(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
若雌鶏の複数の個別の標的に異なるワクチンを同時に送達するように構成される複数の送達デバイスを有する、前記若雌鶏に複数のワクチン物質を送達するためのワクチン送達手順を行うように構成されるワクチン送達アセンブリと、
複数の位置決めデバイスと、を備え、各位置決めデバイスは、前記ワクチン送達アセンブリと個別に嵌合するように構成され、各位置決めデバイスは、単一の位置で、若雌鶏を受容し、前記ワクチン送達手順のために前記若雌鶏を前記ワクチン送達アセンブリに供するように適合され、
前記ワクチン送達アセンブリは、翼膜注射デバイスと、筋肉内注射デバイスと、皮下注射デバイスと、噴霧送達デバイスと、を有し、
前記位置決めデバイスは、各々、前記ワクチン送達手順を経るために前記若雌鶏を供するように協働する胸部支持部、翼載置部、一対の脚載置部、及び脚支持部を備える、若雌鶏に複数のワクチン物質を送達するためのワクチン接種システム。
前記ワクチン送達アセンブリは、前記若雌鶏の少なくとも1つの翼膜にワクチン物質を送達するように構成される翼膜注射デバイスを備える、請求項1に記載のワクチン接種システム。
動作可能に係合した前記位置決めデバイスを有する運搬アセンブリであって、前記位置決めデバイスを前記ワクチン送達アセンブリに運搬するように構成され、垂直軸の周囲で回転し、かつ前記位置決めデバイスを前記ワクチン送達アセンブリに運搬するように構成される回転可能な装着設備を備える、運搬アセンブリと、
前記位置決めデバイスのうちの1つの中に位置付けられたときに若雌鶏を重量計測するように構成される重量計測デバイスと、をさらに備える、請求項1に記載のワクチン接種システム。
動作可能に係合した前記位置決めデバイスを有する運搬アセンブリであって、前記位置決めデバイスを前記ワクチン送達アセンブリに運搬するように構成され、前記位置決めデバイスを前記ワクチン送達アセンブリに運搬するように構成される回転可能な装着設備を備える、運搬アセンブリをさらに備える、請求項1に記載のワクチン接種システム。
前記ワクチン送達手順を経た後、前記位置決めデバイスからの前記若雌鶏の自動解放を容易にするように構成される解放アセンブリをさらに備え、前記解放アセンブリは、前記運搬アセンブリと動作可能に係合したカム設備を備え、各位置決めデバイスは、そこからの前記若雌鶏の解放を容易にするように前記位置決めデバイスを旋回させるために前記カム設備と相互作用するように構成される変位デバイスを含む、請求項6に記載のワクチン接種システム。
前記位置決めデバイスをワクチン送達アセンブリの近傍に運搬することは、運搬アセンブリを使用して前記位置決めデバイスを前記ワクチン送達アセンブリの近傍に運搬することを含み、前記位置決めデバイスは、前記運搬アセンブリと動作可能に係合し、さらに、運搬アセンブリを使用して前記位置決めデバイスを前記ワクチン送達アセンブリの近傍に運搬することは、垂直軸の周囲を回転するように構成される回転可能な装着設備を有する運搬アセンブリを使用して、前記位置決めデバイスを前記ワクチン送達アセンブリの近傍に運搬することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0012】
これまで、本開示の種々の実施形態を一般的な用語で説明してきて、次に、添付の図面を参照するが、これらは、必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【0013】
【
図1】本開示の一態様による、若雌鶏にワクチン接種するためのワクチン接種システムの概略斜視図である。
【
図2】本開示の一態様による、若雌鶏にワクチン接種するためのワクチン接種システムの運搬アセンブリの概略斜視図であり、運搬アセンブリは、それと係合した複数の位置決めデバイスを有する。
【
図3】若雌鶏にワクチン接種するためのワクチン接種システムの概略斜視図であり、単一の位置決めデバイスが運搬アセンブリと係合して示されている。
【
図4】本開示の一態様によるワクチン接種システムの運搬アセンブリの概略上面図である。
【
図5】本開示の一態様によるワクチン接種システムの運搬アセンブリの概略側面図である。
【
図6】本開示の一態様によるワクチン接種システムの積載手順を概略的に示す。
【
図7】本開示の一態様による、ワクチン接種システムの運搬アセンブリのコンベヤーアセンブリの一部の概略斜視図である。
【
図8】本開示の一態様による、キャリッジアセンブリに連結された位置決めデバイスの概略斜視図である。
【
図9】
図8の位置決めデバイス及びキャリッジアセンブリの別の概略斜視図である。
【
図10】本開示の一態様による、キャリッジアセンブリの一部に枢動可能にヒンジ連結された位置決めデバイスの概略斜視図である。
【
図11】本開示の一態様によるキャリッジアセンブリの部分分解斜視図である。
【
図12】本開示の一態様による、位置決めデバイスから若雌鶏を自動的に解放するための解放アセンブリの概略斜視図である。
【
図13】本開示の一態様による、若雌鶏を解放するために回転させた位置にある位置決めデバイスを示す
図12の解放アセンブリの概略斜視図である。
【
図14】本開示の一態様による、ワクチン接種システムのワクチン送達装置の概略斜視図である。
【
図15】本開示の一態様によるシャトルアセンブリの概略斜視図である。
【
図16】本開示の一態様によるワクチン送達アセンブリの概略斜視図である。
【
図17】
図16のワクチン送達アセンブリの分解斜視図である。
【
図18】本開示の一態様による噴霧送達デバイスの概略断面図である。
【
図19】本開示の一態様による、ワクチン送達アセンブリとともに使用するための貯蔵容器アセンブリの斜視図である。
【
図20】本開示の一態様による、ワクチン送達アセンブリとともに使用するための貯蔵容器アセンブリの斜視図である。
【
図21】本開示の一態様による、ワクチン送達アセンブリとともに使用するための貯蔵容器アセンブリの斜視図である。
【
図22】線22-22に沿った、
図21の貯蔵容器アセンブリの断面図である。
【
図23】本開示の別の態様による、若雌鶏にワクチン接種するためのワクチン接種システムの種々の斜視図である。
【
図24】本開示の別の態様による、若雌鶏にワクチン接種するためのワクチン接種システムの種々の斜視図である。
【
図25】本開示の一態様に従って若雌鶏にワクチン接種するためのワクチン接種システムの側面図である。
【
図26】本開示の一態様に従って若雌鶏にワクチン接種するためのワクチン接種システムの正面図である。
【
図27】本開示の一態様に従って若雌鶏にワクチン接種するためのワクチン接種システムの上面図である。
【
図28】本開示の一態様による、解放位置に到着した位置決めデバイスを示す、若雌鶏にワクチン接種するためのワクチン接種システムの断面斜視図である。
【
図29】本開示の一態様による、そこから若雌鶏を解放するために前方に回転させた位置決めデバイスを示す、若雌鶏にワクチン接種するためのワクチン接種システムの断面斜視図である。
【
図30】本開示の別の態様による、非作動位置にあるメインアクチュエータを有するワクチン送達アセンブリの斜視図である。
【
図31】本開示の別の態様による、作動位置にあるメインアクチュエータを有するワクチン送達アセンブリの斜視図である。
【
図32】本開示の別の態様による、ワクチン接種システムの位置決めデバイスの斜視図である。
【
図33】本開示の一態様による、第1の位置にあるサイズ調節アセンブリを有する
図32の位置決めデバイスの斜視図である。
【
図34】本開示の一態様による、第2の位置にあるサイズ調節アセンブリを有する
図32の位置決めデバイスの斜視図である。
【
図35】本開示の一態様による、運搬位置に回転した
図32の位置決めデバイスの斜視図である。
【
図36】本開示の一態様による、結合アセンブリと動作可能に係合した位置決めデバイスの斜視図である。
【
図37】本開示の一態様による、位置決めデバイスが若雌鶏を自動的に解放するための解放位置にある、ワクチン接種システムの断面斜視図である。
【
図38】本開示の一態様によるワクチン接種システムのユーザーインターフェース表示部の画像である。
【
図39】本開示の一態様によるワクチン接種システムのユーザーインターフェース表示部の画像である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
これ以降、全てではないが、いくつかの本開示の態様が示される添付の図面を参照して、本開示の種々の態様をより詳細に説明する。実際に、本開示は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される態様に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの態様は、本開示が適用されるべき法的必要条件を満たすように提供される。図面を通して、同様の数字は、同様の要素を指している。
