特許第6851514号(P6851514)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6851514
(24)【登録日】2021年3月11日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】バッテリーモジュール及びその冷却板
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/6551 20140101AFI20210322BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20210322BHJP
   H01M 10/6568 20140101ALI20210322BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20210322BHJP
   H01M 10/651 20140101ALI20210322BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20210322BHJP
   H01M 50/20 20210101ALI20210322BHJP
【FI】
   H01M10/6551
   H01M10/613
   H01M10/6568
   H01M10/6556
   H01M10/651
   H01M10/625
   H01M2/10 S
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2020-613(P2020-613)
(22)【出願日】2020年1月7日
【審査請求日】2020年1月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】514173696
【氏名又は名称】國家中山科學研究院
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】方 富民
(72)【発明者】
【氏名】任 國光
(72)【発明者】
【氏名】游 國輝
(72)【発明者】
【氏名】梁 國恩
【審査官】 高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−056904(JP,A)
【文献】 特開2012−216360(JP,A)
【文献】 特開2003−163036(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/60 −10/667
H01M 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充放電により熱を発する複数のセルを含むバッテリーモジュールのための冷却板であって、
当該冷却板の第1のサブ領域に分布する複数の第1のフィンと、
当該冷却板の第2のサブ領域に分布する複数の第2のフィンと、
を含み、
前記第2のサブ領域が前記複数のセルから吸収する熱の量が前記第1のサブ領域が前記複数のセルから吸収する熱の量よりも大きい場合、前記第2のサブ領域に分布する前記複数の第2のフィンの第2のフィンカバー範囲は、前記第1のサブ領域に分布する前記複数の第1のフィンの第1のフィンカバー範囲より小さく、
前記複数の第1のフィン及び前記複数の第2のフィンのそれぞれは円筒状であり、前記第2のフィンカバー範囲は、前記複数の第2のフィンの円形面積の合計を前記第2のサブ領域の面積で除したものを表し、前記第1のフィンカバー範囲は、前記複数の第1のフィンの円形面積の合計を前記第1のサブ領域の面積で除したものを表し、
前記第2のサブ領域が前記セルから吸収する熱の量が前記第1のサブ領域が前記セルから吸収する熱の量よりも大きい場合、前記第2のサブ領域で分布する前記複数の第2のフィンの第2の接触面積は、前記第1のサブ領域で分布する前記複数の第1のフィンの第1の接触面積と等しいか又は大きい、冷却板。
【請求項2】
前記第1のフィンカバー範囲は下記式で表され、
【数1】
式中、FCV1は第1のフィンカバー範囲であり、N1は前記第1のサブ領域において分布する前記複数の第1のフィンの数であり、D1は前記複数の第1のフィンのそれぞれの直径であり、X1は前記第1のサブ領域の長さであり、Y1は前記第1のサブ領域の幅であり、
前記第2のフィンカバー範囲は下記式で表され、
