(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6850532
(24)【登録日】2021年3月10日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】医療用流体継手とともに使用する保護キャップ及び関連する方法
(51)【国際特許分類】
A61M 39/10 20060101AFI20210322BHJP
【FI】
A61M39/10 120
【請求項の数】23
【外国語出願】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-215585(P2015-215585)
(22)【出願日】2015年11月2日
(65)【公開番号】特開2016-87465(P2016-87465A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2018年11月1日
(31)【優先権主張番号】14/530,939
(32)【優先日】2014年11月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391019120
【氏名又は名称】ノードソン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100154162
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 浩輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【弁理士】
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【弁理士】
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】カイル アール.スティール
【審査官】
鈴木 洋昭
(56)【参考文献】
【文献】
特表2002−528183(JP,A)
【文献】
米国特許第6152913(US,A)
【文献】
米国特許第4991629(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を内部に通して移送するように構成された医療用流体継手とともに使用する保護キャップであって、
前記医療用流体継手は、継手ねじ部と、相手部品と液密シールを形成するようにシール面を有するシール部とを備え、
該保護キャップは、
近位端部と開放した遠位端部とを有する本体と、
前記本体に設けられ軸方向に延びるキャップねじ部であって、該キャップねじ部は、前記継手ねじ部に螺合して、該保護キャップを前記医療用流体継手と解除可能に結合するように構成されている、キャップねじ部と、
前記キャップねじ部によって画定され前記本体の長手軸に対して軸方向にテーパー状になっているテーパー状係合面であって、該テーパー状係合面は、前記継手ねじ部に摩擦接触して該保護キャップを前記医療用流体継手との結合状態に保定するように構成されており、該テーパー状係合面は、前記本体の前記近位端部における大きい直径から前記本体の前記開放した遠位端部における前記大きい直径と比較して小さい直径にテーパー状になっている、テーパー状係合面と、
を備え、
該保護キャップは、該保護キャップを前記医療用流体継手と結合した場合、該保護キャップには前記シール面に接触する部分がないように前記シール部の外周を囲むように構成されている、保護キャップ。
【請求項2】
前記テーパー状係合面は、前記キャップねじ部のねじの谷又は該キャップねじ部のねじの頂のうちの一方によって画定される、請求項1に記載の保護キャップ。
【請求項3】
前記テーパー状係合面は、前記キャップねじ部の前記ねじの谷によって画定され、前記保護キャップを前記医療用流体継手と結合した場合、前記継手ねじ部のねじの谷に接触せずに該継手ねじ部のねじの頂に摩擦接触するように構成されている、請求項2に記載の保護キャップ。
【請求項4】
前記キャップねじ部のねじ山高さは、近位方向に減少する、請求項3に記載の保護キャップ。
【請求項5】
前記テーパー状係合面は、前記キャップねじ部の前記ねじの頂によって画定され、前記保護キャップを前記医療用流体継手と結合した場合、前記継手ねじ部のねじの頂に接触せずに該継手ねじ部のねじの谷に摩擦接触するように構成されている、請求項2に記載の保護キャップ。
【請求項6】
前記キャップねじ部のねじ山高さは、近位方向に増大する、請求項5に記載の保護キャップ。
【請求項7】
前記テーパー状係合面は、前記保護キャップの前記本体の前記長手軸に対してテーパー角を有して形成され、該テーパー角は3度〜6度の範囲である、請求項1に記載の保護キャップ。
【請求項8】
前記キャップねじ部によって前記継手ねじ部に印加される径方向力が、該キャップねじ部の該継手ねじ部との螺合が強まるにつれて増大する、請求項1に記載の保護キャップ。
【請求項9】
前記医療用流体継手は雄側継手を含み、前記シール部は、前記シール面を画定する軸方向突出部を有し、前記保護キャップの前記本体は、該保護キャップを前記医療用流体継手と結合した場合、該本体が前記シール面に接触せずに前記突出部の外周を囲むように前記突出部を収めるサイズのボアを有する、請求項1に記載の保護キャップ。
