【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の他物固定具では、その屋根部17の上面に、前記他物3を固定自在な他物用ボルト挿通孔を設けてあったために、下地側支持部材9に設けた縦筒状本体部15の内部に雨水などが侵入しやすく、下地に水分が浸透する虞があった。
また、他物3の荷重が前記他物用ボルト挿通孔を介して屋根部17上面に作用すると共に、更に前記屋根部17上面に形成した第2ボルト挿通孔19及び前記フランジ部に形成した第1ボルト挿通孔16を介して下地側支持部材9に伝達される。
そのために、屋根部17には上からの荷重によって曲げ力が作用し、変形しやすくなる。従って、屋根部17そのものを強化するために肉厚に形成する必要があり、重量化するという問題があった。
【0005】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、屋根部による下地の防水性を向上させやすくしながら、他物固定具を軽量化できるようにするところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の特徴構成は、取付下地への第1固定部を備えた下地側支持部材と、上側の固定対象物である他物を固定自在な第2固定部を備えた上側支持部材とを設け、前記下地側支持部材の上端部と、前記上側支持部材の下端部とに、相互にボルトを介して連結自在な連結部を設けてある他物固定具であって、前記下地側支持部材に、第1固定部を備える接地部と、上下方向に沿った縦筒状本体部とを設け、前記縦筒状本体部の上部の第1縦壁部に第1ボルト挿通孔を備えて前記上側支持部材に対する前記連結部を形成し、前記上側支持部材に、前記縦筒状本体部の上端部全体を覆う屋根部を設け、前記屋根部よりも下側で前記縦筒状本体部に沿って下方に延設する連結用上下板部に第2ボルト挿通孔を備えて前記下地側支持部材に対する前記連結部を形成し、前記第2固定部に固定する他物の荷重を、下方の前記連結用上下板部に軸力伝達する第2縦壁部を、前記屋根部の上方に延設させ、前記上側支持部材を、前記屋根部及び前記連結用上下板部及び前記第2縦壁部を備えた下側部材と、前記第2固定部を備え且つ前記第2縦壁部に連結自在な第3縦壁部を備えた上側部材とに分割構成し、前記第2縦壁部と前記第3縦壁部との間に、前記第1固定部に対する前記第2固定部の相対位置を上下または横方向の少なくとも一方に固定位置変更調整自在な連結調整機構を設けて、前記下側部材と前記上側部材との間に、双方に対してボルトを介して連結自在な中間連結部材を介在し、前記第2縦壁部に形成する第3ボルト挿通孔に挿通するボルトを介して連結自在な第1中間ボルト挿通孔を、前記中間連結部材に設け、前記第3縦壁部に形成する第4ボルト挿通孔に挿通するボルトを介して連結自在な第2中間ボルト挿通孔を、前記中間連結部材に設け、前記第3ボルト挿通孔及び前記第1中間ボルト挿通孔の少なくともいずれか一方を、横方向の長い孔に形成し、前記第4ボルト挿通孔及び前記第2中間ボルト挿通孔の少なくともいずれか一方を、縦方向の長い孔に形成し、前記中間連結部材の下端部に前記屋根部に対する載置部を設けて、前記中間連結部材を前記屋根部の上に載置した状態で、前記第1固定部に対する前記第2固定部の相対位置を横方向に固定位置変更調整自在に前記連結調整機構を構成したところにある。
【0007】
本発明の第1の特徴構成によれば、取付下地への第1固定部を備えた下地側支持部材は、接地部と縦筒状本体部とを設けてあるために、上側支持部材を外して下地側支持部材のみを先行して取り付け作業をすることが可能なため、縦筒状本体部の上方には、それより大きな障害物がなく、そのために、下地側支持部材における取付下地への取付施工はスムーズに行える。
