特許第6851625号(P6851625)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6851625
(24)【登録日】2021年3月12日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】吊り戸構造
(51)【国際特許分類】
   E05D 15/00 20060101AFI20210322BHJP
   E05D 15/06 20060101ALI20210322BHJP
【FI】
   E05D15/00 B
   E05D15/06 125
   E05D15/06 118
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-115420(P2017-115420)
(22)【出願日】2017年6月12日
(65)【公開番号】特開2019-2149(P2019-2149A)
(43)【公開日】2019年1月10日
【審査請求日】2020年4月27日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 株式会社ベストは、山本淳一郎が発明した吊り戸の試作品を、平成29年5月26日に大建工業株式会社に公開した。
(73)【特許権者】
【識別番号】592114703
【氏名又は名称】株式会社ベスト
(74)【代理人】
【識別番号】100076369
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正治
(74)【代理人】
【識別番号】100144749
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正英
(72)【発明者】
【氏名】山本 淳一郎
【審査官】 藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−049944(JP,A)
【文献】 特開平09−209649(JP,A)
【文献】 実開昭60−014081(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0097228(US,A1)
【文献】 韓国登録特許第10−1548488(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05D 15/00 − 15/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊り具で吊持される吊り戸の構造において、
分断部材によって戸先側と戸尻側に分断されたベースと、当該ベースのうち戸先側のベースに設けられる戸先側吊り具と、前記ベースのうち戸尻側のベースに設けられる中継吊り具及び戸尻側吊り具と、吊り戸を備え、
前記吊り戸は、戸先側吊り具による吊り戸の吊持が解除されているときには、吊り戸の戸先側領域が中継吊り具で吊持され、当該吊り戸の戸尻側領域が戸尻側吊り具で吊持される、
ことを特徴とする吊り戸構造。
【請求項2】
請求項1記載の吊り戸構造において、
吊り戸は、戸尻側吊り具による吊り戸の吊持が解除されているときには、吊り戸の戸尻側領域が中継吊り具で吊持され、当該吊り戸の戸先側領域が戸先側吊り具で吊持される、
ことを特徴とする吊り戸構造。
【請求項3】
請求項1記載の吊り戸構造において、
戸先側吊り具及び中継吊り具は回転式の枠側部材及び戸側部材を備えた双方回転型吊り具であり、
戸尻側吊り具は回転式の枠側部材と固定式の戸側部材を備えた上回転型吊り具である、
ことを特徴とする吊り戸構造。
【請求項4】
請求項1の吊り戸構造において、
戸先側吊り具は固定式の枠側部材と回転式の戸側部材を備えた下回転型吊り具であり、
中継吊り具は回転式の枠側部材及び戸側部材を備えた双方回転型吊り具であり、
戸尻側吊り具は回転式の枠側部材と固定式の戸側部材を備えた上回転型吊り具であり、
ことを特徴とする吊り戸構造。
【請求項5】
請求項1記載の吊り戸構造において、
戸先側吊り具は回転式の枠側部材及び戸側部材を備えた双方回転型吊り具であり、
中継吊り具は固定式の枠側部材と回転式の戸側部材を備えた下回転型吊り具であり、
戸尻側吊り具は回転式の枠側部材と固定式の戸側部材を備えた上回転型吊り具である、
ことを特徴とする吊り戸構造。
【請求項6】
請求項1記載の吊り戸構造において、
戸先側吊り具及び中継吊り具は固定式の枠側部材と回転式の戸側部材を備えた下回転型吊り具であり、
戸尻側吊り具は回転式の枠側部材と固定式の戸側部材を備えた上回転型吊り具である、
ことを特徴とする吊り戸構造。
【請求項7】
請求項1又は請求項2記載の吊り戸構造において、
戸先側吊り具、中継吊り具及び戸尻側吊り具は固定式の枠側部材と回転式の戸側部材を備えた下回転型吊り具である、
