(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6851411
(24)【登録日】2021年3月11日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】可撓性発光ダイオードモジュール及び発光ダイオード電球
(51)【国際特許分類】
H01L 33/58 20100101AFI20210322BHJP
H01L 33/50 20100101ALI20210322BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20210322BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20210322BHJP
F21V 9/30 20180101ALI20210322BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20210322BHJP
F21Y 107/70 20160101ALN20210322BHJP
F21Y 107/90 20160101ALN20210322BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20210322BHJP
【FI】
H01L33/58
H01L33/50
H01L33/62
F21V19/00 450
F21V9/30
F21V23/00 160
F21Y107:70
F21Y107:90
F21Y115:10 300
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-40727(P2019-40727)
(22)【出願日】2019年3月6日
(62)【分割の表示】特願2014-183805(P2014-183805)の分割
【原出願日】2014年9月10日
(65)【公開番号】特開2019-91944(P2019-91944A)
(43)【公開日】2019年6月13日
【審査請求日】2019年3月6日
(31)【優先権主張番号】102132806
(32)【優先日】2013年9月11日
(33)【優先権主張国】TW
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】598061302
【氏名又は名称】晶元光電股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Epistar Corporation
(73)【特許権者】
【識別番号】518189851
【氏名又は名称】カイスター ライトニング (シァメン)カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ホォン ジィ,リュウ
(72)【発明者】
【氏名】ジュ チ,チョン
【審査官】
吉岡 一也
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2012/095931(WO,A1)
【文献】
国際公開第2012/144126(WO,A1)
【文献】
国際公開第2012/085736(WO,A1)
【文献】
登録実用新案第3075689(JP,U)
【文献】
国際公開第2012/053134(WO,A1)
【文献】
国際公開第2011/111399(WO,A1)
【文献】
特開2010−87051(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィラメントであって、
第一表面、第二表面、及び端面を含む可撓性基板;
前記第一表面の上に形成されており、且つ互いに分離した第一発光ダイオードチップ及び第二発光ダイオードチップ;
順に前記第一表面の上に形成されており、且つ互いに分離した第一導電区域、第二導電区域及び第三導電区域;
前記第一表面の上に形成されており、且つ前記第一発光ダイオードチップ、前記第一導電区域及び前記第二導電区域に直接接触する第一波長変更層;及び
前記第一表面の上に形成されており、外へ前記端面を超えており、且つ前記第一発光ダイオードチップに電気接続される導電ワイヤを含み、
前記第一表面に垂直な方向において、前記第一発光ダイオードチップは、それぞれ、前記第一導電区域及び前記第二導電区域とオーバーラップし、前記第二発光ダイオードチップは、それぞれ、前記第二導電区域及び前記第三導電区域とオーバーラップし、
前記第二導電区域は、前記第一波長変更層により覆われていない部分を含む、フィラメント。
【請求項2】
請求項1に記載のフィラメントであって、
前記第二表面の上に形成された第二波長変更層をさらに含む、フィラメント。
【請求項3】
請求項1に記載のフィラメントであって、
