(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記クリップは、前記フレームモールが前記ドアパネルに取り付けられた状態で前記アームよりも車幅方向外方となる位置に、車幅方向外方からの外力を緩衝する弾性変形可能な緩衝部を有した、請求項1に記載のフレームモール。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。なお、本明細書において、序数は、部品や部位等を区別するために便宜上付与されており、優先順位や順番を示すものではない。
【0016】
また、図には、便宜上、フレームモール1のドアパネル10への取付状態(以下、単に取付状態と記す)での方向(ドア閉時)が示されている。方向Xは、車両前方、方向Yは、車幅方向の外方、方向Zは、車両上方を示している。特に説明しない限り、明細書中における方向の説明は、取付状態での方向を示している。また、以下では、フレームモール1の構成部品がアセンブリされた状態を、組付状態と称することがある。
【0017】
図1は、フレームモール1の全体の斜視図、
図2は、フレームモール1の分解斜視図、
図3は、フレームモール1の一部の
図1とは反対側から見た部分的な斜視図、
図4,5は、フレームモール1のそれぞれ別の位置における断面図である。また、
図6,7は、フレームモール1に含まれるクリップ4のそれぞれ別の角度から見た斜視図である。
【0018】
図1に示されるように、フレームモール1は、ドアパネル10の窓開口部の下部から後方の湾曲したコーナー部にかけての縁10aに沿って、湾曲しながら延びている。フレームモール1は、下方に向けて突出した爪42d付きのアーム42を有している。アーム42は、縁10aの下縁10a1に対応したフレームモール1の前後延伸部分1aにおいて、その長手方向に沿って間隔をあけて複数箇所、本実施形態では一例として2箇所に、設けられている。なお、本実施形態では、一例として、
図3〜7のクリップ4が設けられた位置において下縁10a1は車両前後方向に沿って延び、アーム42は車両下方に延びているが、これには限定されない。
【0019】
図2に示されるように、フレームモール1は、意匠部材2と、インナ部材3と、クリップ4と、コーナカバー5と、を備えている。意匠部材2は、
図1に示されるように、縁10aに沿って延び、意匠面2aを構成している。インナ部材3は、
図1に示されるように、縁10aに沿って延び、
図2に示されるように、意匠部材2に覆われている。また、クリップ4は、縁10aに沿って間隔をあけて複数箇所に配置され、アーム42および爪42dを構成している。アーム42および爪42dは、ドアパネル10への装着時に弾性変形しながら非装着位置から装着位置へ移動するスナップフィット機構を構成している。
【0020】
本実施形態では、フレームモール1を構成する意匠部材2、インナ部材3、およびクリップ4が、それぞれ別の材質で構成されている。このようにフレームモール1の構成部品の材質をそれぞれ異ならせることにより、種々の機能がより高いレベルで満たされやすい。例えば、意匠部材2が金属材料(例えば、ステンレススチール)で構成されるとともに、インナ部材3およびクリップ4が合成樹脂材料で構成されることにより、金属材料によってフレームモール1の剛性を確保しながら、合成樹脂材料によってフレームモール1をより軽量に構成することができる。また、インナ部材3が比較的硬い合成樹脂材料によって構成されるとともに、クリップ4がインナ部材3よりも軟らかい合成樹脂材料によって構成されることにより、比較的硬い合成樹脂材料によってフレームモール1の剛性を確保しながら、より軟らかい合成樹脂材料によってドアパネル10への取り付けの容易性あるいは確実性を向上することができる。
【0021】
意匠部材2は、
図4に示されるように、車室外に露出する意匠面2aと、当該意匠面2aの反対側の内面2bと、を有している。意匠部材2は、例えば、板状の部材をロール成形等することによって構成されうる。意匠面2aは、露出面の一例である。
【0022】
また、意匠部材2は、上壁21、側壁22、および端壁23を有している。上壁21は、上方に位置し、側壁22は、車幅方向外方に位置している。また、端壁23は、側壁22の下端で車幅方向内方に折り曲げられている。端壁23は、折曲部や、フランジとも称されうる。上壁21、側壁22、および端壁23は、それぞれ湾曲部分を経て滑らかに繋がっている。また、意匠部材2は、
図4の断面における端壁23の反対側、すなわち、車幅方向内方かつ上方の端部に、加締部24を有している。加締部24は、インナ部材3のフランジ31aを抱えるように下方かつ車幅方向外方に向けて折り曲げられ、意匠部材2をインナ部材3に加締め固定している。加締部24は、
