特許第6850895号(P6850895)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6850895バネ部材、燃料電池ユニットおよび燃料電池スタック
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6850895
(24)【登録日】2021年3月10日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】バネ部材、燃料電池ユニットおよび燃料電池スタック
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/247 20160101AFI20210322BHJP
   H01M 8/248 20160101ALI20210322BHJP
   H01M 8/2465 20160101ALI20210322BHJP
【FI】
   H01M8/247
   H01M8/248
   H01M8/2465
【請求項の数】11
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2019-543507(P2019-543507)
(86)(22)【出願日】2018年8月28日
(86)【国際出願番号】JP2018031818
(87)【国際公開番号】WO2019058901
(87)【国際公開日】20190328
【審査請求日】2020年1月28日
(31)【優先権主張番号】特願2017-182979(P2017-182979)
(32)【優先日】2017年9月22日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】柳沼 基
(72)【発明者】
【氏名】安武 明
(72)【発明者】
【氏名】田島 典拓
(72)【発明者】
【氏名】川崎 公一
【審査官】 馳平 憲一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−229289(JP,A)
【文献】 特開2006−318863(JP,A)
【文献】 特開2012−248460(JP,A)
【文献】 特開2010−140656(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/0247、8/2465、8/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解質を両側から一対の電極で狭持してなり、供給されたガスによって発電する発電セルと、前記発電セルとの間に前記ガスの流通路である流路部を区画形成するとともに前記発電セルに導通接触するセパレータと、を有する燃料電池ユニットを複数積層した燃料電池スタックに用いるバネ部材であって、
前記セパレータに面接触した状態において前記セパレータに接合される平面部と、前記平面部から延びており、前記燃料電池ユニットの積層方向の力を受けて曲げ変形することによって、前記発電セルに向かって前記セパレータを押圧する弾発力を発生させるバネ部と、を有し、
前記バネ部材は、
前記平面部に交差する方向に沿って前記平面部から離れる方向に向かって前記バネ部から延びている柱立部と、
前記積層方向に沿って前記平面部に近づく方向に向かって前記バネ部から延びている補助柱立部と、をさらに有するバネ部材。
【請求項2】
前記バネ部は、前記積層方向に向かって湾曲した湾曲部を備える、請求項1に記載のバネ部材。
【請求項3】
前記柱立部は、前記積層方向に沿って延びている、請求項1または請求項2に記載のバネ部材。
【請求項4】
前記補助柱立部は、前記バネ部の一部を切り欠いて折り曲げた形状を備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載のバネ部材。
【請求項5】
前記バネ部は、前記積層方向に開口する開口部を有し、
前記バネ部の断面係数は、前記開口部によって、前記平面部から遠ざかるにつれて大きくなっている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のバネ部材。
【請求項6】
前記平面部の長さは、当該平面部と前記セパレータとを溶接接合するために必要な幅よりも大きい、請求項1〜5のいずれか1項に記載のバネ部材。
【請求項7】
電解質を両側から一対の電極で狭持してなり、供給されたガスによって発電する発電セルと、前記発電セルとの間に前記ガスの流通路である流路部を区画形成するとともに前記発電セルに導通接触するセパレータと、バネ部材と、を有する燃料電池ユニットであって、
前記バネ部材は、前記セパレータに面接触した状態において前記セパレータに接合される平面部と、前記平面部から延びており、前記燃料電池ユニットの積層方向の力を受けて曲げ変形することによって、前記発電セルに向かって前記セパレータを押圧する弾発力を発生させるバネ部と、を有し、
前記セパレータは、前記バネ部材が接合される面から凹んだ溝部を有し、
前記バネ部材は、前記平面部に交差する方向に沿って前記平面部から離れる方向に向かって前記バネ部から延びている柱立部と、前記積層方向に沿って前記平面部に近づく方向に向かって前記バネ部から延びている補助柱立部と、を有し、
前記バネ部材は、前記バネ部の延びている方向とは異なる方向に向かって前記平面部から延びており、前記セパレータに前記平面部が接触した状態において前記溝部の縦壁に突き当てられる突き当て部をさらに有し、
前記突き当て部の先端は、前記溝部の凹み方向に向かって屈曲し、
前記積層方向における前記突き当て部の先端と前記平面部との間の距離は、前記溝部の深さよりも小さい、燃料電池ユニット。
【請求項8】
前記溝部は、前記突き当て部が延びている方向に交差する第1縦壁と、前記突き当て部が延びている方向に沿う第2縦壁と、を有し、
前記突き当て部は、前記第1縦壁に突き当てられるとともに、前記第2縦壁に当接する、請求項に記載の燃料電池ユニット。
【請求項9】
前記セパレータの面方向に沿って配置された複数の前記バネ部材を有する、請求項または請求項に記載の燃料電池ユニット。
【請求項10】
請求項のいずれか1項に記載の燃料電池ユニットを複数積層した燃料電池スタック。
【請求項11】
前記セパレータの面方向に沿って配置された複数の前記バネ部材を有し、
前記ガスは、前記発電セルと前記セパレータとの間において、前記セパレータの外周を構成する一の端部側から供給されるとともに、前記セパレータの面方向に沿って、一の端部に対向する他の端部側に向かって流動し、
複数の前記バネ部材のうちの一の前記バネ部材のバネ定数は、前記ガスの流れ方向の下流側に配置された他の前記バネ部材のバネ定数よりも小さい、請求項10に記載の燃料電池スタック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池スタックに用いるバネ部材、燃料電池ユニットおよび燃料電池スタックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、燃料電池スタックは、電解質を両側から一対の電極で狭持してなり、供給されたガスによって発電する発電セルと、発電セルとの間にガスの流通路である流路部を区画形成するとともに発電セルに導通接触するセパレータと、を有する燃料電池ユニットを複数積層して構成される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