【請求項10】
前記医療用流体継手は雌側継手を含み、前記シール部は、ソケットと、前記シール面を画定する周方向延在壁とを有し、前記保護キャップの前記本体は、該保護キャップを前記医療用流体継手と結合した場合、前記シール面に接触せずに前記周方向延在壁の外周を囲むように構成されている、請求項1に記載の保護キャップ。
【請求項11】
前記医療用流体継手の前記シール面は、テーパー状シール面を含む、請求項1に記載の保護キャップ。
【請求項12】
前記テーパー状シール面は、ルアーテーパーを含む、請求項11に記載の保護キャップ。
【請求項13】
医療用流体継手アセンブリであって、該医療用流体継手アセンブリは、
継手ねじ部と、相手部品と液密シールを形成するようにシール面を有するシール部とを備え、流体を内部に通して移送するように構成された医療用流体継手と、
前記医療用流体継手の前記シール面を保護するように構成された保護キャップと、
を備え、
前記保護キャップは、
近位端部と開放した遠位端部とを有する本体と、
前記本体に設けられ軸方向に延びるキャップねじ部であって、該キャップねじ部は、前記継手ねじ部に螺合して該保護キャップを前記医療用流体継手と解除可能に結合するように構成されている、キャップねじ部と、
前記キャップねじ部によって画定され前記本体の長手軸に対して軸方向にテーパー状になっているテーパー状係合面であって、該テーパー状係合面は、前記継手ねじ部に摩擦接触して該保護キャップを前記医療用流体継手との結合状態に保定するように構成されており、該テーパー状係合面は、前記本体の前記近位端部における大きい直径から前記本体の前記開放した遠位端部における前記大きい直径と比較して小さい直径にテーパー状になっている、テーパー状係合面と、
を備え、
前記保護キャップは、該保護キャップを前記医療用流体継手と結合した場合、前記シール面に接触せずに前記シール部の外周を囲む、医療用流体継手アセンブリ。
【請求項14】
前記テーパー状係合面は、前記キャップねじ部のねじの谷又は該キャップねじ部のねじの頂のうちの一方によって画定される、請求項13に記載の医療用流体継手アセンブリ。
【請求項15】
前記テーパー状係合面は、前記キャップねじ部の前記ねじの谷によって画定され、前記保護キャップを前記医療用流体継手と結合した場合、前記継手ねじ部のねじの谷に接触せずに該継手ねじ部のねじの頂に摩擦接触するように構成されている、請求項14に記載の医療用流体継手アセンブリ。
【請求項16】
前記テーパー状係合面は、前記キャップねじ部の前記ねじの頂によって画定され、前記保護キャップを前記医療用流体継手と結合した場合、前記継手ねじ部のねじの頂に接触せずに該継手ねじ部のねじの谷に摩擦接触するように構成されている、請求項14に記載の医療用流体継手アセンブリ。
【請求項17】
前記テーパー状係合面は、前記保護キャップの前記本体の前記長手軸に対してテーパー角を有して形成され、該テーパー角は3度〜6度の範囲である、請求項13に記載の医療用流体継手アセンブリ。
【請求項18】
保護キャップを用いて医療用流体継手のシール部のシール面を保護する方法であって、前記シール面は、流体が前記医療用流体継手を通過することができるように相手部品と液密シールを形成するように構成され、該方法は、
前記保護キャップの本体に設けられたキャップねじ部を、前記医療用流体継手に設けられた継手ねじ部との同軸位置合わせ状態に位置決めすることと、
前記キャップねじ部を前記継手ねじ部と螺合して、前記保護キャップを前記医療用流体継手と解除可能に結合することと、
前記継手ねじ部を前記キャップねじ部によって画定されるテーパー状係合面と摩擦接触させて、前記保護キャップを前記医療用流体継手との結合状態に保定することであって、前記テーパー状係合面は、前記保護キャップの前記本体の長手軸に対して、前記本体の近位端部における大きい直径から前記本体の開放した遠位端部における前記大きい直径と比較して小さい直径に軸方向にテーパー状になっている、保定することと、
前記保護キャップを用いて、該保護キャップには前記シール面に接触する部分がないように前記医療用流体継手の前記シール部の外周を囲むことと、
を含む、方法。
【請求項19】
前記テーパー状係合面は、前記保護キャップの前記本体の前記長手軸に対してテーパー角を有して形成され、該テーパー角は3度〜6度の範囲である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記継手ねじ部を前記キャップねじ部によって画定される前記テーパー状係合面と摩擦接触させることは、前記継手ねじ部のねじの頂を前記キャップねじ部のねじの谷によって画定される前記テーパー状係合面と摩擦接触させることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記継手ねじ部を前記キャップねじ部によって画定される前記テーパー状係合面と摩擦接触させることは、前記継手ねじ部のねじの谷を前記キャップねじ部のねじの頂によって画定される前記テーパー状係合面と摩擦接触させることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記医療用流体継手は雄側継手を含み、前記シール部は、前記シール面を画定する軸方向突出部を有