【0015】
いくつかの態様によれば、本開示は、例えば、若雌鶏等の鳥類にワクチンを送達するためのシステム、アセンブリ、及び自動化方法を対象とする。本明細書に開示される態様は、鳥類にワクチンを送達することに関連した効率を向上させるための自動化ソリューションを提供する。例えば、本開示の態様は、自動化手段によって複数の異なるワクチン接種を同時に実施することを可能にし得る。さらに、本開示の態様はまた、ワクチン接種手順に鳥類を供することを含む、種々の目的で鳥類を供するための改良された手段も提供する。加えて、本開示の開示は、商業的に実現可能な様式で鳥類のワクチン接種スループットの向上を提供し得る。
【0016】
図1に示されるように、ワクチン接種システム1は、自動順番待ち様式で若雌鶏等の鳥類にワクチン接種するために提供され得る。いくつかの態様によれば、ワクチン接種システム1は、一般的に、運搬アセンブリ200、ワクチン送達アセンブリ400(いくつかの場合において、ワクチン送達装置500の一部として提供されてもよい)、及び複数の位置決めデバイス600を含んでもよい。
図6に示されるように、1人以上の操作者5が積載ゾーン10において位置決めデバイス600内に若雌鶏を積載することができる。各位置決めデバイス600が、方向15において、運搬アセンブリ200の周辺でワクチン送達アセンブリ400の近傍に運搬され得るように、位置決めデバイス600は運搬アセンブリ200と係合し得る。それぞれの位置決めデバイス600がワクチン送達アセンブリ400に到達すると、若雌鶏は、例えば、ワクチン送達アセンブリ400によって実施されるワクチン送達手順等の1つ以上の注射手順を経ることができる。いくつかの場合において、ワクチン送達アセンブリ400によって複数のワクチンが同時に若雌鶏に送達されてもよい。
図1は、8つの位置決めデバイス600を有するワクチン接種システム1を示しているが、本開示はいずれか特定の数の位置決めデバイス600に限定されるものではないことを理解されたい。明確にする目的で、
図3〜5は、運搬アセンブリ200と係合する単一の位置決めデバイス600のみを示している。
【0017】
いくつかの態様によれば、ワクチン送達アセンブリ400は、嵌合位置20と解放位置25との間で移動可能であってもよい。この点に関して、運搬アセンブリ200上における位置決めデバイス600の連続運動を可能にするために、ワクチン送達アセンブリ400は、嵌合位置20と解放位置25との間で移動または振動可能であってもよい。その目的のために、ワクチン送達手順が実施され得るように位置決めデバイス600がワクチン送達アセンブリ400の近傍で停止される必要がないことから、ワクチン接種システム1のスループットが向上され得る。当然ながら、本開示の態様は、位置決めデバイス600
の連続的な運搬に限定されるものではなく、いくつかの場合において、若雌鶏へのワクチン送達手順の実施の間、ワクチン送達アセンブリ400に対して各位置決めデバイス600を停止または一時停止させることが望ましい場合がある。
【0018】
位置決めデバイス600の連続運動が所望される場合、各位置決めデバイス600は、位置決めデバイス600がワクチン送達アセンブリ400と嵌合する嵌合位置20に若雌鶏を運搬してもよく、次いで、位置決めデバイス600が解放位置25に到達するまでそれと一緒に移動し、その時点で、ワクチン送達アセンブリ400が嵌合位置20に戻り、次の位置決めデバイス600と係合する。嵌合位置20と解放位置25との間で、若雌鶏がワクチン送達手順に供され得る。ワクチン送達手順を経て、解放位置25を通過した後、若雌鶏は、位置決めデバイス600から手動または自動で積降されてもよく、これにより、位置決めデバイス600が積載ゾーン10に到達したときに別の若雌鶏の積載に利用可能となる。
【0019】
図2〜5に示されるように、1人以上の操作者が機器周辺で運搬アセンブリ200を移動させることができるように、運搬アセンブリ200は可搬式であってもよい。この点に関して、運搬アセンブリ200は、運搬アセンブリフレーム206に連結されるか、または別様に接続された1つ以上のハンドル202及び車輪204を含んでもよい。いくつかの場合において、運搬アセンブリ200の重量を操作者が取り扱うことができる範囲内に維持する一方で、付加的に耐腐食性を提供するために、運搬アセンブリフレーム206は、アルミニウムで構築されてもよい。移動中の運搬アセンブリ200の構成要素から安全な距離に操作者を維持するために、積載ゾーン10の側で安全レール208が運搬アセンブリフレーム206に装着されてもよい。運搬アセンブリ200が出入り口または他の限られた空間を通って通過できるようその全体的な幅を縮小するために、安全レール208は、格納可能または着脱可能であってもよい。
【0020】
いくつかの態様によれば、運搬アセンブリ200は、位置決めデバイス600を運搬アセンブリ200の周辺で誘導するためのガイドシステム240を含んでもよく、これにより、位置決めデバイス600は、鳥類を受容するために積載ゾーン10間で移動し、次いで、前の鳥類のワクチン接種及び積降後、さらなる鳥類の積載のために積載ゾーン10に戻ることができる。この点に関して、運搬アセンブリ200は、積載ゾーン10内の1つ以上の手動積載ステーションから単一のワクチン接種ステーションに連続的に鳥類を運搬することができる。ガイドシステム240は、運搬アセンブリフレーム206によって支持される内側ガイドレール242及び外側ガイドレール244を有するガイドレールシステムを含んでもよい。内側ガイドレール242及び外側ガイドレール244は、強度及び耐腐食性を提供するために金属(例えば、ステンレススチール)で構築されてもよい。ガイドシステム240は、位置決めデバイス600に連結されたキャリッジアセンブリ700(
図11)と係合または相互作用するように構成されてもよく、ガイドシステム240は、運搬アセンブリ200の周辺における位置決めデバイス600の安定した誘導を促進することが可能であり得る。
【0021】
運搬アセンブリ200は、ガイドシステム240の周辺で、または別様に運搬アセンブリ200の周辺で位置決めデバイス600を移動させるための手段を含んでもよい。例えば、
図7に示されるように、運搬アセンブリ200は、若雌鶏を運搬するために位置決めデバイス600を移動させるためのコンベヤーアセンブリ275を含んでもよい。いくつかの場合において、コンベヤーアセンブリ275は、動力駆動式ベルト280を有するベルトコンベヤーアセンブリであってもよく、駆動ベルト280は、例えば、電力または水力等の任意の適切な動力手段によって駆動されてもよい。駆動ベルト280の運動がガイドレールアセンブリ700及び/または位置決めデバイス600を運搬アセンブリ200の周辺で移動させるように、ガイドレールアセンブリ700及び/または位置決めデバイス
600は、ベルト280に締結された連結手段(例えば、連結デバイス282)を使用してコンベヤーアセンブリ275(例えば、駆動ベルト280)に取り付けられるか、締結されるか、または別様に連結されてもよい。対応する結合手段(例えば、結合デバイス715)が、キャリッジアセンブリ700または位置決めデバイス600上に提供されてもよく、連結デバイス282と固定的に係合するように構成されてもよい。そのため、ガイドレールアセンブリ700は、駆動アセンブリ(例えば、ギヤモータアセンブリ)、及び関連する滑車284を有する滑車セットによって駆動され得る駆動ベルト280に接続されてもよい。この点に関して、コンベヤーアセンブリ275は、1つ以上の手動積載ステーションからワクチン送達アセンブリ400まで連続的に若雌鶏の移動を容易にすることができる。結合デバイス715は、機械的干渉があった場合に駆動ベルト280から位置決めデバイス600を離脱させるための解放手段を含んでもよい。
【0022】
運搬アセンブリ200のための動力は、適切な電気コネクタを使用したワクチン送達装置500からアンビリカル接続を用いて提供されてもよく、駆動アセンブリへの電力、関連する電子部品への電力/信号、及び緊急停止特性を提供するように用いられ得る。アンビリカル接続が形成されるように、1つ以上の接続箱が運搬アセンブリ200上に設置されてもよい。いくつかの場合において、運搬アセンブリ200は、アンビリカル接続なしには機能しない可能性がある。ワクチン送達アセンブリ400の運動と位置決めデバイス600の運動とのタイミングを合わせるために、電子エンコーダが駆動アセンブリ上に設置されてもよい。エンコーダは、適切なワクチン投与を促進するために位置決めデバイス600とワクチン送達アセンブリ400との間にアライメントを提供するために使用され得る。しかしながら、位置決めデバイス600/キャリッジアセンブリ700とワクチン送達アセンブリ400との間の運動を同期化するために、任意の適切な手段が使用され得る。いくつかの場合において、ワクチン送達アセンブリ400の位置決めデバイス600における若雌鶏の存在を検出するため、及びワクチン送達手順を経た後に若雌鶏の適切な積降を検出するために、1つ以上のセンサが運搬アセンブリ200上に設置されてもよい。