燃料電池スタックは、発電セルに向かってセパレータを押し付ける弾発力を発生させるバネ部材を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−97982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記燃料電池スタックにおいて、バネ部材は、その端部において発電セルに向かってセパレータを押圧するため、当該端部に応力が集中して作用し易い。発電セルは、発電時に熱を放出するため、バネ部材は高温になる。バネ部材に応力が集中して作用した状態においてバネ部材が高温になると、バネ部材がクリープ変形し、発電セルにセパレータを押し付ける力が弱くなる可能性がある。その結果、発電セルとセパレータとの間の面圧が減少して集電抵抗が増加し、燃料電池の発電性能が低下する可能性があるという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、バネ部材のクリープ変形に起因した燃料電池の発電性能の低下を防止できるバネ部材、燃料電池ユニットおよび燃料電池スタックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明のバネ部材は、燃料電池スタックに用いるバネ部材であって、セパレータに面接触した状態において前記セパレータに接合される平面部と、前記平面部から延びており、前記セルユニットの積層方向の力を受けて曲げ変形することによって、発電セルに向かって前記セパレータを押圧する弾発力を発生させるバネ部と、を有する。前記バネ部材は、前記平面部に交差する方向に沿って前記平面部から離れる方向に向かって前記バネ部から延びている柱立部と、前記積層方向に沿って前記平面部に近づく方向に向かって前記バネ部から延びている補助柱立部と、をさらに有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態の燃料電池スタックを示す斜視図である。
図2図1の燃料電池スタックをカバーとセルスタックアッセンブリーおよび外部マニホールドに分解した状態を示す斜視図である。
図3図2のセルスタックアッセンブリーをエアーシェルターと上部エンドプレートとスタックおよび下部エンドプレートに分解した状態を示す斜視図である。
図4図3のスタックを上部モジュールユニットと複数の中部モジュールユニットおよび下部モジュールユニットに分解した状態を示す斜視図である。
図5図4の上部モジュールユニットを分解して示す斜視図である。
図6図4の中部モジュールユニットを分解して示す斜視図である。
図7図4の下部モジュールユニットを分解して示す斜視図である。
図8図5図7のセルユニットを分解して示す斜視図である。
図9図8のメタルサポートセルアッセンブリーを分解して示す斜視図である。
図10図8の10−10線に沿うメタルサポートセルアッセンブリーの断面図である。
図11図8のセパレータをカソード側(図8と同じくセパレータ102を上方から視認した側)から示す斜視図である。
図12図11のセパレータを部分的(図11中の領域12)に示す斜視図である。
図13図8のセパレータをアノード側(図8と異なりセパレータ102を下方から視認した側)から示す斜視図である。
図14図13のセパレータを部分的(図13中の領域14)に示す斜視図である。
図15図8のメタルサポートセルアッセンブリーとセパレータおよび集電補助層を積層した状態で部分的(図11中の領域15)に示す断面図である。
図16A】燃料電池スタックにおけるアノードガスおよびカソードガスの流れを模式的に示す斜視図である。
図16B】燃料電池スタックにおけるカソードガスの流れを模式的に示す斜視図である。
図16C】燃料電池スタックにおけるアノードガスの流れを模式的に示す斜視図である。
図17A】実施形態に係るセルユニットについて、集電補助層を省略して示す平面図である。
図17B】実施形態に係るセルユニットについて、グリッドバネおよび集電補助層を省略して示す平面図である。
図18A】実施形態に係るグリッドバネの斜視図である。
図18B】実施形態に係るグリッドバネの斜視図である。
図18C図17Aのセパレータを部分的(図17A中の領域18C)に示す斜視図である。
図19A図15において破線19Aで囲む領域の拡大図である。
図19B】実施形態に係るグリッドバネの起立片を示す斜視図である。
図20A図17Bにおいて破線20Aで囲む領域の拡大斜視図である。
図20B図17Bにおいて破線20Aで囲む領域の拡大斜視図であって、突き当て部を凹部に突き当てた状態を示す図である。
図21】変形例1に係る燃料電池の図15に対応する断面図である。
図22A】変形例2に係るセルユニットについて、集電補助層を省略して示す平面図である。
図22B図22Aにおいて破線22Bで囲む領域の拡大図である。
図23A】変形例3に係るセルユニットについて、集電補助層を省略して示す平面図である。
図23B】変形例3に係るセルユニットについて、グリッドバネおよび集電補助層を省略して示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。図面において、同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面において、各部材の大きさや比率は、実施形態の理解を容易にするために誇張し、実際の大きさや比率とは異なる場合がある。
【0010】
各図において、X、Y、およびZで表す矢印を用いて、燃料電池スタックを構成する部材の方位を示している。Xによって表す矢印の方向は、燃料電池スタックの短手方向Xを示している。Yによって表す矢印の方向は、燃料電池スタックの長手方向Yを示している。Zによって表す矢印の方向は、燃料電池スタックの積層方向Zを示している。
【0011】
(燃料電池100の構成)
燃料電池100は、図1および図2に示すように、セルスタックアッセンブリー100Mを、外部からガスを供給する外部マニホールド111と、セルスタックアッセンブリー100Mを保護するカバー112によって上下から挟み込んで、構成している。
【0012】
セルスタックアッセンブリー100Mは、図2および図3に示すように、燃料電池スタック100Sを、下部エンドプレート108と上部エンドプレート109によって上下から挟み込み、カソードガスCGを封止するエアーシェルター110によって覆って、構成している。
【0013】
燃料電池スタック100Sは、図3および図4に示すように、上部モジュールユニット100P、複数の中部モジュールユニット100Qおよび下部モジュールユニット100Rを積層して、構成している。
【0014】
上部モジュールユニット100Pは、図5に示すように、複数積層したセルユニット100T(燃料電池ユニットに相当)を、セルユニット100Tで発電された電力を外部に出力する上部集電板106と、エンドプレートに相当するモジュールエンド105によって上下から挟み込んで構成している。
【0015】
中部モジュールユニット100Qは、図6に示すように、複数積層したセルユニット100Tを、一対のモジュールエンド105によって上下から挟み込んで構成している。
【0016】
下部モジュールユニット100Rは、図7に示すように、複数積層したセルユニット100Tを、モジュールエンド105と下部集電板107によって上下から挟み込んで構成している。
【0017】
セルユニット100Tは、図8に示すように、供給されたガスによって発電する発電セル101Mを設けたメタルサポートセルアッセンブリー101、隣り合う発電セル101Mを隔てるセパレータ102、およびメタルサポートセルアッセンブリー101とセパレータ102との隙間を部分的に封止してガスの流れを制限する封止部材104、一の発電セル101Mと導通接触するとともに、一の発電セル101Mに隣接する他の発電セル101Mに向かってセパレータ102を押圧する弾発力を発生させるグリッドバネ120を含んでいる。
【0018】
メタルサポートセルアッセンブリー101およびセパレータ102は、図8に示すように、各々の外縁を接合ラインVに沿って環状に接合して接合体100Uを構成している。セルユニット100Tは、上下に隣り合う接合体100Uと接合体100Uの間に封止部材104を配置して構成している。
【0019】
以下、燃料電池スタック100Sを構成毎に説明する。
【0020】
メタルサポートセルアッセンブリー101は、図9および図10に示すように、供給されたガスによって発電する発電セル101Mを設けたものである。
【0021】
メタルサポートセルアッセンブリー101において、発電セル101Mは、図9および図10に示すように、電解質101Sを燃料極側の電極(アノード101T)と酸化剤極側の電極(カソード101U)で挟み込んで構成している。メタルサポートセル101Nは、発電セル101Mと、発電セル101Mを一方から支持するサポートメタル101Vによって構成している。メタルサポートセルアッセンブリー101は、一対のメタルサポートセル101Nと、一対のメタルサポートセル101Nを周囲から保持するセルフレーム101Wによって構成している。メタルサポートセルアッセンブリー101において、発電セル101Mは、図9および図10に示すように、電解質101Sをアノード101Tとカソード101Uで挟み込んで構成している。