【数2】
式中、FCV2は第2のフィンカバー範囲であり、N2は前記第2のサブ領域に分布する前記複数の第2のフィンの数であり、D2は前記複数の第2のフィンのそれぞれの直径であり、X2は前記第2のサブ領域の長さであり、Y2は前記第2のサブ領域の幅である、請求項1に記載の冷却板。
【請求項3】
前記複数の第1のフィン及び前記複数の第2のフィンのそれぞれは円筒状であり、前記第2の接触面積は、前記第2のサブ領域に対して垂直な方向に沿った前記複数の第2のフィンの矩形面積の合計を表し、前記第1の接触面積は、前記第1のサブ領域に対して垂直な方向に沿った前記複数の第1のフィンの矩形面積の合計を表し、
前記第1の接触面積は下記式で表され、
【数3】
式中、CA1は第1の接触面積であり、N1は前記第1のサブ領域に分布する前記複数の第1のフィンの数であり、D1は前記複数の第1のフィンのそれぞれの直径であり、Z1は前記複数の第1のフィンのそれぞれの高さであり
前記第2の接触面積は下記式で表され、
【数4】
式中、CA2は第2の接触面積であり、N2は前記第2のサブ領域に分布する前記複数の第2のフィンの数であり、D2は前記複数の第2のフィンのそれぞれの直径であり、Z1は前記複数の第2のフィンのそれぞれの高さである、請求項2に記載の冷却板。
【請求項4】
流体冷却剤を受け入れるように構成された入口ヘッダと
上面と、
底面であって、前記上面と該底面との間に流体空間が形成され、該流体空間は前記流体冷却剤を収容するように構成されている、底面と、
前記流体冷却剤を出すように構成された出口ヘッダと、
をさらに含み、
前記複数の第1のフィン及び前記複数の第2のフィンは前記上面と前記底面との間に接続される、請求項1に記載の冷却板。
【請求項5】
前記バッテリーモジュールは複数の母線を含み、該複数の母線のうちの1つは前記複数のセルのうちの1つのセルのカソードを前記複数のセルのうちの別のセルのアノードに接続するように構成され、
前記第2のサブ領域及び前記複数の母線の平面上への突出は重なり、前記第1のサブ領域及び前記複数の母線の前記平面上への突出は重ならない、請求項1に記載の冷却板。
【請求項6】
ハウジングと、
前記ハウジング内に含まれる複数のセルであって、該複数のセルは充放電されると熱を発する、複数のセルと、
複数の母線であって、該複数の母線のうちの1つは前記複数のセルのうちの1つのセルのカソードを前記複数のセルのうちの別のセルのアノードに接続するように構成されている、複数の母線と、
前記複数の母線上に配置される冷却板であって、該冷却板は、
該冷却板の第1のサブ領域に分布する複数の第1のフィンと、
該冷却板の第2のサブ領域に分布する複数の第2のフィンと、
を含み、
前記第2のサブ領域が前記複数のセルから吸収する熱の量が前記第1のサブ領域が前記複数のセルから吸収する熱の量よりも大きい場合、前記第2のサブ領域に分布する前記複数の第2のフィンの第2のフィンカバー範囲は、前記第1のサブ領域に分布する前記複数の第1のフィンの第1のフィンカバー範囲より小さい、冷却板と、
を含むバッテリーモジュールであって、
前記複数の第1のフィン及び前記複数の第2のフィンのそれぞれは円筒状であり、前記第2のフィンカバー範囲は、前記複数の第2のフィンの円形面積の合計を前記第2のサブ領域の面積で除したものを表し、前記第1のフィンカバー範囲は、前記複数の第1のフィンの円形面積の合計を前記第1のサブ領域の面積で除したものを表し、
前記第2のサブ領域が前記セルから吸収する熱の量が前記第1のサブ領域が前記セルから吸収する熱の量よりも大きい場合、前記第2のサブ領域で分布する前記複数の第2のフィンの第2の接触面積は、前記第1のサブ領域で分布する前記複数の第1のフィンの第1の接触面積と等しいか又は大きい、バッテリーモジュール。
【請求項7】
前記第1のフィンカバー範囲は下記式で表され、
【数5】
式中、FCV1は第1のフィンカバー範囲であり、N1は前記第1のサブ領域において分布する前記複数の第1のフィンの数であり、D1は前記複数の第1のフィンのそれぞれの直径であり、X1は前記第1のサブ領域の長さであり、Y1は前記第1のサブ領域の幅であり、
前記第2のフィンカバー範囲は下記式で表され、
【数6】
式中、FCV2は第2のフィンカバー範囲であり、N2は前記第2のサブ領域に分布する前記複数の第2のフィンの数であり、D2は前記複数の第2のフィンのそれぞれの直径であり、X2は前記第2のサブ領域の長さであり、Y2は前記第2のサブ領域の幅である。請求項6に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
