(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載のプリントモジュールにおいて、前記インク入口モジュールは、インク貯蔵器からインクを受け取るための入口ポートを有し、および前記インク出口モジュールは、前記インク貯蔵器にインクを戻すための出口ポートを有することを特徴とするプリントモジュール。
請求項1に記載のプリントモジュールにおいて、前記供給モジュールは、前記プリントヘッドカートリッジ上の相補的な電気接点と電気的に接続するための電気接点を含むことを特徴とするプリントモジュール。
請求項1に記載の複数のプリントモジュールを含むモジュール式プリンタにおいて、各プリントモジュールは、共通のインク貯蔵器に接続されることを特徴とするモジュール式プリンタ。
プリントヘッドカートリッジを供給モジュールに結合する方法において、前記供給モジュールは、電力およびデータ信号を前記プリントヘッドカートリッジに供給するための電子回路を収容する本体と、前記本体の対向する外側壁に配置されかつ前記本体に隣接するインク入口モジュールおよびインク出口モジュールであって、前記インク入口モジュールおよび前記インク出口モジュールのそれぞれは、それぞれのインクカップリングを有する、インク入口モジュールおよびインク出口モジュールとを含み、前記方法は、
前記供給モジュールの前記インク入口カップリングおよび前記インク出口カップリングを前記プリントヘッドカートリッジの各端部の相補的な入口および出口カップリングと整列させるために、前記プリントヘッドカートリッジを前記供給モジュールに対して位置決めするステップと、
前記インク入口モジュールの前記インクカップリングを前記プリントヘッドカートリッジの前記相補的な入口カップリングと係合させるために、前記インク入口モジュールを前記本体の一方の外側壁に対して摺動させるステップと、
前記インク出口モジュールの前記インクカップリングを前記プリントヘッドカートリッジの前記相補的な出口カップリングと係合させるために、前記インク出口モジュールを前記本体の対向する外側壁に対して摺動させるステップと
を含むことを特徴とする方法。
【発明の概要】
【0008】
第1の態様において、
媒体送り経路を画定する媒体支持体と、
媒体送り経路に沿って送られる媒体に印刷するためのページワイド印刷ユニットであって、
媒体送り経路上に固定式に配置されたメンテナンスシャーシであって、それに固定式に取り付けられたメンテナンスモジュールを有するメンテナンスシャーシと、
メンテナンスシャーシに移動可能に取り付けられたプリントバーシャーシであって、プリントヘッドを有するプリントモジュールを含むプリントバーシャーシと、
メンテナンスシャーシに対してプリントバーシャーシをメンテナンス位置と印刷位置との間で昇降させるためのリフト機構と
を含むページワイド印刷ユニットと
を含み、
プリントヘッドは、印刷位置およびメンテナンス位置においてそれぞれメンテナンスモジュールによって画定された空間を通って前進および後退する、プリンタが提供される。
【0009】
第1の態様によるプリンタは、固定されたプリントバーシャーシ上においてメンテナンスシャーシを有利に配置する。この構成により、プリントヘッドのメンテナンス中、プリントバーシャーシおよびメンテナンス部品の必要な移動が最小限に抑えられ、プリンタの占有面積が最小限に抑えられ、メンテナンス介入のたびに嵩のあるプリントバーとメンテナンスシャーシとを整列させる必要がなくなる。さらに、この構成は、湾曲した媒体送り経路に適している。なぜなら、プリントバーシャーシの移動は、媒体送り経路上に固定式に配置されたメンテナンスシャーシに関連するからである。さらに、各印刷ユニットは自己完結型であり、これにより、顧客は、必要とされる印刷ユニットの数を選択することによって印刷システムを設計することができる。
【0010】
好ましくは、プリントバーシャーシは、媒体経路の幅にわたって千鳥形オーバーラップ構成の複数のプリントモジュールを含み、およびメンテナンスシャーシは、対応する複数のメンテナンスモジュールを含み、各メンテナンスモジュールは、それぞれのプリントヘッドを維持する。
【0011】
好ましくは、媒体送り経路は、概ね円弧状であり、これは、印刷中のウェブ張力を最適化するために好ましい。本明細書で使用される場合、「概して円弧状」という用語は、円弧状の経路に近似するが、厳密な数学的意味で円弧状ではない媒体送り経路を含む。例えば、ウェブは、円弧状に配置された複数のローラ上で張力をかけられ得る。しかしながら、隣り合うローラの対間において、教示されたウェブは、全体的に円弧状の経路を画定する複数の直線状の平坦部として構成される。そのような構成は、「概して円弧状」という用語の範囲内にあることが理解されるであろう。
【0012】
好ましくは、各プリントバーシャーシは、概ね円弧状の媒体送り経路に対して半径方向に持ち上げ可能である。
【0013】
一実施形態では、メンテナンスシャーシの一部は、印刷位置においてプリントバーシャーシのための基準を画定する。例えば、プリントバーシャーシは、印刷位置においてメンテナンスシャーシの上面に着座することができる。代替実施形態では、プリントバーシャーシは、媒体支持体の一部に対して基準設定され得る。
【0014】
好ましくは、各メンテナンスモジュールは、開口を画定する固定フレームを含み、フレームは、1つまたは複数の可動メンテナンス部品を収容する。
【0015】
好ましくは、印刷位置およびメンテナンス位置の両方における各印刷ユニットの占有面積は、メンテナンスシャーシの外周によって画定される。
【0016】
好ましくは、フレームは、長い脚部および短い脚部を有するL字形であり、開口は、長い脚部および短い脚部によって部分的に取り囲まれる空間によって画定される。
【0017】
好ましくは、各メンテナンスモジュールは、ワイパおよびキャッパの少なくとも1つを含む。
【0018】
好ましくは、キャッパは、プリントヘッドに対して横方向にかつ媒体送り方向と平行に移動するように構成される。
【0019】
好ましくは、ワイパは、プリントヘッドに対して長手方向にかつ媒体送り方向に垂直に移動するように構成される。
【0020】
好ましくは、隣接するプリントヘッドのワイパは、対向する長手方向に移動するように構成される。
【0021】
好ましくは、各プリントモジュールは、プリントバーシャーシに固定されたスリーブに摺動可能に受け入れられる。
【0022】
好ましくは、各プリントモジュールは、供給モジュールと、交換可能なプリントヘッドカートリッジとを含み、プリントヘッドカートリッジは、プリントヘッドを含む。
【0023】
好ましくは、供給モジュールは、それぞれのプリントヘッドを制御するためのプリンタコントローラチップを有する少なくとも1つのPCBを収容する。
【0024】
好ましくは、供給モジュールは、インクをプリントヘッドカートリッジに供給しかつインクをプリントヘッドカートリッジから受け取るためのインク入口モジュールおよびインク出口モジュールを含む。
【0025】
関連する態様において、複数のプリントヘッドを維持する方法であって、
媒体支持体に対して固定された関係で媒体送り経路上に配置されたメンテナンスシャーシを提供するステップであって、メンテナンスシャーシは、複数のメンテナンスモジュールを含む、ステップと、
メンテナンスシャーシに配置されたプリントバーシャーシを提供するステップであって、プリントバーシャーシは、複数のプリントヘッドを支持し、各プリントヘッドは、それぞれのメンテナンスモジュールを有し、および各プリントヘッドは、そのそれぞれのメンテナンスモジュールによって画定された開口を通って前進する、ステップと、
プリントバーシャーシをメンテナンスシャーシに対して印刷位置からメンテナンス位置まで持ち上げるステップであって、それにより、各プリントヘッドは、各開口から後退される、ステップと、
各メンテナンスモジュールのキャッパまたはワイパを移動させて、それぞれのプリントヘッドと係合させるステップと
である、方法が提供される。
【0026】
別の関連する態様において、媒体送り経路上に取り付け、かつ媒体に印刷するためのページワイド印刷ユニットであって、
媒体送り経路上に固定式に取り付けるためのメンテナンスシャーシであって、それに固定式に取り付けられたメンテナンスモジュールを有するメンテナンスシャーシと、
メンテナンスシャーシに移動可能に取り付けられたプリントバーシャーシであって、プリントヘッドを有するプリントモジュールを含むプリントバーシャーシと、
メンテナンスシャーシに対してプリントバーシャーシをメンテナンス位置と印刷位置との間で昇降させるためのリフト機構と
を含み
プリントヘッドは、印刷位置においてメンテナンスモジュールによって画定された空間を通って前進する、印刷ユニットも提供される。
【0027】
第2の態様において、
媒体送り経路に沿って送られる媒体上に印刷するためのプリントヘッドを有するプリントモジュールと、
