特許第6850878号(P6850878)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6850878変性ブロック共重合体、変性ブロック共重合体の製造方法、及び樹脂組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6850878
(24)【登録日】2021年3月10日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】変性ブロック共重合体、変性ブロック共重合体の製造方法、及び樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 53/02 20060101AFI20210322BHJP
   C08F 8/32 20060101ALI20210322BHJP
   C08F 8/04 20060101ALI20210322BHJP
   C08F 8/46 20060101ALI20210322BHJP
   C08L 75/04 20060101ALI20210322BHJP
   C08L 23/02 20060101ALI20210322BHJP
【FI】
   C08L53/02
   C08F8/32
   C08F8/04
   C08F8/46
   C08L75/04
   C08L23/02
【請求項の数】13
【全頁数】54
(21)【出願番号】特願2019-517642(P2019-517642)
(86)(22)【出願日】2018年5月8日
(86)【国際出願番号】JP2018017821
(87)【国際公開番号】WO2018207784
(87)【国際公開日】20181115
【審査請求日】2019年9月24日
(31)【優先権主張番号】特願2017-95959(P2017-95959)
(32)【優先日】2017年5月12日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000033
【氏名又は名称】旭化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】助川 敬
(72)【発明者】
【氏名】山本 政嗣
(72)【発明者】
【氏名】草ノ瀬 康弘
【審査官】 佐藤 貴浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−001816(JP,A)
【文献】 特開平07−026072(JP,A)
【文献】 特開平06−322259(JP,A)
【文献】 特開平05−239136(JP,A)
【文献】 特開平04−296308(JP,A)
【文献】 特開平05−032716(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/173961(WO,A1)
【文献】 米国特許第05623019(US,A)
【文献】 特開2004−182916(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 6/00−246/00
C08L 1/00−101/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)と、
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)と、
NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)と、
を、含む、変性ブロック共重合体と、
熱可塑性ポリウレタンと、
を、含有する、樹脂組成物であって、
前記共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)が水添物であり、
前記NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)が、側鎖に含まれ、
前記NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)が、X−R1−NH−R2の構造であり、
R1はC2〜C22の炭化水素基であり、置換又は無置換、飽和又は不飽和の炭化水素基であり、
R2はC2〜C13の炭化水素基であり、置換又は無置換、飽和又は不飽和の炭化水素基であり、
Xがビニル又はα、β−不飽和カルボン酸の誘導体がグラフト変性により重合体ブロック(A)及び/又は重合体ブロック(B)と化学結合を形成した構造であり、
前記NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)を形成する化合物が、下記の条件を満たす、樹脂組成物
条件:前記NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)を形成する化合物を、無水マレイン酸変性ブロック共重合体中の無水マレイン酸変性基と反応させて前記変性ブロック共重合体を得たとき、反応後の変性ブロック共重合体の、230℃,2.16kg荷重におけるMFR値が、反応前の無水マレイン酸変性ブロック共重合体の230℃,2.16kg荷重におけるMFR値の0.1倍以上となる。
【請求項2】
ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)と、
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)と、
NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)と、
を、含む、変性ブロック共重合体と、
熱可塑性ポリウレタンと、
ポリオレフィンと、
を、含有する、樹脂組成物であって、
前記共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)が水添物であり、
前記NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)が、側鎖に含まれ、
前記NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)が、X−R1−NH−R2の構造であり、
R1はC2〜C22の炭化水素基であり、置換又は無置換、飽和又は不飽和の炭化水素基であり、
R2はC2〜C13の炭化水素基であり、置換又は無置換、飽和又は不飽和の炭化水素基であり、
Xがビニル又はα、β−不飽和カルボン酸の誘導体がグラフト変性により重合体ブロック(A)及び/又は重合体ブロック(B)と化学結合を形成した構造であり、
前記NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)を形成する化合物が、下記の条件を満たす、樹脂組成物。
条件:前記NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)を形成する化合物を、無水マレイン酸変性ブロック共重合体中の無水マレイン酸変性基と反応させて前記変性ブロック共重合体を得たとき、反応後の変性ブロック共重合体の、230℃,2.16kg荷重におけるMFR値が、反応前の無水マレイン酸変性ブロック共重合体の230℃,2.16kg荷重におけるMFR値の0.1倍以上となる。
【請求項3】
前記NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)を、
一重合鎖あたり1を超える数有する、
請求項1又は2に記載の樹脂組成物
【請求項4】
前記ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)の含有量が1〜70質量%であり、
前記共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)の水素化前のビニル結合量が20〜100mol%である、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の樹脂組成物
【請求項5】
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)の水素化率が40〜100mol%である、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の樹脂組成物
【請求項6】
共役ジエン化合物単位の合計100mol%に対して、ブチレン量及び/又はプロピレン量が25〜100mol%である、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の樹脂組成物
【請求項7】
前記NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)が、
当該原子団(C)が含有しているイミド基及び/又はアミド基を介して前記ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)及び/又は前記共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)に結合して
いる、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の樹脂組成物
【請求項8】
請求項1乃至のいずれか一項に記載の樹脂組成物の製造方法であって、
ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)と共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)とを有する、ブロック共重合体に、
α、β−不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体をグラフト付加する工程と、
前記α、β−不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体と非対称なジアミンを反応させて変性ブロック共重合体を得る工程と、
前記変性ブロック共重合体と熱可塑性ポリウレタンとを混合する工程と、
を、有する樹脂組成物の製造方法。
【請求項9】
前記非対称なジアミンの片末端が2級アミンである、
請求項に記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項10】
前記2級アミンの置換基がC2以上の、置換又は無置換、飽和又は不飽和の炭化水素基である、請求項に記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項11】
前記変性ブロック共重合体を1〜70質量%と、
熱可塑性ポリウレタンを30〜99質量%と、
を、含有する、請求項に記載の樹脂組成物。
【請求項12】
前記変性ブロック共重合体を1〜98質量%と、
熱可塑性ポリウレタンを1〜98質量%と、
ポリオレフィンを1〜98質量%と、
を、含有する、請求項に記載の樹脂組成物。
【請求項13】
ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)と、NHx(x=1)を有する原子団(C)と、を含む変性ブロック共重合体1〜98質量%と、
熱可塑性ポリウレタンを1〜98質量%と、
ポリオレフィンを1〜98質量%と、
を、含有する樹脂組成物であって、
前記共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)が水添物であり、
前記NHx(x=1)を有する原子団(C)が、X−R1−NH−R2の構造であり、
R1はC2〜C22の、置換又は無置換、飽和又は不飽和の炭化水素基であり、
R2はC2〜C13の、置換又は無置換、飽和又は不飽和の炭化水素基であり、
Xはビニル又はα、β−不飽和カルボン酸の誘導体がグラフト変性により重合体ブロック(A)及び/又は重合体ブロック(B)と化学結合を形成した構造であり、
前記NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)を形成する、NHx(x=0〜2)を有する化合物が、以下の条件に記載のものである、
樹脂組成物。
条件:無水マレイン酸変性ブロック共重合体中の無水マレイン酸変性基と、前記NHx(x=0〜2)を有する化合物であるH2N−R−NHx(x=0〜2、RはC2〜C22の、置換又は無置換、飽和又は不飽和の炭化水素基)とを等mol反応させて前記変性ブロック共重合体を得たとき、反応後の変性ブロック共重合体の、230℃,2.16kg荷重におけるMFR値が、反応前の無水マレイン酸変性ブロック共重合体の230℃,2.16kg荷重におけるMFR値の0.1倍以上となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変性ブロック共重合体、変性ブロック共重合体の製造方法、及び樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ビニル芳香族系ブロック及び共役ジエン系ブロックを有するブロック共重合体は、ブロックの割合や配置、水素化の程度等によって種々の性質を示すが、さらなる性能を付与することを目的として、従来から変性基を含有する変性ブロック共重合体が提案されている。
例えば、特許文献1には、ブロック共重合体末端にアミノ基含有化合物を反応させた変性ブロック共重合体が提案されている。
【0003】
変性ブロック共重合体は、変性基の反応性や水素結合等の分子間相互作用に基づき、極性樹脂との相容性に優れているため、極性樹脂改質用の材料として使用される。改質する極性樹脂の一つに熱可塑性ポリウレタン(以下、「TPU」と記載する場合がある。)が挙げられる。
例えば、特許文献2には、変性ブロック共重合体によって極性樹脂の改質を行う技術が提案されている。
【0004】
また、変性ブロック共重合体は、極性樹脂と非極性樹脂をポリマーアロイ化するための相容化剤としての使用が検討されている。
例えば、特許文献3には、変性ブロック共重合体を相容化剤として使用したポリアミドとポリオレフィンのポリマーアロイが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004―59817号公報
【特許文献2】特開2009−242463号公報
【特許文献3】特開2016―222932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
熱可塑性ポリウレタン(TPU)は、コストダウンと軽量化を主目的としてポリオレフィンとのアロイ化が検討されている。
このTPUとポリオレフィンとのアロイにおいては、ポリウレタンの特徴である耐摩耗性や機械強度をバランスよく維持しつつ、コストダウンと軽量化を実現することが求められている。
しかしながら、従来技術においては、TPUとポリオレフィンとの相容性の検討が不十分であるという問題を有している。
【0007】
そこで、本発明においては、上記従来技術の問題点に鑑みて、TPUとポリオレフィンとの相容化剤として好適な変性ブロック共重合体を提供することと、当該変性ブロック共重合体を相容化剤として用いた樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記従来技術の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、特定のアミン変性基を持つ変性ブロック共重合体と、これを相容化剤として使用したTPUとポリオレフィンとの樹脂組成物が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
【0009】
[1]
ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)と、
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)と、
NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)と、
を、含む、変性ブロック共重合体であって、
前記共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)が水添物であり、
前記NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)が、側鎖に含まれ、
前記NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)を形成する化合物が、下記の条件を満たす、変性ブロック共重合体。
条件:前記NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)を形成する化合物を、無水マレイン酸変性ブロック共重合体中の無水マレイン酸変性基と反応させたとき、反応後の変性ブロック共重合体の、230℃, 2.16kg荷重におけるMFR値が、反応前の無水マレイン酸変性ブロック共重合体の230℃,2.16kg荷重におけるMFR値の0.1倍以上となる。
[2]
前記NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)を、
一重合鎖あたり1を超える数有する、
[1]に記載の変性ブロック共重合体。
[3]
前記NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)が、X−R1−NH−R2の構造であり、
R1はC2〜C22の、置換又は無置換、飽和又は不飽和の炭化水素基であり、
R2はC2〜C13の、置換又は無置換、飽和又は不飽和の炭化水素基であり、
Xは炭素−炭素不飽和結合がグラフト変性により重合体ブロック(A)及び/又は重合体ブロック(B)と化学結合を形成した構造である、
[1]又は[2]に記載の変性ブロック共重合体。
[4]
前記ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)の含有量が1〜70質量%であり、
前記共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)の水素化前のビニル結合量が20〜100mоl%である、
[1]乃至[3]のいずれかに記載の変性ブロック共重合体。
[5]
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)の水素化率が40〜100mоl%である、
[1]乃至[4]のいずれかに記載の変性ブロック共重合体。
[6]
共役ジエン化合物単位の合計100mol%に対して、ブチレン量及び/又はプロピレン量が25〜100mol%である、
[1]乃至[5]のいずれかに記載の変性ブロック共重合体。
[7]
前記NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)が、
当該原子団(C)が含有しているイミド基及び/又はアミド基を介して前記ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)及び/又は前記共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)に結合して
いる、
[1]乃至[6]のいずれかに記載の変性ブロック共重合体。
[8]
前記NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)を形成する、NHx(x=0〜2)を有する化合物が、以下の条件に記載のものである、[1]乃至[7]のいずれかに記載の変性ブロック共重合体。
条件:無水マレイン酸変性ブロック共重合体中の無水マレイン酸変性基と、前記NHx(x=0〜2)を有する化合物であるH2N−R−NHx(x=0〜2、RはC2〜C22の、置換又は無置換、飽和又は不飽和の炭化水素基)とを等mol反応させたとき、反応後の変性ブロック共重合体の、230℃, 2.16kg荷重におけるMFR値が、反応前の無水マレイン酸変性ブロック共重合体の230℃, 2.16kg荷重におけるMFR値の0.1倍以上となる。
[9]
前記NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)が、X−R1−NH−R2の構造であり、
R1はC2〜C22の炭化水素基であり、置換又は無置換、飽和又は不飽和の炭化水素基であり、
R2はC2〜C13炭化水素基であり、置換又は無置換、飽和又は不飽和の炭化水素基であり、
Xがビニル又はα、β−不飽和カルボン酸の誘導体がグラフト変性により重合体ブロック(A)及び/又は重合体ブロック(B)と化学結合を形成した構造である、
[1]乃至[8]のいずれかに記載の変性ブロック共重合体。
[10]
[1]乃至[9]のいずれかに記載の変性ブロック共重合体の製造方法であって、
ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)と共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)とを有する、ブロック共重合体に、
α、β−不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体をグラフト付加する工程と、
前記α、β−不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体と非対称なジアミンを反応させる工程と、
を、有する変性ブロック共重合体の製造方法。
[11]
前記非対称なジアミンの片末端が2級アミンである、
[10]に記載の変性ブロック共重合体の製造方法。
[12]
前記2級アミンの置換基がC2以上の、置換又は無置換、飽和又は不飽和の炭化水素基である、[11]に記載の変性ブロック共重合体の製造方法。
[13]
[1]乃至[9]のいずれかに記載の変性ブロック共重合体と、
熱可塑性ポリウレタンと、
を、含有する、樹脂組成物。
[14]
[1]乃至[9]のいずれかに記載の変性ブロック共重合体を1〜70質量%と、
熱可塑性ポリウレタンを30〜99質量%と、
を、含有する、[13]に記載の樹脂組成物。
[15]
[1]乃至[9]のいずれかに記載の変性ブロック共重合体と、
熱可塑性ポリウレタンと、
ポリオレフィンと、
を、含有する、樹脂組成物。
[16]
[1]乃至[9]のいずれかに記載の変性ブロック共重合体を1〜98質量%と、
熱可塑性ポリウレタンを1〜98質量%と、
ポリオレフィンを1〜98質量%と、
を、含有する、[15]に記載の樹脂組成物。
[17]
ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)と、NHx(x=1)を有する原子団(C)と、を含む変性ブロック共重合体1〜98質量%と、
熱可塑性ポリウレタンを1〜98質量%と、
ポリオレフィンを1〜98質量%と、
を、含有する樹脂組成物であって、
前記共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)が水添物であり、
前記NHx(x=1)を有する原子団(C)が、X−R1−NH−R2の構造であり、
R1はC2〜C22の、置換又は無置換、飽和又は不飽和の炭化水素基であり、
R2はC2〜C13の、置換又は無置換、飽和又は不飽和の炭化水素基であり、
Xは炭素−炭素不飽和結合がグラフト変性により重合体ブロック(A)及び/又は重合体ブロック(B)と化学結合を形成した構造であり、
前記NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)を形成する、NHx(x=0〜2)を有する化合物が、以下の条件に記載のものである、
樹脂組成物。
条件:無水マレイン酸変性ブロック共重合体中の無水マレイン酸変性基と、前記NHx(x=0〜2)を有する化合物であるH2N−R−NHx(x=0〜2、RはC2〜C22の、置換又は無置換、飽和又は不飽和の炭化水素基)とを等mol反応させたとき、反応後の変性ブロック共重合体の、230℃, 2.16kg荷重におけるMFR値が、反応前の無水マレイン酸変性ブロック共重合体の230℃, 2.16kg荷重におけるMFR値の0.1倍以上となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、アミン変性基を持つ変性ブロック共重合体と、これを相容化剤として用いることで、NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)を含まないブロック共重合体を相容化剤として用いた場合に比べて耐摩耗性と機械強度のバランスが改善されたTPUとポリオレフィンとの樹脂組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について、詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施できる。
【0012】
〔変性ブロック共重合体〕
本実施形態の変性ブロック共重合体は、
ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)と、
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)と、
NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)と、
を、含む変性ブロック共重合体であって、
前記共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)が水添物であり、
前記NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)が、側鎖に含まれ、
前記NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)を形成する化合物が、下記の条件を満たす。
(条件):
前記NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)を形成する化合物を、無水マレイン酸変性ブロック共重合体中の無水マレイン酸変性基と反応させたとき、反応後の変性ブロック共重合体の、230℃,2.16kg荷重におけるMFR値が、反応前の無水マレイン酸変性ブロック共重合体の230℃,2.16kg荷重におけるMFR値の0.1倍以上となる。
【0013】
ここで、「主体とする」とは、対象の単量体単位を、対象の重合体ブロック中に、60質量%以上含むことをいう。