前記第一表面の上に形成されており、且つ前記第二導電区域及び前記第三導電区域に直接接触する第二波長変更層をさらに含む、フィラメント。
【請求項4】
請求項2に記載のフィラメントであって、
前記第二導電区域の最大幅が、前記第二波長変更層により覆われていない部分に対応する、フィラメント。
【請求項5】
請求項3に記載のフィラメントであって、
前記第二導電区域は、前記第二波長変更層により覆われていない部分を含む、フィラメント。
【請求項6】
請求項3に記載のフィラメントであって、
前記第一波長変更層及び前記第二波長変更層は、同じ方向に沿って延伸する、フィラメント。
【請求項7】
請求項1に記載のフィラメントであって、
前記第一導電区域及び前記第二導電区域は、ITO又は銀を含む、フィラメント。
【請求項8】
請求項1に記載のフィラメントであって、
前記第一導電区域及び前記第二導電区域は、異なる最大幅を有する、フィラメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、可撓性発光ダイオードモジュールに関し、特に全方向発光が可能な発光装置に応用される発光ダイオードモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在の生活において、様々なLED(Light Emitting Diode、LED)製品が応用されることを発見することができる。例えば、交通信号機、車の尾灯、車の前照灯、街路灯、パソコン表示灯、懐中電灯、LEDバックライトなどを発見することができる。そのような製品のLEDチップに対して、LEDチップの製造工程以外、実装工程を行わなければならない。
【0003】
LED実装工程を行う主な目的は、LEDチップを電気的、光線的、熱的にサポートすることにある。LEDチップのような半導体製品を大気中に長時間露出させる場合、大気中の水気又は環境中の化学物の影響により、LEDチップが劣化し、かつ機能が減衰する。LED実装工程において、通常エポキシ樹脂でLEDチップを実装することにより、LEDチップと空気とを隔離する。高輝度、省エネの目標を実現するため、LED実装構造が良好な放熱性能と光取り出し効率を有しなければならない。LEDチップが発光時に発生する熱が有効に放熱されない場合、LEDチップ中に蓄積される熱は、部品の特性、寿命及び安定性に悪い影響を与えるおそれがある。光学的設計もLED実装工程中の重要な一環であり、光を有効に取り出すために、発光角度及び方向なども設計上重要である。
【0004】
白色光LEDの実装工程が更に複雑であるので、放熱問題以外に、色温度(color temperature)、演色指数(Color rendering index)、蛍光粉末などの問題も顧慮しなければならない。白色光LEDが藍色光LEDチップと黄緑色蛍光粉末とを採用したものである場合、藍色光の波長が短ければ短いほど、肉眼に対する傷害が大きいので、藍色光がLED実装構造内から出ることを遮断し、藍色光の漏れを避けなければならない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例において可撓性発光ダイオードモジュールを提供する。この可撓性発光ダイオードモジュールは、可撓性透明基板と、複数個の発光ダイオードチップと、第一波長変更層とを含む。可撓性透明基板は、基板の第一表面上に形成される複数個の導電区域とを含む。前記複数個の発光ダイオードチップは可撓性透明基板の第一表面上に形成され、かつ複数個の導電区域に電気接続される。前記第一波長変更層は前記第一表面に設けられ、かつ前記発光ダイオードチップを覆う(cover)。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の実施例に係るLEDモジュール100を示す斜視図及び所定箇所の断面を示す断面図である。
【
図2】
図1の長手方向に沿う断面を示す断面図である。
【
図3A】
図1のLEDモジュール100を示す平面図である。
【
図3B】
図1のLEDモジュール100を示す底面図である。
【
図4】本発明の実施例に係るLEDフィラメントを示す図である。
【
図5】本発明の他の実施例に係るLED電球を示す図である。
【
図6】本発明の他の実施例に係るLED電球を示す図である。
【
図7】本発明の実施例に係るLEDフィラメントを採用した照明装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、本発明の実施例に係るLEDモジュール100を示す斜視図及び所定部位の断面を示す断面図である。図面に示されるとおり、LEDモジュール100が可撓性構造を有しているので、リール(reel)に巻いておくことができる。それを使うとき、需要に応じて、所定の長さに切断して、照明装置(例えば電球)の主光源にすることができる。
