特許第6851626号(P6851626)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6851626-シャワーヘッド 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6851626
(24)【登録日】2021年3月12日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】シャワーヘッド
(51)【国際特許分類】
   A47K 3/28 20060101AFI20210322BHJP
   B05B 1/18 20060101ALI20210322BHJP
【FI】
   A47K3/28
   B05B1/18 101
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2017-135447(P2017-135447)
(22)【出願日】2017年7月11日
(65)【公開番号】特開2019-17404(P2019-17404A)
(43)【公開日】2019年2月7日
【審査請求日】2020年3月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000144072
【氏名又は名称】SANEI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074273
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英夫
(74)【代理人】
【識別番号】100173222
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100151149
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 幸城
(72)【発明者】
【氏名】西岡 利明
(72)【発明者】
【氏名】木村 訓和
(72)【発明者】
【氏名】船戸 博文
(72)【発明者】
【氏名】山田 里志
【審査官】 立澤 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−016974(JP,A)
【文献】 意匠登録第1476545(JP,S)
【文献】 特開2016−082891(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/28
B05B 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
掌に収まる大きさとしてあり、柄を設けずにそれ自体を掌で把持した状態で体に向けてシャワーを浴びるためのシャワーヘッドであって、その背部を横断面が凸曲面状としてあるとともに、その前部も横断面が凸曲面状としてあり、さらに、正面視および背面視において上、下部に左右への突出部を設けて鼓状とし、しかも、横が50〜120mm、縦が50〜200mm、厚みが10〜50mmであるシャワーヘッド。
【請求項2】
背部は、底面が凸曲面状に形成された凹所を有する一方、その凹所に着脱可能に嵌込まれたビス隠し用のシートカバーを備え、前部と背部は前記底面の中央に形成されたビス孔に螺着するビスにより合体されているとともに、シートカバー側と凹所側とにそれぞれ形成されたワンタッチ係止部により凹所の前記底面にそのシートカバーが取付けられ、さらに、凹所の外側を上下、左右にわたって一周するよう背部に形成される枠部分の表面からシートカバーの背部の面が突き出ることのないようシートカバーは凸曲面状に形成されている請求項1に記載のシャワーヘッド。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャワーヘッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば浴室内に設置されているシャワーヘッドとして、複数の散水孔を有するヘッド部分と、ヘッド部分から下方に連設され内側に一次側通水路を有する柄とを有するものがある。
【0003】
そして、片手の掌でシャワーヘッドを持ちながらシャワーを浴びるため最適な持ち方ができるよう種々の工夫が前記柄及び/又はヘッド部分に施されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、柄を持ちながらヘッド部分を体に向けてシャワーを浴びるという動きは、片手の動き(ヘッド部分の動き)が柄を介しての動きであるので、大口径のシャワー板を備えたヘッド部分の場合、柄を持つことによりシャワーを浴びる場合の負担が片手にかかりやすいおそれがあり、このことは日常経験するところでもある。
【0005】
そのために、ヘッド部分を持ちながらシャワーを浴びることもありうる。
【0006】
場合によってはシャワー中に柄が体に当たることもありうる。
【0007】
本発明は上述の事柄を考慮に入れてなされたものであり、シャワーを浴びるときの使用者にかかる負担をできるだけ軽減できるシャワーヘッドを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、掌に収まる大きさとしてあり、柄を設けずにそれ自体を掌で把持した状態で体に向けてシャワーを浴びるためのシャワーヘッドであって、その背部を横断面が凸曲面状としてあるとともに、その前部も横断面が凸曲面状としてあり、さらに、正面視および背面視において上、下部に左右への突出部を設けて鼓状とし、しかも、横が50〜120mm、縦が50〜200mm、厚みが10〜50mmであるシャワーヘッドを提供する。
【0009】
本願の請求項2に係る発明は、背部は、底面が凸曲面状に形成された凹所を有する一方、その凹所に着脱可能に嵌込まれたビス隠し用のシートカバーを備え、前部と背部は前記底面の中央に形成されたビス孔に螺着するビスにより合体されているとともに、シートカバー側と凹所側とにそれぞれ形成されたワンタッチ係止部により凹所の前記底面にそのシートカバーが取付けられ、さらに、凹所の外側を上下、左右にわたって一周するよう背部に形成される枠部分の表面からシートカバーの背部の面が突き出ることのないようシートカバーは凸曲面状に形成されている請求項1に記載のシャワーヘッドを提供する。
【0010】
【0011】
【0012】
【発明の効果】
【0013】