本実施形態の変性ブロック共重合体とポリオレフィンとの相容性や強度の観点から、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)における共役ジエン化合物単量体単位の含有量は、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上である。
また、本実施形態の変性ブロック共重合体と熱可塑性ポリウレタン(TPU)との組成物(以下、TPU樹脂組成物と記載する場合がある。)の成形体の強度の観点から、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)におけるビニル芳香族化合物単量体単位の含有量は、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上である。
【0014】
本実施形態の変性ブロック共重合体において、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)の含有量は、ポリオレフィンとの相容性及びTPU樹脂組成物の成形体の機械強度の観点から、1〜70質量%であることが好ましい。
ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)の含有量は、より好ましくは3〜50質量%であり、さらに好ましくは5〜35質量%である。
【0015】
ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)の含有量は、核磁気共鳴装置(NMR)等を用いて測定することができ、具体的には、後述する実施例に記載の方法で算出できる。
ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)の含有量は、変性ブロック共重合体の重合工程において、単量体の種類や添加量を調整することにより制御することができる。
【0016】
本実施形態において、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)の水素化前のビニル結合量は、流動性及びポリオレフィンとの相容性の観点から、20〜100mоl%であるであることが好ましい。
「水素化前のビニル結合量」とは、水素化前の重合体に組み込まれている共役ジエン化合物に起因する1,4−結合(シス及びトランス)と1,2−結合(但し、3,4−結合で重合体に組み込まれている場合には1,2−結合と3,4−結合の合計量をいう)の合計量に対する、1,2−結合量(mol%)をいう。
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)の水素化前のビニル結合量は、より好ましくは30〜90mоl%であり、さらに好ましくは35〜80mоl%である。
変性ブロック共重合体のビニル結合量は、核磁気共鳴装置(NMR)等を用いて測定することができ、具体的には、後述する実施例に記載の方法で測定することができる。
前記ビニル結合量は、ルイス塩基、例えばエーテル、アミン等の化合物をビニル結合量調整剤(以下、ビニル化剤と表記)として使用することにより、上記数値範囲に制御することができる。
【0017】
本実施形態の変性ブロック共重合体において、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)の水素化率は、0〜100mоl%であるが、ポリオレフィンとの相容性の観点から、当該重合体ブロック(B)は、水添物であることが好ましく、水素化率は、好ましくは40〜100mоl%であり、さらに、耐熱性の観点から、より好ましくは70〜100mоl%であり、さらに好ましくは80〜100mоl%であり、さらにより好ましくは90〜100mоl%である。
変性ブロック共重合体の水素化率は、核磁気共鳴装置(NMR)等を用いて実施例に記載の方法で測定することができる。
また、水素化率は、例えば、水素添加時の水素量を調整することによって上記数値範囲に制御することができる。
【0018】
本実施形態の変性ブロック共重合体において、共役ジエン化合物単位の合計100mol%に対して、ブチレン量及び/又はプロピレン量は、流動性及びポリオレフィンとの相容性の観点から、25〜100mol%が好ましい。また、ブチレン量及び/又はプロピレン量は、好ましくは29〜99mоl%であり、より好ましくは31〜98mоl%である。
ブチレン量及び/又はプロピレン量は、核磁気共鳴装置(NMR)等を用いて測定することができ、具体的には、後述する実施例に記載の方法で測定することができる。
共役ジエン化合物単位の合計100mоl%に対するブチレン量及び/又はプロピレン量は、単量体の種類及びブロック共重合体のビニル結合量及び水素化率を調整することにより制御することができる。
【0019】
本実施形態において、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)に含まれるビニル芳香族化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルエチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン等のビニル芳香族化合物が挙げられる。
これらの中でも、入手性及び生産性の観点から、好ましくはスチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレンが挙げられ、より好ましくはスチレンである。
ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)は、1種のビニル芳香族化合物単位で構成されていてもよいし、2種以上から構成されていてもよい。
【0020】
本実施形態において、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)に含まれる共役ジエン化合物は、1対の共役二重結合を有するジオレフィンである。ジオレフィンとしては、以下に限定されるものではなく、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、及びファルネセンが挙げられる。
これらの中でも、入手性及び生産性の観点から、好ましくは、1,3−ブタジエン及びイソプレンが挙げられる。
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)は、1種の共役ジエン化合物単位で構成されていてもよいし、2種以上から構成されていてもよい。
【0021】
本実施形態の変性ブロック共重合体においては、前記共役ジエン単量体及びビニル芳香族単量体の他、共役ジエン単量体及びビニル芳香族単量体と共重合可能な他の単量体を用いることもできる。
【0022】
本実施形態の変性ブロック共重合体のメルトフローレート(MFR;230℃、荷重2.16kg、ISO 1133に準拠)は、得られるTPU樹脂組成物の加工性等の観点から、0.1〜50g/10分の範囲が好ましく、0.5〜30g/10分の範囲であることがより好ましく、1.0〜25g/10分の範囲がさらに好ましい。
【0023】
本実施形態の変性ブロック共重合体は、本実施形態における条件を満たすものであれば特に制限はなく、いかなる構造のものも使用できる。
例えば、本実施形態の変性ブロック共重合体の基本的な構造は、下記一般式により表されるような構造が挙げられる。
なお、下記一般式においては、ブロック(A)とブロック(B)を用いて基本的な構造を表すものとし、原子団(C)の記載は省略する。
A−(B−A)
B−(A−B)
(A−B)
(A−B)−X
(B−A)−X
【0024】
前記一般式において、Aはビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)であり、複数存在する場合は異なっていても同じでもよい。
Bは共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)であり、複数存在する場合は異なっていても同じでもよい。
nは1以上を示し、好ましくは1〜3の整数である。
mは2以上を示し、好ましくは2〜6の整数である。
はカップリング剤残基又は多官能開始剤残基を示す。
本実施形態の変性ブロック共重合体の基本的な構造は、特にA−B−A、A−B−A−Bの構造式で表される重合体であることが好ましい。
【0025】
本実施形態の変性ブロック共重合体は、上記一般式において、ブロックA及び/又はBに、NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)が付加している。
【0026】
本実施形態の変性ブロック共重合体は、反応点あるいは相互作用点形成による他樹脂との相容性の観点から、前記NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)を、一重合鎖あたり1を超える数有していることが好ましい。
ここで、「一重合鎖」とは、変性ブロック共重合体の1つのポリマー鎖であり、変性ブロック共重合体がカップリング体を含む場合は、そのカップリング体も一つのポリマー鎖と考える。すなわち、カップリング体の場合、複数のポリマー鎖とカップリング残基を含むポリマー全体を「一重合鎖」とする。
また、極性樹脂との相容性向上や界面強度の向上による機械物性の改善の観点から変性ブロック共重合体に含まれている変性基は複数含まれていることが好ましく、また、樹脂組成物の相容化剤として本実施形態の変性ブロック共重合体を用いたときのアンカー効果による界面強度向上の観点から、変性ブロック共重合体側鎖に含まれているに含まれている変性基は複数含まれていることが好ましい。
前記NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)は、一重合鎖あたりより好ましくは1.2以上であり、さらに好ましくは1.5以上である。ポリマー末端に変性基が導入される場合、変性基の数はポリマー末端の数以下に限定されることになるが、ポリマー側鎖にNHx(x=0〜2)を有する原子団(C)を有する形態にすることで、ポリマー末端の数に依存することなく変性基を導入することができる。そのため、ポリマーの形状によらず、変性基を複数導入することができ、ポリマー設計の自由度はより高くなる。
一重合鎖あたりの「NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)」の数は、ブロック共重合体の変性剤の量を調整することにより制御することができる。
【0027】
本実施形態の変性ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)(以下、「Mw」ともいう。)は、機械強度、流動性、耐摩耗性、相容性の観点から、3万〜30万であることが好ましく、4万〜27万であることがより好ましく、5万〜25万であることがさらに好ましい。
【0028】
本実施形態の変性ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)は、GPCによる測定で得られるクロマトグラムのピークの分子量を、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)に基づいて求めた重量平均分子量(Mw)である。
変性前のブロック共重合体の分子量分布も、同様にGPCによる測定から求めることができ、分子量分布は重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比率である。
【0029】
本実施形態の変性ブロック共重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」ともいう。)で測定される単一ピークの分子量分布は5.0以下であることが好ましく、より好ましくは4.0以下、さらに好ましくは3.0以下であり、さらにより好ましくは2.5以下である。
【0030】
本実施形態の変性ブロック共重合体において、「NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)」とは、変性ブロック共重合体の主鎖を構成する単量体単位以外の原子団であり、少なくとも1つのNHx(x=0〜2)を有している原子団のことをいう。
当該原子団は、少なくとも1つの前記NHx(x=0〜2)以外にも官能基を有してもよく、例えば、アミンとカルボニル基を含んでよく、これが環状になってイミド基を形成してもよい。
本明細書中、「イミド基」は、環状の原子団も非環状の原子団も包含し、マレイミドのように不飽和結合を持つもの、スクシンイミドのように不飽和結合を持たないものも包含する。
NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)は、変性ブロック共重合体にどのように含まれていてもよく、例えば、原子団(C)が含有しているイミド基及び/又はアミド基を介して、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)及び/又は共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)と化学結合を形成して含まれている形態が好ましい。
【0031】
NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)は、変性基を複数導入して極性樹脂との相容性向上や界面強度の向上による機械物性の改善の観点から、変性ブロック共重合体側鎖に含まれているものとし、、また、樹脂組成物の相容化剤として本実施形態の変性ブロック共重合体を用いたときのアンカー効果による界面強度向上の観点からも、変性ブロック共重合体側鎖に含まれているものとする。
NHx(x=0〜2)がTPU中のウレタン結合等の極性部と反応することにより、反応によって生成した共重合体がTPUと変性ブロック共重合体の相容化剤あるいはTPUとポリオレフィンの相容化剤として働き、樹脂組成物の相容性を向上させる。あるいは、NHx(x=0〜2)とTPU中のウレタン結合等の極性部との間に水素結合等の分子間相互作用が働くことで、TPUと変性ブロック共重合体の相容性や、TPUとポリオレフィンの相容性が向上する。
【0032】
NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)としては、例えば、以下の構造が挙げられる。
x=2のとき、X−R1−NHである。
x=1のとき、X−R1−NH−R2である。
x=0のとき、X−R1−NR3R4である。
好ましい態様において、R1はC2〜C22の、置換又は無置換、飽和又は不飽和の炭化水素基であり、R2はC2〜C13の、置換又は無置換、飽和又は不飽和の炭化水素基であり、Xは炭素−炭素不飽和結合がグラフト変性により重合体ブロック(A)及び/又は重合体ブロック(B)と化学結合を形成した構造である。Xは、より好ましくは、ビニル又はα、β−不飽和カルボン酸の誘導体がグラフト変性により重合体ブロック(A)及び/又は重合体ブロック(B)と化学結合を形成した構造である。
【0033】
前記原子団(C)を構成するXとしては、例えば、α、β−不飽和カルボン酸をイミド化又はアミド化又はエステル化した構造が挙げられ、具体的には、N−置換マレイミド、マレイン酸アミド、マレイン酸エステル、アクリル酸アミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸アミド、メタクリル酸エステル、エンド−シス−ビシクロ〔2,2,1〕−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸アミド、エンド−シス−ビシクロ〔2,2,1〕−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸エステルがグラフト変性により重合体ブロック(A)及び/又は重合体ブロック(B)と化学結合を形成した構造が挙げられる。
は、好ましくは、極性樹脂との相容性の観点からイミド化構造又はアミド化構造であって、原子団(C)が含有しているイミド基及び/又はアミド基を介して、重合体ブロック(A)及び/又は重合体ブロック(B)に結合しており、より好ましくはN−置換マレイミド又はマレイン酸アミドがグラフト変性により重合体ブロック(A)及び/又は重合体ブロック(B)と化学結合を形成した構造である。
【0034】
特に、押出機による溶融混練で変性反応させる場合には、ポリマー鎖との相容性の観点から原子団(C)を構成するR1は短い方がよく、また、TPU樹脂組成物にした際は極性部位を有するウレタンとの相容性の観点からR1は短い方がよく、R1はC2〜C22の炭化水素基であることが好ましく、より好ましくはC2〜C12のアルキレン基であり、例えばエチレン、プロピレン、ブチレンであり、又はC6〜C10の芳香族基であり、例えばフェニレンである。R1は、ヘテロ原子をさらに含んでもよい。R1は、C2〜C5のアルキレン基がさらに好ましい。
また、変性反応が押出機による溶融混練下で行われる場合には、ポリマー鎖との相容性の観点から、原子団(C)を構成するR2は短い方がよく、また、ウレタン組成物にした際は極性部位を有するウレタンとの相容性の観点からR2は短い方がよく、一方、立体障害によるウレタンとの反応抑制の観点からC2以上の炭化水素基が好ましい。R2は、C2〜C13の炭化水素基であることが好ましく、より好ましくはC2〜C6のアルキル基であり、例えばエチル、プロピル、イソプロピルであり、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソブチル、ペンチル及びこの構造異性体、ヘキシル及びこの構造異性体が挙げられる。また、C6〜C12のシクロアルキルであることが好ましく、例えばシクロヘキシルが挙げられる。また、C6〜C13の芳香族基であることが好ましく、例えばフェニル、ベンジルが挙げられる。さらに好ましくは、Rはシクロヘキシル又はベンジルである。R2はヘテロ原子をさらに含んでもよい。
原子団(C)においては、R1とR2が結合して環構造を形成してもよく、好ましくはN−アルキルピペラジン構造である。公知文献には、2級アミンの置換基がメチル基(C1)からエチル基(C2)に変わることで、立体障害による求核置換反応性の抑制が示されている(J. Org. Chem. Vol.60 1995, p.632)。本発明者は、この立体障害による求核置換反応性の抑制が、TPU樹脂組成物における強度維持に貢献することを見出した。すなわち、2級アミンの置換基がC1の炭化水素基の場合、変性ブロック共重合体とウレタンの相溶性は高いものの、置換基と反応するためかウレタン結合が切断され、ウレタンの強度が低下する傾向が見受けられる。これに対し、2級アミンの置換基をC2以上の炭化水素基にすることでウレタンへの反応性が低下し、TPU樹脂組成物の強度が維持できる傾向にある。従って、強度が求められるTPU樹脂組成物の場合に、変性ブロック共重合体の2級アミンの置換基をC2以上の炭化水素基に設定することは好ましい態様である。
【0035】
特に変性反応が押出機による溶融混練下である場合には、ポリマー鎖との相容性の観点から、原子団(C)を構成するR3、R4は短い方がよく、また、TPU樹脂組成物にした際は極性部位を有するウレタンとの相容性の観点からR3、R4は短い方がよい。
R3、R4は異なっていても同一であってもよい。これらは、各々C1〜C13の炭化水素基であることが好ましく、より好ましくはC1〜C6のアルキル基であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソブチル、ペンチル及びこの構造異性体、ヘキシル及びこの構造異性体が挙げられる。また、C6〜C12のシクロアルキルが好ましく、例えばシクロヘキシルが挙げられる。さらに、C6〜C13の芳香族基が好ましく、例えばフェニル、ベンジルが挙げられる。さらにより好ましくは、R3、R4はシクロヘキシル又はベンジルである。
R3、R4はヘテロ原子をさらに含んでもよい。
R3とR4は同一環構造に含まれていてもよく、−NR3R4は、例えばピペリジニル、ピリジニルある。
【0036】
NHx(x=0〜2)有する原子団(C)のNHxは、好ましくはx=1の2級アミノ基又はアミド基であり、特に変性基がα,β−不飽和カルボン酸をイミド化又はアミド化又はエステル化したのものである場合、イミド化、アミド化、エステル化に関与するα,β−不飽和カルボン酸でない方の官能基よりもNHx(x=0〜2)のα、β−不飽和カルボン酸に対する反応速度定数が小さければ、NHx(x=0〜2)のまま変性基となるため、より好ましくは、反応速度定数が−NH、−NH−CH未満である2級アミノ基である。
【0037】
前記「反応速度定数が−NH、−NH−CH未満」とは、求電子反応性化合物との二次反応速度定数kが、R1−NHとR1−NH−CH未満である、R1−NH−R2であることをいう。
二次反応速度定数kの測定方法は、特に限定されないが、加倉井敏夫他,有機合成化学,第18巻7号,485(1960)に記載のフェニルグリシジルエーテルを求電子反応性化合物として用いた方法で、下記式より算出する方法が挙げられる。
k=lоg((a−x)b/(b−x)a)/(0.4343(a−b)t)
k:二次反応速度定数(L/mоl/min)
a:初期のフェニルグリシジルエーテルの濃度(mоl/L)
b:初期のR−NH−Rの濃度(mоl/L)
x:t分後のフェニルグリシジルエーテル濃度又はR−NH−R濃度の減少量(mоl/L)
t:反応時間(min)
【0038】
「反応速度定数がR1−NH、R1−NH−CH未満」のアミノ基としては、以下に限定されるものではないが、例えば、R1−NH−R2のR2が、直鎖のエチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル及びこれらの構造異性体、又は、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、又はR1とR2が同一環構造を形成する場合、ピリジニル、ピペラジニルが挙げられる。また、NHx(x=1)のアミド基としては、以下に限定されるものではないが、アミド基のカルボニル基に置換した官能基が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル及びこれらの構造異性体、又は、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、又はR1とR2が同一環構造を形成する場合、ピぺリンドン、カプロラクタムが挙げられる。
【0039】
本実施形態の変性ブロック共重合体においては、NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)が、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)及び/又は共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)の側鎖に導入されている。
原子団(C)を重合体ブロック(A)及び/又は重合体ブロック(B)の側鎖に導入する方法としては、例えば、NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)のグラフト反応に寄与する不飽和基を有する前駆体を直接グラフトする製造方法や、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)及び/又は共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)の側鎖にα、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体をグラフト反応により導入し、NHx(x=0〜2)を有する化合物が当該α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体と反応するようにする製造方法が挙げられる。
【0040】
NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)のグラフト反応に寄与する不飽和基を有する前駆体を直接グラフトしてビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)及び/又は共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)の側鎖にNHx(x=0〜2)を有する原子団(C)を導入する製造方法の場合、例えば、ラジカル開始剤の存在下で、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)及び共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)を含むブロック共重合体に、NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)のグラフト反応に寄与する不飽和基を有する前駆体をラジカル付加する製造方法が挙げられる。
【0041】
ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)及び/又は共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)の側鎖にα、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体をグラフト反応により導入し、NHx(x=0〜2)を有する化合物が当該α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体と反応するようにする製造方法の場合、α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、マレイン酸、ハロゲン化マレイン酸、イタコン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エンド−シス−ビシクロ〔2,2,1〕−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸等やこれらジカルボン酸の無水物、及びアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等やこれらモノカルボン酸のエステル、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸グリシジルが挙げられ、好ましくは無水物であり、これらの中でも、反応性の観点から、無水マレイン酸が好ましい。
