【実施例1】
【0072】
デュアルAAV CRISPR−Cas9を使用するOTC欠損症の修正
ヒトにおけるOTC酵素のX連鎖性欠損症は、高アンモニア血症の再発性かつ生命を脅かすエピソードを引き起こす[Batshaw,M.ら、Mol Genet Metab、113:127−139(2014);Lichter−Koneti,Uら、Ornithine Transcarbamylase Deficiency(1993−2013)、Pagon RA,Adam MP,Ardinger HHら編者。GeneReviews(登録商標)(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK154378/)中]。OTC欠損症についてヘミ接合性の男性において、最初のメタボリック・クライシス(metabolic crisis)は通常新生期に発生し得、及び50%までの死亡率を伴い;生存者は典型的に生命の最初の1年に肝移植を受ける[Ah Mewら、J Pediatr、162:324−329、e321(2013)]。OTC欠損症の動物モデル、雄性sparse fur
ash(spf
ash)マウスは、異常なスプライシング並びにOTCのmRNA及びタンパク質の20倍の低下に至るOTC遺伝子のエクソン4の端の3ドナースプライス部位に点突然変異を有する[Hodges,P.E.とRosenberg,L.E.The
spf
ash mouse:a missense mutation in the o
rnithine transcarbamylase gene also causes aberrant mRNA splicing.Proc Natl Acad
Sci U S A 86、4142−4146(1989)]。冒された動物は固形飼料で生存し得るが、しかし、高蛋白餌を摂取して提供される場合に致死性となり得る高アンモニア血症を発症し得る。
【0073】
本実施例における研究は、化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)からのCas9酵素(SpCas9)[Jinek,M.ら、Science、337:816−821(2012);Cong L.ら、Science、339:819−823(2013);Mali Pら、Science、339:823−826(2013)]及び黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(SaCas9)[Ran,FAら、Nature、520:186−191(2015)]を使用して新生spf
ashマウスにおいて該点突然変異を修正するために、高肝向性をもつAAVベクター(すなわちAAV8)を利用した。OTC遺伝子のspf
ash突然変異の近接のプロトスペーサー隣接モチーフ(
protospacer−
adjacent
motif)(PAM)配列(NNGRRT)を、潜在的20ntガイド配列がそうであったように同定した。3種の配列sgRNA1〜3(
図1A)を、マウスMC57G細胞株中へのネオマイシン含有プラスミドのトランスフェクション後にさらに評価した。この細胞株における低いトランスフェクション効率は、ピューロマイシンへの短い曝露によるトランスフェクトされた細胞の濃縮を必要とした。所望の部位での二本鎖切断(DSB)の証拠は該3種のガイドRNAの2種を用いるSURVEYORアッセイを使用して示された(
図4A)。sgRNA3を伴う欠失挿入形成の非存在により、このガイド配列はさらに追求されなかった。残りの候補sgRNA1及びsgRNA2は、DSB誘導効率(
図4A)及びspf
ash突然変異への近接(
図1A)の双方において類似であった。エクソン4内のその場所によりsgRNA2を回避し;エクソン内でのDSB誘導は相同組換え修復(HDR)を伴わない非相同端結合(NHEJ)につながり得、それはspf
ash突然変異に特徴的な残余のOTC活性を消失させてそれにより残余の尿素生成を低下させ得る。結果として、イントロンのsgRNA1をさらなる実験のため選択した。該sgRNA1ガイドをその後、SaCas9、及び対応するPAM配列が突然変異されかつAgeI部位がHDRの検出を助長するため包含された突然変異の各側に隣接するおよそ0.9kbの配列をもつドナーDNAでトランスフェクトした。高効率HDRが、SaCas9、ドナー及びsgRNA1のこの組合せで達成された(
図4B)。
【0074】
2ベクターアプローチが、全部の成分をAAV中に組み込むのに必要であった(
図1B)。ベクター1は、TBGと呼ばれる肝特異的プロモーターからSaCas9遺伝子を発現する(その後AAV8.SaCas9と称される)一方、ベクター2はU6プロモーターから発現されるsgRNA1配列及び1.8kbのドナーOTC DNA配列を含有する(AAV8.sgRNA1.donorと称される)。全部の実験において、spf
ash仔にベクター1及びベクター2の混合物を出生後第2日にIV注入し、そしてその後欠失挿入形成及びspf
ash突然変異の機能修正について評価した(
