(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、このような人手によるリストの作成では、作業負担が多大になる上、誤りが生じ易くなる。
【0005】
ところで、コンテナを積載する貨車は、線路方向に延出して複数のコンテナを積載可能な台車本体と、台車本体の延出方向一端側に設けられたステップとを備えている。台車本体における複数のコンテナの積載位置には積載番号が付されている。積載番号は、台車本体の幅方向一方でステップから離れるに従って昇順に付され、台車本体の幅方向他方でステップから離れるに従って降順に付される場合がある。言い換えると、積載番号は、台車本体の幅方向他方では、幅方向一方に対して走行方向にて反転して付されている。
【0006】
従って、台車本体に5体のコンテナを積載して「1」〜「5」の積載番号を付す場合を例に挙げると、台車本体の幅方向一方ではステップに最も近い位置を「1」、最も遠い位置を「5」として各積載位置に順次積載番号が付される。また、台車本体の幅方向他方ではステップに最も近い位置を「5」、最も遠い位置を「1」として各積載位置に順次積載番号が付される。
【0007】
また、貨車が走行する路線においては、環状に延びる路線と、放射状に延びる路線との両方がある。このため、複数の貨車による編成で、走行方向前方にステップが位置する状態と、それとは逆に走行方向後方にステップが位置する状態とが混在することが多い。このように混在しても、上述のように台車本体の幅方向一方と他方とで反転した関係の積載番号を付すことで、全ての貨車における幅方向一方での積載番号の並び方向(増減方向)を統一し、且つ、幅方向他方でも積載番号の並び方向を統一している。
【0008】
ここで、本発明者は、コンテナの積載位置の管理負担を軽減するため、フォークリフトで貨車にコンテナを積載するときに、台車本体に付された積載番号を検知し、リスト作成を自動化することを検討した。しかしながら、貨車においては、台車本体の幅方向一方及び他方の両方からコンテナが積載されるので、例えば、同じ積載位置でも、幅方向一方では積載番号が「1」、幅方向他方では積載番号が「5」となり、該積載番号を利用することができなかった。そこで、本発明者は、更なる検討を行い、後述のように、台車本体に付された積載番号を検知しつつコンテナの積載位置を管理できるシステムを発明した。
【0009】
更に、本発明者は、貨車に対するコンテナの積載位置を管理できるシステムと同様に、トラックのシャーシを含む車両や船舶に対する運搬対象物の積載位置を管理できるシステムも発明した。
【0010】
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたもので、コンテナの積載位置の管理負担を軽減しつつ該積載位置を正確に管理することができる貨車のコンテナ積載位置管理システムを提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、運搬対象物の積載位置の管理負担を軽減しつつ該積載位置を正確に管理することができる運搬対象物積載位置管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の貨車のコンテナ積載位置管理システムは、鉄道の線路上を走行可能な貨車に荷役機械を介して積載される複数のコンテナの積載位置を管理するシステムであって、前記貨車は、線路方向に延出して前記複数のコンテナを積載可能な台車本体を備え、前記台車本体における前記複数のコンテナの積載位置に積載番号が付され、前記台車本体の幅方向一方では、前記台車本体の延出方向一端から他端に向かって前記積載番号が昇順または降順に付され、前記台車本体の幅方向他方では、幅方向一方に対して前記台車本体の延出方向にて反転して前記積載番号が付され、前記コンテナの識別情報を検知する識別情報検知部と、前記積載番号を検知する番号検知部と、前記荷役機械にて前記コンテナを積載する積載方向を検知する積載方向検知部と、前記各検知部からの検知結果と前記貨車の走行方向とを取得する設定部とを備え、前記設定部は、前記積載方向に前記コンテナを積載する前記荷役機械から見て前記貨車の手前側の前記積載番号が昇順または降順に並ぶ方向を求め、前記積載番号が降順に並ぶ方向と前記走行方向とが一致する場合、前記番号検知部で検知した前記積載番号を維持して前記識別情報と関連付け、前記積載番号が昇順に並ぶ方向と前記走行方向とが一致する場合、前記番号検知部で検知した前記積載番号を前記台車本体の延出方向にて反転して前記識別情報と関連付けることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、台車本体におけるコンテナの積載番号と、コンテナの識別情報とを検知して関連付けることで、コンテナの積載位置を簡単且つ短時間で自動的に管理することができる。しかも、台車本体の幅方向一方及び他方の両方から荷役機械で積載しても、荷役機械の積載方向と貨車の走行方向とに応じ、上述のように積載番号を維持または反転するよう変更することができる。これにより、検知したコンテナの積載番号に基づき、コンテナの積載位置を正確に管理することが可能となる。
