特許第6851067号(P6851067)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6851067
(24)【登録日】2021年3月11日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】基板分断装置
(51)【国際特許分類】
   B28D 5/00 20060101AFI20210322BHJP
   C03B 33/07 20060101ALI20210322BHJP
   C03B 33/033 20060101ALI20210322BHJP
【FI】
   B28D5/00 Z
   C03B33/07
   C03B33/033
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-226556(P2016-226556)
(22)【出願日】2016年11月22日
(65)【公開番号】特開2018-83309(P2018-83309A)
(43)【公開日】2018年5月31日
【審査請求日】2019年10月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】390000608
【氏名又は名称】三星ダイヤモンド工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】上野 勉
【審査官】 石川 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−289625(JP,A)
【文献】 特開2015−140289(JP,A)
【文献】 特開2016−003146(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0238346(US,A1)
【文献】 特開2014−200940(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28D 5/00
C03B 33/033
C03B 33/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1スクライブラインが形成された第1基板と第2スクライブラインが形成された第2基板が貼り合わされてなる貼り合わせ基板を分断する装置であって、
前記第1基板側に配置され、前記第2基板の分断時に前記第2スクライブラインの基板搬送方向両側に位置するように配置される一対の第1受け部材と、前記一対の第1受け部材間に相対移動可能に配置され、前記第1基板の分断時に前記第1スクライブラインに対応するように配置される第1ブレイク部材とを有する第1分割ユニットを備え、
前記第1分割ユニットは、専ら前記一対の第1受け部材に取り付けられて、前記一対の第1受け部材と前記第1ブレイク部材とを前記第1基板に対して接近・離反方向に移動させる第1移動機構と、前記一対の第1受け部材と前記第1ブレイク部材との間に介装されて、前記一対の第1受け部材に対して前記第1ブレイク部材を、前記第1ブレイク部材の先端が前記一対の第1受け部材の先端から突出した作動位置と前記一対の第1受け部材の前記先端から引っ込んだ非作動位置との間で移動させる第2移動機構とを有する基板分断装置。
【請求項2】
前記第2基板側に配置され、前記第1基板の分断時に前記第1スクライブラインの基板搬送方向両側に位置するように配置される一対の第2受け部材と、前記一対の第2受け部材間に相対移動可能に配置され、前記第2基板の分断時に前記第2スクライブラインに対応するように配置される第2ブレイク部材とを有する第2分割ユニットをさらに備え、
前記第2分割ユニットは、専ら前記一対の第2受け部材に取り付けられて、前記一対の第2受け部材と前記第2ブレイク部材とを共に前記第2基板に対して接近・離反方向に移動させる第3移動機構と、前記一対の第2受け部材と前記第2ブレイク部材との間に介装されて、前記一対の第2受け部材に対して前記第2ブレイク部材を、前記第2ブレイク部材の先端が前記一対の第2受け部材の先端から突出した作動位置と前記一対の第2受け部材の前記先端から引っ込んだ非作動位置との間で移動させる第4移動機構とを有する、請求項1に記載の基板分断装置。
【請求項3】
前記第2分割ユニットの前記一対の第2受け部材が前記第2基板を支持した状態で、前記第1分割ユニットの前記第1ブレイク部材が前記第1基板の前記第1スクライブラインに荷重を与えるように当たることで、前記第2スクライブラインを分断し、
