【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成30年度国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「超低消費電力型光エレクトロニクス実装システム技術開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態である光電融合プローブと、測定対象である光回路集積ウェハとの接触状態を示す断面図である。光電融合プローブ100aは、光回路集積ウェハ200に形成された受光素子や発光素子の光−電気特性(発光特性や受光特性)を評価するために使用される。なお、光−電気特性の評価は、計測者が手作業で行ったり、図示しないプローバが行ったりする。
【0012】
光電融合プローブ100aは、電子回路基板10に貫通部が形成されており、その貫通部に光入出力部30a及び裏面光透過部35aを設けたものである。電子回路基板10の一方の面(表面10a)には、光導波路20と、電気端子接続部50と、光ファイバ接続端子部60とを備えている。また、電子回路基板10の他方の面(裏面10b)には、複数の裏面電気端子部40,41を設けている。
【0013】
光導波路20は、電子回路基板10の表面10aに形成され、導波路コア21と該導波路コア21の外周面を覆うクラッド22とから構成される。光導波路20は、屈折率が異なる2種類の樹脂で形成されており、屈折率が高い樹脂(例えば、n=1.53)が導波路コア21を形成し、屈折率が低い樹脂(例えば、n=1.51)が導波路コア21の外周面を取り囲むように、クラッド22を形成している。
【0014】
光入出力部30aは、光反射部31と樹脂封止部32とを備え、裏面10b側に、裏面光透過部35aが接合されている。光反射部31は、光導波路20の一端に接続され、裏面光透過部35aを透過する光と、導波路コア21が入出力する光とを垂直方向に光路変換する。樹脂封止部32は、電子回路基板10の貫通部を封止する樹脂である。裏面光透過部35aは、キズに強い透明平板(例えば、石英板)であるが、後記する第2実施形態では、片凸レンズを用いている。ここで、クラッド22、光反射部31及び樹脂封止部32は、同一樹脂を用いても構わないし、測定で使用する波長帯での透過損失が低い材料であれば、屈折率が異なる樹脂であっても構わない。
【0015】
光回路集積ウェハ200は、Si基板上に、シリコンフォトニクス技術を用いて、光回路及び電気回路を形成したものである。光回路集積ウェハ200は、光回路光入出力部110及び光回路電気入出力部120を有する光集積回路が、二次元配列されて構成される。裏面電気端子部40,41と光回路電気入出力部120とは接触し、光回路光入出力部110と光入出力部30aとは近接する。なお、電子回路基板10の裏面10bと光回路集積ウェハ200とは、裏面電気端子部40,41と光回路電気入出力部120との接触状態で、空隙dが維持される。なお、裏面電気端子部40,41は、複数存在し(
図4参照)、後方に存在する裏面電気端子部40,41を一点鎖線で示している。
【0016】
図2は、本発明の第1実施形態である光電融合プローブの測定対象である光回路集積ウェハの構成図である。
図3は、光回路集積ウェハが受発光する光を光ファイバが入出力する様子を示す模式図である。
光回路集積ウェハ200は、例えば、複数(例えば、N=8回路)の送受信光回路130a,130b,・・・を備える光集積回路が二次元配列したものである。光回路集積ウェハ200上における評価対象一区画の最大の大きさは、光回路集積ウェハ200の作製工程で使用する露光機のショットサイズに依存し、一般的な最大サイズは33mm×26mmである。この一区画に各々の光集積回路(送受信光回路130a,130b,・・・,130z及び信号処理部137a,137b,・・・)が形成され、その大きさは、例えば、約3mm×3mm〜5mm×5mmである。送受信光回路130aは、受光素子132aと、光変調素子131aと、3つのグレーティングカプラ133a,134a及び138aと、複数の端子135a,136aと、信号処理部137aとを備えている。なお、各々の送受信光回路130a,130b,・・・は、送受信する光の波長が異なっていても構わない。
【0017】
