【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、皮膚に、具体的には目蓋に、化粧製品を塗布するための塗布具であって、塗布具部材を備え、その塗布具部材が、その外面における凹所と、凹所から塗布具部材の遠位端に向かって延在する実質的に平坦な主小面を有する塗布具先端とを有する、塗布具を提案することで、これらの必要性の全部または一部を満たすことを目指している。
【0019】
以下の記載では、主小面の前方からの外観とは、主小面を向く方向で観察される主小面の外観のことを言っている。塗布具部材の側方からの外観とは、塗布具部材の長手方向軸と直交し、主小面と平行な方向で観察される塗布具部材の外観のことを言っている。
【0020】
「塗布具先端」という表現は、化粧製品を塗布することを可能にすると共に、その厚さと幅の両方が細くなっている塗布具の一部分を意味すると理解される。
【0021】
「塗布具部材の遠位端に向かって凹所から延在する実質的に平坦な主小面」によって、凹所が主小面の縁を画定することが理解されるべきである。
【0022】
前述の凹所は、好ましくは、隆条部によって主小面に連結される。これは、塗布表面を明確に画定することに寄与し、そのため塗布の正確性を向上する。
【0023】
凹所は、好ましくは、一方の側では主小面によって境界付けられ、他方の側では塗布具の後退面によって形成される。
【0024】
塗布具部材の尖った形は、化粧製品の正確な塗布を可能にする。これは、ラインをきれいに仕上げることと、望む場合に、外側の跳ね上げを容易に作り出すこととを可能にもする。
【0025】
凹所と組み合わされた主小面は、広がりが使用者によって加えられる圧力から比較的独立している塗布表面を有することを可能にする。
【0026】
凹所によって形成される分離は、主小面によって形成される塗布表面と塗布具の残りの部分との間の明確な境界を作り出すことによって、塗布領域を明確に画定することを可能にする。
【0027】
凹所は、例えば、化粧製品が分注されるのに通る開口と異なる。
【0028】
好ましくは、主小面の幅は遠位端に向かって縮小する。
【0029】
同じく好ましくは、主小面は遠位端まで延在する。これは正確な塗布を可能にする。
【0030】
好ましくは、塗布具先端の幅は、その全長に沿って、主小面の幅とおおよそ等しい。
【0031】
好ましくは、主小面は塗布具先端の全長に沿って延在する。
【0032】
主小面は、塗布具先端の遠位端において収束し、互いとの間に、好ましくは2°から45°の間、さらにより良いのは5°から45°の間、なおもさらにより良いのは15°から30°の間の角度βを形成する2つの直線状の縁を、前方からの外観において好ましくは有する。
【0033】
主小面は、前方からの外観において、水滴形、または、具体的には五角形もしくは三角形の全体の形といった多角形を有し得る。
【0034】
塗布具先端は、主小面から塗布具先端の背部に向かって各々延在する、少なくとも2つの好ましくはおおよそ平坦の副小面を有し得る。副小面は、好ましくは、互いに対して傾斜し、例えば断面において互いとの間に5°から50°の間といった角度δを形成する。
【0035】
塗布具先端は、具体的には錐状部または円筒部によって画定される、塗布具先端の背部を形成する例えば凸状の表面を備える背面を、塗布具先端の主小面から離れている面に有し得る。この凸状の表面は、前述の副小面または主小面の側縁に連結され得る。塗布具先端の背部は、塗布具部材の軸と、具体的には10°以下であり、さらにより良いのは5°以下である、ゼロでない角度εを形成する長手方向軸に沿って延在し得る。
【0036】
変形では、塗布具先端の背部は、塗布具部材の軸と平行な方向に沿って延在し得る。
【0037】
塗布具の背面は切り欠きをさらに備え得る。
【0038】
切り欠きは側方からの外観において丸みを帯びた形を有し得る。
【0039】
好ましくは、切り欠きは、塗布具部材の長手方向軸に沿って、主小面に隣接する凹所に対してずらされる。切り欠きは、好ましくは2mmから3mmの間にある長さlにわたって凹所と重なり得る。
【0040】
長手方向軸に沿って延在する塗布具部材については、主小面は、塗布具部材の長手方向軸に対して、好ましくは0°から60°の間であり、さらにより良いのは0°から45°の間であり、なおもさらにより良いのは2°から25°の間である角度αで傾斜した軸に沿って延在し得る。この傾斜は、製品を皮膚に塗布することをより容易にし、メークアップされる皮膚の表面、具体的には、顔から、手をある距離にさせることができる。
【0041】
この凹所は、塗布具先端の長手方向軸の周りの区域だけの周りで延在し得る。