し、前記シール部の外周を囲むことは、前記シール面に接触せずに前記突出部を前記保護キャップの前記本体のボア内に収めることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記医療用流体継手は雌側継手を含み、前記シール部は、ソケットと、前記シール面を画定する周方向延在壁とを含み、前記シール部の外周を囲むことは、前記シール面に接触せずに前記周方向延在壁の外周を囲むことを含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的には医療用流体継手に関し、より詳細には医療用流体継手のシール面を保護するキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
流体を移送するために導管と他の部品とを相互接続する種々のタイプの継手、すなわちコネクタが、医療用途にしばしば用いられている。そのような医療用流体継手は、相手部品の対応するシール面と結合されると液密シール(fluid-tight seal)を形成するシール面を有するシール部を備え、それにより流体の確実な移送を確保する。そのような継手及び継手の対応するシール部は、雄側又は雌側とすることができる。例えば、
図1Aは、相手部品に挿入してその内面と解除可能なシールを形成するようにテーパー状シール面3を有する雄側シール部2を備える、既知の雄側医療用流体継手1の断面図を示している。
図1Bは、相手部品を受けてその外面と解除可能なシールを形成するようにソケット6及びテーパー状シール面7を有する雌側シール部5を備える、既知の雌側医療用流体継手4の断面図を示している。
【0003】
医療用流体継手のシール面が使用されていない場合、シール部には保護キャップを装着して、塵芥、並びに、面接触により生じる反り、擦傷、磨損、及び他の形状不良による傷みがない状態にシール面を維持することが好ましい。このようにして、シール面は、最適なシール性を保持することができる。保護キャップは、輸送中及び取扱い中に受ける振動又は衝撃等の振動又は衝撃によってキャップが継手から不慮に取り外れないように、継手に確実に取り付けられたままであることが好ましい。従来のキャップは、継手への確実な取付けを維持するとともにキャップをその保護位置に保定するのに、シール面と直接係合することに依拠している。しかし、そのように直接係合することは、シール面の完全性を損ない、それにより使用中に相手部品と有効なシールを形成するシール面の能力を阻害する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、上述した課題等の現状の課題に対処する、医療用流体継手とともに使用する改善された保護キャップが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
流体を内部に通して移送するように構成された医療用流体継手とともに使用する例示的な一実施形態の保護キャップが提供される。前記医療用流体継手は、継手ねじ部と、相手部品と液密シールを形成するようにシール面を有するシール部とを備える。該保護キャップは、近位端部及び遠位端部を有する本体と、前記本体に設けられ軸方向に延びるキャップねじ部とを備える。該キャップねじ部は、前記継手ねじ部に螺合して、該保護キャップを前記医療用流体継手と解除可能に結合するように構成されている。該保護キャップは、前記キャップねじ部によって画定され前記本体の長手軸に対して軸方向にテーパー状になっているテーパー状係合面を更に備える。該テーパー状係合面は、前記継手ねじ部に摩擦接触して該保護キャップを前記医療用流体継手との結合状態に保定するように構成されている。該保護キャップは、該保護キャップを前記医療用流体継手と結合した場合、該保護キャップには前記シール面に接触する部分がないように前記シール部の外周を囲むように構成されている。
【0006】
例示的な医療用流体継手アセンブリが、流体を内部に通して移送するように構成された医療用流体継手を備える。該医療用流体継手は、継手ねじ部と、相手部品と液密シールを形成するようにシール面を有するシール部とを備える。該医療用流体継手アセンブリは、前記医療用流体継手の前記シール面を保護するように構成された保護キャップを更に備える。前記保護キャップは、近位端部及び遠位端部を有する本体と、前記本体に設けられ軸方向に延びるキャップねじ部とを備える。該キャップねじ部は、前記継手ねじ部に螺合して前記保護キャップを前記医療用流体継手と解除可能に結合するように構成されている。前記保護キャップは、前記キャップねじ部によって画定され前記本体の長手軸に対して軸方向にテーパー状になっているテーパー状係合面を更に備える。該テーパー状係合面は、前記継手ねじ部に摩擦接触して前記保護キャップを前記医療用流体継手との結合状態に保定するように構成されている。前記保護キャップは、該保護キャップを前記医療用流体継手と結合した場合、前記シール面に接触せずに前記シール部の外周を囲む。
【0007】
