特許第6850983号(P6850983)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6850983石炭灰中の未燃カーボン量を低減させる方法
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  • 特許6850983-石炭灰中の未燃カーボン量を低減させる方法 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6850983
(24)【登録日】2021年3月11日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】石炭灰中の未燃カーボン量を低減させる方法
(51)【国際特許分類】
   B09B 5/00 20060101AFI20210322BHJP
【FI】
   B09B5/00 NZAB
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-14258(P2017-14258)
(22)【出願日】2017年1月30日
(65)【公開番号】特開2018-122208(P2018-122208A)
(43)【公開日】2018年8月9日
【審査請求日】2019年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006264
【氏名又は名称】三菱マテリアル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100142424
【弁理士】
【氏名又は名称】細川 文広
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(72)【発明者】
【氏名】川端 秀和
【審査官】 三須 大樹
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2006/098177(WO,A1)
【文献】 特開2008−149234(JP,A)
【文献】 特開2007−117873(JP,A)
【文献】 特開2004−188292(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B 1/00−5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
未燃カーボンを含有する石炭灰と、含水率が5質量%以下であって、平均粒子径が5mm以上である有機物粒子とを乾式混合して、前記未燃カーボンを有機物粒子に付着させる混合工程と、
前記石炭灰と、前記未燃カーボンを付着した前記有機物粒子とを、篩または強制渦式分級機を使用して分離する分離工程と、を備えることを特徴とする石炭灰中の未燃カーボン量を低減させる方法。
【請求項2】
前記有機物粒子は、樹脂粒子またはゴム粒子であることを特徴とする請求項1に記載の石炭灰中の未燃カーボン量を低減させる方法。
【請求項3】
前記有機物粒子は、産業廃棄物の粉砕物であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の石炭灰中の未燃カーボン量を低減させる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石炭灰中の未燃カーボン量を低減させる方法に関する。さらに詳しくは、石炭焚き火力発電所や流動床燃焼炉などで発生する石炭灰中の未燃カーボン量を低減させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
石炭焚き火力発電所や流動床燃焼炉などで発生する石炭灰を、コンクリート用混和材として利用することが検討されている。しかしながら、石炭灰は一般に未燃カーボンを含んでおり、この未燃カーボンが、他の混和材を吸着することがある。このため、石炭灰の未燃カーボン量が多いと、他の混和材の添加量を多くする必要が生じたり、コンクリートの流動性が変動することがある。また、未燃カーボン量が多い石炭灰を混和材として用いると、コンクリートの表面に未燃カーボンによる黒い斑点が生じ、硬化したコンクリートの見かけが悪くなる。このため、石炭灰中の未燃カーボン量を低減させる方法が開発されている。
なお、JIS A 6201(コンクリート用フライアッシュ)では、未燃カーボン量を含む強熱減量(ig.loss)が制限されている。
【0003】
石炭灰中の未燃カーボン量を低減させる方法として、石炭灰と水を含むスラリーを調製し、未燃カーボンをスラリー中で浮遊させることによって回収する方法が知られている(特許文献1〜5)。また、石炭灰を加熱して、未燃カーボンを燃焼させる方法が知られている(特許文献6〜7)。さらに、未燃カーボン粒子と灰粒子とを互いに逆の電荷に摩擦帯電させ、電荷の極性を利用して未燃カーボンを灰粒子から分離する方法が知られている(特許文献8)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−49475号公報
