特許第6850833号(P6850833)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6850833
(24)【登録日】2021年3月10日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】閉鎖弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 1/04 20060101AFI20210322BHJP
   F16K 31/50 20060101ALI20210322BHJP
【FI】
   F16K1/04 A
   F16K31/50 B
【請求項の数】9
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-130716(P2019-130716)
(22)【出願日】2019年7月12日
(65)【公開番号】特開2020-20475(P2020-20475A)
(43)【公開日】2020年2月6日
【審査請求日】2019年8月15日
(31)【優先権主張番号】201810874995.2
(32)【優先日】2018年8月2日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】王 文杰
(72)【発明者】
【氏名】高 晩生
(72)【発明者】
【氏名】華 立鋼
【審査官】 西井 香織
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−074363(JP,A)
【文献】 実開昭53−040528(JP,U)
【文献】 実開平03−077880(JP,U)
【文献】 中国特許出願公開第104089029(CN,A)
【文献】 特開2016−125578(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 1/04
F16K 31/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁ボディ及び弁体を含む閉鎖弁であって、前記弁体には、弁ボディから延出する雄ねじロッドが固定接続されており、前記弁ボディには、雄ねじロッドと螺合する雌ねじブッシュが回転接続されており、前記雌ねじブッシュは弁ボディの軸方向に位置制限され且つ回転する状態で弁体を駆動して移動させ
前記弁ボディ内には環状の位置決め座が固定されており、前記雌ねじブッシュの一端部は弁ボディ内に挿入されて該位置決め座に嵌合されており、前記雄ねじロッドは該位置決め座を介して弁ボディから延出する、ことを特徴とする閉鎖弁。
【請求項2】
前記弁ボディの内部に、流体通路及び流体通路を囲む弁座を備え、前記弁体は、弁座と当接して流体通路を閉塞するシールテーパ面を有することを特徴とする請求項1に記載の閉鎖弁。
【請求項3】
前記弁体は、弁座と当接して流体通路を閉塞する閉鎖状態、及び弁座から離間して流体通路を開放する開放状態を有し、前記弁体は、雌ねじブッシュの駆動によって閉鎖状態と開放状態を切り替えることを特徴とする請求項2に記載の閉鎖弁。
【請求項4】
前記位置決め座には軸方向位置制限用段差部が設けられ、前記雌ねじブッシュの前記一端部は、軸方向位置制限用段差部に嵌合されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の閉鎖弁。
【請求項5】
前記雌ねじブッシュの弁ボディに挿入される前記一端部には外側顎部を備え、前記軸方向位置制限用段差部は、前記外側顎部を圧接して、雌ねじブッシュが弁ボディから離脱することを制限することを特徴とする請求項4に記載の閉鎖弁。
【請求項6】
前記雌ねじブッシュの弁ボディの外部に位置する部分には、操作部材が固定接続されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の閉鎖弁。
【請求項7】
弁ボディ内には、雄ねじロッドと雌ねじブッシュとの間隙を遮るシールスリーブが更に設けられることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の閉鎖弁。
【請求項8】