ことを特徴とする吊り戸構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は吊下げ式の引き戸(本願において「吊り戸」という)の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
介護施設や病院、一般家庭等(本願において「施設等」という)、介護や介抱が行われる現場では、被介護者や患者(本願において「被介護者等」という)を移動するために、吊下げ走行式のリフト(本願において「移動リフト」という)が使用されることがある。移動リフトの一種として、室内の天井側に設置されたレール(移動用レール)にリフト本体を吊下げ、そのリフト本体を移動用レールに沿って移動させて被介護者等を移動させるものが知られている(特許文献1)。特許文献1の介護用リフトでは、分断された移動用レール間で吊下げベルトを掛け替えることによって、鴨居で仕切られた部屋間を移動することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
吊下げベルトを掛け替え可能な設備は高価なものが多く、資金的な理由で導入できない施設等もある。このような施設等では、移動用レールを部屋単位で設置し、その移動用レール間の移動は介護スタッフが被介護者等を抱えて行っている。一般的な被介護者等の体重は数十kg以上あるため、介護者を抱えて移動させるのは、介護スタッフにとって非常に負担が大きい。
【0005】
戸が開き戸の場合、鴨居などの仕切り(本願において「壁部」という)の一部を切欠き、その切欠き部分に部屋間を貫通する一本の移動用レールを通すことによって前記問題を解決することができるが、戸が吊り戸の場合には、吊り戸用レールが分断されることになり、その分断部分から吊り戸レール内を移動する吊り具が外れて、戸の開閉に支障をきたすおそれがある。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、壁部や壁部に設けられたガイドレール(本願において、壁部のこと又は壁部とレールの双方をまとめて「ベース」ということがある)が分断されていても、吊り戸が傾いたり、脱落したりすることなく開閉することができる吊り戸構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の吊り戸構造は、吊り戸を吊持する吊り具として、吊り戸の幅方向中心よりも戸先側の領域(本願において「戸先側領域」という)と幅方向中心よりも戸尻側の領域(本願において「戸尻側領域」という)の双方を、選択的に吊持可能な中継吊り具を備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の吊り戸構造は、吊り戸の戸先側領域及び戸尻側領域を選択的に吊持可能な中継吊り具を備えているため、戸先側吊り具や戸尻側吊り具による吊り戸の吊持が解除されても、吊り戸が不用意に傾いたり、脱落したりすることがない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】(a)は本発明の吊り戸構造における吊り戸が閉じた状態を示す斜視図、(b)は本発明の吊り戸構造における吊り戸が開いた状態を示す斜視図。
図2】(a)は双方回転型吊り具の一例を示す斜視図、(b)はその分解斜視図。
図3】(a)は下回転型吊り具の一例を示す斜視図、(b)はその分解斜視図。
図4】(a)は上回転型吊り具の一例を示す斜視図、(b)はその分解斜視図。
図5】(a)(b)は本発明の吊り戸構造の第一の実施形態の説明図。
図6】(a)(b)は本発明の吊り戸構造の第一の実施形態の説明図。
図7】(a)(b)は本発明の吊り戸構造の第二の実施形態の説明図。
図8】(a)(b)は本発明の吊り戸構造の第二の実施形態の説明図。
図9】(a)(b)は本発明の吊り戸構造の第三の実施形態の説明図。
図10】(a)(b)は本発明の吊り戸構造の第三の実施形態の説明図。
図11】(a)(b)は本発明の吊り戸構造の第四の実施形態の説明図。
図12】本発明の吊り戸構造の第四の実施形態の説明図。
図13】(a)(b)は本発明の吊り戸構造の第五の実施形態の説明図。
図14】本発明の吊り戸構造の第五の実施形態の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本発明の概要]
本発明の吊り戸構造は、図1(a)(b)に示すように、吊り戸3を吊持する吊り具10として、吊り戸3の戸先側領域3aと戸尻側領域3bを選択的に吊持可能な吊り具(本願において「中継吊り具」という)10Bを備えたものであり、ベースが分断されている場合にも吊り戸3を脱落させることなく開閉することができるものである。本発明の吊り戸構造は、例えば、図2(a)(b)〜図4(a)(b)に示す各種吊り具10を適宜組み合わせて実現することができる。なお、本願における「吊持」とは吊り下げて保持することをいい、吊り具10が吊り戸3に固定されているか否かを問わない。