前記複数の第1のフィン及び前記複数の第2のフィンのそれぞれは円筒状であり、前記第2の接触面積は、前記第2のサブ領域に対して垂直な方向に沿った前記複数の第2のフィンの矩形面積の合計を表し、前記第1の接触面積は、前記第1のサブ領域に対して垂直な方向に沿った前記複数の第1のフィンの矩形面積の合計を表し、
前記第1の接触面積は下記式で表され、
【数7】
式中、CA1は第1の接触面積であり、N1は前記第1のサブ領域に分布する前記複数の第1のフィンの数であり、D1は前記複数の第1のフィンのそれぞれの直径であり、Z1は前記複数の第1のフィンのそれぞれの高さであり、
前記第2の接触面積は下記式で表され、
【数8】
式中、CA2は第2の接触面積であり、N2は前記第2のサブ領域に分布する前記複数の第2のフィンの数であり、D2は前記複数の第2のフィンのそれぞれの直径であり、Z1は前記複数の第2のフィンのそれぞれの高さである、請求項6に記載のバッテリーモジュール。
【請求項9】
前記冷却板は、
流体冷却剤を受け入れるように構成された入口ヘッダと
上面と、
底面であって、前記上面と該底面との間に流体空間が形成され、該流体空間は前記流体冷却剤を収容するように構成されている、底面と、
前記流体冷却剤を出すように構成された出口ヘッダと、
をさらに含み、
前記複数の第1のフィン及び前記複数の第2のフィンは前記上面と前記底面との間に接続され、
前記第2のサブ領域及び前記複数の母線の平面上への突出は重なっており、前記第1のサブ領域及び前記複数の母線の前記平面上への突出は重なっていない、請求項6に記載のバッテリーモジュール。
【請求項10】
前記冷却板と前記複数の母線との間に配置され、前記冷却板と前記複数の母線との間に絶縁及び放散を提供するように構成された熱伝導性シリコーンパッドをさらに含む、請求項6に記載のバッテリーモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバッテリーモジュール及びその冷却板に関し、より具体的には、バッテリーモジュールと、バッテリーモジュールが放つ熱に基づいて冷却板内に形成されるフィンの密度が決定されるその冷却板とに関する。
【背景技術】
【0002】
車両は、バッテリーモジュールにパッケージされた複数の個々のバッテリーセルから電力を得る。バッテリーモジュールは、概ね矩形のハウジング内に複数の個々のセルを含み得る。個々のセルが充放電されると、個々のセルはセルの内部抵抗を流れる電流により生じるジュール加熱により熱を発し得る。加えて、個々のセルは、セル内で生じる発熱化学反応を通じて加熱され得る。温度の上昇は化学反応の速度を高め、物理的な歪み(例えば、膨張、短絡、開路)を引き起こし、それ故にセル及びバッテリーモジュールを早期に老朽化させ得る。したがって、モジュールのハウジングに接触する大きな冷却面を有し、バッテリーモジュールから過剰な熱を引き出すことによりセル及びバッテリーモジュールを保護する効果的な冷却システムを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明は、バッテリーモジュールと、バッテリーモジュール及びセルを冷却して保護することが可能なバッテリーモジュールの冷却板とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、充放電により熱を発する複数のセルを含むバッテリーモジュールのための冷却板を開示する。冷却板は冷却板の第1のサブ領域に分布する複数の第1のフィンと、冷却板の第2のサブ領域に分布する複数の第2のフィンと、を含み、第2のサブ領域が複数のセルから吸収する熱の量が第1のサブ領域が複数のセルから吸収する熱の量よりも大きい場合、第2のサブ領域に分布する複数の第2のフィンの第2のフィンカバー範囲は、第1のサブ領域に分布する複数の第1のフィンの第1のフィンカバー範囲より小さい。
【0005】