使用時、保護キャップを用いて医療用流体継手のシール部のシール面を保護する例示的な一方法が提供される。前記シール面は、流体が前記医療用流体継手を通過することができるように相手部品と液密シールを形成するように構成されている。該方法は、前記保護キャップの本体に設けられたキャップねじ部を、前記医療用流体継手に設けられた継手ねじ部との同軸位置合わせ状態に位置決めすることを含む。前記キャップねじ部を前記継手ねじ部と螺合して、前記保護キャップを前記医療用流体継手と解除可能に結合する。前記キャップねじ部は前記継手ねじ部に摩擦接触し、前記保護キャップを前記医療用流体継手との結合状態に保定する。前記保護キャップによって、該保護キャップには前記シール面に接触する部分がないように前記医療用流体継手の前記シール部の外周を囲む。
【0008】
添付図面と併せて例示的な実施形態の以下の詳細な説明を検討すれば、本発明の種々の更なる特徴及び利点が当業者にはより明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】既知の雄側医療用流体継手を示す断面図である。
【
図1B】既知の雌側医療用流体継手を示す断面図である。
【
図2】雄側医療用流体継手と組み合わせた第1の実施形態の雄側保護キャップを示す斜視図である。
【
図3】
図2の雄側保護キャップ及び雄側医療用流体継手を示す分解斜視図である。
【
図4】
図2の雄側保護キャップ及び雄側医療用流体継手を示す分解側面図である。
【
図5】
図2の雄側保護キャップ及び雄側医療用流体継手を示す分解上面図である。
【
図6】雄側保護キャップを示す、
図2の線6−6に沿った断面図である。
【
図7】雄側医療用流体継手と組み合わせた雄側保護キャップを示す、
図2の線6−6に沿った断面図である。
【
図8】雌側医療用流体継手と組み合わせた第1の実施形態の雌側保護キャップを示す斜視図である。
【
図9】
図8の雌側保護キャップ及び雌側医療用流体継手を示す分解斜視図である。
【
図10】雌側保護キャップを示す、
図8の線10−10に沿った断面図である。
【
図11】雌側医療用流体継手と組み合わせた雌側保護キャップを示す、
図8の線10−10に沿った断面図である。
【
図12】雄側医療用流体継手から取り外した第2の実施形態の雄側保護キャップを示す側面図である。
【
図13】雄側保護キャップを示す、
図12の線13−13に沿った断面図である。
【
図14】雄側医療用流体継手と組み合わせた雄側保護キャップを示す、
図12の線13−13に沿った断面図である。
【
図15】雌側医療用流体継手から取り外した第2の実施形態の雌側保護キャップを示す斜視図である。
【
図16】雌側保護キャップを示す、
図15の線16−16に沿った断面図である。
【
図17】雌側医療用流体継手と組み合わせた雌側保護キャップを示す、
図15の線16−16に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図2〜
図7を参照すると、本発明の原理に従った第1の例示的な実施形態の雄側保護キャップ10が示されている。雄側保護キャップ10は、流体を内部に通して移送するように構成された雄側医療用流体継手12とともに使用するようになっている。
図2に示すように、雄側流体継手は、カラー14と、カラー14から軸方向に延びるステム16とを備える。ステム16は、チューブ等の医療用の導管(図示せず)に結合して、流体が医療用の導管を通って流体継手12内に通過することができるようにこの導管と液密シールを形成するように構成されている。ステム16は、ステムを医療用の導管に挿入しやすくするテーパー部18を有してもよい。ステム16は、返し部(図示せず)等、ステム16を医療用の導管との結合状態に保定する任意の好適な保定形状部を更に有してもよい。
【0011】
図3〜
図5を参照すると、雄側保護キャップ10及び雄側流体継手12の更なる特徴部が示されている。雄側流体継手12は、雄側流体継手12の長手軸に沿って延びるノズルに似たテーパー状突出部の形態で図示の雄側シール部20を備える。雄側シール部20には、雌側相手部品(図示せず)と液密シールを形成するように構成されたテーパー状シール面の形態で図示のシール面22が画定される。シール面22は、例えば、ルアーテーパー又は任意の他の好適なテーパーを有することができる。これに関して、雄側流体継手12はテーパー状シール面22を有するものとして示しているが、テーパー状シール面ではない種々のタイプのシール面を有する雄側流体継手に適するように、本発明の原理に従った種々の実施形態の雄側保護キャップを改変することができることが当業者には理解される。
【0012】
雄側流体継手12のカラー14は、雄側シール部20の周囲を囲み、径方向内面24を有する。径方向内面24は、シール部20の基底面28(
図7を参照)に向かう軸方向に延びる螺旋状継手ねじ部26を支持する。継手ねじ部26は、相手部品(図示せず)の対応するねじ部に螺合するように構成されている。さらに、継手ねじ部26は、流体継手12と相手部品とに逆向きの軸方向力を印加した場合、相手部品の対応するねじ部との螺合から外れて分離するように構成されたオーバーホールねじ(overhauling thread)としてもよい。カラー14の径方向外面30は、例えば、使用中に使用者が流体継手を把持するのを助ける、長手方向溝32の形態で図示の1つ又は複数の把持形状部を有してもよい。
【0013】
