不良)〜5点(非常に良好)の5段階で評価し、その平均点を求め、下記評価基準に基づいて判定した。
<評価基準>
◎:4.0点以上
○:3.0点以上〜4.0点未満
△:2.0点以上〜3.0点未満
×:2.0点未満
【0070】
[化粧持ち]
化粧持ちについて専用パネル10名で評価した。1点(不良)〜5点(非常に良好)の5段階で評価し、その平均点を求め、下記評価基準に基づいて判定した。
<評価基準>
◎:4.0点以上
○:3.0点以上〜4.0点未満
△:2.0点以上〜3.0点未満
×:2.0点未満
【0071】
[安定性]
密閉ガラス容器に化粧料を充填し、24時間室温静置後、50℃にて1週間静置し、その外観を観察し、4段階で評価した。
<評価基準>
◎:変化なし
○:軽微な変化あり
△:変化が見られるが、許容範囲内
×:著しい変化あり
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】
表1、表2及び表3に示されるように、本発明に係る被覆粉体を含む実施例1〜3の油性固形化粧料(アイブロウペンシル)は、加熱溶融時の粉体凝集による色浮き、加熱溶融時の粘度(充填性)、使用性、化粧持ち、安定性の全ての評価項目において良好な結果であった。一方、本発明に係る被覆粉体を含まない比較例1〜6の油性固形化粧料(アイブロウペンシル)は、評価項目の全てを満足させることができなかった。
【0076】
具体的には、被覆粉体を使用せず未処理粉体を使用した比較例1の油性固形化粧料は、加熱溶融時の粉体凝集による色浮き、加熱溶融時の粘度(充填性)、使用性、化粧持ちに問題があった。複合処理の水添レシチンを他の処理剤に変えた粉体を使用した比較例2及び3の油性固形化粧料は、加熱溶融時の粉体凝集による色浮き、加熱溶融時の粘度(充填性)、使用性に問題があった。複合処理でなくアルキルシラン単独処理粉体を使用した比較例4の油性固形化粧料は、化粧持ちにおいては満足できるものの、加熱溶融時の粉体凝集による色浮き、加熱溶融時の粘度(充填性)に問題があった。水添レシチン単独処理粉体を使用した比較例5の油性固形化粧料は、特に化粧持ちにおいて悪い結果であった。乾式法で作製した被覆粉体を使用した比較例6の油性固形化粧料は、安定性において問題があった。
【0077】
(実施例4:アイライナーペンシル)
(成分) (配合割合(質量%))
1. ポリエチレンワックス 4.00
2. キャンデリラロウ 9.00
3. トリイソステアリン酸ジグリセリル 2.16
4. トコフェロール 0.04
5. ジメチコン 21.00
6. リンゴ酸ジイソステアリル 8.00
7. トリメチルシロキシケイ酸 25.00
8. 合成金雲母 2.50
9. 被覆粉体W−1 0.10
10.被覆粉体W−2 25.00
11.被覆粉体W−3 0.10
12.被覆粉体W−4 0.10
13.シリカ 3.00
【0078】
<製法>
油性成分1〜7を95℃で加熱し、溶解させて混合した。この混合物中に、粉体成分8〜13を添加し、攪拌機で均一に分散させた。その後、95℃で溶融した状態の溶解物(化粧料バルク)を金型に充填し、25℃まで冷却後取り出し、棒状のアイライナーペンシルのサンプルを得た。
【0079】
<評価>
得られたアイライナーペンシルのサンプルについて、上記同様の評価を行ったところ、サンプルは、「加熱溶融時の粉体凝集による色浮き」、「加熱溶融時の粘度(充填性)」、「使用性」、「化粧持ち」、「安定性」のすべてについて「◎」の評価であることが確認された。
【0080】
(実施例5:アイライナーペンシル)
(成分) (配合割合(質量%))
1. ポリエチレンワックス 2.00
2. カルナウバロウ 9.00
3. トリエチルヘキサノイン 4.86
4. トコフェロール 0.04
5. マイクロクリスタリンワックス 6.00
6. メチルトリメチコン 25.00
7. セスキイソステアリン酸ソルビタン 1.00
8. トリメチルシロキシケイ酸 18.00
9. マイカ 9.50