【0042】
前記NHx(x=0〜2)を有する化合物は、NHx(x=0〜2)以外に、少なくとも1つの前記α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導等と反応する官能基を有していることが好ましく、この官能基は典型的には求核性の官能基である1級アミノ基や2級アミノ基やヒドロキシル基である。これらの官能基のカルボニル基に対する求核反応性がNHx(x=0〜2)と同等以上のとき、当該官能基がα、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体と反応し、イミドやアミドやエステルを形成し、NHx(x=0〜2)をブロック共重合体に導入することができる。そのため、当該官能基としてはカルボニル基に対する求核反応性がNHx(x=0〜2)と同等以上であることが好ましい。当該官能基がアミノ基の場合、当該アミノ基及びNHx(x=0〜2)のカルボニル基に対する求核反応性を決める因子として、当該アミノ基及びNHx(x=0〜2)の立体障害があり、一般に嵩高い置換基を持つ方が求核付加しにくくなる。
【0043】
NHx(x=0〜2)を有する化合物として、下記に例示する化合物は全てこの原則に基づく効果を奏する。
【0044】
例えば、エタン−1,2−ジアミン、プロパン−1,3−ジアミン、ブタン−1,4−ジアミン、ペンタン−1,5−ジアミン、ヘキサン−1,6−ジアミン、ヘプタン−1,7−ジアミン、オクタン−1,8−ジアミン、ノナン−1,9−ジアミン、デカン−1,10−ジアミン、ウンデカン−1,11−ジアミン、ドデカン−1,12−ジアミン、ベンゼン−1,4−ジアミン、ベンゼン−1,3−ジアミン、ベンゼン−1,2−ジアミン、シクロヘキサン−1,4−ジアミン、シクロヘキサン−1,3−ジアミン、シクロヘキサン−1,2−ジアミン、1,4−フェニレンジメタンアミン、1,3−フェニレンジメタンアミン、1,2−フェニレンジメタンアミンが挙げられる。
【0045】
また、N−メチルエタン−1,2−ジアミン、N−メチルプロパン−1,3−ジアミン、N−メチルブタン−1,4−ジアミン、N−メチルペンタン−1,5−ジアミン、N−メチルヘキサン−1,6−ジアミン、N−メチルヘプタン−1,7−ジアミン、N−メチルオクタン−1,8−ジアミン、N−メチルノナン−1,9−ジアミン、N−メチルデカン−1,10−ジアミン、N−メチルウンデカン−1,11−ジアミン、N−メチルドデカン−1,12−ジアミン、N−メチルベンゼン−1,4−ジアミン、N−メチルベンゼン−1,3−ジアミン、N−メチルベンゼン−1,2−ジアミン、N−メチルシクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−メチルシクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−メチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン、1−((4−アミノメチル)フェニル)−N−メチルメタンアミン、1−((3−アミノメチル)フェニル)−N−メチルメタンアミン、1−((2−アミノメチル)フェニル)−N−メチルメタンアミンが挙げられる。
【0046】
さらに、N−エチルエタン−1,2−ジアミン、N−エチルプロパン−1,3−ジアミン、N−エチルブタン−1,4−ジアミン、N−エチルペンタン−1,5−ジアミン、N−エチルヘキサン−1,6−ジアミン、N−エチルヘプタン−1,7−ジアミン、N−エチルオクタン−1,8−ジアミン、N−エチルノナン−1,9−ジアミン、N−エチルデカン−1,10−ジアミン、N−エチルウンデカン−1,11−ジアミン、N−エチルドデカン−1,12−ジアミン、N−エチルベンゼン−1,4−ジアミン、N−エチルベンゼン−1,3−ジアミン、N−エチルベンゼン−1,2−ジアミン、N−エチルシクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−エチルシクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−エチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)エタンアミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)エタンアミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)エタンアミンが挙げられる。
【0047】
さらにまた、N−プロピルエタン−1,2−ジアミン、N−プロピルプロパン−1,3−ジアミン、N−プロピルブタン−1,4−ジアミン、N−プロピルペンタン−1,5−ジアミン、N−プロピルヘキサン−1,6−ジアミン、N−プロピルヘプタン−1,7−ジアミン、N−プロピルオクタン−1,8−ジアミン、N−プロピルノナン−1,9−ジアミン、N−プロピルデカン−1,10−ジアミン、N−プロピルウンデカン−1,11−ジアミン、N−プロピルドデカン−1,12−ジアミン、N−プロピルベンゼン−1,4−ジアミン、N−プロピルベンゼン−1,3−ジアミン、N−プロピルベンゼン−1,2−ジアミン、N−プロピルシクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−プロピルシクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)プロパン−1−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)プロパン−1−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)プロパン−1−アミンが挙げられる。
【0048】
またさらに、N−イソプロピルエタン−1,2−ジアミン、N−イソプロピルプロパン−1,3−ジアミン、N−イソプロピルブタン−1,4−ジアミン、N−イソプロピルペンタン−1,5−ジアミン、N−イソプロピルヘキサン−1,6−ジアミン、N−イソプロピルヘプタン−1,7−ジアミン、N−イソプロピルオクタン−1,8−ジアミン、N−イソプロピルノナン−1,9−ジアミン、N−イソプロピルデカン−1,10−ジアミン、N−イソプロピルウンデカン−1,11−ジアミン、N−イソプロピルドデカン−1,12−ジアミン、N−イソプロピルベンゼン−1,4−ジアミン、N−イソプロピルベンゼン−1,3−ジアミン、N−イソプロピルベンゼン−1,2−ジアミン、N−イソプロピルシクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−イソプロピルシクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−イソプロピルシクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)プロパン−2−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)プロパン−2−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)プロパン−2−アミンが挙げられる。
【0049】
また、N−ブチルエタン−1,2−ジアミン、N−ブチルプロパン−1,3−ジアミン、N−ブチルブタン−1,4−ジアミン、N−ブチルペンタン−1,5−ジアミン、N−ブチルヘキサン−1,6−ジアミン、N−ブチルヘプタン−1,7−ジアミン、N−ブチルオクタン−1,8−ジアミン、N−ブチルノナン−1,9−ジアミン、N−ブチルデカン−1,10−ジアミン、N−ブチルウンデカン−1,11−ジアミン、N−ブチルドデカン−1,12−ジアミン、N−ブチルベンゼン−1,4−ジアミン、N−ブチルベンゼン−1,3−ジアミン、N−ブチルベンゼン−1,2−ジアミン、N−ブチルシクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−ブチルシクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−ブチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)ブタン−1−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)ブタン−1−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)ブタン−1−アミンが挙げられる。
【0050】
さらに、N−(sec−ブチル)エタン−1,2−ジアミン、N−(sec−ブチル)プロパン−1,3−ジアミン、N−(sec−ブチル)ブタン−1,4−ジアミン、N−(sec−ブチル)ペンタン−1,5−ジアミン、N−(sec−ブチル)ヘキサン−1,6−ジアミン、N−(sec−ブチル)ヘプタン−1,7−ジアミン、N−(sec−ブチル)オクタン−1,8−ジアミン、N−(sec−ブチル)ノナン−1,9−ジアミン、N−(sec−ブチル)デカン−1,10−ジアミン、N−(sec−ブチル)ウンデカン−1,11−ジアミン、N−(sec−ブチル)ドデカン−1,12−ジアミン、N−(sec−ブチル)ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(sec−ブチル)ベンゼン−1,3−ジアミン、N−(sec−ブチル)ベンゼン−1,2−ジアミン、N−ブチル(sec−ブチル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−(sec−ブチル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−(sec−ブチル)シクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)ブタン−2−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)ブタン−2−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)ブタン−2−アミンが挙げられる。
【0051】
さらにまた、N−イソブチルエタン−1,2−ジアミン、N−イソブチルプロパン−1,3−ジアミン、N−イソブチルブタン−1,4−ジアミン、N−イソブチルペンタン−1,5−ジアミン、N−イソブチルヘキサン−1,6−ジアミン、N−イソブチルヘプタン−1,7−ジアミン、N−イソブチルオクタン−1,8−ジアミン、N−イソブチルノナン−1,9−ジアミン、N−イソブチルデカン−1,10−ジアミン、N−イソブチルウンデカン−1,11−ジアミン、N−イソブチルドデカン−1,12−ジアミン、N−イソブチルベンゼン−1,4−ジアミン、N−イソブチルベンゼン−1,3−ジアミン、N−イソブチルベンゼン−1,2−ジアミン、N−イソブチルシクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−イソブチルシクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−イソブチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)−2−メチルプロパン−1−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)−2−メチルプロパン−1−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)−2−メチルプロパン−1−アミンが挙げられる。
【0052】
またさらに、N−(tert−ブチル)エタン−1,2−ジアミン、N−(tert−ブチル)プロパン−1,3−ジアミン、N−(tert−ブチル)ブタン−1,4−ジアミン、N−(tert−ブチル)ペンタン−1,5−ジアミン、N−(tert−ブチル)ヘキサン−1,6−ジアミン、N−(tert−ブチル)ヘプタン−1,7−ジアミン、N−(tert−ブチル)オクタン−1,8−ジアミン、N−(tert−ブチル)ノナン−1,9−ジアミン、N−(tert−ブチル)デカン−1,10−ジアミン、N−(tert−ブチル)ウンデカン−1,11−ジアミン、N−(tert−ブチル)ドデカン−1,12−ジアミン、N−(tert−ブチル)ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(tert−ブチル)ベンゼン−1,3−ジアミン、N−(tert−ブチル)ベンゼン−1,2−ジアミン、N−(tert−ブチル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−(tert−ブチル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−(tert−ブチル)シクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)−2−メチルプロパン−2−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)−2−メチルプロパン−2−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)−2−メチルプロパン−2−アミンが挙げられる。
【0053】
また、N−ペンチルエタン−1,2−ジアミン、N−ペンチルプロパン−1,3−ジアミン、N−ペンチルブタン−1,4−ジアミン、N−ペンチルペンタン−1,5−ジアミン、N−ペンチルヘキサン−1,6−ジアミン、N−ペンチルヘプタン−1,7−ジアミン、N−ペンチルオクタン−1,8−ジアミン、N−ペンチルノナン−1,9−ジアミン、N−ペンチルデカン−1,10−ジアミン、N−ペンチルウンデカン−1,11−ジアミン、N−ペンチルドデカン−1,12−ジアミン、N−ペンチルベンゼン−1,4−ジアミン、N−ペンチルベンゼン−1,3−ジアミン、N−ペンチルベンゼン−1,2−ジアミン、N−ペンチルシクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−ペンチルシクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−ペンチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)ペンタン−1−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)ペンタン−1−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)ペンタン−1−アミンが挙げられる。
【0054】
さらに、N−(ペンタン−2−イル)エタン−1,2−ジアミン、N−(ペンタン−2−イル)プロパン−1,3−ジアミン、N−(ペンタン−2−イル)ブタン−1,4−ジアミン、N−(ペンタン−2−イル)ペンタン−1,5−ジアミン、N−(ペンタン−2−イル)ヘキサン−1,6−ジアミン、N−(ペンタン−2−イル)ヘプタン−1,7−ジアミン、N−(ペンタン−2−イル)オクタン−1,8−ジアミン、N−(ペンタン−2−イル)ノナン−1,9−ジアミン、N−(ペンタン−2−イル)デカン−1,10−ジアミン、N−(ペンタン−2−イル)ウンデカン−1,11−ジアミン、N−(ペンタン−2−イル)ドデカン−1,12−ジアミン、N−(ペンタン−2−イル)ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(ペンタン−2−イル)ベンゼン−1,3−ジアミン、N−(ペンタン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン、N−(ペンタン−2−イル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−(ペンタン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−(ペンタン−2−イル)シクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)ペンタン−2−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)ペンタン−2−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)ペンタン−2−アミンが挙げられる。
【0055】
さらにまた、N−(ペンタン−3−イル)エタン−1,2−ジアミン、N−(ペンタン−3−イル)プロパン−1,3−ジアミン、N−(ペンタン−3−イル)ブタン−1,4−ジアミン、N−(ペンタン−3−イル)ペンタン−1,5−ジアミン、N−(ペンタン−3−イル)ヘキサン−1,6−ジアミン、N−(ペンタン−3−イル)ヘプタン−1,7−ジアミン、N−(ペンタン−3−イル)オクタン−1,8−ジアミン、N−(ペンタン−3−イル)ノナン−1,9−ジアミン、N−(ペンタン−3−イル)デカン−1,10−ジアミン、N−(ペンタン−3−イル)ウンデカン−1,11−ジアミン、N−(ペンタン−3−イル)ドデカン−1,12−ジアミン、N−(ペンタン−3−イル)ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(ペンタン−3−イル)ベンゼン−1,3−ジアミン、N−(ペンタン−3−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン、N−(ペンタン−3−イル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−(ペンタン−3−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−(ペンタン−3−イル)シクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)ペンタン−3−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)ペンタン−3−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)ペンタン−3−アミンが挙げられる。
【0056】
またさらに、N−イソペンチルエタン−1,2−ジアミン、N−イソペンチルプロパン−1,3−ジアミン、N−イソペンチルブタン−1,4−ジアミン、N−イソペンチルペンタン−1,5−ジアミン、N−イソペンチルヘキサン−1,6−ジアミン、N−イソペンチルヘプタン−1,7−ジアミン、N−イソペンチルオクタン−1,8−ジアミン、N−イソペンチルノナン−1,9−ジアミン、N−イソペンチルデカン−1,10−ジアミン、N−イソペンチルウンデカン−1,11−ジアミン、N−イソペンチルドデカン−1,12−ジアミン、N−イソペンチルベンゼン−1,4−ジアミン、N−イソペンチルベンゼン−1,3−ジアミン、N−イソペンチルベンゼン−1,2−ジアミン、N−イソペンチルシクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−イソペンチルシクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−イソペンチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)−3−メチルブタン−1−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)−3−メチルブタン−1−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)−3−メチルブタン−1−アミンが挙げられる。
【0057】
また、N−(3−メチルブタン−2−イル)エタン−1,2−ジアミン、N−(3−メチルブタン−2−イル)プロパン−1,3−ジアミン、N−(3−メチルブタン−2−イル)ブタン−1,4−ジアミン、N−(3−メチルブタン−2−イル)ペンタン−1,5−ジアミン、N−(3−メチルブタン−2−イル)ヘキサン−1,6−ジアミン、N−(3−メチルブタン−2−イル)ヘプタン−1,7−ジアミン、N−(3−メチルブタン−2−イル)オクタン−1,8−ジアミン、N−(3−メチルブタン−2−イル)ノナン−1,9−ジアミン、N−(3−メチルブタン−2−イル)デカン−1,10−ジアミン、N−(3−メチルブタン−2−イル)ウンデカン−1,11−ジアミン、N−(3−メチルブタン−2−イル)ドデカン−1,12−ジアミン、N−(3−メチルブタン−2−イル)ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(3−メチルブタン−2−イル)ベンゼン−1,3−ジアミン、N−(3−メチルブタン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン、N−(3−メチルブタン−2−イル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−(3−メチルブタン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−(3−メチルブタン−2−イル)シクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)−3−メチルブタン−2−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)−3−メチルブタン−2−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)−3−メチルブタン−2−アミンが挙げられる。
【0058】
さらに、N−(tert−ペンチル)エタン−1,2−ジアミン、N−(tert−ペンチル)プロパン−1,3−ジアミン、N−(tert−ペンチル)ブタン−1,4−ジアミン、N−(tert−ペンチル)ペンタン−1,5−ジアミン、N−(tert−ペンチル)ヘキサン−1,6−ジアミン、N−(tert−ペンチル)ヘプタン−1,7−ジアミン、N−(tert−ペンチル)オクタン−1,8−ジアミン、N−(tert−ペンチル)ノナン−1,9−ジアミン、N−(tert−ペンチル)デカン−1,10−ジアミン、N−(tert−ペンチル)ウンデカン−1,11−ジアミン、N−(tert−ペンチル)ドデカン−1,12−ジアミン、N−(tert−ペンチル)ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(tert−ペンチル)ベンゼン−1,3−ジアミン、N−(tert−ペンチル)ベンゼン−1,2−ジアミン、N−(tert−ペンチル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−(tert−ペンチル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−(tert−ペンチル)シクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)−2−メチルブタン−2−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)−2−メチルブタン−2−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)−2−メチルブタン−2−アミンが挙げられる。
【0059】
さらにまた、N−(2−メチルブチル)エタン−1,2−ジアミン、N−(2−メチルブチル)プロパン−1,3−ジアミン、N−(2−メチルブチル)ブタン−1,4−ジアミン、N−(2−メチルブチル)ペンタン−1,5−ジアミン、N−(2−メチルブチル)ヘキサン−1,6−ジアミン、N−(2−メチルブチル)ヘプタン−1,7−ジアミン、N−(2−メチルブチル)オクタン−1,8−ジアミン、N−(2−メチルブチル)ノナン−1,9−ジアミン、N−(2−メチルブチル)デカン−1,10−ジアミン、N−(2−メチルブチル)ウンデカン−1,11−ジアミン、N−(2−メチルブチル)ドデカン−1,12−ジアミン、N−(2−メチルブチル)ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(2−メチルブチル)ベンゼン−1,3−ジアミン、N−(2−メチルブチル)ベンゼン−1,2−ジアミン、N−(2−メチルブチル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−(2−メチルブチル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−(2−メチルブチル)シクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)−2−メチルブタン−1−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)−2−メチルブタン−1−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)−2−メチルブタン−1−アミンが挙げられる。
【0060】
またさらに、N−ネオペンチルエタン−1,2−ジアミン、N−ネオペンチルプロパン−1,3−ジアミン、N−ネオペンチルブタン−1,4−ジアミン、N−ネオペンチルペンタン−1,5−ジアミン、N−ネオペンチルヘキサン−1,6−ジアミン、N−ネオペンチルヘプタン−1,7−ジアミン、N−ネオペンチルオクタン−1,8−ジアミン、N−ネオペンチルノナン−1,9−ジアミン、N−ネオペンチルデカン−1,10−ジアミン、N−ネオペンチルウンデカン−1,11−ジアミン、N−ネオペンチルドデカン−1,12−ジアミン、N−ネオペンチルベンゼン−1,4−ジアミン、N−ネオペンチルベンゼン−1,3−ジアミン、N−ネオペンチルベンゼン−1,2−ジアミン、N−ネオペンチルシクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−ネオペンチルシクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−ネオペンチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)−2,2−ジメチルプロパン−1−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)−2,2−ジメチルプロパン−1−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)−2,2−ジメチルプロパン−1−アミンが挙げられる。