図示の実施形態によれば、雄側保護キャップ10は、ベース34と、ベース34から外方に延び、雄側流体継手12に対する保護キャップ10の操作を容易にするタブ36とを備える。ベース34の径方向外面38は、流体継手12の溝32の幅及び深さに概ね対応することができ、使用中に使用者が保護キャップ10を把持するのを助けることができる、ノッチ40の形態で図示の1つ又は複数の把持形状部を有してもよい。
【0014】
図3〜
図5に示すように、雄側保護キャップ10の本体42が、ベース34から軸方向に延び、近位端部44及び遠位端部46を有する。近位端部44は肩部48を有し、肩部48は、以下により詳細に記載するように、肩部48を通って
図6に示すボア52内に径方向に延び、流体継手12に形成された1つ又は複数の継手通気口54と協働する1つ又は複数のキャップ通気口50を有してもよい。キャップ本体42は、遠位端部46に向かう軸方向に延びる螺旋状キャップねじ部56を有する。キャップねじ部56は、継手ねじ部26と螺合して、保護キャップ10を流体継手12と解除可能に結合するように構成されている。図示のように、キャップねじ部56は、ねじ始端部58及びねじ終端部60において周方向にテーパー状になっている幅を有して形成してもよい。さらに、キャップねじ部56は、1つ又は複数の切欠形状部62を有して形成してもよく、切欠形状部62は、例えば、製造中に射出成形プロセスにおいて金型からのキャップ10の取出しを容易にするために設けることができる。
【0015】
以下に記載するように、本発明の原理に従った種々の実施形態の保護キャップは、キャップねじ部のねじの谷又はねじの頂のうちの一方によって画定されるテーパー状係合面を有する。テーパー状係合面は、螺旋状に延び、キャップ本体の長手軸に対して軸方向にテーパー状になっており、医療用流体継手の対応する継手ねじ部に摩擦係合して保護キャップを医療用流体継手との結合状態に保定するように構成されている。
図2〜
図7に示す実施形態では、雄側保護キャップ10のキャップねじ部56は、ねじ底64と、ねじの頂点66と、ねじ底64によって画定されるテーパー状係合面68とを含む。
【0016】
図6に最もよく示されているように、雄側保護キャップ10の本体42は、遠位端部46から近位端部44までベース34内に軸方向に延びるボア52を画定する円筒壁70を有する。上述したように、テーパー状係合面68は、キャップねじ部56のねじの谷64によって画定され、螺旋状に延び、キャップ本体42の長手軸に対して軸方向にテーパー状になっている。テーパー状面68は、キャップ本体42の近位端部44における大きい直径からキャップ本体42の遠位端部46における比較して小さい直径にテーパー状になっている。これに関して、テーパー状面68は、近位方向にねじ終端部60を越えて肩部48まで延びてもよい。この実施形態では、キャップねじ部56のねじの頂66によって規定される外径は、キャップねじ部56の軸方向長さに沿って略一定のままである。したがって、ねじ底64とねじの頂点66との間の径方向距離によって規定されるキャップねじ部56のねじ山高さは、近位方向に減少する。さらに、テーパー状面68は、
図7に示すようなキャップねじ部56の継手ねじ部26との最初の螺合を容易にするために、遠位端部46に周方向食付き形状部74を有してもよい。
【0017】
テーパー状係合面68は、キャップ本体42の長手軸に対して遠位方向にテーパー状になっている。1つの実施形態において、テーパー状面68は、テーパー全角(included taper angle)約3度〜約6度でテーパー状になっており、そのため、
図6に示すようにテーパー半角(non-included taper angle)θが約1.5度〜約3度である。本明細書に図示及び記載の実施形態を含む本発明の原理に従った保護キャップの他の実施形態も、対応するキャップ本体の長手軸に対してテーパー全角約3度〜約6度かつテーパー半角θ約1.5度〜約3度でテーパー状になっているテーパー状係合面を有してもよい。
【0018】
図7に示すように、雄側保護キャップ10は、キャップ本体42がシール面22に接触せずに雄側シール部20の外周を囲むように、雄側流体継手12と解除可能に結合することができる。このようにして、保護キャップ10は、周囲要素及び周囲条件との不所望の接触からシール面22を防護することができる。より具体的には、雄ねじ付キャップ本体42を雌ねじ付継手カラー14と同軸に位置合わせし、雄側シール部20をキャップ本体42のボア52内に収まるように雌ねじ付継手カラー14に挿入する。保護キャップ10を、例えばタブ36を用いてその長手軸の回りに回転させ、それにより、キャップねじ部56が継手ねじ部26に螺合する。図示のように、キャップ本体42の肩部48は、保護キャップ10の流体継手12との軸方向位置合わせを促すようにカラー14の径方向内面24に接触してもよい。
【0019】
雄側保護キャップ10を回転させて雄側流体継手12と更に螺合させると、キャップねじ部56の後側面76が継手ねじ部26に係合し、キャップ本体42の遠位端部46を雄側シール部20の基底面28に向かう軸方向に前進させる。同時に、キャップねじ部56のねじの谷64によって画定されるテーパー状係合面68は、継手ねじ部26のねじの頂点78に径方向外向きの圧迫力を印加し、それにより継手ねじ部26のねじの頂点78に摩擦接触する。1つの実施形態において、図示のように、キャップねじ部56には継手ねじ部26のねじ底80に接触する部分がなく、そのためキャップねじ部56のねじの頂66と継手ねじ部26のねじの谷80との間に径方向間隙が形成される。テーパー状面68によって、例えばテーパー状面68の近位部82によって継手ねじ部26に印加される径方向圧迫力は、キャップねじ部56と継手ねじ部26との螺合が強まるにつれて徐々に増大する。