グレーティングカプラ138a(
図2)は、図示しないレーザダイオードが出射するレーザ光を受光して光変調素子131aに導く。光変調素子131aは、グレーティングカプラ138aから導かれるレーザ光をデジタル電気変調信号に応じて光信号に変調する。グレーティングカプラ134aは、光変調素子131aが出力する変調光を表面200a(
図2)に対して略垂直方向に出射する(
図3参照)。一方、グレーティングカプラ133aは、表面200aに対して略垂直方向に受光する光を受光素子132aに導く(
図3参照)。受光素子132aは、グレーティングカプラ133aから導かれる光を電気信号に変換する、例えば、導波路にGeを堆積した構造を持つフォトダイオードである。なお、グレーティングカプラ133a,134a及び138aは、受光素子132aや光変調素子131aに接続する導波路に対して等間隔もしくは周期的に変化する複数の溝が形成されたものである。
【0018】
光変調素子131aに接続される複数の端子136a,136a,・・・(
図2)は、例えば、G(GND),S(Signal),G,S,Gである。受光素子132aに接続される複数の端子135a,135a,135aは、例えば、G,S,Gである。信号処理部137aは、信号処理を行う電気回路、受光素子132aを駆動する駆動回路、レーザダイオードを駆動する駆動回路等であり、必要に応じて、レーザダイオードも搭載する。
【0019】
図4は、本発明の第1実施形態である光電融合プローブの断面図である。
図1で説明したように、光電融合プローブ100aは、電子回路基板10の貫通部に光入出力部30a及び裏面光透過部35aを設けたものである。電子回路基板10の一方の面(表面10a)には、光導波路20と、複数の電気端子接続部50と、複数の光ファイバ接続端子部60とを備えている。また、電子回路基板10の他方の面(裏面10b)には、複数の裏面電気端子部40,41を設けている。
【0020】
電子回路基板10は、絶縁層12と導体層13とが交互に積層された多層基板(例えば、6層基板)である。一般に、多層基板は、単層基板よりも厚いので、裏面光透過部35b(
図8,9)の焦点距離を確保することができる。導体層13は、黒色で示す銅パターン14と白色で示す絶縁領域とを有している。ビア15は、上下の複数の導体層13,13を互いに接続する。電気端子接続部50と裏面電気端子部40と裏面電気端子部41とは、銅パターン14及びビア15で接続されている。
【0021】
光入出力部30aは、光反射部31と樹脂封止部32とから構成され、クラッド22と同一樹脂材料又は反射が発生しない程度の屈折率を持った透明樹脂で形成される。光反射部31は、反射面が凹面状に形成されており、金属反射膜が成膜されている。光反射部31は、光導波路20の端部に設けられ、光導波路20が出射したレーザ光を反射し、表面10aに略垂直な方向に光路変換する。光路転換したレーザ光は、樹脂封止部32及び裏面光透過部35aを介して、裏面10b側に出射する。
【0022】
逆に、光入出力部30aは、裏面10bに対して垂直方向から、裏面光透過部35aに入射した光は、樹脂封止部32を介して、光反射部31に到達する。光反射部31に到達した光は、表面10aに平行な光に光路変換し、光導波路20の端部に入射する。
【0023】
導波路コア21の一方の端部は、光反射部31に近接しており、他方の端部は、光ファイバ接続端子部60に接続されている。光ファイバ接続端子部60は、図示しない他の光ファイバを介して、光学測定器に接続される。
【0024】
図5は、本発明の第1実施形態である光電融合プローブの平面図である。
光電融合プローブ100aは、表面10aの側に、光導波路20と、電気端子接続部50(50a,50b,50c)と、光ファイバ接続端子部60(60a,60b,60c)とを備える。つまり、
図1,4に記載の電気端子接続部50及び光ファイバ接続端子部60は、奥行き方向に複数存在している。電気端子接続部50は、例えば、受光素子132aのとき、例えば、1本の信号線の端子Sと接地端子Gとシールド用の端子Gの3つの端子が用意されている。また、光反射部31及び樹脂封止部32は、矩形状に形成されている。光反射部31の長辺は、電子回路基板10の長手方向に対して垂直である。また、光ファイバ接続端子部60と電気端子接続部50とが、互いに直交しても構わない。