ールスリーブの軸方向において、シールスリーブは、弁体に嵌合される第1の密閉端部、及び位置決め座に嵌合される第2の密閉端部を有することを特徴とする請求項に記載の閉鎖弁。
【請求項9】
前記シールスリーブはベローズ管であることを特徴とする請求項7または8に記載の閉鎖弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブ技術分野に関し、特に閉鎖弁に関する。
【背景技術】
【0002】
バルブは、それが位置する管路中の媒体に対して遮断及び調節という重要な役割を果たすが、閉鎖弁は極めて重要な遮断型バルブであって、閉鎖弁の開閉部材は弁体であり、主に超低温環境での媒体に対する遮断に適用される。現在、市販されている閉鎖弁は部品構造が複雑であり、弁体を駆動する駆動機構は、一般的にはハンドホイールを採用して弁棒に接続されるが、製品の生産コストが高く、且つ、組み立てが複雑である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これにより、部品構成が単純で、生産コストが低い閉鎖弁を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、弁ボディ及び弁体を含む閉鎖弁において、弁体には、弁ボディを延出する雄ねじロッドが固定接続されており、弁ボディには、雄ねじロッドと螺合する雌ねじブッシュが回転接続されており、雌ねじブッシュは弁ボディの軸方向に位置制限され且つ回転する状態で弁体を駆動して移動させる閉鎖弁を提供する。
【0005】
更に、弁ボディの内部に、流体通路及び流体通路を囲む弁座を備え、弁体は、弁座と当接して流体通路を閉塞するシールテーパ面を有する。
【0006】
更に、弁体は、弁座と当接して流体通路を閉塞する閉鎖状態、及び弁座から離間して流体通路を開放する開放状態を有し、弁体は、雌ねじブッシュの駆動によって閉鎖状態と開放状態を切り替える。
【0007】
更に、弁ボディは、流体通路と連通する第1の開口及び第2の開口を有し、少なくとも一つの開口に接続管が取り付けられている。
【0008】
更に、弁座と弁ボディとは一体又は別体構造である。
【0009】
更に、弁座は第2の開口の内壁に固定され、弁ボディには、第2の開口に対向して配置された第3の開口が更に設けられ、弁体の雄ねじロッドは、第3の開口を介して弁ボディを延出する。
【0010】
更に、弁ボディと弁座との間には、互いに嵌合されて弁座の相対位置を制限する位置制限機構が設けられている。
【0011】
更に、位置制限機構は、弁ボディに設けられた縮径構造、及び弁座の外周に位置し且つ縮径構造に当接して嵌合される位置制限用段差部を含む。
【0012】
更に、弁座は筒状であり、弁座は、第3の開口の一端部に向かって弁体に嵌合されるシール用段差部を備える。
【0013】
更に、弁座の第3の開口を背向する一端部は、第2の開口のエッジと互いに揃っている。
【0014】
更に、弁座の第3の開口を背向する一端部には、接続管が挿通固定されている。
【0015】
更に、弁ボディの外壁には、取付フランジが固定されている。
【0016】
更に、取付フランジは、第2の開口部位の外周に位置する。
【0017】
更に、弁体と雄ねじロッドとは一体構造である。
【0018】
更に、弁ボディの内壁には軸方向位置制限用段差部が設けられ、雌ねじブッシュの一端部は、弁ボディ内に挿入されて軸方向位置制限用段差部に嵌合される。
【0019】
更に、弁ボディ内には環状の位置決め座が固定されており、雄ねじロッドは、位置決め座を介して弁ボディから延出し、軸方向位置制限用段差部は、位置決め座により提供される。
【0020】
更に、位置決め座は、弁ボディの第3の開口部位に近接し、且つ弁ボディ内壁近くに固定される。
【0021】
更に、軸方向位置制限用段差部は、位置決め座の軸方向端面に位置するか、又は位置決め座の内壁に環状に配置される。
【0022】
更に、雌ねじブッシュの弁ボディに挿入される一端部には外側顎部を備え、軸方向位置制限用段差部は、外側顎部を圧接して、雌ねじブッシュが弁ボディから離脱することを制限する。
【0023】
更に、雌ねじブッシュの弁ボディの外部に位置する部分には、操作部材が固定接続されている。
【0024】
更に、操作部材と位置決め座とは、雌ねじブッシュの軸方向に沿って互いに当接する。