【特許文献2】特開2010−23018号公報
【特許文献3】特開2007−54773号公報
【特許文献4】特開2006−306679号公報
【特許文献5】特開平8−252563号公報
【特許文献6】特開2007−780号公報
【特許文献7】特開平8−243526号公報
【特許文献8】特開2004−243154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、石炭灰と水を含むスラリーを調製する方法は、石炭灰を粉体として再利用する際に乾燥する必要があるため、時間がかかる。また未燃カーボンを燃焼させる方法は、石炭灰を加熱するための熱源(燃料)が必要となるため、処理費用が高価となる。さらに、未燃カーボン粒子と灰粒子とを互いに逆の電荷に摩擦帯電させる方法は、高圧の電気を使用するため、特別な処理装置が必要となり、また処理費用が高価となる。
【0006】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、比較的簡単な装置を用いて、短時間で石炭灰中の未燃カーボン量を低減させることができる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の石炭灰中の未燃カーボン量を低減させる方法は、未燃カーボンを含有する石炭灰と、含水率が5質量%以下であって、平均粒子径が5mm以上である有機物粒子とを乾式混合して、前記未燃カーボンを有機物粒子に付着させる混合工程と、前記石炭灰と、前記未燃カーボンを付着した前記有機物粒子とを、篩または強制渦式分級機を使用して分離する分離工程と、を備えることを特徴としている。
【0008】
このような構成とされた本発明の石炭灰中の未燃カーボン量を低減させる方法によれば、石炭灰と有機物粒子とを乾式混合するので、後工程において乾燥を行う必要がない。また、混合工程にて、未燃カーボンを有機物粒子に付着させ、次の分離工程にて、石炭灰と、未燃カーボンを付着した有機物粒子とを分離するので、熱源を特には必要とせず、また高圧の電気を使用する特別な処理装置を使用する必要はない。また、前記有機物粒子は、平均粒子径が5mm以上で、有機物粒子の粒子径が大きいので、分離工程において、石炭灰と有機物粒子とを分離しやすくなる。
【0009】
ここで、本発明の石炭灰中の未燃カーボン量を低減させる方法において、前記有機物粒子は、樹脂粒子またはゴム粒子であることが好ましい。
この場合、混合工程において、有機物粒子に未燃カーボンを効率よく付着させることができるので、石炭灰中の未燃カーボン量を確実に低減させることができる。
【0011】
さらに、本発明の石炭灰中の未燃カーボン量を低減させる方法において、前記有機物粒子は、産業廃棄物の粉砕物であってもよい。
この場合、有機物粒子の材料コストを低く抑えることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、比較的簡単な装置を用いて、短時間で石炭灰中の未燃カーボン量を低減させることができる方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る石炭灰中の未燃カーボン量を低減させる方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施形態である石炭灰中の未燃カーボン量を低減させる方法について添付した図1を参照して説明する。
本実施形態で用いる石炭灰は、火力発電や流動床燃焼炉の燃料として使用された石炭が燃焼して生成した灰である。本実施形態で用いる石炭灰は、通常は未燃カーボンが2質量%以上10質量%の範囲で含まれている。石炭灰は、粒子径が一般に0.1mm以下である。
【0015】
本実施形態である石炭灰中の未燃カーボン量を低減させる方法は、図1に示すように、石炭灰と有機物粒子とを乾式混合する混合工程S01と、石炭灰と有機物粒子とを分離する分離工程S02とを備えている。
【0016】
(混合工程S01)
混合工程S01において用いる有機物粒子は、含水率が5質量%以下とされており、石炭灰とを混合することによって、粒子間の摩擦や粒子と容器壁面との摩擦により粒子表面が帯電するものである。有機物粒子の表面が帯電することによって、有機物粒子の表面に石炭灰に含まれている未燃カーボンが付着し易くなる。有機物粒子の含水率が5質量%を超えると、水分を介して石炭灰が有機物粒子に付着し易くなるおそれがある。石炭灰が有機物粒子に付着していると、後述の分離工程S02において、石炭灰と有機物粒子とを分離しにくくなるおそれがある。また、有機物粒子の表面が帯電しにくくなり、有機物粒子に未燃カーボンが付着しにくくなるおそれがある。
【0017】
有機物粒子の含水率は、例えば、次のようにして測定できる。
