(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1コア側誘導溝は、前記コアの前記底面部の径方向の前記内側端部から前記外側端部まで連続して延びるように形成され、前記第1コア側誘導溝の一部は、前記複数のスリットのそれぞれに係合される前記タブに覆われるように構成されている、請求項2に記載の流体伝動装置。
前記コアは、前記第1コア側誘導溝の延びる方向と交差する方向に延びるとともに、前記スリットに到達するように設けられる第2コア側誘導溝を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の流体伝動装置。
前記第2コア側誘導溝は、前記タブと前記スリットとの間に設けられ、周方向に隣り合う前記スリットに前記ロウ材が導かれるように形成され、前記第1コア側誘導溝に繋がることによりロウ材供給経路を形成している、請求項6に記載の流体伝動装置。
前記ポンプおよび前記タービンのそれぞれの前記コアには、前記ポンプの前記コアに形成される前記第1コア側誘導溝および前記第2コア側誘導溝と、前記タービンの前記コアに形成される前記第1コア側誘導溝および前記第2コア側誘導溝とが共通して形成されている、請求項6〜8のいずれか1項に記載の流体伝動装置。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第1実施形態による流体伝動装置の模式的な縦断面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態による流体伝動装置のポンプを示した平面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態による流体伝動装置のポンプコアを示した平面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態による流体伝動装置のポンプの一部を拡大した部分拡大図である。
【
図5】
図4の100−100線に沿った断面図である。
【
図6】
図4の110−110線に沿った断面図である。
【
図7】本発明の第1実施形態による流体伝動装置に形成に用いられるロウ材を示した平面図である。
【
図8】本発明の第1実施形態による流体伝動装置のタブの上にロウ材を載置した状態を示した部分拡大図である。
【
図9】本発明の第1実施形態による流体伝動装置のポンプコアの一部を拡大した部分拡大図である。
【
図10】本発明の第1実施形態による流体伝動装置のポンプコアにおいてタブの上にロウ材を載置した状態を示した模式的な横断面図である。
【
図11】本発明の第1実施形態による流体伝動装置のポンプコアにおいてロウ材が溶けた状態を示した模式的な横断面図である。
【
図12】本発明の第1実施形態による流体伝動装置のポンプコアにおいてロウ材が固まった状態を示した模式的な横断面図である。
【
図13】本発明の第1実施形態による流体伝動装置のポンプコアにおいてロウ材が溶けた状態を示した模式的な縦断面図である。
【
図14】本発明の第1実施形態による流体伝動装置のポンプコアにおいてロウ材が固まった状態を示した模式的な縦断面図である。
【
図15】本発明の第1実施形態による流体伝動装置のタービンを示した平面図である。
【
図16】本発明の第1実施形態による流体伝動装置のタービンコアを示した平面図である。
【
図17】本発明の第1実施形態による流体伝動装置のタービンコアの一部を拡大した部分拡大図である。
【
図18】本発明の第1実施形態による流体伝動装置のタービンの一部を拡大した部分拡大図である。
【
図21】本発明の第2実施形態による流体伝動装置のポンプを示した平面図である。
【
図22】本発明の第2実施形態による流体伝動装置のポンプの一部を拡大した部分拡大図である。
【
図23】本発明の第2実施形態による流体伝動装置のポンプコアを示した平面図である。
【
図24】本発明の第2実施形態による流体伝動装置のポンプコアの一部を拡大した部分拡大図である。
【
図25】本発明の第3実施形態による流体伝動装置のポンプを示した平面図である。
【
図26】本発明の第3実施形態による流体伝動装置のポンプコアを示した平面図である。
【
図27】本発明の第3実施形態による流体伝動装置のポンプコアの一部を拡大した部分拡大図である。
【
図28】本発明の第3実施形態による流体伝動装置のポンプの一部を拡大した部分拡大図である。
【
図29】本発明の第4実施形態による流体伝動装置のポンプを示した平面図である。
【
図30】本発明の第4実施形態による流体伝動装置のポンプコアを示した平面図である。
【
図31】本発明の第4実施形態による流体伝動装置のポンプコアの一部を拡大した部分拡大図である。
【
図32】本発明の第4実施形態による流体伝動装置のポンプの一部を拡大した部分拡大図である。
【
図33】本発明の第5実施形態による流体伝動装置のポンプを示した平面図である。
【
図34】本発明の第5実施形態による流体伝動装置のポンプの一部を拡大した部分拡大図である。
【
図35】本発明の第5実施形態による流体伝動装置のポンプコアを示した平面図である。
【
図38】本発明の第5実施形態による流体伝動装置のポンプコアの一部を拡大した部分拡大図である。
【
図39】本発明の第5実施形態による流体伝動装置のポンプコアの底面部においてロウ材が毛細管現象により上昇する状態を示した模式的な横断面図である。
【
図40】本発明の第5実施形態による流体伝動装置のポンプコアにおいてロウ材が固まった状態を示した模式的な縦断面図である。
【
図41】本発明の第6実施形態による流体伝動装置のポンプを示した平面図である。
【
図42】本発明の第6実施形態による流体伝動装置のポンプの一部を拡大した部分拡大図である。
【
図45】本発明の第6実施形態による流体伝動装置のポンプコアを示した平面図である。
【
図46】本発明の第6実施形態による流体伝動装置のポンプコアの一部を拡大した部分拡大図である。
【
図47】本発明の第6実施形態による流体伝動装置のポンプコアにおいて溶けたロウ材が第1ポンプコア側誘導溝により移動する状態を示した模式的な横断面図である。
【
図48】本発明の第6実施形態による流体伝動装置のポンプコアにおいて溶けたロウ材が第2ポンプコア側誘導溝により移動する状態を示した模式的な縦断面図である。
【
図49】本発明の第6実施形態による流体伝動装置のポンプコアにおいて溶けたロウ材が微小隙間により移動する状態を示した模式的な縦断面図である。
【
図50】本発明の第6実施形態による流体伝動装置のポンプコアにおいてロウ材が固まった状態を示した模式的な横断面図である。
【
図51】本発明の第6実施形態による流体伝動装置のタービンを示した平面図である。
【
図52】本発明の第6実施形態による流体伝動装置のタービンの一部を拡大した部分拡大図である。
【
図55】本発明の第6実施形態による流体伝動装置のタービンコアを示した平面図である。
【
図56】本発明の第6実施形態による流体伝動装置のタービンコアの一部を拡大した部分拡大図である。
【
図57】本発明の第6実施形態の第1変形例による流体伝動装置のタービンコアの一部を拡大した部分拡大図である。
【
図58】本発明の第6実施形態の第2変形例による流体伝動装置のタービンコアの一部を拡大した部分拡大図である。
【
図59】本発明の第7実施形態による流体伝動装置のポンプコアを示した平面図である。
【
図60】本発明の第7実施形態による流体伝動装置のタービンコアを示した平面図である。
【
図61】本発明の第7実施形態による流体伝動装置のポンプを示した平面図である。
【
図62】本発明の第7実施形態による流体伝動装置のタービンを示した平面図である。
【
図63】本発明の第8実施形態による流体伝動装置のポンプを示した平面図である。
【
図64】本発明の第8実施形態による流体伝動装置のポンプの一部を拡大した部分拡大図である。
【
図65】本発明の第8実施形態による流体伝動装置のポンプコアを示した平面図である。
【
図68】本発明の第8実施形態による流体伝動装置のポンプコアの一部を拡大した部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第1実施形態]
まず、
図1〜
図20を参照して、本発明の第1実施形態による流体伝動装置1の構成について説明する。
【0025】
(流体伝動装置)
流体伝動装置1は、
図1に示すように、エンジン(図示せず)からトランスミッション(図示せず)のシャフト2に回転トルクを伝達するように構成されている。具体的には、流体伝動装置1は、フロントカバー3と、ポンプ4と、タービン5と、ステータ6とを備えている。フロントカバー3と、ポンプ4と、タービン5とは、同じ回転軸線回りを回転可能に構成されている。
【0026】
フロントカバー3は、エンジンからのトルクが入力されるように構成されている。フロントカバー3は、円板部31と、円板部31の外周部からトランスミッション側に向かって延びる筒状部33とを有している。
【0027】
ポンプ4は、
図2に示すように、作動油を介してタービン5にエンジンのトルクを伝達するように構成されている。具体的には、ポンプ4は、複数のポンプブレード41と、ポンプシェル42と、ポンプコア43とを含んでいる。なお、ポンプブレード41は、
特許請求の範囲の「ブレード」の一例である。また、ポンプコア43は、
特許請求の範囲の「コア」の一例である。
【0028】