【0025】
更に、操作部材は、雌ねじブッシュの外周を囲むよう固定される。
【0026】
更に、弁体には、雌ねじブッシュと互いに嵌合されて弁体の開放状態における限界位置を制限する第1の位置決め用段差部が設けられている。
【0027】
更に、第1の位置決め用段差部は、弁体と雄ねじロッドとの連結部位に隣接する。
【0028】
更に、第1の位置決め用段差部は、雌ねじブッシュの軸方向端面に当接して嵌合されるか、又は雌ねじブッシュの内壁に設けられた第2の位置決め用段差部に当接して嵌合される。
【0029】
更に、弁ボディ内には、雄ねじロッドと雌ねじブッシュとの間隙を遮るシールスリーブが更に設けられる。
【0030】
更に、弁ボディ内には環状の位置決め座が固定されており、雄ねじロッドは、位置決め座を介して弁ボディに延出し、シールスリーブの軸方向において、シールスリーブは、弁体に嵌合される第1のシール端部、及び位置決め座に嵌合される第2のシール端部を有する。
【0031】
更に、シールスリーブはベローズ管である。
【0032】
更に、第1のシールスリーブは、弁体の外周を密閉して覆っている。
【0033】
更に、弁体の外周には環状凸部が設けられ、第1のシール端部は、環状凸部の外周面を密閉して覆っている。
【0034】
更に、第2のシール端部は、位置決め座の外周を密閉して覆っている。
【0035】
更に、第2のシール端部は、位置決め座と弁ボディとの径方向間隙内に固定される。
【0036】
本発明は、部品構成が単純で、生産コストが低く、且つ組み立てが簡単であり、流体通路における超低温下での冷媒媒体を遮断することに用いられる閉鎖弁を提供する。また、ベローズ管の一端部は位置決め座に固定され、他端部は弁体に固定され、位置決め座、ベローズ管、弁体の密封により一つの密閉空間が形成されて、弁体の上下往復過程で、動的密封を形成し、弁体と位置決め座との隙間のシール性を向上させる。本発明が提供する閉鎖弁は、コストが低く、シール性が良好であり、且つ空調領域に利用され、超低温下での冷媒漏れを防止でき、安全性が信頼できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の実施例による閉鎖弁のバルブが全開された構造模式図である。
図2図1の閉鎖弁のバルブが全閉された構造模式図である。
図3図2の閉鎖弁の斜視構造模式図である。
図4図1の閉鎖弁の弁ボディ構造模式図である。
図5図1の閉鎖弁の弁座構造模式図である。
図6図1の閉鎖弁の弁体部品の構造模式図である。
図7図6の弁体の構造模式図である。
図8図6のベローズ管の構造模式図である。
図9図6の位置決め座の構造模式図である。
図10図6の雌ねじブッシュと回転ナットとの構造模式図である。
図11図10の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下の発明を実施するための形態においては、上述の図面を参照しながら本発明を更に説明する。
【0039】
なお、本発明の実施例において、方向を表す用語である上、下、左及び右は、明細書に添付の図面における図示を基準として定義されるが、単に理解及び記載を容易にするためのものであって、本出願の保護範囲を限定するものではなく、以下の内容も同様であるので、繰り返し説明しない。
【0040】
図1から図11を参照すると、本発明の実施例は、弁ボディ6及び弁体1を含む閉鎖弁において、弁体1には、弁ボディ6を延出する雄ねじロッド101が固定接続されており、弁ボディ6には、雄ねじロッド101と螺合する雌ねじブッシュ4が回転接続されており、雌ねじブッシュ4が弁ボディ6の軸方向に位置制限され且つ回転する状態で弁体1を駆動して運動させる閉鎖弁を提供する。
【0041】