【0020】
このようにして、キャップねじ部56と継手ねじ部26との間に締まり嵌めが生じ、それにより、保護キャップ10が流体継手12との結合状態に保定される。したがって、継手ねじ部26は上述したようにオーバーホール型ねじとしてもよいが、継手ねじ部26とキャップねじ部56との螺合はオーバーホール型でない係合としてもよく、そのため、雄側保護キャップ10と雌側流体継手12とは、保護キャップ10及び流体継手12に逆向きの軸方向力を印加しても互いとの螺合から外れて分離することがない。
【0021】
図7に示すように、雄側流体継手12は、雄側シール部20を貫通する第1のボア84と、ステム16を貫通する第2のボア86とを有し、第1のボア84と第2のボア86とは流体連通して接続され、流体を移送する流体流路(fluid flow path)を画定する。1つの実施形態において、キャップ本体42に設けられたキャップ通気口50は、肩部48を通って径方向に延びるとともにテーパー状になり、またキャップボア52と流体連通して構成することができる。したがって、
図7に示すように保護キャップ10を流体継手12と結合した場合、キャップ通気口50は、継手通気口54(
図3〜
図5を参照)を介して、片側で流体流路と流体連通し、もう片側で周囲環境と流体連通して配置される。このようにして、流体流路内に存在するガスを、キャップ通気口50及び継手通気口54を通して周囲環境に放出することができる。
【0022】
図8〜
図11を参照すると、本発明の原理に従った第1の例示的な実施形態の雌側保護キャップ90が示されている。雌側保護キャップ90は、流体を内部に通して移送するように構成された雌側医療用流体継手92とともに使用するようになっている。
図8及び
図9に示すように、雌側流体継手92は、ベース94と、ベース94から軸方向に延びるステム96とを備える。ベース94の径方向外面97は、使用中に使用者が流体継手92を把持するのを助ける、ノッチ98の形態で図示の1つ又は複数の把持形状部を有してもよい。ステム96は、チューブ等の医療用の導管(図示せず)に結合して、流体が医療用の導管を通って流体継手内に通過することができるようにこの導管と液密シールを形成するように構成されている。ステム96は、ステム96を医療用の導管との結合状態に保定するとともに導管と液密シールを形成する返し部100を有してもよい。
【0023】
図9及び
図11に最もよく示されているように、雌側流体継手92は、ベース94から軸方向に延びる雌側シール部102を備える。雌側シール部102は、周壁104と、流体継手92の長手軸に沿って延びるとともにシール面108を画定する、テーパー状シール面の形態で図示の継手ソケット106を含む。シール面108は、雄側相手部品(図示せず)と液密シールを形成するように構成され、例えばルアーテーパー又は任意の他の好適なテーパーを有することができる。
図2〜
図7の雄側流体継手12に関して上述したように、テーパー状シール面ではない種々のタイプのシール面を有する雌側流体継手に適するように、本発明の原理に従った種々の実施形態の雌側保護キャップを改変することができる。
【0024】
雌側シール部102の周壁104の径方向外側部が、軸方向に延びる螺旋状継手ねじ部110を含む。継手ねじ部110は、相手部品(図示せず)の対応するねじ部に螺合するように構成されている。さらに、継手ねじ部110は、相手部品と流体継手92とに逆向きの軸方向力を印加した場合、相手部品の対応するねじ部との螺合から外れて分離するように構成されるオーバーホール型ねじとしてもよい。
【0025】
図9及び
図10に示すように、雌側保護キャップ90は、近位端部114及び遠位端部116を有する本体112を備える。本体112は、近位端部114において端壁120と一体形成されるとともに本体112の長手軸に沿って延びるキャップソケット122を画定する周壁118を有する。周壁118の径方向内面124は、遠位端部116から近位端部114に向かう軸方向に延びる螺旋状キャップねじ部126を支持する。図示のように、キャップねじ部126は、例えば端壁120まで延びてもよい。キャップねじ部126は、以下でより詳細に記載するように、継手ねじ部110と螺合して、雌側保護キャップ90を雌側流体継手92と解除可能に結合するように構成されている。これに関して、キャップ本体112の径方向外面128は、以下でより詳細に記載するようにキャップ90を流体継手92と結合する場合に使用者が保護キャップ90を把持するのを助ける、長手方向溝130の形態で図示の1つ又は複数の把持形状部を有してもよい。
【0026】