ポンプブレード41は、
図1に示すように、板状の部材であって、エンジン側の内周縁部に形成されるタブ41aと、トランスミッション側の外周縁部に形成される複数(2個)のタブ41bとを有している。複数のポンプブレード41のそれぞれの内周縁部のタブ41aは、ポンプコア43との取り付けに用いられる。すなわち、ポンプブレード41の内周縁部のタブ41aは、ポンプコア43のスリット43aに係合されている。ポンプブレード41の外周縁部のタブ41bは、ポンプシェル42との取り付けに用いられる。すなわち、ポンプブレード41の外周縁部のタブ41bは、ポンプシェル42のスリット42aに係合されている。
【0029】
タービン5は、ポンプ4から伝達されたトルクをトランスミッションに伝達するように構成されている。具体的には、タービン5は、複数のタービンブレード51と、タービンシェル52と、タービンコア53とを含んでいる。また、タービン5は、ポンプ4に対向して配置されている。なお、タービンブレード51は、
特許請求の範囲の「ブレード」の一例である。また、タービンコア53は、
特許請求の範囲の「コア」の一例である。
【0030】
タービンブレード51は、板状の部材であって、トランスミッション側の内周縁部に形成されるタブ51aと、エンジン側の外周縁部に形成される複数(2個)のタブ51bとを有している。タービンブレード51の内周縁部のタブ51aは、タービンコア53との取り付けに用いられる。すなわち、タービンブレード51の内周縁部のタブ51aは、タービンコア53のスリット53aに係合されている。タービンブレード51の外周縁部のタブ51bは、タービンシェル52との取り付けに用いられる。すなわち、タービンブレード51の外周縁部のタブ51bは、タービンシェル52のスリット52aに係合されている。
【0031】
ステータ6は、タービン5からポンプ4に戻る作動油の流れを整流するように構成されている。具体的には、ステータ6は、ステータキャリア61と、ステータキャリア61に取り付けられるステータブレード62と、ステータブレード62の先端部に取り付けられるステータコア63とを有している。
【0032】
〈ポンプコア〉
ポンプコア43は、
図2に示すように、周方向に所定間隔を空けて複数のポンプブレード41を並んで固定させるように構成されている。具体的には、
図3および
図4に示すように、ポンプコア43は、環状に形成され、複数のポンプブレード41のそれぞれの内周縁部のタブ41aが係合される複数のスリット43aを含んでいる。また、ポンプコア43は、
図5に示すように、径方向に沿った断面において、凹状の断面形状を有するように形成されている。スリット43aは、ポンプコア43の径方向に長く形成され、
図6に示すように、ポンプコア43の底面部11を貫通するように形成されている。
【0033】
ポンプコア43は、
図5に示すように、底面部11と、底面部11の径方向の内側に設けられる内側面部12と、底面部11の径方向の外側に設けられる外側面部13とを有している。ここで、
図6に示すように、スリット43aの内面と、スリット43aを挿通しているタブ41aとの間には、微小隙間A2が形成されている。折り曲げられたタブ41aと、底面部11との間には、微小隙間A1が形成されている。ここで、微小隙間A1のタブ41aの厚み方向の長さは、十分に小さい。また、微小隙間A2は、周方向および径方向に十分小さい。
【0034】
〈ポンプコア側誘導溝〉
流体伝動装置1に用いられるポンプ4において、ポンプコア43とポンプブレード41との接合強度を向上させるため、ロウ材C(銅ロウ)によるロウ付けを行い接合強度を確保している。すなわち、ロウ付けは、タブ41aとポンプコア43の底面部11との接合強度およびポンプコア43のスリット43aの内面とタブ41aと接合強度を確保するために行われている。また、ロウ付けは、ポンプブレード41とスリット43aとの隙間からの作動油の油漏れに起因するエンジンからのトルクの伝達効率の悪化を抑制するために行われている。
【0035】
流体伝動装置1では、
図7に示すリング状のロウ材Cを、
図8に示すようにポンプコア43に係合されたタブ41aの上に置き、高温の炉内においてロウ材Cを溶かして流すことにより、ポンプコア43とポンプブレード41とが接合されている。ここで、ポンプコア43に係合されたタブ41aの上にリング状のロウ材Cを正確に置くことは難しく芯ずれが発生しやすい。また、高温の炉内への搬送過程および高温の炉内でのポンプコア43の歪の発生などに起因してロウ材Cの芯ずれが発生してしまう。なお、芯ずれとは、リング状のロウ材Cの中心とポンプコア43の中心との位置ずれを示している。
【0036】
これらにより、溶融して流れるロウ材Cが、ポンプコア43とポンプブレード41との隙間A(タブ41aと底面部11との微小隙間A1およびスリット43aとタブ41aとの微小隙間A2)に向かって流れないことに起因する製品の不良(ロウ付け不良、ロウ切れ不良)が発生してしまう。このように、芯ずれが発生した場合において、ポンプコア43とポンプブレード41との隙間Aに溶融して流れるロウ材Cを確実に流し入れることは非常に困難である。
【0037】
従来の流体伝動装置1では、ロウ材Cがポンプコア43から流出してしまうことに起因する製品の不良を低減させるため、必要以上の量のロウ材Cを投入していたため、コストがかかってしまっていた。しかし、必要以上の量のロウ材Cを投入したとしても、ロウ材Cは、ポンプコア43とポンプブレード41との隙間Aに集中して流れず、ポンプコア43の底面部11の内側面部12との境界近傍、および、ポンプコア43の底面部11の外側面部13との境界近傍に流出してしまう。
【0038】
そこで、第1実施形態の流体伝動装置1では、ポンプコア43の底面部11の内側面部12との境界近傍、および、ポンプコア43の底面部11の外側面部13との境界近傍に流出したロウ材Cをポンプコア43とポンプブレード41との隙間Aに戻すために、
図9に示すように、ポンプコア43にポンプコア側誘導溝7が形成されている。すなわち、流体伝動装置1では、ポンプコア側誘導溝7により、ポンプコア43の底面部11の内側面部12との境界近傍、および、ポンプコア43の底面部11の外側面部13との境界近傍に流出したロウ材Cをポンプコア43とポンプブレード41との隙間Aに集めている。以下、ポンプコア側誘導溝7について説明する。
【0039】
ポンプコア側誘導溝7は、
図3に示すように、ポンプコア43の周方向に交差する方向に沿って延びるとともに、ポンプコア43の底面部11の径方向における端部側からタブ41aに向かって延びる第1ポンプコア側誘導溝71を有している。第1ポンプコア側誘導溝71は、
図4に示すように、ポンプコア43の底面部11の径方向における端部近傍からタブ41a近傍に溶融したロウ材Cを導くように構成されている。なお、第1ポンプコア側誘導溝71は、
特許請求の範囲の「第1コア側誘導溝」の一例である。
【0040】
具体的には、第1ポンプコア側誘導溝71は、
図5に示すように、内側面部12と底面部11との内側境界部CN近傍から外側面部13と底面部11との外側境界部ON近傍まで、スリット43aの延びる方向(
図4参照)に沿った方向に延びている。第1ポンプコア側誘導溝71は、プレス加工により、ポンプコア43の底面部11の表面に凹状に形成されている。第1ポンプコア側誘導溝71は、ポンプコア43の底面部11の径方向の長さと同じ程度の長さを有している。第1ポンプコア側誘導溝71は、ポンプコア43の厚み方向に深さを有している。第1ポンプコア側誘導溝71の深さは、ポンプコア43の厚みの1/3よりも小さい深さとなっている。第1ポンプコア側誘導溝71は、
図6に示すように、周方向に沿った断面において、深くなるほど幅が小さくなるV字状に形成されている。第1ポンプコア側誘導溝71の周方向に沿った方向の長さは、第1ポンプコア側誘導溝71の深さ以下の長さとなっている。この結果、第1ポンプコア側誘導溝71は、周方向に沿った方向の断面視において十分に小さいので、毛細管現象により、溶融したロウ材Cは、第1ポンプコア側誘導溝71内を容易に移動可能である。
【0041】
また、第1ポンプコア側誘導溝71は、
図5および
図6に示すように、ポンプコア43の内側面部12から外側面部13まで連続して延びるように形成されている。また、第1ポンプコア側誘導溝71の一部は、スリット43aに係合されるタブ41aに覆われるように構成されている。具体的には、第1ポンプコア側誘導溝71は、タブ41aの折り曲げ位置CPから先端位置HPまでの範囲内に一部が配置されている。
【0042】
〈ロウ材の流れ〉
次に、
図10〜
図14を用いて、ポンプコア43における溶融したロウ材Cの流れについて説明する。
【0043】
まず、
図10に示すように、高温の炉内において、タブ41aの上に置かれたロウ材Cを溶かすと、タブ41aを伝って周囲に溶融したロウ材Cが広がっていく。そして、
図11に示すように、径方向に広がった溶融したロウ材Cは、外側面部13と底面部11との外側境界部ON近傍に滞留していく。しかし、第1ポンプコア側誘導溝71において生じる毛細管現象によって、滞留している溶融したロウ材Cは、タブ41aと底面部11との微小隙間A1へと流れていく。そして、溶融したロウ材Cは、