図1は、LEDモジュール100の3つの箇所を切断して得た3つの断面
図A、B及びCを含む。
【0008】
LEDモジュール100は可撓性透明基板106を含む。この実施例において、可撓性透明基板106は不導電の透明材料、例えばガラス又は樹脂で構成される。可撓性透明基板106は、反対の方向に向きかつ対向する表面102、104と、表面102と104との間に位置する側面120、124とを含む。
図1に示すとおり、可撓性透明基板106は2つの端面114及び116を含む細長体である。この明細書において、透明という言葉は光線が透過することを意味し、完全な透明(transparent)又は半透明(translucent or semitransparent)であることができる。可撓性透明基板106における表面102と104との間の厚さは、150μmであるか或いはそれより薄い。
【0009】
図2は、
図1の端面114と116を繋ぐ長手方向に沿う断面を示す断面図である。
図3A及び
図3Bは、
図1のLEDモジュール100の表面102と表面104をそれぞれ示す平面図である。
【0010】
可撓性透明基板106の表面102上には導電区域(conductive section)105が形成されている。例えば、電気回路印刷方法により導電区域105を可撓性透明基板106の表面102上に形成するか、或いはマスク(mask)を利用する方法により所定の導電層パターンを表面102上に形成することができる。マスクを利用する方法は、まず可撓性透明基板106の表面102上に導電層を塗布するステップと、マスクに予め形成された導電層パターンによりフォトレジストを塗布した後エッチングを行うステップとを含む。その方法により導電層パターンを表面102上に形成する。その導電区域105は複数の導電区域105に分けることができる。導電区域105の材料成分は、LEDモジュール100が発した光線を透過させることができる透明材料、例えばITO又は銀薄膜であることができる。
【0011】
本発明の実施例において、藍色光LEDチップ108を例にして説明する。表面102の導電区域105上に固定接着された各藍色光LEDチップ108は、順方向電圧が2〜3Vである(以下「低電圧チップ」という)一個の発光ダイオードのみを含むか、互いに直列接続され、かつ順方向電圧が低電圧チップより大きく、例えば順方向電圧が12V、24V、48Vである(以下「高電圧チップ」という)複数個の発光ダイオードを含むことができる。具体的に説明すると、高電圧チップは、半導体工程によって1枚の基板上に形成されかつ互いに電気接続されている複数個の発光ダイオードユニットである(少なくとも発光層を具備する発光ダイオード構造である)。それらの複数個の発光ダイオードユニットは、それぞれ複数の基板に形成されるものではなく、一緒に1枚の基板上に形成されるものである。
【0012】
他の実施例において、LEDモジュール100の表面102上には、藍色以外の他色のLEDチップ(図示せず)を固定接着させることができる。例えば、この実施例において、表面102上に藍色光LEDチップ108のみを設けるものではなく、1個又は複数個の他色のLEDチップ(図示せず)、例えば赤色LEDチップ、緑色LEDチップ、黄色LEDチップなどを更に設けることができる。それにより、所定の演色又は色温度を有する光線を生成することができる。また、全部又は一部分のLEDチップに対してLED実装工程を行うことができる。
【0013】
図1、
図2及び
図3において、藍色光LEDチップ108は、端面114と116を繋ぐ縦方向に沿って可撓性透明基板106上に一列に配列されている。藍色光LEDチップ108の陽極と陰極はそれぞれ、隣接する2つの導電区域105に電気接続される。すなわち、複数個の藍色光LEDチップ108は導電区域105によって互いに直列接続され、かつ電気面において高い順方向電圧を有する1個の発光ダイオードに相当する。しかし、本発明は上述した事項に限定されるものではない。他の実施例において、藍色光LEDチップ108又は他色のLEDチップを所定のパターンに表面102上に配列させ、かつ各LEDチップの間の電気接続方法として、直列接続、並列接続、又は直列接続と並列接続が混合される電気接続方法を採用することができる。
【0014】
この実施例の藍色光LEDチップ108において、半田を使うフリップチップ(flip chip)方法により藍色光LEDチップ108を導電区域105上に固定接着させる。半田は藍色光LEDチップ108を導電区域105上に機械的に固定させるとともに、藍色光LEDチップ108を導電区域105に電気接続させる。半田の材料が不透明であるが、半田が占用する体積が非常に小さいので、半田による遮光影響を顧慮しなくてもよい。他の実施例において、藍色光LEDチップ108は異方性導電接着剤により導電区域105上に固定接着させることができる。この場合、導電区域105を形成し、異方性導電接着剤を導電区域105上に塗布した後、フリップチップ方法により藍色光LEDチップ108を異方性導電接着剤上に接着させる。それにより、藍色光LEDチップ108が異方性導電接着剤によって導電区域105上に固定接着される。他の実施例において、藍色光LEDチップ108は共晶合金又は銀ペースト(silver paste)により導電区域105上に導電連結させることができる。