【0022】
電解質101Sは、図9および図10に示すように、カソード101Uからアノード101Tに向かって酸化物イオンを透過させるものである。電解質101Sは、酸化物イオンを通過させつつ、ガスと電子を通過させない。電解質101Sは、長方体形状から形成されている。電解質101Sは、例えば、イットリア、酸化ネオジム、サマリア、ガドリア、スカンジア等を固溶した安定化ジルコニアなどの固体酸化物セラミックスからなる。
【0023】
アノード101Tは、図9および図10に示すように、燃料極であって、アノードガスAG(例えば水素)と酸化物イオンを反応させて、アノードガスAGの酸化物を生成するとともに電子を取り出す。アノード101Tは、還元雰囲気に耐性を有し、アノードガスAGを透過させ、電気伝導度が高く、アノードガスAGを酸化物イオンと反応させる触媒作用を有する。アノード101Tは、電解質101Sよりも大きい長方体形状から形成されている。アノード101Tは、例えば、ニッケル等の金属、イットリア安定化ジルコニア等の酸化物イオン伝導体を混在させた超硬合金からなる。
【0024】
カソード101Uは、図9および図10に示すように、酸化剤極であって、カソードガスCG(例えば空気に含まれる酸素)と電子を反応させて、酸素分子を酸化物イオンに変換する。カソード101Uは、酸化雰囲気に耐性を有し、カソードガスCGを透過させ、電気伝導度が高く、酸素分子を酸化物イオンに変換する触媒作用を有する。カソード101Uは、電解質101Sよりも小さい長方体形状から形成されている。カソード101Uは、例えば、ランタン、ストロンチウム、マンガン、コバルト等の酸化物からなる。
【0025】
サポートメタル101Vは、図9および図10に示すように、発電セル101Mをアノード101Tの側から支持するものである。サポートメタル101Vは、ガス透過性を有し、電気伝導度が高く、十分な強度を有する。サポートメタル101Vは、アノード101Tよりも十分に大きい長方体形状から形成されている。サポートメタル101Vは、例えば、ニッケルやクロムを含有する耐食合金や耐食鋼、ステンレス鋼からなる。
【0026】
セルフレーム101Wは、図9および図10に示すように、メタルサポートセル101Nを周囲から保持するものである。セルフレーム101Wは、薄い長方形状から形成している。セルフレーム101Wは、一対の開口部101kを、長手方向Yに沿って設けている。セルフレーム101Wの一対の開口部101kは、それぞれ長方形状の貫通口からなり、サポートメタル101Vの外形よりも小さい。セルフレーム101Wは、金属からなり、絶縁材またはコーティングを用いて絶縁している。絶縁材は、例えば、セルフレーム101Wに酸化アルミニウムを固着させて構成する。セルフレーム101Wの開口部101kの内縁に、サポートメタル101Vの外縁を接合することによって、セルフレーム101Wにメタルサポートセルアッセンブリー101を接合している。
【0027】
セルフレーム101Wは、図9および図10に示すように、長手方向Yに沿った一辺の右端と中央と左端から、面方向に延ばした円形状の延在部(第1延在部101p、第2延在部101qおよび第3延在部101r)を設けている。セルフレーム101Wは、長手方向Yに沿った他辺の中央から離間した2箇所から、面方向に延ばした円形状の延在部(第4延在部101sおよび第5延在部101t)を設けている。セルフレーム101Wにおいて、第1延在部101p、第2延在部101qおよび第3延在部101rと、第4延在部101sおよび第5延在部101tは、一対の開口部101kを隔てて、長手方向Yに沿って交互に位置している。
【0028】
セルフレーム101Wは、図9および図10に示すように、アノードガスAGを通過(流入)させるアノード側第1流入口101a、アノード側第2流入口101b、アノード側第3流入口101cを、第1延在部101p、第2延在部101qおよび第3延在部101rに設けている。セルフレーム101Wは、アノードガスAGを通過(流出)させるアノード側第1流出口101dおよびアノード側第2流出口101eを、第4延在部101sおよび第5延在部101tに設けている。アノードガスAGのアノード側第1流入口101a、アノード側第2流入口101b、アノード側第3流入口101c、アノード側第1流出口101dおよびアノード側第2流出口101eは、いわゆる、マニホールドである。
【0029】
セルフレーム101Wは、図9に示すように、カソードガスCGを通過(流入)させるカソード側第1流入口101fを、第1延在部101pと第2延在部101qの間の空間に設けている。セルフレーム101Wは、カソードガスCGを通過(流入)させるカソード側第2流入口101gを、第2延在部101qと第3延在部101rの間の空間に設けている。セルフレーム101Wは、カソードガスCGを通過(流出)させるカソード側第1流出口101hを、第4延在部101sよりも図9中の右側に設けている。セルフレーム101Wは、カソードガスCGを通過(流出)させるカソード側第2流出口101iを、第4延在部101sと第5延在部101tの間の空間に設けている。セルフレーム101Wは、カソードガスCGを通過(流出)させるカソード側第3流出口101jを、第5延在部101tよりも図9中の左側に設けている。セルフレーム101Wにおいて、カソード側第1流入口101f、カソード側第2流入口101g、カソード側第1流出口101h、カソード側第2流出口101iおよびカソード側第3流出口101jは、セルフレーム101Wの外周面とエアーシェルター110の内側面との空間に相当する。
【0030】
セパレータ102は、図15に示すように、発電セル101Mとの間にアノードガスAGおよびカソードガスCGの流通路である流路部102Lを区画形成する。セパレータ102は、メタルサポートセル101Nに導通接触する。
【0031】
セパレータ102は、メタルサポートセルアッセンブリー101と対向して配置している。セパレータ102は、メタルサポートセルアッセンブリー101と同様の外形形状からなる。セパレータ102は、金属からなり、発電セル101Mと対向する領域(流路部102L)を除いて、絶縁材またはコーティングを用いて絶縁している。絶縁材は、例えば、セパレータ102に酸化アルミニウムを固着させて構成する。セパレータ102は、一対の流路部102Lを、発電セル101Mと対向するように長手方向Yに並べて設けている。
【0032】
セパレータ102において、流路部102Lは、図8および図11図15に示すように、ガスの流れの方向(短手方向X)に沿って延ばした流路を、ガスの流れの方向(短手方向X)と直交する方向(長手方向Y)に並べることによって形成している。流路部102Lは、図12図14および図15に示すように、長手方向Yおよび短手方向Xの面内において平坦な平坦部102xから下方に凹むように、凹部102yを一定の間隔で設けている。凹部102yは、ガスの流れの方向(短手方向X)に沿って延びている。凹部102yは、セパレータ102の下端から下方に向かって凹んでいる。流路部102Lは、図12図14および図15に示すように、平坦部102xから上方に突出するように、凸部102zを一定の間隔で設けている。凸部102zは、ガスの流れの方向(短手方向X)に沿って延びている。凸部102zは、セパレータ102の上端から上方に向かって突出している。流路部102Lは、凹部102yと凸部102zを、平坦部102xを隔てて、長手方向Yに沿って交互に設けている。
【0033】