【0011】
図2(a)(b)に示す吊り具10は、枠側部材11と戸側部材12と連結部材13を備えたものであり、枠側部材11と戸側部材12の双方に回転ローラーが設けられたもの(本願において「双方回転型吊り具」という)である。
【0012】
前記枠側部材11は枠側ブラケット11aと、枠側ブラケット11aに間隔をあけて設けられた二つの回転ローラー(本願において「上ローラー」という)11bを備えている。枠側ブラケット11aの長手方向両端にはネジ穴11cを備えた止め片11dが設けられている。止め片11dは、枠側部材11と接続部材13とを連結する際に、下向きL字状の突き当て具11eを固定する部分である。
【0013】
前記戸側部材12は戸側ブラケット12aと戸側ブラケット12aに間隔をあけて設けられた二つの回転ローラー(本願において「下ローラー」という)12bを備えている。枠側ブラケット12aの長手方向両端にはネジ穴12cを備えた止め片12dが設けられている。それぞれの止め片12dには下向きL字状の突き当て具12eが固定ネジB1で固定されている。枠側ブラケット12aに設けられた両ローラー12bの間には、接続ボルト13aを挿通するための挿通孔12fが設けられている。
【0014】
前記連結部材13は、接続ボルト13aと接続ボルト13aを吊る吊りブラケット13bと接続ボルト13aを抑える押さえ具13cを備えている。吊りブラケット13bの長手方向両端にはネジ穴13dを備えた止め片13eが設けられている。接続ボルト13aはその頭部と軸部の付け根部分が吊りブラケット13bのセット凹部13fにセットされ、その接続ボルト13aの上側に押さえ具13cが被せられて固定ネジB2で固定されていることによって、吊りブラケット13bと押さえ具13cで保持されている。
【0015】
枠側部材11と接続部材13は、枠側ブラケット11aの止め片11d、吊りブラケット13bの止め片13e及びL字条の突き当て具11eが固定ネジB3で固定されることによって連結されている。また、戸側部材12と接続部材13は、戸側ブラケット12aの挿通孔12fに差し込まれた接続ボルト13aを回り止め具13gの挿通孔13hに差し込み、その挿通孔13hを通過した接続ボルト13aの先端側にナット13iが締結されることによって連結されている。
【0016】
図3(a)(b)に示す吊り具10は、枠側部材21と戸側部材22と連結部材23を備えたものであり、枠側部材21に固定具が、戸側部材22に回転ローラーが設けられたもの(本願において「下回転型吊り具」という)である。
【0017】
前記枠側部材21は横長方形状の固定プレート21aとその固定プレート21aの上面側に固定された固定ナット21bで構成されている。固定プレート21aには接続ボルト23aを挿通可能な挿通孔(図示しない)が設けられ、その挿通孔と連通する位置に固定ナット21bが設けられている。固定プレート21aは吊り具10をベースに固定する際にベースにあてがう部材である。固定プレート21aには、ベースへの固定に用いる固定具(図示しない)を挿通する挿通孔21cが間隔をあけて複数個設けられている。
【0018】
前記戸側部材22は、戸側ブラケット22aと、戸側ブラケット22aに間隔をあけて設けられた二つの回転ローラー(本願において「下ローラー」という)22bを備えている。戸側ブラケット22aの長手方向両端にはネジ穴22cを備えた止め片22dが設けられている。止め片22dは、戸側部材22と接続部材23とを連結する際に、固定ネジB3を固定する部分である。
【0019】
前記連結部材23は、接続ボルト23aと接続ボルト23aを吊持する吊りブラケット23bと接続ボルト23aの下側を抑える押さえ具23cを備えている。吊りブラケットの23bの長手方向両端にはネジ穴23dを備えた止め片23eが設けられている。接続ボルト23aはその頭部と軸部の付け根部分が吊りブラケット23bのセット凹部23fにセットされており、その接続ボルト23aの下側に押さえ具23cがあてがわれて固定ネジB2で固定されている。
【0020】
前記枠側部材21と接続部材23は、固定プレート21aの挿通孔(図示しない)を通過した接続ボルト23aの先端が当該固定プレート21aに設けられた固定ナット21bにねじ込まれることによって連結されている。また、戸側部材22と接続部材23は、戸側ブラケット22aの止め片22dと吊りブラケット23bの止め片23eが固定ネジB3で固定されることによって連結されている。
【0021】