弁体1は弁ボディ6内で運動し、弁体1の運動方向は、弁ボディ6の配置位置によるが、上下運動、左右運動又は一定の角度をなす運動であってもよいことは理解され得るので、繰り返し説明しない。弁体1と雄ねじロッド101は、別体構造であってもよく、一体構造であってもよいが、弁体1が駆動機構による駆動を達成できるようにすればよい。本実施例においては、弁体1が弁ボディ6に沿って上下運動することを例として説明するが、弁体1と雄ねじロッド101は一体構造を採用し、弁体1に、雄ねじロッド101が固定接続されて、一体型弁体をなしており、構造が単純である。駆動機構は雌ねじブッシュ4であり、雌ねじブッシュ4と弁ボディ6は回転接続であり、雌ねじブッシュ4は弁ボディ6に対して回転し、雌ねじブッシュ4は弁ボディ6内で軸方向に位置制限されて、雌ねじブッシュ4は弁ボディ6の軸方向に沿って運動が発生できない。本実施例の弁体1は、雌ねじブッシュ4の駆動作用下に弁ボディ6内で上下に運動して、それにより弁ボディ6に形成された流体通路65を遮断するので、全体的な構造が単純で、組み立てが簡単であり、流体通路65内で流動する流体媒体は、液体又は気体であってもよく、本実施例では超低温下での冷媒の流動に用いられる。
【0042】
本実施例において、弁ボディ6の内部に、流体通路65及び流体通路65を囲む弁座7を備え、弁体1は、弁座7に当接して流体通路65を閉塞するシールテーパ面106を有する。弁座7は弁ボディ6の底端部に位置し、流体通路65を囲むように設けられ、弁体1は下方向に運動し、弁体1のシールテーパ面106が弁座7に当接して、弁ボディ6に形成された流体通路65を遮断するとともに、シール効果を増強させた。
【0043】
具体的には、弁体1は、弁座7に当接して流体通路65を閉塞する閉鎖状態、及び弁座7から離間して流体通路65を開放する開放状態を有し、弁体1は、雌ねじブッシュ4の駆動によって閉鎖状態と開放状態を切り替える。
【0044】
弁体1が、雌ねじブッシュ4の駆動によって弁ボディ6に沿って内部で上下に運動し、且つ流体通路65の閉鎖状態及び流体通路65の開放状態が形成されるように、弁体1の位置を随時に切り替えることは理解され得る。弁体1が弁ボディ6に沿って下方向に移動する時に、弁体1が弁座7に当接して、流体通路65を遮断し、流体通路65を閉塞する閉鎖状態が形成される。一方で、弁体1が弁ボディ6に沿って上方向に移動する時に、弁体1が弁座7から離間して、流体通路65を開放し、流体が流体通路65内で流動でき、流体通路65の開放状態が形成される。
【0045】
具体的には、弁ボディ6は、流体通路65と連通する第1の開口61及び第2の開口63を有し、少なくとも一つの開口に接続管が取り付けられている。弁ボディ6は、開口の設置により形成された流体媒体の通路を通じて、流体の流れ方向を変更して、開口部における流体の流通を達成することは理解され得る。開口には接続管が接続されていて、新たな流体媒体の通路を形成でき、接続管を取り付けるか否かは状況によるが、設置の必要に応じて、第1の開口61に接続管を接続してもよく、第2の開口63に接続管を接続してもよく、あるいは両開口ともに接続管を接続してもよい。弁体1が下方向に運動する時に、第1の開口61と第2の開口63との間に形成された流体媒体の通路を遮断する。
【0046】
具体的には、第1の開口61は弁ボディ6の側壁に設けられ、第2の開口63は弁ボディ6の底部であり、第1の開口61に第1の接続管8を接続してもよく、あるいは第2の開口63に第2の接続管9を接続してもよく、弁体1が下方向に運動する時に、弁体1のシールテーパ面106と弁座7とが閉合され、第2の開口63と弁ボディ6との間の流体媒体が流通する通路を遮断し、換言すれば第2の接続管9の通路と第1の開口61、第2の接続管9と第1の接続管8との間に形成された流体媒体の通路を遮断する。
【0047】
具体的には、弁座7と弁ボディ6とは一体又は別体構造である。弁座7と弁ボディ6とが一体である場合、閉鎖弁の部品が単純であり、弁座7と弁ボディ6との間に固定装置を更に設置することなく固定できる。弁座7と弁ボディ6とが別体である場合、部品の交換が容易であり、必要に応じて弁座7の位置を設定できる。
【0048】
具体的には、弁座7は第2の開口63の内壁に固定され、弁ボディ6には、第2の開口63に対向して配置された第3の開口64が更に設けられ、弁体1の雄ねじロッド101は、第3の開口64を介して弁ボディ6を延出する。
【0049】
弁座7は、溶接等の慣用手段によって弁座7を第2の開口63の内壁に固定してもよく、第2の開口63は弁ボディ6の底端部に位置し、弁ボディ6の頂端部に第3の開口64が配置されており、雌ねじブッシュ4は第3の開口64に設けられることは理解され得る。
【0050】