セパレータ102は、図15に示すように、流路部102Lと、その下方(図15中では右方)に位置するメタルサポートセルアッセンブリー101との隙間を、アノードガスAGの流路として構成している。アノードガスAGは、図13に示すセパレータ102のアノード側第2流入口102b等から、図13および図14に示す複数の溝102qを通り、アノード側の流路部102Lに流入する。セパレータ102は、図13および図14に示すように、複数の溝102qを、アノード側第1流入口102a、アノード側第2流入口102b、アノード側第3流入口102cから、それぞれアノード側の流路部102Lに向かって放射状に形成している。セパレータ102は、図12および図15に示すように、流路部102Lと、その上方(図15中では左方)に位置するメタルサポートセルアッセンブリー101との隙間を、カソードガスCGの流路として構成している。カソードガスCGは、図11に示すセパレータ102のカソード側第1流入口102fおよびカソード側第2流入口102gから、図11および図12に示すセパレータ102のカソード側の外縁102pを越えて、カソード側の流路部102Lに流入する。セパレータ102は、図12に示すように、カソード側の外縁102pを、他の部分よりも肉薄に形成している。
【0034】
セパレータ102は、図8図11および図13に示すように、メタルサポートセルアッセンブリー101と積層方向Zに沿って相対的な位置が合うように、アノードガスAGを通過させるアノード側第1流入口102a、アノード側第2流入口102b、アノード側第3流入口102c、アノード側第1流出口102dおよびアノード側第2流出口102eを設けている。セパレータ102は、メタルサポートセルアッセンブリー101と積層方向Zに沿って相対的な位置が合うように、カソードガスCGを通過させるカソード側第1流入口102f、カソード側第2流入口102g、カソード側第1流出口102h、カソード側第2流出口102iおよびカソード側第3流出口102jを設けている。セパレータ102において、カソード側第1流入口102f、カソード側第2流入口102g、カソード側第1流出口102h、カソード側第2流出口102iおよびカソード側第3流出口102jは、セパレータ102の外周面とエアーシェルター110の内側面との空間に相当する。
【0035】
グリッドバネ120は、図8および図15に示すように、発電セル101Mに向かってセパレータ102を押圧する。グリッドバネ120は、集電補助層103を介して発電セル101Mと導通接触する。
【0036】
集電補助層103は、発電セル101Mとグリッドバネ120との間にカソードガスCGを通す空間を形成しつつ面圧を均等にして、発電セル101Mとグリッドバネ120との電気的な接触を補助するものである。
【0037】
集電補助層103は、いわゆる、エキスパンドメタルである。集電補助層103は、発電セル101Mとセパレータ102の流路部102Lとの間に配置している。集電補助層103は、発電セル101Mと同様の外形形状からなる。集電補助層103は、菱形等の開口を格子状に設けた金網状からなる。
【0038】
封止部材104は、スペーサーとシールの機能を備え、いわゆるガスケットである。
【0039】
封止部材104は、図8に示すように、セルフレーム101Wとセパレータ102との間に配置され、セルフレーム101Wとセパレータ102との隙間を部分的に封止してガスの流れを制限する。
【0040】
封止部材104は、セパレータ102のアノード側流入口(例えばアノード側第1流入口102a)およびアノード側流出口(例えばアノード側第1流出口102d)から、セパレータ102のカソード側の流路に向かって、アノードガスAGが混入することを防止する。
【0041】
モジュールエンド105は、図5図7に示すように、複数積層したセルユニット100Tの下端または上端を保持するプレートである。
【0042】
モジュールエンド105は、複数積層したセルユニット100Tの下端または上端に配置している。モジュールエンド105は、セルユニット100Tと同様の外形形状からなる。モジュールエンド105は、ガスを透過させない導電性材料からなり、発電セル101Mおよび他のモジュールエンド105と対向する一部の領域を除いて、絶縁材またはコーティングを用いて絶縁している。絶縁材は、例えば、モジュールエンド105に酸化アルミニウムを固着させて構成する。
【0043】
モジュールエンド105は、セルユニット100Tと積層方向Zに沿って相対的な位置が合うように、アノードガスAGを通過させるアノード側第1流入口105a、アノード側第2流入口105b、アノード側第3流入口105c、アノード側第1流出口105dおよびアノード側第2流出口105eを設けている。モジュールエンド105は、セルユニット100Tと積層方向Zに沿って相対的な位置が合うように、カソードガスCGを通過させるカソード側第1流入口105f、カソード側第2流入口105g、カソード側第1流出口105h、カソード側第2流出口105iおよびカソード側第3流出口105jを設けている。モジュールエンド105において、カソード側第1流入口105f、カソード側第2流入口105g、カソード側第1流出口105h、カソード側第2流出口105iおよびカソード側第3流出口105jは、モジュールエンド105の外周面とエアーシェルター110の内側面との空間に相当する。
【0044】
上部集電板106は、図5に示し、セルユニット100Tで発電された電力を外部に出力するものである。
【0045】
上部集電板106は、図5に示すように、上部モジュールユニット100Pの上端に配置している。上部集電板106は、セルユニット100Tと同様の外形形状からなる。上部集電板106は、外部の通電部材と接続される端子(不図示)を設けている。上部集電板106は、ガスを透過させない導電性材料からなり、セルユニット100Tの発電セル101Mと対向する領域および端子の部分を除いて、絶縁材またはコーティングを用いて絶縁している。絶縁材は、例えば、上部集電板106に酸化アルミニウムを固着させて構成する。
【0046】
下部集電板107は、図7に示し、セルユニット100Tで発電された電力を外部に出力するものである。
【0047】
下部集電板107は、図7に示すように、下部モジュールユニット100Rの下端に配置している。下部集電板107は、上部集電板106と同様の外形形状からなる。下部集電板107は、外部の通電部材と接続される端子(不図示)を設けている。下部集電板107は、ガスを透過させない導電性材料からなり、セルユニット100Tの発電セル101Mと対向する領域および端子の部分を除いて、絶縁材またはコーティングを用いて絶縁している。絶縁材は、例えば、下部集電板107に酸化アルミニウムを固着させて構成する。
【0048】
下部集電板107は、セルユニット100Tと積層方向Zに沿って相対的な位置が合うように、アノードガスAGを通過させるアノード側第1流入口107a、アノード側第2流入口107b、アノード側第3流入口107c、アノード側第1流出口107dおよびアノード側第2流出口107eを設けている。下部集電板107は、セルユニット100Tと積層方向Zに沿って相対的な位置が合うように、カソードガスCGを通過させるカソード側第1流入口107f、カソード側第2流入口107g、カソード側第1流出口107h、カソード側第2流出口107iおよびカソード側第3流出口107jを設けている。下部集電板107において、カソード側第1流入口107f、カソード側第2流入口107g、カソード側第1流出口107h、カソード側第2流出口107iおよびカソード側第3流出口107jは、下部集電板107の外周面とエアーシェルター110の内側面との空間に相当する。
【0049】
下部エンドプレート108は、図2および図3に示すように、燃料電池スタック100Sを下方から保持するものである。
【0050】
下部エンドプレート108は、燃料電池スタック100Sの下端に配置している。下部エンドプレート108は、一部を除いて、セルユニット100Tと同様の外形形状からなる。下部エンドプレート108は、カソードガスCGの流入口および排出口を形成するために、長手方向Yに沿った両端を直線状に伸長させて形成している。下部エンドプレート108は、セルユニット100Tよりも十分に厚く形成している。下部エンドプレート108は、例えば、金属からなり、下部集電板107と接触する上面を、絶縁材またはコーティングを用いて絶縁している。絶縁材は、例えば、下部エンドプレート108に酸化アルミニウムを固着させて構成する。
【0051】
