(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記カップホルダ部は、上記コンソールパネル部の上記上面開口から導入された飲料容器を支持するトレイを備え、上記トレイは、上記リテーナの上記収容空間を上記アクセス開口よりも高所である上昇位置と上記アクセス開口よりも低所である下降位置との間で昇降可能であり、上記上昇位置において上記蓋となるように構成されている、請求項4に記載の車両用コンソール構造。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上述の態様の好ましい実施形態について以下に説明する。
【0013】
上記のコンソール構造において、上記収容部は、上記アクセス開口に挿入されたロック解除用の工具を上記ロック解除部材までガイドするために上記仕切壁から上記ロック解除部材に向けて延出したガイド壁を有するのが好ましい。
【0014】
このコンソール構造によれば、作業者は、ロック解除用の工具を収容部のアクセス開口に挿入したときに、この工具を収容部のガイド壁にしたがってロック解除部材の位置まで容易に到達させることができる。
【0015】
上記のコンソール構造は、上記収容部の上記アクセス開口に挿入された上記工具がこのアクセス開口の開口縁に干渉するのを規制する規制部を備えるのが好ましい。
【0016】
このコンソール構造によれば、作業者が収容部のアクセス開口に工具を挿入したときにこのアクセス開口の開口縁が工具から損傷を受けるのを規制部によって防ぐことができる。
【0017】
上記のコンソール構造は、上記収容部の上記アクセス開口を開閉可能なカバーを備えるのが好ましい。
【0018】
このコンソール構造によれば、カバーによって収容部のアクセス開口を閉鎖することによって、このアクセス開口を外部から目立ちにくくすることができる。
【0019】
上記のコンソール構造は、上記収容部としてのリテーナを有するカップホルダ部を備え、上記カップホルダ部の上記リテーナは、上記収容空間を区画する筒状の側壁のうち上記ロック解除部材に対向する対向壁によって上記仕切壁を構成しているのが好ましい。
【0020】
このコンソール構造によれば、カップホルダ部を備える場合に、このカップホルダ部のリテーナの筒状の側壁の一部を利用してアクセス開口を設けることができる。
【0021】
上記のコンソール構造において、上記カップホルダ部は、上記コンソールパネル部の上記上面開口を塞ぐための蓋を有するのが好ましい。
【0022】
このコンソール構造によれば、カップホルダ部の蓋によってコンソールパネル部の上面開口を塞ぐことによって、リテーナの側壁に設けられたアクセス開口の位置を外部から見えにくくすることができる。
【0023】
上記のコンソール構造において、上記カップホルダ部は、上記コンソールパネル部の上記上面開口から導入された飲料容器を支持するトレイを備え、上記トレイは、上記リテーナの上記収容空間を上記アクセス開口よりも高所である上昇位置と上記アクセス開口よりも低所である下降位置との間で昇降可能であり、上記上昇位置において上記蓋となるように構成されているのが好ましい。
【0024】
このコンソール構造によれば、カップホルダ部において飲料容器を支持するトレイを、コンソールパネル部の上面開口を塞ぐための蓋として兼用することができる。
【0025】
以下、車両に装着される車両用コンソール構造の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0026】
なお、この車両用コンソール構造の説明のための図面において、特にことわらない限り、車両前方を矢印Xで示し、車両右方を矢印Yで示し、車両上方を矢印Zで示すものとする。
【0027】
(実施形態1)
図1〜
図3に示されるように、実施形態1の車両用コンソール構造(以下、単に「コンソール構造」という。)1は、車両の運転席と助手席との間に設けられている。このコンソール構造1は、コンソールパネル部10と、カップホルダ部20と、を備えている。
【0028】
コンソールパネル部10は、樹脂材料からなる樹脂成形体として構成されている。このコンソールパネル部10は、上面がいずれも開口する円形の2つの上面開口11を有する。2つの上面開口11は、車両前後方向について互いに隣接して配置されている。
【0029】
このコンソールパネル部10において、2つの上面開口11の右側には、シフトレバー30のレバー軸31が挿通されるレバー開口12と、シフトレバー30のシフト位置を表示するインジケータ13と、が設けられている。
【0030】
カップホルダ部20は、コンソールパネル部10とは別体として準備される。このカップホルダ部20がコンソールパネル部10に組付けられることによって一体化されたコンソールモジュールが形成される。このカップホルダ部20は、コンソールパネル部10と同様に樹脂材料からなる樹脂成形体として構成されている。