本発明はバッテリーモジュールをさらに開示する。バッテリーモジュールは、ハウジングと、ハウジング内に含まれる複数のセルであって、複数のセルは充放電されると熱を発する、複数のセルと、複数の母線であって、該複数の母線のうちの1つは前記複数のセルのうちの1つのセルのカソードを前記複数のセルのうちの別のセルのアノードに接続するように構成されている、複数の母線と、複数の母線上に配置される冷却板とを含む。冷却板は、冷却板の第1のサブ領域に分布する複数の第1のフィンと、冷却板の第2のサブ領域に分布する複数の第2のフィンと、を含み、第2のサブ領域が複数のセルから吸収する熱の量が第1のサブ領域が複数のセルから吸収する熱の量よりも大きい場合、第2のサブ領域に分布する複数の第2のフィンの第2のフィンカバー範囲は、第1のサブ領域に分布する複数の第1のフィンの第1のフィンカバー範囲より小さい。
【0006】
本発明のこれらおよび他の目的は、種々の図面および図面に示されている好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後に、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るバッテリーモジュールの斜視図を示す。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る、図1のバッテリーモジュールの断面図を示す。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る冷却板の斜視図を示す。
図4図4は、冷却板の上面図を示す。
図5図5は、本発明の一実施形態に係る冷却板の上面図を示す。
図6図6は、図3の冷却板内を流れる流体冷却剤のシミュレーションを示す。
図7図7は、本発明の一実施形態に係る、図5の冷却板内を流れる流体冷却剤のシミュレーションを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の一実施形態に係るバッテリーモジュール1の斜視図を示す。バッテリーモジュール1は冷却板10、複数のセル12、複数の母線14及びハウジング16を含む。バッテリーモジュール1は、バッテリ電源を必要とする車両又は任意の装置で利用され得る。ハウジング16は直方体状であり、複数のセル12を収容するように構成されている。複数のセル12のそれぞれは複数の母線14により直列に接続されている。例えば、1本の母線14は、1つのセル12のカソードと別のセル12のアノードとを接続する。複数の母線14は複数のセル12の上部に配置される。複数のセル12が充放電でされると、複数のセル12の内部抵抗を電流が流れることによりオーム熱(Ohmic heat)が生じ、オーム熱が放散されて複数の母線14が加熱される。
【0009】
冷却板10は、複数の母線14の上面に冷却板10が配置された場合に複数の母線14を冷却するために用いられる。例えば、複数の母線14に流れるオーム熱は、冷却板10に含まれる循環流体冷却剤に放散される。したがって、冷却板10はバッテリーモジュール1を加熱から保護する。
【0010】
図2は、バッテリーモジュール1の断面図を示す。複数のセル12が充放電されると、複数のセル12においてオーム熱が発せられ、複数の母線14に向かって上方に流れる。
【0011】
一実施形態では、複数の母線14は銅でできており、冷却板10は、アルミニウム等の熱放散材料でできている。アルミニウム製の冷却板10が銅の母線14と短絡するのを避けるために、冷却板10はバッテリーモジュール1に組み付けられる前に陽極酸化被覆処理を施されて、アルミニウム製の冷却板10の表面が絶縁膜で被覆され得る。この実施形態では、図2に示すように、冷却板10と複数の母線14との間に熱伝導性シリコーンパッド20が配置されて絶縁及び熱放散が提供される。
【0012】
図3は、冷却板10の斜視図である。冷却板10は入口ヘッダ(inlet header)30、出口ヘッダ(outlet header)32、複数のフィン34、上面36及び底面38を含み、上面36と底面38との間に流体空間31が形成されている。
【0013】
入口ヘッダ30は流体冷却剤を受け入れるように構成され、流体空間31は流体冷却剤を収容するように構成され、出口ヘッダ32は流体冷却剤を出すように構成されている。限定されないが、上面36及び底面38は矩形であり、入口ヘッダ30及び出口ヘッダ32は矩形の上面36(又は底面38)上の対角線の頂点(diagonal vertices)に位置し得る。上面36及び底面38はXY面と平行である。複数のフィン34はXY平面に対して垂直なZ方向に沿って延びるとともに、上面36と底面38との間に接続されている。一実施形態では、複数のフィン34の各々は円筒状である。