【0015】
他の実施例において、藍色光LEDチップ108を可撓性透明基板106の表面2上において導電区域105が形成されない箇所に設け、かつ別の電気接続方法により藍色光LEDチップ108を導電区域105に電気接続させることができる。例えば、藍色光LEDチップ108を可撓性透明基板106の表面2上又は可撓性透明基板106の放熱材料上に直接固定接着させ、ボンディングワイヤ(Bonding Wire)により導電区域105と藍色光LEDチップ108を電気接続させることができる。
【0016】
藍色光LEDチップ108の上方には、波長変更層になる蛍光粉末層110が形成される。蛍光粉末層110の構成材料は樹脂又はガラスであり、その中には波長変更用材料、例えば蛍光粉末又は着色料が混合されている。波長変更用材料が、藍色光LEDチップ108が発した一部分の藍色光(主波長(dominant wavelength)が430〜480nmである)を励起することにより、黄緑色光(主波長が430〜480nmである)が形成され、黄緑色光と残った藍色光とが混合されることにより白色光が形成される。
図1は例示にしか過ぎないものである。実際の実施例において、LEDモジュール100を覆う蛍光粉末層110に蛍光粉末が含まれていることにより、
図1に示したように蛍光粉末層110下の藍色光LEDチップ108が見えない。蛍光粉末層110の構成材料が樹脂である場合、この樹脂は熱可塑性樹脂、熱固性樹脂又は光固性樹脂であることができる。他の実施例において、この樹脂はエポキシ樹脂、アクリル樹脂又はシリコーン樹脂であることができる。
【0017】
図2と
図3において、藍色光LEDチップ108が蛍光粉末層110に完全に覆われるが、導電区域105の一部分は蛍光粉末層110に覆われていない。
図2と
図3の実施例において、蛍光粉末層110は、様々な長さとサイズを有する複数の区域を含み、複数の区域は、端面114と116を繋ぐ方向に延伸されるとともに直線に配列されている。区域と区域との間には略同様な隙間が形成され、この隙間により導電区域105の一部分が露出される。
図1の断面
図Cに示すとおり、導電区域105は蛍光粉末層110に覆われず、露出されている。
【0018】
蛍光粉末層110は、接着方法により藍色光LEDチップ108上に接着される。他の実施例の蛍光粉末層110において、接着剤を点塗布することにより、藍色光LEDチップ108上に複数の区域を形成することができる。各区域は一個又は複数個の藍色光LEDチップ108を覆うことができる。或いは、いずれか1つの区域は一個の藍色光LEDチップ108を覆い、別の区域は複数個の藍色光LEDチップ108を覆うことができる。蛍光粉末層110の材料は樹脂又はシリカゲルであり、その中には単色又は多色の蛍光粉末材料が混合されている。例えば、YAG、TAG、或いはSr、Ga、S、P、Si、O、Gd、Ce、Lu、Ba、Ca、N、Si、Eu、Y、Cd、Zn、Se、Alなどが混合された黄色蛍光粉末材料又は緑色蛍光粉末材料が混合されている。例えば、蛍光粉末層110の材料は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂又はシリコーン樹脂であることができる。蛍光粉末層110中の蛍光粉末の材料は、柘榴石蛍光粉末、ケイ酸塩蛍光粉末、窒素化合物蛍光粉末、酸素窒素化合物蛍光粉末であることができる。蛍光粉末の材料は、イットリウム・アルミニウム・ガーネット蛍光粉末(Yttrium Aluminum Garnet、YAGと略称)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット蛍光粉末(Terbium Aluminum Garnet、TAGと略称)、Eu付活アルカリ土類ケイ酸塩蛍光粉末(eu-activated alkaline earth silicate phosphor)又はサイアロン蛍光粉末(Sialon)であることもできる。
【0019】
蛍光粉末層110の厚さと形成された区域のサイズは、LEDモジュール100を曲げる可撓性に影響を与える。例えば、蛍光粉末層110の厚さが厚ければ厚いほど、或いは形成された区域のサイズが大きければ大きいほど(すなわち、覆われた藍色光LEDチップ108が多ければ多いほど)、LEDモジュール100が曲げにくくなるか或いは曲がった後の曲率が小さくなる。