【0061】
また、N−ヘキシルエタン−1,2−ジアミン、N−ヘキシルプロパン−1,3−ジアミン、N−ヘキシルブタン−1,4−ジアミン、N−ヘキシルペンタン−1,5−ジアミン、N−ヘキシルヘキサン−1,6−ジアミン、N−ヘキシルヘプタン−1,7−ジアミン、N−ヘキシルオクタン−1,8−ジアミン、N−ヘキシルノナン−1,9−ジアミン、N−ヘキシルデカン−1,10−ジアミン、N−ヘキシルウンデカン−1,11−ジアミン、N−ヘキシルドデカン−1,12−ジアミン、N−ヘキシルベンゼン−1,4−ジアミン、N−ヘキシルベンゼン−1,3−ジアミン、N−ヘキシルベンゼン−1,2−ジアミン、N−ヘキシルシクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−ヘキシルシクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−ヘキシルシクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)ヘキサン−1−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)ヘキサン−1−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)ヘキサン−1−アミンが挙げられる。
【0062】
さらに、N−(ヘキサン−2−イル)エタン−1,2−ジアミン、N−(ヘキサン−2−イル)プロパン−1,3−ジアミン、N−(ヘキサン−2−イル)ブタン−1,4−ジアミン、N−(ヘキサン−2−イル)ペンタン−1,5−ジアミン、N−(ヘキサン−2−イル)ヘキサン−1,6−ジアミン、N−(ヘキサン−2−イル)ヘプタン−1,7−ジアミン、N−(ヘキサン−2−イル)オクタン−1,8−ジアミン、N−(ヘキサン−2−イル)ノナン−1,9−ジアミン、N−(ヘキサン−2−イル)デカン−1,10−ジアミン、N−(ヘキサン−2−イル)ウンデカン−1,11−ジアミン、N−(ヘキサン−2−イル)ドデカン−1,12−ジアミン、N−(ヘキサン−2−イル)ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(ヘキサン−2−イル)ベンゼン−1,3−ジアミン、N−(ヘキサン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン、N−(ヘキサン−2−イル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−(ヘキサン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−(ヘキサン−2−イル)シクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)ヘキサン−2−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)ヘキサン−2−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)ヘキサン−2−アミンが挙げられる。
【0063】
さらにまた、N−(ヘキサン−3−イル)エタン−1,2−ジアミン、N−(ヘキサン−3−イル)プロパン−1,3−ジアミン、N−(ヘキサン−3−イル)ブタン−1,4−ジアミン、N−(ヘキサン−3−イル)ペンタン−1,5−ジアミン、N−(ヘキサン−3−イル)ヘキサン−1,6−ジアミン、N−(ヘキサン−3−イル)ヘプタン−1,7−ジアミン、N−(ヘキサン−3−イル)オクタン−1,8−ジアミン、N−(ヘキサン−3−イル)ノナン−1,9−ジアミン、N−(ヘキサン−3−イル)デカン−1,10−ジアミン、N−(ヘキサン−3−イル)ウンデカン−1,11−ジアミン、N−(ヘキサン−3−イル)ドデカン−1,12−ジアミン、N−(ヘキサン−3−イル)ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(ヘキサン−3−イル)ベンゼン−1,3−ジアミン、N−(ヘキサン−3−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン、N−(ヘキサン−3−イル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−(ヘキサン−3−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−(ヘキサン−3−イル)シクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)ヘキサン−3−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)ヘキサン−3−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)ヘキサン−3−アミンが挙げられる。
【0064】
またさらに、N−(4−メチルペンチル)エタン−1,2−ジアミン、N−(4−メチルペンチル)プロパン−1,3−ジアミン、N−(4−メチルペンチル)ブタン−1,4−ジアミン、N−(4−メチルペンチル)ペンタン−1,5−ジアミン、N−(4−メチルペンチル)ヘキサン−1,6−ジアミン、N−(4−メチルペンチル)ヘプタン−1,7−ジアミン、N−(4−メチルペンチル)オクタン−1,8−ジアミン、N−(4−メチルペンチル)ノナン−1,9−ジアミン、N−(4−メチルペンチル)デカン−1,10−ジアミン、N−(4−メチルペンチル)ウンデカン−1,11−ジアミン、N−(4−メチルペンチル)ドデカン−1,12−ジアミン、N−(4−メチルペンチル)ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(4−メチルペンチル)ベンゼン−1,3−ジアミン、N−((4−メチルペンチル)ベンゼン−1,2−ジアミン、N−(4−メチルペンチル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−(4−メチルペンチル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−(4−メチルペンチル)シクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)−4−メチルペンタン−1−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)−4−メチルペンタン−1−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)−4−メチルペンタン−1−アミンが挙げられる。
【0065】
また、N−(4−メチルペンタン−2−イル)エタン−1,2−ジアミン、N−(4−メチルペンタン−2−イル)プロパン−1,3−ジアミン、N−(4−メチルペンタン−2−イル)ブタン−1,4−ジアミン、N−(4−メチルペンタン−2−イル)ペンタン−1,5−ジアミン、N−(4−メチルペンタン−2−イル)ヘキサン−1,6−ジアミン、N−(4−メチルペンタン−2−イル)ヘプタン−1,7−ジアミン、N−(4−メチルペンタン−2−イル)オクタン−1,8−ジアミン、N−(4−メチルペンタン−2−イル)ノナン−1,9−ジアミン、N−(4−メチルペンタン−2−イル)デカン−1,10−ジアミン、N−(4−メチルペンタン−2−イル)ウンデカン−1,11−ジアミン、N−(4−メチルペンタン−2−イル)ドデカン−1,12−ジアミン、N−(4−メチルペンタン−2−イル)ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(4−メチルペンタン−2−イル)ベンゼン−1,3−ジアミン、N−(4−メチルペンタン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン、N−(4−メチルペンタン−2−イル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−(4−メチルペンタン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−(4−メチルペンタン−2−イル)シクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)−4−メチルペンタン−2−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)−4−メチルペンタン−2−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)−4−メチルペンタン−2−アミンが挙げられる。
【0066】
さらに、N−(2−メチルペンタン−3−イル)エタン−1,2−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−3−イル)プロパン−1,3−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−3−イル)ブタン−1,4−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−3−イル)ペンタン−1,5−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−3−イル)ヘキサン−1,6−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−3−イル)ヘプタン−1,7−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−3−イル)オクタン−1,8−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−3−イル)ノナン−1,9−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−3−イル)デカン−1,10−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−3−イル)ウンデカン−1,11−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−3−イル)ドデカン−1,12−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−3−イル)ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−3−イル)ベンゼン−1,3−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−3−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−3−イル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−3−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−3−イル)シクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)−2−メチルペンタン−3−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)−2−メチルペンタン−3−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)−2−メチルペンタン−3−アミンが挙げられる。
【0067】
さらにまた、N−(2−メチルペンタン−2−イル)エタン−1,2−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−2−イル)プロパン−1,3−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−2−イル)ブタン−1,4−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−2−イル)ペンタン−1,5−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−2−イル)ヘキサン−1,6−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−2−イル)ヘプタン−1,7−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−2−イル)オクタン−1,8−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−2−イル)ノナン−1,9−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−2−イル)デカン−1,10−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−2−イル)ウンデカン−1,11−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−2−イル)ドデカン−1,12−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−2−イル)ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−2−イル)ベンゼン−1,3−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−2−イル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−2−イル)シクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)−2−メチルペンタン−2−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)−2−メチルペンタン−2−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)−2−メチルペンタン−2−アミンが挙げられる。
【0068】
またさらに、N−(2−メチルペンタン−2−イル)エタン−1,2−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−2−イル)プロパン−1,3−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−2−イル)ブタン−1,4−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−2−イル)ペンタン−1,5−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−2−イル)ヘキサン−1,6−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−2−イル)ヘプタン−1,7−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−2−イル)オクタン−1,8−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−2−イル)ノナン−1,9−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−2−イル)デカン−1,10−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−2−イル)ウンデカン−1,11−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−2−イル)ドデカン−1,12−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−2−イル)ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−2−イル)ベンゼン−1,3−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−2−イル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−(2−メチルペンタン−2−イル)シクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)−2−メチルペンタン−2−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)−2−メチルペンタン−2−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)−2−メチルペンタン−2−アミンが挙げられる。
【0069】
さらにまた、N−(2−メチルペンチル)エタン−1,2−ジアミン、N−(2−メチルペンチル)プロパン−1,3−ジアミン、N−(2−メチルペンチル)ブタン−1,4−ジアミン、N−(2−メチルペンチル)ペンタン−1,5−ジアミン、N−(2−メチルペンチル)ヘキサン−1,6−ジアミン、N−(2−メチルペンチル)ヘプタン−1,7−ジアミン、N−(2−メチルペンチル)オクタン−1,8−ジアミン、N−(2−メチルペンチル)ノナン−1,9−ジアミン、N−(2−メチルペンチル)デカン−1,10−ジアミン、N−(2−メチルペンチル)ウンデカン−1,11−ジアミン、N−(2−メチルペンチル)ドデカン−1,12−ジアミン、N−(2−メチルペンチル)ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(2−メチルペンチル)ベンゼン−1,3−ジアミン、N−(2−メチルペンチル)ベンゼン−1,2−ジアミン、N−(2−メチルペンチル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−(2−メチルペンチル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−(2−メチルペンチル)シクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)−2−メチルペンタン−1−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)−2−メチルペンタン−1−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)−2−メチルペンタン−1−アミンが挙げられる。
【0070】
またさらに、N−(3−メチルペンチル)エタン−1,2−ジアミン、N−(3−メチルペンチル)プロパン−1,3−ジアミン、N−(3−メチルペンチル)ブタン−1,4−ジアミン、N−(3−メチルペンチル)ペンタン−1,5−ジアミン、N−(3−メチルペンチル)ヘキサン−1,6−ジアミン、N−(3−メチルペンチル)ヘプタン−1,7−ジアミン、N−(3−メチルペンチル)オクタン−1,8−ジアミン、N−(3−メチルペンチル)ノナン−1,9−ジアミン、N−(3−メチルペンチル)デカン−1,10−ジアミン、N−(3−メチルペンチル)ウンデカン−1,11−ジアミン、N−(3−メチルペンチル)ドデカン−1,12−ジアミン、N−(3−メチルペンチル)ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(3−メチルペンチル)ベンゼン−1,3−ジアミン、N−(3−メチルペンチル)ベンゼン−1,2−ジアミン、N−(3−メチルペンチル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−(3−メチルペンチル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−(3−メチルペンチル)シクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)−3−メチルペンタン−1−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)−3−メチルペンタン−1−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)−3−メチルペンタン−1−アミンが挙げられる。
【0071】
また、N−(3−メチルペンタン−2−イル)エタン−1,2−ジアミン、N−(3−メチルペンタン−2−イル)プロパン−1,3−ジアミン、N−(3−メチルペンタン−2−イル)ブタン−1,4−ジアミン、N−(3−メチルペンタン−2−イル)ペンタン−1,5−ジアミン、N−(3−メチルペンタン−2−イル)ヘキサン−1,6−ジアミン、N−(3−メチルペンタン−2−イル)ヘプタン−1,7−ジアミン、N−(3−メチルペンタン−2−イル)オクタン−1,8−ジアミン、N−(3−メチルペンタン−2−イル)ノナン−1,9−ジアミン、N−(3−メチルペンタン−2−イル)デカン−1,10−ジアミン、N−(3−メチルペンタン−2−イル)ウンデカン−1,11−ジアミン、N−(3−メチルペンタン−2−イル)ドデカン−1,12−ジアミン、N−(3−メチルペンタン−2−イル)ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(3−メチルペンタン−2−イル)ベンゼン−1,3−ジアミン、N−(3−メチルペンタン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン、N−(3−メチルペンタン−2−イル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−(3−メチルペンタン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−(3(3−メチルペンタン−2−イル)シクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)−3−メチルペンタン−2−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)−3−メチルペンタン−2−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)−3−メチルペンタン−2−アミンが挙げられる。
【0072】
さらに、N−(3−メチルペンタン−3−イル)エタン−1,2−ジアミン、N−(3−メチルペンタン−3−イル)プロパン−1,3−ジアミン、N−(3−メチルペンタン−3−イル)ブタン−1,4−ジアミン、N−(3−メチルペンタン−3−イル)ペンタン−1,5−ジアミン、N−(3−メチルペンタン−3−イル)ヘキサン−1,6−ジアミン、N−(3−メチルペンタン−3−イル)ヘプタン−1,7−ジアミン、N−(3−メチルペンタン−3−イル)オクタン−1,8−ジアミン、N−(3−メチルペンタン−3−イル)ノナン−1,9−ジアミン、N−(3−メチルペンタン−3−イル)デカン−1,10−ジアミン、N−(3−メチルペンタン−3−イル)ウンデカン−1,11−ジアミン、N−(3−メチルペンタン−3−イル)ドデカン−1,12−ジアミン、N−(3−メチルペンタン−3−イル)ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(3−メチルペンタン−3−イル)ベンゼン−1,3−ジアミン、N−(3−メチルペンタン−3−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン、N−(3−メチルペンタン−3−イル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−(3−メチルペンタン−3−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−(3(3−メチルペンタン−3−イル)シクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)−3−メチルペンタン−3−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)−3−メチルペンタン−3−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)−3−メチルペンタン−3−アミンが挙げられる。
【0073】
さらにまた、N−(2−エチルブチル)エタン−1,2−ジアミン、N−(2−エチルブチル)プロパン−1,3−ジアミン、N−(2−エチルブチル)ブタン−1,4−ジアミン、N−(2−エチルブチル)ペンタン−1,5−ジアミン、N−(2−エチルブチル)ヘキサン−1,6−ジアミン、N−(2−エチルブチル)ヘプタン−1,7−ジアミン、N−((2−エチルブチル)オクタン−1,8−ジアミン、N−(2−エチルブチル)ノナン−1,9−ジアミン、N−(2−エチルブチル)デカン−1,10−ジアミン、N−(2−エチルブチル)ウンデカン−1,11−ジアミン、N−(2−エチルブチル)ドデカン−1,12−ジアミン、N−(2−エチルブチル)ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(2−エチルブチル)ベンゼン−1,3−ジアミン、N−(2−エチルブチル)ベンゼン−1,2−ジアミン、N−(2−エチルブチル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−(2−エチルブチル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−(2−エチルブチル)シクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)−2−エチルブタン−1−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)−2−エチルブタン−1−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)−2−エチルブタン−1−アミンが挙げられる。
