【文献】
Chem. Pharm. Bull.,2012年,Vol.60, No.8,pp.1063-1066
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の1態様は、構造式Iの化合物:
【化4】
【0010】
の製造方法であって、構造式Iaの化合物:
【化5】
【0011】
を脱保護することを含む方法に関するものである。
【0012】
本発明の別の態様は、構造式Iaの化合物の製造方法であって、下記に示したようなB
oc−メシル−ピラゾールのトリフルオロ酢酸(TFA)Boc−脱保護及びBoc−ケ
トンによる還元的アミノ化を含むワンポット2段階一貫プロセスを含む方法に関するもの
である。
【化6】
【0013】
本明細書には、構造式Iaの化合物:
【化7】
【0014】
の製造方法であって、構造式1の化合物:
【化8】
【0015】
のTFAによるBoc脱保護及び
【化9】
【0017】
による還元的アミノ化を含む方法が記載されている。
【0018】
ある種の実施形態において、そのプロセスは一貫プロセスとして行われ、それは当該プ
ロセスが、構造式1及び式7の化合物の原料から進行して、いずれの中間体も単離するこ
となく式Ia又は式Iの化合物となることを意味する。
【0019】
ある種の実施形態において、本明細書に記載の方法はさらに、式Iaを結晶化させる段
階を含む。当該化合物の結晶化は、当業界で公知の方法を用いて行うことができる。
【0020】
本明細書に記載の方法で使用されるTFAの量は、反応を起こすのに十分なものでなけ
ればならない。使用されるTFAの量は、約1から5体積であることができる。本明細書
で使用される「体積」という用語は、本明細書に記載の方法ではBoc保護メシルピラゾ
ールであっても良い原料1gに対してTFA 1mLを指す。ある種の実施形態において
、使用されるTFAの量は約2から5体積である。他の実施形態において、使用されるT
FAの量は約3から5体積である。さらに他の実施形態において、使用されるTFAの量
は約1体積である。さらに他の実施形態において、使用されるTFAの量は約2体積であ
る。さらに他の実施形態において、使用されるTFAの量は約3体積である。さらに他の
実施形態において、使用されるTFAの量は約4体積である。さらに他の実施形態におい
て、使用されるTFAの量は約5体積である。
【0021】
具体的な実施形態において、使用されるTFAは無希釈であり、それは水その他の共溶
媒を使わないことを意味する。しかしながら、TFA及び共溶媒を含む溶媒系を用いるこ
とは可能である。ある種の実施形態において、少なくとも90%のTFA及び共溶媒を含
む溶媒系を用いることができる。ある種の実施形態において、約90から99.9%のT
FA及び共溶媒を含む溶媒系を用いることができる。ある種の実施形態において、共溶媒
は、約0.1から10%の量で存在することができる。共溶媒の例には水及びDMAcな
どがあるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
本明細書に記載の構造式Ia及びIの化合物の製造方法の一つの特徴は、本明細書に記
載の方法によって、既知の方法と比較して、構造式Ia及びIの化合物の収率が向上する
という点である。ある種の実施形態において、構造式Ia及びIの化合物の収率は、少な
くとも約80重量%である。他の実施形態において、構造式Ia及びIの化合物の収率は
少なくとも約85重量%である。他の実施形態において、構造式Ia及びIの化合物の収
率は少なくとも約90重量%である。他の実施形態において、構造式Ia及びIの化合物
の収率は少なくとも約95重量%である。
【0023】
本明細書に記載の式Ia及びIの化合物の製造方法の別の特徴は、本明細書に記載の方
法によって、既知の方法と比較して、改善されたジアステレオマー選択性の分子が得られ
るという点である。ある種の実施形態において、ジアステレオマー選択性は少なくとも2
0:1である。他の実施形態において、ジアステレオマー選択性は少なくとも25:1で
ある。さらに他の実施形態において、ジアステレオマー選択性は約30:1である。
【0024】
本明細書においては、構造式Iの化合物の製造方法も記載されている。本明細書に記載
のある種の実施形態において、構造式Iの化合物:
【化11】
【0025】
の製造方法は、
構造式1の化合物:
【化12】
【0026】
のTFAによるBoc脱保護;
【化13】
【0028】
による還元的アミノ化による構造式Iaの化合物:
【化15】
【0029】
の取得;並びに
構造式Iaの化合物のBoc基の除去
を含む。
【0030】
さらに、ある種の実施形態において、式Iの化合物の製造方法はさらに、Boc保護基
除去に先だって式Iaの化合物を結晶化することを含むことができる。
【0031】
本明細書においては、式I及び式Iaの化合物を製造するための中間体として用いられ
る式1及び式7の化合物:
【化16】
【0033】
ある種の実施形態において、構造式1の化合物は、下記の方法によって製造される。
【化17】
【0034】
本明細書に記載の方法のある種の実施形態において、式1の化合物は次のように製造さ
れる。第1に、プロパルギルアミン及びグリオキサールジメチルアセタールの還元的アミ
ノ化から化合物10を製造し、次に酸の存在下にジメチルアセタールを加水分解し、次に
メシル、ベシル若しくはトシルヒドラジド(H
2NNHR(R=Ms、Bs又はTs))
によってヒドラゾンを形成する。40から80℃での化合物10の塩基による処理及び適
宜に溶媒によって化合物12を得て、それを用いて式1の化合物とする。本発明の独立の
