(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6850816
(24)【登録日】2021年3月10日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】ダイ上平行光学系
(51)【国際特許分類】
G02B 17/00 20060101AFI20210322BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20210322BHJP
H01L 33/58 20100101ALI20210322BHJP
F21V 5/00 20180101ALI20210322BHJP
F21V 5/04 20060101ALI20210322BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20210322BHJP
F21V 29/70 20150101ALI20210322BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20210322BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20210322BHJP
【FI】
G02B17/00 A
H01L33/00 L
H01L33/58
F21V5/00 510
F21V5/04
F21V29/503
F21V29/70
F21V19/00 170
F21Y115:10
【請求項の数】15
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-559317(P2018-559317)
(86)(22)【出願日】2017年5月9日
(65)【公表番号】特表2019-529962(P2019-529962A)
(43)【公表日】2019年10月17日
(86)【国際出願番号】US2017031724
(87)【国際公開番号】WO2017196824
(87)【国際公開日】20171116
【審査請求日】2020年5月8日
(31)【優先権主張番号】62/335,334
(32)【優先日】2016年5月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】16178038.2
(32)【優先日】2016年7月5日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】517152128
【氏名又は名称】ルミレッズ ホールディング ベーフェー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ブルーメン,パスカル
(72)【発明者】
【氏名】ファン−リーロップ,マールテン
(72)【発明者】
【氏名】ナイカンプ,リック
(72)【発明者】
【氏名】ステルテンプール,マルク
(72)【発明者】
【氏名】コーネリッセン,ヒューホ
【審査官】
岡田 弘
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第7083315(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00−17/08
G02B 21/02−21/04
G02B 25/00−25/04
F21S 13/00
G02B 6/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学系であって、
入力面と、
対称軸を中心として回転したパラボラセグメントにより確定される下部外面であって、前記パラボラセグメントは、光軸に沿って上向きに移動するとき、前記対称軸から離れる方向に傾斜する光軸とパラボラの一部を有し、前記下部外面の下端は前記入力面の縁と交わる、下部外面と、
前記下部外面の上の上部外面であって、前記上部外面は前記対称軸を中心に回転される線により確定され、前記線は前記線に沿って上向きに移動するとき前記対称軸から離れる方向に傾斜している、上部外面と、
環帯を含む中間面であって、前記下部外面の上端とつながる外周と、前記下部外面の下端とつながる内周とを有する、中間面と、
前記下部外面と前記上部外面により囲まれた内部円錐面であって、前記内部円錐面は前記対称軸を中心として回転される平滑曲線により確定され、前記平滑曲線の少なくとも過半部分は前記平滑曲線に沿って上向きに移動するとき前記対称軸から離れ、前記内部円錐面は前記対称軸にあり前記下部外面内にある頂点を有し、前記内部円錐面と前記上部外面との上端は交わり、出力開口を確定する、内部円錐面と
を有する光学系。
【請求項2】
下部外面は切り取られた3次元複合放物面集光器を含む、
請求項1に記載の光学系。
【請求項3】
前記入力面は、1任意単位の側面と1.41任意単位の対角線とを有するLEDダイを完全に覆い、
前記切り取られた3次元複合放物面集光器は、2.54任意単位の入力直径、1.41任意単位の出力直径、57度の入力角、90度の出力角、2.96任意単位の全長、0.4ないし1.2任意単位の切り取り高さを有する、
