【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.刊行物への発表 ▲1▼ 刊行物名 ITO SANGYO FURNITURE & BED CATALOG Vol. 3 ▲2▼ 発行日 平成28年11月1日 ▲3▼ 発行人 伊藤産業株式会社 ▲4▼ 該当ページ 第3頁〜第4頁 2.展示会への出品 ▲1▼ 開催日 平成29年2月21日〜24日 ▲2▼ 展示会名、開催場所 国際ホテルレストランショー 東京ビックサイト 東展示場 (東京都江東区有明三丁目10番1号)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、折畳机は、使用時に脚部が倒れると危険なので、天板に対して脚部をしっかりと固定する必要がある。その一方で、折畳机は、脚部を天板に対して折りたためなければならないので、しっかりと固定しても簡単に解除できることが望まれる。
【0005】
ところが、折畳机は、固定をしっかりさせると解除が困難になり、解除を簡単にすると固定が困難になってしまうという問題があった。
本発明は、折畳机のように固定と解除が必要な対象物に使用すると、その固定も解除も簡単な止め金具と、この止め金具を用いた折畳机とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の止め金具は、長尺な形状に形成され、長手方向の一端側を支点として揺動するレバー部と、前記レバー部が揺動する揺動面の表側及び裏側のそれぞれに配置される表部と裏部と有し、前記表部と前記裏部とを所定間隔離して固定するとともに、前記レバー部の前記支点が前記表部と前記裏部との間の空間に位置し、前記レバーの遊端が前記空間の外に位置するように前記レバー部を揺動可能に固定する本体部と、前記レバー部の揺動を予め定めた停止位置で止めるストッパー部と、前記レバー部が揺動する前記揺動面に沿って、前記レバー部を前記停止位置に向かって付勢する付勢部と、を備える止め金具であって、前記表部には、 当該表部の縁部を切り欠いた挿入用切欠部であって、前記停止位置に位置する前記レバー部に対向する部分を切り欠いた挿入用切欠部が形成され、前記レバー部は、前記付勢部が当該レバー部を付勢する付勢方向に向かって凸型である弓形状に形成されるとともに、前記弓形状に沿った外側の縁部を切り欠いた引掛用切欠部であって、当該レバー部が前記停止位置に位置するときに前記挿入用切欠部と重なって引掛孔を形成する引掛用切欠部が形成されている。
【0007】
この止め金具は、レバー部の外側の縁部にピン等を当てながら、ピン等を挿入用切欠部に向かって移動させると、レバー部が弓形状に形成されているため、付勢部の付勢力に逆らって移動させる力がレバー部に働くので、レバー部が付勢部の付勢力に逆らって揺動する。さらにピン等を挿入用切欠部に向かって移動させると、やがて、レバー部が、挿入用切欠部に対向する位置から外れる。そうすると挿入用切欠部にはピン等を挿入可能な状態になるので、ピン等は挿入用切欠部に挿入される。
【0008】
そしてさらに挿入用切欠部内で引掛用切欠部に対向する位置までピン等を移動させると、レバー部が付勢部に押されて、ピン等が引掛用切欠部に入る。するとピン等は、挿入用
切欠部と引掛用切欠部とで形成される引掛孔に引っ掛かるので、ピン等は止め金具に固定される。
【0009】
このように、本発明の止め金具は、ピン等を、レバー部の外側の縁部に当てながら挿入用切欠部に向かって移動させるだけの簡単な操作で、ピン等を固定することができる。
しかも、この止め金具は、レバー部を引けば、ピン等が引掛用切欠部からはずれ、挿入用切欠部からも抜くことができる状態になるので、ピン等を引掛孔から簡単に固定を解除することもできる。
【0010】
したがって、この止め金具は、折畳机のように固定と解除が必要な対象物に使用すると、その固定も解除も簡単に行うことができる。
(2)本発明の止め金具は、次のように構成されていてもよい。
【0011】
本体部を構成する表部及び裏部には、レバー部の支点に向かって凹ませた凹部が形成されていてもよい。そして、レバー部は、表部側の凹部と裏部側の凹部とに挟まれた状態で本体部に対し揺動可能に固定されていてもよい。
【0012】