プリントヘッドを維持するためのメンテナンスモジュールであって、プリントヘッドの長手方向軸と平行に延びる長いアームと、短いアームとを有するL字形フレームを含むメンテナンスモジュールと
を含み、
長いアームは、プリントヘッドをキャッピングするためのキャッパを含み、および
短いアームは、プリントヘッドを拭くためのワイパを含む、プリンタが提供される。
【0028】
有利には、L字形メンテナンスモジュールは、プリントモジュールおよびメンテナンスモジュールを配置しかつモザイク状にするコンパクトな手段を提供する。メンテナンスモジュールのコンパクトなモジュール設計のために、上述の印刷ユニットは、任意の数のプリントモジュールを用いて容易に製造され得る。さらに、プリントヘッドごとにそれぞれのメンテナンスモジュールを有することにより、プリントヘッドメンテナンス作業は、複数のプリントモジュールから構成される印刷ユニット全体に対して同期して実行され得る。
【0029】
好ましくは、プリンタは、複数の持ち上げ可能なプリントモジュールを含み、各プリントモジュールは、それぞれのプリントヘッドを含む。
【0030】
好ましくは、各L字形メンテナンスモジュールは、それぞれのプリントモジュールの周りに部分的に巻かれる。
【0031】
好ましくは、プリントヘッドは、媒体送り経路の幅にわたって千鳥形オーバーラップ構成で配置される。
【0032】
好ましくは、プリンタは、媒体送り経路にわたって列に整列された複数のプリントヘッドを含み、列内の第1のプリントヘッドのためのL字形メンテナンスモジュールは、列内の第1のプリントヘッドと第2の隣接するプリントヘッドとの間に配置されたその短いアームを有する。
【0033】
好ましくは、プリンタは、媒体送り方向に関して下流側プリントヘッドの上流に配置された上流側プリントヘッドを含み、上流側プリントヘッドのための第1のL字形メンテナンスモジュールは、下流側の第2のL字形メンテナンスモジュールに対して180度回転される。
【0034】
好ましくは、第1および第2のL字形メンテナンスモジュールは、互いに同一である。
【0035】
好ましくは、上流側および下流側プリントヘッドは、互いに比較的近位である。
【0036】
好ましくは、第1および第2のL字形メンテナンスモジュールの第1および第2のキャッパは、それぞれの上流側および下流側プリントヘッドの対向する上流側および下流側に配置され、第1および第2のキャッパは、キャッピング中、そのそれぞれの上流側および下流側プリントヘッドに向かって対向する方向に移動する。
【0037】
第1および第2のL字形メンテナンスモジュールの第1および第2のワイパは、それぞれの第1および第2のプリントヘッドの対向する長手方向端部に配置され、第1および第2のワイパは、拭く間、そのそれぞれの第1および第2のプリントヘッドに沿って対向する長手方向に移動する。
【0038】
好ましくは、第1および第2のワイパは、同一であり、かつ拭き取り材料のウェブであって、その幅にわたって第1および第2の拭き取り領域を有する拭き取り材料のウェブを含み、第1の拭き取り領域は、第1のプリントヘッドを拭き、および第2の拭き取り領域は、第2のプリントヘッドを拭く。
【0039】
好ましくは、キャッパは、複数の接続アームを介してL字形フレームの長い側壁に接続され、キャッパは、長い側壁と平行に延び、接続アームは、キャッパを長い側壁に対して横方向に移動させる。
【0040】
関連する態様において、媒体送り経路にわたって千鳥形オーバーラップ構成で配置されたプリントヘッドのアレイを拭く方法であって、
プリントヘッドごとにそれぞれのメンテナンスモジュールを提供するステップであって、各メンテナンスモジュールは、媒体送り方向に垂直な方向にそれぞれのプリントヘッドに沿って長手方向に拭くためのワイパを含む、ステップと、
アレイ内の1つまたは複数のプリントヘッドを拭くステップと
を含み、
アレイ内の隣接する重なり合うプリントヘッドのためのワイパは、そのそれぞれのプリントヘッドを対向する長手方向において拭く、方法が提供される。
【0041】
別の関連する態様において、プリントヘッドを維持するためのメンテナンスモジュールであって、長いアームおよび短いアームを有するL字形フレームを含み、
長いアームは、プリントヘッドに蓋をするためのキャッパを含み、および
短いアームは、プリントヘッドを拭くためのワイパを含む、メンテナンスモジュールが提供される。
【0042】
好ましくは、キャッパは、複数の接続アームを介してL字形フレームの長い側板に接続され、キャッパは、長い側板と平行に延び、接続アームは、キャッパを長い側板に対して横方向に移動させる。
【0043】
好ましくは、キャッパは、長い側板から遠位のキャッピング位置まで横方向に前進可能であり、かつ長い側板の近位の待機位置まで後退可能である。
【0044】
ワイパは、ワイパキャリッジを含み、ワイパキャリッジは、長手方向にかつL字形フレームの長いアームと平行に移動可能である。
【0045】
好ましくは、ワイパキャリッジは、プリントヘッドを拭くための拭き取り材料のウェブを含む。
【0046】
好ましくは、ワイパキャリッジは、長い側板のガイドレールに摺動可能に受け入れられた少なくとも1つのオーバーヘッドアームを介してL字形フレームの長い側板に接続される。
【0047】
好ましくは、オーバーヘッドアームは、プリントヘッドを拭く間、キャッパの上に橋を架ける。
【0048】
第3の態様において、供給モジュールと係合されるプリントヘッドカートリッジを含むプリントモジュールであって、供給モジュールは、
プリントヘッドカートリッジのプリントヘッドに電力およびデータを供給するための電子回路を収容する本体と、
本体にその対向する側で隣接するインク入口モジュールおよびインク出口モジュールであって、インク入口モジュールおよびインク出口モジュールのそれぞれは、プリントヘッドカートリッジの相補的な入口および出口カップリングと係合されるそれぞれのインクカップリングを有する、インク入口モジュールおよびインク出口モジュールと
を含む、プリントモジュールが提供される。
【0049】
第3の態様によるプリントモジュールは、プリントヘッドカートリッジの容易な取り外しおよび交換を有利に可能にする。
【0050】
好ましくは、インク入口モジュールおよびインク出口モジュールは、供給モジュールおよびプリントヘッドカートリッジを結合および分離するために、プリントヘッドカートリッジの方へかつプリントヘッドカートリッジから離れる方に本体に対して摺動可能に移動可能である。
【0051】
好ましくは、供給モジュールは、インク入口モジュールおよびインク出口モジュールの摺動移動方向に対して垂直に延びる1つまたは複数の位置決めピンを含み、各位置決めピンは、プリントヘッドカートリッジのそれぞれの位置合わせ開口に受け入れ可能である。
【0052】
好ましくは、位置決めピンは、クランププレートから延び、クランププレートは、電力およびデータをプリントヘッドに供給するための電気接点の長手方向の列を含む。
【0053】
好ましくは、供給モジュールは、プリントヘッドカートリッジをクランププレートに対してクランプするための可動クランプ(例えば、ヒンジ式クランプ)をさらに含む。
【0054】
好ましくは、クランプは、クランプを位置決めピンに解放可能に固定するための固定具を含み、かつそれによりプリントヘッドカートリッジを供給モジュールに固定する。
【0055】
好ましくは、インク入口モジュールは、インク貯蔵器からインクを受け取る入口ポートを有し、およびインク出口モジュールは、インク貯蔵器にインクを戻すための出口ポートを有する。
【0056】
好ましくは、インク入口モジュールおよびインク出口モジュールは、プリントヘッドカートリッジ内のインク圧力を制御するための制御弁、インク圧力センサ、インク圧力センサからのフィードバックを受信し、かつ制御弁を制御するためのコントローラ、空気入口、空気入口に接続された空気弁、停止弁、流れ制限器、およびインクの圧力変動を緩和するための順応性部品からなる群から独立して選択される1つまたは複数の構成要素を収容する。
【0057】
好ましくは、電子回路は、
プリントヘッドカートリッジによって支持されたプリントヘッドにプリントデータを供給するためのマイクロプロセッサ、および
プリントヘッドカートリッジによって支持されたプリントヘッドに電力を供給するための駆動トランジスタ
の少なくとも1つを有する1つまたは複数のプリント回路基板を含む。
【0058】
好ましくは、供給モジュールは、プリントヘッドカートリッジ上の相補的な電気接点と電気的に接続するための電気接点を含む。
【0059】
関連する態様において、上記のような複数のプリントモジュールを含み、各プリントモジュールは、共通のインク貯蔵器に接続される、モジュール式プリンタが提供される。
【0060】
関連する態様において、交換可能なプリントヘッドカートリッジのための供給モジュールであって、