請求項2に記載の光学系。
【請求項4】
前記上部外面と前記内部円錐面とは3次元の傾斜したウェッジを含む、
請求項1に記載の光学系。
【請求項5】
前記入力面は、1任意単位の側面と1.41任意単位の対角線とを有するLEDダイを完全に覆い、
前記平滑曲線はベジェ曲線であり、終点と、始点からZ方向の1.35任意単位、Y方向に1.16任意単位にある前記始点と、2つの制御点とを有する、
請求項4に記載の光学系。
【請求項6】
LEDダイと、
前記LEDダイ上の光学系とを有し、前記光学系は、
入力面と、
対称軸を中心として回転したパラボラセグメントにより確定される下部外面であって、前記パラボラセグメントは、光軸に沿って上向きに移動するとき、前記対称軸から離れる方向に傾斜する光軸とパラボラの一部を有し、前記下部外面の下端は前記入力面の縁と交わる、下部外面と、
前記下部外面の上の上部外面であって、前記上部外面は前記対称軸を中心に回転される線により確定され、前記線は前記線に沿って上向きに移動するとき前記対称軸から離れる方向に傾斜している、上部外面と、
環帯を含む中間面であって、前記下部外面の上端とつながる外周と、前記下部外面の下端とつながる内周とを有する、中間面と、
前記下部外面と前記上部外面により囲まれた内部円錐面であって、前記内部円錐面は前記対称軸を中心として回転される平滑曲線により確定され、前記平滑曲線の少なくとも過半部分は前記平滑曲線に沿って上向きに移動するとき前記対称軸から離れ、前記内部円錐面は前記対称軸にあり前記下部外面内にある頂点を有し、前記内部円錐面と前記上部外面との上端は交わり、出力開口を確定する、内部円錐面と
を有する光学系とを有する、
発光ダイオード(LED)パッケージ。
【請求項7】
前記内部円錐面は前記対称軸にあり、前記下部外面内にある頂点を有し、前記内部円錐面の上端と前記上部外面とが交わり出力開口を確定する、
請求項6に記載のLEDパッケージ。
【請求項8】
前記下部外面は切り取られた3次元複合放物面集光器を含み、
前記入力面は、1任意単位の側面と1.41任意単位の対角線とを有するLEDダイを完全に覆い、
前記切り取られた3次元複合放物面集光器は、2.54任意単位の入力直径、1.41任意単位の出力直径、57度の入力角、90度の出力角、2.96任意単位の全長、0.4ないし1.2任意単位の切り取り高さを有する、
請求項6に記載のLEDパッケージ。
【請求項9】
前記入力面は、1任意単位の側面と1.41任意単位の対角線とを有するLEDダイを完全に覆い、
前記平滑曲線はベジェ曲線であり、終点と、始点からZ方向の1.35任意単位、Y方向に1.16任意単位にある前記始点と、2つの制御点とを有する、
請求項8に記載のLEDパッケージ。
【請求項10】
ヒートシンクをさらに有し、
前記LEDダイは前記ヒートシンクに取り付けられる、
請求項6に記載のLEDパッケージ。
【請求項11】
発光ダイオードまたはデバイス(LED)パッケージを生産する方法であって、
LEDダイを設けるステップと、
前記LEDダイ上に主光学系を印刷するステップであって、
3次元複合放物面集光器を有する前記主光学系の底部および下部を形成するステップであって、前記3次元複合放物面集光器は、
入力面と、
対称軸を中心として回転したパラボラセグメントにより確定される下部外面であって、前記パラボラセグメントは、光軸に沿って上向きに移動するとき、前記対称軸から離れる方向に傾斜する光軸とパラボラの一部を有し、前記下部外面の下端は前記入力面の縁と交わる、下部外面とを有する、形成するステップと
3次元傾斜ウェッジを有する前記主光学系の上部および内部を形成するステップであって、前記3次元傾斜ウェッジは、
前記下部外面の上の上部外面であって、前記上部外面は前記対称軸を中心に回転される線により確定され、前記線は前記線に沿って上向きに移動するとき前記対称軸から離れる方向に傾斜している、上部外面と、
環帯を含む中間面であって、前記下部外面の上端とつながる外周と、前記下部外面の下端とつながる内周とを有する、中間面と、
前記下部外面と前記上部外面により囲まれた内部円錐面であって、前記内部円錐面は前記対称軸を中心として回転される平滑曲線により確定され、前記平滑曲線の少なくとも過半部分は前記平滑曲線に沿って上向きに移動するとき前記対称軸から離れる、形成するステップと
を含む方法。
【請求項12】
前記内部円錐面は前記対称軸にあり、前記下部外面内にある頂点を有し、前記内部円錐面と前記上部外面との上端がつながり出力開口を確定する、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記下部外面は切り取られた3次元複合放物面集光器を含み、
前記入力面は、1任意単位の側面と1.41任意単位の対角線とを有するLEDダイを完全に覆い、
切り取られた前記3次元複合放物面集光器は、2.54任意単位の入力直径、1.41任意単位の出力直径、57度の入力角、90度の出力角、2.96任意単位の全長、0.4ないし1.2任意単位の切り取り高さを有する、
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記入力面は、1任意単位の側面と1.41任意単位の対角線とを有するLEDダイを完全に覆い、
