(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6851151
(24)【登録日】2021年3月11日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20210322BHJP
F21V 21/04 20060101ALI20210322BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20210322BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21V21/04 210
F21Y115:10
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-144121(P2016-144121)
(22)【出願日】2016年7月22日
(65)【公開番号】特開2018-14281(P2018-14281A)
(43)【公開日】2018年1月25日
【審査請求日】2019年3月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】特許業務法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】大屋 智嗣
【審査官】
河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−009303(JP,A)
【文献】
特開平04−274103(JP,A)
【文献】
実開平04−027512(JP,U)
【文献】
米国特許第07338182(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21V 21/04
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Tバーに取り付けられる照明器具であって、
光を出射する光源ユニットと、
前記光源ユニットを収容する器具本体と、
前記器具本体に取り付けられ、前記Tバーの上部に引っ掛けられる取付部材と、
前記器具本体の下縁に前記取付部材とは独立してスライド自在に取り付けられ、前記器具本体の下縁と前記Tバーとの間を塞ぐカバー部材と、を備え、
前記カバー部材は、
前記器具本体にスライド自在に取り付けられ、前記器具本体の取付位置から側面の下縁まで延びるスライド部と、
前記スライド部の下縁に固定され、前記器具本体の側面の縁部の下側と重なるように配置されたカバー本体と、
を備えた照明器具。
【請求項2】
前記器具本体の側面の下側縁部には、外方へ突出したつば部が設けられている請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記取付部材は、前記器具本体から前記Tバー側へスライド自在に取り付けられている請求項1又は2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記取付部材は、
前記器具本体の背面に取り付けられる取付基部と、
前記取付基部から下側に向かって延び、前記器具本体の側面側に位置する折り曲げ部と、
前記折り曲げ部から外方へ向かって突出し、下縁において前記Tバーの上部に係止される係止部と
を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項5】
前記係止部の下縁の先端には、下側に突起した突起部が設けられている請求項4に記載の照明器具。
【請求項6】
前記折り曲げ部の下側には、前記係止部よりも下側に突出した突出片が設けられている請求項4又は5に記載の照明器具。
【請求項7】
前記係止部は、前記折り曲げ部の両側端に設けられており、
2つの前記係止部間の幅は、前記取付部材が引っ掛けられる前記Tバーに直交する前記Tバー間の長さと同等である請求項4〜6のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項8】
Tバーに取り付けられる照明器具であって、
光を出射する光源ユニットと、
前記光源ユニットを収容する器具本体と、
前記器具本体に取り付けられ、前記Tバーに引っ掛けられる取付部材と、
前記器具本体の下縁にスライド自在に取り付けられ、前記器具本体の下縁と前記Tバーとの間を塞ぐカバー部材と、を備え、
前記カバー部材は、
前記器具本体にスライド自在に取り付けられ、前記器具本体の取付位置から側面の下縁まで延びるスライド部と、
前記スライド部の下縁に固定され、前記器具本体の側面の縁部の下側と重なるように配置されたカバー本体と、を備え、
前記カバー本体には、
外方へ突出しており、前記Tバー側へスライドした際に前記Tバーの底面から立ち上がって形成されたウェブに当たるストッパー部が設けられており、