【0074】
またさらに、N−(2,3−ジメチルブチル)エタン−1,2−ジアミン、N−(2,3−ジメチルブチル)プロパン−1,3−ジアミン、N−(2,3−ジメチルブチル)ブタン−1,4−ジアミン、N−(2,3−ジメチルブチル)ペンタン−1,5−ジアミン、N−(2,3−ジメチルブチル)ヘキサン−1,6−ジアミン、N−(2,3−ジメチルブチル)ヘプタン−1,7−ジアミン、N−(2,3−ジメチルブチル)オクタン−1,8−ジアミン、N−(2,3−ジメチルブチル)ノナン−1,9−ジアミン、N−(2,3−ジメチルブチル)デカン−1,10−ジアミン、N−(2,3−ジメチルブチル)ウンデカン−1,11−ジアミン、N−(2−エチルブチル)(2,3−ジメチルブチル)ドデカン−1,12−ジアミン、N−(2,3−ジメチルブチル)ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(2,3−ジメチルブチル)ベンゼン−1,3−ジアミン、N−(2,3−ジメチルブチル)ベンゼン−1,2−ジアミン、N−(2,3−ジメチルブチル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−(2,3−ジメチルブチル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−(2,3−ジメチルブチル)シクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)−2,3−ジメチルブタン−1−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)−2,3−ジメチルブタン−1−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)−2,3−ジメチルブタン−1−アミンが挙げられる。
【0075】
また、N−(2,3−ジメチルブタン−2−イル)エタン−1,2−ジアミン、N−(2,3−ジメチルブタン−2−イル)プロパン−1,3−ジアミン、N−(2,3−ジメチルブタン−2−イル)ブタン−1,4−ジアミン、N−(2,3−ジメチルブタン−2−イル)ペンタン−1,5−ジアミン、N−(2,3−ジメチルブタン−2−イル)ヘキサン−1,6−ジアミン、N−(2,3−ジメチルブタン−2−イル)ヘプタン−1,7−ジアミン、N−(2,3−ジメチルブタン−2−イル)オクタン−1,8−ジアミン、N−(2,3−ジメチルブタン−2−イル)ノナン−1,9−ジアミン、N−(2,3−ジメチルブタン−2−イル)デカン−1,10−ジアミン、N−(2,3−ジメチルブタン−2−イル)ウンデカン−1,11−ジアミン、N−(2−エチルブチル)(2,3−ジメチルブタン−2−イル)ドデカン−1,12−ジアミン、N−(2,3−ジメチルブタン−2−イル)ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(2,3−ジメチルブタン−2−イル)ベンゼン−1,3−ジアミン、N−(2,3−ジメチルブタン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン、N−(2,3−ジメチルブタン−2−イル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−(2,3−ジメチルブタン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−(2,3−ジメチルブタン−2−イル)シクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)−2,3−ジメチルブタン−2−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)−2,3−ジメチルブタン−2−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)−2,3−ジメチルブタン−2−アミンが挙げられる。
【0076】
さらに、N−(2,2−ジメチルブチル)エタン−1,2−ジアミン、N−(2,2−ジメチルブチル)プロパン−1,3−ジアミン、N−(2,2−ジメチルブチル)ブタン−1,4−ジアミン、N−(2,2−ジメチルブチル)ペンタン−1,5−ジアミン、N−(2,2−ジメチルブチル)ヘキサン−1,6−ジアミン、N−(2,2−ジメチルブチル)ヘプタン−1,7−ジアミン、N−(2,2−ジメチルブチル)オクタン−1,8−ジアミン、N−(2,2−ジメチルブチル)ノナン−1,9−ジアミン、N−(2,2−ジメチルブチル)デカン−1,10−ジアミン、N−(2,2−ジメチルブチル)ウンデカン−1,11−ジアミン、N−(2−エチルブチル)(2,2−ジメチルブチル)ドデカン−1,12−ジアミン、N−(2,2−ジメチルブチル)ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(2,2−ジメチルブチル)ベンゼン−1,3−ジアミン、N−(2,2−ジメチルブチル)ベンゼン−1,2−ジアミン、N−(2,2−ジメチルブチル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−(2,2−ジメチルブチル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−(2,2−ジメチルブチル)シクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)−2,2−ジメチルブタン−1−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)−2,2−ジメチルブタン−1−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)−2,2−ジメチルブタン−1−アミンが挙げられる。
【0077】
さらにまた、N−(3,3−ジメチルブタン−2−イル)エタン−1,2−ジアミン、N−(3,3−ジメチルブタン−2−イル)プロパン−1,3−ジアミン、N−(3,3−ジメチルブタン−2−イル)ブタン−1,4−ジアミン、N−(3,3−ジメチルブタン−2−イル)ペンタン−1,5−ジアミン、N−(3,3−ジメチルブタン−2−イル)ヘキサン−1,6−ジアミン、N−(3,3−ジメチルブタン−2−イル)ヘプタン−1,7−ジアミン、N−(3,3−ジメチルブタン−2−イル)オクタン−1,8−ジアミン、N−(3,3−ジメチルブタン−2−イル)ノナン−1,9−ジアミン、N−(3,3−ジメチルブタン−2−イル)デカン−1,10−ジアミン、N−(3,3−ジメチルブタン−2−イル)ウンデカン−1,11−ジアミン、N−(2−エチルブチル)(3,3−ジメチルブタン−2−イル)ドデカン−1,12−ジアミン、N−(3,3−ジメチルブタン−2−イル)ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(3,3−ジメチルブタン−2−イル)ベンゼン−1,3−ジアミン、N−(3,3−ジメチルブタン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン、N−(3,3−ジメチルブタン−2−イル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−(3,3−ジメチルブタン−2−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−(3,3−ジメチルブタン−2−イル)シクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)−3,3−ジメチルブタン−2−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)−3,3−ジメチルブタン−2−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)−3,3−ジメチルブタン−2−アミンが挙げられる。
【0078】
またさらに、N−(3,3−ジメチルブチル)エタン−1,2−ジアミン、N−(3,3−ジメチルブチル)プロパン−1,3−ジアミン、N−(3,3−ジメチルブチル)ブタン−1,4−ジアミン、N−(3,3−ジメチルブチル)ペンタン−1,5−ジアミン、N−(3,3−ジメチルブチル)ヘキサン−1,6−ジアミン、N−(3,3−ジメチルブチル)ヘプタン−1,7−ジアミン、N−(3,3−ジメチルブチル)オクタン−1,8−ジアミン、N−(3,3−ジメチルブチル)ノナン−1,9−ジアミン、N−(3,3−ジメチルブチル)デカン−1,10−ジアミン、N−(3,3−ジメチルブチル)ウンデカン−1,11−ジアミン、N−(2−エチルブチル)(3,3−ジメチルブチル)ドデカン−1,12−ジアミン、N−(3,3−ジメチルブチル)ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(3,3−ジメチルブチル)ベンゼン−1,3−ジアミン、N−(3,3−ジメチルブチル)ベンゼン−1,2−ジアミン、N−(3,3−ジメチルブチル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−(3,3−ジメチルブチル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−(3,3−ジメチルブチル)シクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)−3,3−ジメチルブタン−1−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)−3,3−ジメチルブタン−1−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)−3,3−ジメチルブタン−1−アミンが挙げられる。
【0079】
また、N−シクロヘキシルエタン−1,2−ジアミン、N−シクロヘキシルプロパン−1,3−ジアミン、N−シクロヘキシルブタン−1,4−ジアミン、N−シクロヘキシルペンタン−1,5−ジアミン、N−シクロヘキシルヘキサン−1,6−ジアミン、N−シクロヘキシルヘプタン−1,7−ジアミン、N−シクロヘキシルオクタン−1,8−ジアミン、N−シクロヘキシルノナン−1,9−ジアミン、N−シクロヘキシルデカン−1,10−ジアミン、N−シクロヘキシルウンデカン−1,11−ジアミン、N−シクロヘキシルドデカン−1,12−ジアミン、N−シクロヘキシルベンゼン−1,4−ジアミン、N−シクロヘキシルベンゼン−1,3−ジアミン、N−シクロヘキシルベンゼン−1,2−ジアミン、N−シクロヘキシルシクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−シクロヘキシルシクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−シクロヘキシルシクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)シクロヘキサンアミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)シクロヘキサンアミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)シクロヘキサンアミンが挙げられる。
【0080】
さらに、N−(シクロヘキシルメチル)エタン−1,2−ジアミン、N−(シクロヘキシルメチル)プロパン−1,3−ジアミン、N−(シクロヘキシルメチル)ブタン−1,4−ジアミン、N−(シクロヘキシルメチル)ペンタン−1,5−ジアミン、N−(シクロヘキシルメチル)ヘキサン−1,6−ジアミン、N−(シクロヘキシルメチル)ヘプタン−1,7−ジアミン、N−(シクロヘキシルメチル)オクタン−1,8−ジアミン、N−(シクロヘキシルメチル)ノナン−1,9−ジアミン、N−(シクロヘキシルメチル)デカン−1,10−ジアミン、N−(シクロヘキシルメチル)ウンデカン−1,11−ジアミン、N−(シクロヘキシルメチル)ドデカン−1,12−ジアミン、N−(シクロヘキシルメチル)ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(シクロヘキシルメチル)ベンゼン−1,3−ジアミン、N−(シクロヘキシルメチル)ベンゼン−1,2−ジアミン、N−(シクロヘキシルメチル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−(シクロヘキシルメチル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−(シクロヘキシルメチル)シクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)−1−シクロヘキシルメタンアミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)−1−シクロヘキシルメタンアミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)−1−シクロヘキシルメタンアミンが挙げられる。
【0081】
さらにまた、N−フェニルエタン−1,2−ジアミン、N−フェニルプロパン−1,3−ジアミン、N−フェニルブタン−1,4−ジアミン、N−フェニルペンタン−1,5−ジアミン、N−フェニルヘキサン−1,6−ジアミン、N−フェニルヘプタン−1,7−ジアミン、N−フェニルオクタン−1,8−ジアミン、N−フェニルノナン−1,9−ジアミン、N−フェニルデカン−1,10−ジアミン、N−フェニルウンデカン−1,11−ジアミン、N−フェニルドデカン−1,12−ジアミン、N−フェニルベンゼン−1,4−ジアミン、N−フェニルベンゼン−1,3−ジアミン、N−フェニルベンゼン−1,2−ジアミン、N−フェニルシクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−フェニルシクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−フェニルシクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)アニリン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)アニリン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)アニリンが挙げられる。
【0082】
またさらに、N−ベンジルエタン−1,2−ジアミン、N−ベンジルプロパン−1,3−ジアミン、N−ベンジルブタン−1,4−ジアミン、N−ベンジルペンタン−1,5−ジアミン、N−ベンジルヘキサン−1,6−ジアミン、N−ベンジルヘプタン−1,7−ジアミン、N−ベンジルオクタン−1,8−ジアミン、N−ベンジルノナン−1,9−ジアミン、N−ベンジルデカン−1,10−ジアミン、N−ベンジルウンデカン−1,11−ジアミン、N−ベンジルドデカン−1,12−ジアミン、N−ベンジルベンゼン−1,4−ジアミン、N−ベンジルベンゼン−1,3−ジアミン、N−ベンジルベンゼン−1,2−ジアミン、N−ベンジルシクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−ベンジルシクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−ベンジルシクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)−1−フェニルメタンアミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)−1−フェニルメタンアミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)−1−フェニルメタンアミンが挙げられる。
【0083】
また、2−(ピペラジン−1−イル)エタン−1−アミン、3−(ピペラジン−1−イル)プロパン−1−アミン、4−(ピペラジン−1−イル)ブタン−1−アミン、5−(ピペラジン−1−イル)ペンタン−1−アミン、6−(ピペラジン−1−イル)ヘキサン−1−アミン、7−(ピペラジン−1−イル)ヘプタン−1−アミン、8−(ピペラジン−1−イル)オクタン−1−アミン、9−(ピペラジン−1−イル)ノナン−1−アミン、10−(ピペラジン−1−イル)デカン−1−アミン、11−(ピペラジン−1−イル)ウンデカン−1−アミン、12−(ピペラジン−1−イル)ドデカン−1−アミン、4−(ピペラジン−1−イル)アニリン、3−(ピペラジン−1−イル)アニリン、2−(ピペラジン−1−イル)アニリン、4−(ピペラジン−1−イル)シクロヘキサン−1−アミン、3−(ピペラジン−1−イル)シクロヘキサン−1−アミン、2−(ピペラジン−1−イル)シクロヘキサン−1−アミン、(4−(ピペラジン−1−イルメチル)フェニル)メタンアミン、(3−(ピペラジン−1−イルメチル)フェニル)メタンアミン、(2−(ピペラジン−1−イルメチル)フェニル)メタンアミンが挙げられる。
【0084】
さらに、2−(ピペリジン−1−イル)エタン−1−アミン、3−(ピペリジン−1−イル)プロパン−1−アミン、4−(ピペリジン−1−イル)ブタン−1−アミン、5−(ピペリジン−1−イル)ペンタン−1−アミン、6−(ピペリジン−1−イル)ヘキサン−1−アミン、7−(ピペリジン−1−イル)ヘプタン−1−アミン、8−(ピペリジン−1−イル)オクタン−1−アミン、9−(ピペリジン−1−イル)ノナン−1−アミン、10−(ピペリジン−1−イル)デカン−1−アミン、11−(ピペリジン−1−イル)ウンデカン−1−アミン、12−(ピペリジン−1−イル)ドデカン−1−アミン、4−(ピペリジン−1−イル)アニリン、3−(ピペリジン−1−イル)アニリン、2−(ピペリジン−1−イル)アニリン、4−(ピペリジン−1−イル)シクロヘキサン−1−アミン、3−(ピペリジン−1−イル)シクロヘキサン−1−アミン、2−(ピペリジン−1−イル)シクロヘキサン−1−アミン、(4−(ピペリジン−1−イルメチル)フェニル)メタンアミン、(3−(ピペリジン−1−イルメチル)フェニル)メタンアミン、(2−(ピペリジン−1−イルメチル)フェニル)メタンアミンが挙げられる。
【0085】
さらにまた、2−(ピペリジン−4−イル)エタン−1−アミン、3−(ピペリジン−4−イル)プロパン−1−アミン、4−(ピペリジン−4−イル)ブタン−1−アミン、5−(ピペリジン−4−イル)ペンタン−1−アミン、6−(ピペリジン−4−イル)ヘキサン−1−アミン、7−(ピペリジン−4−イル)ヘプタン−1−アミン、8−(ピペリジン−4−イル)オクタン−1−アミン、9−(ピペリジン−4−イル)ノナン−1−アミン、10−(ピペリジン−4−イル)デカン−1−アミン、11−(ピペリジン−4−イル)ウンデカン−1−アミン、12−(ピペリジン−4−イル)ドデカン−1−アミン、4−(ピペリジン−4−イル)アニリン、3−(ピペリジン−4−イル)アニリン、2−(ピペリジン−4−イル)アニリン、4−(ピペリジン−4−イル)シクロヘキサン−1−アミン、3−(ピペリジン−4−イル)シクロヘキサン−1−アミン、2−(ピペリジン−4−イル)シクロヘキサン−1−アミン、(4−(ピペリジン−4−イルメチル)フェニル)メタンアミン、(3−(ピペリジン−4−イルメチル)フェニル)メタンアミン、(2−(ピペリジン−4−イルメチル)フェニル)メタンアミンが挙げられる。
【0086】
またさらに、N−へプチルエタン−1,2−ジアミン、N−へプチルプロパン−1,3−ジアミン、N−へプチルブタン−1,4−ジアミン、N−へプチルペンタン−1,5−ジアミン、N−へプチルヘキサン−1,6−ジアミン、N−へプチルヘプタン−1,7−ジアミン、N−へプチルオクタン−1,8−ジアミン、N−へプチルノナン−1,9−ジアミン、N−へプチルデカン−1,10−ジアミン、N−へプチルウンデカン−1,11−ジアミン、N−へプチルドデカン−1,12−ジアミン、N−へプチルベンゼン−1,4−ジアミン、N−へプチルベンゼン−1,3−ジアミン、N−へプチルベンゼン−1,2−ジアミン、N−へプチルシクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−へプチルシクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−へプチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)ヘプタン−1−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)ヘプタン−1−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)ヘプタン−1−アミンが挙げられる。
【0087】
また、N−オクチルエタン−1,2−ジアミン、N−オクチルプロパン−1,3−ジアミン、N−オクチルブタン−1,4−ジアミン、N−オクチルペンタン−1,5−ジアミン、N−オクチルヘキサン−1,6−ジアミン、N−オクチルヘプタン−1,7−ジアミン、N−オクチルオクタン−1,8−ジアミン、N−オクチルノナン−1,9−ジアミン、N−オクチルデカン−1,10−ジアミン、N−オクチルウンデカン−1,11−ジアミン、N−オクチルドデカン−1,12−ジアミン、N−オクチルベンゼン−1,4−ジアミン、N−オクチルベンゼン−1,3−ジアミン、N−オクチルベンゼン−1,2−ジアミン、N−オクチルシクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−オクチルシクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−オクチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)オクタン−1−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)オクタン−1−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)オクタン−1−アミンが挙げられる。
【0088】
さらに、N−ノニルエタン−1,2−ジアミン、N−ノニルプロパン−1,3−ジアミン、N−ノニルブタン−1,4−ジアミン、N−ノニルペンタン−1,5−ジアミン、N−ノニルヘキサン−1,6−ジアミン、N−ノニルヘプタン−1,7−ジアミン、N−ノニルオクタン−1,8−ジアミン、N−ノニルノナン−1,9−ジアミン、N−ノニルデカン−1,10−ジアミン、N−ノニルウンデカン−1,11−ジアミン、N−ノニルドデカン−1,12−ジアミン、N−ノニルベンゼン−1,4−ジアミン、N−ノニルベンゼン−1,3−ジアミン、N−ノニルベンゼン−1,2−ジアミン、N−ノニルシクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−ノニルシクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−ノニルシクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)ノナン−1−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)ノナン−1−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)ノナン−1−アミンが挙げられる。
【0089】
さらにまた、N−デシルエタン−1,2−ジアミン、N−デシルプロパン−1,3−ジアミン、N−デシルブタン−1,4−ジアミン、N−デシルペンタン−1,5−ジアミン、N−デシルヘキサン−1,6−ジアミン、N−デシルヘプタン−1,7−ジアミン、N−デシルオクタン−1,8−ジアミン、N−デシルノナン−1,9−ジアミン、N−デシルデカン−1,10−ジアミン、N−デシルウンデカン−1,11−ジアミン、N−デシルドデカン−1,12−ジアミン、N−デシルベンゼン−1,4−ジアミン、N−デシルベンゼン−1,3−ジアミン、N−デシルベンゼン−1,2−ジアミン、N−デシルシクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−デシルシクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−デシルシクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)デカン−1−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)デカン−1−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)デカン−1−アミンが挙げられる。
【0090】
またさらに、N−ウンデシルエタン−1,2−ジアミン、N−ウンデシルプロパン−1,3−ジアミン、N−ウンデシルブタン−1,4−ジアミン、N−ウンデシルペンタン−1,5−ジアミン、N−ウンデシルヘキサン−1,6−ジアミン、N−ウンデシルヘプタン−1,7−ジアミン、N−ウンデシルオクタン−1,8−ジアミン、N−ウンデシルノナン−1,9−ジアミン、N−ウンデシルデカン−1,10−ジアミン、N−ウンデシルウンデカン−1,11−ジアミン、N−ウンデシルドデカン−1,12−ジアミン、N−ウンデシルベンゼン−1,4−ジアミン、N−ウンデシルベンゼン−1,3−ジアミン、N−ウンデシルベンゼン−1,2−ジアミン、N−ウンデシルシクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−ウンデシルシクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−ウンデシルシクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)ウンデカン−1−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)ウンデカン−1−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)ウンデカン−1−アミンが挙げられる。