プリントヘッドカートリッジのプリントヘッドに電力およびデータを供給するための電子回路を収容する本体と、
本体にその対向する側で隣接するインク入口モジュールおよびインク出口モジュールであって、インク入口モジュールおよびインク出口モジュールのそれぞれは、プリントヘッドカートリッジの相補的な入口および出口カップリングと係合されるそれぞれのインクカップリングを有する、インク入口モジュールおよびインク出口モジュールと
を含む供給モジュールが提供される。
【0061】
プリントモジュールの好ましい態様は、当然のことながら、適切な場合、供給モジュールにも等しく適用可能である。
【0062】
関連する態様において、プリントヘッドカートリッジを供給モジュールに結合する方法であって、供給モジュールは、電力およびデータ信号をプリントヘッドカートリッジに供給するための電子回路を収容する本体と、本体の両側に隣接するインク入口モジュールおよびインク出口モジュールであって、インク入口モジュールおよびインク出口モジュールのそれぞれは、それぞれのインクカップリングを有する、インク入口モジュールおよびインク出口モジュールとを含み、方法は、
供給モジュールのインク入口カップリングおよびインク出口カップリングをプリントヘッドカートリッジの各端部の相補的な入口および出口カップリングと整列させるために、プリントヘッドカートリッジを供給モジュールに対して位置決めするステップと、
インク入口モジュールのインクカップリングをプリントヘッドカートリッジの相補的な入口カップリングと係合させるために、インク入口モジュールを本体に対して摺動させるステップと、
インク出口モジュールのインクカップリングをプリントヘッドカートリッジの相補的な出口カップリングと係合させるために、インク出口モジュールを本体に対して摺動させるステップと
を含む、方法が提供される。
【0063】
好ましくは、位置決めステップは、プリントヘッドカートリッジを供給モジュールに向かって移動させることであって、それにより、プリントヘッドカートリッジ内の位置合わせ開口は、供給モジュールから延びる位置決めピンを摺動可能に受け入れる、移動させることを含み、位置決めピンは、インク入口モジュールおよびインク出口モジュールの摺動方向に垂直な方向に延びる。
【0064】
好ましくは、この方法は、クランプをプリントヘッドカートリッジに対して移動させ、かつプリントヘッドカートリッジをクランププレートに対してクランプするステップをさらに含み、位置決めピンは、クランププレートから延びる。
【0065】
好ましくは、この方法は、位置合わせピンに対してクランプを固定して、プリントヘッドカートリッジを整列された位置に固定するステップをさらに含む。
【0066】
第4の態様において、プリントモジュールであって、
第1および第2の対向するプリント回路基板(PCB)を収容する本体であって、第1および第2のPCBのそれぞれは、発熱する電子部品を有する、本体と、
本体の上部に向かって配置された空気入口および空気出口と、
空気入口と空気出口との間に延びる空気通路と、
複数のヒートシンクであって、各ヒートシンクは、発熱部品の1つと熱的に結合され、かつ空気経路に延びる冷却フィンのアレイを有する、複数のヒートシンクと、
第1および第2のPCBの少なくとも1つから電力および印刷データを受け取るインクジェットプリントヘッドと
を含み、
インクジェットプリントヘッドは、プリントモジュールの下部の方に配置される、プリントモジュールが提供される。
【0067】
第4の態様によるプリントモジュールは、プリントヘッドから比較的遠い空気入口を介した比較的清浄な冷気から冷却を受けるPCBのコンパクトな構成を有利に提供する。
【0068】
好ましくは、インク滴の吐出方向は、空気出口を通る空気流の方向と反対である。
【0069】
好ましくは、発熱電子部品は、第1および第2のPCBの対向する表面に取り付けられる。
【0070】
好ましくは、各ヒートシンクは、発熱電子部品の1つと熱的に接触する基部を含み、各ヒートシンクの冷却フィンのアレイは、基部から空気経路に延びる。
【0071】
好ましくは、第1のヒートシンクは、第1のPCBの第1の発熱電子部品と熱的に接触する第1の基部と、第1の基部から空気経路に延びる第1の冷却フィンとを含み、および第2のヒートシンクは、第2のPCBの第2の発熱電子部品と熱的に接触する第2の基部と、第2の基部から空気経路に延びる第2の冷却フィンとを含み、
第1および第2の冷却フィンは、そのそれぞれの第1および第2のヒートシンク基部から対向する方向に延びる。
【0072】
好ましくは、空気経路は、空気入口と空気出口との間に延びる空気ダクトによって画定される。
【0073】
好ましくは、空気ダクトは、第1および第2のPCBから空気経路を隔離する。
【0074】
好ましくは、空気ダクトは、それぞれ第1および第2の冷却フィンのアレイを冷却するために、空気入口を通る空気流を第1および第2の空気流に分割するための狭窄部を含む。
【0075】
好ましくは、空気ダクトは、その各側面に画定された少なくとも1つの開口を有し、各ヒートシンクは、相補的なそれぞれの開口に少なくとも部分的に受け入れられる。
【0076】
好ましくは、プリントモジュールは、空気経路を通る空気流を生成するためのファンをさらに含む。
【0077】
好ましくは、ファンは、空気入口または空気出口に配置される。
【0078】
好ましくは、第1のPCBは、インクジェットプリントヘッドに電力を供給する1つまたは複数の駆動トランジスタを含むパワーPCBである。
【0079】
好ましくは、第2のPCBは、印刷データをインクジェットプリントヘッドに供給する1つまたはマイクロプロセッサを含む論理PCBである。
【0080】
好ましくは、第1および第2のPCBは、1つまたは複数の電気コネクタを介して接続される。
【0081】
好ましくは、プリントモジュールは、交換可能なプリントヘッドカートリッジと係合される供給モジュールを含み、供給モジュールは、本体と、インクジェットプリントヘッドを含むプリントヘッドカートリッジとを含む。
【0082】
第5の態様において、プリントヘッドキャッピングシステムであって、
固定プレートと、
固定プレートに沿って摺動可能な第1および第2のスライダと、
取り付けブラケットであって、それに取り付けられたキャッパを有する取り付けブラケットと、
取り付けブラケットとそれぞれの第1および第2のスライダとを相互接続する第1および第2のアームと
を含み、
第1および第2のスライダの互いに向かう移動は、キャッパが固定プレートから横方向に移動することを引き起こし、かつ第1および第2のスライダの互いから離れる移動は、キャッパが固定プレートに向かって横方向に移動することを引き起こす、プリントヘッドキャッピングシステムが提供される。
【0083】
第5の態様によるキャッピングシステムは、固定プレートに対してキャッパの平行な向きを維持するキャッパの安定した移動を提供する。
【0084】
好ましくは、第1のアームは、第1のスライダにヒンジ接続された近位端と、取り付けブラケットにヒンジ接続された対向する遠位端とを有し、第2のアームは、第2のスライダにヒンジ接続された近位端と、取り付けブラケットにヒンジ接続された対向する遠位端とを有する。
【0085】
好ましくは、第1および第2のアームのそれぞれの遠位端は、噛み合い歯車を介して相互に係合される。
【0086】
好ましくは、第1および第2のスライダは、それぞれ固定プレートに取り付けられたガイドロッドに摺動可能に取り付けられる。
【0087】
好ましくは、キャッピングシステムは、固定プレートに回転可能に取り付けられたプーリの対間に張架されたエンドレスベルトをさらに含み、第1のスライダは、ベルトの上部に係合し、および第2のスライダは、ベルトの下部に係合し、それにより、ベルトの運動は、第1および第2のスライダが反対方向に移動することを引き起こす。
【0088】
好ましくは、プーリの1つは、双方向駆動モータに動作可能に接続された駆動プーリである。
【0089】
好ましくは、キャッパは、取り付けブラケットに取り外し可能に取り付けられる。
【0090】
好ましくは、取り付けブラケットは、それぞれの第1および第2のアームとヒンジ接続するための第1および第2のシャフトを含む。
【0091】
好ましくは、第1および第2のアームは、第1および第2の軸の周りに回転可能に取り付けられた噛み合う第1および第2の歯車を介して相互に係合され、第1および第2の歯車は、そのそれぞれの第1および第2のアームに対して固定式に配置される。
【0092】
好ましくは、シャフトの少なくとも1つは、排出シャフトであり、排出シャフトは、キャッパから排出された流体を受け入れるための中空のコアを有する。
【0093】
好ましくは、キャッパは、排出シャフトに流体接続された排出ポートを有する支持基部を含む。
【0094】
好ましくは、可撓性チューブは、キャッパから流体を運び出すために排出シャフトに接続される。
【0095】