この止め金具では、レバー部が、表部側の凹部と裏部側の凹部とに挟まれて揺れ難くなるので、ピン等を止め金具に対し安定的に固定することができる。
(3)本発明の止め金具を用いた場合、折畳机は、次のように構成されていてもよい。
【0013】
上記のような止め金具を2つ備える折畳机であって、この折畳机は天板と、平行に並べた2本の脚を1の脚部とする一対の脚部であって、前記天板に対して二つ折り可能に前記天板にそれぞれ固定されるとともに、互いに反対方向に開いて前記天板に対して垂直に起きるよう固定された一対の脚部と、前記各脚部が折られた前記天板に対して二つ折り可能に前記天板に固定されるとともに、前記各脚部が開く方向に対し垂直方向に開いて、起き上がった4つの前記脚で囲まれた机下空間の外側で、前記天板に対して垂直に起きるよう固定された幕板と、前記各止め金具の前記各引掛孔に引っ掛かる各第1ピンであって、前記各脚部のうち、前記天板に対して垂直に起き上がった前記幕板に対向する位置に設けられた各第1ピンと、前記天板に対して垂直に起き上がった前記幕板の前記机下空間に対向する面のうち、前記天板に対して起き上がった前記各脚部が対向する位置であって、前記各第1ピンを前記各引掛孔に引っ掛け可能な位置にそれぞれ設けられた前記各止め金具と、を備え、前記各止め金具は、前記各脚部を起き上げるときに移動してくる前記各第1ピンに対して、前記各レバー部がなす弓形状の外側の各縁部が対向するように配置されるとともに、前記各脚部を起き上げるときに前記各第1ピンが移動するルート上に前記各レバー部及び前記挿入用切欠部が位置するように前記幕板に対してそれぞれ固定されている。
【0014】
この折畳机は、幕板を起こした後に各脚部を起こすと、各脚部を起き上げるときに移動してくる各第1ピンに対して、各レバー部がなす弓形状の外側の各縁部が対向するように配置されているので、各第1ピンは、各付勢部の付勢力に逆らって各止め金具のレバー部を揺動させながら移動する。
【0015】
そして、この折畳机は、さらに各脚部を起こすと、各第1ピンが移動するルート上に各レバー部及び挿入用切欠部が位置するように幕板に対してそれぞれ固定されているので、各第1ピンは各止め金具の各挿入用切欠部に入り、各引掛孔に引っ掛かる。
【0016】
つまり、この折畳机は、幕板を起こした後に各脚部をそれぞれ起こせば、各脚部を幕板に固定する操作を行うことなく、止め金具及び第1ピンを介して各脚部を幕板に固定することができる。この結果、各脚部及び幕板は、それぞれ天板に固定されているので、天板に対して垂直に起き上がった状態で固定される。
【0017】
したがって、この折畳机は、天板に対して幕板と各脚部を起こすだけで、天板に対して各脚部及び幕板を垂直に起き上がった状態で固定することができる。
また、この折畳机は、各止め金具の各レバーを引けば、各第1ピンとの係合が解かれ、各脚部が天板に対して折りたたむことができ、さらに幕板も折りたたむことができる。
【0018】
したがって、この折畳机は、各止め金具の各レバーを引くだけの簡単な操作で、各脚部及び幕板を天板に対して折りたたむことができる。
(4)本発明の止め金具を用いた折畳机は、次のように構成されていてもよい。
【0019】
折畳机は、各止め金具の各引掛孔に引っ掛かり、かつ、各挿入用切欠部が形成する空間に対して垂直に挿入可能な各第2ピンであって、各脚部のうち、各脚部を折りたたんだ上から折りたたんだ幕板に対向する位置に設けられた各第2ピンを備えていてもよい。
【0020】
この場合、各止め金具は、各第2ピンを各引掛孔に引っ掛け可能な位置にそれぞれ設けられていてもよい。
この折畳机は、各脚部を折りたたんだ上から幕板を折りたたむと、各第2ピンが各止め金具の各引掛孔に引っ掛かって幕板が各脚部に固定される。そのため、この折畳机は幕板と各脚部が折りたたまれた状態で固定されるので、持ち運び時に傾けても脚部や幕板が開かない。
【0021】
したがって、この折畳机は、脚部や幕板が不意に開くことを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】(a)実施形態の止め金具の平面図である。 (b)実施形態の止め金具の左側面図である。 (c)実施形態の止め金具の正面図である。
【