【0023】
いくつかの態様によれば、運搬アセンブリ200は、ワクチン接種を行うためにワクチン送達装置500への物理的接続を必要とし得る。いくつかの場合において、そのようなドッキング接続は、1つ以上のドッキングデバイスによって達成することができる。例えば、ワクチン送達アセンブリ400の位置で、1つ以上の突出部材230が運搬アセンブリ200の側部に装着されてもよく、嵌合ソケット232が、ワクチン送達装置500の端部に装着されてもよい。ワクチン送達装置500が、嵌合ソケット232内に受容される突出部材230に向けて押されると、ワクチン送達装置500が、突出部材230によって垂直及び水平の両方で位置が合うように誘導され得る。突出部材230が嵌合ソケット232と係合した後にワクチン送達装置500を水平にするために、ジャッキアセンブリが提供されてもよい。さらに、運搬アセンブリ200及びワクチン送達装置500は、締め付けデバイス234を使用して連結してもよい。若雌鶏が下部に隠れるのを防ぐために、可撓性スカート525がワクチン送達装置500上に提供されてもよい。
【0024】
図11に示されるように、キャリッジアセンブリ700は、位置決めデバイス600をキャリッジアセンブリ700に装着するためのマウントプレート702を含んでもよい。
図10は、マウントプレート702と位置決めデバイス600との間の接続を示す。いくつかの場合において、位置決めデバイス600は、キャリッジアセンブリ700と枢動可能に係合してもよい。この枢動特性は、例えば、位置決めデバイス600からの若雌鶏の解放を補助することを含む種々の目的に用いられ得る。この点に関して、キャリッジアセンブリ700は、位置決めデバイス600をキャリッジアセンブリ700に対して、特にマウントプレート702に対して枢動または回転させることができるように、ヒンジ720及び関連するヒンジ締結具を含んでもよい。
【0025】
キャリッジアセンブリ700は、その全体的な構造を形成する種々のブラケットをさらに含み得る。ガイドシステム240に係合するように1つ以上の案内輪アセンブリが提供されてもよい。例えば、各々、2つの車輪708から形成される第1の案内輪アセンブリ704(分解された状態で示される)及び第2の案内輪アセンブリ706(組み立てた状態で示される)が、マウントプレート702の反対側の端部に提供及び締結されてもよい。キャリッジアセンブリ700が運搬アセンブリ200と係合すると、第1及び第2の案内輪アセンブリ704、706は、外側ガイドレール244に係合し得る。第3の案内輪アセンブリ710は、ガイドシステム240の内側ガイドレール242に係合するようにキャリッジアセンブリ700上に提供されてもよい。加えて、キャリッジアセンブリ700がガイドシステム240と係合したときに、内側ガイドレール242が第3の案内輪アセンブリ710とローラーガイドアセンブリ712との間にくるように、ローラーガイドアセンブリ712が提供されてもよい。この点に関して、キャリッジアセンブリ700は、ガイドシステム240においてビンディングなしで狭い放射状の範囲を横切る能力を提供する一方で、位置決めデバイス600に支持を提供するように、2つの枢動車軸及び1つの浮動車軸を有する3輪アセンブリとして提供されてもよい。キャリッジアセンブリ700は、キャリッジアセンブリ700のコンベヤーアセンブリ275への取り付けを容易にするために結合デバイス715をさらに含んでもよい。
【0026】
いくつかの場合において、本明細書において後に詳述されるように、ワクチン送達手順の間に位置決めデバイス600をワクチン送達アセンブリ400に連結して位置を合わせる際に補助となるように、磁気プレート730が、キャリッジアセンブリ700及び/または位置決めデバイス600上に提供されてもよい。この点に関して、磁気プレート730は、位置決めデバイス600をワクチン送達アセンブリ400に連結するための標的としての役割を果たし得る。
【0027】
いくつかの態様によれば、コンベヤーアセンブリ275によってガイドシステム240の周囲で駆動されると、ガイドレールアセンブリ700の運動に関連して、位置決めデバイス600が運搬アセンブリ200の周囲で移動されるように、位置決めデバイス600がキャリッジアセンブリ700に装着されてもよい。いくつかの場合において、
図8〜10に示されるように、位置決めデバイス600は、キャリッジアセンブリ700のマウントプレート702に装着され、適切なヒンジ、ブラケット、及び/または締結具を使用してそこに締結されることが可能なベースプレート602を含んでもよい。前述のように、いくつかの場合において、位置決めデバイス600は、若雌鶏の解放を補助するようにキャリッジアセンブリ700に枢動可能に接続されてもよいが、他の場合においては、位置決めデバイス600は、キャリッジアセンブリ700に固定の関係で取り付けられてもよい。
【0028】
位置決めデバイス600は、順番待ちの間及びワクチン送達手順の間に若雌鶏を快適に保持するように特別に構成されてもよい。さらに、位置決めデバイス600は、若雌鶏をワクチン送達手順のためにワクチン送達アセンブリ400に最適に供するように特別に構成されてもよい。一般に、位置決めデバイス600は、若雌鶏を、その翼を合わせてほぼ垂直に背の上に保持した、飛翔形態と同様の姿勢に位置付けるように構成されてもよい。脚をほぼ水平に真っ直ぐ後方に伸長した状態で、若雌鶏の頭部が下方かつ前方に位置付けられ得る。位置決めデバイス600の構成のために、若雌鶏の体重は、胸部の下で、大翼羽で、及び各脚で支持され得る。この点に関して、位置決めデバイス600は、若雌鶏に特に快適さを提供することができ、また、ワクチン送達手順の各ワクチン接種に最適な位置に身体を配置することができる。
【0029】
特定の一態様によれば、
図8〜10に示されるように、位置決めデバイス600は、一般的にホルダーフレーム604を含んでもよい。いくつかの場合において、位置決めデバ
イス600は、運搬アセンブリ200に取り付けられたときに位置決めデバイス600の運搬が可能であるように、
図35に示されるように、位置決めデバイス600の上部を折り畳み式で回転させることができるように締め付けられ得るまたは緩められ得る回転可能なノブ605を含んでもよい。位置決めデバイス600は、ベースプレート602から延在する一対以上のフレーム部材606、608を有してもよい。
【0030】
若雌鶏の胸部を支持するための胸部支持部610は、フレーム部材608から延在する1つ以上の胸部支持ブラケット612に接続されてもよい。いくつかの場合において、胸部支持部610は、若雌鶏の胸部を受容するための窪みまたは鞍形状を形成するように協働する個別の胸部支持部材614、616から形成されてもよい。しかしながら、他の場合において、胸部支持部610は、単一構造として形成されてもよい。いくつかの態様によれば、胸部支持部材614、616は、若雌鶏に注射するために針または他の注射デバイスを通過させることができる開口部618を画定し得る。
【0031】
若雌鶏の翼を実質的に直立した垂直位置に維持するために、翼載置部620が提供されてもよい。この点に関して、翼載置部620内に受容されるように、両翼を合わせてほぼ垂直に若雌鶏の背の上に保持することができる。翼載置部620は、フレーム部材608間から延在する翼載置プレート622に装着されてもよい。翼載置部620は、対向する指状構造を形成するように、各々が、他の翼載置ブラケット624に対して内側に延在する複数の柔軟部材626を有する一対の翼載置ブラケット624を含んでもよい。対向する柔軟部材626は、その間に若雌鶏の翼を受容するためのチャネル628を形成するように協働することができ、チャネル628は、柔軟部材626の突出方向に対して実質的に直角に延在する。この点に関して、翼は、折り目に沿って可撓性の対向する柔軟部材626の間に挿入され得、これにより、柔軟部材626が、翼を確実に把持して翼載置部620内に維持するように翼と相互に作用する。しかしながら、柔軟部材626は、位置決めデバイス600が積降位置に到達し、位置決めデバイス600がやや垂直を越えて回転すると、重力によって若雌鶏の翼が翼載置部620から引っ張られるような様式で構成されてもよい。いくつかの場合において、反対側の翼載置ブラケット624から延在する対向する柔軟部材626が頂点様構造を形成するように、柔軟部材626は、翼載置ブラケット624に対して角度を成してもよい。柔軟部材626は、必要に応じて種々の形状及びサイズで形成または成形されてもよく、また、例えば、シリコーン等の弾性特性を有する材料から構築されてもよい。