【0031】
カップホルダ部20は、連結部23を介して互いに連結された2つのリテーナ21と、これら2つのリテーナ21のそれぞれに対してそれぞれ設けられた2つのトレイ22と、を有する。なお、リテーナ21の数を必要に応じて1つ或いは3つ以上に変更することもできる。
【0032】
リテーナ21は、上面開口11に臨む収容空間21aを有する凹状の収容部(「筒状体」或いは「ホルダ本体」ともいう。)として構成されている。収容空間21aは、ドリンク類やカップ類などの容器(以下、「飲料容器」という。)を収容するための空間である。リテーナ21は、この収容空間21aを区画する円筒状の側壁を有する。なお、このリテーナ21が四角筒状や多角筒状の側壁を有するものであってもよい。
【0033】
2つのリテーナ21は、車両前後方向について2つの上面開口11の間隔と同じ間隔で互いに隣接して配置されている。このため、カップホルダ部20がコンソールパネル部10に組付けられた状態では、一方のリテーナ21の収容空間21aが2つの上面開口11のうちの一方に臨み、他方のリテーナ21の収容空間21aが2つの上面開口11のうちの他方に臨むようになっている。
【0034】
トレイ22は、コンソールパネル部10の上面開口11よりも僅かに径が小さい円板状の部材である。このトレイ22は、対応した上面開口11から導入されて収容空間21aに収容された飲料容器を下方から支持する機能を有する。詳細については後述するが、このトレイ22は、トレイ昇降機構(
図4中のトレイ昇降機構29を参照)によってリテーナ21の収容空間21aを上昇位置P1(
図2参照)と下降位置P2(
図3参照)との間で昇降可能になっている。
【0035】
図2に示されるように、トレイ22は、その上昇位置P1において、対応した上面開口11を塞ぐ蓋となるように構成されている。このとき、上昇位置P1にあるトレイ22は、コンソールパネル部10のパネル表面と概ね面一になる。この場合、トレイ22の上面は、コンソールパネル部10の意匠面の一部を形成する。
【0036】
これに対して、
図3に示されるように、トレイ22が下降位置P2にあるとき、対応したリテーナ21の収容空間21aが上面開口11を通じて開放されるように構成されている。このとき、上面開口11から導入された飲料容器を、トレイ22によって下方から支持した状態でリテーナ21の収容空間21aに収容することができる。
【0037】
以下の説明では、2つのリテーナ21のうち車両前方側のリテーナ21をリテーナ21Aとし、車両後方側のリテーナ21をリテーナ21Bとする。
【0038】
図3に示されるように、リテーナ21Aは、ロック解除部材35(
図4参照)に対向する対向壁21bを有する。この対向壁21bは、収容空間21aを区画するとともにロック解除部材35との間に介在する仕切壁として構成されている。
【0039】
このリテーナ21Aの対向壁21bには、上面開口11から収容空間21aを通ってロック解除部材35にアクセス可能なアクセス開口24が設けられている。このアクセス開口24は、リテーナ21Aの対向壁21bを貫通する略矩形の貫通穴として構成されている。なお、このアクセス開口24の形状として、略矩形以外に、円形、楕円形、多角形などの種々の形状を採用することができる。
【0040】
また、このカップホルダ部20は、リテーナ21Aの対向壁21bに設けられたアクセス開口24を開閉可能なカバー28を備えている。詳細については後述するが、このカバー28は、リテーナ21Aの対向壁21bに着脱可能に構成されている。このカバー28は、リテーナ21Aの対向壁21bに取り付けられた状態でアクセス開口24を覆い、アクセス開口24の使用時にリテーナ21Aの対向壁21bから取り外される。
【0041】
このリテーナ21Aにおいて、トレイ22の上昇位置P1は、対向壁21bに設けられたアクセス開口24よりも高所に位置している。このため、トレイ22が上昇位置P1にあるときには、アクセス開口24或いはアクセス開口24が取り付けられたカバー28は、トレイ22によって遮蔽されるため外部から視認できない(
図2参照)。
【0042】
これに対して、トレイ22の下降位置P2は、対向壁21bに設けられたアクセス開口24よりも低所に位置している。このため、トレイ22が下降位置P2にあるときには、アクセス開口24或いはアクセス開口24が取り付けられたカバー28は、トレイ22によって遮蔽されないため外部から視認できる(
図3参照)。
【0043】
カップホルダ部20において、リテーナ21Aは、アクセス開口24を有する点においてのみリテーナ21Bと相違している。そこで、2つのリテーナ21A,21Bを金型で成形する場合、アクセス開口24の形状に対応して入れ子を使用するのが好ましい。これにより、2つのリテーナ21A,21Bに共通の金型を使用することが可能になり、金型の型費を低く抑えることができる。
【0044】