図示の実施形態では、雌側保護キャップ90のキャップねじ部126は、ねじ底132と、ねじの頂点134と、ねじ底132によって画定されるテーパー状係合面136とを含む。テーパー状係合面136は、螺旋状に延び、本体112の長手軸に対して近位方向にテーパー状になっている。図示のように、テーパー状面136は、キャップ本体112の遠位端部116における大きい直径からキャップ本体112の近位端部114における比較して小さい直径にテーパー状になっている。1つの実施形態において、キャップねじ部126のねじの頂134によって規定される内径は、キャップねじ部126の軸方向長さに沿って略一定のままである。したがって、ねじ底132とねじの頂点134との間の径方向距離によって規定されるキャップねじ部126のねじ山高さは、近位方向に減少する。
【0027】
図2〜
図7の雄側保護キャップ10のテーパー状係合面68と同様に、雌側保護キャップ90のテーパー状係合面136は、キャップ本体112の長手軸に対してテーパー全角約3度〜約6度でテーパー状にしてもよい。したがって、
図10に示すように、テーパー状面136は、キャップ本体112に対してテーパー半角θ約1.5度〜約3度でテーパー状としてもよい。
【0028】
図11に示すように、雌側保護キャップ90は、キャップ本体112がシール面108に接触せずに雌側シール部102の外周を囲むように、雌側流体継手92と解除可能に結合することができる。より具体的には、雌ねじ付キャップ本体112を雄ねじ付雌側シール部102と同軸に位置合わせし、雄ねじ付雌側シール部102をキャップソケット122内に収める。次に、保護キャップ90を、例えば溝130を用いてその長手軸の回りに回転させ、キャップねじ部126を継手ねじ部110と螺合させる。
【0029】
雌側保護キャップ90を回転させて雌側流体継手92と更に螺合させると、キャップねじ部126の後側面137が継手ねじ部110に係合し、キャップ本体112の遠位端部116を雌側流体継手92のベース94に向かう軸方向に前進させる。同時に、同様に上述したように、キャップねじ部126のねじの谷132によって画定されるテーパー状係合面136は、継手ねじ部110のねじの頂138に径方向内向きの圧迫力を印加し、それにより継手ねじ部110のねじの頂138に摩擦接触する。1つの実施形態において、図示のように、キャップねじ部126には継手ねじ部110のねじ底140に接触する部分がなく、そのためキャップねじ部のねじの頂134と継手ねじ部110のねじの谷140との間に径方向間隙が形成される。テーパー状面136によって、例えばテーパー状面136の近位部142によって継手ねじ部110に印加される径方向圧迫力は、キャップねじ部126と継手ねじ部110との螺合が強まるにつれて徐々に増大する。
【0030】
このようにして、キャップねじ部126と継手ねじ部110との間に締まり嵌めが生じ、それにより、雌側保護キャップ90が雌側流体継手92との結合状態に保定される。したがって、継手ねじ部110は上述したようにオーバーホール型ねじとしてもよいが、継手ねじ部110とキャップねじ部126との螺合はオーバーホール型でない係合としてもよく、そのため、雌側保護キャップ90と雌側流体継手92とは、保護キャップ90及び流体継手92に逆向きの軸方向力を印加しても互いとの螺合から外れて分離することがない。
【0031】
要約すると、
図2〜
図11に関して上述したものは、対応するキャップねじ部56、126のねじの谷64、132によって画定されるテーパー状係合面68、136をそれぞれ有する、第1の例示的な実施形態の雄側保護キャップ10及び雌側保護キャップ90である。これより
図12〜
図17に関して以下に記載するものは、対応するキャップねじ部56a、126aのねじの頂66a、134aによって画定されるテーパー状係合面68a、136aをそれぞれ有する、第2の例示的な実施形態の雄側保護キャップ10a及び雌側保護キャップ90aである。
【0032】
図12〜
図14を参照すると、本発明の原理に従った第2の例示的な実施形態の雄側保護キャップ10aが示されており、同様の参照符号が
図2〜
図7に示されている同様の特徴部を指す。雄側保護キャップ10aは、例えば雄側医療用流体継手12とともに使用するようになっていることができる。上述したように、雄側保護キャップ10aは、テーパー状シール面を含む種々のタイプのシール面を有する雄側医療用流体継手との使用に適するように改変することができることが当業者には理解される。
【0033】
図12及び
図13に示すように、雄側保護キャップ10aの本体42aは、ねじ底64aと、ねじの頂点66aと、ねじの頂点66aによって画定されるテーパー状係合面68aとを含む螺旋状キャップねじ部56aを有する。キャップねじ部56aのねじの頂66aによって規定される外径は近位方向に増大するのに対し、キャップねじ部56aのねじの谷64aによって規定される直径は、キャップねじ部56aの軸方向長さに沿って略一定のままである。したがって、ねじ底64aとねじの頂点66aとの間の径方向距離によって規定されるキャップねじ部56aのねじ山高さは、近位方向に増大する。
【0034】
図2〜
図7に示す雄側キャップ10と同様に、雄側キャップ10aのテーパー状係合面68aは、キャップ本体42aの長手軸に対して遠位方向にテーパー状になっている。1つの実施形態において、テーパー状面68aは、
図13に示すように、テーパー全角約3度〜約6度かつテーパー半角θ約1.5度〜約3度でテーパー状になっている。
【0035】