図2】(a)実施形態の止め金具のうち、内側カバーを取ったものの平面図でレバー部及びバネ部が設置される位置を点線で示した図ある。なお、内側カバーの脚部についても透過図で示している。
【0023】
(b)実施形態の止め金具のうち、内側カバーを取ったものの左側面図でレバー部及びバネ部が設置される位置を点線で示した図ある。
(c)実施形態の止め金具のうち、内側カバーを取ったものの正面図でレバー部及びバネ部が設置される位置を点線で示した図ある。
【
図3】(a)実施形態の止め金具の内側カバーの平面図である。
【0024】
(b)実施形態の止め金具の内側カバーの左側面図である。
(c)実施形態の止め金具の内側カバーの正面図である。
【
図4】(a)実施形態の止め金具のうち、外側カバーを取ったものの平面図である。
【0025】
(b)実施形態の止め金具のうち、外側カバーを取ったものの左側面図である。
(c)実施形態の止め金具のうち、外側カバーを取ったものの正面図である。
【
図5】(a)実施形態の止め金具の外側カバーの平面図である。
【0026】
(b)実施形態の止め金具の外側カバーの左側面図である。
(c)実施形態の止め金具の外側カバーの正面図である。
【
図6】実施形態の止め金具のうち、レバー部の平面図である。
【
図7】(a)実施形態の止め金具を設置した折畳机の一部を示す背面図であって、脚部を天板に対して垂直に立てる様子を説明するための説明図である。 (b)実施形態の止め金具を設置した折畳机の左側面図で、折畳机を折り畳んだ様子を示す一部透過図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に本発明の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態の止め金具について、
図1〜
図5を用いて説明する。
図1に示す本実施形態の止め金具1は、主に裏板部3(
図2参照)、内側カバー5(
図3参照)、外側カバー7(
図5参照)、レバー部2(
図2参照)、バネ部4(
図2参照)とを備えている。
【0028】
以下、これらを順に説明する。
1)裏面部3
裏面部3については、
図2を用いて説明する。
【0029】
なお、
図2では、レバー部2とバネ部4とを透過図で示しているが、これは、内側カバー5等を裏面部3に取り付けると、レバー部2とバネ部4とが設置される位置がわかりにくくなるので、その位置をわかりやすく説明するためのものである。
【0030】
裏板部3は、
図2(a)に示すように、略長方形状に形成されている。この裏板部3には、裏板部3の長手方向に沿った一方の辺側に寄った位置に、この一方の辺に沿って並べられた3つの凹部30〜32が形成されている。これら凹部30〜32は、裏板部3を裏側から表側に向かって凹ませたものである。これら凹部30〜32のうち、中央の凹部31は、他の凹部30,32よりも、一方の辺部側に寄った位置に形成され、しかも、
図2(b)(c)に示すように、他の凹部30,32よりも深く凹まされている。
【0031】
また、裏板部3は、長手方向に沿った他方の辺側に沿って、他の部分よりも高い壁部33が形成されている。ただし、この壁部33は、後述する停止位置に位置するレバー部2の下方部分には設けられていない。
【0032】
2)内側カバー5
内側カバー5について、
図3、
図4を用いて説明する。
内側カバー5は、
図3(a)に示すように、平面視したとき、長方形の長手方向に沿った一方の辺側の2つの角部分を削り取り、他方の辺の中央部分を半円状に切り欠いた形状の本体部50を有している。この半円状に切り欠いた切欠部分56は、後述する外側カバー7に形成された挿入用切欠部73に対向する位置に形成される。この切欠部分56は、挿入用切欠部73に重ならないよう、挿入用切欠部73よりも幅広に形成されている。
【0033】
また、内側カバー5は、
図3(b)(c)に示すように、本体部50の他方の辺の両端部分を下方に折り曲げて形成した脚部51、51と、本体部50の一方の辺のうち、中央の辺部分を下方に折り曲げて形成した脚部52とを備えている。
【0034】
この内側カバー5は、