図4に示されるように、シフトレバー30のレバー軸31にはディテントピン31aが設けられている。このディテントピン31aの近傍には、自動変速機用のシフトロック装置32が配置されている。このシフトロック装置32は、シフトレバー30がパーキング位置に設定されているときに、このシフトレバー30をその他の位置にシフト操作するのを阻止するためのものである。
【0045】
シフトロック装置32は、電源供給による通電時に作動するアクチュエータとしてのソレノイド33と、このソレノイド33によって駆動され且つバネ部材34aによってロック方向に付勢されたロック用のカム部材34と、ディテントピン31aをシフトレバー30の各シフト位置で係止可能であり車体に対して固定されたプレート部材(図示省略)と、を備えている。
【0046】
カム部材34は、シフトロック装置32によるシフトレバー30のシフトロックをエンジン停止時に解除するためのロック解除部材35に連結されており、このロック解除部材35と連動して動作するように構成されている。
【0047】
ソレノイド33の通電時において、カム部材34は、バネ部材34aの弾性付勢力に抗してロック解除位置に設定される。これにより、カム部材34は、シフトレバー30がパーキング位置にあるときにディテントピン31aがプレート部材から離脱するのを許容する。従って、シフトレバー30は、パーキング位置でロックされずに他のシフト位置へのシフト操作が可能になる。
【0048】
これに対して、ソレノイド33の通電停止時に、カム部材34は、バネ部材34aの弾性付勢力にしたがってロック位置に設定される。これにより、カム部材34は、シフトレバー30がパーキング位置にあるときにディテントピン31aがプレート部材から離脱するのを阻止する。従って、シフトレバー30は、パーキング位置でロックされて他のシフト位置へのシフト操作が阻止される。
【0049】
そこで、ソレノイド33の通電停止時にシフトレバー30をパーキング位置から他の位置へシフト操作したいときには、カム部材34がロック解除位置へと動くようにロック解除用の工具を使用して或いは手動によってロック解除部材35を直接的に操作すればよい。
【0050】
なお、シフトロック装置32の、更なる詳細な構造については、例えば特開平8−159254号公報に開示のシフトロック装置の手動解除機構が参照される。
【0051】
図4に示されるように、リテーナ21Aのトレイ昇降機構29は、トレイ22に対して上昇位置P1に向かう弾性付勢力を付与する付勢装置29aと、トレイ22を下降位置P2でロックするロック装置29bと、を備えている。このトレイ昇降機構29は、リテーナ21Bにも同様に設けられている。
【0052】
付勢装置29aは、トレイ22を上向きに常時に弾性付勢するばね部材を用いて構成されている。ロック装置29bは、下降位置P2においてトレイ22に係合するロック部材(図示省略)と、このロック部材によるロックを解除するために手動操作される操作部(図示省略)と、を備えている。
【0053】
このため、上昇位置P1にあるトレイ22が、外部荷重によって或いは飲料容器の自重によって付勢装置29aの弾性付勢力に抗して下降位置P2まで押し下げられたときに、このトレイ22は、ロック装置29bによって下降位置P2でロックされる。一方で、下降位置P2でロックされたトレイ22は、操作部の手動操作によってロックが解除される。これにより、トレイ22が付勢装置29aによる弾性付勢力にしたがって上昇位置P1まで上昇する。
【0054】
図4及び
図5に示されるように、リテーナ21Aは、アクセス開口24に挿入された工具をロック解除部材35までガイドするために対向壁21bからロック解除部材35に向けて延出したガイド壁25を有する。
【0055】
ガイド壁25は、上壁部26及び下壁部27によって構成されている。上壁部26は、アクセス開口24の上側の開口縁を後端部として、この後端部から先端部まで車両右方Yへ延出する平板状の壁部分である。下壁部27は、アクセス開口24の下側の開口縁を後端部として、この後端部から先端部まで車両右方Yへ延出する平板状の壁部分である。上壁部26と下壁部27は、上下方向に離間した状態で互いに平行に延在している。これにより、アクセス開口24に挿入された工具は、上方への動きが上壁部26によって規制され、且つ下方への動きが下壁部27によって規制される。
【0056】
図6に示されるように、カバー28は、弾性変形可能な樹脂材料によって構成されており、リテーナ21Aのアクセス開口24を覆う本体部28aと、本体部28aから延出する一対の係止爪28b,28bと、を有する。
【0057】
このカバー28は、一対の係止爪28b,28bがアクセス開口24に挿入されるときに弾性変形しながらこのアクセス開口24の開口縁に係止されることによってリテーナ21Aの対向壁21bに取り付けられる。一方で、このカバー28は、一対の係止爪28b,28bがアクセス開口24の開口縁から外れるように本体部28aに外部荷重が付与されることによってリテーナ21Aの対向壁21bから取り外される。