図1C)。
【0075】
SaCas9によるin vivo OTC遺伝子修正のためデュアルAAVベクター系を生成するため、われわれは2種のAAVシスプラスミドを構築した:1)hSaCas9を、完全長TBGプロモーター(αミクログロブリン/ビクニン遺伝子のエンハンサーエレメント2コピー、次いで肝特異的TBGプロモーター)及びウシ成長ホルモンポリアデニル化配列を含有するAAVバックボーンプラスミド中にpX330.hSaCas9からサブクローニングし;2)1.8kbのOTCドナーテンプレートをpAAVバックボーン中にクローン化し、そしてU6−OTC sgRNA配列をAflII部位に挿入して(
図1C)AAV8.sgRNA1donorを生じた。ドナーテンプレートAAV.sgRNA1donor上のPAM配列を、HDR後のCas9による再切断を予防
するために突然変異させ(表1)、そしてAgeI部位をHDRの検出を助長するため付加した。非標的化AAV8.control.donorは、U6−OTC sgRNAカセットからプロトスペーサーを排除することにより標的化AAV8.sgRNA1donorと異なる。ピューロマイシン耐性遺伝子を、in vitro一過性トランスフェクション後のトランスフェクトされた細胞の選択のためpX330.hSaCas9由来プラスミド中にクローン化した。全部のプラスミド構築物をシークエンシングにより確認した。
【0076】
A.ベクター構築
hSpCas9若しくはhSaCas9でマウスOTC遺伝子座を編集するため、20ntの標的配列、例えば下の表及び
図1に具体的に説明されるhSpCas9若しくはhSaCas9標的を、5’−NGG プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)若しくは5’−NNGRRT PAM配列の前に置くために選択した。
図1はSaCas9標的部位を示す。
【0077】
【表2】
【0078】
3種の標的配列を選択し、そしてsgRNA及びヒト化SpCas9(hSpCas9)を同時発現するpX330プラスミド(Addgene)中に個別にクローン化した。OTCドナーテンプレートプラスミドを、テンプレートとしてC57BL/6マウスから単離されたゲノムDNAを使用してspf
ashマウスにおいてG/A突然変異部位に隣接する1.8kbのフラグメントを増幅することにより構築した。AgeI制限部位をその後、In−Fusion(登録商標)HDクローニング系(Cloning System)(Clontech)を用いてドナーテンプレート中に導入した。in vivo OTC遺伝子編集(hSpCas9)のためのデュアルAAVベクター系を生成するため、2個のAAVシスプラスミドを構築した:1)hSpCas9を、2コピーのαミクログロブリン/ビクニン遺伝子の短縮エンハンサーエレメント[http://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/259、2015年4月24日受託]、次いで短縮肝特異的TBGプロモーター(TBG−S1)及びミニマルポリアデニル化シグナル(PA75)(シグナルパターン:AATAAA)[GB受託番号CN480585、https://fasterdb.lyon.unicancer.fr]を含有す
るAAVバックボーンプラスミド中にpX330からサブクローニングし;2)1.8kbのOTCドナーテンプレートをpAAVバックボーン中にクローン化し、及びU6−OTC sgRNA配列をAflII部位中に挿入した。
【0079】
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)からのより小さいサイズのCas9(SaCas9)が、それをAAVベクター中へのパッケージングに望ましくした。FLAGタグ化SaCas9を、ヒトにおけるコドン出現頻度に従ってコドン最適化し(hSaCas9)、そしてpX330.hSaCas9を、pX330中のhSpCas9及びsgRNA足場をhSaCas9及びSaCas9 sgRNA足場で置換することにより構築した。5’NNGRRT PAM配列に先行する3種の20nt標的配列をOTC遺伝子編集のため選択した。
【0080】
具体的に説明するプラスミド配列は付属される配列表中に提供され、そして、pAAV.ABPS2.TBG−S1.hSpCas9;pAAV.TBG.hSaCas9.bGH;pAAV.U6.control.mOTC.T1.9(hSaCas9);pAAV.U6.control.mOTC.T1.8(hSpCas9);pAAV.U6.OTC\sgRNA1.mOTC.T1.8.MfeI\(hSaCas9)\;pAAV.U6.OTC\sgRNA1.mOTC.T1.8.MfeI(hSpCas9);pAAV.U6.OTC\sgRNA1.mOTC.T1.8.TBG.hOTCco.BGH(hSaCas9);pAAV.U6.OTC\sgRNA2.mOTC.T1.8.M2\(hSaCas9)\;及びpAAV.U6.mOTC\sgRNA4.mOTC.T1.8.MfeI(hSpCas9)\を包含する。