図4(a)に示すように、裏板部3の一方の辺と内側カバー5の一方の辺とが平行となり、平面視したとき、これらの辺が重なるように、裏板部3上に固定される。また、この内側カバー5は、他方の辺に沿った幅が、裏板部3の長手方向に沿った幅と同じ幅に形成されているので、平面視したとき、裏板部3内に収まるように、裏板部3上に固定される。
【0035】
内側カバー5の本体部50には、
図3(b)(c)に示すように、上述のように裏板部3に固定されたときに各凹部30〜32と対向する位置に、裏板部3側に向かって凹ませた凹部53〜55が形成されている。
【0036】
内側カバー5に設けられた凹部53〜55は、いずれも同じ深さだけ凹まされている。
内側カバー5を裏板部3に取り付けるとき、
図4(c)に示すように、凹部30〜32と凹部53〜55の間には、円筒形状のスペーサが設置される。
図4(c)では、図面作成の都合上、凹部53と凹部30との間に設置されるスペーサ80しか示していないが、他の凹部30,31と凹部53、54との間にもスペーサが設置される。ただし、凹部31は他の凹部30,32よりも深い窪みなので、他の凹部30,32に設置されるスペーサよりも短いスペーサが設置される。これらのスペーサの中央には、筒内を通してネジが通され、裏板部3と内側カバー5とが固定される。
【0037】
凹部32と凹部55との間に設置されたスペーサの周りには、
図4(b)(c)に示すように、バネ部4が巻かれる。
凹部31と凹部54との間に設置されたスペーサには、レバー部2の支点孔21(
図6参照)が通される。この結果レバー部2は、裏面部3と内側カバー5との間の空間内で揺動可能に軸支される。
【0038】
3)外側カバー7
外側カバー7について、
図5を用いて説明する。
外側カバー7は、
図5に示すように、内側カバー5の上から被せて裏板部3及び内側カバー5の全体を覆うことができる大きさのカバーである。外側カバー7は、
図5(a)に示すように、平面視したときに、裏板部3及び内側カバー5を覆う長方形状に形成された上面部70を備えている。また外側カバー7は、
図5(b)(c)に示すように、上面部70の長手方向に沿った2つの辺のうち一方の辺と、短手方向に沿った2つの辺とを下方に向けて折り曲げて形成した側面部71とを備えている。この側面部71の下端部には、外側に向かって折り曲げたつば部72が設けられている。
【0039】
また、外側カバー7は、
図5(a)(c)に示すように、上面部70の長手方向に沿った2つの辺のうち他方の辺部の中央には、上面部70を切り欠いた挿入用切欠部73が形成されている。また、外側カバー7は、
図5(b)(c)に示すように、上面部70の長手方向に沿った2つの辺のうち他方の辺部が材料強化のため下方に向かって折り曲げられている。
【0040】
4)レバー部2
レバー2について、
図6を用いて説明する。
レバー部2は、
図6に示すように、弓形状に形成され、長手方向の一端側に、当該レバー部2を揺動可能に支持するための支点となるスペーサを通すための支点孔21が形成されている。このスペーサは、凹部31(
図2参照)と凹部54(
図3参照)との間に設置されるスペーサである。
【0041】
レバー部2は、弓形状に沿った外側の縁部22に引掛用切欠部23が形成されている。5)バネ部4
バネ部4について、
図2を用いて説明する。
【0042】
バネ部4は、裏面部3の凹部33と、内側カバー5の凹部54との間に設置されるスペーサの周りに巻かれるネジリバネである。
このバネ部4からは、2本の支線が延びていて、一本は、凹部31に当接し、一本はレバー部2に当接するように、配置される。
【0043】
これによって、バネ部4は、凹部31を支点にレバー2を付勢している。
6)止め金具1の組み立て
以上のように構成された止め金具1は、次のように組み立てられる。
【0044】
図1及び
図4を主に参照しながら説明すると、止め金具1を組み立てるには、まず、裏板部3の各凹部30〜32の上にスペーサを配置し、凹部30に配置されるスペーサにはバネ部4を取り付け、凹部31に配置されるスペーサには支点孔21を通してレバー部2を取り付けて行われる。そして、内側カバー5を裏板部3に被せる。すると、裏板部3の各凹部30〜32の上に配置されたスペーサは、内側カバー5の各凹部53〜55に当接して配置される。その後、ネジを各凹部30〜32及び各凹部53〜55の間に各スペーサを介して通し、裏板部3と内側カバー5を固定する。