【0058】
なお、このカバー28は着脱式であるが、これに代えてヒンジ部を介して回動する回動式のカバーや、スライド式のカバーを採用することもできる。
【0059】
ここで、
図7〜
図9を参照しながら、シフトロック装置32のソレノイド33の通電停止時に、ロック解除用の工具Tを使用してロック解除部材35を操作するときの様子について説明する。
【0060】
図7に示されるように、先ず、リテーナ21Aのトレイ22が上昇位置P1にあるときには、このトレイ22を下降位置P2まで押し下げてロックする。リテーナ21Aのトレイ22が既に下降位置P2にあるときにはこの手順を省略する。
【0061】
次に、カバー28を掴んでリテーナ21Aの対向壁21bから取り外すことによって、アクセス開口24を開放する。これにより、コンソールパネル部10の上面開口11からリテーナ21Aの収容空間21aを通って外部からアクセス開口24にアクセス可能な状態が形成される。
【0062】
図8に示されるように、作業者は、工具Tの先端部Taをコンソールパネル部10の上面開口11からリテーナ21Aの収容空間21aを通じてアクセス開口24に挿入する。その後、作業者は、ロック解除部材35が作動する方向(本実施形態ではロック解除部材35を押し下げる方向)へ工具Tの先端部Taを操作する。ロック解除部材35が下向きに所定量動いて作動位置に達することによって、作業者は、シフトレバー30をパーキング位置から他の位置へシフト操作することが可能になる。
【0063】
ここで、コンソール構造1は、シフトロック装置32の上方であって且つリテーナ21Aとシフトレバー30との間に、コンソールパネル部10の一部として構成された規制部14を備えている。この規制部14は、リテーナ21Aのアクセス開口24に挿入された工具Tがこのアクセス開口24の開口縁24aに干渉するのを規制する機能を有する。この機能を実現するために、規制部14は、アクセス開口24に向けて突出した突出部14aを有する。
【0064】
図9に示されるように、アクセス開口24に挿入された工具Tの先端部Taによってロック解除部材35を押し下げるために、この工具Tを例えば第1位置Q1から第2位置Q2へと動かすとき、この工具Tの軸部分が規制部14の突出部14aに最初に当接する。そして、ロック解除部材35が下向きに所定量動いて作動位置に達するまで、工具Tの軸部分と規制部14の突出部14aとの当接が維持される。このため、ロック解除部材35を操作するときに、工具Tの軸部分とアクセス開口24の開口縁24aとの間に隙間を確保することができる。従って、アクセス開口24の開口縁24aが工具Tの軸部分に干渉して損傷を受けるのを防ぐことができる。
【0065】
また、上記の規制部14は、その突出部14aが工具Tの軸部分に最初に当接することによって、アクセス開口24の開口縁24aに加えて、コンソールパネル部10の上面開口11の開口縁11aについても、この開口縁11aが工具Tから損傷を受けるのを防ぐことができる。
【0066】
このとき、作業者は、工具Tの先端部Taによってロック解除部材35を押し下げる操作を、規制部14の突出部14aを支点とし、ロック解除部材35の上面を作用点として、所謂「てこの原理」で行うのが好ましい。これにより、作業者は、ロック解除部材35を押し下げる操作を楽に行うことができる。
【0067】
上記の規制部14をコンソールパネル部10の一部として構成する形態に代えて、カップホルダ部20の一部を利用して構成する形態(例えば、ガイド壁25を延ばして規制部14を形成する形態)を採用することもできる。
【0068】
なお、工具Tを使用しないでロック解除部材35を操作する場合、作業者の指をコンソールパネル部10の上面開口11からリテーナ21Aの収容空間21aを通じてアクセス開口24に挿入することもできる。
【0069】
次に、実施形態1の作用効果について説明する。
【0070】
上記のコンソール構造1において、ロック解除部材35にアクセス可能なアクセス開口24は、凹状のリテーナ21Aの対向壁21bに設けられている。そして、この対向壁21bは、コンソールパネル部10の上面開口11よりも下方へ凹んだ位置にある。従って、この対向壁21bに設けられたアクセス開口24は、コンソールパネル部10のパネル表面に設けられたアクセス開口のようにパネル表面に露出するものに比べて見栄えが良い。このため、リテーナ21Aの一部を利用することによって、コンソールパネル部10の意匠性を低下させることなくアクセス開口24を設けることができる。
【0071】
このように、シフトロック装置32のロック解除部材35へのアクセス開口24を設けることにより意匠性が低下するのを防ぐことができるコンソール構造1を提供することができる。
【0072】