前記ストッパー部が前記Tバーのウェブに当たったとき、前記カバー本体の先端側が前記Tバーのフランジ部上に載置される照明器具。
【請求項9】
前記カバー本体は、
前記ストッパー部が前記Tバーのウェブに当たったとき、前記ストッパー部の上端が前記Tバーの上部に設けられた拡大部の下側に当たるものである請求項8に記載の照明器具。
【請求項10】
前記器具本体は、前記器具本体の内面に形成された貫通孔と、前記器具本体の側面に形成された開口とを有し、
前記取付部材は、固定部材により前記貫通孔を介して前記器具本体の背面に取り付けられており、
前記カバー部材は、前記スライド部が前記開口に挿入され、前記固定部材により前記器具本体の内面に前記貫通孔を介して前記取付部材にスライド自在に取り付けられる請求項8又は9に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム天井に設置される照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、Tバーが格子状に組み立てられたシステム天井に照明器具を固定する際、器具本体の端面にTバーの上側から引っ掛ける取付部材を用いることが提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1には、器具本体の長手方向の端面に取付部材が固定されており、取付部材がTバーに引っ掛けられて取り付けられる照明器具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−135179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような取付部材を用いて照明器具を天井に取り付けた場合、Tバー又は天井に設置された天井材と器具本体との間に隙間が生じてしまう場合がある。
【0005】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、照明器具とTバー又は天井材との間に隙間が発生するのを防止することができる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の照明器具は、Tバーに取り付けられる照明器具であって、光を出射する光源ユニットと、光源ユニットを収容する器具本体と、器具本体に取り付けられ、Tバー
の上部に引っ掛けられる取付部材と、器具本体の下縁に
取付部材とは独立してスライド自在に取り付けられ、器具本体の下縁とTバーとの間を塞ぐカバー部材と、を備え、カバー部材は、器具本体にスライド自在に取り付けられ、器具本体の取付位置から側面の下縁まで延びるスライド部と、スライド部の下縁に固定され、器具本体の側面の縁部の下側と重なるように配置されたカバー本体とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の照明器具によれば、取付部材が天井材に引っ掛けられた際、スライド部がスライドすることによりカバー部材が器具本体と天井材との隙間を埋めて、照明器具と天井材との間に隙間が発生するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る照明器具が天井に取り付けられた様子を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態1に係る照明器具の一例を示す斜視図である。
【
図4】本発明の実施の形態1に係る照明器具がTバーに取り付けられている様子を示す斜視図である。
【
図5】本発明の実施の形態1に係る照明器具における側面の周辺を示す斜視図である。
【
図6】
図4及び
図5の照明器具における側面の周辺を示す分解斜視図である。
【
図7】実施の形態1に係る照明器具がTバーに取り付けられる際の動作例を示す図である。
【
図8】実施の形態1に係る照明器具がTバーに取り付けられる際の動作例を示す図である。
【
図9】実施の形態1に係る照明器具がTバーに取り付けられる際の動作例を示す図である。
【
図10】本発明の実施の形態2に係る照明器具がTバーに取り付けられている様子を示す斜視図である。
【
図11】本発明の実施の形態2に係る照明器具における側面の周辺を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら本発明の照明器具の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る照明器具が天井に取り付けられた様子を示す斜視図、
図2は本発明の実施の形態1に係る照明器具の一例を示す斜視図、
図3は
図1及び
図2の照明器具の分解斜視図である。
図1〜