【0091】
また、N−ドデシルエタン−1,2−ジアミン、N−ドデシルプロパン−1,3−ジアミン、N−ドデシルブタン−1,4−ジアミン、N−ドデシルペンタン−1,5−ジアミン、N−ドデシルヘキサン−1,6−ジアミン、N−ドデシルヘプタン−1,7−ジアミン、N−ドデシルオクタン−1,8−ジアミン、N−ドデシルノナン−1,9−ジアミン、N−ドデシルデカン−1,10−ジアミン、N−ドデシルウンデカン−1,11−ジアミン、N−ドデシルドデカン−1,12−ジアミン、N−ドデシルベンゼン−1,4−ジアミン、N−ドデシルベンゼン−1,3−ジアミン、N−ドデシルベンゼン−1,2−ジアミン、N−ドデシルシクロヘキサン−1,4−ジアミン、N−ドデシルシクロヘキサン−1,3−ジアミン、N−ドデシルシクロヘキサン−1,2−ジアミン、N−((4−アミノメチル)ベンジル)ドデカン−1−アミン、N−((3−アミノメチル)ベンジル)ドデカン−1−アミン、N−((2−アミノメチル)ベンジル)ドデカン−1−アミンが挙げられる。
【0092】
さらに、N,N’−ジメチルエタン−1,2−ジアミン、N,N’−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン、N,N’−ジメチルブタン−1,4−ジアミン、N,N’−ジメチルペンタン−1,5−ジアミン、N,N’−ジメチルヘキサン−1,6−ジアミン、N,N’−ジメチルヘプタン−1,7−ジアミン、N,N’−ジメチルオクタン−1,8−ジアミン、N,N’−ジメチルノナン−1,9−ジアミン、N,N’−ジメチルデカン−1,10−ジアミン、N,N’−ジメチルウンデカン−1,11−ジアミン、N,N’−ジメチルドデカン−1,12−ジアミン、N,N’−ジメチルベンゼン−1,4−ジアミン、N,N’−ジメチルベンゼン−1,3−ジアミン、N,N’−ジメチルベンゼン−1,2−ジアミン、N,N’−ジメチルシクロヘキサン−1,4−ジアミン、N,N’−ジメチルシクロヘキサン−1,3−ジアミン、N,N’−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン、1,1’−(1,4−フェニレン)ビス(N−メチルメタンアミン)、1,1’−(1,3−フェニレン)ビス(N−メチルメタンアミン)、1,1’−(1,2−フェニレン)ビス(N−メチルメタンアミン)が挙げられる。
【0093】
上述した「NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)を形成する化合物」は、好ましくは、NHxがx=1の2級アミノ基であり、かつ少なくとも1つの前記α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導等と反応する1級アミノ基を有する構造である。また、x=1の2級アミノ基の置換基が嵩高いほど、2級アミノ基がカルボニル基に求核付加しにくくなり、1級アミノ基が優先的に反応し、2級アミノ基を側鎖に導入することができるようになる。
【0094】
また、本実施形態の変性ブロック共重合体における、「前記NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)」を形成する化合物である、「NHx(x=0〜2)を有する化合物」は、以下の条件を満たす。
(条件):NHx(x=0〜2)を有する化合物を、無水マレイン酸変性ブロック共重合体中の無水マレイン酸変性基と反応させたとき、反応後の変性ブロック共重合体の、230℃、2.16kg荷重におけるMFR値が、反応前の無水マレイン酸変性ブロック共重合体の230℃、2.16kg荷重におけるMFR値の0.1倍以上となる。
好ましくは0.3倍以上となり、より好ましくは0.5倍以上となる。
上記条件を満たすことにより、TPUとの相容化の効果が得られる。
上記条件を満たすためには、「NHx(x=0〜2)を有する化合物」を適切に選択すればよく、例えば、N−ベンジルエチレンジアミン、N−(3−アミノプロピル)シクロヘキシルアミン、N−(5−アミノペンチル)アセトアミド、N,N’−ジメチル−1,6−ジアミノヘキサン、N−(2−アミノエチル)ピペラジンが好ましいものとして挙げられる。
【0095】
さらに、本実施形態の変性ブロック共重合体における、「前記NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)」を形成する、「NHx(x=0〜2)を有する化合物」は、以下の条件を満たすものであることがより好ましい。
(条件):無水マレイン酸変性ブロック共重合体中の無水マレイン酸変性基と、前記NHx(x=0〜2)を有する化合物であるHN−R−NHx(x=0〜2、Rは前記Rと同じ)とを等mol反応させたとき、反応後の変性ブロック共重合体の、230℃,2.16kg荷重におけるMFR値が、反応前の無水マレイン酸変性ブロック共重合体の230℃,2.16kg荷重におけるMFR値の0.1倍以上となる。好ましくは0.3倍以上となり、より好ましくは0.5倍以上となる。
上記条件を満たすことにより、極性樹脂との相容化の効果が得られる。
上記条件を満たすためには、「NHx(x=0〜2)を有する化合物」を適切に選択すればよく、例えば、N−(3−アミノプロピル)シクロヘキシルアミン、N−ベンジルエチレンジアミン、N−(5−アミノペンチル)アセトアミド、N−(2−アミノエチル)ピペラジンが挙げられる。
【0096】
本実施形態の変性ブロック共重合体の、より好ましい態様において、前記NHxを有する原子団(C)は、X−R1−NH−R2の構造であり、Xがビニル又はα、β−不飽和カルボン酸の誘導体がグラフト変性により重合体ブロック(A)及び/又は重合体ブロック(B)と化学結合を形成した構造であり、R1はC1〜C22の炭化水素基であり、R2は、C1〜C13の炭化水素基である。
変性ブロック共重合体が、上記態様を有しているものであることにより、本来極性樹脂と相容しにくい炭化水素基が多すぎないため、極性樹脂との相容化の効果が得られる。
【0097】
〔変性ブロック共重合体の製造方法〕
本実施形態の変性ブロック共重合体は、以下に限定されないが、例えば、有機溶媒中で、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として、ビニル芳香族化合物及び共役ジエン化合物を用いて重合を行い、ブロック共重合体を得た後、変性反応を行うことにより製造することができる。
好ましくは、ブロック共重合体の水素化反応及び変性反応を行うことにより製造することができる。水素化反応及び変性反応は、この順序に限らず逆であってもよい。重合の態様としては、バッチ重合であっても連続重合であってもよく、これらの組み合わせであってもよい。
分子量分布が狭く、高い強度を有するブロック共重合体を得る観点からは、バッチ重合方法が好ましい。
【0098】
重合温度は、一般に0〜180℃であり、20〜160℃が好ましく、30〜150℃がより好ましい。
重合時間は目的とする重合体によって異なるが、通常は48時間以内であり、0.1〜10時間が好ましい。分子量分布が狭く、高い強度を有するブロック共重合体を得る観点からは、0.5〜5時間がより好ましい。
重合系の雰囲気は、窒素及び溶媒を液相に維持するのに十分な圧力の範囲であればよく、特に限定されるものではない。重合系内に、重合開始剤及びリビングポリマーを不活性化させるような不純物、例えば水、酸素、炭酸ガス等が存在しないことが好ましい。
【0099】
有機溶媒としては、以下に限定されないが、例えば、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、シクロへプタン、メチルシクロペンタン等の脂環式炭化水素類;ベンゼン、キシレン、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素が挙げられる。
【0100】
重合開始剤である有機アルカリ金属化合物としては、有機リチウム化合物が好ましい。
有機リチウム化合物としては、有機モノリチウム化合物、有機ジリチウム化合物、有機ポリリチウム化合物が用いられる。
有機リチウム化合物としては、以下に限定されないが、例えば、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、n−ペンチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニルリチウム、イソプロペニルジリチウム、及びリチウムピペリジド等が挙げられる。
リチウムピペリジドのように、Nを含む有機リチウム化合物を重合開始剤とする場合、NHxにおいて、X=0である原子団を有する変性ブロック共重合体が得られる。
これらは1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、重合活性の観点からn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、リチウムピペリジドが好ましい。
【0101】
重合開始剤である有機アルカリ金属化合物の使用量は、目的とするブロック共重合体の分子量によるが、一般的には0.01〜0.5phm(単量体100質量部当たりに対する質量部)の範囲であることが好ましく、0.03〜0.3phmの範囲であることがより好ましく、0.05〜0.2phmの範囲であることがさらに好ましい。
【0102】
変性ブロック共重合体のビニル結合量は、ルイス塩基、例えばエーテル、アミンなどの化合物をビニル結合量調整剤(以下、ビニル化剤と表記)として使用することで調節できる。
また、目的とするビニル結合量に応じて、ビニル化剤の使用量を調整することができる。
【0103】
ビニル化剤としては、以下に限定されないが、例えば、エーテル化合物、第3級アミン系化合物等が挙げられる。
【0104】
エーテル化合物としては、直鎖状エーテル化合物及び環状エーテル化合物等が挙げられる。
直鎖状エーテル化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等のエチレングリコールのジアルキルエーテル化合物類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のジエチレングリコールのジアルキルエーテル化合物類が挙げられる。
また、環状エーテル化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、2,5−ジメチルオキソラン、2,2,5,5−テトラメチルオキソラン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン、フルフリルアルコールのアルキルエーテル等が挙げられる。
【0105】
第3級アミン系化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N−エチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン、1,2−ジピペリジノエタン、トリメチルアミノエチルピペラジン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルエチレントリアミン、N,N’−ジオクチル−p−フェニレンジアミン、ピリジン、テトラメチルプロパンジアミン、ビス[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]エーテル等が挙げられる。
これらは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第3級アミン系化合物としては、アミンを2個有する化合物が好ましい。さらに、それらの中でも、分子内で対称性を示す構造を有するものがより好ましく、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンやビス[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]エーテルや1,2−ジピペリジノエタンがさらに好ましい。
【0106】
本実施形態の変性ブロック共重合体の製造工程においては、上述したビニル化剤、有機リチウム化合物、及びアルカリ金属アルコキシドの共存下、ブロック共重合体の共重合を行ってもよい。
ここで、アルカリ金属アルコキシドとは、一般式MOR(式中、Mはアルカリ金属、Rはアルキル基である)で表される化合物である。
【0107】
アルカリ金属アルコキシドのアルカリ金属としては、高いビニル結合量、狭い分子量分布、高い重合速度、及び高いブロック率の観点から、ナトリウム又はカリウムであることが好ましい。
アルカリ金属アルコキシドとしては、以下に限定されるものではないが、好ましくは、炭素数2〜12のアルキル基を有するナトリウムアルコキシド、リチウムアルコキシド、カリウムアルコキシドであり、より好ましくは、炭素数3〜6のアルキル基を有するナトリウムアルコキシドやカリウムアルコキシドであり、さらに好ましくは、ナトリウム−t−ブトキシド、ナトリウム−t−ペントキシド、カリウム−t−ブトキシド、カリウム−t−ペントキシドである。
これらの中でも、ナトリウムアルコキシドであるナトリウム−t−ブトキシド、ナトリウム−t−ペントキシドがさらにより好ましい。
【0108】
本実施形態の変性ブロック共重合体は、水素化されており、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)は水添物である。
当該水素化の方法は特に限定されないが、例えば、上記で得られたブロック共重合体に対し、水素化触媒の存在下に、水素を供給し、水素添加することにより、共役ジエン化合物単位の二重結合残基が水素添加された水素化ブロック共重合体を得ることができる。
水素化率は、例えば、水素添加時の触媒量によって制御することができ、水素添加速度は、例えば、水素添加時の触媒量、水素フィード量、圧力及び温度等によって制御することができる。
【0109】
本実施形態の変性ブロック共重合体の製造方法において、NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)を、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)及び/又は共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)の側鎖に導入する方法としては、例えば、NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)を直接グラフトする製造方法や、NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)がα,β−不飽和カルボン酸又はその誘導体とNHx(x=0〜2)を有する化合物との反応生成物として得られる場合、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)及び/又は共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)の側鎖にα,β−不飽和カルボン酸又はその誘導体を導入し、NHx(x=0〜2)を有する化合物が当該α,β−不飽和カルボン酸又はその誘導体と反応するようにする製造方法が挙げられる。
【0110】
NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)を直接グラフトしてビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)及び/又は共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)の側鎖にNHx(x=0〜2)を有する原子団(C)を導入する製造方法の場合、例えば、ラジカル開始剤の存在下で、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)及び共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)を含むブロック共重合体に、NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)をラジカル付加する製造方法が挙げられる。
【0111】
NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)がα、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体とNHx(x=0〜2)を有する化合物との反応生成物として得られ、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)及び/又は共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)の側鎖にα,β−不飽和カルボン酸又はその誘導体を導入し、NHx(x=0〜2)を有する化合物が当該α,β−不飽和カルボン酸又はその誘導体と反応するようにする製造方法の場合、α,β−不飽和カルボン酸又はその誘導体を含む分子単位としては、例えば、マレイン酸、ハロゲン化マレイン酸、イタコン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エンド−シス−ビシクロ〔2,2,1〕−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸等やこれらジカルボン酸の無水物、及びびアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等やこれらモノカルボン酸のエステル、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸グリシジルが挙げられ、好ましくは無水物であり、これらの中でも、反応性の観点から、無水マレイン酸がより好ましい。
【0112】
α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体を含有する分子単位の付加量としては、ブロック共重合体100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部であり、より好ましくは0.1〜10質量部、さらに好ましくは0.1〜5質量部である。極性樹脂組成物の相容性の観点から0.1質量部以上であることが好ましい。一方、変性ブロック共重合体の流動性の観点から20質量部以下であることが好ましい。
【0113】
重合体ブロック(A)及び/又は重合体ブロック(B)に、α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体が結合した、酸変性ブロック共重合体の製造方法は、特に制限されないが、例えば、ブロック共重合体に、α,β−不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体をグラフト付加する工程を実施する方法が挙げられる。
グラフト付加の方法としては、ラジカル開始剤とブロック共重合体、及びα,β−不飽和カルボン酸又はその誘導体基を含有する化合物を含んだ溶液中でこれらを反応させる製造方法;ラジカル開始剤とブロック共重合体、及びα,β−不飽和カルボン酸又はその誘導体基を含有する化合物を加熱溶融下で反応させる製造方法;ラジカル開始剤含まずにブロック共重合体、及びα,β−不飽和カルボン酸又はその誘導体基を含有する化合物を加熱溶融下で反応させる製造方法;ブロック共重合体とα,β−不飽和カルボン酸又はその誘導体基を含有する化合物のどちらにも反応し結合形成する化合物とブロック共重合体、及びα,β−不飽和カルボン酸又はその誘導体基を含有する化合物を、これらを含んだ溶液あるいは加熱溶融下で反応させる製造方法等が挙げられる。
特に、ラジカル開始剤とブロック共重合体、及びα,β−不飽和カルボン酸基又はその誘導体基を含有する化合物を加熱溶融下で反応させる製造方法が好ましい。
反応させる方法としては、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、コニーダ、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いて、各成分を溶融混練する方法が挙げられる。好ましくは、コストと生産安定性の観点から単軸あるいは二軸あるいは多軸スクリュー押出機を用いた方法である。この際、各原料は一括投入してもよく、ドライブレンドして一括投入してもよく、原料ごとに別フィードでもよい。特に、生産安定性の観点から、原料ごとに別フィードする方法が好ましい。また同一原料を段階的に添加してもよい。
この際、スクリューの回転数は、α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体基を含有する化合物を均一ブロック共重合体に均一に付加させる観点から、50〜400rpmであることが好ましく、より好ましくは、100〜350rpmであり、せん断による樹脂の劣化と均一付加の観点から、好ましくは、150〜300rpmである。
混練温度は、ブロック共重合体が溶融する温度かつラジカル発生剤からラジカルが発生する温度であり、100℃〜350℃である。付加量の制御や熱による樹脂の劣化を抑制するという観点から、より好ましくは、120℃〜300℃であり、より好ましくは、150℃〜270℃である。
ラジカル活性種の酸素による失活を抑制するため、窒素などの不活性ガス化で溶融混練してもよい。
用いるラジカル発生剤としては、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート類が挙げられる。好ましくは混練温度域に1分半減期温度を持つものである。中でも好ましくは、1分半減期温度が混練温度域に持つものである。より好ましくは1分半減期温度が150℃〜250℃にあるものであり、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン, t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウリン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンぞエート、2,5−ジメチル―2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ジ―(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾネート、n−ブチル−4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ヘキシルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、p−メタンハイドロパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキシドである。特にブロック共重合体との相容性の観点から、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ヘキシルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3が好ましい。中でも、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンと2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3が好ましい。α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体基を含有する化合物のラジカル発生剤に対するmоl当量は、好ましくは、300mоl当量以下であり、より好ましくは200mоl当量以下であり、より好ましくは100mоl当量以下である。
これらの条件の範囲内であれば、ブロック共重合体100質量部に対し、α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体基を含有する化合物を0質量部より多く10質量部程度まで付加させることができる。
【0114】
上述のようにして得られた酸変性ブロック共重合体とNHx(x=0〜2)を有する化合物とを反応させる際の反応方法は特に制限されるものではなく、公知の方法が利用できる。
例えば、酸変性ブロック共重合体とNHx(x=0〜2)を有する化合物とをドライブレンドした後、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、コニーダ、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いて、各成分を溶融混練する方法、各成分を溶解又は分散混合後、溶剤を加熱除去する方法等が挙げられる。
本実施形態においては押出機による溶融混練法が生産性、良混練性の観点から好ましい。
得られる変性ブロック共重合体の形状に特に制限はないが、ペレット状、シート状、ストランド状、チップ状等を挙げることができる。また、溶融混練後、直接成形品とすることもできる。
なお、上述した、フロック共重合体にα,β−不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体をグラフト付加する工程を実施した後、前記α,β−不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体と、非対称なジアミンとを反応させる工程を実施することが、各アミンと酸変性ブロック共重合体中の酸変性基との反応性の差により、優先的に一方のアミンと酸変性基が反応して、もう一方のアミンを変性基としてブロック共重合体に付加させることができると共に、NHx(x=0〜2)を有する化合物による酸変性ブロック共重合体の架橋を抑制することができるため、定量的な変性基の導入の観点から好ましい。
なお、非対称なジアミンとは、一分子内に置換基数の異なるアミノ基を1つずつ有するジアミンをいい、例えば、ジアミンの片末端が2級アミンであるものが挙げられ、具体的には、N−メチル−1,6−ジアミノブタン、N−メチル−1,6−ジアミノヘキサン、N−(3−アミノプロピル)シクロヘキシルアミン、N−ベンジルエチレンジアミン、N−(5−アミノペンチル)アセトアミド、N−(2−アミノエチル)ピペラジン等が好ましいものとして挙げられる。