【0045】
このとき、レバー部2は、バネ部4が設置された側とは反対側に向かって凸型になるように取り付けられる。そして、バネ部4は、レバー部2が凸型になる方向にレバー部2を付勢するように、止め金具1に取り付けられる。
【0046】
すると、
図2(a)に示すように、レバー部2は、支点孔21から見て引掛用切欠部23が設けられた側とは反対側の端部が内側カバー5の脚部52に当接して停止する。
このように組み立てられた止め金具1に対し、その後さらに外側カバー7を内側カバー5の外側から被せて、裏板部3及び内側カバー5に対して外側カバー7をネジ止めする。
【0047】
このとき、停止位置に停止しているレバー部2のうち、引掛用切欠部23が設けられた部分に対向する位置に、挿入用切欠部73が位置するように、外側カバー7が被せられる。すると、引掛用切欠部23と挿入用切欠部73とにより、引掛孔90が形成される。
【0048】
7)本実施形態の止め金具1の特徴的な作用効果
以上のように構成され組み立てられた止め金具1は、次のような特徴的な作用効果をそうする。
【0049】
この止め金具1は、レバー部2の外側の縁部にピン等を当てながら、ピン等を挿入用切欠部23に向かって移動させると、レバー部2が弓形状に形成されているため、バネ部4の付勢力に逆らって移動させる力がレバー部2に働くので、レバー部2がバネ部4の付勢力に逆らって揺動する。
【0050】
さらにピン等を挿入用切欠部23に向かって移動させると、やがて、レバー部2が、挿入用切欠部23に対向する位置から外れる。そうすると挿入用切欠部23にはピン等を挿入可能な状態になるので、ピン等は挿入用切欠部23に挿入される。
【0051】
そしてさらに挿入用切欠部23内で引掛用切欠部73に対向する位置までピン等を移動させると、レバー部2がバネ部4に押されて、ピン等が引掛用切欠部73に入る。するとピン等は、挿入用切欠部73と引掛用切欠部23とで形成される引掛孔90に引っ掛かるので、ピン等は止め金具1に固定される。
【0052】
このように、本実施形態の止め金具1は、ピン等を、レバー部の外側の縁部に当てながら挿入用切欠部73に向かって移動させるだけの簡単な操作で、ピン等を固定することができる。
【0053】
しかも、この止め金具1は、レバー部2を引けば、ピン等が引掛用切欠部23からはずれ、挿入用切欠部73からも抜くことができる状態になるので、ピン等を引掛孔90から簡単に固定を解除することもできる。
【0054】
したがって、この止め金具1は、後述する折畳机100のように固定と解除が必要な対象物に使用すると、その固定も解除も簡単に行うことができる。
また、本実施形態の止め金具1は、レバー部2が裏面部3の凹部31と内側カバー5の
凹部54とに挟まれた状態で裏面部3及び内側カバー5に対し揺動可能に固定されている。
【0055】
そのためこの止め金具1では、レバー部2が、裏面部3の凹部31と内側カバー5の凹部54とに挟まれて揺れ難くなるので、ピン等を止め金具1に対し安定的に固定することができる。
【0056】
8)折畳机100
次に、以上説明した止め金具1を、折畳机に適用した例について
図7を用いて説明する。
この折畳机100は、2つの止め金具1を備える机である。
【0057】
折畳机100は、天板101と、平行に並べた2本の脚を1の脚部とする一対の脚部102とを備えている。
このうち、脚部102は、天板101に対して二つ折り可能に天板101にそれぞれ固定されるとともに、互いに反対方向に開いて天板101に対して垂直に起きるよう固定されている。
【0058】
また、折畳机100は、各脚部102が折られた天板101に対して二つ折り可能に天板101に固定された幕板103を備えている。この幕板103は、各脚部102が開く方向に対し垂直方向に開いて、起き上がった4つの脚で囲まれた机下空間104の外側で、天板101に対して垂直に起きることができるように天板101に固定されている。
【0059】
さらに、折畳机100は、各止め金具1の各引掛孔90に引っ掛かる各第1ピン105であって、各脚部102のうち、天板101に対して垂直に起き上がった幕板103に対向する位置に設けられた各第1ピン105を備えている。
【0060】