【0014】
本発明の貨車の運搬対象物積載位置管理システムは、所定ルートを進行可能な車両又は船舶に荷役機械を介して積載される複数の運搬対象物の積載位置を管理するシステムであって、前記車両又は船舶は、進行方向に延出して前記複数の運搬対象物を積載可能な台車本体を備え、前記台車本体における前記複数の運搬対象物の積載位置に積載番号が付され、前記台車本体の幅方向一方では、前記台車本体の延出方向一端から他端に向かって前記積載番号が昇順または降順に付され、前記台車本体の幅方向他方では、幅方向一方に対して前記台車本体の延出方向にて反転して前記積載番号が付され、前記運搬対象物の識別情報を検知する識別情報検知部と、前記積載番号を検知する番号検知部と、前記荷役機械にて前記運搬対象物を積載する積載方向を検知する積載方向検知部と、前記各検知部からの検知結果と前記車両又は船舶の進行方向とを取得する設定部とを備え、前記設定部は、前記積載方向に前記運搬対象物を積載する前記荷役機械から見て前記車両又は船舶の手前側の前記積載番号が昇順または降順に並ぶ方向を求め、前記積載番号が降順に並ぶ方向と前記進行方向とが一致する場合、前記番号検知部で検知した前記積載番号を維持して前記識別情報と関連付け、前記積載番号が昇順に並ぶ方向と前記進行方向とが一致する場合、前記番号検知部で検知した前記積載番号を前記台車本体の延出方向にて反転して前記識別情報と関連付けることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、台車本体における運搬対象物の積載番号と、運搬対象物の識別情報とを検知して関連付けることで、運搬対象物の積載位置を簡単且つ短時間で自動的に管理することができる。しかも、台車本体の幅方向一方及び他方の両方から荷役機械で積載しても、荷役機械の積載方向と車両又は船舶の進行方向とに応じ、上述のように積載番号を維持または反転するよう変更することができる。これにより、検知した運搬対象物の積載番号に基づき、運搬対象物の積載位置を正確に管理することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、コンテナや運搬対象物の積載位置の管理負担を軽減しつつ該積載位置を正確に管理することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本発明は、下記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施することができるものである。以下の図においては、説明の便宜上、一部の構成を省略することがある。また、以下の実施の形態での各構成の向きは、一例にすぎず、任意の向きに変更することができる。
【0019】
先ず、
図1を参照して、実施の形態に係る貨車及び貨車のターミナルの一例について以下に説明する。
図1は、実施の形態に係る貨車及び貨車のターミナルの一例を平面視した概略図である。
図1に示すターミナル1には、
図1中左右方向に延出する鉄道の線路2が設けられている。ここで、本実施の形態では、線路2の
図1中左方向を上り方向とし、右方向を下り方向とする。また、方位として、
図1中上側を「北」、下側を「南」、左側を「西」、右側を「東」とする。
【0020】
図1においては、鉄道の線路2上に貨物列車3がコンテナ4を積載すべく停車している。ここで、線路2の延出方向が線路方向とされ、本実施の形態では線路方向が東西方向とされる。また、線路2を挟む両側となる北側及び南側それぞれに、フォークリフト等の荷役機械6(以下、「フォークリフト6」と称する)が1台ずつ配置されている。
【0021】
貨物列車3は、複数連結された貨車8と、かかる複数の貨車8の走行方向前方に連結される不図示の機関車とを備えている。貨車8は、機関車の駆動によって線路2上を走行可能とされる。