図12に示すように、タブ41aと底面部11との微小隙間A1に到達する。ここで、微小隙間A1が厚み方向に十分に小さいので、微小隙間A1に毛細管現象が生じ、溶融したロウ材Cは微小隙間A1を容易に移動可能である。これにより、タブ41aと底面部11との微小隙間A1において生じる毛細管現象により、タブ41aと底面部11との微小隙間A1内へと流れていく。この結果、ロウ材Cがタブ41aに誘導され、タブ41aがポンプコア43に固定される。
【0044】
また、
図13に示すように、周方向の一方側(タブ41aの先端側)に広がった溶融したロウ材Cは、タブ41aと底面部11との微小隙間A1の毛細管現象によって、タブ41aと底面部11との微小隙間A1へと流れていく。周方向の他方側に広がった溶融したロウ材Cは、タブ41aとスリット43aとの微小隙間A2の毛細管現象によって、タブ41aとスリット43aとの微小隙間A2へと流れていく。ここで、微小隙間A2が周方向および径方向に十分に小さいので、微小隙間A2に毛細管現象が生じ、溶融したロウ材Cは微小隙間A2を容易に移動可能である。この結果、溶融したロウ材Cは、
図14に示すように、スリット43aに到達すると、タブ41aとスリット43aとの微小隙間A2において生じる毛細管現象により、タブ41aとスリット43aとの微小隙間A2内へと流れていく。このように、溶融したロウ材Cは、ポンプブレード41とポンプコア43との隙間Aに流れていく。この結果、ロウ材Cがタブ41aに誘導され、タブ41aがポンプコア43に固定される。
【0045】
〈ポンプの製造方法〉
次に、流体伝動装置1における、ポンプ4の製造方法について説明する。
【0046】
流体伝動装置1では、ポンプ4の環状のポンプコア43の底面部11に、複数のポンプブレード41が有するタブ41aが係合される複数のスリット43aを形成する。流体伝動装置1では、ポンプコア43の周方向に交差する方向に沿って延びるとともに、ポンプコア43の底面部11の径方向における端部側からタブ41aに向かって延びる第1ポンプコア側誘導溝71を形成する。
【0047】
流体伝動装置1では、ポンプ4のポンプシェル42に、複数のポンプブレード41が有するタブ41bが係合される複数のスリット42aを形成する。流体伝動装置1では、複数のポンプブレード41のタブ41bをポンプシェル42のスリット42aに挿し込み、さらに、複数のポンプブレード41のタブ41aをポンプコア43のスリット43aに挿し込み、タブ41aを折り曲げてかしめる。そして、流体伝動装置1では、ポンプコア43のスリット43aにかしめられたタブ41a上にロウ材Cを載置し、炉内においてロウ材Cを溶融させる。これにより、流体伝動装置1のポンプ4が製造される。
【0048】
〈タービンコア〉
タービンコア53は、
図15に示すように、周方向に所定間隔を空けて複数のタービンブレード51を並んで固定させるように構成されている。具体的には、
図16〜
図18に示すように、タービンコア53は、環状に形成され、複数のタービンブレード51のそれぞれの内周縁部のタブ51aが係合される複数のスリット53aを含んでいる。また、タービンコア53は、
図19に示すように、径方向に沿った断面において、凹状の断面形状を有するように形成されている。スリット53aは、タービンコア53の径方向に長く形成され、
図20に示すように、タービンコア53の底面部14を貫通するように形成されている。
【0049】
タービンコア53は、
図19に示すように、底面部14と、底面部14の径方向の内側に設けられる内側面部15と、底面部14の径方向の外側に設けられる外側面部16とを有している。ここで、
図20に示すように、スリット53aの内面と、スリット53aを挿通しているタブ51aとの間には、微小隙間B2が形成されている。
図19に示すように、折り曲げられたタブ51aと、底面部14との間には、微小隙間B1が形成されている。ここで、微小隙間B1は、タブ厚み方向に十分小さい。また、微小隙間B2は、周方向および径方向に十分小さい。
【0050】
〈タービンコア側誘導溝〉
また、第1実施形態の流体伝動装置1では、ポンプコア43のポンプコア側誘導溝7と同様に、タービンコア53の底面部14の内側面部15との境界近傍、および、タービンコア53の底面部14の外側面部16との境界近傍に流出したロウ材Cをタービンコア53とタービンブレード51との隙間B(スリット53aとタブ51aとの微小隙間B2およびタブ51aと底面部14との微小隙間B1)に戻すために、タービンコア53にタービンコア側誘導溝8が形成されている。すなわち、流体伝動装置1では、タービンコア側誘導溝8により、タービンコア53の底面部14の内側面部15との境界近傍、および、タービンコア53の底面部14の外側面部16との境界近傍に流出したロウ材Cをタービンコア53とタービンブレード51との隙間Bに集めている。
【0051】
タービンコア側誘導溝8は、
図16に示すように、タービンコア53の周方向に交差する方向に沿って延びるとともに、タービンコア53の底面部14の径方向における端部側からタブ51aに向かって延びる第1タービンコア側誘導溝81を有している。第1タービンコア側誘導溝81は、
図17に示すように、タービンコア53の底面部14の径方向における端部近傍からタブ51a近傍に溶融したロウ材Cを導くように構成されている。なお、第1タービンコア側誘導溝81は、
特許請求の範囲の「第1コア側誘導溝」の一例である。
【0052】
具体的には、第1タービンコア側誘導溝81は、
図19に示すように、内側面部15と底面部14との内側境界部CN近傍から外側面部16と底面部14との外側面部16との外側境界部ON近傍まで、スリット53aの延びる方向に沿った方向(
図18参照)に延びている。第1タービンコア側誘導溝81は、プレス加工により、タービンコア53の底面部14の表面に凹状に形成されている。第1タービンコア側誘導溝81は、タービンコア53の底面部14の径方向の長さと同じ程度の長さを有している。第1タービンコア側誘導溝81は、タービンコア53の厚み方向に深さを有している。第1タービンコア側誘導溝81の深さは、タービンコア53の厚みの1/3よりも小さい深さとなっている。第1タービンコア側誘導溝81は、
図20に示すように、周方向に沿った断面において、深くなるほど幅が小さくなるV字状に形成されている。第1タービンコア側誘導溝81の周方向に沿った方向の長さは、第1タービンコア側誘導溝81の深さ以下の長さとなっている。この結果、第1タービンコア側誘導溝81は、周方向に沿った方向の断面視において十分に小さいので、毛細管現象により、溶融したロウ材Cは、第1タービンコア側誘導溝81内を容易に移動可能である。この結果、ロウ材Cがタブ51aに誘導され、タブ51aがタービンコア53に固定される。
【0053】
また、第1タービンコア側誘導溝81は、
図19および
図20に示すように、タービンコア53の内側面部15から外側面部16まで連続して延びるように形成されている。また、第1タービンコア側誘導溝81の一部は、スリット53aに係合されるタブ51aに覆われるように構成されている。具体的には、第1タービンコア側誘導溝81は、タブ51aの折り曲げ位置CPから先端位置HPまでの範囲内に配置されている。この結果、タービンコア側誘導溝8においても、ポンプコア側誘導溝7と同様に、タービンコア53とタービンブレード51との隙間Bに溶融したロウ材Cを流すことが可能である。
【0054】
〈タービンの製造方法〉
次に、流体伝動装置1における、タービン5の製造方法について説明する。
【0055】
流体伝動装置1では、タービン5の環状のタービンコア53の底面部14に、複数のタービンブレード51が有するタブ51aが係合される複数のスリット53aを形成する。流体伝動装置1では、タービンコア53の周方向に交差する方向に沿って延びるとともに、タービンコア53の底面部14の径方向における端部側からタブ51aに向かって延びる第1タービンコア側誘導溝81を形成する。
【0056】
流体伝動装置1では、タービン5のタービンシェル52に、複数のタービンブレード51が有するタブ51bが係合される複数のスリット52aを形成する。流体伝動装置1では、複数のタービンブレード51のタブ51bをタービンシェル52のスリット52aに挿し込み、さらに、複数のタービンブレード51のタブ51aをタービンコア53のスリット53aに挿し込み、タブ51aを折り曲げてかしめる。そして、流体伝動装置1では、タービンコア53のスリット53aにかしめられたタブ51a上にロウ材Cを載置し、炉内においてロウ材Cを溶融させる。これにより、流体伝動装置1のタービン5が製造される。
【0057】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0058】
第1実施形態では、上記のように、ポンプコア43は、ポンプコア43の底面部11の径方向における端部側からタブ41aに向かって延びる第1ポンプコア側誘導溝71が形成されている。これにより、ポンプコア43の底面部11の径方向における端部側に溶融したロウ材Cが滞留したとしても、第1ポンプコア側誘導溝71の毛細管現象により、端部側に滞留しているロウ材Cをタブ41aに係合されるスリット43aに導くことができる。この結果、ロウ材Cが配置状態からずれたことに起因して、溶融したロウ材Cがポンプコア43の径方向の端部側に滞留したとしても、溶融させたロウ材Cをスリット43aに流すことができる。
【0059】