第6の態様において、プリントヘッドキャッピングシステムであって、
固定シャフトを含む取り付けブラケットと、
取り付けブラケットに取り付けられたキャップアセンブリと、
シャフトにヒンジ接続されたアームであって、キャップアセンブリをキャッピング位置と印刷位置との間で移動させるアームと
を含み、
シャフトは、キャップアセンブリから排出された流体を受け入れるための排出シャフトである、プリントヘッドキャッピングシステムが提供される。
【0096】
第6の態様の好ましい態様は、第5の態様に関して参照される。
【0097】
第7の態様において、プリントヘッドメンテナンスシステムであって、
メンテナンスモジュールを有するメンテナンスシャーシであって、メンテナンスモジュールは、横方向に移動可能なキャッパを含む、メンテナンスシャーシと、
メンテナンスシャーシに移動可能に取り付けられたプリントバーシャーシであって、プリントヘッドと、キャッパのためのカバーとを有するプリントモジュールと、
メンテナンスシャーシに対してプリントバーシャーシをキャッピング位置と印刷位置との間で昇降させるためのリフト機構と、
キャッピング位置と印刷位置との間でキャッパを横方向に前進および後退させるための後退機構と
を含み、
プリントヘッドは、キャッピング位置においてキャッパと係合され、および
カバーは、印刷位置においてキャッパと係合される、プリントヘッドメンテナンスシステムが提供される。
【0098】
好ましくは、メンテナンスモジュールは、固定プレートを含み、キャッパは、1つまたは複数のアームを介してプレートに接続され、キャッパは、アームの移動によってプレートに対して横方向に移動可能である。
【0099】
好ましくは、カバーは、プリントバーシャーシ上のプリントヘッドよりも相対的に高い位置に配置される。
【0100】
好ましくは、プリントバーシャーシは、メンテナンス位置においてメンテナンスシャーシに対して持ち上げられる。
【0101】
好ましくは、カバーは、プリントヘッドと平行である。
【0102】
好ましくは、キャッパは、キャッピング位置において固定プレートに対して前進され、かつ印刷位置において固定プレートに対して後退される。
【0103】
好ましくは、キャッパは、周囲シールを含み、およびカバーは、周囲シールとシール係合するのに十分な長さを有する。
【0104】
好ましくは、カバーは、周囲シールとシール係合するためのシールプレートを含む。
【0105】
好ましくは、カバーは、プリントバーシャーシの一部に固定式に取り付けられる。
【0106】
第8の態様において、媒体送り経路上に取り付け、かつ媒体に印刷するためのページワイド印刷ユニットであって、
プリントヘッドを有するプリントモジュールと、
キャッパおよびワイパを支持する固定フレームを有するメンテナンスモジュールであって、固定フレームに対して移動可能なメンテナンスモジュールと、
固定フレームに対してプリントモジュールをメンテナンス位置と印刷位置との間で昇降させるためのリフト機構と
を含み、
固定フレームは、メンテナンス位置および印刷位置の両方において同じ固定位置にあり、キャッパとワイパは、それぞれ固定フレームに対して独立して移動可能である、印刷ユニットが提供される。
【0107】
第9の態様において、モジュール式プリンタであって、
媒体送り経路を画定する媒体支持体と、
媒体送り経路の媒体送り方向に沿って離間された複数のページワイド印刷ユニットと
を含み、各印刷ユニットは、
媒体送り経路上に固定式に配置されたメンテナンスシャーシと、
メンテナンスシャーシ上に着座されるプリントバーシャーシであって、媒体送り経路の幅にわたって延びる1つまたは複数のプリントモジュールを支持し、各プリントモジュールは、それぞれのプリントヘッドを有する、プリントバーシャーシと、
メンテナンスシャーシに対してプリントバーシャーシを昇降させるためのリフト機構と
を含み、
各プリントバーシャーシは、プリントバーシャーシがメンテナンスシャーシに着座される印刷位置から、プリントバーシャーシがメンテナンスシャーシから離されるメンテナンス位置まで独立して持ち上げ可能であり、
印刷位置およびメンテナンス位置の両方における各印刷ユニットの占有面積は、メンテナンスシャーシの外周によって画定される、モジュール式プリンタが提供される。
【0108】
本明細書で使用される場合、「インク」という用語は、インクジェットプリントヘッドから印刷され得る何れかの印刷流体を意味すると解釈される。インクは、着色剤を含んでいてもいなくてもよい。従って、「インク」という用語は、従来の染料ベースまたは顔料ベースのインク、赤外線インク、定着剤(例えば、プレコート剤および仕上げ剤)、3D印刷流体などを含むことができる。
【0109】
本明細書で使用される場合、「取り付けられた」という用語は、直接取り付けおよび介在部品を介した間接取り付けの両方を含む。
【発明を実施するための形態】
【0112】
モジュール式印刷システム
図1を参照すると、本発明によるプリンタ10が示されている。プリンタ10は、デジタルインクジェット印刷機などのウェブベースの印刷システムとして使用するように構成されている。プリンタは、印刷媒体のウェブ16のための円弧状の媒体送り経路を画定する一連のローラ14を含む媒体支持構造12を含む。ウェブ16は、当該技術分野で知られているようなウェブ送り機構(図示せず)を使用して入力ローラから供給され、出力ローラに巻かれ得る。
【0113】
プリンタ10は、媒体送り経路に沿って整列された4つのページワイド印刷ユニット15を含む。各印刷ユニット15は、媒体送り経路の全幅にわたって広がり、1回のパスで印刷媒体のウェブ16上に印刷するように構成されている。典型的には、各印刷ユニット15は、単色のインクを印刷するように構成されている。
図1に示す構成では、各印刷ユニット15は、フルカラー印刷のためにシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックのインクの1つを印刷する。しかしながら、1つまたは複数の印刷ユニット15の他の構成が本発明の範囲にあることが理解されるであろう。例えば、スポットカラー(例えば、オレンジ)または固定剤を印刷するために追加の印刷ユニット15を使用することができ、またはモノクロ印刷のためにより少ない印刷ユニットを使用することができる。
【0114】
各印刷ユニット15は、媒体送り経路上に固定配置されたメンテナンスシャーシ100と、メンテナンスシャーシに着座したプリントバーシャーシ200とを含む。各印刷ユニット15は、高速印刷中に生成されたインクミストおよび他の微粒子を収集するために、プリントバーシャーシ200の下流に配置されたエアロゾルコレクタ18をさらに含むことができる。あるいは、エアロゾルコレクタ18は、印刷ユニット15とは別個にプリンタ10に設置され得る。各エアロゾルコレクタ18は、異なる長さのエアロゾルコレクタを容易に製造できるようにモジュール式であり得る。例えば、エアロゾルコレクタ18は、細長い真空管18Aと、真空管に挿入された複数のモジュールノズルユニット18Bとを含むことができる(
図6を参照されたい)。
【0115】
ここで、
図2を参照すると、各プリントバーシャーシ200は、そのそれぞれのメンテナンスシャーシ100から独立して持ち上げ可能である。
図2では、1つのプリントバーシャーシ200のみが持ち上げられているが、2つ以上または全てのプリントバーシャーシ200を、プリントヘッドのメンテナンスを行うために持ち上げることができる。プリントバーシャーシ200がメンテナンスシャーシ100に着座した状態で、印刷ユニット15は、印刷位置においてウェブ16に印刷するように構成され、プリントバーシャーシ200がメンテナンスシャーシ100から分離された状態で、印刷ユニット15は、移行位置またはメンテナンス位置においてプリントヘッドのメンテナンス作業(例えば、ワイピングまたはキャッピング)を行うように構成されている。一般に、プリントバーシャーシ200は、印刷位置からメンテナンス位置に移行するとき、その最も高い移行位置に持ち上げられかつその逆であり得る。
【0116】
媒体送り経路は、概して円弧状であり、各メンテナンスシャーシ100は、媒体支持体12に対して固定されているため、各プリントバーシャーシ200は、そのそれぞれのメンテナンスシャーシから持ち上げられると、円弧状媒体送り経路から半径方向外方へ移動する。
【0117】
図3および4は、それぞれ印刷位置およびメンテナンス位置にある個別の印刷ユニット15を示す。エアロゾルコレクタ18は、明確にするために
図4では取り外されている。
【0118】
プリントバーシャーシ200は、長手方向プリントバーシャーシ側壁203の対を介して接続されたプリントバーシャーシ端壁201の対を含み、これらは、一緒になって、様々なプリントバー部品を取り付けるための剛性シャーシを形成する。同様に、メンテナンスシャーシ100は、長手方向のメンテナンスシャーシ側壁103の対を介して接続されたメンテナンスシャーシ端壁101の対を含み、これらは、一緒になって、様々なメンテナンス部品を取り付けるための剛性シャーシを形成する。メンテナンスシャーシ100は、一般に、プリントバーシャーシ200よりも幅がある。