図1の貨物列車3は、一例として貨車8を3両としたが、更に増やしてもよい。なお、貨車8は動力がついているものでもよく、この場合の貨物列車3では機関車を省略できる。
【0022】
貨車8は、線路方向に延出して複数のコンテナ4を積載可能な台車本体8aと、台車本体8aの延出方向一端側に設けられたステップ8bとを備えている。貨車8において、ステップ8bが設けられる位置は台車本体8aの延出方向の何れか一端側となり、かかるステップ8bの設置位置にて貨車8の向きが線路方向にて何れとなるかが認識可能となる。従って、ステップ8bは、貨車8における方向指標部となる。なお、方向指標部は、ステップ8b以外の構成とする他、物理的な構成が存在していなくてもよく、貨車8個体が向きを持っていればよい。
【0023】
本実施の形態において、台車本体8aは5体のコンテナ4を積載可能に設けられ、それぞれのコンテナ4の積載位置(二点鎖線またはコンテナ4の実線にて図示)に積載番号が付されている。積載番号は、台車本体8aの延出方向に直交する方向となる幅方向(
図1中上下方向)両側に「1」〜「5」の順に付されている。そして、積載番号は、台車本体8aの幅方向一方と他方とで異なっており、台車本体8aの幅方向一方に対して他方では、台車本体8aの延出方向にて反転した並び順に付されている。具体的には、平面視した状態で、台車本体8aにおけるステップ8bの設置位置側を前、その反対側を後として見た場合、前を向いた状態での左側(幅方向一方)でステップ8bから離れるに従って昇順に「1」、「2」、「3」、「4」、「5」の積載番号が付されている。また、前を向いた状態での右側(幅方向他方方)でステップ8bから離れるに従って降順に「5」、「4」、「3」、「2」、「1」の積載番号が付されている。
【0024】
また、台車本体8aの各積載位置においては、その幅方向両側にIDタグ(不図示)が設けられ、各IDタグに対し積載番号に応じたID番号が付されている。例を挙げると、台車本体8aの同じ積載位置でも、幅方向一方で積載番号が「2」、幅方向他方で積載番号「4」と検知されるIDタグが設けられる。
【0025】
このように台車本体8aの幅方向両側に積載番号が付されることで、
図1に示すように、複数の貨車8のステップ8bの位置が変わっても、線路2の南側から見た場合の各貨車8における積載番号の並び順を揃えることができる。また、同様にして、線路2を北側から見た場合の各貨車8における積載番号の並び順も揃えることができる。
【0026】
フォークリフト6は、不図示のエンジンや運転席が配設される車両本体6aと、車両本体6aに対して駆動可能に設けられる2本の爪部材6bとを備えている。フォークリフト6は、
図1にて簡略化して図示する識別情報検知部61、番号検知部62、積載方向検知部63及び通信部64を備えている。特に限定されるものでないが、識別情報検知部61及び番号検知部62は、車両本体6aの前方(爪部材6b側)に設けられ、積載方向検知部63及び通信部64は車両本体6aの通信状態が良好な位置に設けられる。
【0027】
識別情報検知部61は、コンテナ4に設けられたIDタグからID番号を読み取ってコンテナ4の識別情報を検知する。識別情報は、複数のコンテナ4に対して区別し得る固有の情報が含まれる。識別情報検知部61は、フォークリフト6でコンテナ4を輸送すべく、爪部材6bをコンテナ4の下方に差し込んだときに、コンテナ4に接近してIDタグを読み取り可能に配設される。識別情報検知部61は、検知したコンテナ4の識別情報を通信部64に出力する。
【0028】
番号検知部62は、台車本体8aの各積載位置に設けられたIDタグから該積載位置に応じた積載番号を読み取って検知する。番号検知部62は、フォークリフト6でコンテナ4を輸送すべく、台車本体8aの各積載位置に接近したときに、該積載位置に設けられたIDタグを読み取り可能に配設される。番号検知部62は、検知した積載番号を通信部64に出力する。
【0029】
積載方向検知部63は、GPS衛星から発せられるGPS電波を受信するGPS信号受信装置によって構成される。積載方向検知部63は、フォークリフト6にて貨車8にコンテナ4を積載する積載方向を検知する。かかる積載方向は、フォークリフト6での積載時における爪部材6bの先端の向きを基準とする。本実施の形態における積載方向は、東西方向に延出する線路2との直交方向となる北方向(第1方向)または南方向(第2方向)となり、北方向は爪部材6bの先端が北方向及び北方向を中心とする所定角度範囲を含む。同様にして、南方向は爪部材6bの先端が南方向及び南方向を中心とする所定角度範囲を含む。本実施の形態では、線路2より南側の領域にてフォークリフト6でコンテナ4を積載する場合に積載方向が北方向、線路2より北側の領域にて積載する場合に積載方向が南方向となる。積載方向検知部63は、検知した積載方向を通信部64に出力する。