態様を形成する各段階について、下記で詳細に説明する。
【0036】
ある種の実施形態において、化合物8に到達するために、還元剤を、グリオキサールジ
メチルアセタール及びプロパルギルアミンの溶媒中混合物に加えた。好適な還元剤には、
水素化ホウ素トリアセトキシナトリウム(STAB)及び水素化ホウ素ナトリウム/アル
キル又はアリールカルボン酸混合物などがあるが、これらに限定されるものではない。好
ましい還元剤はSTABである。好適な溶媒には、エタノール、メタノール、アミルアル
コール、エチレングリコール、THF、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、
ジオキサン、トルエン、ジクロロベンゼン類、ジクロロメタン、メチルテトラヒドロフラ
ン(MeTHF)、アセトン、酢酸エチル(EtOAc)、アセトン、ジメチルホルムア
ミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)
、Ν,Ν−ジメチルアセトアミド(DMAc)、アセトニトリル(MeCN)、ジクロロ
エタン(DCE)及びイソプロパノールなどがあるが、これらに限定されるものではない
。好ましい溶媒はTHFである。
【0038】
ある種の実施形態において、化合物3(2,2−ジメトキシアセトアルデヒド)を介し
て化合物10に到達するために、化合物8をN−Boc保護試薬に加える。好適なBoc
保護試薬には、塩基性条件下で加えることができるBoc−無水物などがあるが、これら
に限定されるものではない。
【0039】
上記段階で化合物8をN−Boc保護試薬に加えると、N−Boc保護試薬は溶媒中と
しても良い。好適な溶媒には、エタノール、メタノール、アミルアルコール、エチレング
リコール、THF、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、ジオキサン、トルエ
ン、ジクロロフェニル、ジクロロメタン、メチルテトラヒドロフラン(MeTHF)、ア
セトン、酢酸エチル(EtOAc)、アセトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメ
チルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)、Ν,Ν−ジメチルア
セトアミド(DMAc)、アセトニトリル(MeCN)、ジクロロエタン(DCE)及び
イソプロパノールなどがあるが、これらに限定されるものではない。好ましい溶媒はTH
Fである。
【0040】
化合物3の溶媒中溶液に、弱酸又は緩衝酸を加える。好適な酸には、酢酸、FeCl
3
、及び他のルイス酸などがあるが、これらに限定されるものではない。pH調節後、メシ
ル、ベシル又はトシルヒドラジド(H
2NNHR(R=Ms、Bs又はTs))を加える
。好適な溶媒には、エーテル、エタノール、メタノール、アミルアルコール、エチレング
リコール、ジメトキシエタン(DME)、THF、メチルtert−ブチルエーテル(M
TBE)、ジオキサン、トルエン、ジクロロフェニル、ジクロロメタン、メチルテトラヒ
ドロフラン(MeTHF)、アセトン、酢酸エチル(EtOAc)、アセトン、ジメチル
ホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(
NMP)、Ν,Ν−ジメチルアセトアミド(DMAc)、アセトニトリル(MeCN)、
ジクロロエタン(DCE)及びイソプロパノールなどがあるが、これらに限定されるもの
ではない。好ましい溶媒には、DME、DME:水又はMeCN:水などがある。
【0042】
あるいは、化合物8を酸に加えることで化合物2a/2bを介して化合物10を合成す
ることができる。好適な酸には、硫酸、トリフルオロ酢酸、HBr、HCl、R
5SO
3
H(R
5は水素、C
1−6アルキル、C
3−6シクロアルキル又はアリールである)など
があるが、これらに限定されるものではない。別段の断りがない限り、「C
1−6アルキ
ル」という用語は、1から6の炭素数を有する直鎖アルキル及び3から6の炭素数を有す
る分岐アルキルを包含する。それの具体例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプ
ロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、
イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチ
ル、1,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、イソヘキシル、1
−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、1、1−ジメチルブチル
、1,2−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1−エチルブチル、1、1,2−
トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピ
ル、1−エチル−1−メチルプロピルなどがある。別段の断りがない限り、「C
3−6シ
クロアルキル」という用語は、縮合している1以上の炭素環を形成している、3から8個
の炭素を有するシクロアルキルを意味する。「シクロアルキル」は、結合点が非芳香族部
分上にあるアリール基に縮合した単環式環も含む。シクロアルキルの例には、シクロプロ
ピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、テトラヒドロ