10.被覆粉体W−1 0.10
11.被覆粉体W−2 10.00
12.被覆粉体W−3 7.50
13.被覆粉体W−4 6.00
14.メタクリル酸メチルクロスポリマー 3.00
【0081】
<製法>
油性成分1〜8を95℃で加熱し、溶解させて混合した。この混合物中に、粉体成分10〜14を添加し、攪拌機で均一に分散させた。その後、95℃で溶融した状態の溶解物(化粧料バルク)を金型に充填し、25℃まで冷却後取り出し、棒状のアイライナーペンシルのサンプルを得た。
【0082】
<評価>
得られたアイライナーペンシルのサンプルについて、上記同様の評価を行ったところ、サンプルは、「加熱溶融時の粉体凝集による色浮き」、「加熱溶融時の粘度(充填性)」、「使用性」、「化粧持ち」、「安定性」のすべてについて「◎」の評価であることが確認された。
【0083】
(実施例6:ジェルアイライナー)
(成分) (配合割合(質量%))
1. ステアリン酸イヌリン 6.00
2. ヒマワリ種子ロウ 2.00
3. パラフィンワックス 8.00
4. トリイソステアリン酸ジグリセリル 1.50
5. ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール 3.36
6. トコフェロール 0.04
7. マイクロクリスタリンワックス 4.00
8. メチルトリメチコン 25.00
9. セスキイソステアリン酸ソルビタン 1.00
10.トリメチルシロキシケイ酸 9.00
11.マイカ 20.00
12.被覆粉体W−1 0.50
13.被覆粉体W−2 5.30
14.被覆粉体W−3 6.30
15.被覆粉体W−4 7.00
16.シリカ 1.00
【0084】
<製法>
油性成分1〜10を95℃で加熱し、溶解させて混合した。この混合物中に、粉体成分11〜16を添加し、攪拌機で均一に分散させた。その後、95℃で溶融した状態の溶解物(化粧料バルク)をジャー容器に充填し、冷却し、ジェルアイライナーのサンプルを得た。
【0085】
<評価>
得られたジェルアイライナーのサンプルについて、上記同様の評価を行ったところ、サンプルは、「加熱溶融時の粉体凝集による色浮き」、「加熱溶融時の粘度(充填性)」、「使用性」、「化粧持ち」、「安定性」のすべてについて「◎」の評価であることが確認された。
【0086】
(実施例7:口紅)
(成分) (配合割合(質量%))
1. ポリエチレンワックス 5.50
2. リンゴ酸ジイソステアリル 23.19
3. ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 4.50
4. イソノナン酸イソトリデシル 4.50
5. オレフィンオリゴマー 9.00
6. 水添ポリイソブテン 35.00
7. ジメチルシリル化シリカ 1.00
8. シメチコン 0.02
9. トコフェロール 0.04
10.ダイマージリノール酸 13.00
(フィトステリル/イソステアリル/セチル/
ステアリル/べヘニル)(融点40℃前後の固形油)
11.被覆粉体W−21 0.20
12.被覆粉体W−22 0.50
13.被覆粉体W−1 0.70
14.被覆粉体W−4 0.10
15.被覆粉体W−3 0.20
16.赤色218号 0.05
17.雲母チタン 0.50
18.ホウケイ酸(Ca/Al) 2.00
【0087】
被覆粉体W−21は、基材粉体である酸化チタンを赤色202号に変更したこと以外は被覆粉体W−1と同様にして作製した被覆粉体である。また、被覆粉体W−22は、基材粉体である酸化チタンを黄色4号アルミニウムレーキに変更したこと以外は被覆粉体W−1と同様にして作製した被覆粉体である。
【0088】
<製法>
油性成分1〜6、8〜10を95℃で加熱し、溶解させて混合した。この混合物中に、粉体成分7、11〜18を添加し、攪拌機で均一に分散させた。その後、95℃で溶融した状態の溶解物(化粧料バルク)を金型に充填し、25℃まで冷却後取り出し、棒状の口紅のサンプルを得た。