【0081】
B.OTC sgRNA及びドナーテンプレートのin vitro検証
MC57G細胞を、増大する量のAgeIタグ化OTCドナープラスミド(250、500、1000ng)とともにOTC標的化Cas9プラスミド(250ng)で一過性にトランスフェクトし、次いで4日ピューロマイシン濃縮しかつSURVEYORヌクレアーゼアッセイした。SpCas9 sgRNA3及びSaCas9 sgRNA1は、標的遺伝子座中で欠失挿入を誘導することにおいて最高の効率を示し、そして従ってその後の研究のため選択した。
【0082】
ドナーテンプレートの量を増大することは、in vitroで増大するレベルのHDRをもたらさなかった。非標的化Cas9プラスミド(250ng)及びAgeIタグ化OTCドナーテンプレート(1000ng)のコトランスフェクションは検出可能なHDRをもたらさなかった。矢印はHDRから生じるAgeI感受性切断産物を示す。定量を伴わないレーンは検出可能な欠失挿入若しくはHDRを有しなかった。
【0083】
C.細胞培養及びトランスフェクション
MC57G細胞(ATCC)を10%FBSで補充されたDMEM培地中で維持し、そして5%CO
2を伴い37℃で培養した。細胞株はATCCからの受領に際して直接使用し、そして、本物であることを証明せず、若しくはマイコプラズマ汚染について試験しなかった。in vitroの標的及び/若しくはドナーテンプレート試験のため、プラスミドを、製造元の推奨に従って、Plus
TM試薬を伴うLipofectamine(登録商標)LTX(Life Technology)を使用してMC57G細胞中にトランスフェクトした。トランスフェクトされた細胞は、トランスフェクトされた細胞を濃縮するため、ピューロマイシン(4μg mL
-1)選択下に4日間あった。
【0084】
D.ゲノムDNA抽出及びSURVEYOR(登録商標)アッセイ
トランスフェクトされたMC57G細胞からのゲノムDNAを、QuickExtract DNA抽出溶液(Epicentre Biotechnologies)を使用
して抽出した。個々のsgRNAの効率を、構築のためのプライマー及び配列並びにドナーテンプレート及びsgRNAプラスミドの分析を提供する下の表3に列挙されるPCRプライマーを使用するSURVEYORヌクレアーゼアッセイ(Transgenomics)により試験した。
【0085】
【表3-1】
【0086】
【表3-2】
【0087】
【表3-3】
【0088】
【表3-4】
【0089】
E.AAV8ベクター製造
本研究で使用された全部のベクターは、ポリエチレンイミン(PEI)に基づく三重トランスフェクションにより293細胞中にAAV血清型8キャプシドでパッケージングし、上清接線流濾過(TFF)から濃縮し、そして以前に記述された(Lock Mら、2010)ところのイオジキサノールグラジエント超遠心分離法によりさらに精製した。AAVベクターのゲノム力価(GC/ml
-1)を定量的PCR(qPCR)により測定した。本研究で使用された全部のベクターは、QCL−1000発色性LAL試験キット(Cambrex Bio Science)を使用するエンドトキシンアッセイに合格した。
【0090】
F.動物
spf
ashマウスは、以前に記述された[ML Batshawら、Mol Genet Metab、113:127−130(2014)]とおり、ペンシルバニア大学のトランスレーショナルリサーチ研究所(Translational Research
Laboratories)の動物施設で飼育した。全部の動物手順は、ペンシルバニア大学の動物実験委員会(Institutional Animal Care and Use Committee)(IACUC)により承認されたプロトコルに従って実施した。交尾ケージを出生について毎日監視した。新生(出生後第2日、p2)雄性仔が、記述された[Daly,TMら、Methods Mol Biol、246:195−199(2004)]とおり、50μlの容量中のそれぞれについて意図された用量の2種のベクターの混合物の側頭静脈注入を受領した。非処置WT、spf
ashヘテロ接合性(Het)及びspf
ashヘミ接合性マウスが対照としてはたらいた。マウスをベクター処置後1、3若しくは8週に屠殺しそして肝サンプルを分析のため収集した。マウスを離乳時若しくは剖検の時点で遺伝子型判定して遺伝子型を確認した。
【0091】
OTC修正の有効性を試験するため、高蛋白餌(40%タンパク質、Animal Specialties&Provisions)を7週齢マウスに7日間与えた。この時間後に、血漿を、Sigmaアンモニアアッセイキット(Ammonia Assay Kit)を使用する血漿NH
3の測定のため収集した。残存するサンプルは、ALT、AST及び総ビリルビンの測定のためAntech Diagnosticsに送付した。
【0092】