上記のコンソール構造1によれば、作業者は、ロック解除用の工具Tをリテーナ21Aのアクセス開口24に挿入したときに、この工具Tをリテーナ21Aのガイド壁25にしたがってロック解除部材35の位置まで容易に到達させることができる。
【0073】
上記のコンソール構造1によれば、作業者がリテーナ21Aのアクセス開口24に工具Tを挿入したときにこのアクセス開口24の開口縁24aが工具Tから損傷を受けるのを規制部14によって防ぐことができる。
【0074】
上記のコンソール構造1によれば、カバー28によってリテーナ21Aのアクセス開口24を閉鎖することによって、このアクセス開口24を外部から目立ちにくくすることができる。
【0075】
上記のコンソール構造1によれば、カップホルダ部20のリテーナ21Aの筒状の側壁の一部である対向壁21bを利用してアクセス開口24を設けることができる。
【0076】
上記のコンソール構造1によれば、カップホルダ部20のトレイ22によってコンソールパネル部10の上面開口11を塞ぐことによって、リテーナ21Aの側壁に設けられたアクセス開口24の位置を外部から見えにくくすることができる。
特に、カップホルダ部20において飲料容器を支持するトレイ22を、コンソールパネル部10の上面開口11を塞ぐための蓋として兼用することができる。
【0077】
なお、このコンソール構造1において、トレイ22は、その上昇位置P1においてアクセス開口24よりも高所に位置するように少なくとも構成されていれば足りる。従って、トレイ22がその上昇位置P1においてコンソールパネル部10のパネル表面と段差面を形成する構造を採用することもできる。
【0078】
また、このコンソール構造1に類似の構造として、上昇位置P1と下降位置P2との間で昇降可能なトレイ22を有するリテーナ21A,21Bに代えて、トレイ22に相当する部位が底板部を構成する有底筒状のリテーナを採用することもできる。
【0079】
以下、上記の実施形態1に関連する他の実施形態について図面を参照しつつ説明する。他の実施形態において、実施形態1の要素と同一の要素には同一の符号を付しており、当該同一の要素についての説明は省略する。
【0080】
(実施形態2)
図10に示されるように、実施形態2のコンソール構造101は、カップホルダ部20のリテーナ21A,21Bに代わる収容部としてのボックス121を備える点で、実施形態1のコンソール構造1と相違している。
【0081】
このコンソール構造101のボックス121は、樹脂材料からなる樹脂成形体として構成され、コンソールパネル部10とは別体として準備される。このボックス121がコンソールパネル部10に組付けられることによって一体化されたコンソールモジュールが形成される。
【0082】
なお、ボックス121に相当する部位がコンソールパネル部10と一体成形されてもよい。また、このコンソール構造101において、更にコンソールパネル部10或いはボックス121に、ボックス121の収容空間21aを開閉可能に覆うカバーを設けることもできる。
【0083】
ボックス121の対向壁21bには、上面開口11から収容空間21aを通ってロック解除部材35にアクセス可能なアクセス開口24と、このアクセス開口24を開閉可能なカバー28と、が設けられている。
また、このボックス121は、アクセス開口24に挿入された工具Tをロック解除部材35までガイドするために対向壁21bからロック解除部材35に向けて延出したガイド壁25を有する。
その他の構成は、実施形態1と同様である。
【0084】
実施形態2のコンソール構造101によれば、ボックス121の側壁の一部である対向壁21bを利用してアクセス開口24を設けることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
【0085】
本発明は、上記の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記の実施形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
【0086】
上記の実施形態では、工具Tをロック解除部材35までガイドするために収容部にガイド壁25を設ける場合について例示したが、これに代えて、このガイド壁25が省略された構造を採用することもできる。
【0087】
上記の実施形態では、ロック解除部材35にアクセスするためのアクセス開口24を開閉可能なカバー28を設ける場合について例示したが、これに代えて、このカバー28が省略された構造を採用することもできる。
【0088】
上記の実施形態では、アクセス開口24が対向壁21bを貫通する貫通穴である場合について例示したが、このアクセス開口24として、貫通穴に代えて、対向壁21bの端部に凹状に設けられた切欠き状の開口を用いることもできる。
【0089】
上記の実施形態では、運転席と助手席との間に設けられるコンソール構造について例示したが、このコンソール構造をインストルメントパネルの一部に設けられるコンソール構造に適用することもできる。