図3の照明器具1は、例えばTバーが格子状に組み立てられたシステム天井に設置されるものであって、器具本体2と、器具本体2に収容された光源ユニット3とを有する。
【0010】
器具本体2は、凹状であってXY断面が略長方形状の長尺の形状を有する。器具本体2の内面2aには光源ユニット3が取り付けられており、開口している側から光が照射される。なお、器具本体2の形状は、種々の形状を採用することができ、例えば直方体形状を有していてもよい。光源ユニット3は、例えば光を出射するLEDが長手方向(矢印X方向)に実装されたLED基板と、LEDに電力を供給する電源ユニットと、LED基板及び電源ユニットを覆うカバーとを有している。
【0011】
器具本体2の短辺側の側面2Sには、器具本体2をTバーBに取り付けるための取付部材10が固定されている。
図4は、本発明の実施の形態1に係る照明器具がTバーに取り付けられている様子を示す斜視図であり、
図5は、本発明の実施の形態1に係る照明器具における側面の周辺を示す斜視図であり、
図6は、
図4及び
図5の照明器具における側面の周辺を示す分解斜視図である。
図4〜
図6に示すように、取付部材10は、器具本体2の背面2bに取り付けられる取付基部11と、取付基部11から下側に向かって延び、器具本体2の側面2S側に位置する折り曲げ部12と、折り曲げ部12から外方へ向かって突出し、下縁においてTバーBの上部に設けられた拡大部BTに係止される係止部13とを有する。この取付基部11と係止部13とは、例えば曲げ加工等により一体的に形成されている。
【0012】
取付基部11は、器具本体2の背面2bに取り付けられており、ネジ等の固定部材BLが挿入される固定穴11Hが形成されている。一方、
図6のように、器具本体2には長手方向(矢印X方向)に延びる貫通孔2Hが形成されている。そして、固定部材BLが器具本体2の内面2a側から貫通孔2Hを貫通して、固定穴11Hに固定される。これにより、取付部材10は、器具本体2の貫通孔2Hに沿って長手方向(矢印X方向)にスライド自在に取り付けられることになる。
【0013】
折り曲げ部12は、取付基部11から側面2Sに沿って鉛直方向(矢印Z方向)に延びた形状を有する。なお、折り曲げ部12は、下側に延びた形状であればよく、傾斜しながら下側に延びる形状を有していてもよい。係止部13は、折り曲げ部12の両側縁から長手方向(矢印X方向)に突出した形状を有している。そして、係止部13の下側縁部がTバーBに当たり、照明器具1がTバーBに引っ掛けられる。
【0014】
係止部13の下縁の先端には、下側に突起した突起部14が設けられており、突起部14は、TバーBの拡大部BTの側面に引っ掛かるようになっている。これにより、係止部13が長手方向(矢印X方向)にずれてしまうのを防止することができる。さらに、折り曲げ部12の下側には、係止部13よりも下側に突出した突出片15が設けられている。そして、突起部14と突出片15との間に凹部が形成され、TバーBの拡大部BTが凹部にはまり込んだ状態で、確実に取付部材10をTバーBに引っ掛けることができる。
【0015】
照明器具1は、器具本体2の下縁部にスライド自在に取り付けられ、器具本体2の下縁とTバーBとの間を塞ぐカバー部材20を備える。カバー部材20は、器具本体2にスライド自在に取り付けられたスライド部21と、スライド部21に固定されたカバー本体22とを有する。スライド部21は、段状に形成された板状の部材からなっている。
【0016】
ここで、器具本体2の側面2Sには開口2Xが形成されており、スライド部21の上部が開口2Xから挿入され、内面2aに取り付けられている。また、スライド部21の上部側には、長手方向(矢印X方向)に延びる長穴21Hが形成されている。そして、ネジ等の固定部材BLが長穴21H及び貫通孔2Hを貫通し、取付基部11の固定穴11Hに挿入される。すると、スライド部21は、長穴21Hに沿って長手方向(矢印X方向)にスライド自在に取り付けられることになる。このように、カバー部材20を取付部材10に固定することにより、カバー部材20が器具本体2から外れることなく確実に固定することができる。なお、スライド部21が取付基部11に取り付けられた場合について例示しているが、器具本体2に穴を設けて器具本体2に対しスライド自在に取り付けられていてもよい。
【0017】
スライド部21は、器具本体2の側面2Sの下縁まで延びており、スライド部21の下部には、断面略L字状に形成されたカバー本体22が固定されている。カバー本体22は、例えば器具本体2の短辺側(矢印Y方向)と同一の長さを有し、器具本体2の側面2Sの下縁の下に重なり合うように位置決めされている。スライド部21が長手方向(矢印X方向)にスライドしたとき、カバー本体22も長手方向(矢印X方向)にスライドする。すると、カバー本体22により覆われる領域がTバーB側に移動し、カバー本体22が器具本体2とTバーBとの隙間を覆うようになっている。特に、器具本体2の側面2Sの下側縁部には、外方へ突出したつば部2Lが設けられており、カバー本体22と器具本体2との接触面積が広くなっている。