本実施例において、弁ボディ6と弁座7との間には、互いに結合して弁座7の相対位置を制限する位置制限機構が設けられている。位置制限機構は、弁座7の相対位置を制限して、弁座7が弁ボディ6に入り易く、弁ボディ6に溶接固定する際に、弁座7の位置を正確に定めて、弁座7の弁ボディ6内での固定が難くなることを防止する。
【0051】
具体的には、位置制限機構は、弁ボディ6に設けられた縮径部62構造、及び弁座7の外周に位置し且つ縮径部62構造に当接して嵌合される位置制限用段差部72を含む。位置制限機構は、位置決めピンによる手段等のような他の慣用手段であってもよいことは理解され得る。
【0052】
具体的には、弁座7は円筒状であり、弁座7は、第3の開口64の一端部に向かって弁体1に嵌合されるシール用段差部71を備える。シール用段差部71は弁体1のシールテーパ面106と当接して、シール効果を増強する。
【0053】
本実施例において、弁座7の第3の開口64を背向する一端部には、接続管が挿通固定されている。すなわち、第2の開口63の位置に第2の接続管9が挿通されて、流体の通路を延長し、且つ流通通路において弁体1が下方向に運動する時に、第2の接続管9と第1の開口61との流体の通路を遮断する。
【0054】
具体的には、弁座7の第3の開口64を背向する一端部は、第2の開口63のエッジと互いに揃っている。弁座7は第2の開口63と揃い、部品の間が平坦に整合されるとともに、第2の接続管9の接続を容易にする。
【0055】
本実施例において、弁ボディ6の外壁には取付フランジ10が固定されており、弁ボディ6と他の部材との接続を容易にする。
【0056】
具体的には、取付フランジ10は第2の開口63部位の外周に位置する。弁ボディ6は、取付フランジ10によって第2の接続管9に固定され、フランジは、第2の接続管9と弁ボディ6との間のシール性及び締結性を向上できる。
【0057】
具体的には、弁体1と雄ねじロッド101とは一体構造である。雄ねじロッド101は、弁体1におけるねじが設けられている部分であり、弁体1と雄ねじロッド101とは一体構造であり、部品構造が単純で、取り付けが容易であることは理解され得る。
【0058】
本実施例において、弁ボディ6の内壁には軸方向位置制限用段差部31が設けられ、雌ねじブッシュ4の一端部は、弁ボディ6内に挿入されて軸方向位置制限用段差部31に嵌合される。雌ねじブッシュ4が弁ボディ6に沿って上下に移動しないように、雌ねじブッシュ4は軸方向位置制限用段差部31によって、軸方向で雌ねじブッシュ4の位置が固定される。軸方向位置制限用段差部31は、弁ボディ6上に設けられてもよく、弁ボディ6上の別途に設けられた他の部品により提供されてもよいことは理解され得る。
【0059】
本実施例において、弁ボディ6内には環状の位置決め座3が固定されており、雄ねじロッド101は、位置決め座3を介して弁ボディ6から延出し、軸方向位置制限用段差部31は、位置決め座3により提供される。位置決め座3と弁ボディ6とが固定接続され、位置決め座3は貫通孔を含み、雌ねじブッシュ4は位置決め座3内に置かれ、雌ねじブッシュ4は位置決め座3の軸方向位置制限用段差部31によって弁ボディ6に接続されて、雄ねじロッド101が位置決め座3を介して弁ボディ6を延出するように駆動されることは理解され得る。
【0060】
具体的には、位置決め座3は、弁ボディ6の第3の開口64部位に近接し、且つ弁ボディ6の内壁に密着して固定される。位置決め座3を弁ボディ6の内壁に密着固定することは、溶接等の方式を採用して固定接続することができ、位置決め座3は、弁ボディ6の第3の開口64部位、すなわち、弁ボディ6の上端部位に近接し、雌ねじブッシュ4が位置決め座3の固定によって弁体1を駆動して運動させることを容易にする。
【0061】
具体的には、軸方向位置制限用段差部31は、雌ねじブッシュ4が接続され得るように、位置決め座3の軸方向端面に位置するか、又は位置決め座3の内壁に環状に配置される。軸方向位置制限用段差部31は位置決め座3の軸方向端面に位置するので、雌ねじブッシュ4と一体に組み立てることが容易である。雌ねじブッシュ4と位置決め座3が回転接続される位置は、位置決め座3の頂端部、中間又は底端部であってもよく、回転接続を達成できればよい。
【0062】