また、前記2級アミンの置換基は、反応の選択性と架橋抑制の観点から、C2以上の炭化水素基であることが好ましい。このような2級アミンとしては、例えば、N−(3−アミノプロピル)シクロヘキシルアミン、N−ベンジルエチレンジアミン、N−(5−アミノペンチル)アセトアミド、N−(2−アミノエチル)ピペラジンが好ましいものとして挙げられる。
【0115】
酸変性ブロック共重合体と、NHx(x=0〜2)を有する化合物との配合比は、定量的な反応、経済性、及び未反応物の除去の観点から、NHx(x=0〜2)を有する化合物を、酸変性ブロック共重合体中のカルボン酸基又はその誘導体基の0.3mоl当量以上2.0mоl当量以下ブレンドすることが好ましく、より好ましくは0.3mоl当量以上1.8mоl当量以下、さらに好ましくは0.4mоl当量以上1.5mоl当量以下、さらにより好ましくは0.5mоl当量以上1.3mоl当量以下である。
【0116】
本実施形態の変性ブロック共重合体は、水素化されており、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)は水添物である。
水素化の方法は、上述した通りであるが、水添反応工程は、水添前のブロック共重合体の生成反応停止後のタイミングで実施することが好ましい。
【0117】
本実施形態の変性ブロック共重合体をペレット化することにより、変性ブロック共重合体のペレットを製造することができる。
ペレット化の方法としては、例えば、一軸又は二軸押出機から変性ブロック共重合体をストランド状に押出して、ダイ部前面に設置された回転刃により、水中で切断する方法;一軸又は二軸押出機から変性ブロック共重合体をストランド状に押出して、水冷又は空冷した後、ストランドカッターにより切断する方法;オープンロール、バンバリーミキサーにより溶融混合した後、ロールによりシート状に成型し、更に該シートを短冊状にカットした後に、ペレタイザーにより立方状ペレットに切断する方法等が挙げられる。
なお、ペレットの大きさ、形状は特に限定されない。
【0118】
本実施形態の変性ブロック共重合体は必要に応じてそのペレットに、ペレットブロッキングの防止を目的としてペレットブロッキング防止剤を配合することができる。
ペレットブロッキング防止剤としては、以下に限定されないが、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビスステアリルアミド、タルク、アモルファスシリカ等が挙げられる。
得られるランダムポリプロピレン組成物及びそれを含むチューブ状成形体、シート状成形体の透明性の観点から、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレン、及びポリプロピレンが好ましい。
ペレットブロッキング防止剤の好ましい量としては、変性ブロック共重合体に対して500〜6000ppmである。より好ましい量としては、変性ブロック共重合体に対して1000〜5000ppmである。ペレットブロッキング防止剤は、ペレット表面に付着した状態で配合されていることが好ましいが、ペレット内部にある程度含むこともできる。
【0119】
〔樹脂組成物〕
本実施形態の樹脂組成物は、上述した本実施形態の変性ブロック共重合体と、熱可塑性ポリウレタンとを含有する。
【0120】
熱可塑性ポリウレタンは、ジイソシアネート,長鎖ポリオール及び鎖伸長剤(短鎖ジオール)から構成され、分子中にウレタン結合(−NH−COO−)を有する樹脂である。
熱可塑性ポリウレタンは主に、ハードセグメントがジイソシアネートと鎖伸長剤、ソフトセグメントがジイソシアネートと長鎖ポリオールから構成され、ゴム弾性を有する。
【0121】
熱可塑性ポリウレタンは、好ましくは、数平均分子量が500〜10000の高分子ポリオール、又は有機ジイソシアネート及び鎖伸長剤を反応させて得られる樹脂である。
数平均分子量が500〜10000の長鎖ポリオールとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリエステルジオール、ポリエステエルポリオール、ポリエーテルジオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルエーテルジオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートジオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルカーボネートジオール、ポリブタジエンポリオール、ひまし油ポリオール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールの原料としては、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、セバシン酸、ダイマー酸等の二塩基酸と、芳香族ジオール、脂環式ジオール、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等が挙げられる。
ポリカプロラクトンポリオールとしては、芳香族ジオール、脂環式ジオール、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール、トリメチロールプロパン等の水酸基有する化合物を開始剤とした、ε−カプロラクトンの重合体が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、芳香族ジオール、脂環式ジオール、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジオール、トリメチロールプロパン等と、ジメチルカーボネート等の炭酸時エステルのエステル交換反応体が挙げられる。
ポリブタジエンポリオールは、ポリブタジエンの末端に水酸基を有するものである。
ひまし油ポリオールは、トウゴマの種子から採油される不飽和脂肪酸とグリセリンのエステルである。
有機ジイソシアネートとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、などの芳香族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。
鎖伸長剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、芳香族ジオール、脂環式ジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
【0122】
ここで、高分子ポリオールの数平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定を行い、クロマトグラムのピークの分子量から、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して求めることができる。
【0123】
本実施形態の樹脂組成物は、耐摩耗性と機械強度の観点から、本実施形態の変性ブロック共重合体1〜70質量%と、熱可塑性ポリウレタン30〜99質量%とを含むことが好ましい。
上記観点から、好ましくは、変性ブロック共重合体5〜60質量%と、熱可塑性ポリウレタン40〜95質量%とを含み、より好ましくは、変性ブロック共重合体15〜55質量%と、熱可塑性ポリウレタン45〜85質量%とを含み、さらに好ましくは、変性ブロック共重合体25〜50質量%と、熱可塑性ポリウレタン50〜75質量%とを含む。
【0124】
本実施形態の樹脂組成物は、本実施形態の変性ブロック共重合体と、熱可塑性ポリウレタンに加え、ポリオレフィンを含有してもよい。
ポリオレフィンとしては、以下に限定されないが、機械強度の観点から、ポリプロピレン系樹脂やポリエチレン系樹脂が好ましい。
【0125】
使用されるポリプロピレン系樹脂としては、以下に限定されないが、例えば、結晶性プロピレン単独重合体、結晶性エチレン−プロピレン共重合体、結晶性プロピレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0126】
結晶性エチレン−プロピレン共重合体としては、以下に限定されないが、例えば、プロピレン単独重合体部分とエチレン−プロピレンランダム共重合体部分とからなる結晶性エチレン−プロピレンブロック共重合体が挙げられる。
【0127】
結晶性プロピレン−α−オレフィン共重合体に用いられるα−オレフィンとしては、以下に限定されないが、例えば、炭素数が4以上のα−オレフィンであり、好ましくは炭素数が4〜20のα−オレフィンであり、より好ましくは炭素数が4〜12のα−オレフィンである。
このようなα−オレフィンとしては、以下に限定されないが、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられる。
結晶性プロピレン−α−オレフィン共重合体としては、以下に限定されないが、例えば、結晶性プロピレン−1−ブテン共重合体、結晶性プロピレン−1−ヘキセン共重合体等が挙げられる。
【0128】
このなかでも、結晶性プロピレン単独重合体、結晶性エチレン−プロピレンブロック共重合体、又はそれらの混合物が好ましい。
【0129】
ポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンとの共重合体等が挙げられる。
エチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンとの共重合体の場合、α−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、イソブテン、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1等が挙げられる。この場合、共重合体中のα−オレフィンの割合は30質量%以下であることが好ましい。
【0130】
本実施形態の樹脂組成物が、本実施形態の変性ブロック共重合体と、熱可塑性ポリウレタンと、ポリオレフィンとを含有する樹脂組成物である場合、耐摩耗性及び機械強度の観点から、本実施形態の変性ブロック共重合体1〜98質量%と、熱可塑性ポリウレタン1〜98質量%と、ポリオレフィン1〜98質量%とを含むものであることが好ましい。
より好ましくは、変性ブロック共重合体3〜85質量%と、熱可塑性ポリウレタン10〜92質量%とポリオレフィン3〜87質量%とを含み、さらに好ましくは、変性ブロック共重合体4〜53質量%と、熱可塑性ポリウレタン40〜89質量%とポリオレフィン7〜56質量%とを含み、さらにより好ましくは、変性ブロック共重合体5〜35質量%と、熱可塑性ポリウレタン55〜85質量%とポリオレフィン10〜40質量%とを含む。
【0131】
本実施形態の樹脂組成物は、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)と、NHx(x=1)を有する原子団(C)と、を含む、変性ブロック共重合体1〜98質量%と、
熱可塑性ポリウレタンを1〜98質量%と、
ポリオレフィンを1〜98質量%と、
を、含有する樹脂組成物である。
さらに、本実施形態の樹脂組成物において、
前記共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)が水添物であり、
前記NHx(x=1)を有する原子団(C)が、X−R1−NH−R2の構造であり、
R1はC2〜C22の、置換又は無置換、飽和又は不飽和の炭化水素基であり、
R2はC2〜C13の、置換又は無置換、飽和又は不飽和の炭化水素基であり、
Xは炭素−炭素不飽和結合がグラフト変性により重合体ブロック(A)及び/又は重合体ブロック(B)と化学結合を形成した構造であり、
前記NHx(x=0〜2)を有する原子団(C)を形成する、NHx(x=0〜2)を有する化合物が、以下の条件に記載のものであるものが、好ましい態様である。
(条件):無水マレイン酸変性ブロック共重合体中の無水マレイン酸変性基と、前記NHx(x=0〜2)を有する化合物であるH2N−R−NHx(x=0〜2、RはC2〜C22の、置換又は無置換、飽和又は不飽和の炭化水素基)とを等mol反応させたとき、反応後の変性ブロック共重合体の、230℃, 2.16kg荷重におけるMFR値が、反応前の無水マレイン酸変性ブロック共重合体の230℃, 2.16kg荷重におけるMFR値の0.1倍以上となる。
【0132】
〔樹脂組成物の製造方法〕
本実施形態の変性ブロック共重合体を含有する樹脂組成物の製造方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法が利用できる。
例えば、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、コニーダ、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いて、各成分を溶融混練する方法、各成分を溶解又は分散混合後、溶剤を加熱除去する方法等が用いられる。
本実施形態においては押出機による溶融混練法が生産性、良混練性の観点から好ましい。得られる樹脂組成物の形状に特に制限はないが、ペレット状、シート状、ストランド状、チップ状等を挙げることができる。また、溶融混練後、直接成形品とすることもできる。
【0133】
本実施形態の変性ブロック共重合体を含有する樹脂組成物は、従来公知の方法、例えば、押出成形、射出成形、二色射出成形、サンドイッチ成形、中空成形、圧縮成形、真空成形、回転成形、パウダースラッシュ成形、発泡成形、積層成形、カレンダー成形、ブロー成形等によって、実用上有用な成形品に加工することができる。
また、必要に応じて、発泡、粉末、延伸、接着、印刷、塗装、メッキ等の加工をしてもよい。
かかる成形方法により、シート、フィルム、各種形状の射出成形品、中空成形品、圧空成型品、真空成形品、押出成形品、発泡成形品、不織布や繊維状の成形品、合成皮革等多種多様の成形品として活用でき、これらの成形品は、自動車内外装材、建築材料、玩具、家電部品、医療器具、工業部品、その他雑貨等に利用することができる。
【実施例】
【0134】
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて、本実施形態を詳細に説明するが、本実施形態は、以下の実施例及び比較例により何ら限定されるものではない。
実施例及び比較例において、重合体の構造及び物性の測定は、以下のとおりに行った。
【0135】
((1)変性ブロック共重合体における各重合体ブロックの含有量)
水素化前の変性ブロック共重合体の重合過程のステップ毎にサンプリングしたポリマー溶液を、内部標準としてn−プロビルベンゼン0.50mLと、約20mLのトルエンとを密封した100mLのボトルに、約20mL注入して、サンプルを作製した。
アピエゾングリースを担持させたバックドカラムを装着したガスクロマトグラフィー(島津製作所製:GC−14B)でこのサンプルを測定し、事前に得ていたブタジエンモノマーとスチレンモノマーの検量線からポリマー溶液中の残留モノマー量を求め、ブタジエンモノマー及びスチレンモノマーの重合率が100%であることを確認し、下記式より、各重合体ブロックの含有量を計算した。
なお、ブタジエンの重合率は90℃一定で測定し、スチレンの重合率は90℃(10分ホールド)〜150℃昇温(10℃/分)の条件にて測定を行った。
各ブロックの含有量=〔(各ステップでフィードしたモノマー合計量)/(全モノマー量)〕×100質量%
【0136】
((2)変性ブロック共重合体の水素化前のビニル結合量)
水素化前の変性ブロック共重合体の重合過程のステップ毎、及び重合体ブロック(B)重合途中にサンプリングしたポリマーを用いて、プロトン核磁気共鳴(H−NMR)法により測定した。
測定機器はECS400(JEOL製)、溶媒は重水素化クロロホルムを用い、サンプル濃度は50mg/mLとし、観測周波数は400MHzとし、化学シフト基準にテトラメチルシランを用い、パルスディレイ2.904秒、スキャン回数64回、パルス幅45°、及び測定温度26℃で測定を行った。
ビニル結合量は、1,4−結合及び1,2−結合に帰属されるシグナルの積分値から各結合様式の1Hあたりの積分値を算出した後、1,4−結合と1,2−結合との比率から算出した。
【0137】
((3)水素化変性ブロック共重合体の共役ジエン化合物単位に基づく不飽和結合の水素添加率)
水素化後の重合体を用いて、プロトン核磁気共鳴(H−NMR)により水素添加率を測定した。
測定条件及び測定データの処理方法は、上記(2)と同様とした。
水素添加率は、4.5〜5.5ppmの残存二重結合に由来するシグナル及び水素化された共役ジエンに由来するシグナルの積分値を算出し、その比率を算出した。
【0138】
((4)水素化後の変性ブロック共重合体の共役ジエン化合物単位の合計100mol%に対する、ブチレン量及び/又はプロピレン量)
水素化後の変性ブロック共重合体を用いて、プロトン核磁気共鳴(H−NMR)により測定した。
測定条件及び測定データの処理方法は上記(2)及び(3)と同様とした。
水素化後の変性ブロック共重合体中の共役ジエン化合物単位の合計量に由来するシグナル及び、ブチレン量及び/又はプロピレン量に由来する積分値を算出し、その比率を算出した。
ブチレン比率の算出には、スペクトルの0〜2.0ppmにおけるブチレン(水素化された1,2−結合)に帰属されるシグナルの積分値を使用した。
【0139】
((5)変性ブロック共重合体のビニル芳香族化合物単位の含有量(以下、「スチレン含有量」とも表記する。))
変性ブロック重合体を用いて、プロトン核磁気共鳴(H1−NMR)法により測定した。
測定機器はECS400(JEOL製)、溶媒に重水素化クロロホルムを用い、サンプル濃度は50mg/mL、観測周波数は400MHz、化学シフト基準にテトラメチルシランを用い、パルスディレイ2.904秒、スキャン回数64回、パルス幅45°、及び測定温度26℃で行った。スチレン含有量は、スペクトルの6.2〜7.5ppmにおける総スチレン芳香族シグナルの積算値を用いて算出した。
また、水素化前のブロック共重合体の重合過程のステップ毎にサンプリングしたポリマー毎にビニル芳香族化合物単位の含有量を算出することでも(A)ブロックのスチレン含有量を確認した。
【0140】
((6)変性ブロック共重合体の重量平均分子量及び分子量分布)
GPC〔装置:LC−10(島津製作所製)、カラム:TSKgelGMHXL(4.6mm×30cm)〕で測定した。
溶媒にはテトラヒドロフランを用いて行った。
重量平均分子量は、クロマトグラムのピークの分子量から、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して求めた。
なお、クロマトグラム中にピークが複数有る場合の分子量は、各ピークの分子量と各ピークの組成比(クロマトグラムのそれぞれのピークの面積比より求める)から重量平均分子量を求めた。
分子量分布は、得られた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比から算出した。
【0141】
((7)酸無水物変性水素化ブロック共重合体の酸無水物付加量)
酸無水物変性水素化ブロック共重合体をトルエンに溶解し、ファクターが1±0.05であるナトリウムメトキシドのメタノール溶液で滴定し、酸無水物変性水素化ブロック共重合体の酸無水物付加量を算出した。
【0142】
((8)NHx(x=0〜2)を有する化合物と酸無水物の反応率)
赤外分光光度計(Thermo Fisher scientific社製、Nicolet iS10 FT−IR分光装置)を用い、酸無水物のピークの減少量から反応率を算出した。
酸無水物が無水マレイン酸の場合、1790cm−1付近の無水マレイン酸由来のピークの減少量から反応率を算出した。
【0143】
((9)1重合鎖あたりの変性基の数)
下記式により、1重合鎖あたりの変性基の数を算出した。
(1重合鎖あたりの変性基の数)
=(重合に使用するモノマー量と重合開始剤量及び水素化率から求められる未変性の共重合体の理論分子量)×酸無水物付加量(部)/100(部)/酸無水物の分子量×(NHx(x=0〜2)を有する化合物と酸無水物の反応率)
(末端変性ブロック共重合体中の1重合鎖あたりの変性基の数)
シリカゲルを充填材としたGPCカラムに変性した成分が吸着する特性を応用し、変性ブロック共重合体と低分子量内部標準ポリスチレンを含む試料溶液について、上記(6)で測定したクロマトグラム中の標準ポリスチレンに対する変性ブロック共重合体の割合と、シリカ系カラムGPC〔装置:LC−10(島津製作所製)、カラム:Zorbax(デュポン社製)〕で測定したクロマトグラム中の標準ポリスチレンに対する変性共重合体の割合を比較し、それらの差分よりシリカカラムへの吸着量を測定し、この割合を変性共重合体の1重合鎖あたりの変性基の数とした。
【0144】
((10)変性ブロック共重合体のMFR)
変性ブロック共重合体のMFRは、ISO 1133に準拠して、230℃、2.16kg荷重で測定した。
変性ブロック共重合体のMFR値から、次の基準で流動性を評価した。
○:変性ブロック共重合体のMFR値が1.0g/10min以上
△:変性ブロック共重合体のMFR値が0.5g/10min以上1.0g/10min未満
×:0.5g/10min未満
さらに、実施例及び比較例のMFR値を、アミン変性前の酸変性体のMFR値で割った値を、MFR値の比率として算出した。
アミン変性前の酸変性体のMFR値を下記に示す。
(a−2)=3.4g/10min
(a−5)=5g/10min
(a−11)=5.3g/10min
(a−14)=10g/10min
【0145】
((11)樹脂組成物のMFR)
<TPU(熱可塑性ポリウレタン)/変性ブロック共重合体の樹脂組成物のMFR値>
TPU/変性ブロック共重合体の樹脂組成物のMFR値は、ISO 1133に準拠して、200℃、2.16kgの荷重で測定した。
<TPU/ポリオレフィン/変性ブロック共重合体の樹脂組成物のMFR>
TPU/ポリオレフィン/変性ブロック共重合体の樹脂組成物のMFR値は、ISO 1133に準拠して、200℃、2.16kgの荷重で測定した。
これらのMFR値から、次の基準で流動性を評価した。
○:変性ブロック共重合体の樹脂組成物のMFR値が2.0g/10min以上12.0g/10min未満
△:2.0g/10min未満
×:12.0g/10min以上
【0146】
((12)変性ブロック共重合体の樹脂組成物の比重)
JIS K7112 A法に従い、23℃での比重を測定した。
次の基準で軽量性を評価した。
○:樹脂組成物の比重が1.21(TPU単体の比重)未満
×:樹脂組成物の比重が1.21(TPU単体の比重)以上
【0147】
((13)引張強度(Tb)、破断伸び(Eb))
JISK6251に従い、3号ダンベル、クロスヘッドスピード500mm/分で測定した。各組成につき3個以上の試験片について試験を行い、その平均値を物性値とした。
変性ブロック共重合体樹脂組成物の機械物性から、次の基準で機械物性を評価した。
<TPU/変性ブロック共重合体の樹脂組成物のTbの評価>
〇:変性ブロック共重合体の樹脂組成物のTbが20MPa以上
△:変性ブロック共重合体の樹脂組成物のTbが15MPa以上20MPa未満
×:変性ブロック共重合体の樹脂組成物のTbが15MPa未満
<TPU/ポリオレフィン/変性ブロック共重合体の樹脂組成物のTbの評価>
○:変性ブロック共重合体の樹脂組成物のTbが14MPa以上
△:変性ブロック共重合体の樹脂組成物のTbが11MPa以上14MPa未満
×:変性ブロック共重合体の樹脂組成物のTbが11MPa未満
<TPU/ポリオレフィン/変性ブロック共重合体の樹脂組成物のEbの評価>
○:変性ブロック共重合体の樹脂組成物のEbが600%以上
△:変性ブロック共重合体の樹脂組成物のEbが500%以上600%未満
×:変性ブロック共重合体の樹脂組成物のEbが500%未満
【0148】
((14)耐摩耗性(テーバー摩耗試験))
テーバー摩耗試験器(テスター産業株式会社製、AB−101型)を用い、摩耗輪H−22、荷重1kg、60rpmで、変性ブロック共重合体の樹脂組成物の摩耗試験を行い、試験前と1000回転後の変性ブロック共重合体の樹脂組成物の減少質量を測定した。
変性ブロック共重合体の樹脂組成物の減少質量から、次の基準で耐摩耗性を評価した。
<TPU/変性ブロック共重合体の樹脂組成物のテーバー摩耗の評価>
○:変性水添ブロック共重合体の樹脂組成物の減少質量が250mg未満
△:変性水添ブロック共重合体の樹脂組成物の減少質量が250mg以上450mg未満
×:変性水添ブロック共重合体の樹脂組成物の減少質量が450mg以上
<TPU/ポリオレフィン(c−1)/変性ブロック共重合体の樹脂組成物のテーバー摩耗の評価>
○:変性水添ブロック共重合体の樹脂組成物の減少質量が120mg未満
△:変性水添ブロック共重合体の樹脂組成物の減少質量が120mg以上200mg未満
×:変性水添ブロック共重合体の樹脂組成物の減少質量が200mg以上
<TPU/ポリオレフィン(c−2)/変性ブロック共重合体の樹脂組成物のテーバー摩耗の評価>
○:変性水添ブロック共重合体の樹脂組成物の減少質量が120mg未満
△:変性水添ブロック共重合体の樹脂組成物の減少質量が120mg以上140mg未満
×:変性水添ブロック共重合体の樹脂組成物の減少質量が140mg以上
【0149】
ポリオレフィン(c−1)を使用する場合と、ポリオレフィン(c−2)を使用する場合で、テーパー摩耗の評価基準が異なるが、これは、(c−1)は、人や物と接触する回数が比較的少ない部品に使用されるために耐摩耗性の要求が比較的小さいのに対し、(c−2)は柔らかい特徴を生かし、シフトノブ等の人が頻繁に触れる部分に用いられるため、より高い耐摩耗性が要求されるという背景に基づき、上記基準にて評価を行うこととした。
また、TPU/ポリオレフィン/変性ブロック共重合体の樹脂組成物において、ポリオレフィンと変性ブロック共重合体の相容性が悪い場合、変性ブロック共重合体の変性基とTPUとの相容性によっては、樹脂組成物の中で島相を形成するTPUまたはポリオレフィンの分散が不良となり、耐摩耗性が悪化する。
【0150】
((15)動的粘弾性)
動的粘弾性測定装置(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン、ARES−G2型)を用い、下記の方法により、貯蔵弾性率G’(Pa)を測定した。
