(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6851055
(24)【登録日】2021年3月11日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】食器皿
(51)【国際特許分類】
A47G 19/02 20060101AFI20210322BHJP
【FI】
A47G19/02 H
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2020-192925(P2020-192925)
(22)【出願日】2020年11月20日
【審査請求日】2020年11月20日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】320012336
【氏名又は名称】株式会社ごおぐる
(74)【代理人】
【識別番号】100117260
【弁理士】
【氏名又は名称】福永 正也
(72)【発明者】
【氏名】小林 重弘
【審査官】
東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3031655(JP,U)
【文献】
実開平01−170172(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3094030(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3194175(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0090726(US,A1)
【文献】
登録実用新案第3093119(JP,U)
【文献】
実開昭60−146469(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 19/00 − 19/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面の中央部分に、縦断面形状が略台形状である突起部が、底面の中央部分から放射状に複数設けられており、
前記突起部が弾性部材で形成されており、底面に吸着可能となっていることを特徴とする食器皿。
【請求項2】
前記突起部の側面形状が湾曲していることを特徴とする請求項1に記載の食器皿。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食事に使用する食器皿に関し、特にスプーン等で盛り付けられた料理の食べ残しを防止することが可能な食器皿に関する。
【背景技術】
【0002】
シチューやカレー等に代表される流動的な形態を有する料理、あるいは炒飯やナシゴレン等に代表されるコメを用いた料理等については、スプーン等で食べ残しなく食べることが困難な料理として知られている。食べ残しをしないように、食器皿を持ち上げて口へ流し込むことは可能であるものの、食事のマナーの観点から好ましくなく、特にレストラン等における外食時には行うことができない。
【0003】
そこで、例えば特許文献1では、食器皿本体の中央にスプーンの形状と類似する凹部(くぼみ)を設けている食器皿が開示されている。特許文献1では、食べ残しを凹部に流し込み、凹部に滞留している食べ残しを確実にスプーンですくい出すことが可能となり、食べ残しを防ぐことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭63−064274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1では、食器皿の凹部の大きさによって使用することが可能なスプーンの大きさが限定され、凹部よりも大きなスプーンを使用することができないという問題点があった。また、洗浄時に洗剤等が凹部に滞留しやすく、溜まった水分を取り出すことも困難であることから、洗浄後の食器皿を乾かすのに時間がかかり、レストラン等では配膳効率の低下を招くという問題点もあった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、スプーンの大きさに左右されず、確実に食べ残しを減少させることが可能な食器皿を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために第1発明に係る食器皿は、底面の中央部分に、縦断面形状が略台形状である突起部が、底面の中央部分から放射状に複数設けられて
おり、前記突起部が弾性部材で形成されており、底面に吸着可能となっていることを特徴とする。
【0008】
第1発明では、底面の中央部分に、縦断面形状が略台形状である突起部が、底面の中央部分から放射状に複数設けられているので、隣接する突起部の間に料理を集めつつスプーン等ですくい上げることができ、食べ残すことなく食事を進めることが可能となる。
また、突起部が弾性部材で形成されており、底面に吸着可能となっているので、食事中は上記効果を維持しつつ、洗浄時には突起部を取り外して、洗い残しが生じることなく洗浄することが可能となる。
【0009】
また、第2発明に係る食器皿は、第1発明において、前記突起部の側面形状が湾曲していることが好ましい。
【0010】
第2発明では、突起部の側面形状が湾曲しているので、料理を湾曲形状に沿って上方へと移動させることが容易となり、食べ残しを最小限に抑制することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、底面の中央部分に、縦断面形状が略台形状である突起部が、底面の中央部分から放射状に複数設けられているので、隣接する突起部の間に料理を集めつつスプーン等ですくい上げることができ、食べ残すことなく食事を進めることが可能となる。