具体的には、雌ねじブッシュ4の弁ボディ6に挿入される一端部には外側顎部41を備え、軸方向位置制限用段差部が、外側顎部41を圧接して雌ねじブッシュ4の弁ボディ6からの離脱を制限する。
【0063】
本実施例において、雌ねじブッシュ4の弁ボディ6の外部に位置する部分には、操作部材5が固定接続されている。操作部材5は、外部に一つの良好な加力ポイントを提供するので、操作部材5に外力を加えることにより、雌ねじブッシュ4を駆動して回転させ、弁体1がねじブッシュ4の軸心方向に沿って直線往復運動するように、弁体1を駆動させることは理解され得る。操作部材5は、回転ナット、固定板、固定ロッド等であってもよく、操作部材5は雌ねじブッシュ4に固定接続される。
【0064】
具体的には、操作部材5と位置決め座3は、雌ねじブッシュ4の軸方向に沿って互いに当接する。操作部材5は、位置決め座3の上端部に当接し、位置決め座3に対して回転可能である。
【0065】
具体的には、操作部材5は、雌ねじブッシュ4の外周を囲むように固定される。操作部材5は回転ナットを採用し、回転ナットは雌ねじブッシュ4に固定接続されるが、操作部材5は、回転ナットであってもよく、その他の加力板又は加力ロッドであってもよい。固定接続は、溶接、又は当業者が想到可能な他の固定接続方式を採用できる。回転ナットは、例えば六角形ナット又は八角形ナットのような多角形ナットであってもよいが、操作及び回転に有利である六角形ナットが好ましいことは理解され得る。
【0066】
雌ねじブッシュ4の一端部は回転ナットに接続され、他端部は位置決め座3に接続されるが、雌ねじブッシュ4の高さの範囲内でこの接続条件を満たすことができればよく、本実施例における雌ねじブッシュ4の高さは、位置決め座3の高さと回転ナットの高さとの和と同じであり、空間をより合理的に分配できる。
【0067】
本実施例において、弁体1には、雌ねじブッシュ4と互いに嵌合されて弁体1の開放状態における限界位置を制限する第1の位置決め用段差部105が設けられている。弁体1が第3の開口64に向かって移動する時に、第1の位置決め用段差部105が雌ねじブッシュ4に当接して弁体1の開放状態における限界位置を制限する。第1の位置決め用段差部105は、弁体1が雌ねじブッシュ4から回転して脱離することを防止する。
【0068】
具体的には、第1の位置決め用段差部105は、弁体1と雄ねじロッド101との繋がる部位に隣接する。
【0069】
具体的には、第1の位置決め用段差部105は、雌ねじブッシュ4の軸方向端面に当接して嵌合されるか、又は雌ねじブッシュ4の内壁に設けられた第2の位置決め用段差部42に当接して嵌合される。第1の位置決め用段差部105が雌ねじブッシュ4の軸方向端面に当接して嵌合されて弁体1の開放状態における限界位置を制限することは理解され得る。より良好な嵌合作用を達成するために、雌ねじブッシュ4の内壁には第2の位置決め用段差部42が設けられており、第2の位置決め用段差部42は第1の位置決め用段差部105に嵌合されて弁体1の開放状態における限界位置を制限する。
【0070】
本実施例において、弁ボディ6内には、雄ねじロッド101と雌ねじブッシュ4との間隙を遮るシールスリーブ2が更に設けられる。シールスリーブ2は、密封効果を増加して、流体通路65における流体媒体が雄ねじロッド101と雌ねじブッシュ4との間隙に流入することを防止することができる。シールスリーブ2は弾性スリーブであり、弁体1の運動に従って空間の大きさに変化し得ることは理解され得る。
【0071】
具体的には、弁ボディ6内には環状の位置決め座3が固定されており、雄ねじロッド101は、位置決め座3を介して弁ボディ6から延出し、シールスリーブ2の軸方向において、シールスリーブ2は、弁体1と嵌合される第1のシール端部21、及び位置決め座3と嵌合される第2のシール端部22を有する。雌ねじブッシュ4の弁ボディに挿入する一端部には外側顎部41を備え、位置決め座3の軸方向位置制限用段差部31は、外側顎部41を圧接して、雌ねじブッシュが弁ボディ6から離脱することを制限する。位置決め座3、シールスリーブ2、弁体1の密封により一つの密閉空間が形成され、弁体1の上下往復過程で、動的密封を形成し、弁体1と位置決め座3との間の隙間のシール性を向上させる。
【0072】