ナフチル、デカヒドロナフチル、インダニルなどがある。別段の断りがない限り、「アリ
ール」という用語は、フェニル、ナフチル、トリルなどを含む。
【0043】
ある種の実施形態において、HClが好ましい。次に、メシル、ベシル又はトシルヒド
ラジド(H
2NNHR(R=Ms、Bs又はTs)を加える。pH調節後、Boc保護試
薬を加える。好適なBoc保護剤には、Boc
2Oなどがあるが、それに限定されるもの
ではない。
【0045】
ある種の実施形態において、化合物1に到達するため、化合物10を塩基(2)及び適
宜に溶媒に加え、反応液を加熱して室温より高くした。好適な塩基(2)には、リン酸カ
リウム(K
3PO
4)、K
2CO
3、KHCO
3、Na
2CO
3、NaHCO
3、K
2H
PO
4、Na
3PO
4、Na
2HPO
4、及びNaHCO
3などがあるが、これらに限定
されるものではない。好適な溶媒には、トルエン、THF、DMAc、ヒドラジン、Et
OH及び酢酸イソプロピル(IPAC)などがあるが、これらに限定されるものではない
。
【0046】
メシルクロライド、塩基(3)及び適宜に溶媒の溶液を加えて、式1の化合物を得る。
上記方法で用いることができる塩基(3)には、ナトリウム若しくはカリウムビス(トリ
メチルシリル)アミド、K
2CO
3、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(TMG
)、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(D
BU)、アルコキシド塩基(KOtBuなど)及び炭酸セシウム(Cs
2CO
3)などが
あるが、これらに限定されるものではない。上記の方法で使用可能な溶媒には、トルエン
、tert−アミルアルコール、DMF、DMAC、2−MeTHF及びTHFなどがあ
るが、これらに限定されるものではない。
【0047】
或いは、メシル基が保持される次の方法によって式1の化合物を製造する。化合物10
を、溶媒中の金属触媒、銅塩、配位子、塩基及び酸化剤に加えて、式1の化合物を得る。
【化22】
【0048】
好適な金属触媒には、Pd(OAc)
2、PdCl
2(MeCN)
2、Na
2PdCl
4、PdBr
2、Pd(TFA)
2、Pd(PPh
3)
2Cl
2及びCu(OTf)
2/
ビピリジルなどがあるが、これらに限定されるものではない。上記方法で使用可能な他の
触媒には、各種の一座又は二座ホスフィン配位子と組み合わせたPdCl
2、(PPh
3
)
2PdCl
2、(2,2′−ビスピリジル)PdCl
2、Pd(OAc)
2、PdBr
2、Na
2PdCl
4、Pd(TFA)
2、NiCl
2、Ni(OAc)
2、Ni(ac
ac)
2、NiBr
2−DME、Pd(OAc)
2又はPdCl
2などがあるが、これら
に限定されるものではない。これらの配位子の例には、P(o−トリル)
3(トリ−オル
トトリルホスフィン)、P(フリル)
3(トリフリルホスフィン)、P(Cy)
3(トリ
シクロヘキシルホスフィン)、P(C
6F
5)
3(トリパーフルオロフェニルホスフィン
)、dppe(ジフェニルホスフィノエタン)、dppp(ジフェニルホスフィノプロパ
ン)、dppb(ジフェニルホスフィノブタン)、dppf(ジフェニルホスフィノフェ
ロセン)、Josiphos、X−Phos及びCataXiumなどがあるが、これら
に限定されるものではない。上記の方法で触媒として使用可能な他の配位子には、各種の
ビス−アミン配位子などがあり(それに限定されるものではない)、例えばTMEDA(
N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン)、DMEDA(N,N′−ジメチ
ルエチレンジアミン)、2,2′−ビス−ピリジン、置換された2,2′−ビス−ピリジ
ン、2,2′,2″−トリス−ピリジン、置換された2,2′,2″−トリス−ピリジン
、フェナントロリン及び置換されたフェナントロリンなどがあるが、これらに限定される
ものではない。各種のビス−ヘテロ原子配位子には、キノリン、ジメチルグリシン、プロ
リン、ピコリン酸、チオフェンカルボン酸、N,N−ジ置換サリチルアミド、シクロヘキ
シルジアミンの各種ビス−イミン類及び各種1,3−ジカルボニル基質などがあるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0049】
上記の方法で使用可能な好適な銅塩には、CuCl、CuCl
2、Cu(OAc)
2、
Cu(I)(OAc)、CuBr、CuBr
2、Cu(OTf)、Cu(OTf)
2など
があるが、これらに限定されるものではない。
【0050】
塩基(1)として使用可能な好適な塩基には、K
3PO
4、K
2CO
3、KHCO
3、
Na
2CO
3、NaHCO
3、K
2HPO
4、Na
3PO
4、Na
2HPO
4、及びNa
HCO
3などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0051】
上記の方法で使用可能な好適な溶媒には、トルエン、DMAc、THF、tert−ア
ミルアルコール、EtOH及びIPACなどがあるが、これらに限定されるものではない
。
【0052】
上記の方法で使用可能な好適な酸化剤には、tert−ブチル過酸化水素(TBHP)
、空気、O
2、過安息香酸tert−ブチル(tBuOOBz)、過酢酸tert−ブチ
ル(tBuOOAc)、ベンゾキノン、過酸化ベンゾイル及び過炭酸ナトリウムなどがあ
るが、これらに限定されるものではない。
【0053】