前記第1分割ユニットの前記一対の第1受け部材が前記第1基板を支持した状態で、前記第2分割ユニットの前記第2ブレイク部材が前記第2基板の前記第2スクライブラインに荷重を与えるように当たることで、前記第1スクライブラインを分断する、請求項2に記載の基板分断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板分断装置に関し、特に、第1スクライブラインが形成された第1基板と第2スクライブラインが形成された第2基板が貼り合わされてなる貼り合わせ基板を分断する基板分断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板の分断は、基板の両面にスクライブラインを形成した後、形成されたスクライブラインに沿って、基板の上面と下面に所定の力を付加してブレイクすることにより行われている(例えば、特許文献1を参照)。
特許文献1記載の基板分断装置は、基板を上流から下流に搬送する搬送ユニットと、下面に形成されたスクライブラインに沿って下側基板をブレイクする第1ブレイクユニットと、上面に形成されたスクライブラインに沿って上側基板をブレイクする第2ブレイクユニットとを有している。第1ブレイクユニットと第2ブレイクユニットは、いずれもが上下方向において対向する位置に配置されたブレイクバーとバックアップバーを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−200940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献に記載の基板分断装置では、第1ブレイクユニットと第2ブレイクユニットが、基板搬送方向に間を空けて並ぶように配置される。このため、装置が大型化し且つ構成が複雑になるという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、簡素な構成で基板をブレイクできる基板分断装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
【0007】
本発明の一見地に係る基板分断装置は、第1スクライブラインが形成された第1基板と第2スクライブラインが形成された第2基板が貼り合わされてなる貼り合わせ基板を分断する装置である。
第1分割ユニットは、第1基板側に配置され、第2基板の分断時に第2スクライブラインの基板搬送方向両側に配置される一対の第1受け部材と、一対の第1受け部材間に相対移動可能に配置され、第1基板の分断時に第1スクライブラインに対応するように配置される第1ブレイク部材とを有する。
第1分割ユニットは、専ら一対の第1受け部材に取り付けられて、一対の第1受け部材と第1ブレイク部材とを第1基板に対して接近・離反方向に移動させる第1移動機構と、一対の第1受け部材と第1ブレイク部材との間に介装されて、一対の第1受け部材に対して第1ブレイク部材を、第1ブレイク部材の先端が一対の第1受け部材の先端から突出した作動位置と一対の第1受け部材の先端から引っ込んだ非作動位置との間で移動させる第2移動機構とを有する。
【0008】
基板分断装置は、第2分割ユニットをさらに備えていてもよい。
第2分割ユニットは、第2基板側に配置され、第1基板の分断時に第1スクライブラインの基板搬送方向両側に位置するように配置される一対の第2受け部材と、一対の第2受け部材間に相対移動可能に配置され、第2基板の分断時に第2スクライブラインに対応するように配置される第2ブレイク部材とを有する。
第2分割ユニットは、専ら一対の第2受け部材に取り付けられて、一対の第2受け部材と第2ブレイク部材とを共に第2基板に対して接近・離反方向に移動させる第3移動機構と、一対の第2受け部材と第2ブレイク部材との間に介装されて、一対の第2受け部材に対して第2ブレイク部材を、第2ブレイク部材の先端が一対の第2受け部材の先端から突出した作動位置と一対の第2受け部材の前記先端から引っ込んだ非作動位置との間で移動させる第4移動機構とを有する。
【0009】
第2分割ユニットの一対の第2受け部材が第2基板を支持した状態で、第1分割ユニットの第1ブレイク部材が第1基板の第1スクライブラインに荷重を与えるように当たることで、第2スクライブラインを分断してもよい。
第1分割ユニットの一対の第1受け部材が第1基板を支持した状態で、第2分割ユニットの第2ブレイク部材が第2基板の第2スクライブラインに荷重を与えるように当たることで、第1スクライブラインを分断してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る基板分断装置では、簡素な構成で基板をブレイクできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る基板分断装置の概略斜視図。
図2】第1分割ユニットの原理構成を示す模式図。
図3】基板分断装置の制御構成を示すブロック図。
図4】ブレイク制御動作のフローチャート。
図5】第1基板の分割動作を説明するための第1分割ユニットと第2分割ユニットの配置を示す模式図。