【0030】
通信部64は、後述する外部装置としてのサーバに対して通信する外部通信インターフェースによって構成される。通信部64は、サーバに対し、各検知部61〜63での検知結果を送信する機能を有する。
【0031】
続いて、実施の形態に係る貨車のコンテナ積載位置管理システムの構成について説明する。
図2は、実施の形態に係る貨車のコンテナ積載位置管理システムの全体構成を示す図である。なお、
図2では、本発明に関連する構成のみを示しており、それ以外の構成については省略している。
【0032】
図2に示すように、貨車のコンテナ積載位置管理システム10(以下、「管理システム」と称する)は、上述のようにフォークリフト6に設けられる識別情報検知部61、番号検知部62、積載方向検知部63及び通信部64を備えている。また、管理システム10は、サーバ20に設けられる設定部21を備えている。
【0033】
サーバ20は、フォークリフト6の通信部64から送信される各検知部61〜63での検知結果を受信する通信部22を備えている。また、サーバ20は、管理下にある各貨物列車3の運転情報を記憶及び管理する運転管理システム23を備えている。運転管理システム23は、その一機能として上記の設定部21と、各貨物列車3の運転情報を記憶する記憶部24とを備えている。
【0034】
記憶部24に記憶される情報としては、管理下にある各貨物列車3の列番がある。該列番は、一般に、偶数の場合に上り列車、奇数の場合に下り列車となり、列番を取得することで走行方向が上り方向から下り方向かを判別できる。
【0035】
記憶部24に記憶される他の情報として、貨車8の走行方向と、フォークリフト6によるコンテナ4の積載方向と、該積載方向にコンテナ4を積載するフォークリフト6から見て貨車8の手前側の積載番号の並ぶ方向との関係がある。本実施の形態では、積載方向が北方向の場合、上り方向となる走行方向と、フォークリフト6から見て貨車8の手前側つまり貨車8の南側の積載番号が降順に並ぶ方向とが同じとなる。また、積載方向が北方向の場合にて、下り方向となる走行方向と貨車8の南側の積載番号が昇順に並ぶ方向とが同じとなる。一方、積載方向が南方向の場合、下り方向となる走行方向と、フォークリフト6から見て貨車8の手前側つまり貨車8の北側の積載番号が降順に並ぶ方向が同じとなり、上り方向となる走行方向と貨車8の北側の積載番号が昇順に並ぶ方向とが同じとなる。このような積載方向、走行方向及び積載番号の並ぶ方向の関係を、例えば下記表1に示すテーブルとして記憶部24に記憶しておく。
【0037】
設定部21は、サーバ20の通信部22から各検知部61〜63での検知結果が出力されて該検知結果を取得する。また、設定部21は、記憶部24に記憶された貨物列車3の列番を読み出し、貨車8を含む貨物列車3の走行方向を取得する。具体的には、設定部21において、読み出した貨物列車3の列番が偶数の場合に走行方向を上り方向、奇数の場合に走行方向を下り方向とする処理が行われる。
【0038】
設定部21は、積載方向にコンテナ4を積載するフォークリフト6から見て貨車8の手前側の積載番号の並ぶ方向を求める。具体的には、設定部21は、記憶部24に記憶された表1のテーブルを読み出し、積載方向検知部63が検知した積載方向と、貨物列車3の列番から取得した走行方向とから積載番号の並ぶ方向を取得する処理が行われる。
【0039】
設定部21は、取得した貨車8における積載番号の並ぶ方向と、走行方向とを比較する。そして、設定部21は、積載番号が降順に並ぶ方向と走行方向とが一致する場合、番号検知部62で検知した積載番号を維持する処理を行う。つまり、上り方向に走行する貨車8の南側の積載番号と、下り方向に走行する貨車8の北側の積載番号とを維持する。一方、設定部21は、積載番号が昇順に並ぶ方向と走行方向とが一致する場合(表1参照)、番号検知部62で検知した積載番号を走行方向にて反転する処理を行う。よって、上り方向に走行する貨車8の北側の積載番号と、下り方向に走行する貨車8の南側の積載番号は「5」から「1」、「4」から「2」、「2」から「4」、「1」から「5」に変換され、「3」はそのままとされる。
【0040】