本明細書に記載の方法の他の実施形態において、式12の化合物は、下記の方法によっ
て製造される。
【化23】
【0054】
そのような実施形態において、短鎖ジアルキルアミン(R
2NH;R=C
1−C
6アル
キル(Me、Et、nPr、分岐アルキル及びシクロアルキルなどであるが、これらに限
定されるものではない))の存在下でメタノール又はメタノール水溶液中のラネーNi、
Pd又はPt触媒を用いるケトニトリルである化合物13の水素化によって化合物14を
得て、それをヒドラジン(水和物)で処理すると化合物15が得られる。別の実施形態で
は、ケト−ニトリル13の水素化時に短鎖ジアルキルアミンに代えてヒドラジンを用いる
ことで、化合物13を化合物15に直接変換することができる。次に、pTsOH又はM
sOHで処理することで化合物12が得られる。
【0055】
ある種の実施形態において、式7の化合物は下記の方法によって製造される。
【化24】
【0056】
構造式7の化合物を次の段階によって製造することができ、その各段階は本発明の独立
の態様を形成する。
【0058】
段階1に関して、化合物16を銅塩、配位子及び塩基に加える。それにニトロメタンを
加えた。記載の反応は無溶媒で又は溶媒を用いて行うことができる。使用可能な好適な適
宜の溶媒には、エタノール、メタノール、アミルアルコール、エチレングリコール、TH
F、メチルtert−ブチルエーテル(TBME)、ジオキサン、トルエン、ジクロロフ
ェニル、ジクロロメタン、メチルテトラヒドロフラン(MeTHF)、アセトン、酢酸エ
チル(EtOAc)、アセトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシ
ド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)、Ν,Ν−ジメチルアセトアミド(D
MAc)、アセトニトリル(MeCN)、ジクロロエタン(DCE)及びイソプロパノー
ルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0059】
使用可能な好適な銅塩(Cu(I)及びCu(II)の両方)には、安息香酸銅、プロ
ピオン酸銅、2−Et−ヘキサン酸銅、酢酸銅、トリフルオロ酢酸銅、トリフ酸銅、銅S
−プロリネート、ピコリン酸銅及び銅ハライドなどがあるが、これらに限定されるもので
はない。ある種の実施形態において、酢酸銅又はプロピオン酸銅(Cu(プロピオン酸)
2)又は塩化銅を用いる。ある種の実施形態において、塩化銅が好ましい。
【0060】
好適な配位子には、下記のものなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【化26】
【0061】
好適な塩基には、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、ヘ
キサメチレンテトラミン、2,4,6−トリ−tert−ブチル(buyl)ピリジン、
ジュロリジン、N,N−ジメチルピペラジン、5−メチルピペリジン、N−メチル−ピペ
リジン、N−メチル−ピロリジン、N−エチルジシクロヘキシルアミン、N−メチルジシ
クロヘキシルアミン、トリイソプロピルアミン、1−アミノアダマンタン、ジ−n−ブチ
ルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、5−メチル−ジエチレントリア
ミン、メチルグアニジン、ジメチルアミノピリジン、キニジン及びキヌリジン(quin
ulidine)などがあるが、これらに限定されるものではない。ある種の実施形態で
は、DABCO又はN,N−ジメチルピペリジンを用いる。その反応により、約95%ほ
どの収率で化合物17を得ることができる。ある種の実施形態では、その反応により、E
DTA二ナトリウム溶液及びブラインによる水系後処理後に、収率約90から95%及び
約89から94%eeで化合物17が得られる。
【0062】
留意すべき点として、化合物16を、当該反応図式のいずれかの箇所で2,5−ジフル
オロ中間体に変換可能な官能基を有するアルデヒドに置き換えることが可能である。
【0064】
段階2に関しては、塩基及び溶媒中の化合物17にアクロレインを加える。好適な塩基
には、N、N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)などがあるが、これに限定さ
れるものではない。.好適な溶媒には、テトラヒドロフランなどがあるが、これに限定さ
れるものではない。段階2は、18の水系後処理を行っても行わなくても実施することが
できるものと考えられる。
【0066】
段階3に関して、塩素化用の塩基、塩素化剤及び溶媒に、塩基中の化合物18を加える
。使用可能な溶媒には、テトラヒドロフラン(THF)、メチルtert−ブチルエーテ
ル(TBME)、ジオキサン、トルエン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、メチルテ
トラヒドロフラン(MeTHF)、アセトン、酢酸エチル(EtOAc)、ジメチルホル
ムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NM
P)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、アセトニトリル(MeCN)、ジク
ロロエタン(DCE)及びこれらの混合物などがあるが、これらに限定されるものではな
い。ある種の実施形態において、溶媒はアセトニトリルである。好適な塩素化剤には、メ
シルクロライド、クロロリン酸ジエチル、塩化チオニル及びシアヌルクロライドなどがあ