下部エンドプレート108は、セルユニット100Tと積層方向Zに沿って相対的な位置が合うように、アノードガスAGを通過させるアノード側第1流入口108a、アノード側第2流入口108b、アノード側第3流入口108c、アノード側第1流出口108dおよびアノード側第2流出口108eを設けている。下部エンドプレート108は、セルユニット100Tと積層方向Zに沿って相対的な位置が合うように、カソードガスCGを通過させるカソード側第1流入口108f、カソード側第2流入口108g、カソード側第1流出口108h、カソード側第2流出口108iおよびカソード側第3流出口108jを設けている。
【0052】
上部エンドプレート109は、図2および図3に示すように、燃料電池スタック100Sを上方から保持するものである。
【0053】
上部エンドプレート109は、燃料電池スタック100Sの上端に配置している。上部エンドプレート109は、下部エンドプレート108と同様の外形形状からなる。上部エンドプレート109は、下部エンドプレート108と異なり、ガスの流入口および排出口を設けていない。上部エンドプレート109は、例えば、金属からなり、上部集電板106と接触する下面を、絶縁材またはコーティングを用いて絶縁している。絶縁材は、例えば、上部エンドプレート109に酸化アルミニウムを固着させて構成する。
【0054】
エアーシェルター110は、図2および図3に示すように、燃料電池スタック100Sとの間において、カソードガスCGの流路を形成するものである。
【0055】
エアーシェルター110は、図2および図3に示すように、下部エンドプレート108と上部エンドプレート109によって挟み込まれた燃料電池スタック100Sを上方から覆っている。エアーシェルター110は、エアーシェルター110の内側面と燃料電池スタック100Sの側面との隙間の部分によって、燃料電池スタック100Sの構成部材のカソードガスCGの流入口と流出口を形成する。エアーシェルター110は、箱形状からなり、下部の全てと側部の一部を開口している。エアーシェルター110は、例えば、金属からなり、内側面を絶縁材またはコーティングを用いて絶縁している。絶縁材は、例えば、エアーシェルター110に酸化アルミニウムを固着させて構成する。
【0056】
外部マニホールド111は、図1および図2に示すように、外部から複数のセルユニット100Tにガスを供給するものである。
【0057】
外部マニホールド111は、セルスタックアッセンブリー100Mの下方に配置している。外部マニホールド111は、下部エンドプレート108の形状を単純化した外形形状からなる。外部マニホールド111は、下部エンドプレート108よりも十分に厚く形成している。外部マニホールド111は、例えば、金属からなる。
【0058】
外部マニホールド111は、セルユニット100Tと積層方向Zに沿って相対的な位置が合うように、アノードガスAGを通過させるアノード側第1流入口111a、アノード側第2流入口111b、アノード側第3流入口111c、アノード側第1流出口111dおよびアノード側第2流出口111eを設けている。外部マニホールド111は、カソードガスCGを通過させるセルユニット100Tと積層方向Zに沿って相対的な位置が合うように、カソード側第1流入口111f、カソード側第2流入口111g、カソード側第1流出口111h、カソード側第2流出口111iおよびカソード側第3流出口111jを設けている。
【0059】
カバー112は、図1および図2に示すように、セルスタックアッセンブリー100Mを被覆して保護するものである。
【0060】
カバー112は、セルスタックアッセンブリー100Mを、外部マニホールド111とともに上下から挟み込んでいる。カバー112は、箱形状からなり、下部を開口させている。カバー112は、例えば、金属からなり、内側面を絶縁材によって絶縁している。
【0061】
(燃料電池スタック100Sにおけるガスの流れ)
図16Aは、燃料電池スタック100SにおけるアノードガスAGの流れを模式的に示す斜視図である。図16Bは、燃料電池スタック100SにおけるカソードガスCGの流れを模式的に示す斜視図である。
【0062】
アノードガスAGは、外部マニホールド111、下部エンドプレート108、モジュールエンド105、セパレータ102、およびメタルサポートセルアッセンブリー101の各々の流入口を通過して、各々の発電セル101Mのアノード101Tに供給される。すなわち、アノードガスAGは、外部マニホールド111から終端の上部集電板106に至るまで、交互に積層されたセパレータ102とメタルサポートセルアッセンブリー101との隙間に設けられたアノード側の流路に分配して供給される。その後、アノードガスAGは、発電セル101Mで反応し、上記の各構成部材の各々の流出口を通過して排ガスの状態で排出される。
【0063】
アノードガスAGは、図16Aにおいて、図16Aの下方に位置するセパレータ102のアノード側第1流入口102a、アノード側第2流入口102bおよびアノード側第3流入口102cを通過し、メタルサポートセルアッセンブリー101のアノード側第1流入口101a、アノード側第2流入口101bおよびアノード側第3流入口101cを通過した後、図16Aの上方に位置するセパレータ102の流路部102Lに流入して、メタルサポートセルアッセンブリー101の発電セル101Mのアノード101Tに供給される。アノード101Tで反応した後のアノードガスAGは、排気ガスの状態で、図16Aの上方に位置するセパレータ102の流路部102Lから流出して、メタルサポートセルアッセンブリー101のアノード側第1流出口101dおよびアノード側第2流出口101eを通過し、図16A中の下方に位置するセパレータ102のアノード側第1流出口102dおよびアノード側第2流出口102eを通過して外部に排出される。
【0064】
カソードガスCGは、外部マニホールド111、下部エンドプレート108、モジュールエンド105、セパレータ102、およびメタルサポートセルアッセンブリー101の各々の流入口を通過して、発電セル101Mのカソード101Uに供給される。すなわち、カソードガスCGは、外部マニホールド111から終端の上部集電板106に至るまで、交互に積層されたメタルサポートセルアッセンブリー101とセパレータ102との隙間に設けられたカソード側の流路に分配して供給される。その後、カソードガスCGは、発電セル101Mで反応し、上記の各構成部材の各々の流出口を通過して排ガスの状態で排出される。カソードガスCGは、セパレータ102の一の端部102S1から供給されるとともに、セパレータ102の面方向に沿って、一の端部102S1に対向する他の端部102S2に向かって流動する(図16B参照)。上記の各構成部材におけるカソードガスCGの流入口および流出口は、各々の構成部材の外周面と、エアーシェルター110の内側面との間の隙間によって、構成している。
【0065】
カソードガスCGは、図16Bにおいて、図16Bの下方に位置するセパレータ102のカソード側第1流入口102fおよびカソード側第2流入口102gを通過し、そのセパレータ102の流路部102Lに流入して、メタルサポートセルアッセンブリー101の発電セル101Mのカソード101Uに供給される。カソード101Uで反応した後のカソードガスCGは、排気ガスの状態で、図16B中の下方に位置するセパレータ102の流路部102Lから流出して、そのセパレータ102のカソード側第1流出口102h、カソード側第2流出口102iおよびカソード側第3流出口102jを通過して外部に排出される。
【0066】
(グリッドバネ120)
グリッドバネ120は、図17Aに示すように、カソードガスCGの流れの上流側に配置される第1グリッドバネ120Aと、カソードガスCGの流れの下流側に配置される第2グリッドバネ120Bと、第1グリッドバネ120Aと第2グリッドバネ120Bとの間に配置される第3グリッドバネ120Cと、を有する。
【0067】
グリッドバネ120は、図18A図18Cおよび図19Aに示すように、平坦な基板125と、基板125から片持ち梁となるように起立させて形成し弾性変形可能な複数の起立片130(バネ部材に相当)を有する。
【0068】