図4(a)(b)に示す吊り具10は、図3(a)(b)の吊り具10と同様、枠側部材31と戸側部材32と連結部材33を備えたものであり、枠側部材31に回転ローラーが設けられ、戸側部材32に固定具が設けられたもの(本願において「上回転型吊り具」という)である。図4(a)(b)に示す吊り具10は、図3(a)(b)に示す吊り具10の上下を逆さまにしたものである。
【0022】
前記枠側部材31は、枠側ブラケット31aと、枠側ブラケット31aに間隔をあけて設けられた二つの回転ローラー(本願において「上ローラー」という)31bを備えている。枠側ブラケット31aの長手方向両端にはネジ穴31cを備えた止め片31dが設けられている。止め片31dは、枠側部材31と接続部材33とを連結する際に、固定ネジB3を固定する部分である。
【0023】
前記戸側部材32は横長方形状の固定プレート32aとその固定プレート32aの底面側に固定された固定ナット32bで構成されている。固定プレート32aには接続ボルト33aを挿通可能な挿通孔32cが設けられ、その挿通孔32cと連通する位置に固定ナット32bが設けられている。固定プレート32aは吊り具10を吊り戸3に固定する際にベースにあてがう部材である。固定プレート32aには、ベースへの固定に用いる固定具(図示しない)を挿通する挿通孔32dが間隔をあけて複数個設けられている。
【0024】
前記連結部材33は、接続ボルト33aと接続ボルト33aを吊る吊りブラケット33bと接続ボルト33aを抑える押さえ具33cを備えている。吊りブラケットの33bの長手方向両端にはネジ穴33dを備えた止め片33eが設けられている。接続ボルト33aはその頭部と軸部の付け根部分が吊りブラケット33bのセット凹部33fにセットされており、その接続ボルト33aの上側に押さえ具33cが被せられて固定ネジB2で固定されている。
【0025】
前記枠側部材31と接続部材33は、枠側ブラケット31aの止め片31dと吊りブラケット33bの止め片33eが固定ネジB3で固定されることによって連結されている。戸側部材32と接続部材33は、固定プレート32aの挿通孔32cを通過した接続ボルト33aの先端が当該固定プレート32aに設けられた固定ナット32bにねじ込まれることによって連結されている。
【0026】
図2(a)(b)〜図4(a)(b)に示す吊り具10は一例であり、本発明の吊り戸構造は、これら以外の吊り具によっても実現することができるが、以下では、実施形態1として、戸先側の吊り具(本願において「戸先側吊り具」という)10A及び中継吊り具10Bとして双方回転型吊り具(図2(a)(b))を、戸尻側の吊り具(本願において「戸尻側吊り具」という)10Cとして上回転型吊り具(図4(a)(b))を用いる場合について説明し、実施形態2として、戸先側吊り具10Aとして下回転型吊り具(図3(a)(b))を、中継吊り具10Bとして双方回転型吊り具(図2(a)(b))を、戸尻側吊り具10Cとして上回転型吊り具(図4(a)(b))を用いる場合について説明し、実施形態3として、戸先側吊り具10Aとして双方回転型吊り具(図2(a)(b))を、中継吊り具10Bとして下回転型吊り具(図3(a)(b))を、戸尻側吊り具10Cとして上回転型吊り具(図4(a)(b))を用いる場合について説明し、実施形態4として、戸先側吊り具10A及び中継吊り具10Bとして下回転型吊り具(図3(a)(b))を、戸尻側吊り具10Cとして上回転型吊り具(図4(a)(b))を用いる場合について説明し、実施形態5として、戸先側吊り具10A、中継吊り具10B及び、戸尻側吊り具10Cとして下回転型吊り具(図3(a)(b))を用いる場合について説明する。
【0027】
[実施形態1]
本発明の吊り戸構造の第一の実施形態について、図5(a)(b)及び図6(a)(b)を参照して説明する。図5(a)(b)及び図6(a)(b)において、1は壁部、2は吊り戸レール、3は吊り戸、4は上端側レール、5は介護リフト用の移動レール(分断部材)、10A〜10Cは吊り戸3の上方を吊持する吊り具である。
【0028】
前記壁部1は部屋と部屋とを仕切る壁である。壁部1は移動レール5によって分断されている。前記吊り戸レール2は、分断された壁部1の移動レール5よりも戸先側(本願において「戸先側壁部」という)1aに設けられた戸先側レール2aと、分断された壁部1の移動レール5よりも戸尻側(本願において「戸尻側壁部」という)1bに設けられた戸尻側レール2bとで構成されている。
【0029】
戸先側レール2aは戸先側壁部1aの略全長に亘って設けられ、戸尻側レール2bは戸尻側壁部1bの略全長に亘って設けられている。戸先側レール2aと戸尻側レール2bは同一直線状に設置されている。戸先側レール2aには凹陥状のガイド溝2xが、戸尻側レール2bには凹陥状のガイド溝2yが設けられている。ガイド溝2xには戸先側吊り具10Aの枠側部材11が、ガイド溝2yには中継吊り具10Bの枠側部材11及び戸尻側吊り具10Cの枠側部材31が収まっている。