るが、これらに限定されるものではない。当該方法に特に好適な塩素化剤はMsClであ
る。
【0067】
塩素化に好適な塩基には、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(TMG)、炭酸
セシウム(Cs
2CO
3)、リン酸カリウム(K
3PO
4)、炭酸ナトリウム(Na
2C
O
3)、炭酸カリウム(K
2CO
3)、トリエチルアミン(TEA)、1,4−ジアザビ
シクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP
)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)及びヒューニ
ッヒ塩基(iPr
2NEt)などがあるが、これらに限定されるものではない。ある種の
実施形態において、塩素化プロセスに好適な塩基は、iPr
2NEt又はトリエチルアミ
ンである。
【0068】
反応が完結した後、脱塩化水素塩基を加える。脱塩化水素に好適な塩基には、ピリジン
、N,N−ジメチルアニリン、コリジン類、ルチジン類、N−メチルモルホリン、ヒュー
ニッヒ塩基、トリ−n−ブチルアミン及びトリエチルアミンなどがあるが、これらに限定
されるものではない。当該プロセスに特に好適な塩基は2,3,5−コリジンである。
【0069】
塩素化に好適な反応温度は−10から+10℃である。好適な脱塩化水素温度は+20
から50℃である。
【0071】
段階4に関して、溶媒及び塩基に化合物19を加える。使用可能な溶媒には、エタノー
ル、メタノール、テトラヒドロフラン(THF)、メチルtert−ブチルエーテル(T
BME)、ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、トルエン、ジクロロベンゼン、ジ
クロロメタン、メチルテトラヒドロフラン(MeTHF)、シクロペンチルメチルエーテ
ル(CPME)、アセトン、酢酸エチル(EtOAc)、酢酸イソプロピル(IPAC)
、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピ
ロリドン(NMP)、Ν,Ν−ジメチルアセトアミド(DMAc)、アセトニトリル(M
eCN)、ジクロロエタン(DCE)、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノー
ル類、アミルアルコール類、水及びそれらの混合物などがあるが、これらに限定されるも
のではない。ある種の実施形態において、溶媒は水及びイソプロパノールの混合物である
。
【0072】
好適な塩基には、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(TMG)、炭酸セシウム
(Cs
2CO
3)、リン酸カリウム(K
3PO
4)、炭酸ナトリウム(Na
2CO
3)、
炭酸カリウム(K
2CO
3)、トリエチルアミン(TEA)、1,4−ジアザビシクロ[
2.2.2]オクタン(DABCO)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、1,
8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、カリウムtert−
ブトキシド(KOtBu)、ヒューニッヒ塩基(iPr
2NEt)、モルホリン、N−メ
チルモルホリン、イミダゾール、s−コリジン、ピリジン及びジイソプロピルアミンなど
があるが、これらに限定されるものではない。当該プロセスに特に好適な塩基はトリエチ
ルアミンである。
【0074】
段階5において、溶媒中の化合物19tにヒドロホウ素化剤及び酸化剤を加える。使用
可能な溶媒には、テトラヒドロフラン(THF)、メチルtert−ブチルエーテル(T
BME)、ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、トルエン、ジクロロフェニル、ジ
クロロメタン、メチルテトラヒドロフラン(MeTHF)及びシクロペンチルメチルエー
テル(CPME)などがあるが、これらに限定されるものではない。ある種の実施形態に
おいて、溶媒はTBMEである。好適なヒドロホウ素化剤には、ボラン試薬、例えばボラ
ンTHF錯体、ボランジメチルスルフィド(DMS)錯体及びNaBH
4/BF
3エーテ
ラート(又はTHF)などがあるが、これらに限定されるものではない。好適な酸化剤に
は、過ホウ酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、過酸化水素及び過酸化水素・尿素錯体など
があるが、これらに限定されるものではない。
【0076】
段階6に関しては、溶媒中で還元剤により、化合物20を還元してアミンとした。適宜
に、段階6は、酸の存在下に行うことができる。使用可能な好適な還元剤には、ラネーニ
ッケル、Pt若しくはPdなどの触媒を用いる水素化条件下での亜鉛粉末及び酸含有溶媒
中の亜鉛粉末などがあるが、これらに限定されるものではない。使用可能な溶媒には、エ
タノール、メタノール、プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン(THF
)、ジオキサン、Ν,Ν−ジメチルアセトアミド(DMAc)、アセトニトリル(MeC
N)、水及びこれらの混合物などがあるが、これらに限定されるものではない。ある種の
実施形態において、溶媒はエタノール又はTHFである。好適な適宜の酸には、硫酸、ト
リフルオロ酢酸、HBr、HCl、R
5SO
3H(R
5は水素、C
1−6アルキル、C
1