具体的には、シールスリーブ2はベローズ管である。ベローズ管2は、弁体の運動過程で、動的密封を形成することは理解され得る。ベローズ管2には弾性ベローズが設けられており、上下に伸縮できる。
【0073】
具体的には、第1のシール端部21は、弁体1の外周を密閉して覆っている。弁体1の外周に環状凸部103が設けられており、第1のシール端部21は、環状凸部103の外周面を密閉して覆っており、環状凸部103は、弁体1とシールスリーブ2との間の密着接続に有利である。
【0074】
第2のシール端部22は、位置決め座3の外周を密閉して覆っている。第2のシール端部22は、位置決め座3と弁ボディ6との径方向間隙内に固定される。第2のシール端部22は位置決め座3に接続され、一方には、位置決め座3によってシールスリーブ2を固定でき、他方には、弁体1と位置決め座3との間の隙間のシール性を向上できる。
【0075】
弁ボディ6は一体成形され、弁ボディ6は薄肉ステンレス鋼であり、生産コストが低く、性能が良好である。弁体1は円柱型マルチボス(原語表記:多凸台)であり、構造の安定性が良好である。
【0076】
本実施例において、閉鎖弁の部品構造が単純で、組み立てが容易で、シール性が良好である。同時に、市販のO型に比べて全て密閉され、ベローズ管を採用した閉鎖弁は、閉鎖弁のシール性を有効に向上させることができ、全て黄銅からなる閉鎖弁である市場で用いられる閉鎖弁に比べて、生産コストが高く、本発明の実施例で採用された薄肉ステンレス鋼は、安全性が良好で、生産コストが低く、且つ空調領域に利用する場合、超低温環境下での冷媒漏れを有効に防止でき、安全性が信頼できる。
【0077】
本実施例の具体的な達成過程は、次の通りである。
弁体1が全開される過程:回転ナットを時計回りに回転させて、回転ナットが雌ねじブッシュ4を連動して回転させ、雌ねじブッシュ4がねじによって弁体1を連動して上方向に運動させ、ベローズ管2が縮められる。弁体1のシールテーパ面106が雌ねじブッシュ4の底部の第2の位置決め用段差部42と当接すると、弁体が全開される。ベローズ管2と弁体1及び位置決め座3とが密閉キャビティを形成し、冷媒の漏れを防止する。
【0078】
弁体1が全閉される過程:回転ナットを反時計回りに回転させて、回転ナットが雌ねじブッシュ4を連動して回転させ、雌ねじブッシュ4がねじによって弁体1を連動して下方向に運動させ、ベローズ管2が伸ばされる。弁体1の底部のシールテーパ面106が弁座7のシール用段差部71と当接すると、弁体1が全閉されて、弁体1と弁座7とがシールを形成し、冷媒の漏れを防止する。
【0079】
以上に述べた実施例の各技術的特徴は、任意に組み合わせることができ、簡潔に説明するために、上述の実施例における各技術的特徴が有し得る全ての組み合わせについて説明していないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、いずれも本明細書に記載された範囲にあると見なされる。
【0080】
以上に述べた実施例は、単に本発明の幾つかの実施形態を表すものであって、その説明はより具体的且つ詳細なものであるが、これにより特許の範囲が制限されるものと理解してはならない。なお、本発明の趣旨から逸脱しない条件で、当業者は若干の変更及び改良を行ってもよく、これらは全て本発明の保護範囲に属する。したがって、本特許の保護範囲は添付の特許請求の範囲を基準とすべきである。
【符号の説明】
【0081】
弁体 1
雄ねじロッド 101
環状凸部 103
第1の位置決め用段差部 105
シールテーパ面 106
シールスリーブ 2
第1のシール端部 21
第2のシール端部 22
位置決め座 3
軸方向位置制限用段差部 31
雌ねじブッシュ 4
外側顎部 41
第2の位置決め用段差部 42
操作部材 5
弁ボディ 6
第1の開口 61
縮径部 62
第2の開口 63
第3の開口 64
流体通路 65
弁座 7
シール用段差部 71
位置制限用段差部 72
第1の接続管 8
第2の接続管 9
取付フランジ 10
図1
図2
図3
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図5
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図9
図10
図11