【0030】
戸先側レール2aのガイド溝2xのうち、移動レール5側の端部には、直方体状の戸先側ブロック6aが設けられている。戸先側ブロック6aには磁石(図示しない)が設けてある。磁石を設ける代わりに、磁性を備えた材料で戸先側ブロック6aを構成することもできる。戸先側ブロック6aには、磁石以外の吸着手段を設けることもできる。この実施形態の戸先側ブロック6aは戸先側吊り具10Aの移動を停止させるストッパーとしての役割を果たすものである。
【0031】
戸尻側レール2bのガイド溝2yのうち、移動レール5側の端部には、直方体状の戸尻側ブロック6bが設けられている。戸尻側ブロック6bには磁石(図示しない)が設けてある。戸先側ブロック6aと同様、磁石を設ける代わりに、磁性を備えた材料で戸尻側ブロック6bを構成することもできる。戸尻側ブロック6bには、磁石以外の吸着手段を設けることもできる。この実施形態の戸尻側ブロック6bは中継吊り具10Bの移動を停止させるストッパーとしての役割を果たすものである。
【0032】
前記吊り戸3は部屋間の壁部1に設けられた出入り口を開閉するためのものである。一例として図5(a)(b)及び図6(a)(b)に示す吊り戸3は横長方形状であり、その上部に上端側レール4が設けられている。上端側レール4は吊り戸レール2と対向する位置に設けてある。上端側レール4は、戸先側の端部から戸尻側領域3bの中央付近の位置までの長さとしてある。上端側レール4には凹陥状のガイド溝4xが設けられている。
【0033】
前記ガイド溝4xには直方体状の戸側ブロック7が固設されている。戸側ブロック7には図示しない磁石が設けてある。戸先側ブロック6aや戸尻側ブロック6bと同様、磁石を設ける代わりに、磁性を備えた材料で戸側ブロック7を構成することもできる。この実施形態の戸側ブロック7は上端側レール4の所定位置に固定され、戸先側吊り具10Aの戸側部材12を吸着する吸着具としての役割や、中継吊り具10Bの戸側部材12を吊り戸3が開く方向(本願において「開方向」という)に押す押し具の役割を果たすものである。
【0034】
前記吊り戸3は、間隔をあけて設置された三つの吊り具10A〜10Cによって吊下げられている。前述のとおり、戸先側吊り具10A及び中継吊り具10Bは双方回転型吊り具(図2(a)(b))、戸尻側吊り具10Cは上回転型吊り具(図4(a)(b))である。戸先側吊り具10Aの枠側部材11は戸先側レール2a内に、中継吊り具10Bの枠側部材11及び戸尻側吊り具10Cの枠側部材31は戸尻側レール2b内に設けられている。戸先側吊り具10Aの戸側部材12及び中継吊り具10Bの戸側部材12は上端側レール4内に設けられ、戸尻側吊り具10Cの戸側部材32は吊り戸3の戸尻側領域3bの上方端部に固定されている。
【0035】
吊り戸3の下端面には、床面に設けられた振れ止め装置のローラー9が収まる下端側レール8が設けられている。マグネット式の振れ止め装置を用いる場合等、不要な場合には下端側レール8は省略することもできる。
【0036】
移動レール5は移動リフトを移動させるためのガイドレールである。移動レール5は吊り戸レール2を分断する位置(戸先側レール2aと戸尻側レール2bの間)に配置されている。
【0037】
[吊り戸を開く際の動作]
(1)全閉状態にある吊り戸3(図5(a))を開方向へ移動させ、戸先側吊り具10Aの枠側部材11を戸先側ブロック6aに突き当たらせる(図5(b))。
(2)上記(1)の状態から吊り戸3をさらに開方向へ移動させ、戸先側吊り具10Aの戸側部材12に吸着していた戸側ブロック7を当該戸先側吊り具10Aの戸側部材12から離脱させ、中継吊り具10Bの戸側部材12に吸着させる(図6(a))。
(3)上記(2)の状態から吊り戸3をさらに開方向へ移動させ、戸先側吊り具10Aの戸側部材12を上端側レール4から離脱させ、吊り戸3を全開状態まで移動させる(図6(b))。
【0038】
上記吊り戸を開く動作では、吊り戸3を開く途中で吊り戸3を戸先側吊り具10Aから離脱させるが、吊り戸3が戸先側吊り具10Aから離脱する前に、戸先側領域3aが中継吊り具10Bで吊持され、戸尻側領域3bが戸尻側吊り具10Cで吊持されるため、吊り戸3が不用意に傾いたり、脱落したりすることがない。
【0039】
[吊り戸を閉じる際の動作]
(1)全開状態にある吊り戸3(図6(b))を吊り戸3が閉じる方向(本願において「閉方向」という)に移動させ、吊り戸3の上端側レール4内に戸先側吊り具10Aの戸側部材12を嵌合させる(図6(a))。
(2)上記(1)の状態から吊り戸3をさらに閉方向へ移動させて、中継吊り具10Bの枠側部材11を戸尻側ブロック6bに突き当たらせ、中継吊り具10Bの戸側部材12に吸着していた戸側ブロック7を当該中継吊り具10Bの戸側部材12から離脱させる(図5(b))。