設定部21は、上記のように維持及び反転する処理を行った積載番号を、識別情報検知部61で検知したコンテナ4の識別情報と関連付け、記憶部24に記憶させる。
【0041】
このような実施の形態によれば、台車本体8aにおけるコンテナ4の積載番号と、コンテナ4の識別情報とを検知して関連付けることで、コンテナ4の積載位置の管理を簡単且つ短時間で自動的に行うことができる。かかる管理において、コンテナ4の識別情報と関連付けられる積載番号が貨車8(貨物列車3)の走行方向に応じて
図3に示すようになる。
図3においては、ステップ8bの位置が変わるように反転した貨車8が混在しても、貨車8の幅方向両側(北側及び南側)にて、貨車8の走行方向の前方から後方に向かって積載番号が順次増えるように管理することができる。
【0042】
これにより、台車本体8aの幅方向両側となる線路2の北側及び南側の両方からフォークリフト6で積載しても、コンテナ4の識別情報に関連付ける積載番号を統一することができる。これにより、記憶部24に記憶された積載番号に基づき、コンテナ4の積載位置を正確且つ迅速に把握することができ、その管理負担や積卸し作業の負担を軽減することができる。
【0043】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状、方向などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【0044】
例えば、識別情報検知部61及び番号検知部62は、IDタグを検知する構成に限定されるものでない。識別情報検知部61及び番号検知部62の検知対象は、バーコード等の画像認識可能な対象物や、赤外線認識可能な対象物にする等、種々の変更が可能であり、これに応じて各検知部61、62の構成も適宜変更される。
【0045】
また、積載方向検知部63は、上記実施の形態と同様に機能し得る限りにおいて、地磁気センサや方位磁針を用いる等、変更してもよい。
【0046】
また、一例として積載番号を「1」〜「5」とした場合を説明したが、特に限定されるものでなく、アルファベットや記号、或いは、それらと数字の組み合わせ等で台車本体8aの延出方向に順に並ぶ番号としてもよい。更に、積載番号の昇順及び降順にあっては、それらの順序が相対的に逆になる関係であればよく、例えば、数字の増減する順序が上記実施の形態と反対になっていてもよい。
【0047】
また、荷役機械は、貨車8にコンテナ4を積載できる機械であれば、フォークリフト以外の運搬車や電気式リフト、クレーンを用いる等、種々の変更が可能である。
【0048】
また、1台の台車本体8aに対するコンテナ4の積載数は、5体に限定されず、適宜増減され、それぞれのコンテナ4の大きさ及び形状は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0049】
また、上記実施の形態では、貨物列車3の貨車8に積載されるコンテナ4の積載位置を管理する場合について説明したが、これに限られるものでない。例えば、トラックのシャーシ等の車両に積載されるコンテナ等の運搬対象物の積載位置を管理する場合や、船舶に積載されるスチールラック等の運搬対象物の積載位置を管理する場合も、上記実施の形態と同様に積載位置を管理することができる。
【0050】
これらの場合には、上記実施の形態で線路を走行する貨車8に代え、所定ルートを進行する車両又は船舶が適用され、該車両又は船舶は、上記実施の形態の貨車8と同様に台車本体を備えて積載位置に積載番号が付されるものとする。かかる車両や船舶における運搬対象物の積載位置の管理においても、進行方向の前方から後方に向かって積載番号が順次増えるようにし、運搬対象物の識別情報に関連付ける積載番号を統一することができる。
【解決手段】管理システム(10)は、貨車(8)にフォークリフト(6)を介して積載される複数のコンテナ(4)の積載位置を管理する。貨車の台車本体(8a)における複数のコンテナの積載位置に積載番号が付される。台車本体の幅方向一方及び他方では、その延出方向にて反転して積載番号が昇順または降順に付される。管理システムは、積載番号を検知する番号検知部(62)と、フォークリフトにてコンテナを積載する積載方向を検知する積載方向検知部(63)と、設定部(21)とを備える。設定部は、積載方向にコンテナを積載するフォークリフトから見て貨車の手前側の積載番号が昇順または降順に並ぶ方向を求め、積載番号が昇順に並ぶ方向と走行方向とが一致する場合、検知した積載番号を走行方向にて反転してコンテナの識別情報と関連付ける。