【0089】
<評価>
得られた口紅のサンプルについて、上記同様の評価を行ったところ、サンプルは、「加熱溶融時の粉体凝集による色浮き」、「加熱溶融時の粘度(充填性)」、「使用性」、「化粧持ち」、「安定性」のすべてについて「◎」の評価であることが確認された。
【0090】
(実施例8:アイブロウペンシル)
(成分) (配合割合(質量%))
1. 水添ヒマシ油 8.00
2. モクロウ 9.00
3. ステアリン酸 15.00
4. ミツロウ 3.00
5. 硬化油 2.00
6. ミネラルオイル 1.68
7. イソステアリン酸ソルビタン 1.00
8. トコフェロール 0.02
9. タルク 5.00
10.マイカ 4.80
11.被覆粉体W−23 0.20
12.被覆粉体W−1 22.00
13.被覆粉体W−4 13.50
14.被覆粉体W−3 8.50
15.被覆粉体W−2 6.30
【0091】
被覆粉体W−23は、基材粉体である酸化チタンをグンジョウに変更したこと以外は被覆粉体W−1と同様にして作製した被覆粉体である。
【0092】
<製法>
油性成分1〜8を95℃で加熱し、溶解させて混合した。この混合物中に、粉体成分9〜15を添加し、攪拌機で均一に分散させた。その後、押出成形し、棒状のアイブロウペンシルのサンプルを得た。
【0093】
<評価>
得られたアイブロウペンシルのサンプルについて、上記同様の評価を行ったところ、サンプルは、「加熱溶融時の粉体凝集による色浮き」、「加熱溶融時の粘度(充填性)」、「使用性」、「化粧持ち」、「安定性」のすべてについて「◎」の評価であることが確認された。
【0094】
(実施例9:チークカラー)
(成分) (配合割合(質量%))
1. ポリエチレンワックス 5.00
2. トリ(カプリル/カプリン)酸グリセリル 18.00
3. ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 15.00
4. 水添ポリイソブテン 15.00
5. ダイマージリノール酸 13.00
ダイマージリノレイルビス
(ベヘニル/イソステアリル/フィトステリル)
(融点40℃前後の固形油)
6. リンゴ酸ジイソステアリル 26.349
7. トコフェロール 0.02
8. シメチコン 0.001
9. ジメチルシリル化シリカ 0.10
10.被覆粉体W−21 0.50
11.被覆粉体W−22 3.00
12.被覆粉体W−1 4.00
13.被覆粉体W−4 0.01
14.被覆粉体W−3 0.01
15.被覆粉体W−2 0.01
【0095】
<製法>
油性成分1〜8を95℃で加熱し、溶解させて混合した。この混合物中に、粉体成分9〜15を添加し、攪拌機で均一に分散させた。その後、95℃で溶融した状態の溶解物(化粧料バルク)を中皿に充填し、25℃まで冷却後取り出し、油性固形状のチークカラーのサンプルを得た。
【0096】
<評価>
得られたチークカラーのサンプルについて、上記同様の評価を行ったところ、サンプルは、「加熱溶融時の粉体凝集による色浮き」、「加熱溶融時の粘度(充填性)」、「使用性」、「化粧持ち」、「安定性」のすべてについて「◎」の評価であることが確認された。
【0097】
(実施例10:ファンデーション(油性液状タイプ))
(成分) (配合割合(質量%))
1. ジメチコン 16.00
2. ポリメチルシルセスキオキサン 3.00
3. (ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 1.50
4. エチルヘキサン酸セチル 18.00
5. トリイソステアリン 22.00
6. リンゴ酸ジイソステアリル 13.64
7. PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 3.00
8. セスキオレイン酸ソルビタン 0.50
9. トコフェロール 0.04
10.合成金雲母 7.00
11.ナイロン 4.00
12.被覆粉体W−24 5.00