また、突起部が弾性部材で形成されており、底面に吸着可能となっているので、食事中は上記効果を維持しつつ、洗浄時には突起部を取り外して、洗い残しが生じることなく洗浄することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施の形態に係る食器皿の構成を示す平面図及びA−A断面図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る食器皿の突起部のB−B断面における縦断面形状を示す例示図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る食器皿の突起部の他の構成を示す平面図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係る食器皿の他の構成を示すA−A断面図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係る食器皿の突起部の高さを示すB−B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態に係る食器皿について、図面を参照して説明する。なお、本実施の形態の説明で参照する図面を通じて、同一又は同様の構成又は機能を有する要素については、同一又は同様の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0016】
図1は、本発明の実施の形態に係る食器皿の構成を示す平面図及びA−A断面図である。
図1(a)は、本発明の実施の形態に係る食器皿のA−A断面図であり、
図1(b)は、本発明の実施の形態に係る食器皿の平面図である。
【0017】
図1に示すように、本実施の形態に係る食器皿1は、食器皿1の底面の中央部分に、縦断面形状が略台形状である突起部11が、底面の中央部分から放射状に3本設けられている。突起部11の高さは、食器皿1の縁の高さよりも低いことが好ましい。突起部11の高さが食器皿1の縁の高さよりも高くなると、場合によっては食べ残しが食器皿1の外側へ飛び出るおそれが生じる。
【0018】
図2は、本発明の実施の形態に係る食器皿1の突起部11のB−B断面における縦断面形状を示す例示図である。
図2(a)に示すように、突起部11の縦断面形状は台形状であることが好ましい。傾斜面20に沿って食べ残しの料理をスプーン等で容易にすくうことができるからである。
【0019】
もちろん、縦断面形状は台形状に限定されるものではない。例えば、
図2(b)に示すように、突起部11の側部21が湾曲しているような形状であっても良い。側部21に沿って食べ残しの料理をスプーン等で容易にすくうことができるからである。
【0020】
また、縦断面形状が三角形であっても良いし、
図2(c)に示すように、縦断面形状が三角形であり、しかも突起部11の側部22が湾曲しているような形状であっても良い。側部22に沿って食べ残しの料理をスプーン等で容易にすくうことができるとともに、突起部11の上面部23に食べ残しが滞留することもない。
【0021】
さらに、突起物11は、底面の中央部分から放射状に複数設けられていれば良いので、
図1に示すように3本に限定されるものではない。
図3は、本発明の実施の形態に係る食器皿1の突起部の他の構成を示す平面図である。
【0022】
図3(a)に示すように、突起物11は、底面の中央部分から放射状に
4本設けられていても良いし、
図3(b)に示すように、突起物11は、底面の中央部分から放射状に
2本設けられていても良い。
【0023】
なお、食器皿1の洗浄を考慮して、突起部11は着脱可能であることが好ましい。例えば突起部11をプラスチックゴム等の弾性部材で形成し、
食器皿1の底面に吸着することが可能にすることにより、食事をするときには食器皿1に付着し、食べ残しをなくすことができる。一方、洗浄時には取り外すことができ、食器皿1を洗い残しが生じることなく洗浄することが可能となる。
【0024】
以上のように本実施の形態によれば、底面の中央部分に、縦断面形状が略台形状である突起部11が、底面の中央部分から放射状に複数設けられているので、隣接する突起部11の間に食べ残しを集めつつスプーン等ですくい上げることができ、食べ残しなく食事を進めることが可能となる。
【0025】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内であれば多種の変更、改良等が可能である。例えば食器皿1の底面は平らでなくても良い。
図4は、本発明の実施の形態に係る食器皿1の他の構成を示すA−A断面図である。
【0026】
図4に示すように、食器皿1の底面が平らではなく擂り鉢状であった場合、突起部11を設けることによる食べ残しの減少効果だけでなく、料理が食器皿1の中央部分に集まるようになるので、より確実に料理をスプーン等ですくうことができ、より食べ残しを減少させることが可能となる。
【0027】
また、突起部11の高さは均一である必要はない。例えば
図1の3方向に延びる突起部11の高さをそれぞれ変えても良いし、それぞれ高さが変化しても良い。
図5は、本発明の実施の形態に係る食器皿1の突起部11の高さを示すB−B断面図である。
【0028】
図5(a)が食器皿1の最も中央よりの縦断面図を、
図5(b)が食器皿1の中央から少し離れた位置での縦断面図を、
図5(c)が食器皿1の最も中央から離れた位置での縦断面図を、それぞれ示している。
図5の例では、
図5(a)から
図5(c)へと突起部11の高さが次第に低くなっている。
【0029】
このように突起部11自体に傾斜をつけることにより、それぞれの位置で適切な料理をすくって食べることができるので、複数の料理が1つの食器皿1に盛り付けられている場合であっても、食べ残しを最小限にすることが可能となる。
【符号の説明】
【0030】
1 食器皿
11 突起部
20、21、22 側部
【要約】 (修正有)
【課題】スプーンの大きさに左右されず、確実に食べ残しを減少させることが可能な食器皿を提供する。
【解決手段】食器皿1は、食器皿1の底面の中央部分に、縦断面形状が略台形状である突起部11が、底面の中央部分から放射状に3本設けられている。突起部11の高さは、食器皿1の縁の高さよりも低いことが好ましい。突起部11の高さが食器皿1の縁の高さよりも高くなると、場合によっては食べ残しが食器皿1の外側へ飛び出るおそれが生じる。
【選択図】
図1