【0025】
裏面電気端子部40(40a,40b,40c)は、裏面10bの側に備えるものであるが、ビア15(
図4)を介して表面10aにも露出し、銅パターン14と共に黒色で示されている。一方、裏面電気端子部40(41a,41b,41c)は、裏面10bの側から導体層13及びビア15を介して接続されるものであり、破線で示されている。つまり、電気端子接続部50a,50b,50cと裏面電気端子部40a,40b,40cと裏面電気端子部41a,41b,42cとが接続されている。
【0026】
裏面電気端子部40a,40b,40cと、裏面電気端子部41a,41b,41cとは、光反射部31の長辺に平行な対称の軸を基準に、軸対称に配設するのが好ましい。これにより、光回路集積ウェハ200を左右反転させ、送受信光回路130a,130b,・・・,130zが左右反転状態になったとしても、光電融合プローブ100aを固定した状態で、測定可能となる。また、裏面電気端子部40,41は、軸対称に配設されているので、光回路集積ウェハ200と接合するとき、安定性が高くなる。
【0027】
光導波路20は、光反射部31と光ファイバ接続端子部60a,60b,60cとの間に、導波路コア21が3本形成されている。3本の導波路コア21は、例えば、受光素子用、発光素子(変調素子)用、或いは光集積回路と光電融合プローブ100aのアライメント調整を行うためのモニタ用として使用される。また、複数(例えば、N=8回路)の送受信光回路130a,130b,・・・,130z及び信号処理部137a,137b,・・・を同時に測定する光電融合プローブを構成したときには、導波路コア21もN倍になる。このとき、裏面電気端子部40,41を左右に設けることにより、裏面電気端子部40a,40b,40cの集中配置を避けることができる。
【0028】
図6は、本発明の第1実施形態である光電融合プローブのB−B断面図であり、
図5のB−Bでの断面図である。
電子回路基板10は、その表面にクラッド22が形成されている。そのクラッド22は、3本の導波路コア21の外周面に接合する。また、導波路コア21は、断面視矩形状であり、隣接するコア面同士の間隔Dは、光導波路間のクロストークが最小となる距離以上であれば自由に設定される。
【0029】
図7は、本発明の第1実施形態である光電融合プローブを用いて光−電気特性を測定する測定方法を説明するフローチャートである。
光回路集積ウェハ200は、図示しないプローバのチャックに保持されており、複数の送受信光回路130a,130b,・・・の光−電気特性が光電融合プローブ100a及び計測装置(外部計測装置)を用いて計測される。図示しないプローバは、光回路集積ウェハ200を保持するチャック及び光電融合プローブ100aの何れか一方又は双方がXYZθ方向に移動させるステージ及び制御装置を有しているものとする。
【0030】
プローバは、光電融合プローブ100aの裏面電気端子部40(40a,40b,40c)と何れかの送受信光回路130a,130b,・・・の光回路電気入出力部120(
図1)とを接触させると共に(S1)、光入出力部30aと光回路光入出力部110とを近接させる(S2)。S2の後、プローバの計測装置は、光−電気特性を計測する(S3)。S3の後、プローバは、光電融合プローブ100a又は光回路集積ウェハ200を、送受信光回路130a,130b,・・・の間隔だけ移動させる(S4)。これにより、裏面電気端子部40(40a,40b,40c)と光回路電気入出力部120(
図1)とが接触させられると共に(S5)、光入出力部30と光回路光入出力部110とを近接させられる(S6)。S6の後、プローバは、最後の送受信光回路130の計測を行ったか否か判定する(S7)。最後の送受信光回路の計測を行っていなければ(S7でNo)、プローバは、S3の処理に戻り、光−電気特性の計測を繰り返す。一方、最後の送受信光回路130の計測を行っていれば(S7でYes)、処理を終了する。
【0031】
(製造方法)