図4に示されるように、二点鎖線で示されるように上壁21に沿って延びた位置から実線で示されるように屈曲した状態に折り曲げられる。加締部24の加締めによって、インナ部材3は、上壁21、側壁22、および加締部24によって抱えるように挟持された状態で、意匠部材2との間のがたつきが無い状態に一体化される。すなわち、上壁21の内面2bおよび側壁22の内面2bは、いずれもインナ部材3の外面3aと密着する。加締部24の設置位置については後述する。なお、意匠部材2の形状は種々に変更可能であって、
図2,4,5に示されるような形状には限定されない。
【0023】
インナ部材3は、意匠部材2の内面2bと面しかつ接触する外面3aと、当該外面3aの反対側の内面3bと、を有している。インナ部材3は、例えば、合成樹脂材料の射出成形等によって構成されうる。
【0024】
インナ部材3は、上壁31および側壁32を有している。上壁31は、意匠部材2の上壁21によって車両上方から覆われている。また、側壁32は、意匠部材2の側壁22によって側方(車幅方向外方)から覆われている。上壁31および側壁32は、それぞれ湾曲部分(不図示)を経て滑らかに繋がっている。なお、側壁32の下縁32aには、リップ34が設けられている。リップ34は、エラストマ等によって構成される。インナ部材3と二色成形等によって一体的に構成されうる。
【0025】
図2,4に示されるように、インナ部材3の外面3aには、意匠部材2に向けて、本実施形態では車両上方に向けて開口する凹部33が設けられている。また、インナ部材3には、凹部33の底面33aとインナ部材3の内面3bとの間を貫通した貫通孔3cが設けられている。貫通孔3cは、底面33aに開口され意匠部材2に向けて延びている。なお、図示されないが、貫通孔3cの断面形状は四角形である。また、貫通孔3cは、本実施形態では一例として上下方向に延びているが、これには限定されない。
【0026】
また、
図3に示されるように、インナ部材3の上壁31の、車幅方向内方を向いた側面31bには、車幅方向外方に向けて凹む凹部31cが設けられている。フランジ31aは凹部31cの上方に隣接して設けられている。
図3,4に示されるように、凹部31cは、フランジ31aを抱えるように折り曲げられた加締部24の端部を収容する収容部として機能している。また、このような構成によれば、組付作業者は、意匠部材2とインナ部材3との組み付けの際に、フランジ31aや凹部31cを、加締める前の延びた状態の加締部24の位置合わせの目印として利用することができるため、作業性が向上しやすいという利点もある。
【0027】
クリップ4は、
図4,5に示されるように、ドアパネル10に取り付けられる。ドアパネル10は、車幅方向外方のアウタパネル11と、車幅方向内方のインナパネル12と、を有している。アウタパネル11は、外壁11aおよび折返部11bを有している。折返部11bは、インナパネル12の上方の端部12aよりも車両上方で、当該端部12aを回り込むように車両下方へと折り返されている。すなわち、アウタパネル11は、インナパネル12の上方の端部12aにヘム結合されている。アウタパネル11の屈曲部が、窓開口部の縁10aである。クリップ4は、折返部11bのインナパネル12から離間した端部11cに引っ掛けられる。
【0028】
クリップ4は、
図6,7に示されるように、ヘッド41、アーム42、二つの第一舌片43、および第二舌片44を有している。ヘッド41は、縁10aに沿って延びるとともに、
図4,5にも示されるように、意匠部材2に沿って湾曲しながら延びている。ここで、本実施形態では、
図4,5に示されるように、ヘッド41の外面41cは、意匠部材2の内面2bとの間に隙間gをあけて面している。仮に、ヘッド41の外面41cと意匠部材2の内面2bとが密着する構成であった場合、加締部24を加締める際等に、意匠部材2の、インナ部材3の外面3aとヘッド41の外面41cとの隙間を覆う部分に凹みが生じる虞がある。この点、本実施形態によれば、インナ部材3の外面3aは意匠部材2の内面2bと密着するものの、ヘッド41の外面41cは意匠部材2の内面2bとは密着しないため、このような凹みが生じるのが回避されやすい。
【0029】
また、
図6,7に示されるように、ヘッド41の形状は、下方および車幅方向外方に向けて開放されたU字状であり、ヘッド41には当該U字に対応した切欠41bが設けられている。
【0030】
ヘッド41からは、アーム42が突出している。アーム42は、組付状態において意匠部材2から離れる方向に突出している。