【0032】
いくつかの場合において、翼載置部620は、どちらの側でも鳥の翼膜にアクセスできるように両翼を直立位置に位置付けることができ、また一方では、柔軟部材626を用いて翼の移動を一方向に最小限に制限する。いくつかの態様によれば、
図32に示されるように、位置決めデバイス600が解放位置に回転したときに、重力に基づく若雌鶏の自動解放の補助となるように、翼載置ブラケット624の少なくとも1つが、ヒンジデバイス690にヒンジ連結されてもよい。ヒンジデバイス690は、ホルダーフレーム604に取り付けられるか、または別様に連結されてもよい。いくつかの場合において、ヒンジデバイス690は、ヒンジブラケット694によって画定される穴を通って延在し、翼載置ブラケット624のうちの1つに取り付けられたヒンジピン691を含んでもよい。また、ヒンジピン691が穴の中で横方向に移動するのを防止するために、翼が翼載置部620内に位置付けられたときにヒンジブラケット694を衝合するための、翼載置ブラケット624に取り付けられた変位ピン695も提供され得る。位置決めデバイス600を前方に回転させることによって鳥を解放すると、ヒンジピン691によって促進されて、翼載置ブラケット624は、ホルダーフレーム604から離れて枢動することができ、変位ピン695がヒンジブラケット694の面取り部696に沿って運搬され、そうすることにより、ヒンジピン691が穴の中で横方向に移動することできるため、翼載置ブラケット624もまた他の翼載置ブラケット624から離れて横方向に移動する。したがって、
位置決めデバイス600を解放位置に回転させたときに若雌鶏の解放条件を改善するために、ヒンジデバイス690は、翼載置ブラケット624の間の空間を広げるために使用され得る。
【0033】
いくつかの場合において、
図32に示されるように、翼載置部620は、翼膜のワクチン接種の間に翼が移動して離れるのを防止するための状況を作り出す翼分割機680を含んでもよい。そのような特徴は、柔軟な翼膜の皮膚のコンプライアンスのうちのいくつかを排除し得る一方で、翼膜の穿孔速度を改善する。分割機680は、翼を分割する突出部682を含んでもよい。
【0034】
若雌鶏の両脚を広げた状態に維持するために、一対の脚載置部630が提供されてもよい。脚載置部630は、若雌鶏の脚の脛を把持するように特別に構成されてもよい。脚載置部630は、フレーム部材608から延在する一対のフレームロッド607に接続された脚載置プレート632に装着されてもよい。各脚載置部630は、一対の脚載置ブラケット634を含んでもよい。各脚載置ブラケット634は、対向する指状構造を形成するように、他の関連する脚載置ブラケット634に対して内側に延在する複数の柔軟部材636を有してもよい。対向する柔軟部材636は、その間に若雌鶏の脚(例えば、脚の脛)を受容するためのチャネル638を形成するように協働することができ、チャネル638は、柔軟部材636の突出方向に対して実質的に直角に延在する。この点に関して、脚は、折り目に沿って可撓性の対向する柔軟部材636の間に挿入され得、これにより、柔軟部材636は、脚を確実に把持して脚載置部630内に維持するように脚と相互に作用する。しかしながら、柔軟部材636は、位置決めデバイス600が積降位置に到達し、位置決めデバイス600がやや垂直を越えて回転すると、重力によって若雌鶏の脚がそれぞれの脚載置部630から引っ張られるような様式で構成されてもよい。いくつかの場合において、反対側の脚載置ブラケット634から延在する対向する柔軟部材636が頂点様構造を形成するように、柔軟部材636は、脚載置ブラケット634に対して角度を成してもよい。柔軟部材636は、必要に応じて種々の形状及びサイズで形成または成形されてもよく、また、例えば、シリコーン等の弾性特性を有する材料から構築されてもよい。いくつかの態様によれば、
図32に示されるように、位置決めデバイス600が解放位置に回転したときに、重力に基づく若雌鶏の自動解放の補助となるように、脚載置プレート632に固定して取り付けられたコネクタ685が、ヒンジピン688を使用してヒンジ点687で脚支持ブラケット689にヒンジ連結されてもよい。
【0035】
位置決めデバイス600は、脚が脚載置部630内に位置付けられたときに若雌鶏の脚に支持を提供するための脚支持部640を含んでもよい。いくつかの場合において、脚支持部640は、脚載置プレート632から延在する脚支持ブラケット644に連結された一対の個別の脚支持部材642を含んでもよい。種々のサイズの若雌鶏に対応するよう位置調整が行われ得るように、脚支持部材642は、脚支持ブラケット644に調節可能に装着されてもよい。いくつかの場合において、脚支持部材642は、若雌鶏に注射するために針または他の注射デバイスを通過させることができる開口部646を画定し得る。
【0036】
本開示のいくつかの態様によれば、注射に最適な標的を供するために、脚支持部材642は、若雌鶏の脚領域の皮膚を拡張するように構成されてもよい。そのような標的の1つは、皮下注射の標的とされる鼠径ひだであってもよい。若雌鶏の脚の付け根の領域には、脚と下腹部の間に脚の運動を容易にする皮膚が存在する。脚の付け根は鼠径部と称され、横方向の脚位置によって皮膚が拡張されると、鼠径ひだとして知られる皮下空間が形成される。この点に関して、脚支持部材642は、若雌鶏の脚及び腹部を広げるように構成されてもよく、そうすることにより鼠径ひだへのアクセスを可能にする。脚支持部640は、皮下注射のために、脚載置部630と協働して鼠径ひだを脚支持部材642の上に広げることができる。脚支持部材642の上における鼠径ひだの形成は、皮下の深さに針を挿入
するための安全な角度を有利に提供し得る。
【0037】
いくつかの場合において、若雌鶏が脱走のために何かに脚を押し付けることができないように、脚支持部640は、若雌鶏の脚がその長さに沿って支持されないように構成されてもよい。脚支持部材642は、注射のために鼠径ひだへのアクセスを提供するように特別な形状であってもよい。この点に関して、脚支持部640が若雌鶏の脚または腹部に干渉しないように、脚支持部材642は、角度を成して離間されてもよい。いくつかの場合において、脚載置部630における把持のための脚の伸展は、脚支持部材642の上に鼠径ひだを横たわらせる。脚支持部材642は、接触することなく若雌鶏の下腹部の幅及び深さに対応するように脚支持ブラケット644から離間されてもよい。脚支持部材642の構成は、鼠径ひだの界面に対して直角に交わる望ましい針を可能にし得る。いくつかの場合において、脚支持部材642は、若雌鶏が適所から外れるのに十分なほど低く摺動することなく、正しい位置に配置されるように、脚皮膚停止部648を含んでもよい。
【0038】
本開示のいくつかの態様によれば、
図32〜35に示されるように、胸部支持部610及び脚支持部材642は、若雌鶏の胸部を支持し、それをワクチン標的として供する一方で、鼠径ひだへのアクセスを提供するために若雌鶏の脚を分割するために形成される単一ユニット1100内に一体化されてもよい。いくつかの場合において、若雌鶏の胸部注射(複数可)を行うために針または他の注射デバイスがそこを通過する必要がないため、そのような一体化された構成要素には開口部618が提供されてなくてもよい。
【0039】
胸部支持部610、翼載置部620、脚載置部630、及び脚支持部640は、ワクチン送達手順、または若雌鶏に関連する任意の他の手順、試験、もしくは評価に最適な位置に若雌鶏を供し、維持するように協働することができる。この点に関して、若雌鶏は、飛翔形態の位置と同様に位置付けられ得る。胸部支持部610、翼載置部620、脚載置部630、及び脚支持部640の間の空間関係は、産卵鶏とブロイラ/育種鶏との間の差に対応するため等、種々のサイズの若雌鶏に対応するように異なり得る。
【0040】
いくつかの場合において、位置決めデバイス600は、位置決めデバイス600内に維持された時に少なくとも部分的に若雌鶏の頭部に巻き付くシールドアセンブリ650を含んでもよい。シールドアセンブリ650は、若雌鶏の顔面領域または頭部領域に噴霧される物質(例えば、ワクチン)のオーバースプレーを含有するように提供されてもよい。また、シールドアセンブリ650は、位置決めデバイス600内への積載時に若雌鶏を落ち着かせるのに役立つ目隠しとして機能し得る。他の場合において、