新生雄性仔の同腹子全体が試験若しくは対照いずれかのベクターを注入されかつ特定のランダム化法を使用しなかったことに注意されたい。以下のアッセイは、研究者がベクターの性質若しくはベクター用量を知らなかった盲検化様式で実施した:ベクター注入、OTC及びCas9(FLAG)免疫染色及び定量、肝での組織病理学分析、OTC酵素活性アッセイ、並びに遺伝子発現解析及びRT−qPCR。
【0093】
成体の遺伝子編集実験は8ないし10週齢の雄性spf
ashマウスにおいて実施した。低用量群の動物は、AAV8.SaCas9(1×10
11GC)及びAAV8.sgRNA1.donor(1×10
12GC)若しくは同一用量の非標的化ベクターの尾静脈注入を受領し、そしてそれらを注入後3週に分析のため屠殺した。高用量群の動物は、AAV8.SaCas9(1×10
12GC)及びAAV8.sgRNA1.donor(5×10
12GC)若しくは同一用量の非標的化ベクターの尾静脈注入を受領し、そしてそれらを注入後2週に分析のため屠殺した。
【0094】
G.OTC免疫染色
OTC発現についての免疫蛍光を凍結肝切片で実施した。凍結切片(8μm)を風乾し、そして4%パラホルムアルデヒド(全部の溶液がリン酸緩衝生理食塩水中)中で10分間固定した。切片をその後透過処理し、そして1%ロバ血清を含有する0.2%Triton中で30分間ブロッキングした。1%ロバ血清中1:1000希釈されたウサギ抗O
TC抗体[Augustin,L.ら、Pediatr Res、48:842−846(2000)]を使用して切片を1hインキュベートした。洗浄後、切片を、1%ロバ血清中テトラメチルローダミン(TRITC)結合ロバ抗ウサギ抗体(Vector Labs)で30min染色し、洗浄しかつVectashield(Vector Labs)を用いてマウントした。
【0095】
いくつかの切片を、中心周囲の肝細胞についてのマーカーとしてのグルタミン合成酵素に対するモノクローナル抗体(BD Biosciences、クローン6、カタログ番号610517)、次いでフルオレセインイソチオシアネート(FITC)標識ロバ抗マウス抗体(Jackson Immunoresearch Laboratories、カタログ番号715−095−150)で追加染色した。二重染色は、2種の一次及び二次抗体をそれぞれ混合すること並びに上のプロトコルに従うことにより実施した。他の切片は、二次抗体溶液にLELを1:500の希釈で添加することにより、フルオレセイン標識トマトレクチン(トマト(Lycopersicon esculentum)レクチン、LEL;Vector Laboratories、カタログ番号FL−1171)で対染色した。
【0096】
Cas9発現は、モノクローナル抗体M2(Sigma、カタログ番号F1804)を使用するFLAGタグについての免疫染色を介してパラフィン包埋肝からの切片で検出された。パラフィン切片を、抗原回収段階(10mMクエン酸緩衝液、pH6.0中で6min沸騰)を伴う標準的プロトコルに従って処理した。染色は、製造元の説明書に従ってマウス・オン・マウス(mouse−on−mouse)(MOM)キット(Vector Laboratories)を使用して実施した。
【0097】
OTCを発現する肝細胞のパーセンテージを定量化するため、10個のランダムな画像を、OTC発現について染色された各肝切片から10倍対物レンズを用いて撮影した。小型の肝切片のみが利用可能であったいくつかの場合においては5画像のみを撮影した。ImageJソフトウェア(Rasband W.S.、米国国立保健研究所(National Institutes of Health,USA);http://rsb.info.nih.gov/ij/)を使用して、画像をOTC陽性領域について閾値設定し(thresholded)(すなわちOTC陽性領域を選択した)、そしてOTC陽性領域のパーセンテージを各画像について決定した。第二の測定において、画像を「空の」領域(例えば静脈及び類洞)について閾値設定して、肝組織により占有されない領域のパーセンテージを決定した。これは、肝組織の弱いバックグラウンド蛍光の存在の結果として可能であった。OTC陽性の肝組織(すなわちOTC陽性肝細胞)の最終的パーセンテージをその後、補正された領域(総領域−空の領域)あたりで計算し、そして値を各肝について平均した。
【0098】
Cas9陽性肝細胞のパーセンテージを決定するため、各肝からの2切片を分析し、一方はCas9について染色し(FLAGタグを介して)、他方の切片は全部の核を標識するためヘマトキシリンで染色した。各切片からの3画像を10倍対物レンズを用いて撮影し、そしてCas9陽性若しくはヘマトキシリン染色された肝細胞核のいずれかの数を、染色された肝細胞核を選択かつ計数することを可能にするImageJの“Analyze Particles”ツールを使用して決定した。他の細胞型からのヘマトキシリン染色された核は、大きさ及び真円度パラメータに基づき排除し得た。Cas9陽性核のパーセンテージをその後、ヘマトキシリン染色された切片中で見える肝細胞核の総数に基づき計算した。
【0099】