起立片130は、積層方向Zに弾発力を発生させることによって、基板125と発電セル101Mとの間およびセパレータ102とメタルサポートセル101Nとの間に面圧を生じさせるバネとして機能する(図15参照)。
【0069】
起立片130は、図19Aに示すように、セパレータ102に接合される平面部131と、平面部131から延びているバネ部132と、平面部131から遠ざかる方向に向かってバネ部132から延びている柱立部133と、凹部102y(溝部に相当)の縦壁102rに突き当てられる突き当て部134と、平面部131に近づく方向に向かってバネ部132から延びている補助柱立部135と、を有する。
【0070】
平面部131は、セパレータ102に面接触した状態においてセパレータ102に接合される。平面部131とセパレータ102とは、接合部Mにおいて溶接接合されている。平面部131の長さは、当該平面部131とセパレータ102とを溶接接合するために必要な幅(接合部Mの幅B0)よりも大きい。
【0071】
バネ部132は、積層方向Zの力を受けて曲げ変形することによって、発電セル101Mに向かってセパレータ102を押圧する弾発力を発生させる。
【0072】
バネ部132は、平面部131から離れる方向に向かって湾曲した湾曲部132aを備え、当該湾曲部132aの曲率は必要な反力に対応して付与されている。
【0073】
柱立部133は、積層方向Zに沿って平面部131から離れる方向に向かって延びている。
【0074】
突き当て部134は、バネ部132の延びている方向とは異なる方向に向かって平面部131から延びている。突き当て部134は、セパレータ102に平面部131が接触した状態において凹部102yの縦壁102rに突き当てられる。平面部131は、突き当て部134が凹部102yの縦壁102rに突き当てられた状態において、セパレータ102に接合される。
【0075】
突き当て部134の先端は、凹部102yの凹み方向に向かって屈曲している。突き当て部134の先端の屈曲角度は特に限定されない。積層方向Zにおける突き当て部134の先端と平面部131との間の距離は、凹部102yの深さよりも小さい。
【0076】
補助柱立部135は、積層方向Zに沿って平面部131に近づく方向に向かってバネ部132から延びている。
【0077】
補助柱立部135の幅B1は、バネ部132から平面部131に近づくにつれて大きくなっている。補助柱立部135の長さは、グリッドバネ120に積層方向Zの力が作用していない状態において、平面部131が接合されているセパレータ102との間に隙間ができるように調整されている。
【0078】
バネ部132は、積層方向Zに開口する開口部132bを有する。バネ部132の断面係数は、開口部132bによって、平面部131から遠ざかるにつれて大きくなっている。
【0079】
開口部132bは、バネ部132の幅方向における中央に配置されている。開口部132bは、バネ部132の幅方向における中心線に対して対称な形状を備える。開口部132bは、バネ部132において、平面部131に接続された側から柱立部133に接続された側に向かって延びている。開口部132bの幅B2は、平面部131から柱立部133に向かうにつれて小さくなっている。
【0080】
バネ部132において、開口部132bを除いた部分の幅B3は、平面部131から柱立部133に向かうにつれて大きくなっている。
【0081】
補助柱立部135は、バネ部132の一部を切り欠いて折り曲げた形状を備える。開口部132bは、バネ部132の一部を切り欠いて折り曲げることによって、補助柱立部135とともに形成される。
【0082】
凹部102yは、図20Aおよび図20Bに示すように、突き当て部134が延びている方向(図20Bにおいて符号Yで示す方向)に交差する第1縦壁102r1と、突き当て部134が延びている方向に沿う第2縦壁102r2と、を有する。突き当て部134は、図20Bに示すように、第1縦壁102r1に突き当てられるとともに、第2縦壁102r2に当接する。
【0083】
第1グリッドバネ120A(図17A参照)の起立片130のバネ定数は、第2グリッドバネ120Bの起立片130のバネ定数および第3グリッドバネ120Cの起立片130のバネ定数よりも小さい。
【0084】
第1グリッドバネ120Aの起立片130のバネ定数、第2グリッドバネ120Bの起立片130のバネ定数および第3グリッドバネ120Cの起立片130のバネ定数は、例えば、起立片130の板厚を調節する方法やグリッドバネ120の材質を変更する方法などによって調整可能である。また、バネ部132の湾曲部132aの曲率を変える方法によっても調整可能である。
【0085】
以上説明した実施形態の作用効果を説明する。
【0086】
燃料電池スタック100Sは、電解質101Sを両側からアノード101Tおよびカソード101Uで狭持してなり、供給されたアノードガスAGおよびカソードガスCGによって発電する発電セル101Mと、発電セル101Mとの間にアノード101Tおよびカソード101Uの流通路である流路部102Lを区画形成するとともに発電セル101Mに導通接触するセパレータ102と、を有するセルユニット100Tを複数積層して構成される。セルユニット100Tは、発電セル101Mに向かってセパレータ102を押圧する弾発力を発生させる起立片130を備えたグリッドバネ120を有する。起立片130は、セパレータ102に面接触した状態においてセパレータ102に接合される平面部131と、平面部131から延びており、積層方向Zの力を受けて曲げ変形することによって、弾発力を発生させるバネ部132と、を有する。
【0087】
かかる燃料電池スタック100S、セルユニット100Tおよびグリッドバネ120によれば、起立片130は、平面部131を介してセパレータ102に面接触した状態でセパレータ102に接合される。これにより、起立片130が端部においてセパレータ102に接触する場合と比較して、起立片130とセパレータ102との間の接触面積が増加する。そのため、起立片130が端部においてセパレータ102に接触する場合と比較して、起立片130とセパレータ102との間の接触箇所において応力が集中して作用することを防止できる。その結果、発電セル101Mが発電時に熱を放出することに起因して起立片130が高温になった場合であっても、起立片130のクリープ変形を防止できる。従って、かかる燃料電池スタック100S、セルユニット100Tおよびグリッドバネ120によれば、起立片130のクリープ変形に起因した発電性能の低下を防止できる。
【0088】
特に、本実施形態に係る燃料電池スタック100Sは、電解質101Sとして固体酸化物セラミックスを用いた固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)であるため、稼働温度が約700〜1000℃と非常に高い。このため、固体高分子膜形燃料電池に比べて、稼働時に起立片130が比較的クリープ変形し易い。上記構成により、燃料電池スタック100Sは、高温状態での長期間の運転においても、起立片130のクリープ変形を規制して、発電性能を維持できる。
【0089】
また、かかる燃料電池スタック100S、セルユニット100Tおよびグリッドバネ120によれば、起立片130が、平面部131を介してセパレータ102に接合されるから、起立片130の端部がセパレータ102に接合されていない場合とは異なり、起立片130とセパレータ102との間で滑りが生じることを防止できる。これにより、基板125の姿勢が安定するため、基板125が導通接触する発電セル101Mとセパレータ102との間の間隔を適正な間隔に維持できる。そのため、当該発電セル101Mとセパレータ102との間を流動するカソードガスCGの圧力損失が減少して、燃料電池100の発電性能が向上する。当該効果は、稼働温度が高く起立片130のクリープ変形が生じ易い固体酸化物形燃料電池として燃料電池100を構成する場合において顕著である。
【0090】
また、かかる燃料電池スタック100S、セルユニット100Tおよびグリッドバネ120によれば、バネ部132は、積層方向Zに向かって湾曲した湾曲部132aを備える。
【0091】