【0020】
図2と
図3に示すとおり、表面2上に設けられた蛍光粉末層110に相対して、蛍光粉末層112は表面104上に設けられている。蛍光粉末層112の材料及び形成方法は、蛍光粉末層110の材料及び形成方法と類似又は同一することができ、該蛍光粉末層112を他の波長変更層にする。
図3BのLEDモジュール100において、蛍光粉末層112を複数の区域に分けることができる。それらの区域は一列に配列され、かつ区域と区域との間の隙間が略同様である。一般的に、各藍色光LEDチップ108に対応する表面2の位置(箇所)には、少なくとも1つの区域の蛍光粉末層112が形成される。1つの区域の蛍光粉末層112は、1個の藍色光LEDチップ108に対応するか、或いは複数個の藍色光LEDチップ108に対応するか、或いは1つの区域の藍色光LEDチップ108に対応するか、或いは1つの区域の蛍光粉末層110に対応する。簡単に説明すると、各藍色光LEDチップ108はいずれも、表面102上の蛍光粉末層110と表面104上の蛍光粉末層112とに覆われている。他の実施例において、選択に応じて、蛍光粉末層110のみを表面102上に設け、蛍光粉末層112を設けなくてもよい。かつ、蛍光粉末層110と蛍光粉末層112の材料は、同一又は相違する材料であるか、或いは同様な化学元素を含んでいるが、光の励起により異なる波長の光を発する材料であることができる。
【0021】
この実施例において、表面102上には赤色光LEDチップ(図示せず)が設けられ、該赤色光LEDチップは蛍光粉末層110及び表面104上の蛍光粉末層112に覆われる。他の実施例において、表面102の赤色光LEDチップ上に覆われることは、蛍光粉末層110ではなく、略透明でかつ蛍光粉末を含まないか或いは(上述した実施例に比較して)少量を含む材料層である。例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などである。赤色光LEDチップに対応する表面104の位置(箇所)には、蛍光粉末層112が設けられていないか、或いは(上述した実施例に比較して)少量の蛍光材料が設けられている。
【0022】
図1の断面図に示すとおり、可撓性透明基板106は、表面102と104との間に位置する側面120と124とを含む。該側面120と124では何も覆われていないか、或いは少量の蛍光層が覆われている。
【0023】
LEDモジュール100を製作するとき、任意の切断工具、例えばはさみでLEDモジュール100を切断することができる。すなわち、蛍光粉末層110が覆われていない箇所の導電区域105を切断する。LEDモジュール100を切断することにより複数の複数個のLEDフィラメントを獲得し、得た各LEDフィラメントは可撓性を有している。
図4に示した本発明の実施例に係るLEDフィラメント130において、LEDフィラメント130の両端に蛍光粉末層110のない導電区域105が設けられていることにより、LEDフィラメント130を駆動電源の正極及び負極に電気接続させ、かつLEDフィラメント130中のLEDチップの発光を制御することができる。
【0024】
図5に示されるLED電球200は、本発明の実施例に係るLEDフィラメント130を使用する。LED電球200は、LED電球200は、電球口金202と、カバー204と、支持フレーム206と、導電ワイヤ207と、LEDフィラメント130とを含む。電球口金202は標準的なエジソンベース(Edison base)であり、LED駆動回路208を含むことができる。カバー204は電球口金202上に固定され、カバー204と電球口金202との間には収納空間が形成される。LEDフィラメント130は、支持フレーム206により収納空間内に固定されている。支持フレーム206は、透明又はLEDフィラメント130が発した光線に対して略透明な材料で形成され、それにより遮光低減の効果を奏することができる。LEDフィラメント130は開口付きの略円形に曲げられ、この円形部は電球口金202とカバー204が位置する中央回転軸212に略垂直に設けられる。支持フレーム206だけではなく、導電ワイヤ207もLEDフィラメント130を機械的に支持することができる。LEDフィラメント130の両端に露出されている導電区域105は、電球口金202内のLED駆動回路208に電気接続される。駆動回路208は、導電ワイヤ207及び導電区域105を通して、LEDフィラメント130の藍色光LEDチップが発光するように駆動(給電)する。
【0025】
LEDモジュール100による利点(効果)は次のとおりである。
【0026】