OTC活性の組織化学的染色のため、薄片にされた肝組織(2mm)を固定し、包埋し、薄片を作り(8μm)、そして以前に記述された[Ye,X.ら、J Biol Ch
em.、271:3639−3646(1996)]とおりOTC酵素活性の組織学的染色のためスライド上にマウントした。ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)染色を、標準的プロトコルに従って処理かつ染色されたパラフィン包埋肝サンプルからの切片で実施した。切片を非処置動物からの肝と比較してあらゆる異常について分析した。
【0100】
H.OTC酵素活性アッセイ
OTC酵素活性を、改変を伴う以前に記述された[Morizono,Hら、Biochem J.、322(Pt2):625−631(1997)]とおり肝ライセート中でアッセイした。全肝断片を液体窒素中で凍結し、そしてOTC測定を実施するまで−80℃で保存した。1mLあたり50mg肝組織のホモジェネートを、Polytronホモジェナイザー(Kinematica AG)を用い50mMトリス酢酸緩衝液pH7.5中で調製した。合計250μgの肝組織をアッセイチューブあたりに使用し、そしてアッセイを三重で実施した。タンパク質濃度は、製造元の説明書に従いBio−Radタンパク質アッセイキット(Bio−Rad)を使用して残存する肝ホモジェネートで測定した。
【0101】
I.ウエスタンブロット分析
ウエスタンブロットを、以前に記述された[Wang,L.ら、Gene Ther、19:404−410(2012)]とおり肝ライセートで実施した。OTCタンパク質は、カスタムウサギポリクローナル抗体(1:10,000希釈)[Augustin,L.ら、Pediatr Res、48:842−846(2000)]により検出した。マウス抗FLAG M2抗体(1:2000希釈、Sigma)及びマウス抗αチューブリン抗体(1:500希釈、Santa Cruz)を使用して、Cas9及びαチューブリンを検出した。マウス抗アクチン抗体(1:1,000希釈、Cell Signaling Technology、カタログ番号8457L)を使用して、ImageLab 4.1ソフトウェアを伴うChemiDoc MPシステム(Bio−Rad)を用いて画像化されたアクチンブロットを検出した。
【0102】
J.遺伝子発現解析、RT−PCR及びRT−qPCR
RNAをトリゾール(Life Technology)を使用して精製し、そして大容量(High−Capacity)cDNA逆転写(Reverse Transcription)キット(Applied Biosystems)を使用して逆転写した。マウスOTC、SaCas9及びGAPDHを測定するためのリアルタイムPCR(qPCR)反応を、遺伝子特異的プライマー(Applied Biosystems)を使用して実施した。データをGAPDHに対し正規化した。
【0103】
K.オンターゲット及びオフターゲット突然変異誘発分析
HDR媒介性の標的化改変を、以前に記述された[Ran,F.ら、Nat Protocol、8:228−2308(2013)]ところの制限断片長多形(RFLP)分析により確認した。HDR−Fwd及びHDR−Revプライマーを、ドナーテンプレートと標的ゲノム領域の間の相同性の領域の外側にアニーリングするよう設計した。PCR産物を精製しかつAgeI制限酵素で消化した。OTCのイントロン4のオンターゲット部位をさらに確認するため、該ゲノム領域をネステッドPCRにより増幅した。簡潔には、ゲノムDNAをまず、Q5(登録商標)高忠実度(High−Fidelity)DNAポリメラーゼ(New England Biolabs)を使用してHDR−FwdおよびHDR−Revプライマー(表3)により増幅し、そしてゲル精製してゲノムDNA中の残余のAAV8.sgRNA1.donorを除去した。その後、ネステッドPCRを、精製された第1回のPCRアンプリコンを使用することにより実施した。ライブラリーを、NEBNext(登録商標)Ultra
TM DNA Library Prep
Kit for Illumina(NEB)を使用して250ngの第二のPCR産
物から作成し、そしてIllumina MiSeq(2×250塩基対(bp)の対形成端若しくは2×300bpの対形成端、Genewiz)上でシークエンシングした。データを標準的Illuminaシークエンシング分析手順に従って処理した。処理された読み取りデータを、カスタムスクリプトを伴うBurrows−Wheeler Alignerを使用して参照配列としてのPCRアンプリコンに位置付けた。参照に位置しなかった読み取りデータは廃棄した。挿入及び/若しくは欠失を、カスタムスクリプトを使用する参照に対する読み取りデータの比較により決定した。最もありそうなオフターゲット部位を、
www.benchling.comに記述されるアルゴリズムを使用して決定し、OT1からOT16(下の表4)と称した。これらの部位に広がるプライマー(すぐ後に続く表を参照されたい)を使用して、関連する配列をネステッドPCRにより増幅した。精製されたPCRフラグメントをその後、上述されたところのディープシークエンシングにかけた。