図6】第1基板の分割動作を説明するための第1分割ユニットと第2分割ユニットの配置を示す模式図。
図7】第2基板の分割動作を説明するための第1分割ユニットと第2分割ユニットの配置を示す模式図。
図8】第2基板の分割動作を説明するための第1分割ユニットと第2分割ユニットの配置を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.第1実施形態
(1)基板分断装置の概要
図1を用いて、基板分断装置1(基板分断装置の一例)を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る基板分断装置の概略斜視図である。なお、図1の左右方向が基板搬送方向(矢印X)であり、左側が上流側、右側が下流側である。
【0013】
基板分断装置1は、貼り合わせ基板W(以下、「基板W」という)の両面に形成されたスクライブラインSに沿って貼り合わせ基板をブレイクするための装置である。基板分断装置1は、基板Wを分断する装置である。基板Wは、第1スクライブラインS1が形成された第1基板W1と、第2スクライブラインS2が形成された第2基板W2が貼り合わされてなる。
基板分断装置1は、上流から順に、第1搬送ユニット3、ブレイクユニット5、及び第2搬送ユニット7を有している。なお、これら各ユニットは、互いの間隔を変えることができるように、上流側又は下流側に移動可能である。
【0014】
基板Wは、第2基板W2と第1基板W1との間で例えば液晶層を構成する。また、基板Wは、図示しない複数のシール部材が第2基板W2と第1基板W1との間に配置されており、このシール部材によって液晶層を囲んでいる。このシール部材は、ブレイク後の貼り合わせ基板の数だけ配置されている。
基板Wは、第2基板W2が上側、第1基板W1が下側に配置された状態で搬送される。基板Wは、上面(第2基板W2側の面)に複数の第2スクライブラインS2が基板搬送方向に所定のピッチで形成されている。なお、本実施形態では、第1スクライブラインS1及び第2スクライブラインS2の延びる向きは、基板搬送方向と直交する方向(矢印Y)であるが、スクライブラインの向きは特に限定されない。また、基板Wは、下面(第1基板W1側の面)には、複数の第1スクライブラインS1が形成されている。第1スクライブラインS1と第2スクライブラインS2は、互いに対応する位置に形成されている。
【0015】
第1搬送ユニット3は、基板Wを、基板搬送方向下流側に向かって搬送するための装置であり、例えばベルトコンベアによって構成されている。具体的には、第1搬送ユニット3は、一対のローラ11a、11bと、それらに巻き掛けられたベルト13と、を有する。第1駆動モータ71(図3)が各ローラ11a、11bを時計回りに回転駆動することによって、ベルト13が基板Wを基板搬送方向下流側に搬送する。
ブレイクユニット5は、第1搬送ユニット3の基板搬送方向下流側に設置されている。ブレイクユニット5は、第1分割ユニット17と、第2分割ユニット19とを有している。第1分割ユニット17と第2分割ユニット19は、上下方向において対向する位置に配置されている。より詳細には、第1分割ユニット17と第2分割ユニット19とは、基板Wの搬送路を介して対向する位置に配置されており、第1分割ユニット17は搬送路の下方に配置され、第2分割ユニット19は搬送路の上方に配置されている。
【0016】
第1分割ユニット17は、一対の第1バックアップバー25(一対の第1受け部材の一例)を有している。一対の第1バックアップバー25は、第1基板W1側に配置され、第2基板W2の分断時に、第2スクライブラインS2の基板搬送方向両側に位置するように配置されている。各第1バックアップバー25は、第1搬送ユニット3の搬送面21と平行且つ基板搬送方向と直交する方向に延びている。各第1バックアップバー25の上部は、搬送面21と平行且つ基板搬送方向と直交する方向に延びる三角柱状に形成されている。また、各第1バックアップバー25の上部は、先端に行くほど細くなる先細り形状となっている。各第1バックアップバー25の先端における稜線部が、基板Wと接触する支持部である。
【0017】
第1分割ユニット17は、第1ブレイクバー27(第1ブレイク部材の一例)を有している。第1ブレイクバー27は、一対の第1バックアップバー25間に上下方向に相対移動可能に配置され、第1基板W1の分断時に第1スクライブラインS1に対応するように配置される。第1ブレイクバー27は、第1搬送ユニット3の搬送面21と平行且つ基板搬送方向と直交する方向に延びている。第1ブレイクバー27の下部は、搬送面21と平行且つ基板搬送方向と直交する方向に延びる三角柱状に形成されており、先端に行くほど細くなる先細り形状となっている。各第1ブレイクバー27の先端における稜線部が、ブレイク動作時に基板Wと接触する押圧部である。