1.藍色光の漏れを低減することができる。本発明の実施例において、各藍色光LEDチップ108が発した光線は、対向する側面120及び124が位置する行進方向において遮断されないが、他の行進方向において蛍光粉末層112又は蛍光粉末層110に遮断される。藍色光LEDチップ108が発した光線が、蛍光粉末層112を通過できない限り、LEDモジュール100の側面120及び124からしか漏れることができる。しかし、本発明の発明者が実験を行った結果により、側面120及び124がかなり細く、かつ側面120と124との間の厚さがかなり薄いとき、例えば150μmより小さいとき、藍色光LEDチップ108の光線が側面120及び124から漏れにくいことを発見した。
【0027】
2.六面発光が可能である。各藍色光LEDチップ108の上下左右前後を含む6つの方向のいずれも、不透明物に完全に遮断されていないので、六面発光をすることができる。
【0028】
3.保存しやすい。製作して得たLEDモジュール100をリール又は円柱形のように巻いておくことができるので、在庫管理をしやすい。
【0029】
4.長さを調節することができる。適当な可撓性透明基板106の材料を選択(採用)する場合、はさみ又はカッターなどでも可撓性透明基板106を切断することができる。
【0030】
5.LED個数を調節することができる。必要な順方向電圧に基づいて、LEDチップの個数が限定されるようにLEDフィラメントを所定の長さに切断することができる。例えば、露出される2つの導電区域105の間に藍色光LEDチップ108を3個ずつ設ける場合、藍色光LEDチップ108の個数が3個整数倍になるようにフィラメントを所定の長さに切断することができる。露出される2つの導電区域105の間に藍色光LEDチップ108を1個ずつ設ける場合、藍色光LEDチップ108の個数が整数倍になるようにフィラメントを自由に切断することができる。
【0031】
6.組立てが簡単である。まず、溶接方法(半田付き)によりLEDフィラメントと導電ワイヤ207を簡単に電気接続させる。次に、支持フレーム206を所定の位置に設けることにより、LEDフィラメント130が収納空間内に位置するように支持する。最後に、駆動電源をLEDフィラメント130の両端の導電区域105に電気接続させると、照明装置の組立てが終わる。
【0032】
7、全方向発光型照明装置に適用する。例えば
図5のLED電球200である。LEDフィラメント130が中央回転軸212を中心にする略円形に曲げられることによって方向性の相違がなく、かついずれの藍色光LEDチップ108も六面発光をすることができるので、カバー204が不透明な材質で構成されない限り、LED電球200は全方向の発光が可能な照明装置になることができる。
【0033】
図5のLED電球200において、LEDフィラメント130が略円形に曲げられているが、本発明がそれに限定されるものではない。LEDフィラメント130は、照明装置に適用するいずれかの形状に曲げることができる。
図6のLED電球300において、LEDフィラメント130は曲線又は円弧形に曲げられ、かつ導電ワイヤによって電球の収納空間内に支持されている。
図7のLED電球400は、透明又は半透明の湾曲パイプ410内に設けられたLEDフィラメント130を含む。該LEDフィラメント130は、湾曲パイプ410内の形状に沿って曲げられている。LEDフィラメント130の両端に位置する導電区域105は、導電ケーブル404に連結されるか或いは電気プラグ(図示せず)に電気接続される。駆動電源(図示せず)は、導電ケーブル404又は電気プラグによりLEDフィラメント130が発光するように駆動する。他の実施例において、LEDフィラメント130を串字形(channel letter)に曲げることができる。
【0034】
本発明の実施例に係るLEDモジュールは、上述したとおりに藍色光LEDチップのみを採用するものではなく、他色のLEDチップを採用してもよい。また、すべての藍色光LEDチップが一種の蛍光粉末層にのみ覆われるものではない。他の実施例において、一部分の藍色光LEDチップ108は蛍光粉末層110に覆われ、一部分の藍色光LEDチップ108は異なる蛍光粉末を含む別の蛍光粉末層に覆われることができる。
【0035】
以上、本発明の好適な実施例を詳述してきたが、それらは本発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても当然にこの発明に含まれる。
【符号の説明】
【0036】
100 LEDモジュール
102、104 表面
105 導電区域
106 可撓性透明基板
108 藍色光LEDチップ
110、112 蛍光粉末層
114、116 端面
120、124 側面
130 LEDフィラメント
200 LED電球
202 電球口金
204 カバー
206 支持フレーム
207 導電ワイヤ
208 LED駆動回路
212 中央回転軸
300 LED電球
400 LED電球
404 導電ケーブル
410 湾曲パイプ
A、B、C 断面図