TPU/変性ブロック共重合体を厚さ2mmのシートに成型した後に、幅10mm、長さ35mmのサイズにカットし、測定用の試料とした。
動的粘弾性測定装置のひねりタイプで、実行測定長さは25mm、ひずみ0.5%、周波数1Hz、測定範囲−80℃から220℃まで、昇温速度3℃/分の条件により測定した。200℃におけるG’(Pa)から、高温の形状安定性を評価した。
○:G’(Pa)が30000Pa以上
△:G’(Pa)が12000Pa以上30000Pa未満
×:G’(Pa)が12000Pa未満
【0151】
以下の材料を用いて、変性ブロック共重合体を製造した。
無水マレイン酸(扶桑化学工業(株)製)
ラジカル発生剤:パーヘキサ25B(日油(株)製)
アミンを有する化合物:N−(3−アミノプロピル)シクロヘキシルアミン、N−ベンジルエチレンジアミン、N,N’−1,6−ジメチル−ジアミノヘキサン、1,6−ジアミノヘキサン、N−5−(アミノペンチル)アセトアミド, 1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(全て東京化成工業(株)製)
ナイロン6:SF1013A(宇部興産(株)製)
【0152】
〔実施例1〕
(水添触媒の調製)
ブロック共重合体の水添反応に用いた水添触媒を、下記の方法で調製した。
窒素置換した反応容器に、乾燥及び精製したシクロヘキサン1Lを入れ、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド100ミリモルを添加し、十分に攪拌しながらトリメチルアルミニウム200ミリモルを含むn−ヘキサン溶液を添加して、室温にて約3日間反応させ、水添触媒を得た。
【0153】
(変性ブロック共重合体の製造)
<工程1>
内容積が10Lの攪拌装置、及びジャケット付き槽型反応器を使用してバッチ重合を行った。
反応基に1Lのシクロヘキサンを入れ、n−ブチルリチウムを全モノマー100質量部に対して0.13質量部と、TMEDA(テトラメチルエチレンジアミン)をn−ブチルリチウム1モルに対して0.3モル添加した。
次に、ブタジエン9質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で20分間重合した。
次に、スチレン16質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、70℃で45分重合した。
次に、ブタジエン59質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で1時間重合した。
次に、スチレン16質量部を含むシクロヘキサン溶液を投入して、70℃で45分間重合した。
次に、反応終了後にメタノールを添加し、ブロック共重合体を得た。
【0154】
<工程2>
得られたブロック共重合体に、上述した水添触媒を、ブロック共重合体100質量部当たりにチタン換算濃度100ppmとなるように添加し、水素圧0.7MPa、温度70℃で水添反応を行った。
水添反応後、安定剤として、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、ブロック共重合体に対して0.3質量部添加し、未変性で水素化されたブロック共重合体(a−1)を製造した。
得られた未変性で水素化されたブロック共重合体(a−1)の水素添加率は99mol%であった。
得られたポリマーは、スチレン含有量32質量%、ブタジエン部のビニル結合量36mol%、ブチレン量は36mol%、重量平均分子量7.5万、分子量分布1.2であった。
【0155】
<工程3>
次に、ペレット状にした未変性で水素化されたブロック共重合体(a−1)を100質量部と、無水マレイン酸を0.5質量部と、パーヘキサ25Bを0.1質量部とをドライブレンドして、二軸押出機TEX30((株)日本製鋼所製)で、シリンダー設定温度210℃、スクリュー回転数253rpm、吐出量5kg/時間で溶融混練し、無水マレイン酸変性水素化ブロック共重合体(a−2)を製造した。
無水マレイン酸の付加量は、未変性で水素化されたブロック共重合体(a−1)100質量部に対し、0.4質量部であった。
無水マレイン酸変性水素化ブロック共重合体(a−2)の230℃, 2.16kg荷重におけるMFR値は3.4g/minであった。
【0156】
<工程4>
次に、ペレット状にした無水マレイン酸変性水素化ブロック共重合体(a−2)と、当該(a−2)に含まれる無水マレイン酸と等mоlの、(NHxを有する化合物)N−(3−アミノプロピル)シクロヘキシルアミンをドライブレンドし、二軸押出機TEX30((株)日本製鋼所製)で、シリンダー設定温度210℃、スクリュー回転数205rpm、吐出量3kg/時間で溶融混練し、変性ブロック共重合体(a−3)を製造した。
変性ブロック共重合体(a−3)の230℃, 2.16kg荷重におけるMFR値は3.2g/minであった。NHx(x=0〜2)を有する化合物と酸無水物の反応率は100%であり、1重合鎖あたりの変性基の数は2.1個であった。
【0157】
〔実施例2〕
前記<工程4>で、「NHxを有する化合物」として、N−ベンジルエチレンジアミンを用いた。
その他の条件は、〔実施例1〕と同様の条件で実施し、変性ブロック共重合体(a−4)を製造した。
変性ブロック共重合体(a−4)の230℃, 2.16kg荷重におけるMFR値は2.5g/minであった。NHx(x=0〜2)を有する化合物と酸無水物の反応率は100%であり、1重合鎖あたりの変性基の数は2.1個であった。
【0158】
〔実施例3〕
前記<工程3>で、無水マレイン酸を2.1質量部と、パーヘキサ25Bを0.12質量部用い、シリンダー設定温度を180℃とした。その他の条件は、〔実施例1〕と同様の条件で実施し、無水マレイン酸の付加量が未変性水素化ブロック共重合体100質量部に対し、1.5質量部である、無水マレイン酸変性水素化ブロック共重合体(a−5)を製造した。
無水マレイン酸変性水素化ブロック共重合体(a−5)の230℃, 2.16kg荷重におけるMFR値は5.0g/minであった。
前記<工程4>で、N−ベンジルエチレンジアミンを用いた。その他の条件は、〔実施例1〕と同様の条件で実施し、変性ブロック共重合体(a−6)を製造した。
変性ブロック共重合体(a−6)の230℃, 2.16kg荷重におけるMFR値は5.2g/minであった。NHx(x=0〜2)を有する化合物と酸無水物の反応率は100%であり、1重合鎖あたりの変性基の数は7.7個であった。
【0159】
〔実施例4〕
前記<工程4>で、N,N’−1,6−ジメチル−ジアミノヘキサンを用いた。その他の条件は、〔実施例1〕と同様の条件で実施し、変性ブロック共重合体(a−7)を製造した。
変性ブロック共重合体(a−7)の230℃, 2.16kg荷重におけるMFR値は0.5g/minであった。NHx(x=0〜2)を有する化合物と酸無水物の反応率は100%であり、1重合鎖あたりの変性基の数は2.1個であった。
【0160】
〔比較例1〕
前記<工程4>で、1,6−ジアミノヘキサンを用いた。その他の条件は、〔実施例1〕と同様の同条件で実施し、変性ブロック共重合体(a−8)を製造した。
変性ブロック共重合体(a−8)の230℃, 2.16kg荷重におけるMFR値は0.1g/minであった。NHx(x=0〜2)を有する化合物と酸無水物の反応率は100%であり、1重合鎖あたりの変性基の数は2.1個であった。
【0161】
〔実施例5〕
前記<工程4>で、N−5−(アミノペンチル)アセトアミドを用いた。その他の条件は、〔実施例1〕と同様の条件で実施し、変性ブロック共重合体(a−9)を製造した。
変性ブロック共重合体(a−9)の230℃, 2.16kg荷重におけるMFR値は0.9g/minであった。NHx(x=0〜2)を有する化合物と酸無水物の反応率は100%であり、1重合鎖あたりの変性基の数は7.7個であった。
【0162】
〔実施例6〕
<工程1>
内容積が10Lの攪拌装置、及びジャケット付き槽型反応器を使用してバッチ重合を行った。
反応基に1Lのシクロヘキサンを入れ、n−ブチルリチウムを全モノマー100質量部に対して0.12質量部と、TMEDA(テトラメチルエチレンジアミン)をn−ブチルリチウム1モルに対して0.33モル添加した。
次に、ブタジエン5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で20分間重合した。
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、70℃で45分重合した。
ブタジエン76質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で1時間重合した。
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液を投入して、70℃で45分間重合した。反応終了後にメタノールを添加し、ブロック共重合体を得た。
【0163】
<工程2>
得られたブロック共重合体に、上述した水添触媒を、ブロック共重合体100質量部当たりにチタン換算濃度100ppmとなるように添加し、水素圧0.7MPa、温度70℃で水添反応を行った。
水添反応終了後、安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、ブロック共重合体に対して0.3質量部添加し、未変性で水素化されたブロック共重合体(a−10)を製造した。
得られた未変性で水素化されたブロック共重合体(a−10)の水素添加率は99mol%であった。
得られたポリマーは、スチレン含有量19質量%、ブタジエン部のビニル結合量36mol%、ブチレン量は36mol%、重量平均分子量8.3万、分子量分布1.2であった。
【0164】
<工程3>
次に、ペレット状にした未変性で水素化されたブロック共重合体(a−10)を100質量部と、無水マレイン酸を2.1質量部と、パーヘキサ25Bを0.12質量部とをドライブレンドして、二軸押出機TEX30((株)日本製鋼所製)で、シリンダー設定温度210℃、スクリュー回転数253rpm、吐出量5kg/時間で溶融混練し、無水マレイン酸変性水素化ブロック共重合体(a−11)を製造した。
無水マレイン酸の付加量は、未変性で水素化されたブロック共重合体(a−11)100質量部に対し、1.5質量部であった。無水マレイン酸変性水素化ブロック共重合体(a−11)の230℃, 2.16kg荷重におけるMFR値は5.3g/minであった。
【0165】
<工程4>
次に、ペレット状にした無水マレイン酸変性水素化ブロック共重合体(a−11)と、当該(a−11)に含まれる無水マレイン酸と等mоlの、(NHxを有する化合物)N−ベンジルエチレンジアミンをドライブレンドし、二軸押出機TEX30((株)日本製鋼所製)で、シリンダー設定温度210℃、スクリュー回転数205rpm、吐出量3kg/時間で溶融混練し、変性ブロック共重合体(a−12)を製造した。
変性ブロック共重合体(a−12)の230℃, 2.16kg荷重におけるMFR値は1.4g/minであった。NHx(x=0〜2)を有する化合物と酸無水物の反応率は100%であり、1重合鎖あたりの変性基の数は8.4個であった。
【0166】
〔実施例7〕
<工程1>
内容積が10Lの攪拌装置、及びジャケット付き槽型反応器を使用してバッチ重合を行った。
反応基に1Lのシクロヘキサンを入れ、n−ブチルリチウムを全モノマー100質量部に対して0.07質量部と、TMEDA(テトラメチルエチレンジアミン)をn−ブチルリチウム1モルに対して1.8モル、およびナトリウムアルコキシドをn−ブチルリチウム1モルに対して0.05モル添加した。
次に、ブタジエン5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で20分間重合した。
次に、スチレン7質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、70℃で45分重合した。
次に、ブタジエン82質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて50℃で80分重合した。
次に、スチレン6質量部を含むシクロヘキサン溶液を投入して、70℃で45分間重合した。
次に、反応終了後にメタノールを添加し、ブロック共重合体を得た。
【0167】
<工程2>
得られたブロック共重合体に、上述した水添触媒を、ブロック共重合体100質量部当たりにチタン換算濃度100ppmとなるように添加し、水素圧0.7MPa、温度70℃で水添反応を行った。
水添反応終了後、次に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、ブロック共重合体に対して0.3質量部添加し、未変性で水素化されたブロック共重合体(a−13)を製造した。
得られた未変性で水素化されたブロック共重合体(a−13)の水素添加率は99mol%であった。
得られたポリマーは、スチレン含有量13質量%、ブタジエン部のビニル結合量78mol%、ブチレン量は78mol%、重量平均分子量15.0万、分子量分布1.2であった。
【0168】
<工程3>
次に、ペレット状にした未変性で水素化されたブロック共重合体(a−13)を100質量部と、無水マレイン酸を1.8質量部と、パーヘキサ25Bを0.1質量部とをドライブレンドして、二軸押出機TEX30((株)日本製鋼所製)で、シリンダー設定温度210℃、スクリュー回転数253rpm、吐出量5kg/時間で溶融混練し、無水マレイン酸変性水素化ブロック共重合体(a−14)を製造した。
無水マレイン酸の付加量は、未変性で水素化されたブロック共重合体(a−13)100質量部に対し、0.9質量部であった。無水マレイン酸変性水素化ブロック共重合体(a−14)の230℃, 2.16kg荷重におけるMFR値は10g/minであった。
【0169】
<工程4>
次に、ペレット状にした無水マレイン酸変性水素化ブロック共重合体(a−14)と、当該(a−14)に含まれる無水マレイン酸と等mоlの、(NHxを有する化合物)N−ベンジルエチレンジアミンをドライブレンドし、二軸押出機TEX30((株)日本製鋼所製)で、シリンダー設定温度210℃、スクリュー回転数205rpm、吐出量3kg/時間で溶融混練し、変性ブロック共重合体(a−15)を製造した。変性ブロック共重合体(a−15)の230℃, 2.16kg荷重におけるMFR値は7.0g/minであった。NHx(x=0〜2)を有する化合物と酸無水物の反応率は100%であり、1重合鎖あたりの変性基の数は8.6個であった。
【0170】
〔実施例8〕
(a−2)に含まれる無水マレイン酸に対して0.75mоl当量の、(NHxを有する化合物)N−ベンジルエチレンジアミンを用いた。その他の条件は、〔実施例1〕と同様の条件で実施し、変性ブロック共重合体(a−16)を製造した。変性ブロック共重合体(a−16)の230℃, 2.16kg荷重におけるMFR値は2.4g/minであった。NHx(x=0〜2)を有する化合物と酸無水物の反応率は75%であり、1重合鎖あたりの変性基の数は1.5個であった。
【0171】
〔比較例2〕
<工程1>
内容積が10Lの攪拌装置、及びジャケット付き槽型反応器を使用してバッチ重合を行った。
反応基に1Lのシクロヘキサンを入れ、n−ブチルリチウムを全モノマー100質量部に対して0.07質量部と、TMEDA(テトラメチルエチレンジアミン)をn−ブチルリチウム1モルに対して1.8モル、およびナトリウムアルコキシドをn−ブチルリチウム1モルに対して0.05モル添加した。
次に、ブタジエン5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で20分間重合した。
次に、スチレン7質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、70℃で45分重合した。
次に、ブタジエン82質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて50℃で80分重合した。
最後にスチレン6質量部を含むシクロヘキサン溶液を投入して、70℃で45分間重合した。
次に、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(以下「DMI」とも略記される。)をn−ブチルリチウム1モルに対して等モル添加し、70℃で10分反応させた。
次に、反応終了後にメタノールを添加し、工程1により、変性ブロック共重合体を得た。
【0172】
<工程2>
得られたブロック共重合体に、上述した水添触媒を、ブロック共重合体100質量部当たりにチタン換算濃度100ppmとなるように添加し、水素圧0.7MPa、温度70℃で水添反応を行った。
水添反応終了後、次に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、ブロック共重合体に対して0.3質量部添加し、水素化された変性ブロック共重合体(a−17)を製造した。
得られた水素化された変性ブロック共重合体(a−17)の水素添加率は72mol%、変性率は65%(1重合鎖あたりの変性基の数は0.65個)であった。
得られたポリマーは、スチレン含有量32質量%、ブタジエン部のビニル結合量36mol%、ブチレン量は36mol%、重量平均分子量7.5万、分子量分布1.2であった。
【0173】
〔比較例3〕
ペレット状にした無水マレイン酸変性水素化ブロック共重合体(a−5)と、当該(a−5)に含まれる無水マレイン酸と等mоlの、(NHxを有する化合物)ポリアミド(ナイロン−6)をドライブレンドし、二軸押出機TEX30((株)日本製鋼所製)で、シリンダー設定温度275℃、スクリュー回転数205rpm、吐出量3kg/時間で溶融混練し、変性ブロック共重合体(a−18)を製造した。変性ブロック共重合体(a−18)の230℃, 2.16kg荷重におけるMFR値は0.0g/minであった。1重合鎖あたりの変性基の数は7.7個であった。
【0174】
〔実施例9〕
(a−2)に含まれる無水マレイン酸に対して1.0mоl当量の、(NHxを有する化合物)N−(2−アミノエチル)ピペラジンを用いた。その他の条件は、〔実施例1〕と同様の条件で実施し、変性ブロック共重合体(a−19)を製造した。変性ブロック共重合体(a−19)の230℃, 2.16kg荷重におけるMFR値は1.6g/minであった。NHx(x=0〜2)を有する化合物と酸無水物の反応率は100%であり、1重合鎖あたりの変性基の数は2.1個であった。
【0175】
〔変性ブロック共重合体を含有する樹脂組成物の製造〕
下記表に記載の、〔実施例10〜45〕、〔比較例4〜14〕の配合量(単位は「質量部」)に基づき、以下の材料を用いて、樹脂組成物を製造し、さらにその成型シートを作製した。
未変性で水素化されたブロック共重合体:a−1
変性ブロック共重合体:a−3、a−4、a−6、a−7、a−8、a−9、a−12、a−15、a−16、a−17、a−18、a−19
TPU:エラストランET−685(BASFジャパン(株)製、比重1.21)(b−1)
TPU:エラストランET−385(BASFジャパン(株)製、比重1.12)(b−2)
ポリオレフィン:ブロックポリプロピレンPM472W(サンアロマー(株)製)(c−1)
ポリオレフィン:低密度ポリエチレンサンテックM2115(旭化成(株)製)(c−2)
【0176】
なお、下記表において、TPUを「ET−685(b−1)」、「ET−385(b−2)」と表記し、ポリオレフィンを「PM472W(c−1)」、「M2115(c−2)」と表記する。
【0177】
〔実施例10、12〕
変性ブロック共重合体(a−4)と(b−1)をドライブレンドし、二軸押出機TEX30((株)日本製鋼所製)で、シリンダー設定温度200℃、スクリュー回転数253rpm、吐出量5kg/時間で溶融混練し、樹脂組成物を製造した。
その後、4インチロールにて170℃でロール出しを行い、その後、油圧プレスにて200℃、100kg/cmでプレス成型を行い、2mm厚の成型シートを作製した。
【0178】
〔実施例11、13〕
変性ブロック共重合体(a−6)を用いた。その他の条件は、〔実施例10、12〕と同様として実施し、2mm厚の成型シートを作製した。
【0179】
〔比較例4、5〕
未変性で水素化されたブロック共重合体(a−1)を用いた。その他の条件は、〔実施例10、12〕と同様として実施し、2mm厚の成型シートを作製した。
【0180】
〔実施例14、24、25、26、20、33、34〕
変性ブロック共重合体(a−3)と、(b−1)と、(c−1)または(c−2)とをドライブレンドし、二軸押出機TEX30((株)日本製鋼所製)で、シリンダー設定温度200℃、スクリュー回転数253rpm、吐出量5kg/時間で溶融混練し、樹脂組成物を製造した。
その後、4インチロールにて170℃でロールだしを行い、その後、油圧プレスにて200℃、100kg/cmでプレス成型を行い、2mm厚の成型シートを作製した。
【0181】
〔実施例15、27、28、29、21、35,36〕
変性ブロック共重合体(a−4)を用いた。
その他の条件は、〔実施例14、24、25、26、20、33、34〕と同様として実施し、2mm厚の成型シートを作製した。
【0182】
〔実施例16、30、31、32、22、37、38〕
変性ブロック共重合体(a−6)を用いた。その他の条件は、〔実施例14、24、25、26、20、33、34〕と同様として実施し、2mm厚の成型シートを作製した。
【0183】
〔実施例17、39〕
変性ブロック共重合体(a−8)を用いた。その他の条件は、〔実施例14、33〕と同様として実施し、2mm厚の成型シートを作製した。
【0184】
〔実施例18〕
変性ブロック共重合体(a−9)を用いた。その他の条件は、〔実施例14〕と同様として実施し、2mm厚の成型シートを作製した。
【0185】
〔実施例19、23、40、41〕
変性ブロック共重合体(a−12)を用いた。その他の条件は、〔実施例14,20、33、34〕と同様として実施し、2mm厚の成型シートを作製した。
【0186】
〔実施例42〕
変性ブロック共重合体(a−16)を用いた。その他の条件は、〔実施例33〕と同様として実施し、2mm厚の成型シートを作製した。
【0187】
〔実施例43〕
変性ブロック共重合体(a−4)を用いた。その他の条件は、〔実施例33〕と同様として実施し、2mm厚の成型シートを作製した。
【0188】
〔実施例44〕
変性ブロック共重合体(a−4)と、(b−2)を用いた。その他の条件は、〔実施例33〕と同様として実施し、2mm厚の成型シートを作製した。
【0189】
〔実施例45〕
変性ブロック共重合体(a−19)と、(b−2)を用いた。その他の条件は、〔実施例33〕と同様として実施し、2mm厚の成型シートを作製した。
【0190】
〔比較例6、9、10、11、12、13、14〕
未変性で水素化されたブロック共重合体(a−1)を用いた。その他の条件は、〔実施例14、24、25、26、33、34、44〕と同様として実施し、2mm厚の成型シートを作製した。
【0191】
〔比較例7〕
変性ブロック共重合体(a−17)を用いた。その他の条件は、〔実施例14〕と同様として実施し、2mm厚の成型シートを作製した。
【0192】
〔比較例8〕
変性ブロック共重合体(a−18)を用いた。その他の条件は、〔実施例14〕と同様として実施し、2mm厚の成型シートを作製した。
【0193】
【表1】
【0194】
【表2】
【0195】
【表3】
【0196】
【表4】
【0197】
【表5】
【0198】
【表6】
【0199】
【表7】
【0200】
【表8】
【0201】
【表9】
【0202】
【表10】
【0203】
【表11】
【0204】
実施例1〜9で得られた変性ブロック共重合体は良好な流動性を有しており、実施例1〜9の変性ブロック共重合体を用いた実施例10〜45の樹脂組成物はTPUの特徴である機械強度及び耐摩耗性のバランスに優れていた。
これに対し、比較例4〜14の樹脂組成物は機械強度及び耐摩耗性のバランスが劣る結果となった。
【0205】
本出願は、2017年5月12日に日本国特許庁に出願された日本特許出願(特願2017−095959)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
【産業上の利用可能性】
【0206】
本発明の熱可塑性ポリウレタンを含む組成物は、TPUの特徴である機械強度及び耐摩耗性のバランスに優れ、かつ軽量化されたものである。本発明の熱可塑性ポリウレタンを含む組成物は、上記の優れた特性を有しているため、自動車部品(インパネ表皮、ギアノブ表皮、コンソールボックス表皮、レザーシート、バンパー・サイドモール、テールランプシール、スノーチェーン、ブッシュ、ダストカバー、ギア、シール剤、軸受、キャップ、ボールジョイント、ペダルストッパー、ドアーロックストライカー、スプリングカバー、防振部品など)工業部品(各種ギア、各種グリップ、ソリッドタイヤ、キャスター、ローラー、防振・防音部品、ピッカー、ブッシュ、軸受、スリップ止め、建材、ギア、シール材、パッキン、キャップ、時計ベルト、タイプライター部品、コネクター、ラバースクリーン、印字ドラム、クリスカバー、ハンマー、ダストカバー、フルイ部品、ボールジョイントなど)、ホース(高圧ホース、消防ホース、空圧チューブ、油圧チューブ、農薬用ホース、塗装用ホースなど)、チューブ(燃料チューブ、透析用チューブ、動脈・静脈チューブ、心臓用チューブなど)、フィルム(傷付き防止用フィルム、柔軟フィルム、梱包の緩衝フィルム、医療用サージカルフィルムなど)、シート(エアマット、看護用別途シート、ダイヤフラム、キーボードシート、ラバースクリーン、コンベアベルト、ガスケット、合成皮革、人工皮革、伸縮シート、ターポリン、医療、ライフジャケット、ウェットスーツ、おむつ用品など)、ベルト(コンベアベルト、タイミングベルト、丸ベルト、Vベルト、平ベルトなど)、家電用品、電線ケーブル(電力、通信ケーブル、自動車用ABSセンサーケーブル、ロボットケーブル、産業用ケーブル、コンピューター配線など)、医療用品(ドレッシング材、カテーテル、ローブ、絆創膏など)、衛生用品、スポーツ用品(スポーツシューズ、登山靴、スキー靴、スキー板、スノーボード、モトクロスブーツ、ゴルフボールカバー、足ひれなど)、工業用品、接着剤、コーティング材、バインダー、シーリング材その他雑貨等の用途としての産業上の利用可能性を有する。