図14に示すように、雄側保護キャップ10aは、キャップ本体42aがシール面22に接触せずに雄側シール部20の外周を囲むように、雄側流体継手12に解除可能に結合することができる。これに関して、雄側キャップ10aは、
図7に示す雄側キャップ10に関して上述したのと同様に、キャップねじ部56aが継手ねじ部26に螺合するように、雄側流体継手12と同軸に位置合わせ及び結合することができる。
【0036】
図14に示す実施形態では、雄側保護キャップ10aを回転させて雄側流体継手12と更に螺合させると、キャップねじ部56aのねじの頂66aによって画定されるテーパー面68aが、継手ねじ部26のねじの谷80に径方向外向きの圧迫力を印加し、それにより継手ねじ部26のねじの谷80に摩擦接触する。1つの実施形態において、図示のように、キャップねじ部56aには継手ねじ部26のねじの頂78に接触する部分がなく、そのためキャップねじ部56aのねじの谷64aと継手ねじ部26のねじの頂78との間に径方向間隙が形成される。テーパー状面68aによって、例えばテーパー状面68aの近位部82aによって継手ねじ部26に印加される径方向圧迫力は、キャップねじ部56aと継手ねじ部26との螺合が強まるにつれて徐々に増大する。このようにして、キャップねじ部56aと継手ねじ部26との間に締まり嵌めが生じ、それにより保護キャップ10aが流体継手12との結合状態に保定される。
【0037】
図15〜
図17を参照すると、本発明の原理に従った第2の例示的な実施形態の雌側保護キャップ90aが示されており、同様の参照符号が
図8〜
図11に示す同様の特徴部を指す。雌側保護キャップ90aは、例えば雌側医療用流体継手92とともに使用するようになっていることができる。上述したように、雌側保護キャップ90aは、テーパー状シール面を含む種々のタイプのシール面を有する雌側医療用流体継手との使用に適するように改変することができることが当業者には理解される。
【0038】
図15及び
図16に示すように、雌側保護キャップ90aの本体112aは、螺旋状キャップねじ部126aを支持する径方向内面124aを有する周壁118aを有する。キャップねじ部126aは、ねじ底132aと、ねじの頂点134aと、ねじの頂点134aによって画定されるテーパー状係合面136aとを含む。テーパー状面136aは、キャップ本体112aの遠位端部116aにおける大きい直径からキャップ本体112aの近位端部114aにおける比較して小さい直径にテーパー状になっている。1つの実施形態において、ねじ底132aによって規定される内径は、キャップねじ部126aの軸方向長さに沿って略一定のままである。したがって、ねじ底132aとねじの頂点134aとの間の径方向距離によって規定されるキャップねじ部126aのねじ山高さは、近位方向に増大する。
【0039】
図8〜
図11に示す雌側保護キャップ90のテーパー状係合面136と同様に、雌側保護キャップ90aのテーパー状係合面136aは、キャップ本体112aの長手軸に対して近位方向にテーパー状になっている。1つの実施形態において、テーパー状面136は、
図16に示すように、テーパー全角約3度〜約6度かつテーパー半角θ約1.5度〜約3度でテーパー状になっている。
【0040】
図17に示すように、雌側保護キャップ90aは、キャップ本体112aがシール面108に接触せずに雌側シール部102の外周を囲むように、雌側流体継手92に解除可能に結合することができる。これに関して、雌側キャップ90aは、
図11に示す雌側キャップ90に関して上述したのと同様に、キャップねじ部126aが継手ねじ部110に螺合するように、雌側流体継手92と同軸に位置合わせ及び結合することができる。
【0041】
図17に示す実施形態では、雌側保護キャップ90aを回転させて雌側流体継手92と更に螺合させると、キャップねじ部126aのねじの頂134aによって画定されるテーパー状面136aが、継手ねじ部110のねじの谷140に径方向内向きの圧迫力を印加し、それにより継手ねじ部110のねじの谷140に摩擦接触する。1つの実施形態において、図示のように、キャップねじ部には継手ねじ部のねじの頂138に接触する部分がなく、そのためキャップねじ部126aのねじの谷132aと継手ねじ部110のねじの頂138との間に径方向間隙が形成される。テーパー状面136aによって、例えばテーパー状面136aの近位部142aによって継手ねじ部110に印加される径方向圧迫力は、キャップねじ部126aと継手ねじ部110との螺合が強まるにつれて徐々に増大する。このようにして、キャップねじ部126aと継手ねじ部110との間に締まり嵌めが生じ、それにより雌側保護キャップ90aが雌側流体継手92との結合状態に保定される。
【0042】
本発明を本発明の特定の実施形態の記載によって説明し、それらの実施形態をかなり詳細に記載したが、添付の特許請求の範囲の範囲をそのような詳細に限定又はいかようにも制限する意図はない。本明細書に記載した種々の特徴部は、単独で用いても任意の組合せで用いてもよい。更なる利点及び変更形態が当業者には容易に明らかとなる。したがって、本発明は、より包括的な態様において、図示及び記載の特定の細部、代表的な装置及び方法、並びに説明的な例に限定されない。したがって、包括的な発明概念の範囲又は趣旨から逸脱することなく、そのような細部から逸脱することができる。