【0018】
カバー本体22には、TバーB側へ突出したストッパー部23が設けられている。ストッパー部23は、例えばカバー本体22の両端を折り曲げることにより形成されている。ストッパー部23は、長手方向(矢印X方向)にスライドした際、先端がTバーBのウェブ(垂直部)BWに当たり、スライド動作を規制する。ここで、ストッパー部23のスライド方向(矢印X方向)の幅は、TバーBのフランジ部BFの幅より短くなっている。したがって、ストッパー部23がTバーBのウェブBWに当たったとき、カバー本体22の先端がフランジ部BF上に配置され保持された状態になる。
【0019】
さらに、ストッパー部23は、上端がTバーBのウェブBWの下側と略同一の高さを有しており、ストッパー部23がTバーBのウェブBWに当たったとき、ストッパー部23の上端はTバーBの拡大部BTの下側に当たるようになっている。すると、ストッパー部23の上端がTバーBの拡大部BTに係止され、浮き上がりが防止される。
【0020】
このように、カバー本体22が器具本体2とTバーBとの隙間Dを覆ったとき、カバー本体22が器具本体2の下側を支持するとともに、ストッパー部23がTバーBのフランジ部BFに支持された状態になる。言い換えれば、カバー本体22がスライド部21を介して器具本体2の内面2aを押し上げるように保持していることになる。よって、カバー部材20が上述した取付部材10と協働して照明器具1を確実にTバーBに固定することができる。なお、カバー本体22の幅がTバーB同士の幅W(
図3参照)とほぼ同一に形成されている場合、ストッパー部23はスライドガイドとしても機能する。
【0021】
図7〜
図9は、実施の形態1に係る照明器具がTバーに取り付けられる際の動作例を示す図であり、
図1〜
図9を参照して照明器具1の取付方法について説明する。なお、
図7(A)、
図8(A)、
図9(A)は、照明器具1を側面から見た側面図であり、
図7(B)、
図8(B)、
図9(B)は、照明器具1を内面から見た斜視図であり、
図7(C)、
図8(C)、
図9(C)は、照明器具1を背面から見た斜視図である。
【0022】
まず、
図7(A)〜
図7(C)のように、照明器具1全体がTバーBよりも上側に持ち上げられる。その後、
図8(A)〜(C)に示すように、係止部13がTバーBの上に位置するように、取付部材10が長手方向(矢印X方向)にスライドする。そして、照明器具1全体が下に降ろされたとき、TバーBの拡大部BTが突起部14と突出片15との間に挟まった状態で係止される。ここで、器具本体2とTバーBとの間には、取付部材10がスライドした分だけ隙間Dが生じる(
図4参照)。
【0023】
そこで、
図9(A)〜(C)に示すように、カバー部材20が、TバーBに向かってスライドし、器具本体2とTバーBとの隙間Dを塞ぐ。このとき、カバー本体22が器具本体2の下側を支持するとともに、TバーBのフランジ部BFに支持された状態になる。このとき、ストッパー部23の上端が、TバーBの拡大部BTに係止された状態になる。
【0024】
上記実施の形態1によれば、取付部材10がTバーBに引っ掛けられた際、カバー部材20がスライドすることにより、カバー本体22が器具本体2とTバーB又は天井材との隙間Dを塞ぎ、器具本体2とTバーB及び天井材との間に隙間が発生するのを防止することができる。
【0025】
また、取付部材10が器具本体2にスライド自在に取り付けられていることにより、照明器具1の取付位置によっては、照明器具1をTバーBに取り付けることができない、といった不具合の発生を防止することができる。すなわち、システム天井は、吊りボルトにより固定されている。このため、従来の照明器具のように、取付部材が器具本体の側面に固定されている場合、照明器具1の取付位置によっては取付部材10と吊りボルトとが干渉してしまい、照明器具1を取り付けることができない場合がある。一方、上述した照明器具1においては、取付部材10がスライド自在に取り付けられているため、吊りボルト等との干渉を避けて照明器具1をTバーBに取り付けることができる。また、TバーBの拡大部BTの上に載置される係止部13が板状に形成されているため、吊りボルトをよけやすくより干渉しにくくすることができる。
【0026】
さらに、取付部材10が、器具本体2の背面に取り付けられる取付基部11と、取付基部から下側に向かって延び、器具本体2の側面2S側に配置される折り曲げ部12と、折り曲げ部から外方へ向かって突出し、下縁においてTバーBの上部に係止される係止部13とを有するとき、取付部材10が器具本体2の背面2b側から支え、器具本体2をTバーBに確実に固定することができる。