また、第1実施形態では、上記のように、溶融したロウ材Cがポンプコア43の底面部11の径方向における端部側に滞留したとしても、第1ポンプコア側誘導溝71により、溶融したロウ材Cをタブ41aにまで流すことができる。これにより、凹状のポンプコア43上の径方向における端部側にロウ材Cが残りにくくなり、流体伝動装置1におけるロウ材Cがタブ41a全体に行き渡っていない、または、ロウ付けされていない場合と比較し強度低下を抑制することができるので、流体伝動装置1の全体の剛性のバランスが向上し流体伝動装置1の強度を向上させることができる。
【0060】
また、第1実施形態では、上記のように、第1ポンプコア側誘導溝71は、ポンプコア43の底面部11の径方向における端部近傍からタブ41a近傍に溶融したロウ材Cを導くように構成されている。これにより、第1ポンプコア側誘導溝71の毛細管現象により、第1ポンプコア側誘導溝71に沿って流れる溶融したロウ材Cをタブ41a近傍に導くことができる。この結果、タブ41a近傍に導かれた溶融したロウ材Cは、タブ41aとポンプコア43との微小隙間A1の毛細管現象を利用して、タブ41a近傍に導かれた溶融したロウ材Cをスリット43aまで流すことができるので、溶融させたロウ材Cを効率よくスリット43aに流すことができる。
【0061】
また、第1実施形態では、上記のように、第1ポンプコア側誘導溝71は、ポンプコア43の底面部11の径方向における内側端部および外側端部からタブ41aにまで延びるように構成されている。これにより、溶融したロウ材Cがポンプコア43の底面部11の径方向における内側端部および外側端部に滞留したとしても、第1ポンプコア側誘導溝71の毛細管現象により、溶融したロウ材Cをタブ41aにまで流すことができる。これにより、凹状のポンプコア43上に径方向における内側端部および外側端部にロウ材Cが残りにくくなり、流体伝動装置1におけるロウ材Cがタブ41a全体に行き渡っていない、または、ロウ付けされていない場合と比較し強度低下をより抑制することができるので、流体伝動装置1の全体の剛性のバランスが向上し流体伝動装置1の強度をより向上させることができる。
【0062】
また、本実施形態では、上記のように、第1ポンプコア側誘導溝71は、ポンプコア43の底面部11の径方向の内側端部から外側端部まで連続して延びるように形成されている。また、第1ポンプコア側誘導溝71の一部は、複数のスリット43aのそれぞれに係合されるタブ41aに覆われるように構成されている。これにより、第1ポンプコア側誘導溝71の毛細管現象により、連続的に繋がった第1ポンプコア側誘導溝71の径方向の内側端部と外側端部との間を流れる中において、タブ41aとポンプコア43との微小隙間A1に溶融したロウ材Cを到達させることができるので、第1ポンプコア側誘導溝71が断続的に設けられる場合よりも、溶融したロウ材Cをスリット43aにより円滑に流すことができる。
【0063】
また、第1実施形態では、上記のように、ポンプコア43は、底面部11と、底面部11の径方向の内側に設けられる内側面部12と、底面部11の径方向の外側に設けられる外側面部13とを有している。第1ポンプコア側誘導溝71は、内側面部12と底面部11との内側境界部CN近傍から外側面部13と底面部11との外側境界部ON近傍まで、スリット43aの延びる方向に沿った方向に延びるように構成されている。これにより、第1ポンプコア側誘導溝71とスリット43aとを略平行に延ばすことにより、溶融したロウ材Cが、第1ポンプコア側誘導溝71から直接スリット43aに流れ込むことを抑制することができる。この結果、第1ポンプコア側誘導溝71とスリット43aとの接続部分にロウ材Cが集中してしまうなどの、ロウ材Cがスリット43aに偏って流れ込むことを抑制することができる。なお、タービンコア53の第1タービンコア側誘導溝81によっても同様の効果を奏し得る。
【0064】
[第2実施形態]
次に、
図21〜
図24を参照して、本発明の第2実施形態による流体伝動装置1の構成について説明する。この第2実施形態の流体伝動装置1では、第1実施形態の流体伝動装置1とは第1ポンプコア側誘導溝71の形状を異ならせた例について説明する。なお、第1実施形態の流体伝動装置1と同様の構成については、同一の符号を付し説明を省略する。
【0065】
〈ポンプコア側誘導溝〉
ポンプコア側誘導溝7は、
図21に示すように、ポンプコア43の周方向に交差する方向に沿って延びるとともに、底面部11の径方向における端部側から溶融したロウ材Cを導くための第1ポンプコア側誘導溝71を有している。第1ポンプコア側誘導溝71は、
図22に示すように、ポンプコア43の底面部11の径方向における端部近傍からタブ41a近傍に溶融したロウ材Cを導くように構成されている。
【0066】
具体的には、第1ポンプコア側誘導溝71は、
図23および
図24に示すように、内側面部12と底面部11との内側境界部CN近傍からスリット43a近傍まで延び、さらに、スリット43a近傍から外側面部13と底面部11との外側境界部ON近傍まで延びている。このように、第1ポンプコア側誘導溝71は、平面視において(回転軸線方向に視て)V字状となっている。ここで、第1ポンプコア側誘導溝71は、スリット43aに交差する方向に延びている。
【0067】
また、第1ポンプコア側誘導溝71は、内側境界部CN近傍からスリット43a近傍、さらに、スリット43a近傍から外側境界部ON近傍まで連続して延びるように形成されている。これにより、
図22に示すように、第1ポンプコア側誘導溝71の一部は、スリット43aに係合されるタブ41aに覆われるように構成されている。なお、第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。また、タービンコア53の第1タービンコア側誘導溝81に関しても同様の構成であってもよい。
【0068】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0069】
第2実施形態では、上記のように、第1ポンプコア側誘導溝71は、平面視においてV字状となっている。これにより、第1ポンプコア側誘導溝71が、スリット43aに交差する方向に延びているので、第1ポンプコア側誘導溝71を流れる溶融したロウ材Cをスリット43aにより流しやすくすることが可能である。なお、第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0070】
[第3実施形態]
次に、
図25〜
図28を参照して、本発明の第3実施形態による流体伝動装置1の構成について説明する。この第3実施形態の流体伝動装置1では、第1実施形態の流体伝動装置1とは第1ポンプコア側誘導溝71の形状を異ならせた例について説明する。なお、第1実施形態の流体伝動装置1と同様の構成については、同一の符号を付し説明を省略する。
【0071】
〈ポンプコア側誘導溝〉
ポンプコア側誘導溝7は、第1ポンプコア側誘導溝71と、第2ポンプコア側誘導溝72とを有している。第1ポンプコア側誘導溝71は、
図25および
図26に示すように、内側面部12と底面部11との内側境界部CN近傍から外側面部13と底面部11との外側境界部ON近傍まで、スリット43aの延びる方向に沿った方向に延びている。また、第1ポンプコア側誘導溝71は、タブ41aの先端部近傍に形成されている。
【0072】
第2ポンプコア側誘導溝72は、
図27に示すように、タブ41aとスリット43aとの間に設けられ、周方向に隣り合うスリット43aにロウ材Cが導かれるように構成されている。ここで、第1ポンプコア側誘導溝71と第2ポンプコア側誘導溝72とが繋がることにより、スリット43aに溶融したロウ材Cを導くロウ材供給経路が形成されている。具体的には、
図28に示すように、第2ポンプコア側誘導溝72は、第1ポンプコア側誘導溝71からスリット43aを介して周方向において隣り合うポンプブレード41のタブ41aの先端部の近くまで延びている。なお、第2ポンプコア側誘導溝72は、
特許請求の範囲の「第2コア側誘導溝」の一例である。
【0073】
このように、第1ポンプコア側誘導溝71と第2ポンプコア側誘導溝72とにより形成される溝の形状は、
図27に示すように、平面視において(回転軸線方向に視て)T字状となっている。なお、第3実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。また、タービンコア53に関しても同様の構成を設けてもよい。
【0074】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0075】
第3実施形態では、上記のように、ポンプコア43は、第1ポンプコア側誘導溝71の延びる方向と交差する方向に延びるとともに、スリット43aに到達するように設けられる第2ポンプコア側誘導溝72を有する。これにより、第1ポンプコア側誘導溝71の延びる方向と交差する方向に延びる第2ポンプコア側誘導溝72により、第1ポンプコア側誘導溝71により流すことができない位置に位置する溶融したロウ材Cをスリット43aに流すことができる。
【0076】
また、第3実施形態では、第2ポンプコア側誘導溝72は、タブ41aとスリット43aとの間に設けられ、周方向に隣り合うスリット43aにロウ材Cが導かれるように、ロウ材供給経路が繋がっている。これにより、第1ポンプコア側誘導溝71と第2ポンプコア側誘導溝72とによりスリット43aにロウ材Cを供給するロウ材供給経路が形成されているので、ポンプコア43の底面部11上の溶融したロウ材Cをスリット43aに供給しやすくすることができる。なお、第3実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0077】