【0119】
図4に最もよく示されるように、電気ケーブル(図示せず)および流体管(図示せず)の束を支持するために、プリントバーシャーシ200の一方の側壁にケーブルトレイ219が取り付けられる。
【0120】
プリントバーシャーシ200は、印刷ユニット15の各端部に1つずつ配置されたリフト機構202の対によって持ち上げ可能である。各リフト機構202は、プリントバーシャーシ200のそれぞれの端壁201に取り付けられたリフトハウジング204と、リフトハウジングから前進および後退可能なリフトロッド206の対とを含む。リフトロッド206は、メンテナンスシャーシ100の各端壁101から延びる固定された反作用プレート208と係合される。
図3および4から、リフトハウジング204からのリフトロッド206の前進により、プリントバーシャーシ200は、メンテナンスシャーシ100からメンテナンス位置に持ち上げられ、リフトロッド206のリフトハウジング204への後退により、プリントバーシャーシ200は、メンテナンスシャーシ100上に降ろされる。リフトロッド204の前進および後退のために、任意の適切な機構、例えばラックアンドピニオン機構、空気圧機構等を採用することができる。
【0121】
図4および5を参照すると、メンテナンスシャーシ100およびプリントバーシャーシ200は、それぞれ相補的な上面および下面を有し、それらは、プリントバーシャーシを
図3に示す印刷位置でメンテナンスシャーシに着座させることができる。具体的にはかつここで
図5を参照すると、プリントバーシャーシ200の各端壁201から下方に突出している舌部210は、プリントバーシャーシが印刷位置へ降ろされると、メンテナンスシャーシ100の端部端壁101に画定された相補的な凹部110に係合するように構成される。凹部110は、当接面112を有する。当接面112は、舌部210が当接面と係合したときにプリントバーシャーシ200のための基準を画定する。従って、媒体支持体12に対して固定されたメンテナンスシャーシ100は、印刷位置においてペン−紙間隔(PPS)を制御するためにプリントバーシャーシのための基準を提供する。他の基準設定構成も本発明の範囲内にあることが認識されるであろう。例えば、プリントバーシャーシ200は、媒体支持体12の固定部分に対して基準設定され得る。
【0122】
図3および6に最もよく示されているように、プリントバーシャーシ200は、媒体送り経路の全幅にわたって延びるように千鳥形オーバーラップ構成で配置されたプリントモジュール215のモジュールアレイを支持する。図示の実施形態では、プリントバーシャーシ200は、3つのプリントモジュール215A、215Bおよび215Cを支持するが、プリントバーシャーシは、印刷される媒体の幅に応じて任意の数のプリントモジュール215を有することができる。各プリントモジュール215は、印刷媒体に印刷するためのそれぞれのインクジェットプリントヘッド216を含み、各プリントヘッド216は、当該技術分野で知られているような複数のプリントヘッドチップから構成することができる。
【0123】
プリントモジュール215は、印刷位置においてメンテナンスシャーシ100によって画定される内部空洞217を通って延びるようにプリントバーシャーシ200に取り付けられる。従って、印刷位置では、各プリントヘッド216は、印刷媒体から適切な間隔をおいて配置され、メンテナンスシャーシ100の下面より幾分下方に突出する。
【0124】
図8を参照すると、各プリントモジュール215は、プリントバーシャーシ200に固定して取り付けられたそれぞれのスリーブ218に摺動可能に受け入れられている。各スリーブ218は、各プリントモジュール215をプリントバーシャーシ200に着脱可能に取り付けるための手段を提供する。従って、プリントモジュール215は、プリントヘッドカートリッジ252の交換またはプリントモジュール全体の交換のためにユーザによって容易に取り外すことができる。プリントバーシャーシ200にわたって延びる共通の基準プレート(図示せず)は、各プリントモジュールがそのそれぞれのスリーブ218にロックされるとき、各プリントモジュール215がプリントバーシャーシに対して既知の固定位置を有することを保証する。同様に、各プリントモジュール216は、スリーブ218の固定された基準(図示せず)と係合する。
【0125】
メンテナンスモジュール
図6および7に戻ると、メンテナンスシャーシ100は、第1、第2および第3のメンテナンスモジュール115A、115Bおよび115C(集合的に「メンテナンスモジュール115」)を支持し、そのそれぞれは、第1、第2および第3のプリントモジュール215A、215Bおよび215C(集合的に「プリントモジュール215」)のそれぞれに割り当てられる。メンテナンスモジュール115は、メンテナンスシャーシ100に固定して取り付けられており、それぞれプリントモジュール215が印刷位置とメンテナンス位置との間で前進および後退できる空間または開口を画定する。図示の実施形態では、各メンテナンスモジュール115は、そのそれぞれのプリントモジュール215の2つの側を包むように配置された概してL字形のフレーム120を有する。L字形フレーム120は、プリントモジュール215の長さ寸法と平行に延びる長い脚部117と、プリントモジュールの幅寸法と平行に延びる短い脚部119とを有する。
【0126】
各メンテナンスモジュール115のL字形フレーム120は、2つの平行な列に配置された千鳥形オーバーラッププリントモジュール215のためのメンテナンスモジュールのコンパクトな配置を可能にする。
図6に示すように、第3のメンテナンスモジュール115Cの短い脚部119は、同じ列に整列された隣接する第1および第3のプリントモジュール215Aおよび215C間に挿入される。より幅広いプリントバーが同じ列内に3つ以上のプリントモジュール215を有する状態で、1つの列内のプリントモジュールの各隣接対は、メンテナンスモジュールの短い脚部119をそれらの間に配置させることが理解されるであろう。
【0127】
なおも
図6を参照すると、第2のメンテナンスモジュール115Bは、オフセットされた第2のプリントモジュール215Bに対して反転され(180度回転され)、すなわち、第2のメンテナンスモジュール115Bの長い脚部119は、第1および第3のメンテナンスモジュール115Aおよび115Cの長い脚部から比較的遠位にあることが分かる。これにより、第2のプリントモジュール215Bは、媒体送り方向に関して第1および第3のプリントモジュール215Aおよび215Cに近接して配置されることが可能になる。従って、媒体送り方向における印刷ゾーンの幅が最小限に抑えられ、これは、良好な印刷品質を維持するのに最適である。メンテナンスモジュール115およびプリントモジュール215のコンパクトなパッキング構成により、各印刷ユニット15のための柔軟な設計アプローチが可能となり、それにより、多数のプリントモジュール215を広い媒体幅にわたって千鳥状に配置することができる一方、印刷ユニット内の各プリントヘッド216の効果的なメンテナンスがなおも可能である。このように、各印刷ユニット15は、真にモジュール式であり、その設計は、任意の印刷幅に容易に拡張可能である。
【0128】
図9および10を参照すると、個別のメンテナンスモジュール115が斜視図で示されている。メンテナンスモジュール115のL字形フレーム120は、基板118Aを含み、短い側板118Bと長い側板118Cとがそれから上方に延びる。短い脚部119は、短い側板118Bと、基板118Aの対応する部分とを含む。長い脚部117は、長い側板118Cと、基板118Aの対応する部分とを含む。L字形フレーム120は、それぞれのプリントヘッド216を拭くためのワイパ122と、プリントヘッドに蓋をするためのキャッパ130とを収容する。
【0129】
図9に示すように、ワイパ122は、その基準位置または待機位置にあり、それにより、ワイパは、L字形フレーム120の短い脚部119内に配置される。
図10に示すように、キャッパ130は、その基準位置または待機位置にあり、それによりL字形フレーム120の長い脚部117内に配置される。
【0130】
ワイパ122は、キャリッジ124に取り付けられた拭き取り材料123(
図11に示す)を有するタイプのものであり、キャリッジ124は、プリントモジュール215の長さに沿って長手方向に移動し、プリントヘッド216を拭く。キャリッジ124は、1つまたは複数のオーバーヘッドアーム125に支持され、オーバーヘッドアーム125は、長い側板118Cに固定されかつフレーム120の長いアーム119に沿って延びるガイドレール126に摺動可能に係合される。