−6シクロアルキル又はアリールである)などがあるが、これらに限定されるものではな
い。さらに、ニトロをアミンに完全に還元した後、混合物を、K
2CO
3、Na
2CO
3
、NaOH又はKOHなどの塩基で処理し、次にBoc無水物で処理して化合物21を得
ることができる。WO2013/003250に記載の酸化により、化合物21から化合
物7を得る。
【0077】
当該新規な方法を用いる代表的な実験手順について下記で説明する。
【0078】
しかしながら、本発明は、下記実施例中の具体的な反応物及び反応条件に限定されるも
のではない。
【表1】
【0079】
ある種の原料及び試薬は市販されているか、化学、科学又は特許文献で公知である。精
製手順には、例えば蒸留、結晶化、及び順相若しくは逆相高速液体クロマトグラフィーな
どがある。
【0080】
図式1:Bocメシル−ピラゾールの合成
【化32】
【0081】
化合物8
プロパルギルアミン(1.05当量)のTHF(15から20体積)中溶液に、4℃で
5分間かけてグリオキサールジメチルアセタール水溶液(1当量)を加えた。得られた溶
液を0から2℃で10から15分間エージングした。水素化ホウ素トリアセトキシナトリ
ウムを、添加間で温度を3から15℃に維持しながら、3時間かけて3回に分けて加えた
(0.33当量で3回)。得られた混合物を10時間エージングした。冷水を加え、次に
10N NaOH溶液(5当量)及びMTBE(10体積)を加えることで反応停止した
。得られた二相の層を高撹拌し、静置した。有機層を分離し、NaCl水溶液(5体積で
2回)で洗浄し、共沸蒸留してほぼ乾固させることで橙赤色油状物を得て、それを次の段
階で直接用いた。
【0082】
化合物2a/2bを介した化合物10
化合物8(1当量)の濃HCl(4から5当量)中溶液を室温で20時間撹拌し、次に
減圧下に30から35℃で濃縮して、その体積の半量を除去した。得られた溶液に追加の
濃HCl溶液(2当量)を加え、混合物を室温でさらに1日エージングし、MeCN(2
体積)で希釈し、50重量%NaOH水溶液を加えることでpHを4に調節した。次に、
メシルヒドラジド(1当量)を固体として得て、得られた溶液を室温で終夜エージングし
た。水(10体積)及びEtOAc(15体積)を加え、次にBoc
2O(1当量)及び
固体NaHCO
3を加えて、pHを6から7とした。ガス発生が停止したら(約5時間)
、水層を分離し、有機層を水(2体積)及びブライン(2体積)で洗浄し、濃縮した。次
に、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(DCM:EtOAc又はHex:EtOAc
)によって精製して、生成物10を得た。
【0083】
化合物3
ジメチルアセタールアミン8(1当量)のMTBE(10体積)及び水(3体積)中溶
液に、Boc−無水物(1.1当量)を0から10℃でゆっくり加えた。反応中、固体N
aHCO
3を加えることで、pHを調節して6から7とした。室温で5時間エージングし
た後、有機層を分離し、水(3体積)、ブラインで2回洗浄し、濃縮して粗生成物を得て
、それを次の段階で直接用いた。
【0084】
化合物3を介した化合物10
ジメチルアセタールBoc−保護アミン(化合物3)(1当量)のMeCN:水(20
体積)中溶液に、メシルヒドラジド(1.3当量)を加え、次に5重量%FeCl
3/S
iO
2ゲル(0.5当量)を加えた。得られたスラリーを45℃で数日間エージングし、
濾過した。濾液を水(5体積)で処理し、EtOAc(15体積)で抽出した。有機層を
水(5体積)で2回洗浄し、次に5重量%NaHCO
3水溶液及びブラインで洗浄し、共
沸脱水して粗混合物を得て、それについてMTBE結晶化を行ってヒドラゾン化合物10
を得た。
【0085】
化合物12
ヒドラゾン(化合物10(1当量))のMP(10体積)中溶液に、K
3PO
4(4当
量)を室温で加え、得られたスラリーを加熱して45から50℃とし、25時間エージン
グした。酢酸エチル(20体積)を加え、混合物を水で洗浄し(5体積で2回)、有機層
をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮して粗生成物を得た。
【0086】
化合物1
NiBr
2・DME錯体(0.05当量)と、次にCu(I)OAc共触媒(0.05
当量)、シクロヘキシルジアミン配位子(0.1当量)及びMeCN(20体積)をフラ
スコに加えた。得られた混合物を2分間撹拌し、次にヒドラゾン(化合物10(1当量)
)、K
3PO
4(1当量)及び酸化剤としての過酢酸tert−ブチル(tBuOOAc
、1.1.当量)で処理した。得られたスラリーを25から30℃で15時間エージング
し、次にEtOAc(10体積)及び水(5体積)で希釈した。有機層を分離し、5%E
DTA−Na
2溶液(5体積)、10%クエン酸水溶液、10%NaHCO
3水溶液及び
ブラインで洗浄した。次に、最終有機層を樹脂(原料化合物10に関して100重量%負
荷)で処理し、室温で3時間エージングし、濾過し、減圧下に濃縮して粗化合物1を得た
。
【0087】
図式2:Bocメシル−ピラゾールの別途合成
【化33】
【0088】
ケト−ニトリル(20g)をMeOH(120mL)に溶かした。40重量%ジメチル
アミン水溶液(80mL)を加え、次にラネーNi(0.8g)を加えた。溶液をH
2雰
囲気下に置き、加熱してT
i=35℃として22時間経過させた。反応液を冷却して環境
温度とし、溶液を換気して過剰のH
2を除去した。触媒を濾過によって除去し、濾液につ
いてMeOHを用いる定体積蒸留(約35℃及び50mmHg部分圧で)を行って、過剰