[第4実施形態]
次に、
図29〜
図32を参照して、本発明の第4実施形態による流体伝動装置1の構成について説明する。この第4実施形態の流体伝動装置1では、第1実施形態の流体伝動装置1とは第1ポンプコア側誘導溝71の形状を異ならせた例について説明する。なお、第1実施形態の流体伝動装置1と同様の構成については、同一の符号を付し説明を省略する。
【0078】
〈ポンプコア側誘導溝〉
ポンプコア側誘導溝7は、第1ポンプコア側誘導溝71と、第2ポンプコア側誘導溝72とを有している。第1ポンプコア側誘導溝71は、
図29および
図30に示すように、内側面部12と底面部11との内側境界部CN近傍から第2ポンプコア側誘導溝72まで延び、さらに、第2ポンプコア側誘導溝72から外側面部13と底面部11との外側境界部ON近傍まで延びている。
【0079】
第2ポンプコア側誘導溝72は、
図29および
図30に示すように、タブ41aとスリット43aとの間に設けられ、周方向に隣り合うスリット43aにロウ材Cが導かれるように構成されている。ここで、第1ポンプコア側誘導溝71と第2ポンプコア側誘導溝72とが繋がることにより、スリット43aに溶融したロウ材Cを導くロウ材供給経路が形成されている。具体的には、
図31および
図32に示すように、第2ポンプコア側誘導溝72は、第1ポンプコア側誘導溝71からスリット43aを介して周方向において隣り合うポンプブレード41のタブ41aの先端部の近くまで延びている。
【0080】
このように、第1ポンプコア側誘導溝71と第2ポンプコア側誘導溝72とにより形成される溝の形状は、
図31に示すように、平面視において(回転軸線方向に視て)Y字状となっている。なお、第4実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。また、タービンコア53に関しても同様の構成を設けてもよい。
【0081】
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0082】
第4実施形態では、上記のように、第1ポンプコア側誘導溝71と第2ポンプコア側誘導溝72は、平面視においてY字状となっている。これにより、第1ポンプコア側誘導溝71の延びる方向と交差する方向に延びる第2ポンプコア側誘導溝72により、第1ポンプコア側誘導溝71を流れる溶融したロウ材Cをスリット43aにより流しやすくすることが可能である。さらに、スリット43aに到達するように設けられる第2ポンプコア側誘導溝72を有しているので、第1ポンプコア側誘導溝71の毛細管現象により流すことができない位置にある溶融したロウ材Cをスリット43aに流すことも可能である。
【0083】
また、第4実施形態では、第2ポンプコア側誘導溝72は、タブ41aとスリット43aとの間に設けられ、周方向に隣り合うスリット43aにロウ材Cが導かれるように、ロウ材供給経路が繋がっている。これにより、第1ポンプコア側誘導溝71と第2ポンプコア側誘導溝72とによりスリット43aにロウ材Cを供給するロウ材供給経路が形成されているので、ポンプコア43の底面部11上の溶融したロウ材Cをスリット43aに供給しやすくすることができる。なお、第4実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0084】
[第5実施形態]
次に、
図33〜
図40を参照して、本発明の第5実施形態による流体伝動装置1の構成について説明する。この第5実施形態では、第1実施形態とは異なり、スリット43aおよびタブ41aの数が異なる場合における流体伝動装置1の構成について説明する。なお、第1実施形態の流体伝動装置1と同様の構成については、同一の符号を付し説明を省略する。
【0085】
ポンプブレード41の内周縁部のタブ41aが、
図33および
図34に示すように、径方向に複数(2個)並んで配置されている。ポンプブレード41の内周縁部の複数のタブ41aは、ポンプコア43のスリット43aに係合されている。ここで、径方向における内側のタブ41aを内タブ544とし、径方向における外側のタブ41aを外タブ545とする。
【0086】
ポンプコア43は、
図35に示すように、環状に形成され、複数のポンプブレード41のそれぞれの内周縁部のタブ41aが係合される複数のスリット43aを含んでいる。ポンプコア43のスリット43aは、径方向に複数(2個)並んで配置されている。ここで、径方向における内側のスリット43aを内スリット546とし、径方向における外側のスリット43aを外スリット547とする。内スリット546および外スリット547のそれぞれは、ポンプコア43の周方向に交差する方向に長く形成されている。内スリット546は、ポンプコア43の底面部11を貫通するように形成(
図37参照)されている。なお、外スリット547も同様に、ポンプコア43の底面部11を貫通するように形成されている。
【0087】
また、ポンプコア43は、
図36に示すように、径方向に沿った断面において、凹状の断面形状の底面部11を有する。ここで、
図37に示すように、折り曲げられた内タブ544と、底面部11との間には、微小隙間D1aが形成されている。折り曲げられた外タブ545と、底面部11との間にも同様に、微小隙間D1bが形成されている。内スリット546の内面と、内スリット546を挿通している内タブ544との間には微小隙間D2aが形成されている。外スリット547の内面と、外スリット547を挿通している外タブ545との間にも同様に微小隙間D2b(図示せず)が形成されている。これらの微小隙間D1a、D1b、D2aおよびD2bが、ポンプコア43とポンプブレード41との隙間Dとなっている。ここで、微小隙間D1aおよびD1bのタブ41aの厚み方向の長さは、十分に小さい。また、微小隙間D2aおよびD2bは、周方向および径方向に十分小さい。
【0088】
〈ポンプコア側誘導溝〉
第5実施形態の流体伝動装置1では、ポンプコア43の底面部11の径方向における中央部に滞留するロウ材Cをポンプコア43とポンプブレード41との隙間Dに供給するために、
図38に示すように、ポンプコア43にポンプコア側誘導溝7を形成している。すなわち、流体伝動装置1では、ポンプコア側誘導溝7により、
図39に示すように、ポンプコア43の底面部11の中央部に流出したロウ材Cをポンプコア43とポンプブレード41との隙間Dに集めている。これにより、ポンプコア43では、
図40に示すように、溶融したロウ材Cが、ポンプブレード41とポンプコア43との隙間Dに供給される。
【0089】
ポンプコア側誘導溝7は、
図34に示すように、ポンプコア43の周方向に交差する方向に沿って延びるとともに、底面部11の中央部分から溶融したロウ材Cを導くための第1ポンプコア側誘導溝71を有している。具体的には、第1ポンプコア側誘導溝71は、
図35に示すように、底面部11の径方向の内側端部から底面部11の径方向の中央部まで、内スリット546に沿って延びている。さらに、第1ポンプコア側誘導溝71は、底面部11の径方向の中央部から底面部11の径方向の外側端部まで、外スリット547に沿って延びている。第1ポンプコア側誘導溝71は、
図38および
図39に示すように、ポンプコア43の底面部11の径方向における外側端部から内側端部まで連続して延びるように形成され、第1ポンプコア側誘導溝71の一部は、内タブ544および外タブ545に覆われている。なお、第5実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。また、タービンコア53に関しても同様の構成を設けてもよい。
【0090】
(第5実施形態の効果)
第5実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0091】
第5実施形態では、上記のように、ポンプコア43は、ポンプコア43の底面部11の径方向における中央部から溶融したロウ材Cを端部側に位置する内タブ544および外タブ545のそれぞれに導くための第1ポンプコア側誘導溝71を有している。これにより、ポンプコア43の底面部11の径方向における中央部に溶融したロウ材Cが滞留したとしても、第1ポンプコア側誘導溝71の毛細管現象により、中央部に滞留しているロウ材Cを内タブ544および外タブ545のそれぞれに導くことが可能となる。なお、第5実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0092】
[第6実施形態]
次に、
図41〜
図56を参照して、本発明の第6実施形態による流体伝動装置1の構成について説明する。この第6実施形態では、ポンプコア側誘導溝7がスリット43aに到達していない第1実施形態とは異なり、ポンプコア側誘導溝7がスリット43aに到達する構成について説明する。なお、第1実施形態の流体伝動装置1と同様の構成については、同一の符号を付し説明を省略する。
【0093】
〈ポンプコア〉
ポンプコア43は、
図41および
図42に示すように、周方向に所定間隔を空けて複数のポンプブレード41を並んで固定させるように構成されている。具体的には、ポンプコア43は、環状に形成され、複数のポンプブレード41のそれぞれの内周縁部のタブ41aが係合される複数のスリット43aを含んでいる。
【0094】
ポンプコア43は、