前記平滑曲線はベジェ曲線であり、終点と、始点からZ方向の1.35任意単位、Y方向に1.16任意単位にある前記始点と、2つの制御点とを有する、
請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記LEDダイをヒートシンク上に取り付けるステップをさらに含む、
請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本願は、2016年5月12日出願の米国仮特許出願第62/335,334号及び2016年7月5日出願の欧州特許出願第16178038.2号の優先権を主張する。米国仮特許出願第62/335,334号と欧州特許出願第16178038.2はここに参照援用する。
【技術分野】
【0002】
本開示は半導体発光ダイオードまたはデバイス(LEDs)に関し、より具体的にはLEDのためのダイ上光学系に関する。
【背景技術】
【0003】
発光ダイオードまたはデバイス(LED)照明アプリケーションにおいて、光学系はLEDダイの周りにデザインされ、光をどこに向けるかの制御をある程度達成する。光学系はLEDダイとは離れて取り付けられることが多い。この2段階アセンブリを減らすため、光学系とLEDダイとを集積するオーバーモールド光学系が設計される。オーバーモールド光学系の一例は、ダイの上にモールドされた半球状ドームである。これはLEDダイの取り出し(extraction)効率を高めるが、光をリダイレクト(redirect)しない。他の例は、サイドエミッタ・オーバーモールド光学系であり、取り出し効率を高め、LEDダイからの光をリダイレクトして、ランバート型(Lambertian)からサイドエミッタ型へ放射パターンを変形させる。
【0004】
図1は従来のLEDパッケージ100を示す。パッケージ100は、ヒートシンク102と、LEDダイ104(1つのみにラベルを付した)と、LEDダイ104上の主光学系106(1つのみにラベルを付した)と、ヒートシンク102に取り付けられた副光学系108とを含む。LEDダイ104は、LEDと、そのLED上のセラミック蛍光体などの波長コンバータとを含んでいてもよい。主光学系106は、LEDダイ104からの光を抽出(extract)する役に立つが抽出された光をリダイレクト(redirect)する半球状ドーム型オーバーモールドである。副光学系108は、図に強度スライス図として示したように、抽出された光をコリメートする反射器である。0°はLEDダイ104の上面に対して垂直な方向に対応する。
【発明の概要】
【0005】
本開示の1つまたは複数の例は、LEDダイと光学的に接触し、前記ダイからの光を実質的に平行化する光学系を提供する。光学系のサイズは従来の半球状ドーム型オーバーモールドと同様である。光学系は、切り取られた複合放物面集光器(CPC)と、その上の傾斜ウェッジとを含む。
【0006】
切り取られたCPCは、入力面と、対称軸を中心に回転された傾斜パラボラセグメントによって画定される下部外面とを含む。下部外面の下端は入力面の縁と交わる。
【0007】
傾斜ウェッジは、下部外面の上の上部外面と、下部外面および上部外面によって囲まれた内側円錐面とを含む。上部外面は、対称軸を中心に回転した傾斜直線によって画定される。内側円錐面は、対称軸の周りを回転するパラメトリック曲線によって画定される。内部円錐面は対称軸にあり下部外面内にある頂点を有する。内部円錐面と上部外面との上端は交わり、出力開口を確定する、内部円錐面とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図中、
【
図1】従来の発光ダイオードまたはデバイス(LED)パッケージを示す図である。
【
図2】本開示の一例におけるLEDパッケージを示す図である。
【
図3-1】本開示の例における
図2の光学系を示す横断面図である。
【
図3-2】本開示の例における
図2の光学系を示す等角投影図である。
【
図4】本開示の例における
図2の光学系を通るレイトレーシングを示す図である。
【
図5】本開示の幾つかの例において、
図2の光学系が従来の半球状オーバーモールドと同様の寸法を有することを示す図である。
【
図6】本開示の例における
図2の光学系の一部を形成する切断されたCPCを形成するために切断された全高コンパクトパラボリックコンセントレータ(CPC)のデザインを示す図である。
【
図7】本開示の例における
図2の光学系の切断されたCPCにスーパーインポーズされた傾斜ウェッジのデザインを示す図である。
【
図8】本開示の例における、強度スライスにおけるファーフィールド強度分布を示す図である。
【
図9】本開示の例における、断面におけるファーフィールド強度分布を示す図である。
【
図10】本開示の例における、