図10において、キャリッジ124は、その基準位置から移動し、長手方向拭き作業中である。キャリッジ124の拭き動作中、オーバーヘッドアーム125は、その待機位置にあるキャッパ130の上に橋を架けることが分かる。キャリッジ124は、双方向キャリッジモータ128およびベルト駆動機構129によって駆動される第1のエンドレスベルト127によって移動される。拭き取り材料のウェブを担持するキャリッジを有するタイプのプリントヘッドワイパは、例えば、米国特許第4,928,120号明細書に記載されている。
【0131】
キャッパ130は、従来型の周囲キャッパを含み、それは、ヒンジアーム132の対を介してL字形フレーム120の長い側板118Cに取り付けられ、ヒンジアーム132の対は、適切な後退機構を用いてプリントヘッド216によって占有される空間へキャッパを横方向に前進および後退させる。キャッパ130は、
図9において、そのキャッピング位置に示され、ここで、両方のアーム132が前進されている。
【0132】
キャッピング作業のために、プリントバーシャーシ200は、メンテナンスシャーシ100から離され、印刷位置から移行位置まで持ち上げられ、各キャッパ130は、前進され、プリントバーシャーシ200は、その後、各プリントヘッド216がそのそれぞれのキャッパの周囲シールキャップ176によって蓋をされるようにゆっくり降ろされる。逆のプロセスは、印刷ユニット15を印刷位置に戻すように構成する。
【0133】
同様に、拭き取り作業のために、プリントバーシャーシ200は、メンテナンスシャーシ100から離され、印刷位置から移行位置まで持ち上げられ、その後、各プリントヘッド216は、そのそれぞれのワイパ122と係合されるようにゆっくり降ろされる。典型的に、拭き取り材料123は、弾性的に取り付けられるため、プリントバーシャーシ200が降ろされたときに広い公差を許容する。ワイパ122がプリントヘッド216と係合した状態で、キャリッジ124は、プリントヘッドのノズル面からインクおよび/または屑を拭き取るためにプリントヘッドに沿って長手方向に移動される。
図7は、メンテナンス位置においてそのそれぞれのワイパによって拭かれる1つのプリントヘッド216を示す。
【0134】
図6および7に示すメンテナンスモジュール115の構成では、反転された第2のメンテナンスモジュール115Bのキャリッジ124は、第1および第2のメンテナンスモジュール115Aおよび115Cのキャリッジに対して対向する長手方向の拭き方向に移動することが理解されるであろう。全てのメンテナンスモジュール115が同一であることが製造上の観点から好都合であるため、およびプリントヘッド216は、典型的に、そのプリントモジュール215に対して非対称に配置されているため、拭き取り材料123の異なる領域(またはストリップ)は、拭き取り方向に応じて異なるメンテナンスモジュールで使用され得る。実際には、拭き取り材料123は、プリントヘッド216を両方の方向で拭くことができるほど十分に幅広い。
【0135】
図11および12は、後退機構がキャッパ130を前進および後退させるためにはさみ機構140の形態を取るメンテナンスモジュール115の代替の実施形態を示す。関連する場合、メンテナンスモジュール115の各実施形態において、同様の特徴を示すために同様の参照番号が使用される。
【0136】
はさみ機構140は、プリントヘッド216に対してキャッパの平行な向きを維持しながら、L字形フレーム120の長い側板118Cから離れたり近づいたりするキャッパ130の安定した横方向の移動を達成する。
図11では、キャッパ130は、その前進(キャッピング)位置にあり、
図12では、キャッパは、その後退(待機)位置にある。
【0137】
ここで、
図13および14を参照すると、はさみ機構140は、L字形フレーム120の長い側板118Cに固定して取り付けられたガイドロッド144に摺動可能に取り付けられた第1および第2のスライダ142Aおよび142Bを含む。第1および第2のスライダ142Aおよび142Bは、ガイドロッド144の長手方向軸に沿って反対方向に摺動可能に移動可能である。従って、スライダ142Aおよび142Bは、互いに向かってまたは互いに離れる方向に移動する。
【0138】
スライダ142Aおよび142Bの移動は、長い側板118Cに沿ってループ状に延びる第2のエンドレスベルト145によって制御される。第2のエンドレスベルト145は、長い側板118Cに回転可能に取り付けられ、かつ長い側板の長手軸に垂直な回転軸を有するプーリ147の対(駆動プーリ147Aおよびアイドラプーリ147B)間に張架される。第1のスライダ142Aは、上側ベルト部分145Aと係合し、第2のスライダ142Bは、第2のエンドレスベルト145の下側ベルト部145Bと係合している。第2のエンドレスベルト145は、駆動プーリ147Aに動作可能に接続された双方向キャッパ駆動モータ148によって駆動され、駆動プーリ147Aは、第2のエンドレスベルト145を時計回りまたは反時計回りに回転させる。
【0139】
第1のスライダ142Aは、第1のアーム146Aの近位端にヒンジ接続され、第1のアームの対向する遠位端は、取り付けブラケット150にヒンジ接続される。同様に、第2のスライダ142Bは、第2のアーム146Bの近位端にヒンジ接続され、第2のアームの対向する遠位端は、取り付けブラケット150にヒンジ接続される。各アーム146は、そのそれぞれのスライダ142の近くにエルボー部分を有するように曲げられる。
図13および14に示す実施形態では、取り付けブラケット150は、上側取り付け部150Bに固定された下側ブラケット部150Aを有する2部品ブラケットである。
【0140】
取り付けブラケット148、第1および第2のアーム146Aおよび146B、ならびに第1および第2のスライダ142Aおよび142Bは、キャッパ130を横方向に側板118Cに近づけたり離したりするためのはさみ機構140を一緒に形成する。この実施形態では、エンドレスベルト145の時計回りの回転は、スライダ142を互いに向かって移動させ、従ってキャッパ130を長い側板118Cからキャッピング位置に横方向に前進させる。エンドレスベルト145の反時計回りの回転は、スライダ142を互いに離れるように移動させ、従ってキャッパ130を印刷のために長い側板118Cに向かって待機位置に横方向に後退させる。
【0141】
アーム146の対称的な移動と、その結果としての長い側板118Cに対するキャッパ130の並行移動とは、第1および第2のアーム146Aおよび146Bの遠位端と係合する歯車装置によって保証される。ここで、
図15および16を参照すると、第1および第2のアーム146Aおよび146Bの遠位端は、それぞれ取り付けブラケット150に固定されたそれぞれの第1および第2のシャフト149Aおよび149Bを受け入れるように軸支されている。従って、アーム146Aおよび146Bの遠位端は、第1および第2のシャフト149Aおよび149Bを介して取り付けブラケット150にヒンジ接続されている。第1の歯車152Aは、第1の歯車と係合する第1のアームの第1の噛み合い突起154Aにより、第1のアーム146Aに対して固定された向きで第1のシャフト149Aの周りに回転可能に取り付けられる。同様に、第2の歯車152Bは、第2の歯車と係合した第2のアームの第2の噛み合い突起154Bにより、第2のアーム146Bに対して固定された向きで第1のシャフト149Bの周りに取り付けられる。第1および第2の歯車152Aおよび152Bは、第1および第2のアーム146Aおよび146Bの移動を鏡面対称的な移動に制限するように互いに噛み合っている。従って、はさみ機構140は、国際公開第2011/143699号パンフレットに記載されているスレッド構成など、嵩張るスレッド構成等を必要とすることなく、プリントヘッド216との位置合わせのためにキャッパ130の高度に制御された前進および後退を提供する。
【0142】
図17〜19を参照すると、キャップアセンブリ170は、剛性基部172に弾性的に取り付けられたキャップ支持体174を含む。キャッパ130は、キャップ支持体174と、プリントヘッド216とシール係合するための適合性材料(例えば、ゴム)から構成された周囲シールキャップ176とを含む。位置合わせ/基準特徴部177は、それぞれのプリントモジュール215が入れ子状にされているスリーブ218の下面の相補的な基準特徴部(図示せず)と係合するために、キャップ支持体174の各端部から上向きに延びる。
【0143】
キャッパ130は、プリントヘッドに蓋をしたときにプリントヘッド216のために湿潤環境を維持する。ある長さの吸収材料178が周囲シールキャップ176の境界内に長手方向に配置される。吸収材料178は、プリントヘッド216から溢れ出たインクを受け取り得、および/またはキャッピング中にプリントヘッドノズルから吐き出されたインクを受け取るつぼとしての役割を果たし得る。
【0144】