図43に示すように、底面部11と、底面部11の径方向の内側に設けられる内側面部12と、底面部11の径方向の外側に設けられる外側面部13とを有している。ここで、
図44に示すように、折り曲げられたタブ41aの内面部41cと、スリット43aの縁部44との間には、微小隙間A3が形成されている。
【0095】
〈ポンプコア側誘導溝〉
第6実施形態の流体伝動装置1では、ポンプコア43の底面部11の内側面部12との境界近傍、および、ポンプコア43の底面部11の外側面部13との境界近傍に滞留したロウ材Cをスリット43aに流入させるために、
図45および
図46に示すように、ポンプコア43にポンプコア側誘導溝7が形成されている。すなわち、流体伝動装置1では、ポンプコア側誘導溝7により、ポンプコア43の底面部11の内側面部12との境界近傍、および、ポンプコア43の底面部11の外側面部13との境界近傍に流出したロウ材Cをスリット43aに集めている。以下、ポンプコア側誘導溝7について説明する。
【0096】
ポンプコア側誘導溝7は、ポンプコア43の周方向に交差する方向に沿って延びる第1ポンプコア側誘導溝71と、第1ポンプコア側誘導溝71の延びる方向に交差する方向に延びる第2ポンプコア側誘導溝72とを有している。すなわち、ポンプコア側誘導溝7は、平面視において(回転軸線方向から視て)T字状の溝により構成されている。ここで、第1ポンプコア側誘導溝71は、ポンプコア43の径方向に沿って延びている。また、第2ポンプコア側誘導溝72は、ポンプコア43の周方向に沿って延びている。
【0097】
第1ポンプコア側誘導溝71は、
図43に示すように、内側面部12と底面部11との内側境界部CN近傍から外側面部13と底面部11との外側境界部ON近傍まで設けられている。第1ポンプコア側誘導溝71は、プレス加工により、ポンプコア43の底面部11の表面に凹状に形成されている。第1ポンプコア側誘導溝71は、ポンプコア43の底面部11の径方向の長さと略同じ程度の長さを有している。第1ポンプコア側誘導溝71は、ポンプコア43の厚み方向に深さを有している。第1ポンプコア側誘導溝71の深さは、ポンプコア43の厚みの1/3よりも小さい深さとなっている。
【0098】
第1ポンプコア側誘導溝71は、
図44に示すように、周方向に沿った断面において、深くなるほど幅が小さくなるV字状に形成されている。ここで、第1ポンプコア側誘導溝71における谷部の角度An1は、約90度である。第1ポンプコア側誘導溝71の周方向に沿った方向の長さは、第1ポンプコア側誘導溝71の深さ以下の長さとなっている。この結果、第1ポンプコア側誘導溝71は、周方向に沿った方向の断面視において十分に小さいので、毛細管現象により、溶融したロウ材Cは、第1ポンプコア側誘導溝71内を容易に移動可能である。
【0099】
第2ポンプコア側誘導溝72は、
図44に示すように、第1ポンプコア側誘導溝71からスリット43aの第1ポンプコア側誘導溝71側の端部まで設けられている。第2ポンプコア側誘導溝72は、プレス加工により、ポンプコア43の底面部11の表面に凹状に形成されている。第2ポンプコア側誘導溝72は、タブ41aの周方向の長さよりも短い。第2ポンプコア側誘導溝72は、ポンプコア43の厚み方向に深さを有している。第2ポンプコア側誘導溝72の深さは、ポンプコア43の厚みの1/3よりも小さい深さとなっている。
【0100】
第2ポンプコア側誘導溝72は、
図43に示すように、径方向に沿った断面において、深くなるほど幅が小さくなるV字状に形成されている。ここで、第2ポンプコア側誘導溝72における谷部の角度An2は、約90度である。第2ポンプコア側誘導溝72の径方向に沿った方向の長さは、第2ポンプコア側誘導溝72の深さ以下の長さとなっている。この結果、第2ポンプコア側誘導溝72は、周方向に沿った方向の断面視において十分に小さいので、毛細管現象により、溶融したロウ材Cは、第2ポンプコア側誘導溝72内を容易に移動可能である。
【0101】
ここで、
図46に示すように、第1ポンプコア側誘導溝71と第2ポンプコア側誘導溝72とが繋がることにより、スリット43aに溶融したロウ材Cを導くロウ材供給経路が形成されている。
【0102】
〈ロウ材の流れ〉
次に、
図47〜
図50を用いて、ポンプコア43における溶融したロウ材Cの流れについて説明する。
【0103】
まず、
図47に示すように、高温の炉内において、タブ41aの上に置かれたロウ材Cを溶かすと、タブ41aを伝って周囲に溶融したロウ材Cが広がっていく。そして、径方向に広がった溶融したロウ材Cは、外側面部13と底面部11との外側境界部ON近傍または内側境界部CN近傍に滞留していく。しかし、第1ポンプコア側誘導溝71において生じる毛細管現象によって、滞留している溶融したロウ材Cは、第1ポンプコア側誘導溝71を伝って外側境界部ON近傍から径方向の内側方向へと流れていく、または、内側境界部CN近傍から径方向の外側方向へと流れていく。そして、溶融したロウ材Cは、
図48に示すように、第2ポンプコア側誘導溝72に到達する。
【0104】
第2ポンプコア側誘導溝72において生じる毛細管現象により、第2ポンプコア側誘導溝72を伝って微小隙間A3へと流れていく。ここで、
図49に示すように、微小隙間A3が十分に小さい隙間であるので、微小隙間A3に毛細管現象が生じ、溶融したロウ材Cは微小隙間A3を容易に移動可能である。この結果、溶融したロウ材Cは、微小隙間A3に沿って、径方向に広がる。そして、タブ41aとスリット43aとの間に溶融したロウ材Cが充填され、タブ41aがポンプコア43に固定される。
【0105】
〈タービンコア〉
タービンコア53は、
図51および
図52に示すように、周方向に所定間隔を空けて複数のタービンブレード51を並んで固定させるように構成されている。具体的には、タービンコア53は、環状に形成され、複数のタービンブレード51のそれぞれの内周縁部のタブ51aが係合される複数のスリット53aを含んでいる。
【0106】
タービンコア53は、
図53に示すように、底面部14と、底面部14の径方向の内側に設けられる内側面部15と、底面部14の径方向の外側に設けられる外側面部16とを有している。ここで、
図54に示すように、折り曲げられたタブ51aの内面部51cと、スリット53aの縁部54との間には、微小隙間B3が形成されている。
【0107】
〈タービンコア側誘導溝〉
第6実施形態の流体伝動装置1では、タービンコア53の底面部14の内側面部15との境界近傍、および、タービンコア53の底面部14の外側面部16との境界近傍に滞留したロウ材Cをスリット53aに流入させるために、
図55および
図56に示すように、タービンコア53にタービンコア側誘導溝8が形成されている。すなわち、流体伝動装置1では、タービンコア側誘導溝8により、タービンコア53の底面部14の内側面部15との境界近傍、および、タービンコア53の底面部14の外側面部16との境界近傍に流出したロウ材Cをスリット53aに集めている。以下、タービンコア側誘導溝8について説明する。
【0108】
タービンコア側誘導溝8は、タービンコア53の周方向に交差する方向に沿って延びる第1タービンコア側誘導溝81と、第1タービンコア側誘導溝81の延びる方向に交差する方向に延びる第2タービンコア側誘導溝82とを有している。すなわち、タービンコア側誘導溝8は、平面視において(回転軸線方向から視て)T字状の溝により構成されている。ここで、第1タービンコア側誘導溝81は、タービンコア53の径方向に沿って延びている。また、第2タービンコア側誘導溝82は、タービンコア53の周方向に沿って延びている。なお、第2タービンコア側誘導溝82は、
特許請求の範囲の「第2コア側誘導溝」の一例である。
【0109】
第1タービンコア側誘導溝81は、
図53に示すように、内側面部15と底面部14との内側境界部CN近傍から外側面部16と底面部14との外側面部16との外側境界部ON近傍まで設けられている。第1タービンコア側誘導溝81は、プレス加工により、タービンコア53の底面部14の表面に凹状に形成されている。第1タービンコア側誘導溝81は、タービンコア53の底面部14の径方向の長さと略同じ程度の長さを有している。第1タービンコア側誘導溝81は、タービンコア53の厚み方向に深さを有している。第1タービンコア側誘導溝81の深さは、タービンコア53の厚みの1/3よりも小さい深さとなっている。
【0110】
第1タービンコア側誘導溝81は、
図54に示すように、周方向に沿った断面において、深くなるほど幅が小さくなるV字状に形成されている。ここで、第1タービンコア側誘導溝81における谷部の角度An3は、約90度である。第1タービンコア側誘導溝81の周方向に沿った方向の長さは、第1タービンコア側誘導溝81の深さ以下の長さとなっている。この結果、第1タービンコア側誘導溝81は、周方向に沿った方向の断面視において十分に小さいので、毛細管現象により、溶融したロウ材Cは、第1タービンコア側誘導溝81内を容易に移動可能である。
【0111】
第2タービンコア側誘導溝82は、
図54に示すように、第1タービンコア側誘導溝81からスリット53aの第1タービンコア側誘導溝81側の端部まで設けられている。第2タービンコア側誘導溝82は、プレス加工により、タービンコア53の底面部14の表面に凹状に形成されている。第2タービンコア側誘導溝82は、タブ51aの周方向の長さよりも短い。第2タービンコア側誘導溝82は、タービンコア53の厚み方向に深さを有している。第2タービンコア側誘導溝82の深さは、タービンコア53の厚みの1/3よりも小さい深さとなっている。