【0042】
一変形では、凹所が塗布具先端の長手方向軸の周り全体に延在し、前記軸の周りに一定または非一定の断面を有し得る。
【0043】
好ましくは、側方からの外観において、主小面の長手方向軸と凹所とは、それらの接合部において互いとの間で、60°から145°の間の角度η、さらにより良いのは80°から130°の間の角度ηを形成する。
【0044】
凹所は、塗布具部材の近位端の方向で主小面から延在する窪みを形成し得る。
【0045】
好ましくは、窪みは塗布具部材の近位端までは延在しない。
【0046】
より好ましくは、窪みは、側方からの外観において丸みを帯びた形を有する。
【0047】
窪みにおける塗布具部材の厚さは、好ましくは0.5mmから10mmの間であり、さらにより良いのは1mmから5mmの間である。
【0048】
塗布具部材は、その近位側において取付エンドピースを備えてもよく、取付エンドピースは、塗布具部材の長手方向軸に沿って延在することが可能である。
【0049】
取付エンドピースは、回転柱の形態であってよく、把手部または貯留部に受け入れられ得る。
【0050】
塗布具部材は、多孔質材料から、具体的にはフェルトから作られ得る。
【0051】
塗布具部材は、ポリアミドとポリウレタン樹脂との混合物から、または、ポリオレフィンから、具体的には、ポリエチレンから作られ得る。
【0052】
塗布具部材は、機械加工によって、具体的には、研削またはレーザー加工によって成形され得る。
【0053】
塗布具部材は、エラストマから、具体的には、例えばHytrel(登録商標)といった、SEBSまたはポリエステルから作られ得る。
【0054】
塗布具部材、特に塗布具先端、具体的には主小面は、少なくとも部分的に起毛とされ得る。
【0055】
塗布具は、端に塗布具部材が設けられた把手部を備え得る。
【0056】
把手部は、中空にすることができ、塗布される製品を収容する貯留部を形成し得る。先に示したように、塗布具部材は、その近位側に取付エンドピースを備え、その取付エンドピースは、好ましくは少なくとも部分的に、さらにより良いのは全体が、把手部内で開口の中に挿入され、少なくとも部分的に貯留部中へ延在する。
【0057】
塗布具部材は、把手部にオーバーモールドされ得るか、または、把手部と一体に成型され得る。
【0058】
塗布具先端は把手部の一方の端から延在してもよく、前記端が、その塗布具先端との接合部において、主小面の軸とゼロではない角度θを形成する軸に沿って延在することが可能であり、角度θは、好ましくは20°から90°の間であり、さらにより良いのは30°から70°の間であり、なおもさらにより良いのは50°から70°の間である。塗布具先端の背部は、把手部の端の軸とゼロでない角度λを形成する軸に沿って延在し得る。
【0059】
把手部の端は、主小面の端から離れている塗布具先端の側に取り付けられ得る。
【0060】
塗布具は、把手部に取り付けられ、塗布具部材を覆う閉止キャップを備え得る。
【0061】
把手部は直線状であり得る。変形では、把手部は曲線状であり、具体的には、平面において曲げられている。
【0062】
主小面は長手方向軸に沿って延在してもよく、主小面の軸は、把手部の曲げ平面に含まれ得る。
【0063】
塗布具先端のこの長さDは、好ましくは3mmから20mmの間であり、さらにより良いのは5mmから15mmの間である。
【0064】
主小面の最大幅l
maxは、好ましくは10mm以下であり、さらにより良いのは2mmから5mmの間である。
【0065】
本発明の別の主題は、上記で定義したような本発明による塗布具と、塗布される製品を収容する容器とを備え、容器が塗布具と別個である、組立体である。
【0066】
本発明の別の主題は、化粧製品を、皮膚に、本発明による塗布具で塗布するステップを含むメークアップ方法である。
【0067】
この方法は、化粧製品を目蓋に塗布するステップを含み得る。
【0068】
製品は、皮膚に、具体的には目蓋に、塗布具で軽くたたくことによって塗布され得る。
【0069】
変形では、ラインは、皮膚に、具体的には目蓋に、塗布具で引かれ得る。
【0070】
好ましくは、主小面の長手方向軸は、塗布の間、目蓋とおおよそ平行に位置決めされ、塗布具部材の遠位端は、顔の外側の方へ向けられる。この向きでは、塗布具部材の先端はラインの尖った端を引くことができる。
【0071】
ラインの端において、塗布具は、顔の外側に向かう跳ね上げを形成するために、若干上向きに傾斜され得る。
【0072】
本発明は、その非限定的な図示の実施形態の以下の詳細な記載を読むことから、および、添付の図面を精査することから、より良く理解され得る。