図6,7に示されるように、アーム42の形状は、帯状かつ板状である。アーム42は、車両前後方向の幅が車幅方向の厚さよりも大きく、かつ
図4に示されるように、例えば、車両下方に延びている。なお、アーム42は、
図4に示されるように車両下方と平行に延びる必要は無く、斜め下方に延びてもよい。
【0031】
アーム42は、第一延部42a、屈曲部42b、および第二延部42cを有している。第一延部42aは、ヘッド41に隣接してアーム42の根元側に位置され、組付状態において車両下方に延びている。第二延部42cは、第一延部42aに対してヘッド41の反対側に位置され、組付状態において車両下方に延びている。第一延部42aと第二延部42cとは平行である。また、第二延部42cは、第一延部42aに対して車幅方向内方に僅かにオフセットしている。屈曲部42bは、第一延部42aと第二延部42cとをクランク状に滑らかに接続している。
【0032】
第二延部42c(アーム42)の先端部には、車幅方向外方かつ上方に向けて斜めに突出したフック状の爪42dが突出している。爪42dは、アウタパネル11の端部11cに引っ掛けられる。この状態では、第二延部42cと爪42dとの間の凹部42eに、アウタパネル11の端部11cが挿入されている。爪42dは固定部の一例である。
【0033】
二つの第一舌片43は、アーム42の中間位置の、当該アーム42の車両前後方向の両端部から、それぞれ、アーム42の突出方向とは反対方向、すなわち組付状態において意匠部材2に近付く方向(車両上方)に向けて、突出している。
図5に示されるように、第一舌片43のアーム42からの突出長さHiは、第一舌片43の厚さThよりも大きく、
図6に示される幅Wdよりも大きい。また、
図5に示されるように、第一舌片43の先端部43aは、アーム42と接続される基端部よりも、車幅方向内方に位置されており、第一舌片43は、アーム42から離れる方向に斜め上方に延びている。このような形状により、第一舌片43は、アーム42に支持され、車幅方向には比較的容易に弾性変形することが可能な片持ち梁(板ばね)として機能することができる。なお、第一舌片43の車幅方向外方の外面43bは、ドアパネル10との当接面(支持面)としても機能している。
【0034】
図6に示されるように、第二舌片44は、ヘッド41に設けられた切欠41bの底部の中央部分から、車両下方に延びている。また、第二舌片44の先端部には、車幅方向外方へ膨らんだ膨出部44aが設けられている。
【0035】
また、
図4〜7に示されるように、ヘッド41は、二つのフランジ41aを有している。二つのフランジ41aのうちの一つは、ヘッド41の中央部分(アーム42の根元部分)から意匠部材2の上壁21に沿って車幅方向内方に突出し、もう一つは、ヘッド41の中央部分から意匠部材2の側壁22に沿って車幅方向外方かつ車両下方に突出している。なお、車幅方向外方かつ車両下方に突出するフランジ41aは、二股に分かれている。
【0036】
クリップ4は、意匠部材2が未だ組み付けられていない状態で、インナ部材3に組み付けられる。具体的には、クリップ4のアーム42は、インナ部材3の凹部33に開口された貫通孔3cに、
図2,4の上方から挿入され、フランジ41aが凹部33の底面33aに突き当たるまで、差し込まれる。この際、第一舌片43は、貫通孔3cの内面に相対的に押されることにより、車幅方向外方に弾性変形しながら下方に移動する。ここで、上述したように、第一舌片43は片持ち梁のような構成を有しているため、比較的容易に弾性変形することができる。そして、第一舌片43は貫通孔3cを貫通すると、貫通孔3cの内面からの押圧力が解除されるため、車幅方向内方に戻る。このように、第一舌片43は、スナップフィット機構を構成している。フランジ41aが凹部33の底面33aに突き当たった状態で、第一舌片43の先端部43aは、インナ部材3の内面3bと接触することができる。組付状態では、
図5に示されるように、クリップ4のフランジ41a(
図4)と第一舌片43の先端部43a(
図5)とがインナ部材3を挟持し、これにより、クリップ4がインナ部材3に一体的に固定された状態(仮保持状態)が得られる。また、第一舌片43は、スナップフィット機構を構成しているため、第一舌片43が貫通孔3cの内面に押されて撓んだ状態が解除される際に、作業者のクリップ4を貫通孔3cに挿入する手指にクリック感を感じたり、スナップ音が生じたりするため、作業者は、クリップ4がインナ部材3を挟持する位置へ到達したことを、把握しやすいという利点もある。先端部43aは、接触部の一例である。
【0037】