本発明では、シャワーヘッド自体が掌で把持されることにより、片手の動きが柄を介しての動きではなくなり直接シャワーヘッドに伝わるので、シャワーを浴びる場合の使用者にかかる負担が軽減される。
【0014】
又、例えば複数の散水孔が前部に形成されるシャワーヘッドの場合、背部から直接掌で把持しながら使用できるので、あたかも石鹸を持って体を洗う場合のように、邪魔なく体のいたる個所に自由に持っていくことができ、シャワー効果を大にできる。
【0015】
又、背部の横断面が凸曲面状としてあるので、背部を把持している掌の表面が背部の凸曲面状の面にビッタリとなじみ密着(接触)する。
【0016】
即ち、背部の横断面が平面等の非曲面状である場合に比べて背部と掌の密着効果を大にでき、片手とシャワーヘッドの一体感が生じて片手とシャワーヘッドを一体的に動かすことができ、シャワーヘッドを片手の動きに容易に追随できる。
【0017】
又、正面視において、上、下部に左右への突出部を設けてあるので、シャワーヘッドを上下自在に操作しても掌が突出部に引っ掛かることで掌からシャワーヘッドが手からスベリ落ちるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係るシャワーヘッドの背部を示す斜視図である。
図2】上記実施形態における使用状態を示す分解斜視図である。
図3】上記実施形態における使用状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、それによって本発明は限定されるものではない。
【0020】
図1図3は本発明の一実施形態を示す。
【0021】
図1図3において、シャワーヘッド1は、掌に収まる大きさとしてあり、柄を設けずにそれ自体を掌で把持するようにしてある。シャワーヘッド1の素材はアルミニウム等の金属や陶器や合成樹脂を挙げることができる。この実施形態では浴室にシャワーヘッド1が設置されている。
【0022】
シャワーヘッド1は、横が50〜120mm、縦が50〜200mm、厚みが10〜50mmである。
【0023】
シャワーヘッド1は、背部2を横断面が凸曲面状としてある。又、前部5も横断面を凸曲面状としてある。
【0024】
シャワーヘッド1には、上、下部に左右への突出部3を設けてあり、正面視鼓状である。
【0025】
更に、シャワーヘッド1は、前部5に通常のシャワーを吐水する複数の散水孔6を有している。
【0026】
7は、シャワーヘッド1の下端中央に設けた一次側通水口で、ホース20を介して上流側に設けた湯水混合部(図示せず)に連通しているとともに、湯水を一次側通水口7から散水孔6に通水する通水流路を形成する通水部(図示せず)がシャワーヘッド1の内部に形成されている。
【0027】
シャワーヘッド1は背部2に、底面が凸曲面状に形成された凹所8を有する。
【0028】
シャワーヘッド1の前部5と背部2は凹所8の前記底面の中央に形成されたビス孔に螺着するビス(図示せず)により合体されている。
【0029】
9は、その凹所8に着脱可能に嵌込まれたビス隠し用のシートカバーで、シートカバー9側と凹所8側とにそれぞれ形成された例えばワンタッチ係止部により凹所8の前記底面に取付けられている。
【0030】
尚、凹所8の外側を上下、左右にわたって一周するよう背部2に形成される枠部分10の表面からシートカバー9の背部9aの面が突き出ることのないようシートカバー9は凸曲面状に形成されているので、背部2側から掌でシャワーヘッド1を持っても凹凸がなく持ちやすい。
【0031】
更に、シートカバー9の少なくとも前記背部9aの面部分には滑り止め効果を発揮するよう処理がなされているが、シートカバー9自体を滑り止め効果を発揮する素材で形成してもよい。
【0032】
よって、シートカバー9は滑り止め兼ビス隠し用の部材として機能する。
【0033】
11は、正面向かって右からシャワーヘッド1、吐水/止水及び流量調整並びにシャワー/カラン(図示せず)切換用の回転部材12、温調用回転部材13が上面11aに順次配置されたボックスである。
【0034】
ボックス11は、浴室内の壁面の適宜の高さ位置に固定レール14を設置し、この固定レール14にベースボックス15の上部を引っ掛け、下部をネジ16で固定し、サイド両パネル17及び前面パネル18をベースボックス15に組付けてある。
【0035】
又、シャワーヘッド1は、ボックス上面11aに穿設された保持穴に一次側通水口7を介して着脱自在に保持されている。
【0036】
而して、流量調整回転部材12をシャワーモードに切換えるとともに、温調用回転部材13で湯水の温度を調整すると、複数の散水孔6からシャワー吐水する。
【0037】
シャワーヘッド1自体が掌で把持されることにより、片手の動きが柄を介しての動きではなくなり直接シャワーヘッド1に伝わるので、シャワーを浴びる場合の使用者にかかる負担が軽減される。
【0038】
又、背部2から直接掌で把持しながら使用できるので、邪魔なく体のいたる個所に自由に前部5を持っていくことができ、シャワー効果を大にできる。
【0039】
又、背部2を横断面が凸曲面状としてあるので、背部2を把持している掌の表面が背部2の凸曲面状の面にビッタリとなじみ密着(接触)し、持ちやすい。
【0040】
又、突出部3を設けてあるので、シャワーヘッド1を上下自在に操作しても掌が突出部3に引っ掛かることで掌からシャワーヘッド1が手からスベリ落ちるのを防止することができる。
【0041】
尚、本発明は、通常のシャワーと勢いの強いストレート吐水を切り換えて体の局所に当てて神経を刺激し、血行を盛んにする指圧機能や、血行をよくし、疲労を去り、筋肉の機能を高め、神経の興奮をしずめるマッサージ機能を持つシャワーヘッドに適宜適用できる。
【0042】
又、本発明では、シャワーヘッド1の前部5に、通常のシャワーを吐水する複数の散水孔6以外にブラシ状の部材を複数設け、使用時にシャワーだけではなく、直接ブラシ状の部材を体に当てて動かすアカスリ用に兼用してもよい。
【0043】
又、本発明では、体を洗う石鹸等の洗浄料を混合した石鹸泡等のでるシャワーヘッドにも適用できる。
【0044】
又、本発明では、水圧変更による指圧機能やマッサージ機能付きシャワーを吐水するシャワーヘッドにも適用できる。
【0045】
又、本発明では、凹所8に着脱可能に嵌込まれたビス隠し用のシートカバー9に子供が興味を持つ印刷シールを取り替え可能にはりつけたりして興味をそそることにも適用できる。
【符号の説明】
【0046】
1 シャワーヘッド
2 背部
3 突出部
図1
図2
図3