しかも、下地側支持部材の接地部を、取付下地に設置させて第1固定部により固定した後には、取付下地から接地部及び縦筒状本体部に亘って、作業を目視する際の障害がないために、施工性良く防水シートを敷設して防水性を高めることができる。
また、下地側支持部材に対しては、上側支持部材に縦筒状本体部の上端部全体を覆う屋根部を設けることにより、下地側支持部材内への雨水等の水の侵入を防止でき、上側支持部材に備える第2固定部に他物を取付固定できる。
従って、雨水等の浸透を防止した状態で、建築物の屋外に他物固定具を設置して他物を固定できるようになる。
更に、第2固定部に取付固定した他物の荷重は、第2縦壁部を介して屋根部よりも下側で縦筒状本体部に沿って下方に延設する連結用上下板部に、ストレートに下方に軸力伝達し、連結用上下板部に備える第2ボルト挿通孔、及び、下地側支持部材の縦筒状本体部の第1縦壁部に備える第1ボルト挿通孔に共にボルトを挿通させて締付け連結することで、連結用上下板部に上から伝達した他物の荷重が、そのまま第1縦壁部に軸力伝達される。
従って、他物からの荷重により上側支持部材及び下地側支持部材に曲げ力が作用することなく取付下地で支持され、下地側支持部材及び上側支持部材の各壁厚を厚くして補強することなく、他物を固定できる。
よって、軽量の他物固定具で施工性良く他物を固定できるようになった。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
上側支持部材を、屋根部及び連結用上下板部及び第2縦壁部を備えた下側部材と、第2固定部を備え且つ第2縦壁部に連結自在な第3縦壁部を備えた上側部材とに分割構成して、第2縦壁部と第3縦壁部との間に、第1固定部に対する第2固定部の相対位置を上下または横方向の少なくとも一方に固定位置変更調整自在な連結調整機構を設けることにより、取付下地に対する他物の固定姿勢及び固定位置の微調整を、自在に行うことができる。
【0012】
【0013】
下側部材と上側部材との間に、双方に対してボルトを介して連結自在な中間連結部材を介在し、他物の高さ調整の際には、第4ボルト挿通孔及び第2中間ボルト挿通孔の少なくともいずれか一方を、縦方向の長孔に形成することで、第2固定部の高さを調整して、第4ボルト挿通孔と第2中間ボルト挿通孔に通したボルトにより締め付けることで、他物の固定高さを決めることができる。
他物の横方向の位置調整には、前記第3ボルト挿通孔及び前記第1中間ボルト挿通孔の少なくともいずれか一方を、横方向の長孔に形成することで、第2固定部の横方向の固定位置を調整して、第3ボルト挿通孔と第1中間ボルト挿通孔に通したボルトにより締め付けることで、他物の横方向の固定位置を決めることができる。
その上、他物の横方向の固定位置を決める際に、中間連結部材の載置部を屋根部に載置しながら、中間連結部材を介して上側部材を横移動することができ、軽く横位置の変更ができる。
【0014】
本発明の第2の特徴構成は、前記連結用上下板部と前記第2縦壁部とは、平面視で重なる位置に配設したところにある。
【0015】
本発明の第2の特徴構成によれば、他物の荷重が第2縦壁部から下方の連結用上下板部にストレートに軸力伝達され、効率よく下地側支持部材に伝わって支持される。
従って、他物固定具に曲げ力等の力が作用しにくく、製作上において全体の軽量化に役立てることができる。
【0016】
本発明の第3の特徴構成は、前記連結部を側方から覆うカバー部材を、前記屋根部に着脱自在に設けたところにある。
【0017】
本発明の第3の特徴構成によれば、下地側支持部材に上側支持部材をボルトを使って連結部で連結した後に、屋根部にカバー部材を取り付けて連結部の側方を覆うことで、ボルトによる連結時には連結操作の障害になるのを防止しながら、連結後の連結部に雨水が当たるのを防止して、縦筒状本体部を覆う防水シートの上端部をカバー部材で覆って防水性をより高めることができる。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】