まず、試料の有機物粒子の質量を測定する。次いで、有機物粒子を、乾燥器を用いて恒量になるまで乾燥する。そして、乾燥後の有機物粒子の質量を測定し、下記の式より含水率を算出する。
含水率(質量%)=(M−W)/M×100
ここで、Mは、試料の有機物粒子(乾燥前)の質量であり、Wは、乾燥後の有機物粒子の質量である。
【0018】
有機物粒子の形状に特に制限はない。有機物粒子は、例えば、球状、楕円体状、多角面体状、丸棒状、角棒状、円錐状、平板状、フレーク状、不定型状などの形状とすることができる。
【0019】
有機物粒子としては、樹脂粒子およびゴム粒子を用いることができる。樹脂粒子の材料の例としては、フッ素樹脂、塩化ビニル樹脂、プロピレン樹脂、エチレン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、エステル樹脂が挙げられる。ゴム粒子の材料の例としては、エボナイト、シリコーンゴム、天然ゴム、クロロプレンゴムが挙げられる。
【0020】
有機物粒子として、廃棄処分されたプラスチック製品やゴム製品の粉砕物などの産業廃棄物を用いることができる。プラスチック製品の例としては、ビニール、包装用ラップ、軟・硬質プラスチック容器、クリアファイル、CD、DVD、梱包材などが挙げられる。ゴム製品の例としてはタイヤ、ベルトなどが挙げられる。廃棄処分されたプラスチック製品やゴム製品には、水分が多量に付着しているものがあるため、これらの粉砕物を有機物粒子として利用する場合には、乾燥して含水率を5質量%以下に低減させることが必要である。
【0021】
有機物粒子は、平均粒子径が5mm以上であることが好ましく、20mm以上50mm以下の範囲にあることがより好ましい。有機物粒子の平均粒子径が小さくなりすぎると、後述の分離工程S02において、石炭灰と有機物粒子とを分離しにくくなるおそれがある。一方、有機物粒子の平均粒子径が大きくなりすぎると、比表面積が低減して未燃カーボンの付着量が低減するおそれがある。
【0022】
有機物粒子は、粒子径が3mm以下の微細粒子の含有量が1質量%以下であることが好ましい。微細粒子の含有量が多くなりすぎると、後述の分離工程S02において、石炭灰と有機物粒子とを分離しにくくなるおそれがある。有機物粒子は、石炭灰と混合する前に予め篩を用いて、微細粒子を除去しておくことが好ましい。
【0023】
混合工程S01において、石炭灰と有機物粒子との混合は、乾式混合により行う。乾式混合することによって、有機物粒子の表面が帯電しやすくなり、有機物粒子の表面に付着する未燃カーボン量が増加する。石炭灰と有機物粒子との混合は、V型混合機、プロ−シェアミキサー、リボン式混合機、オムニミキサーなどの混合装置を用いることができる。発塵防止のため、乾式混合は密閉した容器内で行うことが好ましい。
【0024】
石炭灰と有機物粒子の混合割合は、石炭灰100質量部に対して、有機物粒子が10質量部以上90質量部以下の範囲となる割合であることが好ましく、20質量部以上80質量部の範囲となる割合であることがより好ましい。
石炭灰と有機物粒子の混合時間は、混合装置の容量や石炭灰と有機物粒子の混合割合などの要因によって変動するが、例えば、5分から1時間の範囲である。
【0025】
以上の混合工程S01によって、石炭灰に含まれている未燃カーボンは、有機物粒子に付着する。こうして、未燃カーボン量が低減した石炭灰と、未燃カーボンが付着した有機物粒子とを含む混合物が得られる。
【0026】
(分離工程S02)
分離工程S02では、上記混合工程S01で得られた混合物から、石炭灰と、未燃カーボンを付着した有機物粒子とを分離する。石炭灰と有機物粒子との分離は、篩および強制渦式分級機などの分離装置を用いることができる。
【0027】
以上の分離工程S02によって、未燃カーボン量が低減した石炭灰と、未燃カーボンが付着した有機物粒子とをそれぞれ得ることができる。未燃カーボン量が低減した石炭灰は、例えば、コンクリート用混和材、セメント用混和材として用いることができる。また、未燃カーボンが吸着した有機物粒子は、例えば、セメント焼成用燃料、発電用燃料などの燃料として使用することができる。
【0028】
以上のような構成とされた本実施形態である石炭灰中の未燃カーボン量を低減させる方法によれば、混合工程S01において、石炭灰と有機物粒子とを乾式混合するので、後工程において乾燥を行う必要がない。また、混合工程S01にて、未燃カーボンを有機物粒子に付着させ、次の分離工程S02にて、石炭灰と、未燃カーボンを付着した有機物粒子とを分離するので、熱源を特には必要とせず、また高圧の電気を使用する特別な処理装置を使用する必要はない。
【0029】
また、有機物粒子として、樹脂粒子またはゴム粒子を用いることによって、混合工程S01において、有機物粒子に未燃カーボンを効率よく付着させることができるので、石炭灰中の未燃カーボン量を確実に低減させることができる。