かかる燃料電池スタック100S、セルユニット100Tおよびグリッドバネ120によれば、湾曲部132aを湾曲させるという簡便な構成によってバネ部132を構成できる。そのため、かかる燃料電池スタック100Sによれば、燃料電池100の製造が容易になる。
【0092】
また、かかる燃料電池スタック100S、セルユニット100Tおよびグリッドバネ120によれば、湾曲部132aが湾曲することによって、セパレータ102の面方向(図17において符号Yで示す方向)における基板125の変位を吸収できる。これにより、基板125の姿勢が安定するため、基板125が導通接触する発電セル101Mとセパレータ102との間の間隔を適正な間隔により確実に維持できる。そのため、当該発電セル101Mとセパレータ102との間を流動するカソードガスCGの圧力損失をより確実に減少させることができるから、燃料電池100の発電性能をより向上させることができる。
【0093】
また、かかる燃料電池スタック100S、セルユニット100Tおよびグリッドバネ120において、起立片130は、平面部131に交差する方向に沿って平面部131から離れる方向に向かってバネ部132から延びている柱立部133をさらに有する。
【0094】
かかる燃料電池スタック100S、セルユニット100Tおよびグリッドバネ120によれば、柱立部133によって、発電セル101Mから起立片130に作用する積層方向Zの力を効率よく支持できる。これにより、積層方向Zにおける発電セル101Mの変位をより確実に規制できる。そのため、基板125が導通接触する発電セル101Mとセパレータ102との間の間隔を適正な間隔により確実に維持できる。そのため、当該発電セル101Mとセパレータ102との間を流動するカソードガスCGの圧力損失をより確実に減少させることができるから、燃料電池100の発電性能をより向上させることができる。
【0095】
また、かかる燃料電池スタック100S、セルユニット100Tおよびグリッドバネ120において、柱立部133は、積層方向Zに延びている。
【0096】
かかる燃料電池スタック100S、セルユニット100Tおよびグリッドバネ120によれば、柱立部133によって、発電セル101Mから起立片130に作用する積層方向Zの力をさらに効率よく支持できる。これにより、積層方向Zにおける発電セル101Mの変位をさらに確実に規制できる。
【0097】
また、かかる燃料電池スタック100S、セルユニット100Tおよびグリッドバネ120において、起立片130は、積層方向Zに沿って平面部131に近づく方向に向かってバネ部132から延びている補助柱立部135をさらに有する。
【0098】
かかる燃料電池スタック100S、セルユニット100Tおよびグリッドバネ120によれば、積層方向Zの力が起立片130に作用した際に、積層方向Zの力の一部を補助柱立部135によって受けられる。これにより、起立片130がクリープ変形した場合であっても、積層方向Zに沿って起立片130が過度に変形することを防止できる。そのため、かかる燃料電池スタック100Sによれば、起立片130のクリープ変形に起因した発電性能の低下をさらに確実に防止できる。
【0099】
また、かかる燃料電池スタック100S、セルユニット100Tおよびグリッドバネ120において、補助柱立部135は、バネ部132の一部を切り欠いて折り曲げた形状を備える。
【0100】
かかる燃料電池スタック100S、セルユニット100Tおよびグリッドバネ120によれば、バネ部132の一部を切り欠くことによって、補助柱立部135を形成できる。そのため、かかる燃料電池スタック100Sによれば、燃料電池100の製造が容易になる。
【0101】
また、かかる燃料電池スタック100S、セルユニット100Tおよびグリッドバネ120において、バネ部132は、交差方向に開口する開口部132bを有する。バネ部132の断面係数は、開口部132bによって、平面部131から遠ざかるにつれて大きくなっている。
【0102】
かかる燃料電池スタック100S、セルユニット100Tおよびグリッドバネ120によれば、バネ部132の曲げ剛性が、平面部131から遠ざかるにつれて大きくなる。これにより、バネ部132において、平面部131に接続された箇所を起点とする曲げ変形に伴う曲げ応力がより均等に作用する。そのため、バネ部132に作用する応力が分散されるから、バネ部132のクリープ変形をより確実に防止できる。その結果、かかる燃料電池スタック100Sによれば、起立片130のクリープ変形に起因した発電性能の低下をさらに確実に防止できる。
【0103】
また、かかる燃料電池スタック100S、セルユニット100Tおよびグリッドバネ120において、セパレータ102は、起立片130が接合される面から凹んだ凹部102yを有する。起立片130は、バネ部132の延びている方向とは異なる方向に向かって平面部131から延びており、セパレータ102に平面部131が接合した状態において凹部102yの縦壁102rに突き当てられる突き当て部134をさらに有する。
【0104】
かかる燃料電池スタック100S、セルユニット100Tおよびグリッドバネ120によれば、凹部102yの縦壁102rに突き当て部134を当接することによって、セパレータ102の面方向における起立片130の位置決めを容易に行うことができる。そのため、かかる燃料電池スタック100S、セルユニット100Tおよびグリッドバネ120によれば、燃料電池100の製造が容易になる。
【0105】
また、かかる燃料電池スタック100S、セルユニット100Tおよびグリッドバネ120において、突き当て部134の先端は、凹部102yの凹み方向に向かって屈曲している。
【0106】
かかる燃料電池スタック100S、セルユニット100Tおよびグリッドバネ120によれば、凹部102yの縦壁102rに突き当て部134をより確実に当接させることができる。これにより、セパレータ102の面方向における起立片130の位置決めをより確実に行うことができる。そのため、かかる燃料電池スタック100Sによれば、燃料電池100の製造がより容易になる。また、かかるカソード側突起102zはセパレータ102の剛性を向上させるとともにアノード側流路の断面積を増加することができる。
【0107】
また、かかる燃料電池スタック100S、セルユニット100Tおよびグリッドバネ120において、交差方向における突き当て部134の先端と平面部131との間の距離は、凹部102yの深さよりも小さい。
【0108】
かかる燃料電池スタック100S、セルユニット100Tおよびグリッドバネ120によれば、凹部102yの縦壁102rに突き当て部134をさらに確実に当接させることができる。これにより、セパレータ102の面方向における起立片130の位置決めをさらに確実に行うことができる。そのため、かかる燃料電池スタック100Sによれば、燃料電池100の製造がさらに容易になる。
【0109】
また、かかる燃料電池スタック100S、セルユニット100Tおよびグリッドバネ120において、カソードガスCGは、発電セル101Mとセパレータ102との間において、セパレータ102の外周を構成する一の端部側から供給されるとともに、セパレータ102の面方向に沿って、一の端部に対向する他の端部側に向かって流動する。凹部102yは、カソードガスCGの流れ方向に沿う第1縦壁102r1と、ガスの流れ方向に交差する第2縦壁102r2と、を有する。突き当て部134は、第1縦壁102r1に突き当てられるとともに、第2縦壁102r2に当接する。
【0110】
かかる燃料電池スタック100S、セルユニット100Tおよびグリッドバネ120によれば、第1縦壁102r1に突き当て部134を当接させるとともに第2縦壁102r2に突き当て部134を当接させることによって、カソードガスCGの流れ方向および当該流れ方向に交差する方向における起立片130の位置を規制できる。これにより、カソードガスCGの流れ方向および当該流れ方向に交差する方向における起立片130の位置決めを確実に行うことができる。そのため、かかる燃料電池スタック100Sによれば、燃料電池100の製造が容易になる。
【0111】
また、かかる燃料電池スタック100S、セルユニット100Tおよびグリッドバネ120において、平面部131の長さは、当該平面部131とセパレータ102とを溶接接合するために必要な幅よりも大きい。