【0104】
【表4-1】
【0105】
【表4-2】
【0106】
【表4-3】
【0107】
オンターゲット及びオフターゲットの欠失挿入(indels)並びにspf
ash突然変異のオンターゲット修正の頻度を後に続くとおり決定した。MiSeqの読み取りデータをカスタムスクリプトを使用して分析して、参照に対し読み取りデータを整合させることにより欠失挿入を特定し、欠失挿入は、可能性のあるオフターゲット効果であると考えられる予測されたCRISPR−Cas9切断部位(PAMの3nt下流、プロトスペーサー内)の15nt上流若しくは下流内の配列のいずれかの部分を伴う。候補欠失挿入の上流若しくは下流いずれかに、参照配列の対応する18ntの部分を伴い3個以上のミスマッチを含むいずれかの18nt配列が存在した読み取りデータを、誤りとして廃棄した。OT1からOT16部位についての全部の候補欠失挿入を確認のため手動で精選した。OTCイントロン4のオンターゲット部位について、読み取りデータを、アンチセンス鎖上に、PAMの場所でドナー特異的「CACCAA」で開始し、ドナー特異的AgeIインサート「ACCGGT」を通りかつspf
ashOTC突然変異部位でSNV「C」で終了する、ドナーからの51nt配列との完全なマッチが存在した場合は、「完全なHDR」を有するとみなした。読み取りデータは、それが(1)「完全なHDR」の基準に一致、若しくは(2)予測されるCRISPR−Cas9切断部位(ドナー特異的AgeIインサート「ACCGGT」のサイズから成る)の54nt上流の期待されるspf
ashOTC突然変異部位中のセンス鎖上にSNV「G」を有し、spf
ashOTC突然変異部位に隣接する参照配列の18ntのイントロン部分と2個までのミスマッチを含む、のいずれかの場合に「「G」を含む読み取りデータ」であるとみなした。読み取りデータは、それが「完全なHDR」及び「「G」を含む読み取りデータ」の基準に合致しなかった場合、並びに標的部位の3’端のドナー特異的「CACCAA」で開始しかつドナー特異的AgeIインサート「ACCGGT」で終了する、ドナーからの18nt配列との完全なマッチが存在した場合に、「部分的HDR」を有するとみなした。
【0108】
L.統計学的解析
試験および対照ベクターを、再現性を確認するため各時点で群あたり最低3マウスにおいて評価した。サンプルサイズを図の説明に示す。成功裏の側頭静脈注入を伴う全部の動物を試験解析に包含した。不成功の注入を伴うものは除外した。注入の成功はqPCRを介する肝中のベクターゲノムコピーに従って決定し、同一時点の投与群の平均値の10%未満のベクターゲノムコピーをもつ動物は不成功であるとみなした。
【0109】
統計学的解析はGraphPad Prism 6.03 for Windowsを
用いて実施した。ダンの多重比較検定を使用して多数の変数を単一対照と比較した。マン・ホイットニー検定を使用して2群間の差違を決定した。マンテル・コックス検定を使用して生存分布を差違について検定した。群の平均(average)は平均(mean)±S.E.M.として表した。
【0110】
M.RFLPノックイン及びターゲッティングアッセイ
pX330及びOTCドナーテンプレートでコトランスフェクトされたMC57G細胞のゲノムDNAを、QuickExtract
TM DNA抽出溶液(Epicentre
Biotechnologies)を使用して抽出した。RFLPアッセイを実施して相同組換え修復(HDR)を検出した。簡潔には、ゲノムDNAをHDR−Fwd及びHDR−Revプライマーを使用することにより増幅した。HDR−Fwd及びHDR−Revプライマーは、OTCドナーテンプレートと標的ゲノム領域の間の相同性の領域の外側にアニーリングするよう設計されている。PCR産物(30サイクル、67℃アニーリング及び72℃で1min伸長)を、QIAQuick PCR精製キット(Qiagen)により精製しかつAgeIで消化した。消化された産物を4−20%勾配ポリアクリルアミドTBEゲル上に負荷しかつSYBR Gold色素で染色した。切断産物を画像化し、そしてSURVEYOR(登録商標)アッセイについて上述されたとおり定量した。全部のPCR反応は、HF緩衝液及び3%ジメチルスルホキシドとともにPhusion(登録商標)ハイフィデリティ(High−fidelity)DNAポリメラーゼ(New England BioLabs)を使用して実施した。
【0111】
サンプルをベクター注入1、3及び8週後に得たspf
ash動物中のSpCas9及びSaCas9双方のベクター系の完全な分析を実施した。対照は、野生型同腹子、並びに非処置若しくはガイドRNAを伴わないAAV8.Cas9及びAAV8.donorを投与されたかのいずれかであったspfashマウス(非標的化と呼ばれる)からのサンプルを包含した。非処置及び非標的化spf
ash動物はspf
ash対照と称される一方、AAV8.SaCas9及びAAV8.sgRNA1.donorを注入されたspf