【0112】
第2タービンコア側誘導溝82は、
図53に示すように、径方向に沿った断面において、深くなるほど幅が小さくなるV字状に形成されている。ここで、第2タービンコア側誘導溝82における谷部の角度An4は、約90度である。第2タービンコア側誘導溝82の径方向に沿った方向の長さは、第2タービンコア側誘導溝82の深さ以下の長さとなっている。この結果、第2タービンコア側誘導溝82は、周方向に沿った方向の断面視において十分に小さいので、毛細管現象により、溶融したロウ材Cは、第2タービンコア側誘導溝82内を容易に移動可能である。
【0113】
ここで、
図56に示すように、第1タービンコア側誘導溝81と第2タービンコア側誘導溝82とが繋がることにより、スリット53aに溶融したロウ材Cを導くロウ材供給経路が形成されている。したがって、タービンコア53における溶融したロウ材Cの流れは、上記したポンプコア43における溶融したロウ材Cの流れと同様である。
【0114】
(第1変形例)
次に、
図57を参照して、本発明の第6実施形態の第1変形例による流体伝動装置1の構成について説明する。なお、第6実施形態の流体伝動装置1と同様の構成については、同一の符号を付し説明を省略する。
【0115】
〈ポンプコア側誘導溝〉
ポンプコア側誘導溝7は、第1ポンプコア側誘導溝71と、第2ポンプコア側誘導溝72とを有している。第1ポンプコア側誘導溝71は、
図57に示すように、内側面部12と底面部11との内側境界部CN近傍から第2ポンプコア側誘導溝72まで延び、さらに、第2ポンプコア側誘導溝72から外側面部13と底面部11との外側境界部ON近傍まで延びている。
【0116】
第2ポンプコア側誘導溝72は、第1ポンプコア側誘導溝71からスリット43aの第1ポンプコア側誘導溝71側の端部まで設けられている。ここで、第1ポンプコア側誘導溝71と第2ポンプコア側誘導溝72とが繋がることにより、スリット43aに溶融したロウ材Cを導くロウ材供給経路が形成されている。
【0117】
このように、第1ポンプコア側誘導溝71と第2ポンプコア側誘導溝72とにより形成される溝の形状は、平面視において(回転軸線方向から視て)Y字状となっている。なお、第1変形例のその他の構成は、第6実施形態と同様であるので説明を省略する。また、タービンコア53に関しても同様の構成を設けてもよい。
【0118】
(第2変形例)
次に、
図44および
図58を参照して、本発明の第6実施形態の第2変形例による流体伝動装置1の構成について説明する。なお、第6実施形態の流体伝動装置1と同様の構成については、同一の符号を付し説明を省略する。
【0119】
〈ポンプコア側誘導溝〉
ポンプコア側誘導溝7は、第1ポンプコア側誘導溝71により構成されている。第1ポンプコア側誘導溝71は、
図58に示すように、内側面部12と底面部11との内側境界部CN近傍からスリット43aまで延び、さらに、スリット43aから外側面部13と底面部11との外側境界部ON近傍まで延びている。すなわち、第1ポンプコア側誘導溝71は、底面部11の径方向における内側面部12および外側面部13のそれぞれと、タブ41a(
図44参照)の内面部41c(
図44参照)とスリット43aの縁部44(
図44参照)との微小隙間A3(
図44参照)とを繋げている。第1ポンプコア側誘導溝により、スリット43aに溶融したロウ材Cを導くロウ材供給経路が形成されている。
【0120】
このように、第1ポンプコア側誘導溝71により形成される溝の形状は、平面視において(回転軸線方向から視て)V字状となっている。なお、第2変形例のその他の構成は、第6実施形態と同様であるので説明を省略する。また、タービンコア53に関しても同様の構成を設けてもよい。
【0121】
(第6実施形態の効果)
第6実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0122】
第6実施形態では、上記のように、第2ポンプコア側誘導溝72は、第1ポンプコア側誘導溝71と、スリット43aに係合されるタブ41aの内面部41cとスリット43aの縁部との微小隙間A3とを繋げている。これにより、第1ポンプコア側誘導溝71および第2ポンプコア側誘導溝72により誘導されたロウ材Cを、微小隙間A3の毛細管現象によりスリット43aとタブ41aとの間の隙間に広げることができるので、スリット43aとタブ41aとの間の隙間に確実にロウ材Cを供給することができる。また、タービンコア53に関しても同様の効果を奏する。
【0123】
また、第6実施形態では、上記のように、第1ポンプコア側誘導溝71は、環状のポンプコア43の径方向に沿って延びている。これにより、ポンプコア43の幅方向の中央に向かう方向にポンプコア43において応力が生じた場合、第1ポンプコア側誘導溝71に生じる応力集中に起因してポンプコア43が破断することを抑制することができる。また、タービンコア53に関しても同様の効果を奏する。
【0124】
また、第6実施形態の第2変形例では、第1ポンプコア側誘導溝71は、底面部11の径方向における内側面部12および外側面部13のそれぞれと、タブ41aの内面部41cとスリット43aの縁部44との微小隙間A3とを繋げている。これにより、第1ポンプコア側誘導溝71のみによりロウ材Cを誘導し、微小隙間A3の毛細管現象によりスリット43aとタブ41aとの間の微小隙間A3に広げることができるので、簡略な構成によってスリット43aとタブ41aとの微小隙間A3にロウ材を供給することができる。なお、第6実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0125】
[第7実施形態]
次に、
図59〜62を参照して、本発明の第7実施形態による流体伝動装置1の構成について説明する。この第7実施形態では、ポンプコア43にポンプコア側誘導溝7が形成され、タービンコア53にタービンコア側誘導溝8が形成されている第6実施形態とは異なり、ポンプコア843およびタービンコア853の各々にポンプコア側誘導溝7およびタービンコア側誘導溝8が形成されている構成について説明する。なお、第6実施形態の流体伝動装置1と同様の構成については、同一の符号を付し説明を省略する。
【0126】
〈ポンプコアおよびタービンコア〉
第7実施形態の流体伝動装置1では、
図59および
図60に示すように、共通の(同じ)金型を用いて、ポンプコア側誘導溝7およびタービンコア側誘導溝8を形成したポンプコア843およびタービンコア853が形成されている。すなわち、ポンプコア843およびタービンコア853には、共通して、ポンプコア側誘導溝7とタービンコア側誘導溝8とが形成されている。
【0127】
ポンプコア843では、
図59に示すように、ポンプコア側誘導溝7およびタービンコア側誘導溝8のうち、ポンプコア側誘導溝7が、複数のスリット43aに対応する位置に配置されている。すなわち、ポンプコア843では、第1ポンプコア側誘導溝71が複数のスリット43aの配置位置に合わせて形成されている。なお、第1ポンプコア側誘導溝71の配置位置は、複数のスリット53aを避けた位置に配置されている。また、ポンプコア843では、第1ポンプコア側誘導溝71とスリット43aとを繋げるために、第2ポンプコア側誘導溝72が周方向の長さを調整して形成されている。
【0128】
タービンコア853では、
図60に示すように、ポンプコア側誘導溝7およびタービンコア側誘導溝8のうち、タービンコア側誘導溝8が、複数のスリット53aに対応する位置に配置されている。すなわち、タービンコア853では、第1タービンコア側誘導溝81が複数のスリット53aの配置位置に合わせて形成されている。なお、第1タービンコア側誘導溝81は、複数のスリット43aを避けた位置に配置されている。また、タービンコア853では、第1タービンコア側誘導溝81とスリット53aとを繋げるために、第2タービンコア側誘導溝82が周方向の長さを調整して形成されている。
【0129】
〈ポンプおよびタービンの製造方法〉
次に、流体伝動装置1における、ポンプ4(タービン5)の製造方法について説明する。
【0130】
流体伝動装置1では、ポンプ4(タービン5)の環状のポンプコア43(タービンコア53)の底面部11(底面部14)に、複数のポンプブレード41(複数のタービンブレード51)のタブ41a(タブ51a)により係合される複数のスリット43a(複数のスリット53a)が形成される。流体伝動装置1では、ポンプコア843(タービンコア853)にポンプコア側誘導溝7およびタービンコア側誘導溝8の両方が形成される。すなわち、流体伝動装置1では、ポンプコア843およびタービンコア853の両方に共通の、第1ポンプコア側誘導溝71および第1タービンコア側誘導溝81と、第2ポンプコア側誘導溝72および第2タービンコア側誘導溝82とを形成した金型により、ポンプコア843(タービンコア853)の底面部11(底面部14)に、第1ポンプコア側誘導溝71および第1タービンコア側誘導溝81と、第2ポンプコア側誘導溝72および第2タービンコア側誘導溝82とが転写される。
【0131】