キャップアセンブリ170は、メンテナンスモジュール115のユーザ交換可能な構成要素として設計され、剛性基部172は、取り付けブラケット150への取り外し可能な取り付けのために構成される。
図14および18を参照すると、基部172および上側取り付け部150Bは、キャップアセンブリ170を取り付けブラケット150と位置合わせし、スナップロック係合するための特徴部を含む。特に、スナップロックラグ180の対が基部172から下方に突出して、上側取り付け部150Bの相補的スナップロック固定具182と係合する。さらに、上側取り付け部150Bの位置合わせピン184は、基部172の相補的位置合わせ開口185と係合するように構成される。位置合わせピン184および/または相補的位置合わせ開口185は、キャップアセンブリ170が各メンテナンスモジュール115に対して正しい向きで取り付けられることを保証するために重要となり得る。
【0145】
キャップ支持体174は、基部およびキャップ支持体からそれぞれ上方および下方に突出する複数の相補的な摺動可能に係合された脚部により、基部172に向かってかつ基部172から離れるように移動可能である。
図19の実施形態では、キャップ支持体174の下向きに突出する各脚部186は、基部172の上方に突出する各脚部187のピン(図示せず)と摺動係合するための溝(図示せず)を有する。しかしながら、必要な相対移動を提供するために、基部172とキャップ支持体174との任意の適切な機械的係合を用いることができることが理解されるであろう。キャップ支持体174は、キャップ支持体と基部との間に係合された複数の圧縮ばね188によって基部172から離れるように弾性的に付勢されている。従って、キャップ支持体174は、キャッピング中にプリントヘッドモジュール215が周囲シールキャップ176と係合するように移動するとき、プリントヘッドモジュール215の下向きの力に緩やかに抵抗することができる。このようにして、はさみ機構140、特にアーム146の機械的な歪みは、キャッピング中に最小限に抑えられる。
【0146】
図18に戻り簡単に参照すると、基部172の下面は、吸収材料178と流体連通する排出ポート190を含む。吸収材料178によって受け取られた流体は、重力および/または毛細管作用下で排出することができ、キャップアセンブリ170を介して排出ポート190に向けて流路に流される。キャップアセンブリ170が取り付けブラケット150に嵌め込まれると、排出ポート190は、排出シャフトとして機能する中空の第2のシャフト149Bと整列して流体接続するように構成される。排出ポート190は、非ドリップバルブコネクタを含むことができ、それは、排出ポート190が排出シャフトに接続されているときにのみ流体流を流す。従って、キャップアセンブリ170の交換中のいかなるインク漏れも最小限に抑えることができる。
【0147】
図20は、排出シャフト149Bを通る流体流路を詳細に示す。流体は、排出シャフトの入口端192に着座した拡張型適合コネクタ191を介して排出ポート190から受け取られる。流体は、排出シャフト149Bを通って下方に流れて排出出口193に入り、排出出口193は、押し込み式接続を介して可撓性排出管194に接続される。排出管194は、必要に応じて、吸引下でキャップアセンブリ170から流体を定期的に除去することができる真空源に接続されている。
【0148】
吸収材料178がその毛管現象を維持し、排出ポート190への信頼できる流体流路を維持するために、吸収材料は、常時濡れたままであるべきである。これは、沈殿した乾燥顔料粒子が吸収材料178を閉塞する可能性がある顔料ベースのインクで特に重要である。長時間にわたり中断することなく(すなわちメンテナンス介入なしに)印刷する間、キャッパ130は、大気に長時間さらされる可能性があり、吸収材料178が乾燥し得る。
【0149】
ここで、
図21〜23を参照すると、複数のキャップカバー209がプリントバーシャーシ200の側壁203の下面に固定されている。各キャップカバー209は、それぞれのキャッパ130に対応しており、印刷作業中に周囲シールキャップ176とシール係合するように配置および構成される。従って、キャッパ130が覆われた状態では、プリントヘッドキャッピングに使用されていないときでもキャッパ内に湿潤環境が維持される。従って、吸収材料178は、常に湿ったままであり、必要に応じてキャッパからの流体の効率的な排出を可能にする。
【0150】
キャップカバー209は、任意の適切な剛性材料(例えば、プラスチック、金属等)から構成され得、周囲シールキャップ176とのシール係合のための均一な表面を単に提供する。
【0151】
図3には示されていないが、印刷ユニット15が印刷構成にある場合、各キャッパ130は、後退され、プリントバーシャーシ200のそれぞれのキャップカバー209と係合される。
図22は、そのそれぞれのキャップカバー209と係合されたそれぞれのキャッパ130を示し、ここで、メンテナンスシャーシ100およびプリントモジュールは、分かりやすくするために取り外されている。プリントバーシャーシ200の側壁203は、キャッパがその待機(後退)位置にあるとき、キャップカバー209をキャッパ130と整列させるために適切に配置される。さらに、キャップカバー209は、例えば、
図4および5から容易に理解されるように、プリントヘッド216の高さよりも高い位置に固定されている。従って、プリントバーシャーシ200がその印刷位置に降ろされると、各プリントヘッド216は、印刷のためにそれぞれのメンテナンスモジュール115の下面の下方に突出し、キャップカバー209は、そのそれぞれのキャッパ130に対して同時にシールする。
図23に示すように、印刷ユニット15がそのメンテナンス位置(
図4)にあり、各キャッパ130が横方向にそのキャッピング位置に前進される状態で、キャッパは、もはやキャップカバー209と整列されず、むしろ横方向に前進された各キャッパ130は、そのプリントヘッド216をキャッピングするために、それぞれのプリントモジュール215と整列される。
【0152】
プリントモジュール
次に、プリントモジュール215について、
図24〜31を参照してさらに詳細に記載する。
図24および25を参照すると、プリントモジュール215は、プリントヘッド216を含む交換可能なプリントヘッドカートリッジ252と係合する供給モジュール250を含む。プリントヘッドカートリッジ252は、例えば、本譲受人の共出願された、2016年8月19日に出願された米国仮特許出願第62/377,467号明細書および2016年5月2日に出願された同第62/330,776号明細書に記載されているタイプのものであり得、それらの内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0153】
供給モジュール250は、プリントヘッド216に電力およびデータを供給するための電子回路を収容する本体254を含む。ハンドル255が本体254の上部から延びて、ユーザが取り外すことおよびプリントバーシャーシ200のスリーブ218の1つに挿入することを促す。
【0154】
本体254は、本体の対向する側壁に配置されたインク入口モジュール256およびインク出口モジュール258によって隣接されている。インク入口およびインク出口モジュールのそれぞれは、プリントヘッドカートリッジ252の相補的な入口および出口カップリング261および263に係合されたそれぞれのインクカップリング257および259を有する。プリントヘッドカートリッジ252は、インク送達システム(図示せず)からインク入口モジュール256を介してインクを供給され、インク出口モジュール258を介してインク送達システムにインクを戻して循環させる。
【0155】
インク入口モジュール256およびインク出口モジュール258は、本体254に対してプリントヘッドカートリッジ252に向かう方向およびそれから離れる方向にそれぞれ独立して摺動可能に移動可能である。インク入口モジュールおよびインク出口モジュール256および258の摺動により、プリントヘッドカートリッジ252の供給モジュール250からの流体的な結合および切り離しが可能になる。
図14に示すように、インク入口モジュール256およびインク出口モジュール258の両方が下降されると、プリントヘッドカートリッジ252は、供給モジュール250に流体的に結合される。インク入口モジュールおよびインク出口モジュール256および258のそれぞれは、摺動のためにモジュールのロックを解除するそれぞれの手動で押下可能なボタン265を有する。
図25に示すように、インク入口モジュールおよびインク出口モジュール256および258の両方が持ち上げられると、プリントヘッドカートリッジ252は、供給モジュール250から流体的に切り離される。
【0156】
なおも