ashマウスは処置動物と称される。パイロット実験は、該2種のベクターの用量及び比に関するベクター注入の最適条件を解明し(
図5);新生仔における全部のその後の実験は、5×10
11GCのAAV8.sgRNA1.donor(若しくはAAV8.control.donor)及び5×10
10GCのAAV8.SaCas9を用いて実施した。
【0112】
in vivoの欠失挿入形成及びHDRを評価するため、肝DNAを新生仔ベクター処置後3週(n=3)及び8週(n=3)にマウスから回収し、次いでネステッドPCRによりOTC標的領域を増幅し及びディープシークエンシングし;同様の分析を非処置spf
ashマウスからのDNAで実施してシークエンシングの誤りによるバックグラウンドを評価した。下の表5は該データを要約する。遺伝子修正後、欠失挿入は6処置動物からのOTC対立遺伝子の31%(26.5%〜35.5%)で検出された(
図5)。2処置マウスにおけるより詳細な研究は、欠失の90%超が20bp未満でありかつわずか1%が隣接エクソン中に伸長したことを示した。GからAの突然変異のHDRに基づく修正が、6処置動物からのOTC対立遺伝子の10%(6.7%〜20.1%)で観察された。GからAの突然変異と、隣接イントロン中に51ntに位置するドナー特異的な変えられたPAMとの間の、増幅されたDNAの解析は、修正された対立遺伝子のおよそ83%がこれら2目標間にドナー由来配列のみを含有した(完全なHDRを含む読み取りデータ)一方、全OTC対立遺伝子の3.5%が不完全なHDR事象の証拠を有した(部分的HDRを含む読み取りデータ)ことを示した。HDR媒介性の標的化改変はまた、該3時点のそれぞれで収集された3動物においてドナーDNA中に導入された制限断片長多形(RFLP)の存在によっても推定された。平均HDR率は、1週で2.6%、3週で18.5%及び8週で14.3%であり、ディープシークエンシングにより観察される高いHDR率を確認した(
図6A)。
【0113】
【表5-1】
【0114】
【表5-2】
【0115】
www.benchling.comに記述されるアルゴリズムはsgRNA1についての49個の潜在的オフターゲット部位を同定し;DSBを創成することが最もありそうな上位15部位をPCRにより増幅しかつディープシークエンシングにかけた(後に続く表6を参照されたい)。シークエンシングの誤りによる非処置動物のDNAからのバックグラウンドは部位間で異なったとは言え、それは通常ほんの数パーセントであった。処置動物からのサンプルは、このバックグラウンドより上であった欠失挿入の証拠を示さなかった。
【0116】
【表6-1】
【0117】
【表6-2】
【0118】
【表6-3】
【0119】
【表6-4】
【0120】
[これら標的部位は見込みの順序で列挙されている。MLEすなわち標的領域に真の欠失挿入を含む読み取りデータの割合についての最大見込み推定値(maximum−likelihood estimate)を、Hsuら Nat Biotech、31:827−832(2013)に記述されるところのCas9/sgRNA−1処置サンプル及び非処置対照についてのコンピュータ計算された欠失挿入率に基づくオフターゲットシークエンシングサンプルに適用した。乏しいシークエンシングの質によりOT4についてデータは入手可能でない。]
【0121】
肝ホモジェネートをウエスタンブロットによりOTCの発現について評価した。大部分の処置動物におけるOTCタンパク質はspf
ash対照においてよりも高かったが、しかし野生型マウスで見出されるレベルに達しなかった(
図6B)。肝の組織切片をOTC発現について免疫組織化学により分析した(
図2C−2E)。
図2CはOTC発現の代表的蛍光顕微鏡写真を示し、これは形態計測分析を使用する%補正のため
図2Bで定量化された。シグナルはspf
ash対照で観察されなかった(<1%)一方、ヘテロ接合体の分析は予測されるモザイク現象を示した(
図2C)。形態計測は、spf
ash対照群で見出されたよりも処置群で10ないし100倍より多い数のOTC発現細胞を示した(
図2B;15%(3週で6.8%〜24.4%及び13%(8週で7.5%〜20.1%)。処置された動物は、グルタミン合成酵素についての染色により可視化された、中心静脈周囲を除く門脈系の全部の部分内に局在化したOTC発現細胞の斑を示した(
図2D)。これは内因性OTCの予測される分布である[MA Dingemanseら、Hepatology、24:407−411(1996)]。より高倍率の組織学的視野は、増殖する肝の状況における修正次いでクローン増殖と矛盾しないOTC発現肝細胞のクラスターを示した(
図2E)。肝ホモジェネートからのOTC酵素活性及び肝からの全細胞RNAからのOTC mRNAの直接測定は処置動物における同様に高レベルの修正を表し、3及び8週でそれぞれ正常OTC活性の20%(13.4%〜33.7%(n=5)及び16%(11.0%〜25.4%;n=8)(