(3)上記(2)の状態から吊り戸3をさらに閉方向へ移動させて、戸先側吊り具10Aの戸側部材12に吸着させ、吊り戸3を全閉状態まで移動させる(図5(a))。
【0040】
上記吊り戸を閉じる動作によって全閉状態まで移動した吊り戸3は、その戸先側領域3aが戸先側吊り具10Aで吊持され、戸尻側領域3bが中継吊り具10B及び戸尻側吊り具10Cで吊持されるため、不用意に傾いたり、脱落したりすることがない。
【0041】
[実施形態2]
本発明の吊り戸構造の第二の実施形態について、図7(a)(b)及び図8(a)(b)を参照して説明する。この実施形態の基本的な構成は実施形態1と同様である。異なるのは、吊り具10の組み合わせ、戸先側レール2a及び戸先側ブロック6aがないこと、上端側レール4が実施形態1の上端側レール4よりも短いことである。以下では、実施形態1と異なる部分を中心に説明し、実施形態1と共通する部分についてはその説明を省略する。
【0042】
この実施形態の吊り具10は、戸先側吊り具10Aが下回転型吊り具(図3(a)(b))、中継吊り具10Bが双方回転型吊り具(図2(a)(b))、戸尻側吊り具10Cが上回転型吊り具(図4(a)(b))である。戸先側吊り具10Aの枠側部材21は戸先側壁部1aに固定され、中継吊り具10Bの枠側部材11及び戸尻側吊り具10Cの枠側部材31は戸尻側レール2b内に設けられている。戸先側吊り具10Aの戸側部材22及び中継吊り具10Bの戸側部材12は上端側レール4内に設けられ、戸尻側吊り具10Cの戸側部材32は吊り戸3の戸尻側領域3bの上方端部に固定されている。
【0043】
[吊り戸を開く際の動作]
(1)全閉状態にある吊り戸3(図7(a))を開方向へ移動させ、戸側ブロック7を中継吊り具10Bの戸側部材12に吸着させる(図7(b))。
(2)上記(1)の状態から吊り戸3をさらに開方向へ移動させ、中継吊り具10Bが吊り戸3の戸先側領域3aに到達したところで、吊り戸3を戸先側吊り具10Aから離脱させる(図8(a))。
(3)上記(2)の状態から吊り戸3をさらに開方向へ移動させ、吊り戸3を全開状態まで移動させる(図8(b))。
【0044】
上記吊り戸を開く動作では、吊り戸3を開く途中で吊り戸3を戸先側吊り具10Aから離脱させるが、吊り戸3が戸先側吊り具10Aから離脱する前に、戸先側領域3aが中継吊り具10Bで吊持され、戸尻側領域3bが戸尻側吊り具10Cで吊持されるため、吊り戸3が不用意に傾いたり、脱落したりすることがない。
【0045】
[吊り戸を閉じる際の動作]
(1)全開状態にある吊り戸3(図8(b))を閉方向に移動させ(図8(a))、吊り戸3の上端側レール4内に戸先側吊り具10Aの戸側部材12を嵌合させる(図7(b))。
(2)上記(1)の状態から吊り戸3をさらに閉方向へ移動させて、中継吊り具10Bの戸側部材12に吸着していた戸側ブロック7を当該中継吊り具10Bの戸側部材12から離脱させる(図7(b))。
(3)上記(2)の状態から吊り戸3をさらに閉方向へ移動させ、吊り戸3を全閉状態まで移動させる(図7(a))。
【0046】
上記吊り戸を閉じる動作によって全閉状態まで移動した吊り戸3は、その戸先側領域3aが戸先側吊り具10Aで吊持され、戸尻側領域3bが中継吊り具10B及び戸尻側吊り具10Cで吊持されるため、不用意に傾いたり、脱落したりすることがない。
【0047】
[実施形態3]
本発明の吊り戸構造の第三の実施形態について、図9(a)(b)及び図10(a)(b)を参照して説明する。この実施形態の基本的な構成は実施形態1と同様である。異なるのは、吊り具10の組み合わせ、戸尻側レール2bが戸尻側壁部1bの全長よりも短いこと、戸尻側ブロック6bがないこと、上端側レール4が実施形態1の上端側レール4よりも長いことである。以下では、実施形態1と異なる部分を中心に説明し、実施形態1と共通する部分についてはその説明を省略する。
【0048】
この実施形態の戸先側吊り具10Aは双方回転型吊り具(図2(a)(b))、中継吊り具10Bは下回転型吊り具(図3(a)(b))、戸尻側吊り具10Cは上回転型吊り具(図4(a)(b))である。戸先側吊り具10Aの枠側部材11は戸先側レール2a内に設けられ、中継吊り具10Bの枠側部材21は戸尻側壁部1bに固定され、戸尻側吊り具10Cの枠側部材31は戸尻側レール2b内に設けられている。戸先側吊り具10Aの戸側部材12及び中継吊り具10Bの戸側部材22は上端側レール4内に設けられ、戸尻側吊り具10Cの戸側部材32は吊り戸3の戸尻側領域3bの上方端部に固定されている。
【0049】
[吊り戸を開く際の動作]
(1)全閉状態にある吊り戸3(図9(a))を開方向へ移動させ、戸先側吊り具10Aの枠側部材11を戸先側ブロック6aに突き当たらせる(図9(b))。