【0030】
さらに、有機物粒子として、平均粒子径が5mm以上のものを用いることによって、分離工程S02において、石炭灰と有機物粒子とを分離しやすくなる。
またさらに、有機物粒子として、産業廃棄物の粉砕物を用いることによって、有機物粒子の材料コストを低く抑えることができる。
【実施例】
【0031】
以下に、本発明に係る石炭灰中の未燃カーボン量を低減させる方法について評価した評価試験の結果について説明する。
【0032】
[本発明例1]
火力発電所にて生成した、含水率が1質量%、未燃カーボン量が5.3質量%(強熱減量:5.5質量%)、粒径が0.1mm以下の石炭灰を用意した。なお、石炭灰の未燃カーボン量と強熱減量は下記の方法により測定した。
【0033】
(未燃カーボン量)
HORIBA社製炭素分析装置(型式:EMIA−110)を用いて測定する。
【0034】
(強熱減量)
JIS A 6201「コンクリート用フライアッシュ」に記載されている方法に従って測定する。試料(石炭灰)1gを磁器ルツボに0.1mgまで正しく量り採り(m)、975℃±25℃に調整した電気炉で15分間強熱し、放冷後、質量を測定する。更に、15分ずつ強熱を繰返し、恒量になったときの減量を求める(m)。強熱減量は、下記の式(1)により算出する。
【0035】
C=[(m/m)×100]−B・・・(1)
ここで、C:強熱減量(質量%)、m:試料の質量(g)、m:恒量になったときの減量(g)、B:湿分(%)
【0036】
なお、湿分は、下記の方法により測定した値である。
試料(石炭灰)2gを平形はかり瓶に0.1mgまで正しく量り採り(m)、105〜110℃で2時間乾燥し、放冷後、質量を測定する。更に、1時間ずつ乾燥を繰返し、恒量になったときの減量を求める(m)。湿分は次式により算出する。
湿分(質量%)=m/m×100
ここで、m:試料の質量(g)、m:恒量になったときの減量(g)
【0037】
エチレン樹脂製の廃プラスチック製品を用意した。用意した廃プラスチック製品を、60℃の温度で恒量となるまで乾燥した。次いで、乾燥した廃プラスチック製品を粉砕し、目開き3mmの網篩で分級した。得られた粉砕物(エチレン樹脂粒子)は、平均粒子径が30mmであった。また、含水率は定量下限以下(0.01質量%以下)であった。
【0038】
容量200LのV型混合機に、石炭灰25kgと、上記のエチレン樹脂粒子10kgとを投入し、回転速度60rpmで、10分間混合した。得られた混合物を、目開き10mmの網篩により篩分けを行って、篩上として粗大樹脂粒子を分離除去した。その後、篩下の混合物を、さらに目開き1mmの網篩により篩分けを行った。
【0039】
篩下として回収された回収物(石炭灰)の重量を測定し、石炭灰回収率(質量%)を下記の式より算出した。その結果を、表1に示す。
石炭灰回収率=回収物(石炭灰)の重量(kg)/25kg×100
【0040】
篩下として回収された回収物(石炭灰)の未燃カーボン量と強熱減量とを上記の方法により測定した。その結果を表1に示す。
【0041】
[本発明例2〜5および比較例1〜3]
エチレン樹脂粒子の含水率を表1に記載の値となるように調整したこと以外は、本発明例1と同様にして、石炭灰とエチレン樹脂粒子とを混合し、得られた混合物を篩分けした。エチレン樹脂粒子の含水率は、エチレン樹脂粒子をステンレス製バット内に均一に広げ、エチレン樹脂粒子に所定量の水を噴霧することによって調整した。
目開き1mmの網篩の篩下として回収された回収物(石炭灰)の石炭灰回収率、未燃カーボン量および強熱減量を、表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
表1の結果から、含水率が本発明の範囲内にあるエチレン樹脂粒子を用いた本発明例1〜5においては、石炭灰の回収率が高く、また回収された石炭灰は未燃カーボン量と強熱減量が顕著に低減することがわかる。これは、石炭灰とエチレン樹脂粒子の混合時に、エチレン樹脂粒子に多量の未燃カーボンが付着したためであると考えられる。
【0044】
これに対して、有機物粒子の含水率が本発明の範囲を超える比較例1〜3では、石炭灰の回収率が低く、未燃カーボン量と強熱減量が低減少しなかった。石炭灰の回収率が低下したのは、エチレン樹脂粒子の含水率が多く、石炭灰とエチレン樹脂粒子の混合時に、水分を介して石炭灰がエチレン樹脂粒子に付着したためであると考えられる。未燃カーボン量と強熱減量が低減しなかったのは、石炭灰が有機物粒子に付着して、有機物粒子の表面が帯電しにくくなり、有機物粒子に未燃カーボンが付着しなかったためであると考えられる。なお、石炭灰は可燃性でないため、石炭灰が付着した有機物粒子は燃料として使用するには不適切となる。
【0045】
以上の評価結果から、本発明によれば、比較的簡単な装置を用いて、短時間で石炭灰中の未燃カーボン量を低減させることができることが確認された。
図1