【0112】
かかる燃料電池スタック100S、セルユニット100Tおよびグリッドバネ120によれば、平面部131とセパレータ102とを溶接接合できる。これにより、平面部131とセパレータ102との間の導電性をより確実に確保できる。
【0113】
また、かかる燃料電池スタック100S、セルユニット100Tおよびグリッドバネ120は、起立片130を複数有する。そして、複数の起立片130は、セパレータ102の面方向に沿って配置されている。
【0114】
かかる燃料電池スタック100S、セルユニット100Tおよびグリッドバネ120によれば、複数の起立片130によって、発電セル101Mに向かってセパレータ102を面方向において均等に押圧することができる。そのため、発電セル101Mとセパレータ102との間により均一な面圧をより確実に作用させることができる。そのため、燃料電池100の発電性能がより向上する。
【0115】
また、かかる燃料電池スタック100S、セルユニット100Tおよびグリッドバネ120は、セパレータ102に平面部131が接合された複数の起立片130を有する。カソードガスCGは、発電セル101Mとセパレータ102との間において、セパレータ102の外周を構成する一の端部側から供給されるとともに、セパレータ102の面方向に沿って、一の端部に対向する他の端部側に向かって流動する。複数の起立片130のうちの一の起立片130のバネ定数は、カソードガスCGの流れ方向の下流側に配置された他の起立片130のバネ定数よりも小さい。
【0116】
起立片130の温度は、カソードガスCGの上流側から下流側に向かって低くなるから、起立片130の熱膨張は上流側の方が大きい。そのため、上流側の起立片130の熱応力は下流側の起立片130と比較して大きい。上記構成によれば、上流側の起立片130の熱応力は下流側の起立片130と比較して大きい場合であっても、起立片130に作用する応力をより均等にできる。そのため、起立片130のクリープ変形をさらに確実に防止できる。
【0117】
(変形例1)
上述した実施形態では、起立片130は、セパレータ102の面方向において同じ向きに配置された。しかしながら、グリッドバネ120は、図21に示すように、第1起立片130Aと、セパレータ102の面方向において、第1起立片130Aとは異なる向きに配置される第2起立片130Bと、を有することによって、より均等な押圧力を得ることができる。
【0118】
なお、本変形例に係る燃料電池スタック、セルユニットおよびグリッドバネによっても、上述した実施形態と同様の効果を奏するのは当然である。
【0119】
(変形例2)
上述した実施形態および変形例では、グリッドバネ120は、第1グリッドバネ121、第2グリッドバネ122および第3グリッドバネ123に分割されていた。しかしながら、図22Aに示すように、グリッドバネ120は、分割するのではなく、一枚のバネの形態としている。
【0120】
当該本変形例に係る燃料電池スタック、セルユニットおよびグリッドバネによっても、上述した実施形態と同様の効果を奏するだけでなく、グリッドバネ装填時の設置が容易にでき組付け性を向上させることができる。
【0121】
なお、グリッドバネ120が分割されていない形態であっても、複数の起立片130のうちの一の起立片130のバネ定数が、カソードガスCGの流れ方向の下流側に配置された他の起立片130のバネ定数よりも小さくなるように、起立片130のバネ定数を調整している。
【0122】
具体的には、複数の起立片130の形状を調整することによって、グリッドバネ120のバネ定数を調整できる。例えば、図22Bに示すように、複数の起立片130のうちの一の起立片130の幅B41を、カソードガスCGの流れ方向の下流側に配置された他の起立片130の幅B42よりも小さくすることによって、起立片130のバネ定数を調整できる。起立片130の幅の調整に限らず、湾曲部132a(図19A参照)の湾曲具合や開口部132bの大きさ等の調整によっても、起立片130のバネ定数を調整することが可能である。
【0123】
これらにより本実施例ではバネ定数を任意かつ微妙に場所毎に調整することができる。
【0124】
(変形例3)
セルユニット100Tの形状は、上述した実施形態および変形例において説明した形状に限定されない。例えば、セルユニット100Tの形状を、図23Aおよび図23Bに図示するような形状にしている。
【0125】
図23Aおよび図23Bに図示する例では、セルユニット100Tの輪郭形状は、略矩形形状である。カソード側流入口102fとカソード側流出口102hは、セルユニット100Tの対角線上に配置されている。カソードガスCGは、カソード側流入口102fからカソード側流出口102hに向かって流れる。
【0126】
本変形例に係る燃料電池スタック、セルユニットおよびグリッドバネによっても、上述した実施形態と同様の効果を奏するだけでなく流れもより均一にすることができる。
【0127】
なお、グリッドバネ120の基板125における平坦な部分の集電補助層103を除去してさらなる軽量化を図ることができる。
【0128】
そのほか、本発明は、特許請求の範囲に記載された構成に基づき様々な改変が可能であり、それらについても本発明の範疇である。
【0129】
本出願は、2017年9月22日に出願された日本国特許出願第2017−182979号に基づいており、その開示内容は、参照により全体として引用されている。
【符号の説明】
【0130】
100 燃料電池スタック、
100M セルスタックアッセンブリー、
100S スタック、
100T セルユニット(燃料電池ユニット)、
100U 接合体、
100P 上部モジュールユニット、
100Q 中部モジュールユニット、
100R 下部モジュールユニット、
101 メタルサポートセルアッセンブリー、
101M 発電セル、
101N メタルサポートセル、
101S 電解質、
101T アノード(電極)、
101U カソード(電極)、
101V サポートメタル、
101W セルフレーム、
101k 開口部、
102 セパレータ、
102L 流路部、
102S1、102S2 セパレータの端部、
102p 外縁、
102q 溝、
102r1 第1縦壁、
102r2 第2縦壁、
102x 平坦部、
102y アノード側突起(溝部)、
102z カソード側突起、
103 集電補助層、
104 封止部材、
105 モジュールエンド、
106 上部集電板、
107 下部集電板、
108 下部エンドプレート、
109 上部エンドプレート、
110 エアーシェルター、
111 外部マニホールド、
101a,102a,105a,107a,108a,111a アノード側第1流入口、
101b,102b,105b,107b,111b,108b アノード側第2流入口、
101c,102c,105c,107c,111c,108c アノード側第3流入口、
101d,102d,108d,107d,111d,105d アノード側第1流出口、
101e,102e,105e,107e,111e,108e アノード側第2流出口、
101f,108f,102f,105f,107f,111f カソード側第1流入口、
101g,102g,105g,107g,108g,111g カソード側第2流入口、
101h,102h,111h,105h,107h,108h カソード側第1流出口、
101i,102i,105i,107i,108i,111i カソード側第2流出口、
101j,102j,105j,107j,108j,111j カソード側第3流出口、
112 カバー、
120 グリッドバネ、
130 起立片(バネ部材)、
131 平面部、
132 バネ部、
132a 湾曲部、
132b 開口部、
133 柱立部、
134 突き当て部、
135 補助柱立部、
V 接合ライン、
AG アノードガス、
CG カソードガス、
X (燃料電池スタックの)短手方向、
Y (燃料電池スタックの)長手方向、
Z (燃料電池スタックの)積層方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
図18A
図18B
図18C
図19A
図19B
図20A
図20B
図21
図22A
図22B
図23A
図23B