図32〜35に示されるように、位置決めデバイス600は、標的とする噴霧ワクチン接種のために若雌鶏の頭部を位置付けるように構成される一方で、そのような噴霧されたワクチンのいかなるオーバースプレーも含有するようにも機能するチューブ670を含んでもよい。いくつかの場合において、チューブ670の端部は角度を成していてもよい。
【0041】
図32〜34に示されるように、種々のサイズの若雌鶏に対応するために、サイズ調節アセンブリ675が位置決めデバイス600上に提供されてもよい。サイズ調節アセンブリ675は、若雌鶏の頸部及び頭部に合わせてチューブ670への進入口672を再構成するように調節可能であってもよい。
図33及び34に示されるように、サイズ調節アセンブリ675の弓形部材676は、種々のサイズの若雌鶏を位置決めデバイス600内に適切に位置付けることができるように、進入口672の周囲で回転させることができる。弓形部材676は、一部分が欠けた部分環状部材であってもよい。
図33に示される位置決めデバイス600は、弓形部材676の位置が、若雌鶏の肩が進入口672の下部でホルダーフレーム604に届くことを可能にするため、小さめの若雌鶏に使用され得る。
図34に示される位置決めデバイス600は、弓形部材676の位置が、若雌鶏の肩が進入口672の下部でホルダーフレーム604に届くことを防ぐため、大きめの若雌鶏に使用さ
れ得る。サイズ調節アセンブリ675は、例えば、弓形部材676を所望の位置に繋止するための繋止ピンを含む、1つ以上の繋止デバイス678またはアセンブリを含んでもよい。
【0042】
本開示のいくつかの態様によれば、
図12及び13に示されるように、ワクチン接種システム1は、若雌鶏にワクチン送達手順が実施された後で位置決めデバイス600及びワクチン接種システム1から若雌鶏を自動的に解放するために、解放アセンブリ300等の解放手段を含んでもよい。いくつかの場合において、解放アセンブリ300は、運搬アセンブリ200に接続されるカム設備310から形成されてもよい。そのような場合、各位置決めデバイス600は、位置決めデバイス600を枢動させてそこからの若雌鶏の解放を容易にするために、カム設備310と相互作用するように構成される変位デバイス660を含んでもよい。その点に関して、変位デバイス660は、キャリッジアセンブリ700のマウントプレート702から離れて位置決めデバイス600を変位及び回転させるようにカム設備310と相互作用することができる。
【0043】
特定の一態様によれば、変位デバイス660は、ベースプレート602に接続された先割部材として構成されてもよく、カム設備310は、係合及び解放位置20、25の下流の積降位置で運搬アセンブリ200上に装着されるワイヤ状カムである。特定の一態様によるワイヤ状カムの遠回り経路を、
図4、5、12、及び13に示す。そのような場合、先割部材は、カムの形状によって上向きかつ外側に押され得、したがって、位置決めデバイス600をキャリッジアセンブリ700に取り付けるヒンジ720で位置決めデバイス600を回転させる。位置決めデバイス600の最大回転では、
図13に示されるように、操作者からの補助なしに、重力によって若雌鶏が位置決めデバイス600から引っ張られるように、位置決めデバイス600がやや垂直を越えていてもよい。いくつかの場合において、若雌鶏が位置決めデバイス600から解放されたときに落ちる可能性がある距離を短縮するために、傾斜台350が提供されてもよい。位置決めデバイス600が積降位置にあるとき以外に回転するのを防止するために、カバープレート(図示せず)が運搬アセンブリ200上に提供されてもよい。これは、操作者が枢動する位置決めデバイス600に対処する必要がないため、位置決めデバイス600内に若雌鶏を積載する間に特に有用であり得る。
【0044】
本開示のいくつかの態様によれば、
図14に示されるように、ワクチン送達装置500は、ワクチン接種システム1の制御、電力供給、及びワクチン送達機構を提供することができる。ワクチン送達装置500は、1人以上の操作者がワクチン送達装置500を移動することができるように、ワクチン送達装置500の操縦可能な車軸端部に車輪504及びハンドル506が提供されたフレーム502を有する可搬式のカート様構造を含んでもよい。
【0045】
ワクチン送達装置500及び運搬アセンブリ200の両方の電力は、可撓性電源コード及び適切なプラグ端部によって主電源から供給され得る。電力は、フレーム502に装着された電気エンクロージャ内で調節及び分配される。ワクチン接種システム1を制御するためのコントローラデバイスが、電気エンクロージャ内に装着されてもよい。いくつかの場合において、コンベヤーアセンブリ275を稼働させる空気制御部及び電力供給部及び可変周波数駆動部を収容するために、別個のエンクロージャが含まれてもよい。いくつかの場合において、種々のワクチン送達機構を操作するため圧縮空気が使用されてもよく、またワクチン送達装置500上に装着された内蔵型の空気圧縮機510によって供給されてもよい。表示デバイス520は、ワクチン送達装置500の上部のエンクロージャ内に装着されてもよい。表示デバイス520は、例えば、現在の動作パラメータを表示することができ、また、ワクチン接種システム1全体を制御するために、操作者が適切なワクチン送達手順、コンベヤーアセンブリ275の速度等を選択する手段も提供し得る。いくつか
の場合において、エンクロージャは、電力、開始、停止、及び緊急停止特徴部のためのボタンを収容し得る。いくつかの場合において、色分けされたシステム状況インジケータライト530がワクチン送達装置500に装着されてもよい。いくつかの態様によれば、コントローラデバイスは、若雌鶏が重複したワクチン接種を受けることを防止するために、記録管理、集計、データ収集及び分析等が可能であってもよい。
【0046】
例えば、ワクチン等の治療物質は、ワクチン接種デバイスの数に応じて、1つ以上の流体送達システム150によってワクチン送達アセンブリ400の種々のワクチン送達デバイスに供給されてもよい。流体送達システム150は、ワクチン接種デバイスに流体を供給するための任意の好適な手段もしくは機構、またはその組み合わせを含んでもよい。そのような流体送達システム150は、例えば、蠕動ポンプ、ダイヤフラムポンプ、または任意の他の種類の流体ポンプを含んでもよい。いずれの場合でも、流体送達システム150は、ワクチン送達装置500の上に装着されてもよく、好ましくは、送達チューブ内の潜在的なワクチンの無駄を最小限に抑えるために、ワクチン送達アセンブリ400にできるだけ近く装着される。各流体送達システムのためのワクチン供給貯蔵容器は、流体送達システムに有益なヘッド部を提供するために、関連するポンプ入口の上に位置付けられてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態によれば、ワクチン送達装置500は、ワクチン送達アセンブリ400を含んでもよい。この点に関して、ワクチン送達アセンブリ400は、運搬アセンブリ200と適切に係合するためにその近傍に容易に運搬され得るように、ワクチン送達装置500の上に装着されてもよい。いくつかの場合において、ワクチン送達アセンブリ400は、ワクチン接種システム1の動作中は静止していてもよく、各位置決めデバイス600が、それによって運ばれる若雌鶏がワクチン送達アセンブリ400によって実施されるワクチン送達手順を経ることができるように、ワクチン送達アセンブリ400の近傍に送達され、次いで停止され得る。
【0048】
しかしながら、他の場合において、前述のように、位置決めデバイス600が、停止することなく、運搬アセンブリ200の周辺で連続的に移動できるように、ワクチン送達アセンブリ400は、位置決めデバイス600とともに移動可能であってもよい。この点に関して、ワクチン送達装置500は、フレーム502の上に装着されたシャトルアセンブリ800を含んでもよい。シャトルアセンブリ800は、幾分振動しながら、嵌合位置20と解放位置25との間を往復してワクチン送達アセンブリ400を移動させるように構成されてもよい。そのため、ワクチン送達アセンブリ400は、嵌合位置に到達すると、それぞれの位置決めデバイス600とともに移動するように同期化されてもよい。
【0049】
位置決めデバイス600とワクチン送達アセンブリ400との間の適切な嵌合及びアライメントを確実にするために、ワクチン接種システム1は、1つ以上のアライメントアセンブリを含んでもよい。位置決めデバイス600/キャリッジアセンブリ700をワクチン送達アセンブリ400と物理的に連結及び嵌合させるために、例えば、作動可能な部材490、例えば、ピンアセンブリ等を外側に延在するように作動させて、位置決めデバイス600またはキャリッジアセンブリ700の嵌合部材に係合させてもよい。別の例として、ワクチン送達アセンブリ400は、キャリッジアセンブリ700をワクチン送達アセンブリ400に非接触様式で連結及び嵌合させるために、キャリッジアセンブリ700の磁気プレート730と相互作用するように作動されることが可能な電磁連結デバイス495を含んでもよい。