第1ブレイクバー27は、一対の第1バックアップバー25に対して作動位置と非作動位置との間で昇降可能に設置されている。第1ブレイクバー27は、作動位置では、先端が一対の第1バックアップバー25の先端より突出している。第1ブレイクバー27は、非作動位置では、先端が一対の第1バックアップバー25の先端に対して引っ込んでいる。
【0018】
第2分割ユニット19は、一対の第2バックアップバー29(一対の第2受け部材の一例)を有している。一対の第2バックアップバー29は、第2基板W2側に配置され、第1基板W1の分断時に第1スクライブラインS1の基板搬送方向両側に位置するように配置される。各第2バックアップバー29は、第1搬送ユニット3の搬送面21と平行且つ基板搬送方向と直交する方向に延びている。各第2バックアップバー29の上部は、搬送面21と平行且つ基板搬送方向と直交する方向に延びる三角柱状に形成されている。また、各第2バックアップバー29の上部は、先端に行くほど細くなる先細り形状となっている。各第2バックアップバー29の先端における稜線部が、基板Wと接触する支持部である。
【0019】
第2分割ユニット19は、第2ブレイクバー31(第2ブレイク部材の一例)を有している。第2ブレイクバー31は、一対の第2バックアップバー29間に上下方向に相対移動可能に配置され、第2基板W2の分断時に第2スクライブラインS2に対応するように配置される。第2ブレイクバー31は、第1搬送ユニット3の搬送面21と平行且つ基板搬送方向と直交する方向に延びている。第2ブレイクバー31の上部は、搬送面21と平行且つ基板搬送方向と直交する方向に延びる三角柱状に形成されており、先端に行くほど細くなる先細り形状となっている。第2ブレイクバー31の先端における稜線部が、ブレイク動作時に基板Wと接触する押圧部である。
第2ブレイクバー31は、一対の第2バックアップバー29に対して作動位置と非作動位置との間で昇降可能に設置されている。第2ブレイクバー31は、作動位置では、先端が一対の第2バックアップバー29の先端より突出している。第2ブレイクバー31は、非作動位置では、先端が一対の第2バックアップバー29の先端に対して引っ込んでいる。
【0020】
第2搬送ユニット7は、搬送面34に載置された分断された基板を下流に向かって搬送する。第2搬送ユニット7は、一対のローラ35a、35bと、それらに巻き掛けられたベルト37と、第2駆動モータ72(図3)とを有する。第2搬送ユニット7は、上述した第1搬送ユニット3と同様の構成であるため、その詳細な説明を省略する。
【0021】
(2)第1分割ユニット及び第2分割ユニットの詳細
図2を用いて、第1分割ユニット17及び第2分割ユニット19をさらに説明する。図2は、第1分割ユニットの原理構成を示す模式図である。
第1分割ユニット17は、第1移動機構51を有している。第1移動機構51は、専ら一対の第1バックアップバー25に取り付けられて、一対の第1バックアップバー25と第1ブレイクバー27とを共に上下方向に移動させる。これにより、一対の第1バックアップバー25は、先端が基板Wから離れた離反位置と、先端が基板Wに当接した当接位置との間で移動可能である。第1移動機構51は、ボールねじ機構、エアシリンダ等の公知の装置である。
第1分割ユニット17は、第2移動機構53を有している。第2移動機構53は、一対の第1バックアップバー25と第1ブレイクバー27との間に介装されて、一対の第1バックアップバー25に対して第1ブレイクバー27を作動位置と非作動位置との間で上下方向に移動させる。この実施形態では、第2移動機構53はボールねじ機構である。第2移動機構53は他の装置であってもよい。
【0022】
第2分割ユニット19は、第1分割ユニット17と構造が同じである。したがって図を用いた説明は省略する。
第2分割ユニット19は、第3移動機構55(図3)を有している。第3移動機構55は、専ら一対の第2バックアップバー29に取り付けられて、一対の第2バックアップバー29と第2ブレイクバー31とを共に上下方向に移動させる。これにより、一対の第2バックアップバー29は、先端が基板Wから離れた離反位置と、先端が基板Wに当接した当接位置との間で移動可能である。
第2分割ユニット19は、第4移動機構57(図3)を有している。第4移動機構57は、一対の第2バックアップバー29と第2ブレイクバー31との間に介装されて、一対の第2バックアップバー29に対して第2ブレイクバー31を作動位置と非作動位置との間で上下方向に移動させる。
【0023】
(3)ブレイクユニットの制御構成
図3を用いて、基板分断装置1の制御構成を説明する。図3は、基板分断装置の制御構成を示すブロック図である。