【0014】
流体冷却剤は、冷却板10内で循環されるように流れて冷却板10から熱を吸収する。具体的には、流体冷却剤は入口ヘッダ30に入れられ、流体空間31内を流れて熱を吸収し、冷却板10から吸収した熱を放散するために出口ヘッダ32から出される。そして、流体冷却剤は再度入口ヘッダ30に入れられる。一実施形態では、流体冷却剤は限定されないが水又は水とエチレングリコールとの混合物であり得る。
【0015】
図4は、冷却板10の上面図を示す。複数のフィン34は冷却板10の領域A1において均一に分布している。長さX1及び幅Y1が領域A1を形成し、領域A1における各フィン34の直径がD1であり、領域A1における複数のフィン34の数がN1であるとした場合、領域A1の第1のフィンカバー範囲(fin coverage)FCV1及び領域A1における複数のフィン34の接触面積(contact area)CA1は以下のように表される。
【0016】
【数1】
【0017】
【数2】
第1のフィンカバー範囲FCV1は、領域A1における複数のフィン34の(上又は下の)円形面積の合計(total circle area)を領域A1で除したものを表し、接触面積CA1は、領域A1に対して垂直なZ方向に沿った領域A1における複数のフィン34の矩形面積の合計(total rectangular area)(円筒の側面領域)を表し、Z1はZ方向に沿った複数のフィン34のそれぞれの高さを表す。
【0018】
しかしながら、出願人はバッテリーモジュール1の加熱は均一でないことに気が付いた。実際には、複数のセル12から多くの熱を吸収する冷却板10の特定のサブ領域が存在することが分かった。例えば、複数の母線14は複数のセル12からオーム熱を放散するため、複数の母線14と接触する冷却板10のサブ領域は、複数の母線14と接触しない冷却板10のサブ領域よりも多くの熱を吸収し得る。
【0019】
冷却板10の第2のサブ領域A2が複数の母線14のうちの1つから多くの熱を吸収し、第2のサブ領域A2における複数のフィン44の数がN2とする。長さX2及び幅Y2が第2のサブ領域A2を形成し、第2のサブ領域A2における各フィン44の直径がD2とすると、第2のサブ領域A2の第2のフィンカバー範囲及び第2のサブ領域A2における複数のフィン44の接触面積は以下のように表される。
【0020】
【数3】
【0021】
【数4】
第2のフィンカバー範囲FCV2は、領域A2における複数のフィン44の(上又は下の)円形面積の合計を領域A2で除したものを表し、接触面積CA2は、Z方向に沿った領域A2における複数のフィン44の矩形面積の合計を表す。
【0022】
冷却板10において多くの熱を吸収する第2のサブ領域A2での熱放散を促進するために、多くの熱を吸収する第2のサブ領域A2での流動性は、流体力学に基づけば熱の吸収が少ないサブ領域での流動性よりも高くなければならない。具体的には、流体冷却剤の流動性は、流体冷却剤が小さなフィンカバー範囲に遭遇した場合により高くなるのに対して、流体冷却剤がより大きなフィンカバー範囲に遭遇した場合には流体冷却剤の流動性はより低くなる。したがって、冷却板10内のサブ領域のフィンカバー範囲はその熱の吸収量に応じて構成されるべきである。例えば、フィンカバー範囲は熱の吸収量に反比例(negatively proportional)すべきである。一実施形態では、第2のサブ領域A2の第2のフィンカバー範囲FCV2は、領域A1の第1のフィンカバー範囲FCV1よりも小さく、例えば、FCV2/FCV1<1である。一実施形態では、限定されないがFCV2/FCV1=0.625又は0.5である。
【0023】
さらに、冷却板10において多くの熱を吸収する第2のサブ領域A2での熱放散を促進するために、流体冷却剤は冷却板10がより大きな接触面積を提供した場合に多くの熱を吸収する。例えば、接触面積は熱の吸収量と正比例する。一実施形態では、多くの熱を吸収する第2のサブ領域A2における接触面積CA2は、領域A1における接触面積CA1と等しいか又は大きくあるべきであり、例えばCA2/CA1=>1である。別の観点からは、多くの熱を吸収する第2のサブ領域A2における接触面積CA2は領域A1おける接触面積CA1よりも小さくない。
【0024】