ここで、本実施形態では、第一舌片43は、
図5〜7に示されるように、アーム42が延びる方向(車両下方)の反対方向に延びた片持ち梁(板ばね)のような形状である。よって、第一舌片43は、貫通孔3cの内面から受けたアーム42が延びる方向との交差方向(車幅方向外方、
図4の左方)の荷重に対する曲げ剛性は比較的低く、当該交差方向には比較的容易に弾性変形できるが、アーム42が延びる方向(車両下方、
図4の上下方向)の荷重に対する座屈剛性は比較的高く、当該アーム42が延びる方向には容易には弾性変形できない。このような構成により、第一舌片43の、アーム42が延びる方向との交差方向への弾性的な曲げ変形を許容することにより、クリップ4の貫通孔3cへの挿入のし易さを確保しながら、インナ部材3を、アーム42が延びる方向により強固に挟持することが可能となる。第一舌片43は、挟持部の一例である。
【0038】
また、本実施形態では、貫通孔3cは、インナ部材3の凹部33の底面33aとその反対側の内面3bとの間で、すなわち、インナ部材3の表裏間を貫通しているため、クリップ4をアーム42が延びる方向に沿って、比較的容易に挿入することができる。また、インナ部材3の厚さ方向の途中までの部分的な貫通孔(凹部)、すなわち、インナ部材3の内面3bから厚さ方向の途中まで延びて外面3aに到達しない貫通孔をクリップ4が貫通するような構成と比較して、クリップ4のフランジ41aと第一舌片43とによって挟持する部分の厚さをより大きくすることができる。よって、クリップ4とインナ部材3との結合部分の強度をより高くすることが可能となる。
【0039】
また、本実施形態では、
図4に示されるように、アーム42は、貫通孔3cの車幅方向内方の面に沿って延び、第二舌片44は、貫通孔の車幅方向外方の面に沿って延びている。組付状態において、第二舌片44の先端に位置された膨出部44aは、貫通孔3cからヘッド41の反対側に露出し、インナ部材3の側壁32の内面3bと微小な隙間をあけて面している。第二舌片44は、アーム42が延びる方向(車両下方)に沿って延びた片持ち梁(板ばね)のような形状である。よって、第二舌片44は、車幅方向外方からの外力等によって車幅方向内方に向けて弾性変形したインナ部材3の側壁32の内面3bから、アーム42が延びる方向との交差方向(車幅方向内方、
図4の右方)へ向かう荷重を受けた場合には、弾性変形することができる。すなわち、第二舌片44は、外力を緩和する緩衝部として機能する。このような構成によれば、クリップ4が外力に対してより壊れ難くなる。
【0040】
また、本実施形態では、
図4,5に示されるように、縁10aに沿う方向から見て、第一舌片43の先端部43aと第二舌片44とは、アーム42を挟んで互いに反対側に位置されている。外力等の作用により、第一舌片43の先端部43aには、インナ部材3の上壁31から、下方へ向かう荷重が作用する場合がある。この荷重は、クリップ4に対し、爪42dが車幅方向外方へ向かう方向(
図5の時計回り方向)の回転モーメントM1を生じさせる。他方、第二舌片44の膨出部44aには、インナ部材3の側壁32から、車幅方向内方へ向かう荷重が作用する場合がある。この荷重は、クリップ4に対し、爪42dが車幅方向内方へ向かう方向(
図4の反時計回り方向)の回転モーメントM2を生じさせる。よって、第二舌片44の膨出部44aは、第一舌片43の先端部43aから入力された荷重に基づく回転モーメントM1を抑制する回り止めとして機能することができ、第一舌片43の先端部43aは、第二舌片44の膨出部44aから入力された荷重に基づく回転モーメントM2を抑制する回り止めとして機能することができる。よって、このような構成によれば、クリップ4をインナ部材3により安定的に保持することができる。
【0041】
また、本実施形態では、
図6,7に示されるように、アーム42は、二つの第一舌片43の間に位置されている。このような構成によれば、二つの第一舌片43が支えとなり、クリップ4が縁10aに沿う方向に倒れるのが抑制される。
【0042】
また、本実施形態では、
図3に示されるように、加締部24は、クリップ4と車幅方向に並んでいる。よって、加締部24を加締めることにより、意匠部材2とインナ部材3とが一体化されるとともに、加締部24とクリップ4とが車両前後方向にオフセットされた配置に比べて、クリップ4をインナ部材3により強固に固定することができる。
【0043】
以上説明したように、本実施形態では、例えば、クリップ4は、インナ部材3の貫通孔3cを貫通した状態で、インナ部材3に組み付けられている。
【0044】