基板分断装置1は、コントローラ81を有している。コントローラ81は、プロセッサ(例えば、CPU)と、記憶装置(例えば、ROM、RAM、HDD、SSDなど)と、各種インターフェース(例えば、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、通信インターフェースなど)を有するコンピュータシステムである。コントローラ81は、記憶部(記憶装置の記憶領域の一部又は全部に対応)に保存されたプログラムを実行することで、各種制御動作を行う。
コントローラ81は、単一のプロセッサで構成されていてもよいが、各制御のために独立した複数のプロセッサから構成されていてもよい。
コントローラ81の各要素の機能は、一部又は全てが、コントローラ81を構成するコンピュータシステムにて実行可能なプログラムとして実現されてもよい。その他、制御部の各要素の機能の一部は、カスタムICにより構成されていてもよい。
【0024】
コントローラ81には、第1駆動モータ71、第2駆動モータ72、第1移動機構51、第2移動機構53、第3移動機構55、及び第4移動機構57が接続されている。コントローラ81は、これら装置を駆動できる。
コントローラ81には、図示しないが、基板Wの大きさ、形状及び位置検出するセンサ、各装置の状態を検出するためのセンサ及びスイッチ、並びに情報入力装置が接続されている。
【0025】
(4)ブレイク動作
図4図8を用いて、基板分断装置1による基板Wのブレイク動作を説明する。図4は、ブレイク制御動作のフローチャートである。図5及び図6は、第1基板の分割動作を説明するための第1分割ユニットと第2分割ユニットの配置を示す模式図である。図7及び図8は、第2基板の分割動作を説明するための第1分割ユニットと第2分割ユニットの配置を示す模式図である。
以下に説明する制御フローチャートは例示であって、各ステップは必要に応じて省略及び入れ替え可能である。また、複数のステップが同時に実行されたり、一部又は全てが重なって実行されたりしてもよい。
【0026】
さらに、制御フローチャートの各ブロックは、単一の制御動作とは限らず、複数のブロックで表現される複数の制御動作に置き換えることができる。
最初に、図示しないスクライブ装置によって両面にスクライブラインが形成された基板Wが、第1搬送ユニット3の搬送面21上に載置される。
【0027】
ステップS1では、第1搬送ユニット3が基板Wを基板搬送方向下流側に搬送する。具体的には、コントローラ81が、第1駆動モータ71を駆動してベルト13を所定距離(スクライブライン同士の距離)だけ移動させる。これにより、基板Wの第1スクライブラインS1及び第2スクライブラインS2がブレイクユニット5の分断位置に配置される。
このとき、第1分割ユニット17及び第2分割ユニット19は共に基板Wから上下方向に離れている。また、第1ブレイクバー27及び第2ブレイクバー31は共に非作動位置にある。
【0028】
ステップS2では、図5に示すように、第2分割ユニット19において、一対の第2バックアップバー29は、基板Wに当接する当接位置に移動させられる。具体的には、コントローラ81が第3移動機構55を駆動して一対の第2バックアップバー29を基板Wの第2基板W2に当接させる。このとき、一対の第2バックアップバー29の先端は、第2スクライブラインS2の基板搬送方向両側に当接する。
ステップS3では、図6に示すように、第1分割ユニット17において、第1ブレイクバー27は、基板Wの第1基板W1に当接する位置に移動させられる。具体的には、コントローラ81が、第2移動機構53を駆動して、第1ブレイクバー27を基板Wの第1基板W1の第1スクライブラインS1に当接させる。これによって、第1基板W1が、第1スクライブラインS1に沿ってブレイクされる。なお、このブレイク動作の際、基板Wは、一対の第2バックアップバー29によって、上側から支持されている。
【0029】
ステップS4では、第1分割ユニット17において、第1ブレイクバー27は非作動位置に移動する。具体的には、コントローラ81が、第2移動機構53を駆動して、第1ブレイクバー27を非作動位置に移動させる。
ステップS5では、図7に示すように、第2分割ユニット19において、一対の第2バックアップバー29は基板Wから離れた離反位置に移動する。具体的には、コントローラ81が、第3移動機構55を駆動して、一対の第2バックアップバー29を移動させる。
【0030】
ステップS6では、図7に示すように、第1分割ユニット17において、一対の第1バックアップバー25は、基板Wに当接する位置に移動させられる。具体的には、コントローラ81が、第1移動機構51を駆動して、一対の第1バックアップバー25を基板Wの第1基板W1に当接させる。このとき、一対の第1バックアップバー25の先端は、第1スクライブラインS1の基板搬送方向両側に当接する。