まず、用意した電子回路基板10の表面10a及び裏面10bを貫通する孔(貫通部)を開ける。電子回路基板10に裏面光透過部35aを搭載する。裏面光透過部35aを底面とし、電子回路基板10の表面10aより透明樹脂を流し込み、樹脂封止部32を形成する。樹脂封止部32が形成された電子回路基板10の表面10aに光導波路20の下部クラッドを形成し、さらに導波路コア21を形成する。さらに、光導波路20の上部クラッドを形成することにより、光導波路20が形成される。最後に、クラッド22を成形し、光反射部31を形成する。これらの工程により、光電融合プローブ100aが完成する。
【0032】
以上説明したように、本実施形態の光電融合プローブ100aによれば、光入出力部30a及び裏面電気端子部40を最小間隔で配置することができる。このため、光回路集積ウェハ200も光回路光入出力部110と光回路電気入出力部120との距離Lを短く設計することができる。したがって、ウェハ上に形成された光集積回路のレイアウト自由度が向上し、光集積回路の最小化が期待できる。また、電気プローブと光プローブを一体化することにより、検査装置のアライメント調整が容易となり検査時間の短縮が期待できる。
【0033】
(第2実施形態)
前記第1実施形態の光電融合プローブ100aは、裏面光透過部35aとして、透明平板を使用したが、レンズ形状にすることもできる。
【0034】
図8は、本発明の第2実施形態である光電融合プローブの断面図である。
光電融合プローブ100bは、光電融合プローブ100aと同様に、電子回路基板10と、光導波路20と、電気端子接続部50と、光ファイバ接続端子部60と、裏面電気端子部40とを設けている。しかしながら、光電融合プローブ100bは、裏面光透過部35aが裏面光透過部35bに変更されている点で相違する。裏面光透過部35bは、片凸レンズであり、透明樹脂やガラス等で、例えば、レンズ径φ=60〜250μmに形成されている。なお、
図8は、電気端子接続部50及び光ファイバ接続端子部60を搭載する左右の領域が省略されている。また、裏面電気端子部40や銅パターン14も形状が異なるが、本実施形態の本質部ではないので、説明を省略する。
【0035】
図9は、本発明の第2実施形態である光電融合プローブの光路を説明するための図である。
光入出力部30bは、光反射部31と、樹脂封止部32とを備え、樹脂封止部32と裏面光透過部35bとが接合している。光反射部31は、例えば、回転軸が45°傾斜した略放物線形状である。この形状では、光反射部31は、前記第1実施形態と同様に光導波路20(導波路コア21)の端部から出射する光を電子回路基板10の面に対して垂直な方向に光路変換する。このとき、光反射部31は、凹面状(略放物線形状)に形成されているので、焦点位置を導波路コア21の端部に設定すれば、導波路コア21の端部から開口角NAで出射した光は、コリメート光(平行光)になって、電子回路基板10の面に対して垂直な方向に光路変換する。光がコリメートすることにより、隣接する入出力光とのクロストークが最小となる。光路変換した光は、樹脂封止部32を介して、裏面光透過部35bに入射する。
【0036】
レンズの焦点位置に光回路光入出力部110が配置されるように、電子回路基板10の裏面10bと、光回路集積ウェハ200の光回路光入出力部110との空隙dを設定すれば、裏面光透過部35bに入射したコリメート光は、光回路光入出力部110に入射する。また、裏面光透過部35bのレンズは、偏心構造にしたり光反射部31のレンズ部で角度をつけたりすることによって、光回路光入出力部(グレーティングカプラ)110の入出射角に整合させることもできる。なお、回路集積ウェハ200の電子回路基板10との空隙dは、片凸レンズの焦点距離よりも長くすることが好ましい。これにより、焦点位置を電子回路基板10と光回路集積ウェハ200との間に設定しないようにすることができる。
【0037】
逆に、裏面光透過部35bは、光回路光入出力部110から拡がって出射する光をコリメート光にする。コリメートされた光は、樹脂封止部32を介して、光反射部31に入射する。光反射部31は、電子回路基板10の面に対して垂直な方向から入射する平行光を、光路変換して集光させる。したがって、光反射部31に入射したコリメート光の殆どは、導波路コア21に入射する。
【0038】
(第1比較例)
図
10は、本発明の第1比較例である光電融合プローブの断面図である。