流体伝動装置1では、複数のポンプブレード41(複数のタービンブレード51)のタブ41a(タブ51a)をポンプコア843(タービンコア853)のスリット43a(スリット53a)に挿し込み、タブ41a(タブ51a)を折り曲げてかしめる。そして、流体伝動装置1では、ポンプコア843(タービンコア853)のスリット43a(スリット53a)にかしめられたタブ41a(タブ51a)上にロウ材Cを載置し、炉内においてロウ材Cを溶融させる。これにより、
図61(
図62)に示すように、流体伝動装置1のポンプ4(タービン5)が製造される。
【0132】
(第7実施形態の効果)
第7実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0133】
第7実施形態では、上記のように、ポンプ4およびタービン5のそれぞれのポンプコア843およびタービンコア853には、ポンプコア843に形成される第1ポンプコア側誘導溝71および第2ポンプコア側誘導溝72と、タービンコア853に形成される第1タービンコア側誘導溝81および第2タービンコア側誘導溝82とが共通して形成されている。これにより、ポンプ4およびタービン5にポンプコア側誘導溝7およびタービンコア側誘導溝8を形成するための金型を共通化することができるので、ポンプ4およびタービン5の製造効率を向上させることができる。なお、第7実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0134】
[第8実施形態]
次に、
図63〜
図68を参照して、本発明の第8実施形態による流体伝動装置の構成について説明する。この第8実施形態では、一列のタブ41aが周方向に並ぶ第6実施形態とは異なり、二列のタブ41aが周方向に並ぶ構成について説明する。なお、第6実施形態の流体伝動装置1と同様の構成については、同一の符号を付し説明を省略する。
【0135】
ポンプブレード41の内周縁部のタブ41aが、
図63および
図64に示すように、径方向に複数(2個)並んで配置されている。ポンプブレード41の内周縁部の複数のタブ41aは、ポンプコア43のスリット43aに係合されている。ここで、径方向における内側のタブ41aを内タブ944とし、径方向における外側のタブ41aを外タブ945とする。
【0136】
ポンプコア43は、
図65に示すように、環状に形成され、複数のポンプブレード41のそれぞれの内周縁部のタブ41aが係合される複数のスリット43aを含んでいる。ポンプコア43のスリット43aは、径方向に複数(2個)並んで配置されている。ここで、径方向における内側のスリット43aを内スリット946とし、径方向における外側のスリット43aを外スリット947とする。内スリット946および外スリット947のそれぞれは、ポンプコア43の周方向に交差する方向に長く形成されている。
【0137】
また、ポンプコア43は、
図66に示すように、径方向に沿った断面において、凹状の断面形状の底面部11を有する。ここで、
図67に示すように、折り曲げられた内タブ944の内面944cと、内スリット946の縁部948との間には、微小隙間D2aが形成されている。なお、図示はしないが、折り曲げられた外タブ945の内面945cと、外スリット947の縁部との間にも同様に、微小隙間D2bが形成されている。
【0138】
〈ポンプコア側誘導溝〉
第8実施形態の流体伝動装置1では、ポンプコア43の底面部11の径方向における中央部に滞留するロウ材Cを、内タブ944と内スリット946との間および外タブ945と外スリット947との間に供給するために、ポンプコア43にポンプコア側誘導溝7を形成している。すなわち、流体伝動装置1では、
図66に示すように、ポンプコア側誘導溝7の第1ポンプコア側誘導溝71の毛細管現象により、ポンプコア43の底面部11の中央部に流出したロウ材Cが第2ポンプコア側誘導溝72まで移動される。そして、流体伝動装置1では、
図67に示すように、ポンプコア側誘導溝7の第2ポンプコア側誘導溝72の毛細管現象により、微小隙間D2aおよび微小隙間D2bに移動させ、内スリット946および外スリット947にロウ材Cが供給される。
【0139】
ポンプコア側誘導溝7は、
図68に示すように、底面部11の中央部分から溶融したロウ材Cを内スリット946および外スリット947に導く第1ポンプコア側誘導溝71および第2ポンプコア側誘導溝72を有している。ここで、第1ポンプコア側誘導溝71は、ポンプコア43の周方向に交差する方向に沿って延びている。第2ポンプコア側誘導溝72は、第1ポンプコア側誘導溝71の延びる方向に交差する方向に沿って延びている。
【0140】
つまり、第1ポンプコア側誘導溝71は、底面部11の径方向の内側端部から底面部11の径方向の中央部まで、内スリット946に沿って延びている。さらに、第1ポンプコア側誘導溝71は、底面部11の径方向の中央部から底面部11の径方向の外側端部まで、外スリット947に沿って延びている。また、第2ポンプコア側誘導溝72は、第1ポンプコア側誘導溝71のうちの底面部11の径方向の内側端部から底面部11の径方向の中央部までの部分と内スリット946とを繋いでいる。さらに、第2ポンプコア側誘導溝72は、第1ポンプコア側誘導溝71のうちの底面部11の径方向の中央部から底面部11の径方向の外側端部までの部分と外スリット947とを繋いでいる。なお、第8実施形態のその他の構成は、第6実施形態と同様であるので説明を省略する。また、タービンコア53に関しても同様の構成を設けてもよい。
【0141】
(第8実施形態の効果)
第8実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0142】
第8実施形態では、上記のように、ポンプコア43は、ポンプコア43の底面部11の径方向における中央部から溶融したロウ材Cを、内スリット946および外スリット947のそれぞれに導くための第1ポンプコア側誘導溝71および第2ポンプコア側誘導溝72を有している。これにより、ポンプコア43の底面部11の径方向における中央部に溶融したロウ材Cが滞留したとしても、第1ポンプコア側誘導溝71および第2ポンプコア側誘導溝72の毛細管現象により、中央部に滞留しているロウ材Cを内スリット946および外スリット947のそれぞれに導くことが可能となる。なお、第8実施形態のその他の効果は、第6実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0143】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく
特許請求の範囲によって示され、さらに
特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0144】
たとえば、上記第1〜第4実施形態では、第1ポンプコア側誘導溝71は、それぞれ内側境界部CN近傍から外側境界部ON近傍まで、スリット43aの延びる方向に沿った方向に延びているが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1ポンプコア側誘導溝は、ポンプコアの底面部の径方向における内側端部および外側端部のそれぞれからタブの縁部にまで延びるように構成されていてもよい。
【0145】
また、第2実施形態では、第1ポンプコア側誘導溝71は、平面視においてV字状となっているが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1ポンプコア側誘導溝は、平面視においてV字状以外(たとえば、矩形状またはU字状)の形状であってもよい。
【0146】
また、上記第1〜第8実施形態では、第1ポンプコア側誘導溝71および第2ポンプコア側誘導溝72は、プレス加工により、ポンプコア43の底面部の表面に凹状に凹ませて形成されているが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1ポンプコア側誘導溝および第2ポンプコア側誘導溝は、切削加工により形成されてもよい。
【0147】
また、上記第1〜8実施形態では、第1ポンプコア側誘導溝71の深さは、ポンプコア43の厚みの1/3よりも小さい深さとなっているが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1ポンプコア側誘導溝の深さは、ポンプコアの厚みのよりも小さい深さであればよい。
【0148】
また、上記第2〜第8実施形態では、ポンプコア側誘導溝7の平面視の形状が変形されているが、本発明はこれに限られない。本発明では、上記第2〜第8実施形態におけるポンプコア側誘導溝の平面視の形状の変形をタービンコア側誘導溝に適用してもよい。
【0149】
また、上記第1および第6実施形態では、第1ポンプコア側誘導溝71は、周方向に沿った断面において、深くなるほど幅が小さくなるV字状に形成されているが本発明はこれに限られない。本発明では、第1ポンプコア側誘導溝71は、周方向に沿った断面において、矩形状またはU字状などに形成されてもよい。
【0150】
また、上記第6実施形態では、第1ポンプコア側誘導溝71における谷部の角度An1および第2ポンプコア側誘導溝72における角度An2は、約90度である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1ポンプコア側誘導溝71における谷部の角度An1および第2ポンプコア側誘導溝72における角度An2は、約90度以下であればよい。なお、第1ポンプコア側誘導溝71における谷部の角度An1および第2ポンプコア側誘導溝72における角度An2は、約10度以上約90度以下がより好ましい。