ステップS7では、図8に示すように、第2分割ユニット19において、第2ブレイクバー31は基板Wの第2基板W2に当接する当接位置に移動させられる。具体的には、コントローラ81が、第4移動機構57を駆動して、第2ブレイクバー31を基板Wの第2基板W2の第2スクライブラインS2に当接させる。これによって、第1基板W1が、第1スクライブラインS1に沿ってブレイクされる。なお、このブレイク動作の際、基板Wは、一対の第1バックアップバー25によって、下側から支持されている。
【0031】
ステップS8では、第2分割ユニット19において、第2ブレイクバー31は非作動位置に移動する。具体的には、コントローラ81が、第4移動機構57を駆動して、第2ブレイクバー31を非作動位置に移動させる。
ステップS9では、第1分割ユニット17において、一対の第1バックアップバー25は基板Wから離れた離反位置に移動する。具体的には、コントローラ81が、第1移動機構51を駆動して、一対の第1バックアップバー25を移動させる。
【0032】
以上に述べたように、図5及び図6に示すように、第1スクライブラインS1を分割する動作では、第2ブレイクバー31の先端が一対の第2バックアップバー29の先端に対して引っ込んだ位置にした状態で、一対の第2バックアップバー29の先端が第2基板W2に当接する。そして、第1ブレイクバー27の先端が一対の第1バックアップバー25の先端に対して突出することで、第1ブレイクバー27の先端が第1基板W1の第1スクライブラインS1に荷重を与えるよう当接する。
図7及び図8に示すように、第2スクライブラインS2を分割する動作では、第1ブレイクバー27の先端が一対の第1バックアップバー25の先端に対して引っ込んだ位置にした状態で、一対の第1バックアップバー25の先端が第1基板W1に当接する。そして、第2ブレイクバー31の先端が一対の第2バックアップバー29の先端に対して突出することで、第2ブレイクバー31の先端が第2基板W2の第2スクライブラインS2に荷重を与えるよう当接する。
【0033】
以上をまとめると、基板分断装置1では、第2スクライブラインS2を分割する動作では、第2分割ユニット19の一対の第2バックアップバー29がバックアップバーとして機能して、第1分割ユニット17の第1ブレイクバー27がブレイクバーとして第1スクライブラインS1に当接する。
第1スクライブラインS1を分割する動作では、第1分割ユニット17の一対の第1バックアップバー25がバックアップバーとして機能して、第2分割ユニット19の第2ブレイクバー31がブレイクバーとして第2スクライブラインS2に当接する。
このように第1分割ユニット17と第2分割ユニット19の各々がブレイクバーとバックアップバーを有しているので、第1分割ユニット17と第2分割ユニット19だけで第1スクライブラインS1と第2スクライブラインS2を分断できる。この結果、基板分断装置1の基板搬送方向の寸法が短くなり、そのため簡素な構成で基板Wをブレイクできる。
【0034】
2.他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施例及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
【0035】
上記実施形態では、ブレイクバーが作動位置に昇降することによって貼り合わせ基板をブレイクするが、特にこれに限定されない。例えば、バックアップバーが昇降して基板をブレイクしてもよいし、ブレイクバー及びバックアップバーの両方が同時に昇降して基板をブレイクしてもよい。
上記実施形態ではブレイクバーが一対のバックアップバーに対して相対移動することで基板Wに当接するが、特にこれに限定されない。例えば、ブレイクバーはバックアップバーから突出した状態でバックアップバーと一体に移動することで基板Wに当接してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、第1スクライブラインが形成された第1基板と第2スクライブラインが形成された第2基板が貼り合わされてなる貼り合わせ基板を分断する基板分断装置に広く適用できる。
【符号の説明】
【0037】
1 :基板分断装置
3 :第1搬送ユニット
5 :ブレイクユニット
7 :第2搬送ユニット
17 :第1分割ユニット
19 :第2分割ユニット
25 :第1バックアップバー
27 :第1ブレイクバー
29 :第2バックアップバー
31 :第2ブレイクバー
51 :第1移動機構
53 :第2移動機構
55 :第3移動機構
57 :第4移動機構
71 :第1駆動モータ
72 :第2駆動モータ
81 :コントローラ
S1 :第1スクライブライン
S2 :第2スクライブライン
W :貼り合わせ基板
W1 :第1基板
W2 :第2基板
図1
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図8