図25を参照すると、供給モジュール250は、本体254の下部から延びるクランププレート266を有する。本体254の下部は、プリントヘッドカートリッジが供給モジュール250に結合されるときに、プリントヘッドカートリッジ252の相補的な接点列(図示せず)を介してプリントヘッド216に電力およびデータを供給するための電気接点列267をさらに有する。
【0157】
位置決めピン268の対は、クランププレート266から、インク入口モジュール256およびインク出口モジュール258の摺動移動方向に対して垂直に延びる。プリントヘッドカートリッジ252を取り付けるために、各位置決めピン268は、プリントヘッドカートリッジ252に画定された相補的な開口270と整列され、それに受け入れられる。プリントヘッドカートリッジ252は、クランププレート266に向かって位置決めピン268の方向に手動で摺動される。プリントヘッドカートリッジ252がクランププレート266と係合されると、ヒンジ271を介して本体254に接続されているヒンジ付きクランプ270は、プリントヘッドカートリッジ252をクランププレートに対してクランプするために振り下ろされる。プリントヘッドカートリッジ252は、位置決めピン268(
図24)と嵌合するヒンジ付きクランプ270上の固定具272によって定位置にロックされる。最後に、インク入口モジュールおよびインク出口モジュール256および258を下方に摺動させて、プリントヘッドカートリッジ252を供給モジュール250に流体的に結合する。逆のプロセスを用いて、プリントヘッドカートリッジ252を供給モジュール252から取り外す。手動取り外しおよび挿入プロセスは、記載されているように、デジタル印刷機の中断時間を最小限に抑えながら、数分程度でユーザが容易かつ清潔に行うことができる。
【0158】
インク供給モジュール256は、インク送達システム(図示せず)の入口ラインから調整された圧力でインクを受け入れるように構成されている。本発明で使用されるプリントモジュール215に関連して使用するのに適したインク送達システムは、2016年5月2日に出願された「Ink Delivery System for Supplying Ink to Multiple Printheads at Constant Pressure」という名称の本譲受人の米国仮特許出願第62/330,785号明細書に記載され、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。インク入口モジュール256は、入口ライン275を介してインク貯蔵器(図示せず)からインクを受け入れるための入口ポート274を有し、インク出口モジュール258は、出口ライン277を介してインク貯蔵器にインクを戻すための出口ポート276を有する。
【0159】
インク入口モジュールおよびインク出口モジュール256および258は、プリントヘッド216での局所的な圧力調整を提供するもの、インク圧力変動を緩和させるもの、プリントヘッドプライミングおよびデプライミング動作を可能にするもの、輸送のためにプリントヘッドを隔離するもの等、様々な構成要素を独立して収容する。
図26において、インク入口モジュールの特定の構成要素を明らかにするために、入口モジュール256がカバーを取り外した状態で示されている。例えば、インク圧力センサと、マイクロプロセッサとを有する制御PCB278が示され、これは、プリントヘッド216の局所圧力を制御するために制御バルブ279にフィードバックを提供する。2016年5月2日に出願され、その内容が参照により本明細書に組み込まれる本譲受人の米国仮特許出願第62/330,785号明細書から、これらおよび他の構成要素がインク入口モジュールおよびインク出口モジュール256および258に収容され得ることが理解されるであろう。
【0160】
ここで、
図27を参照すると、供給モジュール250の本体254内に収容されたPCB構成が示されている。PCB構成は、それぞれの電気部品が互いに向き合うように、第1のPCB281と、第1のPCBに対向する第2のPCB282とを含む。図示の実施形態では、第1のPCB281は、画像処理および印刷データを生成するためのコントローラチップを含む論理PCBであり、第2のPCB282は、プリントヘッド216に電力を供給する駆動FETを含むパワーPCBである。第1および第2のPCB281および282は、電気コネクタ299を介して電気的に結合される。データおよび電力は、第1のPCBの上部に配置された一連の電気入力ポート283を介して受信される。
図24および25に戻って簡単に参照すると、入力リード284は、適切なコネクタ285を介して入力ポート283に接続される。各プリントモジュール215の入力リード284の少なくともいくつかは、スーパーバイザプロセッサ(図示せず)に接続され、スーパーバイザプロセッサは、印刷された画像のそれぞれのモノクロ部分を生成するためにプリンタ10の各プリントモジュールを調整する。
【0161】
図27に戻ると、第2のPCB282の下部は、データおよび電力をプリントヘッド216に供給する電気接点267の列と、プリントヘッドカートリッジを取り付ける間、プリントヘッドカートリッジ252をクランププレート266(
図27には示されていない)上に案内する位置決めピン268の対とを有する。
【0162】
第1および第2のPCB281および282を対向配置することにより、駆動エレクトロニクスをプリントヘッド216に近接して配置する一方、プリントモジュール215のコンパクトな設計が有利に可能になり、これは、電力転送に有利である。さらに、対向する第1および第2のPCB281および282は、
図28から31を参照して以下に説明するように、各PCB上の発熱電子部品の効率的な冷却を可能にする。
【0163】
空気ダクト286は、第1および第2のPCB281および282間に挟まれ、プリントモジュール215の上面に配置された空気入口287と空気出口288との間に少なくとも1つの空気流路を画定する。ファン289は、空気入口287に配置され、空気を引き込み、空気ダクト286を通って空気出口288から出る空気流を生成する。空気入口288をプリントモジュール215の上端に配置する一方、プリントヘッド216をプリントモジュールの対向する下端に配置することにより、プリントヘッドによって生成されたインクミストが空気入口から有利に分離される。従って、空気入口287は、比較的清浄な冷気のみを空気ダクト286に引き込む。さらに、空気ダクト286は、空気流路を第1および第2のPCB281および282から隔離して、入口288に引き込まれたインクエアロゾルが、感受性の高い電子部品に重大で有害な影響を与えないようにする。
【0164】
第1および第2のPCB281および282のそれぞれは、空気ダクト286を通る空気流による冷却を必要とする発熱部品を含む。第1および第2のPCB281および282のそれぞれの発熱部品に熱的に結合されたヒートシンクは、それぞれ空気ダクトの対向する側から空気ダクト286の空気通路内に延びる複数の冷却フィンを有する。
【0165】
図31に示すように、第1のPCB281は、それぞれのマイクロプロセッサ292と熱的に接触する第1の基部291と、第1の基部から延びる第1の冷却フィン293とをそれぞれ含む第1のヒートシンク290の対を有する。同様にかつ
図30に示すように、第2のPCB282は、駆動FET(図示せず)と熱的に接触する第2の基部295と、第2の基部から延びる第2の冷却フィン296とを含む第2のヒートシンク294を有する。
【0166】
第1および第2の冷却フィン293および296は、空気ダクト286の側壁に画定されたそれぞれの開口内に受け入れられる。
図29は、第1のヒートシンク290の対の冷却フィン293を受け入れるための、空気ダクト286の一方の側に画定された第1の開口297の対を示す。
図28から、第2のヒートシンク294の冷却フィン296は、空気ダクト286の対向する側に画定された対応する第2の開口内に受け入れられることが分かる。
【0167】
なおも
図28を参照すると、空気ダクト286は、第1および第2の冷却フィン293および296を収容する別個の空洞に空気ダクトを分割する狭窄部298を有する。狭窄部298は、空気入口287からの空気流を分割する役割を果たし、それにより、第1の冷却フィン293および第2の冷却フィン296の両方は、ほぼ等しく冷気流を受ける。これは、例えば、第2の冷却フィン296が冷気を優先的に受け取り、暖気を冷却フィン293の第1のセットに送ることを回避する。
【0168】
空気ダクト286を通る空気流を、対向するPCBから延びる冷却フィン間で共有することにより、コンパクトな自己完結型プリントモジュール215が提供され、これは、比較的狭いプリントゾーン内のページ幅にわたって複数のアレイに配置することができる。
【0169】
当然のことながら、本発明は、単なる例として記載されており、添付の特許請求の範囲に定義されている本発明の範囲内で詳細の修正形態がなされ得ることが理解されるであろう。