一方、止め金具1は、天板101に対して垂直に起き上がった幕板103の机下空間104に対向する面のうち、天板101に対して起き上がった各脚部102が対向する位置であって、各第1ピン105を各引掛孔90に引っ掛け可能な位置にそれぞれ設けられている。
【0061】
また、各止め金具1は、各脚部102を起き上げるときに移動してくる各第1ピン105に対して、各レバー部2がなす弓形状の外側の各縁部22が対向するように配置されるとともに、各脚部102を起き上げるときに各第1ピン105が移動するルート上に各レバー部2及び挿入用切欠部73が位置するように幕板103に対してそれぞれ固定されている。
【0062】
このように形成された折畳机100は、幕板103を起こした後に各脚部102を起こすと、各脚部102を起き上げるときに移動してくる各第1ピン105に対して、各レバー部2がなす弓形状の外側の各縁部22が対向するように配置されているので、各第1ピン105は、各バネ部4の付勢力に逆らって各止め金具1のレバー部105を揺動させながら移動する。
【0063】
そして、この折畳机100は、さらに各脚部102を起こすと、各第1ピン105が移動するルート上に各レバー部2及び挿入用切欠部73が位置するように幕板103に対してそれぞれ固定されているので、各第1ピン105は各止め金具1の各挿入用切欠部73に入り、各引掛孔90に引っ掛かる。
【0064】
つまり、この折畳机100は、幕板103を起こした後に各脚部102をそれぞれ起こ
せば、各脚部102を幕板103に固定する操作を行うことなく、止め金具1及び第1ピン105を介して各脚部02を幕板103に固定することができる。この結果、各脚部012及び幕板103は、それぞれ天板101に固定されているので、天板10に対して垂直に起き上がった状態で固定される。
【0065】
したがって、この折畳机100は、天板101に対して幕板103と各脚部102を起こすだけで、天板101に対して各脚部102及び幕板103を垂直に起き上がった状態で固定することができる。
【0066】
また、この折畳机100は、各止め金具1の各レバー2を引けば、各第1ピン105との係合が解かれ、各脚部102が天板101に対して折りたたむことができ、さらに幕板103も折りたたむことができる。
【0067】
したがって、この折畳机100は、各止め金具1の各レバー2を引くだけの簡単な操作で、各脚部102及び幕板103を天板に対して折りたたむことができる。
また、本実施形態の折畳机100は、
図7(b)に示すように、各脚部102を折りたたんだ上から幕板103を天板101に対して折りたたんだとき、各止め金具1の各引掛孔に引っ掛かる位置に設置された各第2ピン106を各脚部102がそれぞれを備えている。
【0068】
そのため、本実施形態の折畳机100は、各脚部102を折りたたんだ上から幕板103を折りたたむと、各第2ピン106が各止め金具1の各引掛孔に引っ掛かって幕板103が各脚部102に固定される。そのため、この折畳机100は幕板103と各脚部102が折りたたまれた状態で固定されるので、持ち運び時に傾けても脚部102や幕板103が開かない。
【0069】
したがって、この折畳机100は、収納時になにかの機会に脚部や幕板が不意に開くことを抑制できる。
(本実施形態と本発明との対応関係)
本実施形態の裏板部3が本発明の裏部に相当し、本実施形態の内側カバー5の本体部50及び外側カバー7の上面部70が本発明の表部に相当する。
【0070】
本実施形態の裏板部3、内側カバー5、及び、外側カバー7が、本発明の本体部に相当する。
本実施形態の内側カバー5の脚部52が、本発明のストッパー部に相当する。
【0071】
本実施形態のバネ部4が、本発明の付勢部に相当する。
[他の実施形態]
以上、実施形態について説明したが、特許請求の範囲に記載された発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得る。
【0072】
(1)上記実施形態で説明した止め金具1及び折畳机100はあくまでも一例であり、これに限定されるものではない。
(2)本発明の各構成要素は概念的なものであり、上記実施形態に限定されない。例えば、1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。