(2)上記(1)の状態から吊り戸3をさらに開方向へ移動させ、戸先側吊り具10Aの戸側部材12に吸着していた戸側ブロック7を当該戸先側吊り具10Aの戸側部材12から離脱させる(図10(a))。
(3)上記(2)の状態から吊り戸3をさらに開方向へ移動させ、中継吊り具10Bが吊り戸3の戸先側領域3aに到達したところで、吊り戸3を戸先側吊り具10Aから離脱させ、吊り戸3を全開状態まで移動させる(図10(b))。
【0050】
上記吊り戸を開く動作では、吊り戸3を開く途中で吊り戸3を戸先側吊り具10Aから離脱させるが、吊り戸3が戸先側吊り具10Aから離脱する前に、戸先側領域3aが中継吊り具10Bで吊持され、戸尻側領域3bが戸尻側吊り具10Cで吊持されるため、吊り戸3が不用意に傾いたり、脱落したりすることがない。
【0051】
[吊り戸を閉じる際の動作]
(1)全開状態にある吊り戸3(図10(b))を閉方向に移動させて吊り戸3の上端側レール4を戸先側吊り具10Aの戸側部材12を嵌合させる(図10(a))。
(2)上記(1)の状態から吊り戸3をさらに閉方向へ移動させ、戸側ブロック7を戸先側吊り具10Aの戸側部材12に吸着させる(図9(b))。
(3)上記(2)の状態から吊り戸3をさらに閉方向へ移動させて戸側ブロック7で戸先側吊り具10Aを押し、戸先側吊り具10Aの枠側部材11をブロック6aから離脱させて、吊り戸3を全閉状態まで移動させる(図9(a))。
【0052】
上記吊り戸を閉じる動作によって全閉状態まで移動した吊り戸3は、その戸先側領域3aが戸先側吊り具10Aで吊持され、戸尻側領域3bが中継吊り具10B及び戸尻側吊り具10Cで吊持されるため、不用意に傾いたり、脱落したりすることがない。
【0053】
[実施形態4]
本発明の吊り戸構造の第四の実施形態について、図11(a)(b)及び図12を参照して説明する。この実施形態の基本的な構成は実施形態1と同様である。異なるのは、吊り具10の組み合わせ、戸先側レール2a及び戸先側ブロック6aがないこと、戸尻側レール2bが戸尻側壁部1bの全長よりも短いこと、戸尻側ブロック6bがないこと、上端側レール4が実施形態1の上端側レール4よりも長いことである。以下では、実施形態1と異なる部分を中心に説明し、実施形態1と共通する部分についてはその説明を省略する。
【0054】
この実施形態の戸先側吊り具10A及び中継吊り具10Bは下回転型吊り具(図3(a)(b))、戸尻側吊り具10Cは上回転型吊り具(図4(a)(b))である。戸先側吊り具10Aの枠側部材21は戸先側壁部1aに固定され、中継吊り具10Bの枠側部材21は戸尻側壁部1bに固定され、戸尻側吊り具10Cの枠側部材31は戸尻側レール2b内に設けられている。戸先側吊り具10Aの戸側部材22及び中継吊り具10Bの戸側部材22は上端側レール4内に設けられ、戸尻側吊り具10Cの戸側部材32は吊り戸3の戸尻側領域3bの上方端部に固定されている。
【0055】
[吊り戸を開く際の動作]
(1)全閉状態にある吊り戸3(図11(a))を開方向へ移動させ、中継吊り具10Bを吊り戸3の戸先側領域3aに到達させる(図11(b))。
(2)上記(1)のように中継吊り具10Bを吊り戸3の戸先側領域3aに到達させたのち、吊り戸3をさらに開方向へ移動して戸先側吊り具10Aの戸側部材22から離脱させ、吊り戸3を全開状態まで移動させる(図12)。
【0056】
上記吊り戸を開く動作では、吊り戸3を開く途中で吊り戸3を戸先側吊り具10Aから離脱させるが、吊り戸3が戸先側吊り具10Aから離脱する前に、戸先側領域3aが中継吊り具10Bで吊持され、戸尻側領域3bが戸尻側吊り具10Cで吊持されるため、吊り戸3が不用意に傾いたり、脱落したりすることがない。
【0057】
[吊り戸を閉じる際の動作]
(1)全開状態にある吊り戸3(図12)を閉方向に移動させ、吊り戸3の上端側レール4内に戸先側吊り具10Aの戸側部材22を嵌合させる(図11(b))。
(2)上記(1)の状態から吊り戸3をさらに閉方向へ移動させ、吊り戸3を全閉状態まで移動させる(図11(a))。
【0058】
上記吊り戸を閉じる動作によって全閉状態まで移動した吊り戸3は、その戸先側領域3aが戸先側吊り具10Aで吊持され、戸尻側領域3bが中継吊り具10B及び戸尻側吊り具10Cで吊持されるため、不用意に傾いたり、脱落したりすることがない。
【0059】
[実施形態5]
本発明の吊り戸構造の第五の実施形態について、図13(a)(b)及び図14を参照して説明する。この実施形態の基本的な構成は実施形態1と同様である。異なるのは、吊り具10の組み合わせ、戸先側レール2a及び戸先側ブロック6aがないこと、戸尻側レール2b及び戸尻側ブロック6bがないこと、上端側レール4が吊り戸3の上部の長さ方向全長に亘って設けられていること、戸側ブロック7がないことである。以下では、実施形態1と異なる部分を中心に説明し、実施形態1と共通する部分についてはその説明を省略する。