図2F)、並びに3及び8週で正常OTC mRNAの13%(8.6%〜21.8%、n=5)及び9%(5.0%〜16.8% n=8)をもたらした(
図2G)。3から8週までのOTC
+肝細胞、OTC酵素活性及びOTC mRNA発現の減少にもかかわらず、これらの差違のいずれも統計学的に有意でなかった(それぞれ
図2b;p=0.4828、
図2e;p=0.2723、
図2f;p=0.1475)。肝ホモジェネートをウエスタンブロットによりOTCの発現についてもまた評価した。ほとんどの処置動物におけるOTCタンパク質レベルはspf
ash対照においてよりも高かったが、しかし野生型マウスで見出されたレベルに達しなかった。全体として、個々の動物内の組織学、タンパク質及びmRNAに基づく修正の推定値に良好な相関が存在した。
【0122】
SaCas9を送達するためにAAVを使用することについての1つの懸念は、編集を達成するために必要でなくかつ事実免疫及び/若しくはゲノム毒性に寄与しうる安定な導入遺伝子発現を達成するその傾向である。ウエスタンブロット分析は、8週までに検出不可能なレベルに低下した、高レベルSaCas9タンパク質を1週で示した(
図6B)。さらに、免疫組織化学は、1週で肝細胞の21%において核局在化されたSaCas9タンパク質を表し、これは8週までに検出不可能なレベル(0.1%未満の肝細胞)に低下した(
図3A)。SaCas9 mRNAは、この8週の期間の間に、非常に低いがしかしなお検出可能なレベルまで43倍低下した(
図3B)。この同一の時間間隔の間のSaCas9 DNAの25倍の低下は、増殖する新生仔肝の状況におけるベクターゲノムの排除がSaCas9発現の所望の低下への主要な寄与体であることを示す(
図3C)。
【0123】
OTC欠損症の臨床症状に対する遺伝子修正の影響を評価することにおいて、われわれは、1週クールの高蛋白餌に対するspf
ashマウスの耐性を評価した。期待されたとおり、該餌の終了時の血液アンモニアの測定は、野生型対照における83±9μM(n=1
3)からspf
ash対照における312±30μM(n=16)までの統計学的に有意の上昇を表した(
図3D;p<0.0001)。血液アンモニアの実質的変動が7日の高蛋白餌後に非処置spf
ash動物で見出され、これは比較的短期間にわたりアンモニアの大幅な変動を示すOTC欠損患者における所見と矛盾しない[D.Moscioniら、Mol Ther、14:25−33(2006)]。非処置spf
ashと非標的化spf
ash対照の間に有意差は存在せず(
図3D;p=0.83);逆に、アンモニアの統計学的に有意の40%の低下が、非処置spf
ashと処置spf
ash動物の間で観察された(
図3D;p=0.0014)。重要なことに、処置spf
ashマウスは、非処置若しくは非標的化spf
ashを上回る生存の統計学的に有意の改良もまた示した(
図3E;p=0.03)。蛋白餌の該クールの間、非処置spf
ash(n=20)及び非標的化spf
ash(n=13)の双方の30%が、高アンモニア血症の臨床徴候を発症しかつ死亡したか若しくは安楽死されなければならなかった一方、野生型マウス(n=13)及び処置spf
ashマウス(n=13)の全部が生存した(
図3E)。
【0124】
本研究における驚くべき高レベルの修正は、分裂細胞の状況における豊富なドナーDNAのSaCas9の高発現によるようである。新生サル中へのAAV8ベクターの注入は、減少の類似のキネティクスを伴い、これらマウスの研究(すなわちそれぞれ21%のSaCas9発現肝細胞及び細胞あたり52のベクターゲノム)において達成されたと同一の高いピークレベルの形質導入及び遺伝子移入(すなわちそれぞれlacZを発現する92%の肝細胞及び細胞あたり32のベクターゲノム)を示し、これはヒトを包含するより大型の種への橋渡しに関して有望である。
【0125】
安全性の問題は、主に、発癌性の続発症を伴いオフターゲットDSBを創成し得るsgRNAの状況におけるCas9の発現に関する。これら潜在的毒性のより広範囲の特徴付けが臨床的橋渡しを考慮し得る前に必要であるとは言え、われわれは、ありそうなオフターゲット部位のディープシークエンシングにより達成される感度のレベルでオフターゲット欠失挿入を検出し得なかった。Cas9は、導入遺伝子が外来タンパク質である遺伝子置換療法で観察されているとおり病理学的免疫応答もまた導き出し得た。しかしながら、新生仔におけるAAVの全身送達はいくつかの理由上潜在的免疫学的有害事象を軽減するのに役立つ。第一に、原核生物のSaCas9タンパク質の発現は、組込まれないベクターが肝細胞増殖の間に失われるため一過性である。さらに、AAVにコードされるタンパク質への新生アカゲザルの曝露は、これらのタンパク質に対する耐性を誘発してそれにより破壊的養子免疫応答により引き起こされる毒性を回避することが示されている。高蛋白餌投与の終了時に収集されたSaCas9処置spf
ashマウスにおける肝及びトランスアミナーゼレベルの詳細な組織学的分析は、いずれかの病理若しくは毒性を明らかにすることに失敗した(
図7)。