【0050】
図15に示されるように、シャトルアセンブリ800は、ワクチン送達アセンブリ400が装着され得るシャトルプラットホーム802を含んでもよい。シャトルプラットホーム802は、適切な駆動アセンブリによって直線的に駆動され得、それは、いくつかの場
合において、例えば、リニアテーブルを駆動するリニアモータもしくはロータリーサーボ、または位置決めデバイス600と調和して移動するための他の好適な駆動手段を含み得る。この点に関して、コントローラデバイスは、位置決めデバイス600とともにワクチン送達アセンブリ400を移動させるために、コンベヤーアセンブリ275の駆動アセンブリからエンコーダ信号を受信して、そのエンコーダ信号をシャトルアセンブリ800の駆動手段への駆動信号に変換するように構成されてもよい。シャトルプラットホーム802は、1つ以上のシャフト808に沿って、ベースプレート806に装着された端部プレート804の間を往復して移動するように構成されてもよい。
【0051】
本開示の種々の態様によれば、ワクチン送達アセンブリ400は、若雌鶏が位置決めデバイス600内に維持されている間に、1つ以上の治療物質(例えば、ワクチン、栄養補助剤等)をワクチン送達手順に従って若雌鶏に提供することが可能であり得る。この点に関して、ワクチン送達アセンブリ400は、若雌鶏に治療物質を注射する、噴霧する、または別様に送達することが可能な1つ以上のワクチン接種デバイスを含んでもよい。いくつかの場合において、ワクチン送達装置500のコントローラデバイスは、カスタマイズされたワクチン送達手順を可能にするために、ワクチン送達アセンブリ400の特定のワクチン接種デバイスを有効及び無効にすることが可能であり得る。すなわち、ワクチン接種デバイスのいずれか1つ、組み合わせ、または全てが、動作のために選択され得る。複数の治療物質が使用され得るように、治療物質は、各ワクチン接種デバイスに個別に供給され得る。いくつかの場合において、治療物質の注射または送達は同時に行われてもよく、他の場合においては、治療物質の注射または送達は連続的に行われてもよい。
【0052】
特定の一態様によれば、
図16及び17に示されるように、ワクチン送達アセンブリ400は、2つの別個の筋肉内胸部注射、2つの別個の翼膜注射または各翼と体の側面との間の弛緩した皮膚を通る穿刺、皮膚の鼠径ひだへの2つの皮下注射、ならびに目の周りの粘膜を通して摂取、吸入、及び吸収される若雌鶏の顔面領域への1つの噴霧塗布を含む、若雌鶏に対する7つのワクチン接種を実施するように特別に構成されてもよい。本開示は、例示される特定の構成に限定されるものではなく、1つの例示的な実施形態として提供されているに過ぎないということを理解されたい。ワクチン接種デバイスが位置決めデバイス600以外の異なるデバイス(すなわち、ワクチン送達アセンブリ400)上に存在するため、位置決めデバイス600の中に到達して治療物質を送達するための自動化手段及び機構が必要とされ得る。
【0053】
特定の一態様によれば、ワクチン送達アセンブリ400は、ワクチン送達フレーム402に接続され、若雌鶏の翼膜に治療物質を送達することが可能な、一対の翼膜注射デバイス410を含むことができる。各翼膜注射デバイス410は、治療物質で湿潤させた針424を用いて翼膜を穿刺するように空気圧で操作され得る。いくつかの場合において、翼注射デバイス410は、翼膜注射手順を実行するための3部作動アセンブリを含んでもよい。
図16は、完全に作動位置にあり、注射の準備ができた翼膜注射デバイス410を示す。翼膜キャリッジアセンブリ412は、第1のアクチュエータデバイス414(例えば、空気圧シリンダ)によって適切な高さまで持ち上げられてもよい。針ホルダアセンブリ420を翼膜の近傍に位置付けるために、翼膜キャリッジアセンブリ412のワクチン接種器アーム416を、第2のアクチュエータデバイス418(例えば、空気圧シリンダ)を介して翼膜の場所の近傍位置に回転または関節運動させることができる。
図17は、非作動位置にあるワクチン接種器アーム416を示す。湿潤させた翼膜針424は、次いで、若雌鶏の翼膜皮膚を穿刺して若雌鶏の皮膚内に治療物質を引き込むために、第3のアクチュエータデバイス426(例えば、空気圧シリンダ)によって延出させることができる。
【0054】
図19〜22に示されるように、貯蔵容器アセンブリ425は、使用済みバイアルの迅速
な交換プロセスを容易にするために、針ホルダアセンブリ420に治療物質のワクチンバイアル422(
図16)を保持してもよい。貯蔵容器アセンブリ425は、ワクチン物質をその元々の容器(すなわち、ワクチンバイアル422)から注出する必要性を回避するために、針424の誘導を提供し、ワクチン物質を針424上に充填し、ワクチンバイアル422を受容して保持することができる。その目的のために、貯蔵容器アセンブリ425は、そこを通る針424が貯蔵容器423内に含有されたワクチン液を通過させることによって湿潤されるよう誘導するために、貯蔵容器423を画定するとともに、その各端部の一対の穴428も画定する貯蔵部427を含んでもよい。この点に関して、針424の側面のポケットまたは溝(図示せず)内へのワクチン物質の充填は、針424が重力流によって自然にワクチンバイアル422からのワクチン物質で充填された貯蔵容器423を通過することによって対応可能であり得る(すなわち、そこからワクチン物質が貯蔵容器423内へ自然に流れ込むようにバイアルは逆さまである)。貯蔵部427はまた、
図16に示されるように、針424の周囲からのワクチン液の滴下を防止するために、針424周辺の密閉手段としても機能し得る。貯蔵容器アセンブリは、ワクチンバイアル422の貯蔵容器アセンブリ425への取り付けを容易にするための連結部429をさらに含んでもよい。したがって、ワクチンバイアル422の受容及び保持は、連結部429によって達成され得、これは、いくつかの場合において、翼膜注射に使用されるワクチン物質を含有する標準的なワクチンバイアル422のネック部に直接適合するように成形されてもよい。ワクチンバイアル422は、蓋を外して、連結部429上に回して適合され得る。
【0055】
ワクチン送達アセンブリ400は、ワクチン送達フレーム402に接続され、若雌鶏の胸部に治療物質を送達することが可能な、一対の筋肉内注射デバイス430を含んでもよい。いくつかの場合において、位置決めデバイス600がワクチン送達アセンブリ400と嵌合したときに、筋肉内注射デバイス430を異なる位置に移動させる必要がないように、筋肉内注射デバイス430は、若雌鶏の位置付けに関して静止状態であってもよい。各筋肉内注射デバイス430は、例えば、胸部支持部610の下に延在するアクチュエータ431(例えば、空気圧シリンダ)の作動によって、若雌鶏の胸筋内に駆動され得る注射器用針を有する筋肉内注射器アセンブリ432を含んでもよい。注射器用針は、胸筋に注射するために、それぞれの胸部支持部材614、616によって画定される開口部618内を通過することができる。
【0056】
ワクチン送達アセンブリ400は、ワクチン送達フレーム402に接続され、若雌鶏の鼠径ひだに治療物質を送達することが可能な、一対の皮下注射デバイス450を含んでもよい。いくつかの場合において、位置決めデバイス600がワクチン送達アセンブリ400と嵌合したときに、皮下注射デバイス450を異なる位置に移動させる必要がないように、皮下注射デバイス450は、若雌鶏の位置付けに関して静止状態であってもよい。各皮下注射デバイス450は、例えば、アクチュエータ451(例えば、空気圧シリンダ)の作動によって、若雌鶏の鼠径ひだ内に挿入され得る注射器用針を有する皮下注射器アセンブリ452を含んでもよい。注射器用針は、それぞれの胸部支持部材614、616によって画定される開口部618内を通過することができる。
【0057】
筋肉内注射デバイス430及び皮下注射デバイス450は、ルアーロックフィッティング及びルアーロック針を用いてチューブの容易な挿入及び除去を可能にするように構成され得る。
【0058】
ワクチン送達アセンブリ400は、ワクチン送達フレーム402に接続され、若雌鶏の顔面領域に治療物質を送達することが可能な、噴霧送達デバイス470を含んでもよい。いくつかの場合において、噴霧送達デバイス470は、例えば、空気圧式アクチュエータ(例えば、空気圧シリンダ)を使用して空気圧によって操作され得る。この点に関して、