【0060】
この実施形態の戸先側吊り具10A、中継吊り具10B、及び戸尻側吊り具10Cは、いずれも下回転型吊り具(図3(a)(b))である。戸先側吊り具10Aの枠側部材21は戸先側壁部1aに固定され、中継吊り具10Bの枠側部材21及び戸尻側吊り具10Cの枠側部材21は戸尻側壁部1bに固定されている。戸先側吊り具10Aの戸側部材22、中継吊り具10Bの戸側部材22及び戸尻側吊り具10Cの戸側部材22は上端側レール4内に設けられている。
【0061】
[吊り戸を開く際の動作]
(1)全閉状態にある吊り戸3(図13(a))を開方向へ移動させ、中継吊り具10Bを吊り戸3の戸先側領域3aまで到達させる(図13(b))。
(2)上記(1)のように中継吊り具10Bを吊り戸3の戸先側領域3aに到達させたのち、吊り戸3をさらに開方向へ移動して戸先側吊り具10Aの戸側部材22から離脱させ、吊り戸3を全開状態まで移動させる(図14)。
【0062】
上記吊り戸を開く動作では、吊り戸3を開く途中で吊り戸3を戸先側吊り具10Aから離脱させるが、吊り戸3が戸先側吊り具10Aから離脱する前に、戸先側領域3aが中継吊り具10Bで吊持され、戸尻側領域3bが戸尻側吊り具10Cで吊持されるため、吊り戸3が不用意に傾いたり、脱落したりすることがない。
【0063】
[吊り戸を閉じる際の動作]
(1)全開状態にある吊り戸3(図14)を閉方向に移動させ、吊り戸3の上端側レール4内に戸先側吊り具10Aの戸側部材22を嵌合させる(図13(b))。
(2)上記(1)の状態から吊り戸3をさらに閉方向へ移動させ、吊り戸3を全閉状態まで移動させる(図13(a))。
【0064】
上記吊り戸を閉じる動作では、吊り戸3を閉じる途中で吊り戸3を戸尻側吊り具10Cから離脱させるが、吊り戸3が戸尻側吊り具10Cから離脱する前に、戸尻側領域3bが中継吊り具10Bで吊持され、戸先側領域3aが戸先側吊り具10Aで吊持されるため、吊り戸3が不用意に傾いたり、脱落したりすることがない。
【0065】
[その他の実施形態]
前記実施形態1〜5では、移動レール5よりも戸先側に、途中で吊り戸3から離脱して吊り戸3の吊持を解除する吊り具10が設けてある。また、離脱する吊り具10が上端側レール4から離脱するタイミングでは、必ず、吊り戸3の戸先側領域3aと戸尻側領域3bの夫々が他の吊り具によって吊持されるようにしてある。本発明の吊り戸構造は、これらの条件がそろえば、前記実施形態1〜5に示す構造以外の構造とすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の吊り戸構造は、介護施設や病院等の施設、一般家庭など、レール式の移動装置(例えば、介護リフト)を設置する場合などに特に適する構造である。
【符号の説明】
【0067】
1 壁部
1a 戸先側壁部
1b 戸尻側壁部
2 吊り戸レール
2a 戸先側レール
2b 戸尻側レール
2x (戸先側レールの)ガイド溝
2y (戸尻側レールの)ガイド溝
3 吊り戸
3a (吊り戸の)戸先側領域
3b (吊り戸の)戸尻側領域
4 上端側レール
4x ガイド溝
5 移動レール
6a 戸先側ブロック
6b 戸尻側ブロック
7 戸側ブロック
8 下端側レール
9 ローラー
10 吊り具
10A 戸先側吊り具
10B 中継吊り具
10C 戸尻側吊り具
11 枠側部材
11a 枠側ブラケット
11b 上ローラー
11c ネジ穴
11d 止め片
11e 突き当て具
12 戸側部材
12a 戸側ブラケット
12b 下ローラー
12c ネジ穴
12d 止め片
12e 突き当て具
12f 挿通孔
13 連結部材
13a 接続ボルト
13b 吊りブラケット
13c 押さえ具
13d ネジ穴
13e 止め片
13f セット凹部
13g 回り止め具
13h 挿通孔
13i ナット
21 枠側部材
21a 固定プレート
21b 固定ナット
21c 挿通孔
22 戸側部材
22a 戸側ブラケット
22b 下ローラー
22c ネジ穴
22d 止め片
23 連結部材
23a 接続ボルト
23b 吊りブラケット
23c 押さえ具
23d ネジ穴
23e 止め片
23f セット凹部
31 枠側部材
31a 枠側ブラケット
31b 上ローラー
31c ネジ穴
31d 止め片
32 戸側部材
32a 固定プレート
32b 固定ナット
32c 挿通孔
32d 挿通孔
33 連結部材
33a 接続ボルト
33b 吊りブラケット
33c 押さえ具
33d ネジ穴
33e 止め片
33f セット凹部
B1 固定ネジ
B2 固定ネジ
B3 固定ネジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14