貫通孔3cは、インナ部材3の凹部33の底面33aと内面3bとの間で、すなわち、インナ部材3の表裏間を貫通しているため、インナ部材3がクリップ4を保持する部分を比較的厚く構成することができる。よって、クリップ4とインナ部材3との結合部分の強度をより高くすることが可能となる。また、クリップ4が意匠部材2によって覆われているため、クリップ4がインナ部材3から脱落し難くなる。
【0045】
また、本実施形態では、例えば、クリップ4は、ヘッド41と、アーム42と、第一舌片43(挟持部)と、を有する。ヘッド41は、インナ部材3の外面3aに設けられた凹部33の底面33aと、意匠部材2の内面2bとの間に位置されたフランジ41aを有し内面2bと面する。アーム42は、意匠部材2から離れるようにヘッド41から突出し凹部33に開口されたインナ部材3の貫通孔3cを貫通する。爪42d(固定部)は、貫通孔3cに対してヘッド41の反対側でアーム42に設けられドアパネル10に引っ掛けられてフレームモール1をドアパネル10に固定する。また、第一舌片43(挟持部)は、貫通孔3cに対してヘッド41の反対側に設けられフランジ41aとの間にインナ部材3を挟む。
【0046】
このような構成によれば、例えば、インナ部材3をより剛性の高い材料で構成し、クリップ4をより弾性変形しやすい材料で構成することにより、より剛性が高くかつより容易にあるいはより確実に取りつけることが可能なフレームモール1を得ることができる。また、インナ部材3に設けられた貫通孔3cを貫通したクリップ4のヘッド41と第一舌片43とでインナ部材3を挟むことができるため、例えば、クリップ4をインナ部材3により容易にあるいはより確実に取り付けることができる。また、クリップ4を、貫通孔3cに、アーム42が延びる方向に沿って、比較的容易に挿入することができる。また、インナ部材3の厚さ方向の途中までの部分的な貫通孔(凹部)、すなわち、インナ部材3の内面3bから厚さ方向の途中まで延びて外面3aに到達しない貫通孔をクリップ4が貫通するような構成と比較して、構成が簡素化される上、クリップ4のフランジ41aと第一舌片43とによって挟持する部分の厚さをより大きくすることができる。よって、クリップ4とインナ部材3との結合部分の強度をより高くすることが可能となる。
【0047】
また、本実施形態では、アーム42は、二つの第一舌片43(挟持部)の間に位置されている。このような構成によれば、例えば、二つの第一舌片43が支えとなり、クリップ4が縁10aに沿う方向に倒れるのが抑制される。
【0048】
また、本実施形態では、意匠部材2は、インナ部材3に加締め固定され、クリップ4と縁10aに沿う方向との交差方向に並んだ加締部24を有する。このような構成によれば、例えば、加締部24とクリップ4とが縁10aに沿う方向にオフセットされた配置に比べて、クリップ4をインナ部材3により強固に固定することができる。また、クリップ4を直接加締めるのではなく、間接的に加締めるため、クリップ4における応力を低減し、クリップ4の信頼性を向上できる。
【0049】
また、本実施形態では、クリップ4(ヘッド41)は意匠部材2の内面2bと隙間gをあけて面している。このような構成によれば、インナ部材3の外面3aは意匠部材2の内面2bと密着するものの、ヘッド41の外面41cは意匠部材2の内面2bとは密着しない。よって、例えば、意匠部材2に、ヘッド41とインナ部材3との境界部分に対応した凹みが生じ難い。
【0050】
また、本実施形態では、クリップ4は、フレームモール1がドアパネル10に取り付けられた状態でアーム42よりも車幅方向外方となる位置に、車幅方向外方からの外力を緩衝する弾性変形可能な第二舌片44(緩衝部)を有する。このような構成によれば、例えば、クリップ4が外力に対してより壊れ難くなる。
【0051】
また、本実施形態では、縁10aに沿う方向に見て、第一舌片43(挟持部)の先端部43a(接触部)と、第二舌片44(緩衝部)とが、アーム42を挟んで互いに反対側に位置されている。このような構成によれば、例えば、クリップ4が縁10aに沿う方向との交差方向に倒れるのが抑制される。
【0052】
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。本発明は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。これらの様々な形態や変形された形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、各構成や形状等のスペック(構造や、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。