【0027】
また、係止部13の下縁の先端には、下側に突起した突起部14が設けられている場合、係止部13がTバーBからずれるのを防止し、器具本体2をTバーBに確実に固定することができる。同様に、折り曲げ部12の下側には、係止部13よりも下側に突出した突出片15が設けられているとき、突出片15がTバーBからずれるのを防止し、器具本体2をTバーBに確実に固定することができる。
【0028】
さらに、カバー部材20が、器具本体2にスライド自在に取り付けられ、器具本体2との取付位置から側面2Sの下縁まで延びるスライド部21と、スライド部21の下縁に固定され、器具本体2の側面2Sの縁部の下側と重なるように配置されたカバー本体22とを有するとき、カバー部材20が器具本体2の下側から支持し、確実に照明器具1をTバーBに設置することができる。特に、器具本体2の側面2Sの縁部には、外方へ突出したつば部2Lが設けられている場合、器具本体2とカバー本体22との接触面積が大きくなり、確実に照明器具1をTバーBに設置することができる。
【0029】
また、カバー部材20は、外方へ突出しており、TバーB側へスライドした際にTバーのウェブBWに当たるストッパー部23を有し、ストッパー部23がTバーBに当たったときに、カバー本体22の先端がTバーのフランジ部BF上に載置されるものであれば、カバー部材20がTバーBに支持された状態になり、照明器具1を確実にTバーBに保持させることができる。
【0030】
また、ストッパー部23は、側部がTバーBのウェブBWに当たったとき、上端がTバーBの上部に設けられた拡大部BTの下側に当たるものであるとき、ストッパー部23が拡大部BTに係止された状態になり、照明器具1の浮き上がりを防止することができる。
【0031】
さらに、器具本体2が、
器具本体2の内面2aに形成された貫通孔2Hと、側面2Sに形成された開口2Xとを有し、取付部材10が、固定部材BLにより貫通孔2Hを介して器具本体2の背面2bに取り付けられており、スライド部21が、開口2Xに挿入され、固定部材BLにより器具本体2の内面2aに開口2Xを介して取付部材10にスライド自在に取り付けられる場合、カバー部材20が器具本体2及び取付部材10に取り付けられることになるため、カバー部材20の取付強度を確保することができる。
【0032】
実施の形態2.
図10は、本発明の実施の形態2に係る照明器具がTバーに取り付けられている様子を示す斜視図であり、
図11は、本発明の実施の形態2に係る照明器具における側面の周辺を示す斜視図であり、
図12は、
図10及び
図11の照明器具における側面の周辺を示す分解斜視図である。
図10〜
図12を参照して照明器具100について説明する。なお、
図10〜
図12の照明器具100において、
図1〜
図9の照明器具1と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。実施の形態2の照明器具100において実施の形態1の照明器具1と異なる点は、取付部材110の構成である。
【0033】
図10〜
図12の取付部材110において、折り曲げ部12の両側端に設けられた係止部113間の幅Wは、取付部材110が引っ掛けられるTバーBに直交するTバー間の長さW(
図3参照)と同等になっている。これにより、器具本体2を安定した状態でTバーBに係止させることができる。また、取付部材110が長手方向(矢印X方向)にスライドする際には、係止部113がガイドになり、スムーズにスライドを行うことができる。
【0034】
本発明の実施の形態は、上記実施の形態に限定されず、種々の変更を加えることができる。例えば、上記実施の形態1、2において、取付部材10がスライド自在に取り付けられている場合について例示しているが、取付部材10が器具本体2に固定されていてもよい。そして、器具本体2とTバーBとの間に隙間が生じたとき、上記カバー部材20により隙間を塞ぐようにしてもよい。また、光源ユニット3にはLEDからなる光源を用いた場合について例示しているが、蛍光灯もしくは有機EL等を用いるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1、100 照明器具、2 器具本体、2H 貫通孔、2L つば部、2S 側面、2X 開口、2a 内面、2b 背面、3 光源ユニット、10、110 取付部材、11 取付基部、11H 固定穴、12 折り曲げ部、13、113 係止部、14 突起部、15 突出片、20 カバー部材、21 スライド部、21H 長穴、22 カバー本体、23 ストッパー部、B Tバー、BF Tバーのフランジ部、BL 固定部材、BT Tバーの拡大部、BW Tバーのウェブ、D 隙間、W 幅。