図2の光学系のファーフィールド強度分布を示す図である。 異なる図面で同じ参照番号を用いて、同様の又は同一の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図2は、本開示の例における発光ダイオードまたはデバイス(LED)パッケージ200を示す図である。パッケージ200は、ヒートシンク102と、LEDダイ104と、LEDダイ104上の光学系206(1つのみにラベルを付した)とを含む。主光学系106とは異なり、光学系206はLEDダイ104からの光を平行にする(collimate)。光学系206はLEDダイ104上に印刷されていてもよい。あるいは、光学系206は個別に作られ、または配列として作られ、光学系206は個別に、または配列としてLEDダイ104に取り付けられる。
【0010】
光学系206のビームパターンは、ランバート型発光の特徴である円形パターンから大幅にずれる。光学系206は、幾つかのアプリケーションでは唯一の光学系であってもよく、他のアプリケーションでは副光学系に光をリダイレクトする主光学系であってもよい。いずれの場合でも、LEDダイの数や電力の量を減らすように、光をより効率的に使用する。
【0011】
図3−1および
図3−2は、それぞれ、本開示の例における光学系206を示す横断面図および等角投影図である。切断された3次元コンパウンドパラボリックコンセントレータ(CPC)302は、光学系206の底部およびカブを形成し、一方、3次元傾斜ウェッジ304は光学系206の上部および内部を形成する。
切断されたCPC302は円形入力面306と下部外面308とを含む。入力面306はLEDダイ104と光学的に接触している。入力面306はLEDダイ104をカバーする大きさである。入力面306は、LEDダイ104の発光面の最大寸法と一致するまたはそれを少し上回る寸法を有する。円形入力面306の外周は下部外面308の下端と交わる。
【0012】
下部外面308は、対称軸312の周りに回転したパラボラセグメント310により確定される。これは、対称軸312の周りに回転された2つの対称パラボラセグメントとしても説明され得る。パラボラセグメント310は、光学軸316に沿って上に移動したとき、対称軸312から離れるように傾いた光学軸316を有する(点線で示す)パラボラ314の一部である。パラボラ314の底端は、パラボラ314の焦点318で切り取られている。これは入力面306の遠縁(far edge)にある。パラボラ314の上端は、全CPCの高さより低い切断された高さで切り取られている。
【0013】
傾斜ウェッジ304は、対称軸312を中心としてより厚い下端からより薄い上端に向かって先細になる傾斜くさび形断面を回転させることによって形成される光学部品である。傾斜ウェッジ304は、切り取られたCPC302の下部外面308の上の上部外面320と、上部外面320および下部外面308により囲まれた内部円錐面322とを含む。下部外面320は、対称軸312の周りに回転したセグメント324により確定される。セグメント324は、直線状であるが、本開示の他の例では曲がっていてもよい。直線状セグメント324は、それに沿って上向きに移動したとき、対称軸312から離れるように傾いている。上部外面320と内部円錐面322との上端は交わり、出力開口332を確定する。
【0014】
内部円錐面322は、対称軸312の周りに回転した線328により確定される。線328は、平滑曲線であるが、本開示の他の例では直線であってもよい。平滑曲線328は、ベジェ曲線であってよく、その他の平滑曲線の数学的表現であってもよい。少なくもと平滑曲線328の大部分は、それに沿って上向きに移動したとき、対称軸312から離れていく。平滑曲線328の短い上端部は、平滑曲線328に沿って上向きに移動したとき、対称軸312に向かってもよい。内部円錐面322の頂点330は、下部外面308内の対称軸312上にある。頂点330は、入力面306に接触して又は少し上に有る。
【0015】
中間面334は、下部外面308のより大きい上端と、上部外面320のより小さい下端との間のギャップをブリッジする。中間面334は、下部外面308の上端に交わる外周336と、上部外面320の下端と交わる内周338とを有する環帯であってもよい。
【0016】
本開示のいくつかの例では、光学系206は、LEDダイ104の半球状ドームオーバーモールド106に匹敵するコンパクトデザインを有する。これにより、光学系206は、半球状ドームオーバーモールド106のために設計された多くのアプリケーションで使用することができる。
【0017】
図4は、本開示の例における光学系206を通るレイトレーシングを示す。傾斜ウェッジ304の平滑曲線328(明瞭のため反対側にラベルを付した)は、対称軸312から離れた光線の一部を、傾斜ウェッジ304の直線状セグメント324(明確のため反対側にラベルを付した)に向けて反射する。直線状セグメント324は、ついで、対称軸312に沿って光線をリダイレクトする。いくつかの他の光線は、対称軸に沿って直線状セグメント324によって直接反射されるが、その後、平滑曲線324によってわずかに発散される。
【0018】