のジメチルアミンを除去した。得られた粗溶液を次に用いた。
【0089】
粗溶液を加熱して40℃とした。35%ヒドラジン水溶液(8.6mL)を30分間か
けて加えた。添加完了してから1時間後、溶液を冷却して22℃とし、その時点で得られ
た溶液のpHは11.5であった。
【0090】
外部冷却して25から35℃に維持しながら、標的pH=1.5から2に達するまでメ
タンスルホン酸(11.9mL)をゆっくり加えた。得られた溶液をさらに18時間エー
ジングした。得られた赤色溶液を濃縮してMeOHを除去した。冷却すると、結晶化が始
まった。飽和NaHCO
3水溶液(約6mL)をpH=6まで加えた。
【0091】
得られたスラリーについて緩やかな注意深い濃縮を行って、上清から溶媒約30mLを
除去した。得られたスラリーを1時間撹拌し、その後、上清に対する喪失は7.2mg/
mLであった。ケーキを、1ケーキ体積の5:95MeOH:水(30mL)、次に水(
30mL)で置き換えた。固体を3時間乾燥して、その後に固体を回収した。
【0092】
図式3:Bocケトンの合成
【化34】
【0093】
段階1:不斉ヘンリー反応−(R)−1−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−ニト
ロエタノール(17)
【化35】
【0094】
丸底フラスコに配位子L(0.829g)、プロピオン酸Cu(II)(0.402g
)(又は酢酸Cu(II)(0.31g)又はCuCl又はCuCl
2)及びEtOH(
350mL)を入れ、室温で1時間撹拌した。2,4−ジフルオロベンズアルデヒド(1
00.0g)を加え、次にDABCO(2.368g)(又は2,4−ジメチルピペリジ
ン)を加え、混合物を冷却して−5から−15℃とした。冷(0℃)ニトロメタン(19
0mL又は215g)を前記冷溶液にゆっくり加え、その溶液を−5から−15℃で20
から24時間及び0℃で2から4時間エージングした。その冷溶液に、5重量%EDTA
・2Na(500mL)と次に水(200mL)及びMTBE(1.0リットル)を加え
、昇温させて20℃とした。層を分離し、有機層を追加の5重量%EDTA・2Na(5
00mL)、次に水(50mL)及びブライン(250mL)で洗浄した。化合物17を
含む有機層を濃縮してニトロメタンを除去し、溶媒をTHFに切り替えた。
【0095】
段階2:マイケル−ラクトン化−ニトロラクトール
【化36】
【0096】
段階1からの2体積のTHF(258mL)中の化合物17に、N
2下及び0℃での冷
却下に、1当量のヒューニッヒ塩基を加えた。1.15当量のアクロレインを、0から5
℃でシリンジポンプによって1時間かけて加えた。反応液を−10から0℃で終夜撹拌し
た。得られた混合物を次の段階で直接用いた。
【0097】
或いは、混合物を0から5℃で濃縮して過剰のアクロレインを除去し、その後に残留物
を、ヒューニッヒ塩基及び水がほとんど除去されるまでアセトニトリルで流した。残留物
を8体積のアセトニトリルに取り、次の段階に直接用いた。
【0098】
或いは、反応終了後、MTBEで希釈し、クエン酸水溶液及びNaHCO
3水溶液で洗
浄することで混合物を後処理し、溶媒をアセトニトリルに切り替えた。或いは、最終反応
混合物を、次の段階に直接送った。
【0099】
段階3:脱水−ニトロジヒドロピラン類
【化37】
【0100】
段階2からのラクトール18のアセトニトリル溶液に、1.1当量のTEAを加え、次
に1.2当量のメシルクロライド及び1.2当量のS−コリジンを<+10℃で加えた。
反応を10℃で0.5から1時間エージングした。或いは、段階2からの反応混合物の最
終取得物を冷却して−20℃から0℃とした。2当量のS−コリジン及び1.4当量のメ
シルクロライドを加えた。混合物を加熱して36℃として、終夜エージングした。混合物
を冷却して室温とした。15体積のMTBEを加え、溶液を3体積の10重量%クエン酸
及び6体積の水、10体積の水、次に3体積の5%NaHCO
3溶液及び6体積の水で洗
浄した、有機相を、10体積のMTBEを用いて20体積のMTBEとともに濃縮した。
有機溶液を、20から30重量%AQUAGUARDとともに室温で2時間撹拌した。混
合物を濾過し、2体積のMTBEで洗浄した。
【0101】
段階4:動的速度論的分割(DKR)結晶化−トランス−ニトロ−ジヒドロピラン(1
9t)
【化38】
【0102】
段階3の有機MTBE溶液について、2体積のIPAに溶媒切り替えを行い、最終体積
を約300mLとした。10モル%のTEA(又はDABCO又はモルホリン又はDMA
P)を加えた。次に、水(115mL)を3時間かけてゆっくり加えた。スラリーを濾過
し、80/20 IPA/水で洗浄し(100mLで2回)、N
2下に真空乾燥した。
【0103】
段階5:ハイドロボレーション/酸化−トランス−ニトロ−ピラノール
【化39】
【0104】
トランス−ニトロ−ジヒドロピラン(10g)を入れた容器に、窒素下にMTBE(1
00mL)を加えた。混合物を室温で撹拌して透明橙赤色溶液を得た。その溶液を冷却し
て+2℃とし、ボランジメチルスルフィド錯体(9.55mL)を加えた。得られた透明
溶液を、HPLC分析によって>99%変換となるまで2から5時間エージングした。<
+9℃に維持しながら、水(7.25mL)によってゆっくり反応停止した。溶液を5℃
で5分間エージングした後、<+13℃で水(78mL)を加えた。固体の過炭酸ナトリ
ウム(13.26g、84mmol)を加えた。得られた懸濁液を5℃で15時間撹拌し
た。混合物を、MTBE 60mL及び水20mLを使って分液漏斗に移し入れた。混合