噴霧送達アセンブリ470は、位置決めデバイス600がワクチン送達アセンブリ400と嵌合したときに、若雌鶏の頭部または顔面領域の近傍に噴霧アセンブリ472を延出させるように空気圧によって操作されるシリンダ474に装着された噴霧アセンブリ472を含んでもよい。噴霧送達デバイス470は、噴霧アセンブリ472に支持を提供するための1つ以上の支持ロッド478を含んでもよい。
【0059】
噴霧アセンブリ472は、治療物質を噴霧として若雌鶏の顔面領域に送達するように構成される1つ以上のノズル口476を有してもよい。
図18に示されるように、各ノズル口476の中には、ノズル挿入アセンブリ480が位置付けられ得る。ノズル挿入アセンブリ480をノズル口476内に保持する一方で、気密手段も提供するために、ノズル挿入アセンブリ480の周囲に1つ以上の弾性環状部材475(例えば、Oリング)が提供されてもよい。いくつかの場合において、ノズル挿入アセンブリ480は、ノズル本体481及びノズル部材482から形成されてもよい。ノズル本体481は、ノズル部材482の少なくとも一部を受容するための空洞483を画定し得る。空洞483は、噴霧アセンブリ472のマニホールドブロック473によって画定される空気通路484と流体連通していてもよい。ノズル本体481は、噴霧送達デバイス470から分散されるワクチン液の分散の制御を補助するように構成される分散ノズル485を含んでもよい。ノズル本体481は、その外部周辺から延在するチャネル486を画定することができ、空洞483に流体的に空気を連通させたときに空気通路484と穴487とのアライメントが必要ではないように、チャネル486内の1つ以上の穴487をさらに確定する。ノズル部材482は、ノズル挿入アセンブリ480がコネクタ端部489でワクチン液供給源に接続されたときに、ノズル部材482の流体通路491を通って送達されるワクチン液を分散するためのノズル先端部488を含んでもよい。
【0060】
動作において、ワクチン液は圧力下でノズル先端部488に提供され得、流体は、所望の圧力及び所望の液滴サイズで噴霧形態のワクチン液を送達するように、分散ノズル485で提供される圧縮された空気と相互作用する。この点に関して、ノズル挿入アセンブリ480は、比較的低い圧力で、所望のサイズ分布及び適切なサイズの噴霧パターンの液滴を噴霧するように特別に構成されてもよい。例えば、噴霧アセンブリ472は、約100μm以上の粒子径を有する100μLの量の液滴形態のワクチンを送達することができる。廃棄可能性及び低コストは、ワクチンによって湿潤されるノズル挿入アセンブリ480を有することによってのみ達成され得る。ノズル挿入アセンブリ480は、所定の数のワクチン接種後やシフトの終わり等に廃棄され得る。この場合、マニホールドブロック473及び他の支持構成要素は、ワクチンに曝露されていない可能性があり、従って再利用され得る。ノズル挿入アセンブリ480に接続されるのは、少量のワクチン用量の正確な送達が可能な流体ポンプシステムであってもよい。いくつかの場合において、空気流の導入は、ノズル先端部488及び分散ノズル485等のワクチンと空気流を混合する地点で流体経路に直交してもよい。
【0061】
いくつかの態様によれば、ワクチン送達アセンブリ400は、シャトルアセンブリ800の上に装着されてもよい。この点に関して、ワクチン送達アセンブリ400のベースプレート404は、シャトルプラットホーム800に取り付けられてもよい。ワクチン送達アセンブリ400は、ベースプレート404に取り付けられた一対の側方プレート406を含んでもよい。ワクチン送達アセンブリ400は、種々のワクチン接種デバイスに適切な装着手段を提供するための種々の他のブラケット、プレート、スペーサ、または構造を含んでもよく、その適切な空間及び配向に特に注意を払う。
【0062】
本開示の別の態様によれば、
図23〜29に示されるように、ワクチン接種システム1は、統一されたアセンブリが使用され得るように、装着されたワクチン送達アセンブリ400及び位置決めデバイス600を有する回転板に基づく装置であってもよい。いくつか
の場合において、位置決めデバイス600は、運搬アセンブリ200上に均等に離間されてもよい。いくつかの場合において、運搬アセンブリ200は、カートフレーム900に装着された回転可能な装着設備950を含んでもよく、位置決めデバイス600は、結合アセンブリ975を介して回転可能な装着設備950に取り付けられてもよい。1つ以上の電気式/空気式エンクロージャ940が、ワクチン接種システム1の一部として提供されてもよい。位置決めデバイス600は、その数に関係なく、積載位置110、ワクチン接種位置120、及び解放位置130に回転することができる。積載に成功すると、所定のプロトコルに従って若雌鶏にワクチン接種できるように、若雌鶏をワクチン接種位置120に回転させることができる。次の若雌鶏が積載されると、前の若雌鶏を解放位置130に回転させて、人間が介入することなく、穏やかに床に解放することができる。回転可能な装着設備950は、そのような回転を促進するモータアセンブリ及び関連する構成要素によって駆動され得る。例えば、回転可能な装着設備950は、回転可能な装着設備950の下に装着されたサーボウォームギヤ減速機及び電気モータ(DC)によって駆動され得る。泥またはワクチンの漏れからギヤ減速機及びモータアセンブリを保護するために、カバープレート952が提供されてもよい。ワクチン接種システム1は、操作者が位置決めデバイス600の次の位置へと回転を開始することを可能にする、スイッチアーム954から延在するスイッチ956を含んでもよい。
【0063】
前述のように、ワクチン接種システム1は、若雌鶏にワクチン送達手順が実施された後、位置決めデバイス600からの若雌鶏の自動解放を促進するために解放アセンブリ300を含んでもよい。各位置決めデバイス600は、そこからの若雌鶏の解放を容易にするように位置決めデバイス600を枢動させるために、カム設備310と相互作用するように構成される変位デバイス660を含んでもよい。その点に関して、変位デバイス660は、カム設備310と相互作用することができ、いくつかの場合において、
図23、24、26、27、29、及び37に示されるように、装着設備950から離れた解放位置130で位置決めデバイス600を変位及び回転させるために、カートフレーム900の中または間に延在するロッドであってもよい。この点に関して、解放アセンブリ300は、解放位置130にある位置決めデバイス600が若雌鶏の自動解放のために前方に回転することを可能にする。
図28は、カム設備310との初期係合の間に解放位置130に回転する位置決めデバイス600を示す。
図28、29、及び37は、明確にする目的で、単一の位置決めデバイス600のみを示している。
【0064】
解放機構は、若雌鶏が床の高さ近くでその両足を穏やかに解放されるように、位置決めデバイス600を前方に回転させると重力によって開放するヒンジ連結された翼載置部620及びヒンジ連結された脚載置部630によって補助されてもよい。いくつかの場合において、位置決めデバイス600は、操作者によってスイッチ956が始動されるまで前方に回転された状態に留まってもよく、それによって、位置決めデバイス600が積載位置110に回転すると、位置決めデバイス600は、カム設備310に従ってその標準的な直立位置に戻る。
【0065】
位置決めデバイス600が積載位置110またはワクチン接種位置120に位置付けられたときに、変位デバイス660の制約された運動によって前方に反転または回転するのを防ぐために、保持デバイス960が提供されてもよい。若雌鶏の自動解放のために、位置決めデバイス600を前方に回転させるために変位デバイス660をカム設備310と係合させるために、保持デバイス960は、解放位置130に存在しなくてもよい。
【0066】
ワクチン接種システム1は、ホームセンサ965及び解放センサ970を含んでもよい。ワクチン接種プロトコルの初期開始時に、ワクチン接種システム1は、1つのステップで装着設備を回転させることによって自動ホーミング機能を行うことができる。ワクチン接種位置120のホームセンサ965は、位置決めデバイス600上でホームフラッグを
探して、ホーム位置(例えば、積載位置110)にリセットすることができる。解放センサ970は、不完全な設定に起因するワクチン接種システム1へのあらゆる考えられる損傷を防止するために、解放位置130にある位置決めデバイス600が、ワクチン接種システム1の初期稼働時に直立位置から正しい解放位置へと前方に回転されることを確実にするために使用され得る。解放センサ970は、位置決めデバイス600が正しい位置で検出されない場合に、ホーミングルーチンが実行されるのを防ぐことができる。
【0067】