13.被覆粉体W−1 5.60
14.被覆粉体W−4 0.55
15.被覆粉体W−3 0.12
16.被覆粉体W−2 0.05
【0098】
被覆粉体W−24は、基材粉体である酸化チタンを、平均粒径が長軸0.06μm及び短軸0.01μmである微粒子酸化チタン(石原産業(株)社製、超微粒子酸化チタン TTO−V−4)に変更したこと以外は被覆粉体W−1と同様にして作製した被覆粉体である。
【0099】
<製法>
油性成分1〜9を混合した。この混合物中に、粉体成分10〜16を添加し、攪拌機で均一に分散させた。その後、常温でボトル容器に充填し、ボトル状のファンデーションサンプルを得た。
【0100】
<評価>
得られたファンデーションのサンプルについて、上記同様の評価を行ったところ、サンプルは、「常温時の粉体凝集による色浮き」、「常温時の粘度(充填性)」、「使用性」、「化粧持ち」、「安定性」のすべてについて「◎」の評価であることが確認された。
【0101】
(実施例11:リップグロス)
(成分) (配合割合(質量%))
1. パルミチン酸デキストリン 6.50
2. パルミチン酸エチルヘキシル 10.00
3. リンゴ酸ジイソステアリル 38.96
4. 水添ポリイソブテン 40.00
5. フェノキシエタノール 0.50
6. トコフェロール 0.04
7. シメチコン 0.10
8. ジメチルシリル化シリカ 2.00
9. 被覆粉体W−25 0.30
10.被覆粉体W−1 0.70
11.被覆粉体W−4 0.30
12.被覆粉体W−3 0.05
13.被覆粉体W−2 0.05
14.雲母チタン 0.50
【0102】
被覆粉体W−25は、基材粉体である酸化チタンをカルミンに変更したこと以外は被覆粉体W−1と同様にして作製した被覆粉体である。
【0103】
<製法>
油性成分1〜7を95℃で加熱し、溶解させて混合した。この混合物中に、粉体成分8〜14を添加し、攪拌機で均一に分散させた。その後、95℃で溶融した状態の溶解物(化粧料バルク)を中皿に充填し、25℃まで冷却後取り出し、油性固形状のリップグロスのサンプルを得た。
【0104】
<評価>
得られたリップグロスのサンプルについて、上記同様の評価を行ったところ、サンプルは、「加熱溶融時の粉体凝集による色浮き」、「加熱溶融時の粘度(充填性)」、「使用性」、「化粧持ち」、「安定性」のすべてについて「◎」の評価であることが確認された。
【0105】
(実施例12:コンシーラー)
(成分) (配合割合(質量%))
1. パルミチン酸デキストリン 4.00
2. トリエチルヘキサノイン 18.00
3. ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール 3.00
4. 水添ポリデセン 6.00
5. メチルトリメチコン 26.50
6. リンゴ酸ジイソステアリル 5.00
7. (ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン) 7.50
クロスポリマー
8. 合成金雲母 7.15
9. (ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン) 5.00
クロスポリマー
10.被覆粉体W−1 15.00
11.被覆粉体W−4 2.40
12.被覆粉体W−3 0.30
13.被覆粉体W−2 0.15
【0106】
<製法>
油性成分1〜7を95℃で加熱し、溶解させて混合した。この混合物中に、粉体成分8〜13を添加し、攪拌機で均一に分散させた。その後、95℃で溶融した状態の溶解物(化粧料バルク)をジャー容器に充填し、油性固形状のコンシーラーのサンプルを得た。
【0107】
<評価>
得られたコンシーラーのサンプルについて、上記同様の評価を行ったところ、サンプルは、「加熱溶融時の粉体凝集による色浮き」、「加熱溶融時の粘度(充填性)」、「使用性」、「化粧持ち」、「安定性」のすべてについて「◎」の評価であることが確認された。