即ち、本発明では、熱の吸収量に従って冷却板のサブ領域におけるフィンの分布が構成される。一実施形態では、フィンカバー範囲は熱の吸収量と反比例し、接触面積は熱の吸収量と正比例する。従って、本発明は、バッテリーモジュールの母線及びセルから多くの熱を吸収する冷却板のサブ領域での熱放散を促進できる。
【0025】
図5は、本発明の一実施形態に係る冷却板50の上面図を示す。冷却板50は、図1のバッテリーモジュール1の冷却板10を置き換えるように構成されている。冷却板50は入口ヘッダ50、出口ヘッダ52及び複数のフィン54を含み、冷却板50内に流体空間51が形成されている。冷却板50は複数の第1のサブ領域A51及び複数の第2のサブ領域A52を含み、バッテリーモジュール1の複数のセル12が充放電された場合、第2のサブ領域A52の熱の吸収量は第1のサブ領域A51の熱の吸収量よりも大きい。
【0026】
一実施形態では、複数の第2のサブ領域A52及び複数の母線14のXY平面上への突出が重なる。一実施形態では、複数の第1のサブ領域A51及び複数の母線14のXY平面上への突出は重ならない。図5に示すように、複数のフィン54の一部は第2のサブ領域A52の各々において分布がわずかであるが、複数のフィン54の一部は第1のサブ領域A51の各々において密に分布されている。一実施形態では、第2のサブ領域A52のフィンカバー範囲は第1のサブ領域A51のフィンカバー範囲よりも小さい。一実施形態では、第2のサブ領域A52において分布されるフィン54の接触面積は、第1のサブ領域A51において分布されるフィン54の接触面積と等しいか又は大きい。一実施形態では、複数のフィン54の各々は円筒状であり、冷却板50の上面と底面との間に接続されている。
【0027】
従って、多くの熱を吸収する第2のサブ領域A52の流動性は、吸収する熱が小さい第1のサブ領域A51の流動性よりも高く、バッテリーモジュール1の母線14及びセル12から多くの熱を吸収する第2のサブ領域A52での熱放散を促進する。
【0028】
図6は、図3の冷却板10内を流れる流体冷却剤のシミュレーションを示す。図7は、図5の冷却板50内を流れる流体冷却剤のシミュレーションを示す。図6及び図7において流体冷却剤は白色であり、冷却板10は灰色である。冷却板10のフィン14は均一に分布されているため、流体冷却液は冷却板10内を均一に流れる。これに対して、本発明の冷却板50のフィン54は均一に分布されていないため、本発明の冷却板50において、フィン54がまばらな第2のサブ領域A52に流れる流体冷却剤が多く、フィン54が密な第1のサブ領域A51に流れる流体冷却剤は少ない。従って、本発明の冷却板50は、バッテリーモジュール1の母線14及びセル12から多くの熱を吸収する第2のサブ領域A52での熱放散を促進する。
【0029】
以上をまとめると、本発明では、熱の吸収量に従って冷却板のサブ領域におけるフィンの分布が構成される。一実施形態では、フィンカバー範囲は熱の吸収量に反比例し、接触面積は熱の吸収量に正比例する。従って、本発明は、バッテリーモジュールの母線及びセルから多くの熱を吸収する冷却板のサブ領域での熱放散を促進できる。
【0030】
当業者であれば、本発明の教示を保持しながら装置及び方法に多くの修正及び変更を加えることができることを容易に理解できる。従って、上記の開示は、添付のクレームの範囲によってのみ限定されると解釈すべきである。
【符号の説明】
【0031】
1 バッテリーモジュール
10 冷却板
12 セル
14 母線
16 ハウジング
30 入口ヘッダ
31 流体空間
32 出口ヘッダ
34 複数のフィン
36 上面
38 底面
50 冷却板
51 流体空間
52 出口ヘッダ
53 入口ヘッダ
54 複数のフィン
【要約】
【課題】 サブ領域の熱吸収量に従ってフィンが分布された冷却板を提供すること。
【解決手段】 充放電により熱を発する複数のセルを含むバッテリーモジュールのための冷却板を開示する。冷却板は冷却板の第1のサブ領域に分布する複数の第1のフィンと、冷却板の第2のサブ領域に分布する複数の第2のフィンと、を含み、第2のサブ領域が複数のセルから吸収する熱の量が第1のサブ領域が複数のセルから吸収する熱の量よりも大きい場合、第2のサブ領域に分布する複数の第2のフィンの第2のフィンカバー範囲は、第1のサブ領域に分布する複数の第1のフィンの第1のフィンカバー範囲より小さい。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7