いくつかの態様によれば、ワクチン接種システム1によって若雌鶏の体重測定も実行され得る。いくつかの場合において、体重測定は、若雌鶏がワクチン接種位置120にあるときに、またある場合においては、ワクチン接種サイクルまたはプロトコルの前に、行われてもよい。いくつかの場合において、2回の体重測定が行われてもよく、2回の測定の平均体重がデータロギングのためにコントローラに転送される。体重指標表示部980上に体重の指標が表示され得、ユーザ入力された閾値に基づいて、種々の色を用いて所定の体重閾値が達成されたかどうかが示され得る(例えば、緑色=平均、赤色=閾値超、黄色=閾値未満)。コントローラは、データ及び時間スタンプとともに、測定された体重データを記録することができる。生データがエキスポートされ得る。操作者は、体重の上限及び下限のユーザ閾値を入力する際、その日の初めにログファイルをクリアにするというオプションを有し得る。
【0068】
図28に示されるように、ワクチン接種システム1上に、若雌鶏の体重測定を行うことを可能にする重量計測デバイス985が提供されてもよい。例えば、ロードセルデバイス986またはひずみゲージデバイスが、ワクチン接種位置120でワクチン接種システム1に組み込まれてもよい。位置決めデバイス600は、ロードセルデバイス986の上部で直接停止してもよく、若雌鶏の体重が位置決めデバイスを下向きに偏向させ、これにより、ロードセルデバイス986と位置決めデバイス600(または結合アセンブリ975)との間の物理的相互作用を介してロードセルデバイス986によって体重が測定され得る。いくつかの場合において、各位置決めデバイス600は、ロードセルデバイス986と物理的に係合または相互作用するための突起603(
図36)を有してもよい。アーム支持部(複数可)987は、ロードセルデバイス986に横方向の力をかけることなく、位置決めデバイス600を正しい位置に誘導することができる。ロードセルデバイス986は、所定の最大体重まで種々の体重を支持することができる一方で、過剰積載に対して機械的に保護されている。ロードセルデバイス986は、コントローラに存在するエネルギー増幅器及び/または調節器と通信することができ、いくつかの場合において、300ミリ秒以内に2つの連続した体重測定値を収集することができる。
【0069】
コントローラは、2つの体重を平均化し、そのような情報をデータロギングのために転送することができる。コントローラは、次の位置決めデバイス600がワクチン接種位置120に到達するまで適切な体重指標表示部980を作動させることができ、若雌鶏の体重が、ユーザ入力された閾値を超えるか(赤色)、閾値内であるか(緑色)、または下回るか(黄色)を示す。生の体重測定値のデータエキスポートのために、防水USBポート990がHMIエンクロージャ995に提供されてもよい。体重測定特性は、ワクチン接種位置120にある位置決めデバイス600内における若雌鶏の非存在または存在を決定するために使用され得る。この点に関して、ワクチン接種システム1は、若雌鶏が存在しない場合にはワクチン接種が行われないように構成され得、それによってワクチンの漏れ及び無駄を防止する。
【0070】
いくつかの態様によれば、
図31に示されるように、ワクチン送達アセンブリ400は、筋肉内注射アクチュエータ461、皮下注射器アクチュエータ462、及び翼膜注射アクチュエータ463を、若雌鶏のそれぞれの身体部位の注射を可能にする位置に移動させることが可能なメインアクチュエータ460を含んでもよい。
図30に示されるように、
メインアクチュエータ460は、ワクチン接種プロトコルが終了すると後退することができ、全ての針及びアクチュエータは、それらの個々の後退位置に戻る。メインアクチュエータ460が作動されると、筋肉内及び皮下注射用の針が延出することができ、適切なポンプシステムが始動され、ワクチン接種プロトコルが開始される。メインアクチュエータ460は、ワクチン接種プロトコルを監視及び制御するための延出及び後退センサを装備してもよい。いくつかの場合において、筋肉内注射アクチュエータ461及び皮下注射器アクチュエータ462は、ワクチン接種プロトコルを監視及び制御するための延出センサを装備してもよい。
【0071】
メインアクチュエータ460の作動時に、翼膜注射アクチュエータ463は、位置決めデバイス600内に保持された若雌鶏の翼に向かって延出することができる。位置付けられると、翼膜注射デバイス410の針が、ワクチンを送達するために若雌鶏の皮膚を穿刺するように、翼膜針アクチュエータ464の作動時に延出することができる。いくつかの場合において、翼膜注射アクチュエータ463は、ワクチン接種プロトコルを監視及び制御するための延出及び後退センサを装備してもよい。いくつかの場合において、翼膜針アクチュエータ464は、ワクチン接種プロトコルを監視及び制御するための延出センサを装備してもよい。
【0072】
前述のように、ワクチン送達アセンブリ400は、チューブ670内に配置された若雌鶏の顔面領域に治療物質を送達するための噴霧送達デバイス470を含んでもよい。いくつかの場合において、噴霧送達デバイス470は、メインアクチュエータ460と近似的または同時に作動され得る噴霧デバイスアクチュエータ465を含んでもよい。
図31に示されるように、噴霧送達デバイス470は、ワクチンが若雌鶏の顔面に上向きに噴霧または送達され得るように、チューブ670の下に延在するようにガイド466によって運ばれてもよい。いくつかの場合において、噴霧デバイスアクチュエータ465は、ワクチン接種プロトコルを監視及び制御するための延出及び後退センサを装備してもよい。
【0073】
いくつかの場合において、
図27に示されるように、ワクチン接種システム1が配置される待機室は、ネット100によって非ワクチン接種側とワクチン接種側とに分割されてもよい。全ての若雌鶏は、最初に非ワクチン接種側に集められ得、ワクチン接種システム1は、積載位置110が非ワクチン接種側に、解放位置130がワクチン接種側にある状態で、2つの側の間に配置され得る。
【0074】
使用において、助手(膝をついているか、または座っている)は、非ワクチン接種側の床から若雌鶏を捕まえて、一方の手で両翼を抑え、他方の手で両足を抑えながら、積載者(積載位置110に立っている)にそれを手渡すことができる。次いで、積載者は、その頭部をチューブ670内に誘導してチューブ670にその肩を寄り掛からせ、胸部を胸部支持部610に寄り掛からせ、片手で翼を折り畳み、翼載置部620の柔軟部材626内に配置し、次いで、両手を用いて両脚を開かせ、脚載置部630の柔軟部材636の中に足を配置することによって、位置決めデバイス600内に若雌鶏を配置することができる。鳥が満足のいくように積載されると、積載者は、積載運動に直接続くスイッチ956を作動させて、ワクチン接種位置120、続いて解放位置130への若雌鶏の自動回転を開始させる。このプロセスは、ワクチンの補給が必要になるまで、または全ての若雌鶏がワクチン接種されるまで繰り返されてもよい。
【0075】
いくつかの態様によれば、ワクチン接種システム1は、ワクチン回数を記録することができ、ワクチンのレベルが所定レベルに達すると操作者に警告することができる(例えば、可聴または視覚警報)。
【0076】
図38及び39に示されるように、ワクチン接種システム1は、操作者に提示される様
々な情報を有し得るユーザーインターフェース1020を表示するための表示デバイス1000を含んでもよい。例えば、表示デバイス1000は、ワクチン接種位置にある若雌鶏の体重、またはワクチン送達アセンブリ400の特定の注射デバイスに残っている用量数を表示することができる。さらに、ユーザーインターフェース1020は、ワクチン接種システム1の動作を開始するために作動されることが可能であるか、または別様にさらなる機能もしくはアイコンにアクセスすることが可能な、1つ以上のアイコン1040を表示することができる。いくつかの場合において、ユーザーインターフェース1020は、操作者がアイコン1040を作動させるために触れることができるタッチスクリーンインターフェースであってもよい。
【0077】
本明細書に記載される本開示の多くの修正及び他の態様は、前述の説明及び関連する図面に提示される教示の利益を有する、本開示が関連する技術分野の当業者に想到されるであろう。例えば、位置決めデバイス600及びキャリッジアセンブリ700は、単一ユニットとして形成されてもよい。本明細書に記載されるように、位置決めデバイス600及びキャリッジアセンブリ700は、運搬、交換、洗浄のし易さ等を含む種々の理由から分離可能であり得る。したがって、本開示は、開示される特定の態様に限定されるのではなく、修正及び他の態様が、付属の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。本明細書において特定の用語が使用されているが、それらは、一般的かつ説明的な意味でのみ使用されるのであって、限定を目的とするものではない。