図5は、本開示のいくつかの例において、光学系206が、半球状ドームオーバーモールド106と実質的に同じ高さおよび幅を有することを示す。1任意単位の一辺と1.4任意単位の対角線とを有する正方形LEDダイ104の場合、半球状ドームオーバーモールド106は、典型的には、1.4任意単位の高さと、2.5任意単位の幅(直径)とを有する。かかる正方形LEDダイ104の場合、光学系206は1.4任意単位の高さと、2.5任意単位の幅(直径)とを有する。
【0019】
図6は、本開示の例では、切り取られたCPC302を形成するように切り取られる全高CPC600のデザインを示す。CPC600は一般的に、光を放射するためでなく、光を集めるために用いられるので、
図6の用語は逆になっている全高CPC600は、LEDダイ104を完全に覆うため1.4100任意単位の出力サイズと、2.5387任意単位ないしほぼ半球状ドームオーバーモールド106の高さの入力サイズと、ランバートパターンを放射するLEDダイ104からできるだけ多くの光を集める90°の出力角と、0任意単位のコア長さとを有する。これらのパラメータに基づき、全高CPC600は、57°の入力角(すなわち、受容角)と、2.9560任意単位の全長とを有する。円錐の長さは、傾斜した放物線に追加することができる任意的な直線状セグメントであることに留意されたい。円錐長の値は、出力角の選択に依存し、上記のパラメータの場合は0です。全高CPC600は、半球状ドームオーバーモールド106の高さよりも小さい切り取り高さ、例えば0.4ないし1.2任意単位で切り取られ、切り取られたCPC302の上に、傾斜したウェッジ304のためのスペースを提供する。切り取られた高さは、さまざまな切り取り高さを有する光学系206のレイトレーシングに基づいて選択され得る。
【0020】
図7は、本開示の例において光学系206を形成するために、切り取られたCPC302(点線で示す)に重ね合わされた傾斜ウェッジ700のデザインを示す。傾斜したウェッジ700の重ね合わされた部分が、傾斜したウェッジ304を形成する。上述したように、傾斜したウェッジ304は、直線状セグメント324および平滑曲線328を対称軸312の周りに回転させることによって画定される。ベジェ曲線として確定されるとき、平滑曲線328は、始点702、終点704、および2つの制御点706,708を含む。始点702は、得られる傾斜したウェッジ304が、半球状ドームオーバーモールド106と同様の高さおよび幅を有するように選択される。例えば、始点702はZ方向の1.3574任意単位に位置し、Y方向の1.1574任意単位に位置し、終点704は原点に位置する。制御点706により、平滑曲線328の短い上端部は、平滑曲線328に沿って上向きに移動したとき、対称軸312に向かってもよい。制御点706の接線角度は−132.71度であり、接線の長さは0.15490任意単位であり、加重は0.55519である。制御点708により、平滑曲線328の大部分は、それに沿って上向きに移動したとき、対称軸312から離れる。制御点708の接線角度は6.5244度であり、接線の長さは0.82236任意単位であり、加重は0.54747である。開始点と終了点の接線モードは、曲線328が、制御点706と708にどれほど接近しているか記述し、これは曲線の残りの部分に滑らかにフィットするように自由に確定するか、または自動的に確定することができることに留意されたい。
【0021】
直線状セグメント324は、(平滑曲線328と共有される)始点702および終点710を有する。出力開口332(
図3)の周辺に沿った鋭いエッジを回避するために、傾斜したウェッジ304を始点702の周りで丸めることができる。傾斜したウェッジ304は、切り取られたCPC302の頂部に形成されるので、端点710は切り取られたCPC302の切り取り高さを有する。直線状セグメント324は、LEDダイ104の側面の始点702から終点712に延在する線の一部である。言い換えれば、傾斜ウェッジ700の下端は、LEDダイ104の上面の内側に位置する。
【0022】
図8、9および10は、本開示の例における、強度スライスにおけるファーフィールド強度分布と、断面におけるファーフィールド強度分布と、光学系206のファーフィールド強度分布を示す。光学系206は、255.68ルーメンの合計収集パワー、7.3533の収集効率、および158.75カンデラの最大強度を有する。これらの数値は半球状ドームオーバーモールド106とほぼ同様である。これは、263.07ルーメンの合計収集パワー、7.5658の収集効率、および72,267カンデラの最大強度を有する。半球状ドームオーバーモールド106とは異なり、
図8は、光学系206が高度のコリメーションを有することを示している。半球状ドームオーバーモールド106と同じ高さを有する切り取りCPC及び全高CPCとは異なり、
図9および
図10は、光学系206がダークセンターを有さないことを示している。したがって、光学系206は、半球状ドームオーバーモールド106、全高CPC、または半球状ドームオーバーモールド106と同じ高さを有する切り取りCPCより優れた性能を有するコンパクトな設計を有する。
【0023】
開示された実施形態の他の様々な適合および特徴の組み合わせは、本発明の範囲内である。多数の実施形態は、以下の特許請求の範囲によって包含される。