光電融合プローブ100cは、前記第1実施形態の光電融合プローブ100aと同様に、電子回路基板10と、複数の電気端子接続部50(50a,50b,50c)と、複数の光ファイバ接続端子部60(60a,60b,60c)と、複数の裏面電気端子部40,41とを設けている。しかしながら、光電融合プローブ100cは、光導波路20及び光反射部31を設けることなく、光ファイバ70を設けることを考える。
【0039】
光ファイバ70は、最大曲率半径r(例えば、5mm)で屈曲可能な石英ファイバである。光ファイバ70は、一端70bが光ファイバ接続端子部60に接続されており、光ファイバ接続端子部60を介して、他の光ファイバに連結される。また、光ファイバ70の他端70aは、表面10aに対して垂直に、樹脂封止部32の内部に埋め込まれている。これにより、光ファイバ70から出射する光は、裏面光透過部35aから出射する。逆に、裏面光透過部35aに入射した光は、樹脂封止部32を介して、光ファイバ70の他端70aに入射する。
【0040】
光回路集積ウェハ200は、3mm×3mm〜5mm×1mmの光集積回路が多数、一次元配列又は二次元配列されている。このため、光回路電気入出力部120と光回路光入出力部110とは、1mm以下、好ましくは400μm以下にしたい。したがって、光ファイバ70の最大曲率半径rが5mm程度であると、光電融合プローブ100cは、複数回路の測定を同時に行う構成にすることができなくなってしまうことがある。また、樹脂封止部32は、2〜3本の光ファイバ70が挿入されるので、樹脂封止部32が固化するまで、複数の光ファイバ70の先端70aを固定する必要が生じる。このとき、光ファイバ70の端部を固定する治具の位置精度が保たれたとしても、光ファイバ70の撓みにより、先端の位置誤差が生じてしまう。
【0041】
これに対して、前記第1,2実施形態の光電融合プローブ100a,100bは、光導波路20及び光反射部31を設けたので、隣接する導波路コア21のコア面との間隔Dを十分に小さくすることができる。また、光入出力部30a,30b及び裏面光透過部35a,35bを複数設けることができるので、複数素子の計測を同時に行うことが可能な光電融合プローブを構成することができる。
【0042】
図11は、本発明の第2比較例であるプローブを用いて、光回路集積ウェハの光−電気特性を計測する計測方法を説明する説明図である。
図示しないプローバは、光プローブ300及び電気プローブ310を有している。光プローブ300は、フェルール302に光ファイバ301の端部が挿入されたものである。電気プローブ310は、ヘッド312の先端に複数の電極311,311が設けられたものである。
【0043】
プローバは、光回路集積ウェハ200の光回路電気入出力部120に電極311,311を接触させると共に、光回路光入出力部110に光ファイバ301の先端301aを近接させる必要がある。このため、光回路光入出力部110と光回路電気入出力部120との距離Lは、フェルール302及びヘッド312の外形に制限されてしまい、光集積回路の自由レイアウトを束縛するといった問題がある。
【0044】
これに対して、前記第1,2実施形態の光電融合プローブ100a,100bは、光導波路20及び光反射部31を設けたので、隣接する導波路コア21のコア面との間隔Dを十分に小さくすることができる。
【0045】
(変形例)
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下のような変形が可能である。
(1)前記各実施形態の光反射部31及び樹脂封止部32は、平面視矩形状に形成したが(
図4参照)、平面視円形に形成しても構わない。このときには、裏面電気端子部40a,40b,40cと裏面電気端子部41a,41b,41cとは、電子回路基板10の長手方向に垂直であって、光反射部31の中心を通る軸を基準に、軸対称に配設される。
【0046】
(2)前記各実施形態では、光回路集積ウェハ200のグレーティングカプラは、光電融合プローブ100a,100bの裏面光透過部35a,35bに対して、光を垂直に入出力することにしたが、傾斜して入出力することもある。このときには、光入出力部に対する電気端子部40,41の位置関係と、測定対象である光回路集積ウェハ200上に形成された光集積回路が備える光回路光入出力部120に対する光回路電気入出力部120の位置関係とが同一になるとは限らない。