物を昇温させて室温とした。水相をMTBE 40mLで逆抽出した。合わせた有機相を
半飽和塩化ナトリウム溶液30mLで1回、ブライン15mL及び0.2N HCl 1
5mLで1回、並びに半飽和塩化ナトリウム溶液30mLで1回洗浄した。有機層をNa
2SO
4で脱水した。有機相を濾過し、MTBE 10mLで洗浄し、濃縮して油状物と
した。その油状物を希釈して200mLとして0.191M溶液とした。
【0105】
段階6:ニトロ還元/Boc保護−ピラノール
【化40】
【0106】
オーバーヘッド撹拌機を取り付けた3頸のジャケットを巻いた丸底フラスコに、0.1
91M(5R,6S)−5−ニトロ−ピラン−3−オール(119mL)(化合物20)
のエタノール中溶液及びエタノール(32mL)を入れた。その溶液を冷却して11から
12℃とした。冷6N HCl(19.55mL、117mmol)を<+17℃で加え
た。亜鉛末(12.93g)を、<+26℃で5回に分けて加えた(2.59gを5回)
。混合物を12℃で22時間撹拌した。1M K
2CO
3(76mL)を1回で加えた。
MTBE(59mL)を加え、次にEDTA・2K・2H
2O(22.55g)を<+1
4℃で10分間かけて加えた。その溶液に、45重量%KOH(4.86mL)溶液を加
えた。その溶液を冷却して5℃とし、1.1当量のBoc
2O(5.46g)を加えた。
その溶液をMTBE(10mL)で洗い、5℃で2時間、次に12℃で16時間、次に2
4℃で10時間、>99.5%変換となるまで撹拌した。溶液を、MTBE(30mL)
及び水(5mL)を使って分液漏斗に移した。有機層を濾過し、MTBE(20mL)で
洗浄した。有機濾液を濃縮した。MTBE(60mL)、水(30mL)及び飽和塩化ナ
トリウム溶液(15mL)を加えた。混合物を30℃浴で昇温させて固体を溶解させ、次
に濃縮した。濃縮物に60℃浴中でトルエンを流し、その後濃縮した。トルエン(8.4
mL)を加え、混合物を加熱して80℃とした。ヘプタン(70.8mL)を80℃で1
時間かけて加え、ゆっくり冷却して室温とした。混合物を濾過し、1:2トルエン/ヘプ
タン(23.55mL)で洗浄し、濾過し、恒量となるまで窒素下に真空乾燥した。
【0107】
純度を、次の手順によってさらに高めることができた。丸底フラスコに、上記からの段
階6の生成物(7.069g)を入れた。EtOH(21mL)を加え、混合物を加熱し
て45℃とした。水(31.5mL)を、45℃で1時間かけてゆっくり加えた。混合物
を1時間エージングした。水(31.5mL)を1回で加え、ゆっくり冷却して室温とし
、終夜エージングした。得られたスラリーを濾過し、1:3.5EtOH/水(23.5
6mL)で洗浄した。結晶を、恒量となるまで窒素下に真空乾燥した。
【0108】
或いは、10から30重量%ラネーニッケルの存在下に50℃で、20体積含水THF
中、約0.690MPa(100psi)の水素によって化合物20を還元した。次に、
反応混合物を2当量のK
2CO
3及び若干過剰のBoc
2Oで塩基性として、水系後処理
後に粗化合物21を得た。
【0109】
WO2013/003250に記載の酸化により、化合物7を21から得た。
【0111】
2.5体積のTFAに、0から2℃で窒素雰囲気下に2から3分間かけてBoc−メシ
ル−ピラゾール固体1を加え、次に0.5体積のTFAで洗った。TFA塩への変換は、
1から2℃で0.5から1時間以内に完了した。DMAc(14体積)と次にトリエチル
アミン(5当量又は2.3体積)を、<+20℃に維持しながら0℃でTFA反応混合物
にゆっくり加えた。次に、Boc−ケトン7(0.89当量)を−15℃で加え、次に固
体NaBH(OAc)
3(1.4当量)を1時間かけて3回に分けて加えた。反応溶液を
−15℃で終夜エージングした。次に、その溶液を昇温させて22℃とし、2から5時間
エージングした。ジアステレオマー比は>96.5:3.5であった。
【0112】
溶液に22℃でBocアミン1重量%をシード添加し、22から40℃で2から4時間
撹拌した。0.36体積の28%水酸化アンモニウムを2から4時間かけて加え、3.6
4体積の28%水酸化アンモニウムを22から60℃で4から10時間かけて加えた。冷
却して22℃とした後、バッチを濾過し、5:1DMAc/水、次に水で洗浄した。湿っ
たケーキを環境温度で窒素下に真空乾燥して、生成物を得た。ジアステレオマー選択性は
>30:1であった。
【0114】
リアクターに2.5倍量(体積比)のトリフルオロ酢酸を入れた。バッチを冷却して5
から10℃とした。次に、リアクターに0.4倍量(体積比)の水を入れた。バッチを冷
却して0から5℃とした。リアクターに、温度を0から5℃に維持しながら、0.5から
1時間かけて1当量(1kg)の式Iaの化合物を入れた。次に、リアクターに、温度を
0から5℃に維持しながら、0.5倍量(体積比)のトリフルオロ酢酸を入れた。バッチ
を加熱して15から20℃とし、2から2.5時間エージングした。バッチを冷却して5
から10℃とした。晶析装置に5.0倍量(体積比)の水及び0.1倍量(体積比)のア
ンモニア水を入れ、3から13℃に調節した。Tシード床を形成するため、化合物Iのシ
ード(Iaに対して1重量%)を加え、温度を3から13℃に調節した。3.8倍量(体
積比)のアンモニア水溶液及び式Iaの化合物を、温度を3から13℃に維持し、pHを
約9から10に維持しながら、2.5から3.5時間かけてシード床に同時に加えた。バ
ッチを少なくとも30分間エージングし、濾過した。得られた結晶を、3から13℃で3
.0倍量(体積比)の水で2回洗浄し、<50℃で真空乾燥して、式Iの化合物を得た。